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JP6311853B1 - ホットスタンプ成形品、その製造方法および製造装置 - Google Patents

ホットスタンプ成形品、その製造方法および製造装置 Download PDF

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JP6311853B1 JP2017563275A JP2017563275A JP6311853B1 JP 6311853 B1 JP6311853 B1 JP 6311853B1 JP 2017563275 A JP2017563275 A JP 2017563275A JP 2017563275 A JP2017563275 A JP 2017563275A JP 6311853 B1 JP6311853 B1 JP 6311853B1
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Abstract

1200MPa以上の引張強度およびマルテンサイト鋼組織の少なくとも一方を有してかつ、長手方向へ一方の端部から他方の端部へ向けて順に連なる、第1部、コーナー部および第2部を有する鋼製のホットスタンプ成形品であって、前記第1部、前記コーナー部および前記第2部のそれぞれが、前記長手方向に垂直な断面で見た場合に、天板と、前記天板につながる2つの縦壁とを有し;前記第2部が、前記縦壁に隣接する第1外向きフランジを有し;前記コーナー部が、前記第1部の前記縦壁から延在する縦フランジと、前記2つの縦壁のうち前記コーナー部の外周側に位置する縦壁に隣接する第2外向きフランジと、前記縦フランジ前記第2外向きフランジが連なる遷移部と、を有する;ことを特徴とするホットスタンプ成形品を提供する。

Description

本願発明は、ホットスタンプ成形品、その製造方法および製造装置に関する。
自動車車体の軽量化による燃費の向上と、自動車車体の衝突安全性の向上とを図るため、自動車車体を構成する鋼板の高強度化が推進されている。
図36は、自動車のボディシェルにおけるボディサイドの構成部品であるAピラーロアーアウターパネル1の一例を示す斜視図である。図36に示すように、Aピラーロアーアウターパネル1はその上部にコーナー部2を有する。コーナー部2には、車両前後方向に垂直な縦壁3と、車両上下方向に略垂直な縦壁4とがある。
車両前後方向に垂直な縦壁3の縁には、Aピラーロアーインナーパネル5と重ね合わせて接合するための外向きフランジ3aが設けられている。一方、車両上下方向に略垂直な縦壁4はフロントガラスの搭載面となるため、縦壁4の縁には外向きフランジは設けられておらず、縦壁4だけにより形成される。本明細書では、この縦壁4を「ガラス面フランジ」ともいう。
図37(a)および図37(b)は、Aピラーロアーアウターパネル1の冷間での従来の2工程成形方法を示す説明図である。
従来は、図37(a)に示すように、1工程目でコーナー部2における2つの縦壁3、4それぞれに外向きフランジ3a、4aを絞り成形した後、図37(b)に示すように、2工程目で車両上下方向に略垂直な縦壁4の外向きフランジ4aを曲げ戻す成形を行うことにより、Aピラーロアーアウターパネル1を冷間で2工程により成形していた。
しかし、鋼板の高強度化(例えば引張強度1200MPa以上)と成形性は二律背反の関係にあり、割れやしわを発生させずに、2つの縦壁3、4を有する、より高強度のAピラーロアーアウターパネル1を製造することが難しくなっている。また、2工程での成形であるために製造コストが嵩む。
近年、Aピラーロアーアウターパネル1の成形素材である鋼製のブランクをAc点以上の温度に加熱した後にプレス金型で成形するとともに抜熱して焼入れるホットスタンプ工法により、コーナー部2に2つの縦壁3、4を有する、より高強度のAピラーロアーアウターパネル1が製造されるようになっている。
図38は、例えば特許文献1に開示された余肉部を有するドアインナーパネルのプレス成形工法に基づいて、コーナー部2に縦壁3、4を有するAピラーロアーアウターパネル1を、冷間成形またはホットスタンプ工法により1工程で絞り成形する状況を示す説明図である。図39は、トリム前の成形されたAピラーロアーアウターパネル1のコーナー部付近を示す説明図である。
図38、39に示すように、余肉部を有するドアインナーパネルのプレス成形工法では、ダイ6、パンチ7およびブランクホルダー8を用いてブランク9に余肉部60を与えて絞り成形を行う。その後、製品形状部分を残して不要部分である余肉部60を、図39において破線により示すトリムライン61に沿って切断することにより、1工程でAピラーロアーアウターパネル1を成形する。特に、ホットスタンプ工法によりプレス成形品を製造する場合には、製造コストの観点から極力1工程で成形する必要がある。
しかし、このプレス成形工法では、余肉部60を設けるためにAピラーロアーアウターパネル1の成形深さが必然的に深くなる。このため、成形難易度が高い、コーナーの曲率半径が小さいAピラーロアーアウターパネル1、あるいは曲げ曲率半径が小さいAピラーロアーアウターパネル1を製造することは難しい。
また、ホットスタンプ工法において絞り成形を行うと、ダイ6およびブランクホルダー8に挟持されるブランク9の押え部9aに隣接するフランジに成形される部分が、ホットスタンプ成形の初期に急速に冷却されて縦壁3、4へ成形される部分への材料移動が阻害される。そのため、図39における縦壁3、4に続く稜線3b、4bで早期に割れが生じる。例えば、稜線3b、4bの会合部の板厚減少率は26%に達する。このため、稜線3b、4bの曲率半径を小さくすることができない。
図40は、コーナー部2に縦壁3、4を有するAピラーロアーアウターパネル1を、冷間成形またはホットスタンプ工法により1工程で曲げ成形する状況を示す説明図である。図41(a)は、曲げ成形されたAピラーロアーアウターパネル1のコーナー部2付近を示す説明図であり、図41(b)は、コーナー部2付近に切り欠き部64が設けられたAピラーロアーアウターパネル1を示す説明図である。
図40、41に示すように、ダイ6、パンチ7およびパッド62を用い、パッド押え部63をパッド62で押えてブランク9に曲げ成形を行うことにより、1工程でAピラーロアーアウターパネル1を成形することができる。
しかし、コーナー部2は縮みフランジ変形するため、1工程でAピラーロアーアウターパネル1を曲げ成形すると、コーナー部2の縦壁4には過大なしわ(場合によっては重なりしわ)が発生する。特許文献2の発明では、コーナー部の片側を絞り成形することで、コーナー部等におけるしわの発生を抑制しようとしている。
しかし、コーナー部2の縦壁4の板厚減少率は、例えば、25%に達する。
このため、Aピラーロアーアウターパネル1をホットスタンプ工法により曲げ成形により製造する場合には、図41(b)に示すように、コーナー部2付近に切り欠き部64が形成されるようにブランク9を設計せざるを得なくなり、所望の形状のAピラーロアーアウターパネル1を製造できない。
特許文献3には、サーボダイクッションを使用して鋼板の割れしわを抑制する技術が開示されている。また、特許文献4には、成形中の上下型のクリアランスを制御する金型構造を規定して割れしわを抑制する技術が開示されている。
特許文献3に開示された発明が用いるサーボダイクッションは高価であるだけでなく、その制御が複雑となる。このため、特許文献3により開示された発明では、安価で簡便に割れしわを抑制することはできない。
さらに、特許文献4に開示された発明が用いる金型により金型とパンチがフランジを挟み込む部分のクリアランスを制御しても、しわを完全に抑制することはできない。
このように、従来の技術では、1200MPa以上の引張強度のAピラーロアーアウターパネルをホットスタンプ工法により1工程で割れやしわを生じることなく成形することはできなかった。
日本国特開2005−212533号公報 日本国特開2012−24837号公報 日本国特開2011−50971号公報 日本国特開2011−147970号公報
本願発明は従来技術に係る上記のような問題に鑑みてなされたものであり、板厚が薄く軽量でありながらも、高い衝突特性および剛性を有するホットスタンプ成形品、ならびにこのようなホットスタンプ成形品を製造可能なホットスタンプ成形品の製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
(1)本願発明の一態様に係るホットスタンプ成形品は、1200MPa以上の引張強度およびマルテンサイト鋼組織の少なくとも一方を有してかつ、長手方向へ一方の端部から他方の端部へ向けて順に連なる、第1部、コーナー部および第2部を有する鋼製のホットスタンプ成形品であって、前記第1部、前記コーナー部および前記第2部のそれぞれが、前記長手方向に垂直な断面で見た場合に、天板と、前記天板につながる2つの縦壁とを有し;前記第2部が、前記縦壁に隣接する第1外向きフランジを有し;前記コーナー部が、前記第1部の前記縦壁から延在する縦フランジと、前記2つの縦壁のうち前記コーナー部の外周側に位置する縦壁に隣接する第2外向きフランジと、前記縦フランジと前記第2外向きフランジが連なる遷移部と、を有する;ことを特徴とする。
上記の構成からなるホットスタンプ成形品によれば、1200MPa以上の引張強度およびマルテンサイト鋼組織の少なくとも一方を有するホットスタンプ成形品のコーナー部において、縦フランジと第2外向きフランジとが連なる遷移部を有することで、板厚が薄く軽量でありながらも、高い衝突特性および剛性を有するホットスタンプ成形品を提供することができる。
(2)上記(1)に記載のホットスタンプ成形品において、Aピラーロアーアウターパネルであってもよい。
(3)本願発明の一態様に係るホットスタンプ成形品の製造方法は、ホットスタンプ工法により、ブランクにプレス成形を行って上記(1)または(2)に記載のホットスタンプ成形品を製造する方法であって、ブランクを、パンチおよびブランクホルダーと、前記ブランクホルダーに対向して配置されるダイ、および曲げ型との間に配置し、前記ブランクにおける前記天板に成形される部分を前記パンチにより支持し、前記ブランクにおける、前記第1部および前記コーナー部における前記2つの縦壁のうち前記コーナー部の外周側に位置する縦壁に成形される部分の少なくとも一部を、前記ブランクホルダーと前記ダイとにより挟み込むとともに、前記ダイおよび前記曲げ型を前記パンチへ相対的に接近させて、前記縦壁に成形される部分の少なくとも一部を前記パンチ、前記ブランクホルダーおよび前記ダイにより絞り成形するとともに、絞り成形される部分を除く残余の部分を前記パンチおよび前記曲げ型により曲げ成形することを特徴とする。
上記の構成からなるホットスタンプ成形品の製造方法によれば、1200MPa以上の引張強度およびマルテンサイト鋼組織の少なくとも一方を有するホットスタンプ成形品の製造に際して、コーナー部において、縦フランジと第2外向きフランジとが連なる遷移部を有するホットスタンプ成形品を製造することができる。このホットスタンプ成形品は、板厚が薄く軽量でありながらも、高い衝突特性および剛性を有する。
(4)上記(3)に記載のホットスタンプ成形品の製造方法において、前記ブランクにおける、前記コーナー部の外周側に位置する前記縦壁および前記縦フランジに成形される部分の少なくとも一部は、成形下死点に達する前に絞り抜けて、前記ブランクホルダーと前記ダイとによる挟み込みが終了するように構成されてもよい。
(5)上記(3)または(4)に記載のホットスタンプ成形品の製造方法において、さらに、前記パンチに対向して配置されるパッドを備え、前記ブランクにおける前記天板に成形される部分を前記パンチおよび前記パッドにより挟持するように構成されてもよい。
(6)上記(3)から(5)のいずれかに記載のホットスタンプ成形品の製造方法において、前記ダイおよび前記ブランクホルダーは、いずれも、前記ブランクにおける、前記第1部および前記コーナー部における前記2つの縦壁のうち前記コーナー部の外周側に位置する縦壁に成形される部分に当接して挟み込む第1面と、前記第1面に連続する屈曲部と、前記屈曲部に連続するとともに前記第1面に対して前記曲げ型から離反する方向へ傾斜する第2面とを有し、前記ダイおよび前記ブランクホルダーそれぞれの前記第2面は、前記パンチおよび前記曲げ型による曲げ成形とともに、前記ブランクを絞り成形するように構成されてもよい。
(7)上記(6)に記載のホットスタンプ成形品の製造方法において、成形途中の前記ブランクにおいて、前記ダイおよび前記ブランクホルダーそれぞれの前記第2面により拘束される部分の端部と、前記パンチおよび前記曲げ型により曲げ成形されて前記第1外向きフランジとなる部分の端部とのプレス方向における差が20mm以下であるように構成されてもよい。
(8)上記(6)または(7)に記載のホットスタンプ成形品の製造方法において、前記ダイの前記屈曲部は、前記曲げ型の曲げ稜線部の高さ位置の近傍の高さ位置に設けられるとともに、前記ブランクホルダーの前記屈曲部は、前記パンチのパンチ肩R部の高さ位置の近傍の高さ位置に設けられるように構成されてもよい。
(9)上記(6)から(8)のいずれかに記載のホットスタンプ成形品の製造方法において、前記ブランクホルダーにおける前記第1面に対する前記第2面の傾斜角度は、(前記パンチのパンチ肩R部の傾斜角度−30度)以上かつ、(前記パンチのパンチ肩R部の傾斜角度+30度)以下であるように構成されてもよい。
(10)上記(6)から(9)のいずれかに記載のホットスタンプ成形品の製造方法において、前記ブランクホルダーの前記第1面は、前記ブランクが前記ダイおよび前記ブランクホルダーによって挟み込まれた時に、前記パンチのパンチ底面の高さ位置と略一致する高さ位置に存在するように構成されてもよい。
(11)上記(6)から(10)のいずれかに記載のホットスタンプ成形品の製造方法において、前記ダイの前記第1面は、前記ブランクが前記ダイおよび前記ブランクホルダーによって挟み込まれた時に、前記曲げ型の曲げ稜線部が存在する面の高さ位置と略一致する高さ位置に存在するように構成されてもよい。
(12)本願発明の一態様に係るホットスタンプ成形品の製造装置では、ブランクにホットスタンプ工法により、ブランクにプレス成形を行って上記(1)または(2)に記載のホットスタンプ成形品を製造する装置であって、パンチおよびブランクホルダーと、前記ブランクホルダーに対向して配置されるダイと、曲げ型とを備え、前記ダイおよび前記曲げ型と、前記パンチとは相対的に接近および離反可能であり、前記パンチは、前記ブランクにおける前記天板に成形される部分を支持することが可能であり、前記ブランクホルダーおよび前記ダイは、前記ブランクにおける、前記第1部および前記コーナー部における前記2つの縦壁のうち前記コーナー部の外周側に位置する縦壁に成形される部分の少なくとも一部を挟み込むことが可能であるとともに、前記パンチ、前記ブランクホルダーおよび前記ダイは、前記コーナー部の外周側に位置する前記縦壁に成形される部分の少なくとも一部を絞り成形可能であるとともに、前記パンチおよび前記曲げ型は、絞り成形される部分を除く残余の部分を曲げ成形可能であることを特徴とする。
上記の構成からなるホットスタンプ成形品の製造装置を用いることで、1200MPa以上の引張強度およびマルテンサイト鋼組織の少なくとも一方を有しかつ、コーナー部において、縦フランジと第2外向きフランジとが連なる遷移部を有するホットスタンプ成形品を製造することができる。このホットスタンプ成形品は、板厚が薄く軽量でありながらも、高い衝突特性および剛性を有する。
(13)上記(12)に記載のホットスタンプ成形品の製造装置において、前記ブランクホルダーおよび前記ダイは、前記ブランクにおける、前記第1部および前記コーナー部における前記2つの縦壁のうち前記コーナー部の外周側に位置する縦壁に成形される部分の少なくとも一部に対する挟み込みを、成形下死点に達する前に絞り抜けにより終了するように構成されてもよい。
(14)上記(12)または(13)に記載のホットスタンプ成形品の製造装置において、さらに、前記パンチに対向して配置されるパッドを備え、前記パンチおよび前記パッドは、前記ブランクにおける前記天板に成形される部分を挟持するように構成されてもよい。
(15)上記(12)から(14)のいずれかに記載のホットスタンプ成形品の製造装置において、前記ダイおよび前記ブランクホルダーは、いずれも、前記ブランクにおける、前記第1部および前記コーナー部における前記2つの縦壁のうち前記コーナー部の外周側に位置する縦壁に成形される部分に当接して挟み込む第1面と、前記第1面に連続する屈曲部と、前記屈曲部に連続するとともに前記第1面に対して前記曲げ型から離反する方向へ傾斜する第2面とを有するように構成されてもよい。
(16)上記(15)に記載のホットスタンプ成形品の製造装置において、前記ダイの前記屈曲部は、前記曲げ型の曲げ稜線部の高さ位置の近傍の高さ位置に設けられるとともに、前記ブランクホルダーの前記屈曲部は、前記パンチのパンチ肩R部の高さ位置の近傍の高さ位置に設けられるように構成されてもよい。
(17)上記(15)または(16)に記載のホットスタンプ成形品の製造装置において、前記ブランクホルダーにおける前記第1面に対する前記第2面の傾斜角度は、(前記パンチのパンチ肩R部の傾斜角度−30度)以上かつ、(前記パンチのパンチ肩R部の傾斜角度+30度)以下であるように構成されてもよい。
(18)上記(15)から(17)のいずれかに記載のホットスタンプ成形品の製造装置において、前記ブランクホルダーの前記第1面は、前記ブランクが前記ダイおよび前記ブランクホルダーによって挟み込まれた時に、前記パンチのパンチ底面の高さ位置と略一致する高さ位置に存在するように構成されてもよい。
(19)上記(15)から(18)のいずれかに記載のホットスタンプ成形品の製造装置において、前記ダイの前記第1面は、前記ブランクが前記ダイおよび前記ブランクホルダーによって挟み込まれた時に、前記曲げ型の曲げ稜線部が存在する面の高さ位置と略一致する高さ位置に存在するように構成されてもよい。
本願発明によれば、板厚が薄く軽量でありながらも、高い衝突特性および剛性を有するホットスタンプ成形品を提供できる。また、本願発明によれば、板厚が薄く軽量でありながらも、高い衝突特性および剛性を有するホットスタンプ成形品を製造可能なホットスタンプ成形品の製造方法および製造装置を提供できる。
図1は、本願発明の実施形態に係るホットスタンプ成形品であるAピラーロアーアウターパネルのコーナー部近傍の構成を説明するための概略的な斜視図である。 図2は、本願発明の実施形態に係るホットスタンプ成形品であるAピラーロアーアウターパネルの各部における長手方向に垂直な断面を説明するための概略的な断面図である。図2(a)は第1部における断面図を、図2(b)はコーナー部における断面図を、図2(c)は第2部における断面図をそれぞれ示す。 図3は、Aピラーロアーアウターパネルの天板の板面に垂直な方向から平面視した場合の、Aピラーロアーアウターパネルのコーナー部近傍の概略図である。 図4は、実施形態1に係るホットスタンプ成形品であるAピラーロアーアウターパネルのコーナー部を説明するための概略的な斜視図である。 図5は、実施形態1に係るホットスタンプ成形品であるAピラーロアーアウターパネルのコーナー部の変形例を説明するための概略的な斜視図である。 図6は、実施形態1に係るホットスタンプ成形品であるAピラーロアーアウターパネルのコーナー部の変形例を説明するための概略的な斜視図である。 図7は、実施形態1に係るホットスタンプ成形品であるAピラーロアーアウターパネルのコーナー部の変形例を説明するための概略的な斜視図である。 図8は、実施形態1に係るホットスタンプ成形品であるAピラーロアーアウターパネルのコーナー部の変形例を説明するための概略的な斜視図である。 図9は、実施形態1に係るホットスタンプ成形品であるAピラーロアーアウターパネルのコーナー部の変形例を説明するための概略的な斜視図である。 図10は、従来のAピラーロアーアウターパネルのコーナー部の変形例を説明するための概略的な斜視図である。 図11は、従来のAピラーロアーアウターパネルのコーナー部の変形例を説明するための概略的な斜視図である。 図12は、従来のAピラーロアーアウターパネルのコーナー部の変形例を説明するための概略的な斜視図である。 図13は、従来のAピラーロアーアウターパネルのコーナー部の変形例を説明するための概略的な斜視図である。 図14は、従来のAピラーロアーアウターパネルのコーナー部の変形例を説明するための概略的な斜視図である。 図15は、ホットスタンプによって得られたホットスタンプ成形品の金属組織の写真である。 図16は、実施形態1に係るAピラーロアーアウターパネルと、インナー部材とを接合した構造部材を説明するための概略的な斜視図である。 図17は、本願発明の実施形態に係るホットスタンプ成形品の製造装置を説明するための概略的な斜視図である。 図18は、ホットスタンプ工法を用いて、曲げ成形と絞り成形とを複合した1工程の曲げ絞り複合成形を行い、実施形態1のAピラーロアーアウターパネルを製造する状況を説明するための概略図である。 図19は、ホットスタンプ工法に用いるパンチの外形を示す説明するための概略的な斜視図である。 図20は、実施形態1の製造装置による成形途中のブランクの変形状態を説明するための概略的な斜視図である。 図21は、実施形態1の製造装置による成形途中の、Aピラーロアーアウターパネルの第1部、コーナー部および第2部となる部分の各断面における、ダイやブランクホルダーの動き、ならびにブランクの変形挙動を説明するための概略的な断面図である。 図22は、実施形態1の製造装置による成形途中の、Aピラーロアーアウターパネルの第1部、コーナー部および第2部となる部分の各断面における、ダイやブランクホルダーの動き、ならびにブランクの変形挙動を説明するための概略的な断面図である。 図23は、実施形態1の製造装置による成形途中の、Aピラーロアーアウターパネルの第1部、コーナー部および第2部となる部分の各断面における、ダイやブランクホルダーの動き、ならびにブランクの変形挙動を説明するための概略的な断面図である。 図24は、実施形態1の製造装置による成形途中の、Aピラーロアーアウターパネルの第1部、コーナー部および第2部となる部分の各断面における、ダイやブランクホルダーの動き、ならびにブランクの変形挙動を説明するための概略的な断面図である。 図25は、実施形態2の製造装置を説明するための概略的な斜視図である。 図26は、図25中のA方向から見た実施形態2の製造装置の初期金型配置を説明するための概略的な図である。 図27は、実施形態2の製造装置による成形途中のブランクの変形状態を説明するための概略的な斜視図である。 図28は、実施形態2の製造装置による成形途中の、Aピラーロアーアウターパネルの第1部、コーナー部および第2部となる部分の各断面における、ダイやブランクホルダーの動き、ならびにブランクの変形挙動を説明するための概略的な断面図である。 図29は、実施形態2の製造装置による成形途中の、Aピラーロアーアウターパネルの第1部、コーナー部および第2部となる部分の各断面における、ダイやブランクホルダーの動き、ならびにブランクの変形挙動を説明するための概略的な断面図である。 図30は、実施形態2の製造装置による成形途中の、Aピラーロアーアウターパネルの第1部、コーナー部および第2部となる部分の各断面における、ダイやブランクホルダーの動き、ならびにブランクの変形挙動を説明するための概略的な断面図である。 図31は、実施形態2の製造装置による成形途中の、Aピラーロアーアウターパネルの第1部、コーナー部および第2部となる部分の各断面における、ダイやブランクホルダーの動き、ならびにブランクの変形挙動を説明するための概略的な断面図である。 図32は、衝突解析の評価対象を説明するための、Aピラーロアーアウターパネルのコーナー部近傍における概略的な斜視図である。 図33は、衝突特性の評価方法を説明するための、概略的な斜視図である。 図34は、剛性評価方法を説明するための、概略的な斜視図である。 図35は、実験例2に係るAピラーロアーアウターパネルのコーナー部近傍における概略的な斜視図である。 図36は、自動車のボディシェルにおけるボディサイドの構成部品であるAピラーロアーアウターパネルの従来技術に係る一例を示す斜視図である。 図37は、Aピラーロアーアウターパネルの冷間での従来の2工程成形方法を示す説明図である。 図38は、コーナー部に縦壁を有するAピラーロアーアウターパネルを、冷間成形またはホットスタンプ工法により1工程で絞り成形する状況を示す説明図である。 図39は、トリム前の成形されたAピラーロアーアウターパネルのコーナー部付近を示す説明図である。 図40は、コーナー部に縦壁を有するAピラーロアーアウターパネルを、冷間成形またはホットスタンプ工法により1工程で曲げ成形する状況を示す説明図である。 図41(a)は、曲げ成形されたAピラーロアーアウターパネルのコーナー部2付近を示す説明図であり、41(b)は、コーナー部付近に切り欠き部を設けられたAピラーロアーアウターパネルを示す説明図である。
上述のように、ブランクをホットスタンプ工法により上述の上記ホットスタンプ成形品に成形する場合、絞り成形を行うと図39に示すコーナー部の縦壁3、4に続く稜線3b、4bで早期に割れが生じ、一方、曲げ成形を行うと図41(a)に示すコーナー部2の縦壁4に過大なしわ(場合によっては重なりしわ)が発生する。
本願発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、以下の新規な知見(A)〜(D)を得て本発明を完成した。
(A)曲げ成形を行うと過大なしわが発生する図41(a)に示すコーナー部2の縦壁4の成形には、ブランクホルダーを用いて絞り成形を行うことにより、材料流入量を制御でき、しわの発生を防止できる。
(B)曲げ成形を行うと過大なしわが発生する図41(a)に示すコーナー部2の縦壁4以外の部分の成形には、ブランクホルダーを用いずに曲げ成形を行うことにより、ブランクにおける、フランジに成形される部分から縦壁4へ成形される部分への材料移動を促進でき、割れの発生を防止できる。
(C)すなわち、曲げ成形と絞り成形とを複合した曲げ絞り複合成形を用いることにより、ブランクをホットスタンプ工法により上記のホットスタンプ成形品を1工程で成形することができる。
(D)絞り成形に用いるダイおよびブランクホルダーの形状を工夫することにより、成形性をさらに高めることができる。
以下に、本願発明の種々の実施形態を、図面を用いながら説明するが、本願発明がこれらの実施形態のみに限定されないことは自明である。
本願発明において「ロッキング機構」は、パッドを用い、かつ絞り成形されたフランジが成形下死点において、ブランクホルダーおよびダイにより挟み込まれた状態、すなわち上下の金型により挟み込まれた状態になる場合に必要になる。ロッキング機構とは、パッドが成形品の天板を押圧した状態で成形下死点以降の金型の上昇時に、ブランクホルダーの上昇を、機械的または電気制御的に阻止する(ロックする)機構である。
[実施形態1]
以下に、添付図面を参照しながら、本実施形態に係るホットスタンプ成形品、その製造方法および製造装置を順次説明する。以降の説明では、ホットスタンプ成形品がAピラーロアーアウターパネルである場合を例にとるが、本願発明は、Aピラーロアーアウターパネルには限定されず、例えばフロントサイドメンバーにも同様に適用される。
フロントサイドメンバーは、フロア下からダッシュパネルに上がっていきフロントに突き出す屈曲部分でS字に曲がっている部分を有する。フロントサイドメンバーのフロア、ダッシュパネルに接合される部分はフランジを有するとともに、フロントに突き出す屈曲部分ではフランジを有さない。
(1−1)ホットスタンプ成形品
本実施形態に係るホットスタンプ成形品は、1200MPa以上の引張強度およびマルテンサイト鋼組織の少なくとも一方を有してかつ、長手方向へ一方の端部から他方の端部へ向けて順に連なる、第1部、コーナー部および第2部を有する鋼製のホットスタンプ成形品である。
このホットスタンプ成形品においては、第1部、コーナー部および第2部のそれぞれが、長手方向に垂直な断面で見た場合に、天板と、天板につながる2つの縦壁とを有し、第2部が、縦壁に隣接する第1外向きフランジを有する。
また、コーナー部が、第1部の縦壁から延在する縦フランジと、2つの縦壁のうちコーナー部の外周側に位置する縦壁に隣接する第2外向きフランジと、縦フランジと第2外向きフランジが連なる遷移部と、を有する。
図1は、本願発明に係るホットスタンプ成形品であるAピラーロアーアウターパネル10のコーナー部近傍の構成を説明するための概略図である。
図1に示されるように、Aピラーロアーアウターパネル10は、長手方向へ一方の端部(図示せず)から他方の端部(図示せず)へ向けて順に第1部11、コーナー部12および第2部13を有する。
第1部11、コーナー部12および第2部13は、長手方向に垂直な断面で見た場合に、いずれも、天板14と、天板14につながる2つの縦壁15とを備える形状を有する。
第2部13は、縦壁15に隣接する第1外向きフランジ16を有する。
コーナー部12は、2つの縦壁15と交差する方向へ屈曲する。すなわち、コーナー部12は、天板14の板面の垂直方向から見た平面視で、第2部13が存在する方向へ屈曲する。
コーナー部12は、図1に示されるように、コーナー部の外周側に位置する、天板14と縦壁15とがなす稜線が曲線となる箇所を含む部分と定義してもよい。
例えば、コーナー部12は、図3に示すように、Aピラーロアーアウターパネル10を天板14の板面に垂直な方向から平面視した場合に、天板14と縦壁15とがなす稜線が曲線となる箇所を含みかつ、天板14と縦壁15とがなす稜線に垂直な線分(図3の点線)で囲まれた部分としてもよい。
コーナー部12は、第1部11の縦壁15から延在する縦フランジ17と、2つの縦壁15のうちコーナー部12の外周側に位置する縦壁15に隣接する第2外向きフランジ18とを有する。縦フランジ17は、第1部11の縦壁15(2つの縦壁15のうちコーナー部の外周側に位置する縦壁15)と略平行であり、第1部11の縦壁15につながるように構成されてもよい。第2外向きフランジ18は、第2部13の第1外向きフランジ16に略平行であり、第2部13の第1外向きフランジ16につながるように構成されている。
コーナー部12の縦壁15(2つの縦壁15のうちコーナー部の外周側に位置する縦壁15)は、曲面を有し、第1部11の縦壁15および第2部13の縦壁15につながる。
コーナー部12は、縦フランジ17と第2外向きフランジ18が連なる遷移部19を有する。遷移部19は、その断面において、後述するように、縦フランジ17、第2外向きフランジ18、コーナー部の縦壁15(2つの縦壁15のうちコーナー部の外周側に位置する縦壁15)を含むように構成される。
図1の斜線部が縦フランジ17および第2外向きフランジ18である。
図2に、図3に示される断面a〜cにおける断面図を示す。すなわち、図2(a)、図2(b)および図2(c)は、第1部11、第2部13およびコーナー部12のそれぞれにおける、長手方向に垂直な断面で見た場合の概略的な断面図である。
図2(a)に示すように、第1部11は、長手方向に垂直な断面で見た場合に、天板14と、天板14につながる2つの縦壁15とを有する。コーナー部12の内周側に位置する縦壁15には、縦壁15に隣接する第3外向きフランジ20を有する。
図2(c)に示すように、第2部13は、長手方向に垂直な断面で見た場合に、天板14と、天板14につながる2つの縦壁15とを有する。コーナー部12の外周側に位置する縦壁15には、縦壁15に隣接する第1外向きフランジ16を有し、コーナー部12の内周側に位置する縦壁15には、縦壁15に隣接する第3外向きフランジ20を有する。
図2(b)に示すように、コーナー部12の遷移部19においては、長手方向に垂直な断面で見た場合に、天板14と、天板14につながる2つの縦壁15とを有し、第1部の縦壁15から延在する縦フランジ17と、2つの縦壁15のうちコーナー部12の外周側に位置する縦壁15に隣接する第2外向きフランジ18とを有し、縦フランジ17と第2外向きフランジ18が連なる。
また、コーナー部12の内周側に位置する縦壁15には、縦壁15に隣接する第3外向きフランジ20を有する。
ここで、コーナー部12における、長手方向に垂直な断面とは、第1部11又は第2部13の何れかの長手方向に垂直な断面であってもよい。あるいは、コーナー部12における、長手方向に垂直な断面は、第1部11の長手方向と第2部13の長手方向に対して同一の角度を有する面として定義されてもよい。
コーナー部12の縦フランジ17および第2外向きフランジ18は、幅が5mm以上、好ましくは15mm以上の箇所を少なくとも有していてもよい。
縦フランジ17および第2外向きフランジ18において、幅が5mm以上の箇所を有することで、Aピラーロアーアウターパネル10とインナー部材とをレーザ溶接で接合することができる。また、縦フランジ17および第2外向きフランジ18において、幅が15mm以上の箇所を有することで、スポット溶接で接合することができる。Aピラーロアーアウターパネル10とインナー部材とを接合することで剛性が向上する。
図4から図9に、コーナー部12の変形例を示す。図4から図9の斜線部が縦フランジ17および第2外向きフランジ18である。
図4の変形例では、コーナー部12の縦フランジ17の幅が狭く、縦フランジ17の端部と第1部11の縦壁15の端部が段差を有している。また、第2外向きフランジ18の幅が狭く、第2外向きフランジ18の端部と第2部13の第1外向きフランジの端部が段差を有している。
図5の変形例では、コーナー部12の縦フランジ17の幅が、第1部11から遠ざかるにつれて減少している。
この変形例でも、縦フランジ17と第2外向きフランジ18が連なる遷移部19を有する。
図6の変形例では、コーナー部12の縦フランジ17の幅が、第1部11から遠ざかるにつれて減少している。第1部11から最も遠い位置において、縦フランジ17の幅は0であるが、縦フランジ17と第2外向きフランジ18が連なる遷移部19を有する。
図7の変形例では、第2外向きフランジ18の幅が、第2部13から遠ざかるにつれて減少している。
この変形例でも、縦フランジ17と第2外向きフランジ18が連なる遷移部19を有する。
図8の変形例では、第2外向きフランジ18の幅が狭く、第2外向きフランジ18の端部と第2部13の第1外向きフランジの端部が段差を有している。
この変形例でも、縦フランジ17と第2外向きフランジ18が連なる遷移部19を有する。
図9の変形例では、コーナー部12の縦フランジ17の幅が狭く、縦フランジ17の端部と第1部11の縦壁15の端部が段差を有している。また、第2外向きフランジ18の端部において、縦フランジ17が無い箇所が存在する。
この変形例でも、縦フランジ17と第2外向きフランジ18が連なる遷移部19を有する。
本実施形態に係るAピラーロアーアウターパネル10においては、非加工部である天板14の板厚が0.7〜2.0mmである。天板14の板厚をこの範囲とすることで、Aピラーロアーアウターパネル10を軽量化することができる。特に、本実施形態に係るAピラーロアーアウターパネル10においては、後述する強度を有するため、衝突特性を確保しつつも軽量化を図れるという顕著な効果が得られる。
本実施形態に係るAピラーロアーアウターパネル10は、第1部11における縦壁15の板厚が、非加工部の板厚に対して80〜120%であることが好ましい。すなわち、非加工部の板厚が0.7〜2.0mmの範囲である場合には、第1部11における縦壁15の板厚は0.56〜2.20mmであることが好ましい。
さらには、本実施形態に係るAピラーロアーアウターパネル10においては、第1部11における縦壁15の板厚が、非加工部の板厚に対して90〜110%であることがより好ましい。
本実施形態に係るAピラーロアーアウターパネル10は、第2部13における縦壁15の板厚が、非加工部の板厚に対して80〜120%であることが好ましい。すなわち、非加工部の板厚が0.7〜2.0mmの範囲である場合には、第2部13における縦壁15の板厚は0.56〜2.20mmであることが好ましい。
さらには、本実施形態に係るAピラーロアーアウターパネル10においては、第2部13における縦壁15の板厚が、非加工部の板厚に対して90〜110%であることがより好ましい。
また、本実施形態に係るAピラーロアーアウターパネル10は、第2部13の第1外向きフランジ16またはコーナー部12の第2外向きフランジ18の板厚が、非加工部の板厚に対して80〜120%であることが好ましい。すなわち、非加工部の板厚が0.7〜2.0mmの範囲である場合には、第1外向きフランジ16または第2外向きフランジ18の板厚は0.56〜2.20mmであることが好ましい。
さらには、本実施形態に係るAピラーロアーアウターパネル10においては、第1外向きフランジ16または第2外向きフランジ18の板厚が、非加工部の板厚に対して90〜110%であることがより好ましい。
本実施形態に係るAピラーロアーアウターパネル10は、所望の剛性を得るために、第1部11の縦壁15の幅を40〜100mmの範囲とすることが好ましい。また、第2部13の縦壁15の幅を40〜100mmの範囲として、第2部13の第2外向きフランジ18の幅を5〜30mmとすることが好ましい。
さらには、衝突特性をより高めるために、第1部11の縦壁15の幅を60〜100mmの範囲、第2部13の縦壁15の幅を60〜100mmの範囲とすることがより好ましい。また、無駄なくスポット溶接ができるように、第2部13の第2外向きフランジ18の幅を15〜20mmとすることがより好ましい。
上記の実施形態の説明において、Aピラーロアーアウターパネル10のコーナー部12が遷移部を有するとは、換言すれば、コーナー部12に「切り欠き部」がない形状であると言える。
図10から図14は、コーナー部22の外周側に切欠き23があるAピラーロアーアウターパネル21の例である。すなわち、コーナー部におけるしわの発生を抑制するために、切欠き23を必要とする従来のAピラーロアーアウターパネルの変形例である。
図10および図11の例では、コーナー部22の外周側の全周にわたり、切欠き部23がある。図12から図14の例では、コーナー部22の一部に切欠き部23がある。
本実施形態に係るAピラーロアーアウターパネル10は1200MPa以上の引張強度およびマルテンサイトの鋼組織の少なくとも一方を有する。
図15に、ホットスタンプによって得られたホットスタンプ成形品の金属組織の写真であり、マルテンサイトの鋼組織を示すものである。
以上のように、本実施形態に係るホットスタンプ成形品であるAピラーロアーアウターパネル10は、1200MPa以上の引張強度およびマルテンサイトの鋼組織の少なくとも一方を有するとともに、コーナー部12が縦フランジ17と第2外向きフランジ18が連なる遷移部19を有することから、曲げ剛性および捻り剛性が格段に向上している。
さらに、本実施形態に係るホットスタンプ成形品であるAピラーロアーアウターパネル10は、0.7〜2.0mmの板厚を有することから軽量である。
図16は、本実施形態に係るAピラーロアーアウターパネル10と、インナー部材25とを接合した構造部材26の例である。図16に示されるように、Aピラーロアーアウターパネル10は、長手方向へ一方の端部10aから他方の端部10bへ向けて順に第1部11、コーナー部12および第2部13を有する。インナー部材25は、縦フランジ17および第2外向きフランジ18において、Aピラーロアーアウターパネル10と接合されている。
本実施形態に係るAピラーロアーアウターパネル10を組み込まれたボディシェルは、重量増加を抑制しながら、Aピラーロアーアウターパネル10に接合されるダッシュパネルを介してエンジンコンパートメント(特に左右のフロントサイドメンバー取り付け部付近)の剛性を高めることができ、これにより、例えばパイロンスラローム走行時におけるフロントサイドメンバーの撓み量を低減でき、車両の操縦安定性を高めることができる。
(1−2)製造装置
次に、本願発明に係るホットスタンプ成形品の製造装置について説明する。
図17は、本願発明に係る製造装置30を説明するための概略的な斜視図である。図17と、後述する図20、25、27では、図面を見易くするため、各工具の作業面を抜き出して示す。
製造装置30は、ブランク40にホットスタンプ工法により1工程でプレス成形を行ってAピラーロアーアウターパネル10を製造する装置である。製造装置30は、パンチ31およびブランクホルダー32と、パンチ31に対向して配置されるパッド(図示しない)と、ブランクホルダー32に対向して配置されるダイ33と、曲げ型34とを備える。
パッドは必ずしも用いなくてもよく、必要に応じて適宜用いればよいが、パッドを用いない場合には、成形中にブランク40が意図しない方向にずれて割れやしわを生じることがあるので、注意を要する。
ダイ33および曲げ型34と、パンチ31とは相対的に接近および離反可能に配置されている。
パンチ31およびパッドは、ブランク40における天板14に成形される部分を押えることが可能である。
ブランクホルダー32およびダイ33は、ブランク40における、第1部11およびコーナー部12に存在する2つの縦壁15のうちコーナー部12の外周側に位置する縦壁15に成形される部分を挟み込むことが可能である。
パンチ31、ブランクホルダー32およびダイ33は、第1部11およびコーナー部12に存在する2つの縦壁15のうちコーナー部12の外周側に位置する縦壁15に成形される部分の少なくとも一部を絞り成形可能であるとともに、パンチ31および曲げ型34は、この部分を除く残余の部分を曲げ成形可能である。
ブランクホルダー32およびダイ33は、第1部11およびコーナー部12に存在する2つの縦壁15のうちコーナー部12の外周側に位置する縦壁15に成形される部分に対する挟み込みを、成形下死点に達する前に絞り抜けにより終了する。
パッドまたはブランクホルダー32はロッキング機構を有する。ロッキング機構は、成形下死点以降の金型上昇時に、ダイ33および曲げ型34とともにブランクホルダー32またはパッドが成形されたプレス成形品を加圧することによりプレス成形品を損傷することを防ぐためのものであり、成形下死点以降の金型上昇時に、ブランクホルダー32の上昇を、機械的または電気制御的に阻止(ロック)する機構である。
パッドを用いて、かつ絞り成形部のフランジが成形下死点においてブランクホルダー32およびダイ33により挟み込まれた状態になる場合に、このロッキング機構が必要になる。
(1−3)製造方法
次に、本願発明に係るホットスタンプ成形品の製造方法について説明する。
なお、以降の説明ではパッド35を用いる場合を例に説明する。
図18は、ホットスタンプ工法を用いて、曲げ成形と絞り成形とを複合した1工程の曲げ絞り複合成形を行い、本実施形態に係るAピラーロアーアウターパネル10を製造する状況を説明するための図である。
図19は、本実施形態に係る製造方法に用いるパンチ31の外形を示す説明図である。
本実施形態に係る製造方法では、ブランク40にホットスタンプ工法によりプレス成形を行って、Aピラーロアーアウターパネル10を製造する。
図18に示すように、ブランク40を、パンチ31およびブランクホルダー32と、パンチ31に対向して配置されるパッド35、ブランクホルダー32に対向して配置されるダイ33、および曲げ型34との間に配置する。
次に、ブランク40における天板14に成形される部分(図18における「パッド押え部」)を、パンチ31およびパッド35により押える。
次に、図18に示すように、ブランク40における、コーナー部12の外周側に位置する縦壁15に成形される部分(図18における「ホルダー有り領域」と記載された部分)をブランクホルダー32とダイ33とにより挟み込む。この部分は、Aピラーロアーアウターパネル10の第1部11の縦壁15(コーナー部12の外周側に位置する縦壁15)に成形される部分である。
図18における「ホルダー境界」とは、ブランクホルダー32の端部位置を示す。
そして、ダイ33および曲げ型34をパンチ31へ相対的に接近させて、第1部11およびコーナー部12に存在する2つの縦壁15のうちコーナー部12の外周側に位置する縦壁15に成形される部分の少なくとも一部を、パンチ31、ブランクホルダー32およびダイ33により絞り成形する。これとともに、この絞り成形される部分を除く残余の部分(図18における「ホルダー無し領域」と記載された網掛部)を、パンチ31および曲げ型34により曲げ成形する。
ここで、図18における断面Cに示すように、ダイ33、曲げ型34がブランク40に同時に接触を開始して成形を開始することが、成形中の過度な材料の移動を抑制してしわの発生を低減できるために、望ましい。
成形の終了直前には、ブランク40における、コーナー部12の外周側に位置する縦壁15に成形される部分は、成形下死点に達する前に絞り抜けて、ブランクホルダー32とダイ33とによる挟み込みが終了する。
すなわち、フランジを有さない第1部11の縦壁15は絞り加工によって成形される。第1部の縦壁の絞り加工をする際に、いわゆる「絞りぬけ加工」とすることで、フランジを有さない縦壁15を成形することができる。絞りぬけ加工では、成形中にダイとダイホルダーでブランクを挟み込み、成形完了の時点ではブランクがダイとダイホルダーに挟まれていない状態となる。
絞り抜けを確実に行うために、第1部11の縦壁15の絞り深さは縦壁15の高さ+(10〜20mm)であることが好ましく、縦壁15の高さ+(10〜30mm)であることがより好ましい。ここで、絞り深さとは、ブランクホールドしてからダイ33が移動する距離である。また、ブランクホルダー32の移動量は、縦壁15の高さ+(10〜20mm)であってもよい。
絞りぬけ加工によって第1部11の縦壁15を成形することで、ロッキング機構が無くとも1工程のホットスタンプ工法によって、本実施形態のAピラーロアーアウターパネル10を成形することができる。
このようにして、本実施形態に係る製造方法により、Aピラーロアーアウターパネル10が1工程で成形される。
例えば、図37に示したような2工程での成形を行った場合、特に強度が980MPa以上のブランクを用いた場合に、曲げ戻し部が生じてしまうことがある。Aピラーロアーアウターパネルにおいて、外向きフランジを有さない第1部の縦壁(ガラス面フランジ)はフロントガラスの載置面となるため、このような曲げ戻し部があることは好ましくない。特に、縦壁が直線状ではなく湾曲した形状である場合、曲げ戻し部が生じやすい傾向がある。
本実施形態に係るホットスタンプ成形品は1工程のホットスタンプ工法で第1部の縦壁が成形されるため、Aピラーロアーアウターパネルのガラス面フランジに、このような曲げ戻し部が生じることがない。
図20は、実施形態1の製造装置30による成形途中のブランクの変形状態を拡大して示す斜視図であり、図17におけるD方向から見た図である。なお、図20では、ダイ33および曲げ型34は、図面を見易くするために省略している。また、図20では、ブランク40上にパッド35を示している。
次に本実施形態に係る製造方法における、ダイ33やブランクホルダー32の動き、ならびにブランク40の変形挙動について説明する。
図21から図24は、Aピラーロアーアウターパネル10の第1部11、コーナー部12および第2部13となる部分の各断面における、ダイ33やブランクホルダー32の動き、ならびにブランク40の変形挙動を説明するための概略的な断面図である。
図21(a)、図22(a)、図23(a)および図24(a)は、Aピラーロアーアウターパネル10の第1部11となる部分の、長手方向に垂直な断面における、ダイ33やブランクホルダー32の動き、ならびにブランク40の変形挙動を示した図である。
図21(b)、図22(b)、図23(b)および図24(b)は、Aピラーロアーアウターパネル10のコーナー部12となる部分の、長手方向に垂直な断面における、ダイ33やブランクホルダー32の動き、ならびにブランク40の変形挙動を示した図である。
図21(c)、図22(c)、図23(c)および図24(c)は、Aピラーロアーアウターパネル10の第2部13となる部分の、長手方向に垂直な断面における、曲げ型34の動き、ならびにブランク40の変形挙動を示した図である。
図21から図24において、図21(a)、図21(b)および図21(c)は、同時刻における各断面での位置関係を示す。
図21(a)、図21(b)および図21(c)は、ブランク40をパンチ底面31b上に載せた状態である。
同様に、図22(a)、図22(b)および図22(c)は、同時刻における各断面での位置関係を示す。
図22(a)および図22(b)においては、ダイ33とブランクホルダー32によって、ブランク40の端部が挟まれ、変形している。図22(c)においては、ブランク40が断面において直線形状のまま、曲げられている。
図23(a)、図23(b)および図23(c)は、同時刻における各断面での位置関係を示す。
図24(a)、図24(b)および図24(c)は、同時刻における各断面での位置関係を示す。
図24(a)においては、ブランク40の端部が絞り抜けて、縦壁15と第3外向きフランジ20を有する縦壁15が形成されている。図24(b)においては、コーナー部12の縦壁15、第2外向きフランジ18および縦フランジ17が形成され、縦壁15と第3外向きフランジ20を有する縦壁15が形成されている。図24(c)においては、第1外向きフランジ16および第3外向きフランジ20を有する縦壁15がそれぞれ形成されている。
本実施形態に係る製造方法において、ホットプレスの条件としては、900℃(少なくともAc点以上の温度)で4分間加熱することが好ましい。金型による冷却速度は30℃/s以上の冷却速度が好ましく、この冷却速度を達成するために、金型内に冷却配管を設置してもよい。
本実施形態においては、ブランク40の化学成分として、C量を0.090〜0.40質量%、Mn量を1.0〜5.0質量%、B量を0.00050〜0.05質量%とすることで、ホットスタンプ成形品の強度を確保することができる。
[実施形態2]
次に、本願発明に係るホットスタンプ成形品の製造装置および製造方法の他の実施形態について説明する。
実施形態2の製造装置および製造方法によって製造されるホットスタンプ成形品は、上記の実施形態1に係るホットスタンプ成形品と同様の構成を有していてもよい。以下の実施形態2は、以下に説明する構成以外は、上記の実施形態1と同様である。
(2−1)製造装置
実施形態1の製造装置30では、ブランクホルダー32がブランク40に接触するホルダー作業面32aと、ダイ33がブランク40に接触するダイ作業面とが、いずれもフラットな水平面である。
図20に示すように、成形の進行に伴って、ブランク40におけるホルダー作業面32aおよびダイ作業面により拘束される拘束部40−1の変形挙動と、ブランク40におけるパンチ31および曲げ型34により曲げ成形される曲げ部40−2の変形挙動とが相違する。
実施形態2に係る製造装置および製造法によって、ブランク40の強度や板厚、さらには縦壁15の高さなどといった製造条件によらず、境界部40−3における割れやしわの発生を抑制することができる。
図25は、実施形態2の製造装置50を示す説明図であり、図26は、図25中のA方向から見た製造装置50の初期金型配置を示す説明図であり、図27は、製造装置50による成形途中のブランクの変形状態を拡大して示す説明図である。
実施形態2の説明では、製造装置50における製造装置30と相違する部分を説明し、製造装置30と共通する部分には、同一の図中符号を付することにより、重複する説明を省略する。なお、実施形態2の製造装置50はパッド35を用いるが、パッド35は用いなくてもよい。
実施形態2の製造装置50は、境界部40−3における割れやしわの発生をさらに抑制することを目的とし、図25から図28に示すように、ダイ53は、第1面53aと、第1面53aに連続する屈曲部53bと、屈曲部53bに連続する第2面53cとを有するとともに、ブランクホルダー52は、第1面52aと、第1面52aに連続する屈曲部52bと、屈曲部52bに連続する第2面52cとを有する。
ダイ53、ブランクホルダー52それぞれの第1面53a、52aは、ブランク40における、第1部11およびコーナー部12における2つの縦壁15のうちコーナー部12の外周側に位置する縦壁15に成形される部分の少なくとも一部に当接して挟み込む。
ダイ53、ブランクホルダー52それぞれの第2面53c、52cは、第1面53a、52aに対して曲げ型34から離反する方向へ傾斜して配置される。
図26に示すように、ダイ53の屈曲部53bは、曲げ型34の曲げ稜線部34aの高さ位置の近傍の高さ位置に設けられるとともに、ブランクホルダー52の屈曲部52bは、パンチ31のパンチ肩R部31aの高さ位置の近傍の高さ位置に設けられることが、境界部40−3における割れやしわの発生を防ぐためには望ましい。
図26に示すように、ブランクホルダー52における第1面52aに対する第2面52cの傾斜角度θは、(パンチ31のパンチ肩R部31aの傾斜角度θ−30度)以上かつ(パンチ31のパンチ肩R部31aの傾斜角度θ+30度)以下であることが、境界部40−3における割れやしわの発生を防ぐためには望ましい。
図26に示すように、ブランクホルダー52の第1面52aは、曲げ型34がブランク40に当接する時に、パンチ31のパンチ底面31bの高さ位置と略一致する高さ位置に存在することが、境界部40−3における割れやしわの発生を防ぐためには望ましい。
さらに、図26に示すように、ダイ53の第1面53aは、ダイ53がブランク40に当接する時に、曲げ型34の曲げ稜線部34aが存在する面の高さ位置と略一致する高さ位置に存在することが、境界部40−3における割れやしわの発生を防ぐためには望ましい。
製造装置50は、以上のように構成される。
(2−2)製造方法
製造装置50では、ダイ53およびブランクホルダー52それぞれに第2面53c、52cが形成されている。そのため、成形途中のブランク40における第2面53c、52cに拘束される部分と、成形途中のブランク40におけるパンチ31および曲げ型34により曲げ成形される部分とが同様に倒れ込みながら、パンチ31、ダイ53およびブランクホルダー52による絞り成形と、パンチ31および曲げ型34による曲げ成形とが行われる。
このため、境界部40−3において、成形途中のブランク40における第2面53c、52cに拘束される拘束部40−1と、成形途中のブランク40におけるパンチ31および曲げ型34により曲げ成形される曲げ部40−2との境界部40−3に段差を生じない。
ここで「段差を生じる」とは、ブランクにおける曲げ成形される部分(曲げ部分)とブランクにおける絞り成形される部分(絞り部分)との境界部を挟んでそれぞれ30mmの範囲における、曲げ部分と絞り部分との間におけるプレス方向への平均位置の差が所定量、例えば20mmを超えることを意味する。
より具体的には、成形途中のブランク40において、ダイ53およびブランクホルダー52それぞれの第2面53c、52cにより拘束される部分の端部と、パンチ31および曲げ型34により曲げ成形されて第1外向きフランジ16となる部分の端部とのプレス方向における差が20mm以下であってもよい。より好ましくは、この差が15mm以下、さらに好ましくは10mm以下である。
また、プレス方向における端部と端部との差が、ブランク40の板厚の20倍以下、より好ましくは15倍以下、さらに好ましくは10倍以下であってもよい。
ここで、端部と端部は、ブランクにおける曲げ成形される部分(曲げ部分)とブランクにおける絞り成形される部分(絞り部分)との境界部からそれぞれ30mmの位置におけるブランク40の端部と定義されてもよい。
次に本実施形態に係る製造方法における、ダイ53やブランクホルダー52の動き、ならびにブランク40の変形挙動について説明する。
図28から図31は、Aピラーロアーアウターパネル10の第1部11、コーナー部12および第2部13となる部分の各断面における、ダイ53やブランクホルダー52の動き、ならびにブランク40の変形挙動を説明するための図である。
図28(a)、図29(a)、図30(a)および図31(a)は、Aピラーロアーアウターパネル10の第1部11となる部分の、長手方向に垂直な断面における、ダイ53やブランクホルダー52の動き、ならびにブランク40の変形挙動を示した図である。
図28(b)、図29(b)、図30(b)および図31(b)は、Aピラーロアーアウターパネル10のコーナー部12となる部分の、長手方向に垂直な断面における、ダイ53やブランクホルダー52の動き、ならびにブランク40の変形挙動を示した図である。
図28(c)、図29(c)、図30(c)および図31(c)は、Aピラーロアーアウターパネル10の第2部13となる部分の、長手方向に垂直な断面における、曲げ型34の動き、ならびにブランク40の変形挙動を示した図である。
図28から図31において、図28(a)、図28(b)および図28(c)は、同時刻における各断面での位置関係を示す。
図28(a)、図28(b)および図28(c)は、ブランク40をパンチ底面31b上に載せた状態である。
図29(a)、図29(b)および図29(c)は、同時刻における各断面での位置関係を示す。
図29(a)および図29(b)においては、ダイ53とブランクホルダー52によって、ブランク40の端部が挟まれ、変形している。図29(c)においては、ブランク40が断面において直線形状のまま、曲げられている。ここで、図29(b)におけるブランク40の端部のプレス方向における位置と、図29(c)におけるブランク40の端部のプレス方向における位置との間に差が無いことが分かる
図30(a)、図30(b)および図30(c)は、同時刻における各断面での位置関係を示す。この状態においても、図30(b)におけるブランク40の端部のプレス方向における位置と、図30(c)におけるブランク40の端部のプレス方向における位置との間に差が無い状態が維持されている。
図31(a)、図31(b)および図31(c)は、同時刻における各断面での位置関係を示す。
図31(a)においては、ブランク40の端部が絞り抜けて、縦壁15と第3外向きフランジ20を有する縦壁15が形成されている。図31(b)においては、コーナー部12の縦壁15、第2外向きフランジ18および縦フランジ17が形成され、縦壁15と第3外向きフランジ20を有する縦壁15が形成されている。図31(c)においては、第1外向きフランジ16および第3外向きフランジ20を有する縦壁15がそれぞれ形成されている。
実施形態2に係る製造方法によれば、例えば、ブランク40の強度や板厚、さらには縦壁15の高さ等といった製造条件によらずに、図1に示すホットスタンプ成形品であるAピラーロアーアウターパネル10を、1工程で割れやしわを生じることなく提供できる。
[実施例]
以下に、本願発明の実施例について説明する。
(実験例1)
ホットスタンプ成形品の剛性と衝突特性の評価を、CAE(Computer Aided Engineering)で行った。汎用FEMコードL:S−DYNA ver971を用いて、衝突解析と剛性解析を行った。
衝突解析の評価対象として、図32のA部、すなわち、コーナー部における、コーナー部の外周側に位置する縦壁の天板に近い部分の板厚減少率が異なる2種のAピラーロアーアウターパネルを用意した(実施例1および比較例1)。
実施例1のAピラーロアーアウターパネルの縦フランジの幅は20mm、第2外向きフランジの幅は20mmとした。実施例1においては、コーナー部(図32のA部)における板厚減少率を10%とした。比較例1のAピラーロアーアウターパネルの各フランジ幅も実施例1と同様としたが、コーナー部における板厚減少率を26%とした。
これらのAピラーロアーアウターパネルの板厚分布を、成形解析を実施して、上記板厚になるように導出した。いずれの例でも、基準板厚を1.2mmとした。なお、実施例1では、上記の実施形態に係る製造方法又は製造装置によって成形したAピラーロアーアウターパネルとした。比較例1では、従来の絞り成形工法によって成形したAピラーロアーアウターパネルとした。
衝突特性の評価方法を図33に示す。インナー部材とAピラーロアーアウターパネルとを、Aピラーロアーアウターパネルのフランジ部で、30mm間隔のスポット溶接で接合した。図33に示すように、Aピラーロアーアウターパネルの端部2か所を全周完全拘束した。
図33の矢印で示す方向から、剛体を20km/hの速度で衝突させた。Aピラーロアーアウターパネルの板厚分布は成形解析を行って導出した。剛体がAピラーロアーアウターパネルに接触してから、50mmの変位における吸収エネルギーを評価した。
剛性の評価方法を図34に示す。インナー部材とAピラーロアーアウターパネルとを、Aピラーロアーアウターパネルのフランジ部で、30mm間隔のスポット溶接で接合した。図34に示すように、Aピラーロアーアウターパネルの端部2か所とインナー部材の端部の合計3か所を全周完全拘束した。インナー部材の板厚は全て1.2mmとした。コーナー部の天板の中央に、車両内側方向(矢印の方向)に1mm変位を与えた際の荷重を測定した。
衝突解析の評価対象としたAピラーロアーアウターパネルの板厚減少率と、衝突特性および剛性の結果を表1に示す。
表1に示されるように、A部の板厚減少率が少ない実施例1の方が、Aピラーロアーアウターパネルの衝突特性および剛性において優れていることが分かる。
(実験例2)
実施例及び比較例の形状を図35(a)から図35(c)に示す。図35(a)に示される実施例2のAピラーロアーアウターパネルでは、縦フランジの端部と第1部の縦壁の端部が段差を有さずに連続し、第2外向きフランジの端部と第1外向きフランジの端部が段差を有さずに連続している。図35(b)に示される実施例3のAピラーロアーアウターパネルでは、縦フランジの幅が5mmであり、第2外向きフランジの幅が5mmである。実施例2の場合も、縦フランジと第2外向きフランジが連なる遷移部を有する。
図35(c)に示される比較例2のAピラーロアーアウターパネルでは、コーナー部において、縦フランジと第2外向きフランジが無く、遷移部も無い。換言すれば、図35(c)の比較例2のAピラーロアーアウターパネルは、コーナー部の全周にわたり、切欠き部を有する。
表2の結果からわかるように、コーナー部において、縦フランジと第2外向きフランジが無く、遷移部を有さない比較例2の成形品は、実施例2及び3の成形品に比べて剛性が劣る。
本願発明によれば、板厚が薄く軽量でありながらも、高い衝突特性および剛性を有するホットスタンプ成形品、ならびにこのようなホットスタンプ成形品を製造可能なホットスタンプ成形品の製造方法および製造装置を提供することが可能であり、産業上有用である。
10 Aピラーロアーアウターパネル
11 第1部
12 コーナー部
13 第2部
14 天板
15 縦壁
16 第1外向きフランジ
17 縦フランジ
18 第2外向きフランジ
19 遷移部
20 第3外向きフランジ
30 製造装置
31 パンチ
31a パンチ肩R部
31b パンチ底面
32 ブランクホルダー
33 ダイ
34 曲げ型
34a 曲げ稜線部
40 ブランク
50 製造装置
52 ブランクホルダー
52a 第1面
52b 屈曲部
52c 第2面
53 ダイ
53a 第1面
53b 屈曲部
53c 第2面

Claims (19)

  1. 1200MPa以上の引張強度およびマルテンサイト鋼組織の少なくとも一方を有してかつ、長手方向へ一方の端部から他方の端部へ向けて順に連なる、第1部、コーナー部および第2部を有する鋼製のホットスタンプ成形品であって、
    前記第1部、前記コーナー部および前記第2部のそれぞれが、前記長手方向に垂直な断面で見た場合に、天板と、前記天板につながる2つの縦壁とを有し;
    前記第2部が、前記縦壁に隣接する第1外向きフランジを有し;
    前記コーナー部が、
    前記第1部の前記縦壁から延在する縦フランジと、
    前記2つの縦壁のうち前記コーナー部の外周側に位置する縦壁に隣接する第2外向きフランジと、
    前記縦フランジと前記第2外向きフランジが連なる遷移部と、
    を有する;
    ことを特徴とするホットスタンプ成形品。
  2. Aピラーロアーアウターパネルである、
    請求項1に記載のホットスタンプ成形品。
  3. ホットスタンプ工法により、ブランクにプレス成形を行って請求項1または2に記載のホットスタンプ成形品を製造する方法であって、
    ブランクを、パンチおよびブランクホルダーと、前記ブランクホルダーに対向して配置されるダイ、および曲げ型との間に配置し、
    前記ブランクにおける前記天板に成形される部分を前記パンチにより支持し、
    前記ブランクにおける、前記第1部および前記コーナー部における前記2つの縦壁のうち前記コーナー部の外周側に位置する縦壁に成形される部分の少なくとも一部を、前記ブランクホルダーと前記ダイとにより挟み込むとともに、
    前記ダイおよび前記曲げ型を前記パンチへ相対的に接近させて、前記縦壁に成形される部分の少なくとも一部を前記パンチ、前記ブランクホルダーおよび前記ダイにより絞り成形するとともに、絞り成形される部分を除く残余の部分を前記パンチおよび前記曲げ型により曲げ成形する、
    ことを特徴とするホットスタンプ成形品の製造方法。
  4. 前記ブランクにおける、前記コーナー部の外周側に位置する前記縦壁および前記縦フランジに成形される部分の少なくとも一部は、成形下死点に達する前に絞り抜けて、前記ブランクホルダーと前記ダイとによる挟み込みが終了する、
    請求項3に記載のホットスタンプ成形品の製造方法。
  5. さらに、前記パンチに対向して配置されるパッドを備え、前記ブランクにおける前記天板に成形される部分を前記パンチおよび前記パッドにより挟持する、請求項3または4に記載のホットスタンプ成形品の製造方法。
  6. 前記ダイおよび前記ブランクホルダーは、いずれも、前記ブランクにおける、前記第1部および前記コーナー部における前記2つの縦壁のうち前記コーナー部の外周側に位置する縦壁に成形される部分に当接して挟み込む第1面と、前記第1面に連続する屈曲部と、前記屈曲部に連続するとともに前記第1面に対して前記曲げ型から離反する方向へ傾斜する第2面とを有し、
    前記ダイおよび前記ブランクホルダーそれぞれの前記第2面は、前記パンチおよび前記曲げ型による曲げ成形とともに、前記ブランクを絞り成形する、
    請求項3〜5のいずれか一項に記載のホットスタンプ成形品の製造方法。
  7. 成形途中の前記ブランクにおいて、前記ダイおよび前記ブランクホルダーそれぞれの前記第2面により拘束される部分の端部と、前記パンチおよび前記曲げ型により曲げ成形されて前記第1外向きフランジとなる部分の端部とのプレス方向における差が20mm以下である、
    請求項6に記載のホットスタンプ成形品の製造方法。
  8. 前記ダイの前記屈曲部は、前記曲げ型の曲げ稜線部の高さ位置の近傍の高さ位置に設けられるとともに、前記ブランクホルダーの前記屈曲部は、前記パンチのパンチ肩R部の高さ位置の近傍の高さ位置に設けられる、
    請求項6または7に記載のホットスタンプ成形品の製造方法。
  9. 前記ブランクホルダーにおける前記第1面に対する前記第2面の傾斜角度は、(前記パンチのパンチ肩R部の傾斜角度−30度)以上かつ、(前記パンチのパンチ肩R部の傾斜角度+30度)以下である、
    請求項6〜8のいずれか一項に記載のホットスタンプ成形品の製造方法。
  10. 前記ブランクホルダーの前記第1面は、前記ブランクが前記ダイおよび前記ブランクホルダーによって挟み込まれた時に、前記パンチのパンチ底面の高さ位置と略一致する高さ位置に存在する、
    請求項6〜9のいずれか一項に記載のホットスタンプ成形品の製造方法。
  11. 前記ダイの前記第1面は、前記ブランクが前記ダイおよび前記ブランクホルダーによって挟み込まれた時に、前記曲げ型の曲げ稜線部が存在する面の高さ位置と略一致する高さ位置に存在する、
    請求項6〜10のいずれか一項に記載のホットスタンプ成形品の製造方法。
  12. ホットスタンプ工法により、ブランクにプレス成形を行って請求項1または2に記載のホットスタンプ成形品を製造する装置であって、
    パンチおよびブランクホルダーと、前記ブランクホルダーに対向して配置されるダイと、曲げ型とを備え、
    前記ダイおよび前記曲げ型と、前記パンチとは相対的に接近および離反可能であり、
    前記パンチは、前記ブランクにおける前記天板に成形される部分を支持することが可能であり、
    前記ブランクホルダーおよび前記ダイは、前記ブランクにおける、前記第1部および前記コーナー部における前記2つの縦壁のうち前記コーナー部の外周側に位置する縦壁に成形される部分の少なくとも一部を挟み込むことが可能であるとともに、
    前記パンチ、前記ブランクホルダーおよび前記ダイは、前記コーナー部の外周側に位置する前記縦壁に成形される部分の少なくとも一部を絞り成形可能であるとともに、前記パンチおよび前記曲げ型は、絞り成形される部分を除く残余の部分を曲げ成形可能である、
    ことを特徴とするホットスタンプ成形品の製造装置。
  13. 前記ブランクホルダーおよび前記ダイは、前記ブランクにおける、前記第1部および前記コーナー部における前記2つの縦壁のうち前記コーナー部の外周側に位置する縦壁に成形される部分の少なくとも一部に対する挟み込みを、成形下死点に達する前に絞り抜けにより終了する、
    請求項12に記載のホットスタンプ成形品の製造装置。
  14. さらに、前記パンチに対向して配置されるパッドを備え、前記パンチおよび前記パッドは、前記ブランクにおける前記天板に成形される部分を挟持する、
    請求項12または13に記載のホットスタンプ成形品の製造装置。
  15. 前記ダイおよび前記ブランクホルダーは、いずれも、前記ブランクにおける、前記第1部および前記コーナー部における前記2つの縦壁のうち前記コーナー部の外周側に位置する縦壁に成形される部分に当接して挟み込む第1面と、前記第1面に連続する屈曲部と、前記屈曲部に連続するとともに前記第1面に対して前記曲げ型から離反する方向へ傾斜する第2面とを有する、
    請求項12〜14のいずれか一項に記載のホットスタンプ成形品の製造装置。
  16. 前記ダイの前記屈曲部は、前記曲げ型の曲げ稜線部の高さ位置の近傍の高さ位置に設けられるとともに、前記ブランクホルダーの前記屈曲部は、前記パンチのパンチ肩R部の高さ位置の近傍の高さ位置に設けられる、
    請求項15に記載のホットスタンプ成形品の製造装置。
  17. 前記ブランクホルダーにおける前記第1面に対する前記第2面の傾斜角度は、(前記パンチのパンチ肩R部の傾斜角度−30度)以上かつ、(前記パンチのパンチ肩R部の傾斜角度+30度)以下である、
    請求項15または16に記載のホットスタンプ成形品の製造装置。
  18. 前記ブランクホルダーの前記第1面は、前記ブランクが前記ダイおよび前記ブランクホルダーによって挟み込まれた時に、前記パンチのパンチ底面の高さ位置と略一致する高さ位置に存在する、
    請求項15〜17のいずれか一項に記載のホットスタンプ成形品の製造装置。
  19. 前記ダイの前記第1面は、前記ブランクが前記ダイおよび前記ブランクホルダーによって挟み込まれた時に、前記曲げ型の曲げ稜線部が存在する面の高さ位置と略一致する高さ位置に存在する、
    請求項15〜18のいずれか一項に記載のホットスタンプ成形品の製造装置。
JP2017563275A 2017-09-08 2017-09-08 ホットスタンプ成形品、その製造方法および製造装置 Active JP6311853B1 (ja)

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