JP6466223B2 - ホイールナット緩み検出装置およびその緩み検出用のセンサユニット - Google Patents
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Description
・点検者の経験則に基づく判定の場合、検出精度にばらつきがある。
・前述の先行技術の様に、ハブ、ホイール間に連結固定される弾性部材を設ける場合、構造が複雑になり、コストが高く、車両重量、車軸幅の増加、および車両の支持剛性にも影響する。
このようにハブボルトとホイールナットとの間に介在するリング状のスペーサ状部材を用い、このスペーサ状部材の歪みを検出してホイールナットの締結状態の異常を検出するため、車両の走行中等の、ホイールが回転する稼働中にも締結状態の異常を検出できる。また、歪みの検出データから締結状態判定手段が所定の基準に従って締結状態の異常を判定するので、検出の精度にも優れる。歪みを生じさせるための前記スペーサ状部材は、ハブボルトの頭部とホイールナットとの間に介在させるリング状の部材であり、このスペーサ状部材に歪センサを取付けた構成であるため、構造が簡単で、ホイールの支持剛性への影響も小さい。
この形状とすることで、ホイールナットの締付によってホイールの締結に関係する部材にかかる軸力を損なわず、強固に連結が可能になる。
なお、前記ホイールナットがワッシャ部を一体に有する場合は、前記最外径は、前記ワッシャ部を含む最外径である。
前記歪センサの検出やその検出信号の通信のためには通信装置や電源が必要であるが、スペーサ状部材のボルト穴の間の位相部位に前記通信装置および電源を配置することで、センサユニットをコンパクトに構成することができる。前記スペーサ状部材は、ボルト穴の存在する位相部位では締め付けのためにある程度の肉厚が必要であるが、ボルト穴の間の位相部位は薄くても良い。そのため、例えば、この薄くすることで生じる空間内に前記通信装置や電源を配置することで、センサユニットの全体としての肉厚を厚くすることなく、通信装置および電源を配置することができる。
このように薄肉部を設けることで、センサ類や、通信装置、電源等の実装部位として利用し、その実装したセンサ類等をスペーサ状部材の全体の肉厚から突出しないようにできる。そのため、前記スペーサ状部材を支障なく部材間に挟み込むことができる。また、前記薄肉部を設けることで歪を集中させることができ、歪みの検出の感度を向上させ、締結状態の異常判定の精度を向上させることができる。
このように最薄部を設けることで、スペーサ状部材の歪みがより一層集中し、歪みの検出の感度の向上、締結状態の異常判定の精度をより一層向上させることができる。
スペーサ状部材自体に薄肉部を設けるのではなく、上記のようにダイヤフラムを設けてもスペーサ状部材の歪みを感度良く検出することができる。
歪センサの歪みの検出値は温度によって変わるため、温度センサで温度を検出し、温度補正を行うことが、締結状態の異常判定の精度向上の上で好ましい。また、温度センサにより、ブレーキ引きずり等による異常発熱の検知も可能になる。前記加速度センサを備える場合は、ハブベアリングの損傷や、タイヤパンク等の異常の検出も可能となる。
前記センサユニットはホイールと共に回転するため、有線の配線ではスリップリング等の摺動する部品が必要で好ましくなく、無線通信とすることが好ましい。前記無線通信手段には、種々の規格の近距離無線通信手段が採用できる。
前記ホイールが用いられる車両等の使用の形態がユーザ等によって大きく変わるため、使用の形態に応じた頻度で異常の判定が行われるようにすることが、使用に便利である。また、走行中に判定可能であると、走行中に生じたナットの緩みを検出可能になる。
この構成のセンサユニットによると、この発明のホイールナット緩み検出装置につき説明したと同様に、ナットの緩み等の異常を走行中等の稼働中に検出でき、検出の精度にも優れ、かつ構造が簡単でホイールの支持剛性への影響が小さい。
この発明のホイールナット緩み検出用のセンサユニットは、ホイールの全周に渡り設けられて前記ホイールをハブに取付ける各ハブボルトの頭部とホイールナットとの間に介在し前記各ハブボルトとホイールナットとによる締め付け力を受ける変形発生用のリング状のスペーサ状部材と、このスペーサ状部材における前記ハブボルトが挿通されるボルト穴の間の位相部位に設けられて前記スペーサ状部材の歪みを検出する歪センサとを有するため、ナットの緩み等の異常を走行中等の稼働中に検出でき、検出の精度にも優れ、かつ構造が簡単でホイールの支持剛性への影響が小さい。
ネットワークを介して接続されるサーバ(図示せず)などの情報処理装置に設けられていても良い。
センサユニット3は、同図(A)のように配置する他に、同図(B)のように、ホイール2とホイールナット8との間に配置しても、同図(C)のようにハブ6のフランジ6aとホイール2との間に配置しても良い。
また、図3の各例ではスペーサ型のセンサユニット3は後輪ダブルホイール部に配置されているが、このホイールナット緩み検出装置が適用される車輪は、前輪のシングルタイヤ仕様であっても良い。
この形状とすることで、ホイールナット8の締付によってホイール2の締結に関係する部材にかかる軸力を損なわず、強固に連結が可能になる。なお、ホイールナット8がワッシャ部(図示せず)を一体に有する場合は、前記最外径は、前記ワッシャ部を含む最外径である。
図5(A)の例では、薄肉部12bはスペーサ状部材12の両面が厚肉部12aに対して凹む部分とされ、かつスペーサ状部材12の表側の面ではボルト穴11間の位相部位の中央に厚肉部12aと同一平面となる中間突条部12dが半径方向に延びて設けられることで、薄肉部12bが円周方向に並ぶ2か所に分割されている。その各分割箇所に半径方向に延びる溝部が形成されて、その溝底部分が前記最薄部12cとされている。
いずれの例においても、前記歪センサ13(図4)は、最薄部12cの裏側、すなわち最薄部12cを構成する溝とは反対側の面に取付けられ、この最薄部12cに集中した歪みを検出する。
なお、図5(A)〜(C)の各図は、図示した位相部分を反転させて示しており、そのため表を示す図と裏を示す図とで、最薄部12cの位置が反転されて表れている。
前記センサユニット3の通信装置17と、情報処理装置4の通信装置22とは、無線通信、近距離無線通信の規格(例えばブルートゥ−ス(登録商標))に応じた無線通信を行う装置である。
締結状態判定手段5は、データ記憶部5a、信号解析部5b、および状態判定部5cを有し、データ記憶部5aに、センサユニット3から送信された歪みセンサ13等の状態検知センサ21の検出信号、およびその他の定められた情報を記憶する。信号解析部5bは、締結状態の異常の判定のために必要な前処理となる信号の解析を行う。状態判定部5cは、信号解析部5bで解析された情報を用い、ホイールナット8の締結状態の異常を判定を行う。
センサユニット3に搭載する状態検知センサ21は、歪、温度(歪の温度ドリフト補正、および車輪の異常発熱検知用)をそれぞれ検出する歪みセンサ13、温度センサ14、および各加速度15等である。
また、走行中の状態監視も可能である。
まず、同図の上段に示すように、事前準備(セットアップ)として、センサユニット3をハブ6〜ホイールナット8間に組付け、正規締付トルクでホイールナット8を組付ける。センサユニット3では、内蔵の各状態検知センサ21でホイール2等の部品の状態を測定し、その測定データを通信端末4B,車載器4A等に送信する。通信端末4Bまたは車載器4Aでは、測定データをセンサユニット3から受信する。また、車種、部位の情報のインプット、および異常判定の基準データとして、前記測定データをデータ記憶部5aに記憶する。車種、部位の情報のインプットは、通信端末4Bまたは車載器4A等が持つ入力機器部から行っても良く、またセンサユニット3に初期設定用のデータとして記憶させておいて、その記憶データを通信端末4Bまたは車載器4A等に送信し、その受信内容をインプットするようにしても良い。
通信端末4B、車載器4Aでは、各センサユニット3から測定データを受信し、歪データは温度データによって温度補正し、その補正後の歪データを用いて締結異常の判定処理を行う。また、温度データによって異常発熱の判定処理を行う。前述の測定部位のインプットされた固有情報から、その部位についての過去の測定データを抽出し、前記締結異常の判定処理、および異常発熱の判定処理に用いる。
異常なしの場合に、表示部24に「異常なし」と表示し、異常有りの場合は「異常」と表示する。また、各測定データおよび判定結果を保存する。
2:ホイール
2A:車輪
3:センサユニット
4:情報処理装置
4A:車載器
4B:携帯端末
5:締結状態判定手段
6:ハブ
6a:フランジ
7:ハブボルト
7a:ハブボルト
8:ホイールナット
9:ブレーキドラム
11:ボルト穴
12:スペーサ状部材
12a:厚肉部
12b:薄肉部
12c:最薄部
13:歪センサ
14:温度センサ
15:加速度センサ
16:通信装置
17:電源
Claims (9)
- ハブの全周に渡り設けられてホイールを前記ハブに取付ける各ハブボルトの頭部とホイールナットとの間に介在し前記各ハブボルトとホイールナットとによる締め付け力を受ける変形発生用のリング状のスペーサ状部材、およびこのスペーサ状部材における前記ハブボルトが挿通されるボルト穴の間の位相部位に設けられて前記スペーサ状部材の歪みを検出する歪センサを有するセンサユニットと、前記歪センサの検出データから所定の基準に従い前記ホイールナットの締結状態の異常を判定する締結状態判定手段とを備えたホイールナット緩み検出装置。
- 請求項1に記載のホイールナット緩み検出装置において、前記スペーサ状部材は、前記ホイールナットの最外径内の領域では、前記ボルト穴を除き、凹みおよび欠如部分のいずれもが存在しない形状であるホイールナット緩み検出装置。
- 請求項1または請求項2に記載のホイールナット緩み検出装置において、前記スペーサ状部材は、前記ボルト穴の間の位相部位に、前記歪センサ、この歪センサの検出信号を通信する通信装置、並びに前記歪センサおよび前記通信装置に通電する電源が設けられたホイールナット緩み検出装置。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のホイールナット緩み検出装置において、前記スペーサ状部材は、前記ボルト穴の間の位相部位が薄肉部とされたホイールナット緩み検出装置。
- 請求項4に記載のホイールナット緩み検出装置において、前記スペーサ状部材は、前記ボルト穴の間の前記薄肉部とされた位相部位における一部の位相部位に、歪集中部となる最薄部を有するホイールナット緩み検出装置。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のホイールナット緩み検出装置において、前記歪センサは、前記スペーサ状部材に取付けられてこのスペーサ状部材の変形により歪むダイヤフラムと、このダイヤフラムに取付けられてこのダイヤフラムの歪みを検出するセンサ素子とで構成されるホイールナット緩み検出装置。
- 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のホイールナット緩み検出装置において、前記センサユニットは、前記歪センサの他に、温度センサおよび加速度センサを有するホイールナット緩み検出装置。
- 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のホイールナット緩み検出装置において、前記センサユニットは、前記歪センサの検出データを送信する無線通信手段を有するホイールナット緩み検出装置。
- ホイールの全周に渡り設けられて前記ホイールをハブに取付ける各ハブボルトの頭部とホイールナットとの間に介在し前記各ハブボルトとホイールナットとによる締め付け力を受ける変形発生用のリング状のスペーサ状部材と、このスペーサ状部材における前記ハブボルトが挿通されるボルト穴の間の位相部位に設けられて前記スペーサ状部材の歪みを検出する歪センサとを有するホイールナット緩み検出用のセンサユニット。
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