JP6492441B2 - 不織布の製造方法 - Google Patents
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Description
これらの文献には、分離膜製造時の製膜性、製膜後の凝固や洗浄槽通過時の加工性、および流体分離素子製造時の加工性については提案や記載があり、また、分離膜支持体上で分離膜等が凝固し収縮する際の支持体の変形を抑制することについても言及されている。
紡糸速度については、スパンボンド法の場合は、高速吸引ガスによる吸引延伸時の吸引圧力を調整することで、コントロールすることが出来る。
紡糸速度が同じ繊維からなる2層の不織布シートを、温度差を有する1対のフラットロールで積層した場合、不織布シートの表裏の繊維融着が異なるため、寸法安定性に劣るものとなる。さらに、紡糸速度の速い繊維からなる不織布シートを低温側に配し、紡糸速度の遅い繊維からなる不織布シートを高温側に配し、積層加工による一体化を行う場合は、紡糸速度の遅い繊維からなる不織布シート側の表面の繊維の融着が激しくなり、寸法変化が大きくなり、不織布を分離膜支持体として使用するうえで好ましくない。
金属ロールの表面温度が不織布シートを構成する繊維の少なくとも表面を構成する高分子重合体の融点よりも20℃以上低ければ、不織布表面繊維の過度の融着を抑制することができ、不織布を分離膜支持体として使用した際に高分子重合体溶液が浸透しやすくなり、膜剥離強度に優れた分離膜支持体を得ることができる。
金属ロールおよび弾性ロールの表面温度の測定方法は、接触式の温度計を用い、回転するロールに接触させ、温度計の表示値が安定した数値を読み取る。安定する数値としては、測定時の表示値の振れが±1℃となることが好ましい状態である。
(1)ポリマーの融点(℃):
ポリマーの融点は、パーキンエルマ社製示差走査型熱量計DSC−2型を用い、昇温速度20℃/分の条件で測定し、得られた融解吸熱曲線において極値を与える温度を融点とした。また、示差走査型熱量計において、融解吸熱曲線が極値を示さない樹脂については、ホットプレート上で加熱し、顕微鏡観察により樹脂が完全に溶融した温度を融点とした。
ポリエチレンテレフタレート樹脂の固有粘度(IV)は、次の方法で測定した。オルソクロロフェノール100mlに対し試料8gを溶解し、温度25℃においてオストワルド粘度計を用いて相対粘度ηrを、下記式により求めた。
・ηr=η/η0=(t×d)/(t0×d0)
ここで、η:ポリマー溶液の粘度
η0:オルソクロロフェノールの粘度
t:溶液の落下時間(秒)
d:溶液の密度(g/cm3)
t0:オルソクロロフェノールの落下時間(秒)
d0:オルソクロロフェノールの密度(g/cm3)
次いで、相対粘度ηrから下記式により、固有粘度(IV)を算出した。
・IV=0.0242ηr+0.2634。
平均単繊維直径は、不織布からランダムに小片サンプル10個を採取し、走査型電子顕微鏡で500〜3000倍の写真を撮影し、各サンプルから10本ずつ、計100本の単繊維の直径を測定し、それらの平均値を、小数点以下第二位を四捨五入して求めた。
紡糸速度は、上記(4)で得られた平均繊維直径から、次の式によって算出し、十の位を四捨五入して求めた。
・紡糸速度(m/分)=単孔吐出量(g/分/H)/(平均単繊維直径(μm)/2)2×π×ポリマー密度(g/cm3)×10−6
(5)不織布の目付(g/m2):
不織布の目付は、30cm×50cmの不織布を3個採取して、各試料の質量をそれぞれ測定し、得られた値の平均値を単位面積当たりに換算し、小数点以下第一位を四捨五入した。
不織布の厚さは、直径10mmの加圧子を使用し、荷重10kPaで不織布の幅方向1mあたり等間隔に10点を0.01mm単位で厚さを測定し、その平均値の小数点以下第三位を四捨五入した。
不織布の平滑度は、ベック平滑度試験機を用い、JIS P8119(1998年版)に基づいて、不織布の表面と裏面についてそれぞれ5点の測定を実施した。5点の平均値の小数点以下第一位を四捨五入した値を、表面と裏面の平滑度とした。ここで分離膜支持体として用いる際の、製膜面を表面とし、非製膜面を裏面とした。
不織布の沸騰水カール高さは、不織布の任意の部分から縦(不織布長さ方向)25cm×横(不織布幅方向)25cmのサンプルを3個採取し、沸騰水中に5分間浸漬してから取り出し、平らな台上で不織布の平滑度が大きい面を上にして自然乾燥する。3個のサンプルそれぞれについて、両側辺の中央部の高さ(台との距離)を0.5mm単位で測定し、それらを平均し、小数点以下第二位を四捨五入して沸騰水カール高さを算出した。
不織布の引張強力は、JIS L1913(2010年版)の6.3.1に基づいて、5cm×30cmの不織布サンプルについて、つかみ間隔が20cmで、引張速度10cm/分の条件で、縦方向および横方向それぞれ5点について強力を測定し、破断したときの強力を読み取り、少数点以下第一位を四捨五入した値を縦方向と横方向の引張強力とした。
製膜時のキャスト液裏抜け性は、作製したポリスルホン膜の裏面を目視で観察し、キャスト液の裏抜け性について次の5段階で評価し、4〜5点を合格とした。
5点:キャスト液の裏抜けが全く見られない。
4点:わずかにキャスト液の裏抜けが見られる(面積比率5%未満)。
3点:キャスト液の裏抜けが見られる(面積比率5〜50%)。
2点:大部分でキャスト液の裏抜けが見られる(面積比率51〜80%)。
1点:ほぼ全面でキャスト液の裏抜けが見られる。
製膜時の膜折れ曲がり性は、製膜時の巻き出しから巻き取りまでの分離膜支持体および膜の状態を目視で観察し、膜折れ曲がり性について次の5段階で評価し、3〜5点を合格とした。
5点:膜折れ曲がりは全く見られない。
1点:全長の50%以上に渡って膜が折れ曲がり、折れ曲がった状態で巻き取られる。
(芯成分)
固有粘度(IV)が0.65であり、融点が260℃であり、密度が1.38g/cm3であり、酸化チタンの含有量が0.3質量%のポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂(樹脂種*1とする。)を、水分率10ppmに乾燥したものを芯成分として用いた。
固有粘度(IV)が0.66であり、イソフタル酸共重合率が11モル%であり、融点が230℃であり、密度が1.38g/cm3であり、酸化チタンの含有量が0.2質量%の共重合ポリエチレンテレフタレート(co−PET)樹脂(樹脂種*2とする。)を、水分率10ppmに乾燥したものを鞘成分として用いた。
上記の芯成分および鞘成分を、それぞれ295℃と290℃の温度で溶融し、口金温度が300℃条件で、芯成分と鞘成分の質量比率を80/20として、同心芯鞘型(断面円形)に複合して細孔から紡出した後、エジェクターにより紡糸速度4500m/分で紡糸して、移動するネットコンベアー上に繊維ウエブ(a)として捕集した。
上記の捕集された繊維ウエブ(a)を、上下1対の金属製フラットロール間に通し、各フラットロール表面温度が130℃で、線圧が490N/cmの条件で予備熱圧着して、繊維径が10.2μmであり、目付が38g/m2であり、厚さが0.15mm、充填密度が、0.25g/cm3の仮接着状態のスパンボンド(SB)不織布シート(a)を得た。
(紡糸・繊維ウエブ(b)の捕集)
エジェクターにより紡糸速度4100m/分で紡糸したこと以外は、上記の(紡糸・繊維ウエブ捕集(a))と同様に、繊維ウエブ(b)として捕集した。
上記の捕集された繊維ウエブ(b)を、上下1対の金属製フラットロール間に通し、各フラットロール表面温度が130℃で、線圧が490N/cmの条件で予備熱圧着して、繊維径が10.7μmであり、目付が38g/m2であり、厚さが0.15mm、充填密度が、0.25g/cm3の仮接着状態のスパンボンド(SB)不織布シート(b)を得た。
(熱圧着)
上記のようにして得られた仮接着状態のスパンボンド(SB)不織布シート(a)と(b)を、上が硬度(Shore D)91の樹脂製の弾性ロールで、中が金属ロールで、下が硬度(Shore D)75の樹脂製の弾性ロールの1組の3本フラットロールの中−下間に、金属ロール側をスパンボンド不織布シート(a)、弾性ロール側をスパンボンド不織布シート(b)となるように、通して熱圧着し、さらにその不織布を折り返して上−中間を通し熱圧着し、目付が76g/m2であり、厚さが0.09mmであり、表面の平滑度が27秒であり、裏面の平滑度が10秒であり、タテの沸騰水カール高さが0.3mmで、ヨコの沸騰水カール高さが1.7mmのスパンボンド不織布を製造した。このときの3本フラットロールの表面温度は、上が中心値125℃で、ロール幅方向の温度差は中心値に対し±5℃、中が中心値190℃で、ロール幅方向の温度差は中心値に対し±2℃、下が中心値135℃で、ロール幅方向の温度差は中心値に対し±5℃とし、線圧は1862N/cmとした。
[ポリスルホン膜]
得られたスパンボンド不織布50cm幅×10m長を、12m/分の速度で巻き出し、その上にポリスルホン(ソルベイアドバンスドポリマーズ社製の“Udel”(登録商標)−P3500)の16質量%ジメチルホルムアミド溶液(キャスト液)を45μm厚みで、室温(20℃)でキャストし、ただちに純水中に室温(20℃)で10秒間浸漬した後、75℃の温度の純水中に120秒間浸漬し、続いて90℃の温度の純水中に120秒間浸漬し、100N/全幅の張力で巻き取り、ポリスルホン膜を作製した。このとき、キャスト液の裏抜けがわずかに見られ、また巻き出しから巻き取りの間に膜の折れ曲がりも無く、製膜加工性は良好であった。結果を表1に示す。
(紡糸・繊維ウエブ(a)の捕集)のエジェクターによる紡糸速度4300m/分での紡糸、および(紡糸・繊維ウエブ(a)の捕集)のエジェクターによる紡糸速度4100m/分での紡糸を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、繊維径が10.4μmであり、目付が38g/m2であり、厚さが0.15mmの仮接着状態のスパンボンド(SB)不織布シート(a)と、繊維径が10.7μmであり、目付が38g/m2であり、厚さが0.15mmの仮接着状態のスパンボンド(SB)不織布シート(b)を得た。
上記のようにして得られた仮接着状態のスパンボンド(SB)不織布シート(a)と(b)を、2枚重ね合わせ、実施例1と同じ条件で積層熱圧着を実施し、目付が76g/m2であり、厚さが0.09mmであり、表面の平滑度が26秒であり、裏面の平滑度が10秒であり、タテの沸騰水カール高さが1.6mmで、ヨコの沸騰水カール高さが3.6mmのスパンボンド不織布を製造した。
[ポリスルホン膜]
上記のようにして得られたスパンボンド不織布50cm幅×10m長を用い、実施例1と同じ条件でポリスルホン膜を作成した。このとき、キャスト液の裏抜けが全く見られず、また巻き出しから巻き取りの間に膜の折れ曲がりも無く、製膜加工性は良好であった。結果を表1に示す。
(紡糸・繊維ウエブ(a)の捕集)のエジェクターによる紡糸速度4300m/分での紡糸、および(紡糸・繊維ウエブ(b)の捕集)のエジェクターによる紡糸速度3800m/分での紡糸を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、繊維径が10.4μmであり、目付が38g/m2であり、厚さが0.15mmの仮接着状態のスパンボンド不織布シート(a)と、繊維径が11.1μmであり、目付が38g/m2であり、厚さが0.15mmの仮接着状態のスパンボンド不織布シート(b)を得た。
上記のようにして得られた仮接着状態のスパンボンド不織布(a)と(b)を、2枚重ね合わせ、実施例1と同じ条件で積層熱圧着を実施し、目付が76g/m2であり、厚さが0.09mmであり、表面の平滑度が27秒であり、裏面の平滑度が10秒であり、タテの沸騰水カール高さが0.4mmあり、ヨコの沸騰水カール高さが2.7mmのスパンボンド不織布を製造した。
[ポリスルホン膜]
上記のようにして得られたスパンボンド不織布50cm幅×10m長を用い、実施例1と同様の条件でポリスルホン膜を作成した。このとき、キャスト液の裏抜けが全く見られず、また巻き出しから巻き取りの間に膜の折れ曲がりも無く、製膜性は良好であった。結果を表1に示す。
[実施例4]
(紡糸・繊維ウエブ(a)の捕集)のエジェクターによる紡糸速度4500m/分での紡糸、および(紡糸・繊維ウエブ(b)の捕集)のエジェクターによる紡糸速度3800m/分での紡糸を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、繊維径が10.2μmであり、目付が38g/m2であり、厚さが0.15mmの仮接着状態のスパンボンド不織布シート(a)と、繊維径が11.1μmであり、目付が38g/m2であり、厚さが0.15mmの仮接着状態のスパンボンド不織布シート(b)を得た。
上記のようにして得られた仮接着状態のスパンボンド不織布シート(a)と(b)を2枚重ね合わせ、実施例1と同じ条件で積層熱圧着を実施し、目付が76g/m2であり、厚さが0.09mmであり、表面の平滑度が27秒であり、裏面の平滑度が10秒であり、タテの沸騰水カール高さが0.3mmあり、ヨコの沸騰水カール高さが1.7mmのスパンボンド不織布を製造した。
[ポリスルホン膜]
上記のようにして得られたスパンボンド不織布50cm幅×10m長を用い、実施例1と同様の条件でポリスルホン膜を作成した。このとき、キャスト液の裏抜けが全く見られず、また巻き出しから巻き取りの間に膜の折れ曲がりも無く、製膜性は良好であった。結果を表1に示す。
(紡糸・繊維ウエブ(a)の捕集)のエジェクターによる紡糸速度4500m/分での紡糸、および(紡糸・繊維ウエブ(b)の捕集)のエジェクターによる紡糸速度4300m/分での紡糸を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、繊維径が10.2μmであり、目付が38g/m2であり、厚さが0.15mmの仮接着状態のスパンボンド不織布シート(a)と、繊維径が10.4μmであり、目付が38g/m2であり、厚さが0.15mmの仮接着状態のスパンボンド不織布シート(b)を得た。
上記のようにして得られた仮接着状態のスパンボンド不織布シート(a)と(b)を2枚重ね合わせ、実施例1と同様の条件で積層熱圧着を実施し、目付が76g/m2であり、厚さが0.09mmであり、表面の平滑度が26秒であり、裏面の平滑度が10秒であり、タテの沸騰水カール高さが1.0mmあり、ヨコの沸騰水カール高さが2.3mmのスパンボンド不織布を製造した。
[ポリスルホン膜]
上記のようにして得られたスパンボンド不織布50cm幅×10m長を用い、実施例1と同様の条件でポリスルホン膜を作成した。このとき、キャスト液の裏抜けが全く見られず、また巻き出しから巻き取りの間に膜の折れ曲がりも無く、製膜性は良好であった。結果を表1に示す。
[実施例6]
(紡糸・繊維ウエブ(a)の捕集)のエジェクターによる紡糸速度4100m/分での紡糸、および(紡糸・繊維ウエブ(b)の捕集)のエジェクターによる紡糸速度3800m/分での紡糸を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、繊維径が10.7μmであり、目付が38g/m2であり、厚さが0.15mmの仮接着状態のスパンボンド不織布シート(a)と、繊維径が11.1μmであり、目付が38g/m2であり、厚さが0.15mmの仮接着状態のスパンボンド不織布シート(b)を得た。
上記のようにして得られた仮接着状態のスパンボンド不織布シート(a)と(b)を2枚重ね合わせ、実施例1と同じ条件で積層熱圧着を実施し、目付が76g/m2であり、厚さが0.09mmであり、表面の平滑度が27秒であり、裏面の平滑度が10秒であり、タテの沸騰水カール高さが0.9mmあり、ヨコの沸騰水カール高さが2.3mmのスパンボンド不織布を製造した。
[ポリスルホン膜]
上記のようにして得られたスパンボンド不織布50cm幅×10m長を用い、実施例1と同様の条件でポリスルホン膜を作成した。このとき、キャスト液の裏抜けが全く見られず、また巻き出しから巻き取りの間に膜の折れ曲がりも無く、製膜性は良好であった。結果を表1に示す。
(紡糸・繊維ウエブ(a)の捕集)のエジェクターによる紡糸速度4300m/分での紡糸、および(紡糸・繊維ウエブ(b)の捕集)のエジェクターによる紡糸速度4300m/分での紡糸を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、繊維径が10.4μmであり、目付が38g/m2であり、厚さが0.15mmの仮接着状態のスパンボンド不織布シート(a)と、繊維径が10.4μmであり、目付が38g/m2であり、厚さが0.15mmの仮接着状態のスパンボンド不織布シート(b)を得た。
上記のようにして得られた仮接着状態のスパンボンド不織布シート(a)と(b)を2枚重ね合わせ、実施例1と同様の条件で積層熱圧着を実施し、目付が76g/m2であり、厚さが0.09mmであり、表面の平滑度が27秒であり、裏面の平滑度が10秒であり、タテの沸騰水カール高さが4.0mmあり、ヨコの沸騰水カール高さが5.6mmのスパンボンド不織布を製造した。紡糸速度が同じ繊維からなる2層の不織布シートを、温度差を有する1対のフラットロールで積層したため、不織布シートの表裏の繊維融着が異なり、沸騰水カール高さが大きくなった。
[ポリスルホン膜]
上記のようにして得られたスパンボンド不織布50cm幅×10m長を用い、実施例1と同様の条件でポリスルホン膜を作成した。このとき、キャスト液の裏抜けが全く見られないものの、90℃の温度の純水中に浸漬している間に全長の40%程度で膜の折れ曲がりが見られ、折れ曲がった状態で巻き取られ製膜性は不良であった。
[比較例2]
(紡糸・繊維ウエブ(a)の捕集)のエジェクターによる紡糸速度4100m/分での紡糸、および(紡糸・繊維ウエブ(b)の捕集)のエジェクターによる紡糸速度4500m/分での紡糸を実施したこと以外は、実施例1と同様にして、繊維径が10.7μmであり、目付が38g/m2であり、厚さが0.15mmの仮接着状態のスパンボンド不織布シート(a)と、繊維径が10.2μmであり、目付が38g/m2であり、厚さが0.15mmの仮接着状態のスパンボンド不織布シート(b)を得た。
上記のようにして得られた仮接着状態のスパンボンド不織布シート(a)と(b)を、上が硬度(Shore D)91の樹脂製の弾性ロールで、中が金属ロールで、下が硬度(Shore D)75の樹脂製の弾性ロールの1組の3本フラットロールの中−下間に、金属ロール側をスパンボンド不織布シート(a)、弾性ロール側をスパンボンド不織布シート(b)となるように通して熱圧着し、さらにその不織布を折り返して上−中間を通し熱圧着し、目付が76g/m2であり、厚さが0.09mmであり、表面の平滑度が28秒であり、裏面の平滑度が10秒であり、タテの沸騰水カール高さが5.9mmあり、ヨコの沸騰水カール高さが9.0mmのスパンボンド不織布を製造した。このときの3本フラットロールの表面温度は、上が中心値125℃で、ロール幅方向の温度差は中心値に対し±5℃、中が中心値190℃で、ロール幅方向の温度差は中心値に対し±2℃、下が中心値135℃で、ロール幅方向の温度差は中心値に対し±5℃とし、線圧は1862N/cmとした。紡糸速度の速い繊維からなる不織布シートを低温側に配し、紡糸速度の遅い繊維からなる不織布シートを高温側に配し、積層加工による一体化を行ったため、紡糸速度の遅い繊維からなる不織布シート側の表面の繊維の融着が激しくなり、寸法変化が大きくなったためである。
[ポリスルホン膜]
上記のようにして得られたスパンボンド不織布50cm幅×10m長を用い、実施例1と同様の条件でポリスルホン膜を作成した。このときキャスト液の裏抜けがわずかに見られ、また90℃の温度の純水中に浸漬している間に全長の70%程度で膜の折れ曲がりが見られ、折れ曲がった状態で巻き取られ製膜性は不良であった。
・樹脂種*2(co−PET:共重合ポリエチレンテレフタレート)。
Claims (4)
- 紡糸速度の異なる繊維からなる2層以上の不織布シートを、重ね合わせ積層加工による一体化する方法で製造され、その際、金属製ロールと弾性ロールが対になっており、さらにこれらのロールに温度差を設け、紡糸速度の速い繊維からなる不織布シートを高温側に配し、紡糸速度の遅い繊維からなる不織布シートを低温側に配して、前記の積層加工による一体化を行うことで、2層以上の不織布シートが積層加工により一体化されてなる不織布であって、沸騰水中で5分間処理した後の沸騰水カール高さがタテ方向で0〜2.0mmであり、かつヨコ方向で0〜4.0mmである不織布を得ることを特徴とする不織布の製造方法。
- 前記不織布を構成する繊維が、高融点重合体の周りに、前記高融点重合体の融点よりも10〜140℃低い融点を有する低融点重合体を配してなる複合型繊維からなり、前記複合型繊維中に前記高融点重合体が50〜90質量%含まれてなることを特徴とする請求項1に記載の不織布の製造方法。
- 不織布シートが1対のフラットロール間で予備熱圧着された充填密度が0.1〜0.3の不織布シートであり、その際、前記予備熱圧着における1対のフラットロールの温度が不織布シートを構成する繊維の融点よりも30〜130℃低く設定されることを特徴とする請求項1または2記載の不織布の製造方法。
- 不織布シートが、高融点ポリエステルの周りに、前記高融点ポリエステルの融点よりも10〜140℃低い融点を有する低融点ポリエステルを配してなる複合型ポリエステル繊維からなり、前記複合型ポリエステル繊維中に前記高融点ポリエステルが50〜90質量%含まれてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の不織布の製造方法。
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