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JP6488862B2 - 回転電機 - Google Patents

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Description

本発明は、三相交流電流を巻線に通電して回転動作させる回転電機に関する。
回転電機は、巻線をステータに設置して、ロータを回転自在に取り付けるタイプが普及している。このような回転電機は、ステータの巻線に三相交流電流を通電して磁界を発生させることによりロータを回転させる電動機として利用することができる。また、ロータ側に永久磁石が配置されている回転電機の場合には、そのロータを回転させることにより巻線(コイル)に磁界が形成されるのに伴って発生する回生電流をバッテリ等に蓄電させる発電機として利用することができる。
このように、三相交流電流が巻線に通電される回転電機は、巻線がY結線(スター結線)されて、一端側が三相の各相に接続され、他端側が中性点とされる回路構成が採用されている(特許文献1を参照)。
特開2009−232650号公報
しかしながら、このような回転電機にあっては、ステータの巻線上に三相線と共に中性点の結線部を配置することになり、これらが回転軸方向に積み重なってコイルエンドが高くなってしまう。このため、回転電機が大型化してしまう、という不都合がある。
そこで、本発明は、三相交流電流により回転動作する、コンパクトな回転電機を提供することを目的としている。
上記課題を解決する回転電機の発明の一態様は、三相交流電流が通電される巻線が巻かれた複数の突極部を有するステータと、前記巻線への通電によって発生する磁界により回転軸を中心に回転するロータと、を備える回転電機であって、前記ステータは、三相の巻線を一組とする複数組が設置されて、前記複数組の同相の巻線の一方の端部を並列接続する複数の共通線と、同じ組の前記巻線の他方の端部と前記各組の中性点とを接続する複数の引き出し線と、を備えており、前記巻線は、前記突極部の回転軸側における巻き数が、当該突極部の外周側の巻き数よりも少なく巻かれることより、前記突極部を挟んで前記回転軸の軸方向両側に前記複数の共通線および前記複数の引き出し線を設置する設置スペースを形成しており前設置スペースのうち、前記突極部を挟んで軸方向一端側の設置スペースに前記複数の共通線を設置し、前記突極部を挟んで軸方向他端側の設置スペースに前記複数の引き出し線を設置しているものである。
このように本発明の一態様によれば、三相交流電流により回転動作するコンパクトな回転電機を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る回転電機を示す図であり、その概略全体構成を示す上面図である。 図2は、回転電機の概略全体構成を示す下面図である。 図3は、回転電機の概略全体構成を示す図であり、図1および図2におけるA−A縦断面図である。 図4は、ステータに設置する巻線の回路構成図である。 図5は、図3に示すA−A縦断面図の一部拡大縦断面図である。 図6は、図4に示す回路構成と比較するステータに設置する巻線の回路構成図である。 図7は、図1に示すステータと比較する巻線の配線状態を示す上面図である。 図8は、図2に示すステータと比較する巻線の配線状態を示す下面図である。 図9は、図3に示すステータと比較する巻線の配線状態を示す側面図である。 図10は、図1に示すステータと比較する巻線の配線状態を示す上面図である。 図11は、図2に示すステータと比較する巻線の配線状態を示す下面図である。 図12は、図3に示すステータと比較する巻線の配線状態を示す側面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1〜図12は本発明の一実施形態に係る回転電機を説明する図である。
図1〜図3において、回転電機10は、概略リング形状に形成されているステータ11と、このステータ11内に回転自在に収納されているロータ21と、を備えている。回転電機10は、三相交流電源からステータ11に電力供給を受けてロータ21を回転動作させるようになっている。
ステータ11は、周方向に並列させる分割コア12を、不図示のハウジング内に嵌め込みつつ、リング部材19を外周側に設置してハウジングにネジ止め固定することにより円環状に作製されている。分割コア12は、軸心側に向かって突出する突極形状の突極部13が形成されている。分割コア12の突極部13には、巻線31がコイル状に巻き付けられている。
このステータ11は、巻線31毎に三相交流電源のU相、V相、W相がそれぞれ接続されて(図4を参照)、三相交流電流が通電されることにより、分割コア12の突極部13に磁界が形成されるようになっている。これにより、ステータ11は、例えば、ロータ21を回転駆動させるマグネットトルクを発生させることができる。
ロータ21は、円盤形状に形成されて軸心に一致するようにシャフト(回転軸)100が固定されている。ロータ21は、ステータ11の分割コア12に囲まれた中心に位置するようにハウジング側に設置されている不図示のベアリングに、シャフト100が回転自在に支持されることにより、円盤形状の外周面21aが分割コア12の突極部13の内周面13aに近接対面する状態を維持しつつ回転するようになっている。
このロータ21は、磁力の発生源として、例えば、不図示の永久磁石が外周面21a側に埋め込まれている。なお、本実施形態の回転電機10としては、ロータ21に永久磁石を設置する同期モータを一例として説明するが、これに限るものではない。例えば、ロータとしては、磁力を電磁石により発生させる構成を採用してもよい。また、回転電機としては、同期モータに限らず、誘導モータに構築してもよい。
これにより、ロータ21は、ステータ11の巻線31に三相交流電流が通電されて分割コア12の突極部13に形成される磁界との間で、永久磁石の磁力に対する吸引力あるいは反発力による回転トルクを得ることができ、シャフト100を回転駆動させる電動機として回転電機10を利用することができる。また、シャフト100が回転力を受けて回転される場合、ロータ21は、ステータ11の分割コア12の突極部13に、永久磁石による磁束の変動を与えてコイル状の巻線31に誘導電流を発生させることができ、シャフト100を回転させて発電する発電機として回転電機10を利用することができる。
このステータ11に設置する巻線31は、図4に示すように、三相交流電源のU相、V相、W相を1組とした場合の4組分が各相毎に並列接続されている。巻線31の一端側の引き出し線31aは、三相交流電源のU相、V相、W相にそれぞれ結線される仮想の共通線32u、32v、32wに並列接続される通電回路にされている。巻線31の他端側の引き出し線31bは、各組毎の仮想の中性線(中性点)33a〜33dに共通接続されている。
この巻線31は、ステータ11に実装する場合には、引き出し線31aが三相交流電源のU相、V相、W相毎の丸型端子34u、34v、34wにかしめられて導通接続されることにより、各相毎の仮想の共通線32u、32v、32wに並列接続される回路構成にされている。この引き出し線31aは、三相交流電源のU相、V相、W相毎に、例えば、シリコン製の保護チューブ36u、36v、36w内に収容されて、端部の丸型端子34u、34v、34wが露出するように作製されている。
また、引き出し線31bは、三相交流電源のU相、V相、W相を1組とする4組の各組毎にチューブ形状のスリーブ端子35a〜35dにかしめられて導通接続されることにより、各組毎の仮想の中性線(中性点)33a〜33dに共通接続される回路構成にされている。この引き出し線31bは、三相交流電源のU相、V相、W相の各組毎に、同様に、シリコン製の保護チューブ37a〜37d内にスリーブ端子35a〜35dと共に収容されている。
また、巻線31は、図3に示すように、分割コア12の突極部13との間にインシュレータ(絶縁物)15を介在させることにより絶縁性が確保されてコイル状に巻き付けられている。インシュレータ15は、シャフト100の軸方向におけるステータ11の両面側に底面部15a、15bが位置している。インシュレータ15は、その底面部15a、15bの内周側と外周側とから連続するリブ形状に形成されて、巻線31の移動を制限する障壁として機能する内壁部16a、16bおよび外壁部17a、17bを備えている。
この巻線31は、図5に示すように、インシュレータ15(底面部15a、15b)周りにおいて、シャフト100に近接する内壁部16a、16b側の巻き数(巻き付け周回数)が外周側に位置する外壁部17a、17b側よりも少なくされている。これにより、巻線31は、シャフト100の軸方向に対する両面側の回転軸側に、保護チューブ36u、36v、36w、37a〜37dの設置スペース18a、18bを確保するようにステータ12の突極部13に巻き付けられている。
そして、巻線31は、図2に示すように、三相交流電源のU相、V相、W相毎の引き出し線31aが、シャフト100の軸方向に対する一面側(一方側)に引き出されて、ステータ11に配線されている。この引き出し線31aは、ステータ11の外形の円環形状に倣うように湾曲して周回する形状に形成される保護チューブ36u、36v、36w内に収容された状態で、巻線31上の設置スペース18a内に設置されている。
また、三相交流電源の三相各組毎の引き出し線31bは、シャフト100の軸方向に対する他面側(引き出し線31aの背面側)に引き出されて、ステータ11に配線されている。この引き出し線31bは、引き出し線31aと同様に、保護チューブ37a〜37d内に収容された状態で、巻線31上の設置スペース18b内に設置されている。
これにより、ステータ11は、三相交流電源のU相、V相、W相毎の引き出し線31aと、三相交流電源の三相各組毎の引き出し線31bと、がシャフト100の軸方向に対する両面側に振り分けられている。この引き出し線31a、31bは、分割コア12の突極部13に巻き付ける巻線31の偏りにより確保されている設置スペース18a、18bに設置される保護チューブ36u、36v、36w、37a〜37d内にそれぞれ収納されている。このため、回転電機10は、ステータ11のコイルエンド高さHが引き出し線31a、31bにより高くなってしまうことを抑えて薄型にすることができる。
ここで、ステータ11は、分割コア12の突極部13に巻き付けられる巻線31が保護チューブ36u、36v、36w、37a〜37d内に収容されて、後述するインシュレータ15内に設置されると共に結束紐39により結束される。これにより、回転電機10の稼動時に発生する振動などによって巻線31が移動することが制限されるようになっている。この巻線31は、インシュレータ15内にエポキシ樹脂ERが充填されることにより信頼性高く固定されるとともに、水分等の浸透により損傷してしまうことが防止されている。
ところで、巻線31は、図6に示すように結線接続する回路構成を採用して、図7〜図9に示すように、ステータ211に設置することも考えられる。このステータ211の巻線31の一端側の引き出し線31aは、図4の回路構成と同様に、丸型端子34u、34v、34wにかしめられて三相各相毎の仮想の共通線32u、32v、32wに並列接続される。
しかしながら、図6に示す回路構成では、巻線31の他端側の引き出し線31bは、1つのスリーブ235にかしめられ、各組共通の仮想の中性線(中性点)233に共通接続される回路構成にされてステータ211に実装されることになる。
また、ステータ211の巻線31の一端側の引き出し線31aは、図7に示すように、三相交流電源のU相、V相、W相毎に巻線31上に倣うように個々に配線されている。このステータ211の構造の引き出し線31aは、分割コア12の外周の外側に露出する箇所が保護チューブ236u、236v、236w内に収容されて丸型端子34u、34v、34wがかしめられて導通接続されている。
そして、ステータ211の巻線31の他端側の引き出し線31bは、図7に示すように、1本の保護チューブ237に収容されて、引き出し線31aと同じ側において、外形の円環形状に倣うように湾曲して巻線31上に配線されている。
このため、ステータ211の引き出し線31aは、図7に示すように、保護チューブ内に収容されて保護されることなく、ばらばらの状態で巻線31上に配線されている。また、ステータ211の引き出し線31bは、図7および図9に示すように、1本の保護チューブ237に収容されて、引き出し線31aと同じ側で設置スペースのない巻線31上に配線される。このために、ステータ211では、コイルエンド高さHが高くなってしまう。
この課題を解消するために、図6に示す回路構成を採用する場合でも、図10〜図12に示すように、巻線31をステータ311に配線することも考えられる。このステータ311では、図10に示すように、ステータ211と同様に、引き出し線31aが三相交流電源のU相、V相、W相毎に巻線31上に倣うように個々に配線される。また、ステータ311では、図11に示すように、引き出し線31bをまとめて収容する1本の保護チューブ237が、引き出し線31aと反対側(シャフト100の軸方向に対する引き出し線31aの背面側)において外形の円環形状に倣うように湾曲されて巻線31上に配線されている。
このため、ステータ311は、図6に示す回路構成で、引き出し線31a、31bをそれぞれシャフト100の軸方向の両面側に設置したとしても、ステータ211と同様の問題が発生してしまう。このステータ311の引き出し線31aは、図10に示すように、ステータ211と同様に、保護チューブ内に収容されて保護されることなく、ばらばらの状態で巻線31上に配線されている。また、ステータ311の引き出し線31bは、図11および図12に示すように、1本の保護チューブ237に収容されて、設置スペースのない巻線31上に配線されるために、コイルエンド高さHを高くしてしまう。
これに対して、ステータ11は、巻線31の引き出し線31a、31bがシャフト100の軸方向に対する両面側に振り分けられ、保護チューブ36u、36v、36w、37a〜37d内に収容された状態で、巻線31上のインシュレータ15内の設置スペース18a、18bに設置される。このため、ステータ11は、コイルエンド高さHがインシュレータ15の高さに抑えられて薄型に作製されている。
このように、本実施形態の回転電機10は、巻線31の中性点が三相交流電源のU相、V相、W相の三相一組毎で複数個所に配置される。このため、各組毎の中性点となる引き出し線31bは、三相交流電源の各相毎の引き出し線31aの保護チューブ36u、36v、36wのように細めの保護チューブ37a〜37d内に収容することができる。これら保護チューブ36u、36v、36w、37a〜37dは、シャフト100の軸方向の両面側において、ステータ11の外周側における巻線31の巻き数よりもシャフト100側における巻線31の巻き数を少なくすることにより形成される設置スペース18a、18b内に設置されている。
したがって、回転電機10は、巻線31の引き出し線31a、31bが保護チューブ36u、36v、36w、37a〜37d内にまとめられて保護される構造にしても、コイルエンド高さHを高くしてしまうことなく、ステータ11を薄型に作製することができる。
本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
10 回転電機
11 ステータ
12 分割コア
13 突極部
15 インシュレータ
16a、16b 内壁部
17a、17b 外壁部
18a、18b 設置スペース
21 ロータ
31 巻線
31a、31b 引き出し線
32u、32v、32w 共通線(通電回路、三相線)
33a〜33d 中性線(中性点)
34u、34v、34w 丸型端子
35a〜35d スリーブ端子(中性点)
36u、36v、36w 保護チューブ
37a〜37d 保護チューブ(中性点)
100 シャフト(回転軸)

Claims (4)

  1. 三相交流電流が通電される巻線が巻かれた複数の突極部を有するステータと、
    前記巻線への通電によって発生する磁界により回転軸を中心に回転するロータと、を備える回転電機であって、
    前記ステータは、三相の巻線を一組とする複数組が設置されて、前記複数組の同相の巻線の一方の端部を並列接続する複数の共通線(32U〜W)と、同じ組の前記巻線の他方の端部と前記各組の中性点とを接続する複数の引き出し線(33a〜d)と、を備えており、
    前記巻線は、前記突極部の回転軸側における巻き数が、当該突極部の外周側の巻き数よりも少なく巻かれることより、前記突極部を挟んで前記回転軸の軸方向両側に前記複数の共通線および前記複数の引き出し線を設置する設置スペース(18a、18b)を形成しており
    前設置スペースのうち、前記突極部を挟んで軸方向一端側の設置スペース(18b)に前記複数の共通線を設置し、前記突極部を挟んで軸方向他端側の設置スペース(18a)に前記複数の引き出し線を設置している、回転電機。
  2. 前記複数組の各引き出し線は、それぞれ前記ステータの周方向に間隔をあけて設置している、請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記複数の共通線は、前記ステータの径方向に並んで設置されている、請求項1または請求項2に記載の回転電機。
  4. 前記複数の引き出し線は、保護チューブに収容されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転電機。
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