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JP6380172B2 - Iii族窒化物半導体発光素子とその製造方法 - Google Patents

Iii族窒化物半導体発光素子とその製造方法 Download PDF

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Description

本明細書の技術分野は、III 族窒化物半導体発光素子とその製造方法に関する。特に、ピットを有するIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法に関するものである。
III 族窒化物半導体発光素子は、電子と正孔とが再結合することにより発光する発光層と、n型半導体層と、p型半導体層と、を有する。このIII 族窒化物半導体発光素子を製造する際には、基板の上に半導体層をエピタキシャル成長させる。この場合に、基板と半導体層との間の格子不整合に起因する貫通転位が半導体層に発生する。この貫通転位では、電子と正孔とは非発光再結合を起こす。非発光再結合とは、光とならずに熱となる再結合をいう。そのため、貫通転位の近傍に存在する電子は、貫通転位の箇所で非発光再結合を起こすおそれがある。この非発光再結合が多く生じるほど、半導体発光素子は発熱する。そして、この半導体発光素子の発光効率はこのような発熱の分だけ低い。
したがって、貫通転位での非発光再結合を抑制する技術が開発されてきている。例えば、特許文献1には、貫通転位に起因するピットをn型GaN層から発生させる技術が開示されている(特許文献1の段落[0014]−[0016]参照)。この技術では、ピットをAlGaN埋め込み部で埋める。そのため、AlGaN埋め込み部が障壁となり、電子や正孔が貫通転位に到達しにくくなっている(特許文献1の段落[0016]参照)。よって、この半導体発光素子の発光効率は高い。
特開2002−368269号公報
このように、半導体発光素子の発光効率は、研究開発により向上してきている。しかし、より発光効率を向上させるためには、電子と正孔とを貫通転位によりさらに捕獲されないようにする必要がある。
本明細書の技術は、前述した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは、電子と正孔とが貫通転位に捕獲されることを抑制するIII 族窒化物半導体発光素子とその製造方法を提供することである。
第1の態様におけるIII 族窒化物半導体発光素子は、n型半導体層と、n型半導体層の上の発光層と、発光層の上のp型半導体層と、を有する。このIII 族窒化物半導体発光素子は、n型半導体層からp型半導体層まで達する複数のピットを有する。n型半導体層は、複数のピットの起点を含む第1の半導体層と、第1の半導体層の隣に位置するとともに複数のピットの一部を含む第2の半導体層(第1の半導体層と同一組成のものを除く)と、を有する。第1の半導体層の膜厚は、10nm以上100nm以下である。第2の半導体層の膜厚は、100nm以上300nm以下である。第1の半導体層のうちピットの起点から第2の半導体層までの部分第2の半導体層との少なくとも一部は、III 族窒化物半導体にInをドープされたInドープ層を有する。そして、Inドープ層のIn組成は、0より大きく0.0035以下の範囲内である。
このIII 族窒化物半導体発光素子では、ドープされたInがポテンシャルバリアを形成する。そのため、電子および正孔の存在確率は、貫通転位のまわりで低い。したがって、貫通転位での非発光再結合がより抑制されている。また、In原子のサーファクタント効果により、半導体層の表面の平坦性は向上する。そのため、発光効率に優れた半導体発光素子が実現されている。また、Inをドープする領域によっては、この半導体発光素子の駆動電圧は低い。
第2の態様におけるIII 族窒化物半導体発光素子においては、n型半導体層は、n側静電耐圧層を有する。n側静電耐圧層は、第1の半導体層と第2の半導体層とを有する。第1の半導体層は、n型GaN層である。第2の半導体層は、ud−GaN層またはGaN:In層である。
第3の態様におけるIII 族窒化物半導体発光素子においては、第1の半導体層および第2の半導体層は、複数のピットを形成されたピット形成領域を有する。ピット形成領域は、ピット形成領域を膜厚方向に3等分する第1の領域と第2の領域と第3の領域とを有する。第1の領域は、発光層から最も遠い領域である。第2の領域は、発光層から第1の領域の次に遠い領域である。第3の領域は、発光層から第2の領域の次に遠い領域である。Inドープ層は、第1の領域である。
第4の態様におけるIII 族窒化物半導体発光素子においては、第1の半導体層および第2の半導体層は、複数のピットを形成されたピット形成領域を有する。ピット形成領域は、ピット形成領域を膜厚方向に3等分する第1の領域と第2の領域と第3の領域とを有する。第1の領域は、発光層から最も遠い領域である。第2の領域は、発光層から第1の領域の次に遠い領域である。第3の領域は、発光層から第2の領域の次に遠い領域である。Inドープ層は、第2の領域である。
第5の態様におけるIII 族窒化物半導体発光素子においては、第1の半導体層および第2の半導体層は、複数のピットを形成されたピット形成領域を有する。ピット形成領域は、ピット形成領域を膜厚方向に3等分する第1の領域と第2の領域と第3の領域とを有する。第1の領域は、発光層から最も遠い領域である。第2の領域は、発光層から第1の領域の次に遠い領域である。第3の領域は、発光層から第2の領域の次に遠い領域である。Inドープ層は、第3の領域である。
第6の態様におけるIII 族窒化物半導体発光素子においては、Inドープ層の膜厚方向における第1の端面は、第1の半導体層の複数のピットの起点を含む面である。Inドープ層の膜厚方向における第2の端面は、第2の半導体層の中にある。Inドープ層のうち第2の半導体層の中で占める膜厚は、100nm以上200nm以下である。ここで、複数のピットは、第1の半導体層のほぼ同じ深さの箇所を起点として成長する。そのため、複数のピットのうち代表的なピットからみて膜厚方向に0nm以上10nm以下だけずれていてもよい。複数のピットの起点を含む面とは、観測したピットの位置から膜厚方向に0nm以上10nm以下だけずらしてもよい。
第7の態様におけるIII 族窒化物半導体発光素子においては、Inドープ層の膜厚方向における第1の端面は、第1の半導体層の複数のピットの起点を含む面である。Inドープ層の膜厚方向における第2の端面は、第2の半導体層の中にある。Inドープ層のうち第2の半導体層の中で占める膜厚は、200nm以上300nm以下である。
第8の態様におけるIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法は、n型半導体層と、n型半導体層の上の発光層と、発光層の上のp型半導体層と、を有するIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法である。この製造方法では、n型半導体層からp型半導体層まで達する複数のピットを形成する。そして、半導体層を成長させる際に、n型半導体層として、複数のピットの起点を含む第1の半導体層を10nm以上100nm以下の膜厚で形成する。第1の半導体層の隣に位置するとともに複数のピットの一部を含む第2の半導体層(第1の半導体層と同一組成のものを除く)を100nm以上300nm以下の膜厚で形成する。また、第1の半導体層のうちピットの起点から第2の半導体層までの部分第2の半導体層との少なくとも一部に、III 族窒化物半導体にInをドープされたInドープ層を形成する。そしてその際に、Inドープ層のIn組成を、0より大きく0.0035以下の範囲内とする。
本明細書では、電子と正孔とが貫通転位に捕獲されることを抑制するIII 族窒化物半導体発光素子とその製造方法が提供されている。
実施形態における発光素子の構造を示す概略構成図である。 実施形態における発光素子の半導体層の積層構造を示す図である。 実施形態の発光素子に形成されるピットを説明するための図である。 実施形態における発光素子の製造方法を説明するための図(その1)である。 実施形態における発光素子の製造方法を説明するための図(その2)である。 Inをドープする領域と全放射束Poとの関係を示すグラフである。 Inをドープする領域と駆動電圧Vfとの関係を示すグラフである。 Inのドープ量と全放射束Poの向上率との関係を示すグラフである。 Inをドープする領域と静電耐圧性による歩留りとの関係を示すグラフである。 ピットK1の起点J1から上層に向かってInをドープした場合の膜厚と全放射束Poとの関係を示すグラフである。 ピットK1の起点J1から上層に向かってInをドープした場合の膜厚と駆動電圧Vfとの関係を示すグラフである。
以下、具体的な実施形態について、半導体発光素子とその製造方法を例に挙げて図を参照しつつ説明する。しかし、これらの実施形態に限定されるものではない。また、後述する半導体発光素子の各層の積層構造および電極構造は、例示である。実施形態とは異なる積層構造であってももちろん構わない。そして、それぞれの図における各層の厚みは、概念的に示したものであり、実際の厚みを示しているわけではない。また、後述するピットの大きさ等については、実際のものより大きく描いてある。
1.半導体発光素子
図1は、本実施形態の発光素子100の概略構成を示す図である。図2は、発光素子100における半導体層の積層構造を示す図である。発光素子100は、フェイスアップ型の半導体発光素子である。発光素子100は、III 族窒化物半導体から成る複数の半導体層を有する。
図1に示すように、発光素子100は、基板110と、低温バッファ層120と、n型コンタクト層130と、n側静電耐圧層140と、n側超格子層150と、発光層160と、p型クラッド層170と、p型コンタクト層180と、透明電極190と、n電極N1と、p電極P1と、を有している。低温バッファ層120と、n型コンタクト層130と、n側静電耐圧層140と、n側超格子層150と、発光層160と、p型クラッド層170と、p型コンタクト層180とは、半導体層Ep1である。n型コンタクト層130と、n側静電耐圧層140と、n側超格子層150とは、n型半導体層である。p型クラッド層170と、p型コンタクト層180とは、p型半導体層である。また、n型半導体層は、ドナーをドープしていないud−GaN層等を有していてもよい。p型半導体層は、アクセプターをドープしていないud−GaN層等を有していてもよい。
基板110の主面上には、半導体層Ep1が、低温バッファ層120、n型コンタクト層130、n側静電耐圧層140、n側超格子層150、発光層160、p型クラッド層170、p型コンタクト層180の順に形成されている。n電極N1は、n型コンタクト層130の上に形成されている。p電極P1は、透明電極190の上に形成されている。
基板110は、MOCVD法により、主面上に上記の各半導体層を形成するための成長基板である。そして、その表面に凹凸加工がされていてもよい。基板110の材質は、サファイアである。また、サファイア以外にも、SiC、ZnO、Si、GaNなどの材質を用いてもよい。
低温バッファ層120は、基板110の結晶性を受け継ぎつつ、上層を形成するためのものである。そのため、低温バッファ層120は、基板110の主面上に形成されている。低温バッファ層120の材質は、例えばAlNやGaNである。
n型コンタクト層130は、n電極N1とオーミック接触をとるためのものである。n型コンタクト層130は、低温バッファ層120の上に形成されている。また、n型コンタクト層130の上には、n電極N1が位置している。n型コンタクト層130は、n型GaNである。そのSi濃度は1×1018/cm3 以上である。また、n型コンタクト層130を、キャリア濃度の異なる複数の層としてもよい。n電極N1とのオーミック性を向上させるためである。n型コンタクト層130の厚みは、例えば、1000nm以上10000nm以下である。もちろん、これ以外の厚みを用いてもよい。
n側静電耐圧層140は、各半導体層の静電破壊を防止するための静電耐圧層である。n側静電耐圧層140は、n型コンタクト層130の上に形成されている。図2に示すように、n側静電耐圧層140は、n型GaN層141と、n型GaN層142と、ud−GaN層143と、n型GaN層144と、を有する。ここで、ud−GaN層143は、故意にドープされていないGaN層(ud−GaN:unintentionally doped GaN)である。ud−GaN層143のドナー濃度は、5×1017/cm3 以下の程度である。n型GaN層141は、n型コンタクト層130の上に形成されている。n型GaN層142は、n型GaN層141の上に形成されている。ud−GaN層143は、n型GaN層142の上に形成されている。n型GaN層144は、ud−GaN層143の上に形成されている。n型GaN層141の膜厚は、300nm以上1000nm以下である。n型GaN層142の膜厚は、10nm以上100nm以下である。ud−GaN層143の膜厚は、100nm以上1000nm以下である。n型GaN層144の膜厚は、10nm以上100nm以下である。これらの膜厚は、あくまで目安であり、これ以外の数値であってもよい。
n側超格子層150は、発光層160に加わる応力を緩和するための歪緩和層である。より具体的には、n側超格子層150は、超格子構造を有する超格子層である。n側超格子層150は、n側静電耐圧層140の上に形成されている。図2に示すように、n側超格子層150は、InGaN層151と、GaN層152と、n型GaN層153と、を積層した単位積層体を繰り返し積層したものである。その繰り返し回数は、10回以上20回以下の範囲内である。ただし、これ以外の回数であってもよい。InGaN層151の膜厚は、0.3nm以上100nm以下の範囲内である。GaN層152の膜厚は、0.3nm以上10nm以下の範囲内である。n型GaN層153の膜厚は、0.3nm以上100nm以下の範囲内である。これらの膜厚は、あくまで目安であり、これ以外の数値であってもよい。
発光層160は、電子と正孔とが再結合することにより発光する層である。発光層160は、n側超格子層150の上に形成されている。図2に示すように、発光層160は、井戸層161と、キャップ層162と、障壁層163と、を積層した単位積層体を繰り返し積層したものである。つまり、発光層160は、多重量子井戸構造(MQW構造)を有するものである。キャップ層162は、井戸層161を熱から保護するための保護層である。例えば、井戸層161のInを昇華させないようにする役割を担っている。
この積層の繰り返し回数は、例えば、5回以上20回以下である。もちろん、これ以外の回数であってもよい。井戸層161は、例えば、InGaN層である。キャップ層162は、例えば、GaN層である。障壁層163は、例えば、GaN層またはAlGaN層である。これらは、あくまで例示である。
井戸層161の膜厚は、1nm以上5nm以下の範囲内である。キャップ162の膜厚は、0.2nm以上1.8nm以下の範囲内である。障壁層163の膜厚は、1nm以上10nm以下の範囲内である。これらの数値は、あくまで例示である。そのため、これら以外の数値範囲を用いてもよい。なお、発光層160の全体での厚みは、500nm以上1000nm以下の範囲内である。もちろん、これ以外の範囲内であってもよい。
p型クラッド層170は、発光層160の上に形成されている。図2に示すように、p型クラッド層170は、p型InGaN層171と、p型AlGaN層172と、を繰り返し積層して形成したものである。繰り返し回数は、例えば、5回以上20回以下である。もちろん、これ以外の回数であってもよい。p型InGaN層171のIn組成比は、0.05以上0.30以下の範囲内である。p型InGaN層171の膜厚は、0.2nm以上5nm以下である。p型AlGaN層172のAl組成比は、0.10以上0.4以下の範囲内である。p型AlGaN層172の膜厚は、1nm以上5nm以下である。これらの数値は、あくまで例示である。したがって、これ以外の数値であってもよい。また、異なる構成であってもよい。
p型コンタクト層180は、p型クラッド層170の上に形成されている。p型コンタクト層180の厚みは、10nm以上100nm以下である。p型コンタクト層180では、Mgが1×1019/cm3 以上1×1022/cm3 以下の範囲内でドープされている。
透明電極190は、p型コンタクト層180の上に形成されている。透明電極190の材質は、ITO、IZO、ICO、ZnO、TiO2 、NbTiO2 、TaTiO2 、SnO2 のいずれかであるとよい。
p電極P1は、透明電極190の上に形成されている。p電極P1は、透明電極190の側から、Ni、Auを順に形成したものである。もちろん、これ以外の構成であってもよい。
n電極N1は、n型コンタクト層130の上に形成されている。n電極N1は、n型コンタクト層130の側から、V、Alを順に形成したものである。また、Ti、Alを順に形成してもよい。もちろん、これ以外の構成であってもよい。
また、発光素子100は、半導体層Ep1等を保護する保護膜を有していてもよい。
2.ピットの形状
図3は、発光素子100のピットK1を示す図である。発光素子100は、n型半導体層からp型半導体層まで達する複数のピットK1を有する。図3では、n型半導体層の一部を取り出して描いてある。ピットK1は、発光素子100の半導体層Ep1を成長させる際に貫通転位Q1の箇所から形成される。ピットK1は、n側静電耐圧層140のn型GaN層142から成長する。つまり、基板110から上方に成長する貫通転位がn側静電耐圧層140の膜の内部で、横方向、すなわち貫通転位の成長方向に対して垂直な方向に広がる。そして、それがピットK1となる。そして、ピットK1は、p型コンタクト層180に達するまで成長する。
ここで、ピットK1は、貫通転位Q1における起点J1から成長し始める。半導体層は、実際には、多数のピットK1を有している。これらの多数のピットK1の起点J1は、n型GaN層142におけるほぼ同じ深さの位置に位置している。起点J1は、n型GaN層142とud−GaN層143との境界面から、深さ5nm以上30nm以下の程度だけn型GaN層142に入った位置に位置している。
このピットK1のピット径は、n側静電耐圧層140の膜厚と、n側静電耐圧層140を成長させる成長温度とにより、変化する。n側静電耐圧層140の膜厚を厚くするほど、ピット径は大きくなる。逆に、n側静電耐圧層140の膜厚を薄くするほど、ピット径は小さくなる。また、n側静電耐圧層140を成長させる成長温度を高くするほど、ピット径は小さくなる。逆に、n側静電耐圧層140を成長させる成長温度を低くするほど、ピット径は大きくなる。
3.n側静電耐圧層へのInのドープ
本実施形態では、このピットK1の発生初期の半導体層にInをドープする。つまり、n側静電耐圧層140は、InをドープされたInドープ層を有する。そして、n側静電耐圧層140のいずれの領域にInをドープするかについては、いくつかのバリエーションがある。
3−1.ピット形成領域
図3に示すように、n側静電耐圧層140のn型GaN層142とud−GaN層143とは、複数のピットK1を形成されたピット形成領域V1を有する。ピットK1は、実際には、n型半導体層からp型半導体層までに形成されているが、本実施形態のピット形成領域V1は、n型GaN層142およびud−GaN層143のピットK1を形成された領域を指すものとする。つまり、ピット形成領域V1は、ピットK1の初期に形成された層を含む。本実施形態では、Inドープ層は、ピット形成領域V1の中に存在する。
ここで、仮想的に、n側静電耐圧層140のピット形成領域V1を膜厚方向に3等分する。そのため、ピット形成領域V1は、ピット形成領域V1を膜厚方向に3等分する第1の領域R1と、第2の領域R2と、第3の領域R3と、を有する。第1の領域R1は、ピット形成領域V1のうち発光層160から最も遠い領域である。第2の領域R2は、ピット形成領域V1のうち発光層160から第1の領域R1の次に遠い領域である。第3の領域R3は、ピット形成領域V1のうち発光層160から第2の領域R2の次に遠い領域である。つまり、第3の領域R3は、ピット形成領域V1のうち発光層160に最も近い。
3−2.第1の方法(第1の領域)
第1の方法では、Inドープ層は、第1の領域R1である。第1の領域R1は、n型GaN層142とud−GaN層143の一部とを有する。その際のIn組成Xは、0<X≦0.0035であるとよい。好ましくは、In組成Xは、0.001≦X≦0.003である。
3−3.第2の方法(第2の領域)
第2の方法では、Inドープ層は、第2の領域R2である。第2の領域R2は、ud−GaN層143の一部を有する。その際のIn組成Xは、0<X≦0.0035であるとよい。好ましくは、In組成Xは、0.001≦X≦0.003である。
3−4.第3の方法(第3の領域)
第3の方法では、Inドープ層は、第3の領域R3である。第3の領域R3は、ud−GaN層143の一部を有する。その際のIn組成Xは、0<X≦0.0035であるとよい。好ましくは、In組成Xは、0.001≦X≦0.003である。
3−5.第4の方法(ピットの起点から上層へのInのドープ)
第4の方法では、ピットK1の起点J1から上層に向かって一定の膜厚でInをドープする。Inをドープする開始地点は、ピットK1の起点J1である。Inをドープする終了地点は、ud−GaN層143の中にある。そのため、Inドープ層の膜厚方向における第1の端面は、n型GaN層142の複数のピットK1の起点J1を含む面である。Inドープ層の膜厚方向における第2の端面は、ud−GaN層143の中にある。Inドープ層のうちud−GaN層143の中で占める膜厚は、100nm以上200nm以下である。その際のIn組成Xは、0<X≦0.0035であるとよい。好ましくは、In組成Xは、0.001≦X≦0.003である。
3−6.第5の方法(ピットの起点から上層へのInのドープ)
第5の方法は、第4の方法と同様に、ピットK1の起点J1から上層に向かって一定の膜厚でInをドープする。Inをドープする開始地点は、ピットK1の起点J1である。Inをドープする終了地点は、ud−GaN層143の中にある。そのため、Inドープ層の膜厚方向における第1の端面は、n型GaN層142の複数のピットK1の起点J1を含む面である。Inドープ層の膜厚方向における第2の端面は、ud−GaN層143の中にある。Inドープ層のうちud−GaN層143の中で占める膜厚は、200nm以上300nm以下である。その際のIn組成Xは、0<X≦0.0035であるとよい。好ましくは、In組成Xは、0.001≦X≦0.003である。
3−7.本実施形態のInのドープ方法
このように、本実施形態では、n型半導体層のn側静電耐圧層140は、複数のピットK1の起点J1を含むn型GaN層142(第1の半導体層)と、n型GaN層142の隣に位置するとともに複数のピットK1の一部を含むud−GaN層143(第2の半導体層)と、を有する。n型GaN層142(第1の半導体層)とud−GaN層143(第2の半導体層)との少なくとも一方は、InをドープされたInドープ層を有する。そして、Inドープ層のIn組成Xは、0より大きく0.0035以下の範囲内である。
3−8.n側静電耐圧層へのInのドープの効果
前述したように、ピットK1の発生初期のn側静電耐圧層140にInをドープする。このInがドープされることにより、ピットK1の近傍にポテンシャルバリアが形成される。その結果、キャリアは、ピットK1の近傍に存在しにくくなる。つまり、キャリアは、貫通転位Q1から遠い位置に存在している。この貫通転位Q1は、非発光再結合の中心的役割を担う。したがって、Inのドープにより、非発光再結合を抑制できる。その結果、発光素子100の発光効率は向上する。
また、Inをドープすることにより、サーファクタント効果を奏する。これにより、n側静電耐圧層140の各層の上面は平坦となる。このように、半導体層を平坦にすることができる。したがって、発光素子100の発光効率は向上する。ただし、サーファクタント効果により、ピットK1の径が小さくなる場合がある。ピットK1の径が小さいと、その分だけ駆動電圧Vfが上昇することがある。
4.半導体発光素子の製造方法
ここで、本実施形態に係る発光素子100の製造方法について説明する。有機金属化学気相成長法(MOCVD法)により、各半導体層の結晶をエピタキシャル成長させる。ここで用いるキャリアガスは、水素(H2 )もしくは窒素(N2 )もしくは水素と窒素との混合気体(H2 +N2 )である。窒素源として、アンモニアガス(NH3 )を用いる。Ga源として、トリメチルガリウム(Ga(CH3 3 )を用いる。In源として、トリメチルインジウム(In(CH3 3 )を用いる。Al源として、トリメチルアルミニウム(Al(CH3 3 )を用いる。n型ドーパントガスとして、シラン(SiH4 )を用いる。p型ドーパントガスとして、ビス(シクロペンタジエニル)マグネシウム(Mg(C5 5 2 )を用いる。また、これら以外のガスを用いてもよい。
4−1.n型コンタクト層形成工程
まず、基板110の主面上に低温バッファ層120を形成する。そして、バッファ層120の上にn型コンタクト層130を形成する。このときの基板温度は、1080℃以上1140℃以下である。
4−2.n側静電耐圧層形成工程
次に、n型コンタクト層130の上にn側静電耐圧層140を形成する。まず、シラン(SiH4 )を供給して、n型GaN層141を形成する。次に、シラン(SiH4 )を供給して、n型GaN層142を形成する。そして、シラン(SiH4 )の供給を停止して、ud−GaN層143を形成する。そして、シラン(SiH4 )を再び供給して、n型GaN層144を形成する。このときの基板温度は、750℃以上950℃以下の範囲内である。そして、この工程では、図4に示すように、ピットK2を形成する。ピットK2は、この後の半導体層の成長にともなって成長し、ピットK1となるものである。このように、ピットK2を形成しつつ、n側静電耐圧層140を形成する。
4−3.n側超格子層形成工程
次に、n側超格子層150を形成する。まずは、n側静電耐圧層140のn型GaN層144の上にInGaN層151から形成する。次に、InGaN層151の上にGaN層152を形成する。そして、GaN層152の上にn型GaN層153を形成する。このように、InGaN層151と、GaN層152と、n型GaN層153と、を積層した単位積層体を繰り返し積層する。
4−4.発光層形成工程
次に、n側超格子層150の上に発光層160を形成する。そのために、井戸層161と、キャップ層162と、障壁層163と、をこの順序で積層した単位積層体を繰り返し積層する。つまり、発光層形成工程は、井戸層161を形成する井戸層形成工程と、井戸層161の上にキャップ層162を形成するキャップ層形成工程と、キャップ層162の上に障壁層163を形成する障壁層形成工程と、を有する。そして、これらの工程を繰り返し行う。そのため、障壁層163の上に再び井戸層161を形成することとなる。井戸層161を成長させる際の基板温度を730℃以上850℃以下の範囲内とする。
4−5.p型クラッド層形成工程
次に、発光層160の上にp型クラッド層170を形成する。ここでは、p型InGaN層171と、p型AlGaN層172と、を繰り返し積層する。
4−6.p型コンタクト層形成工程
次に、p型クラッド層170の上にp型コンタクト層180を形成する。基板温度を、900℃以上1050℃以下の範囲内とする。これにより、図5に示すように、基板110に各半導体層が積層されることなる。このとき、ピットK1は、n側静電耐圧層140からp型コンタクト層180に達するまでの領域にわたって形成されている。
4−7.透明電極形成工程
次に、p型コンタクト層180の上に透明電極190を形成する。
4−8.電極形成工程
次に、透明電極190の上にp電極P1を形成する。そして、レーザーもしくはエッチングにより、p型コンタクト層180の側から半導体層の一部を抉ってn型コンタクト層130を露出させる。そして、その露出箇所に、n電極N1を形成する。p電極P1の形成工程とn電極N1の形成工程は、いずれを先に行ってもよい。
4−9.その他の工程
また、上記の工程の他、熱処理工程、絶縁膜形成工程、その他の工程を実施してもよい。以上により、図1に示す発光素子100が製造される。
5.実験
5−1.第1の領域から第3の領域までの比較
ここで、第1の領域R1から第3の領域R3までのいずれか1つにInをドープした場合における全放射束Poと駆動電圧Vfとについて説明する。そのため、例えば、第1の領域R1にInをドープした場合には、第2の領域R2および第3の領域R3にはInをドープしていない。
図6は、Inをドープする領域と全放射束Poとの関係を示すグラフである。図6の左から1番目は、第1の領域R1にInをドープした場合の全放射束Poである。図6の左から2番目は、第2の領域R2にInをドープした場合の全放射束Poである。図6の左から3番目は、第3の領域R3にInをドープした場合の全放射束Poである。ここで、Inの組成比は、いずれも0.003(0.3%)である。
図6に示すように、第1の領域R1にInをドープした場合には、全放射束Poは0.1%向上した。第2の領域R2にInをドープした場合には、全放射束Poは1.8%向上した。第3の領域R3にInをドープした場合には、全放射束Poは0.8%向上した。このように、第2の領域R2にInをドープした場合に、全放射束Poは最も向上した。
図7は、Inをドープする領域と駆動電圧Vfとの関係を示すグラフである。図7の左から1番目は、第1の領域R1にInをドープした場合の駆動電圧Vfである。図7の左から2番目は、第2の領域R2にInをドープした場合の駆動電圧Vfである。図7の左から3番目は、第3の領域R3にInをドープした場合の駆動電圧Vfである。図7の縦軸は、駆動電圧Vfの低下幅を示す。そのため、正の値の場合には、駆動電圧Vfが向上したことを意味する。ここで、Inの組成比は、いずれも0.003(0.3%)である。
図7に示すように、第1の領域R1にInをドープした場合には、駆動電圧Vfは0.05%低くなった。第2の領域R2にInをドープした場合には、駆動電圧Vfは0.13%高くなった。第3の領域R3にInをドープした場合には、駆動電圧Vfは0.20%高くなった。このように、第1の領域R1にInをドープした場合に、駆動電圧Vfは最も向上した。
したがって、全放射束Poおよび駆動電圧Vfの両方を向上させたい場合には、第1の領域R1にInをドープすればよい。一方、駆動電圧Vfを多少犠牲にしても全放射束Poを向上させたい場合には、第2の領域R2にInをドープすればよい。また、第3の領域R3にInをドープした場合には、全放射束Poがある程度向上する。
5−2.Inのドープ量
図8は、Inのドープ量と全放射束Poの向上率との関係を示すグラフである。図8の横軸は、n側静電耐圧層にドープしたInのIn組成比である。ここで、Inをドープした領域は、第1の領域R1から第3の領域R3までにわたる領域である。図8の縦軸は、その発光素子の全放射束Poの向上率である。図8に示すように、In組成Xが0<X≦0.0035の場合に、全放射束Poは向上する。したがって、In組成Xは、0<X≦0.0035である。In組成Xが0.001≦X≦0.003の場合に、全放射束Poは0.2%以上向上する。好ましくは、In組成Xは、0.001≦X≦0.003である。
5−3.第4の領域へのInのドープ
図9は、Inをドープする領域と静電耐圧性による歩留りとの関係を示すグラフである。図9の横軸は、Inをドープする領域である。図9の縦軸は、静電耐圧性を指標とする歩留りである。ここでは、第1の領域R1と第2の領域R2と第3の領域R3と第4の領域R4とにInをドープした。第4の領域R4は、n型GaN層144である。第4の領域R4は、ud−GaN層143より発光層160に近い。
図9に示すように、第1の領域R1と第2の領域R2と第3の領域R3とにInをドープした場合には、静電耐圧性による歩留りはほぼ100%である。第4の領域R4、すなわち、n型GaN層144にInをドープした場合には、静電耐圧性による歩留りは76%程度である。つまり、急激に静電耐圧層による歩留りは低下する。したがって、第4の領域R4にInをドープすることは好ましくない。
5−4.ピットの起点から上層へのInのドープ
図10は、ピットK1の起点J1から上層に向かってInをドープした場合の膜厚と全放射束Poとの関係を示すグラフである。図10では、n型GaN層142におけるピットK1の起点J1からud−GaN層143までInをドープした。図10の横軸は、ud−GaN層143におけるInをドープした膜厚である。つまり、図10の横軸の膜厚が0Åの場合には、n型GaN層142にInがドープされているが、ud−GaN層143にはInがドープされていない状態を示している。ただし、Inがドープされているのは、n型GaN層142においてピットK1が発生している領域である。
図10に示すように、ud−GaN層143に発光層160の反対側から179nmまでInをドープした場合には、全放射束Poの向上率は0.21%であった。このとき、第1の領域R1と、第2の領域R2の一部とに、Inがドープされている。ud−GaN層143に発光層160の反対側から250nmまでInをドープした場合には、全放射束Poの向上率は0.75%であった。このとき、第1の領域R1と、第2の領域R2と、第3の領域R3の一部とに、Inがドープされている。そのため、ud−GaN層143に発光層160の反対側から250nmまでInをドープすることが好ましい。
図11は、ピットK1の起点J1から上層に向かってInをドープした場合の膜厚と駆動電圧Vfとの関係を示すグラフである。図11の横軸は、図10の横軸と同じである。
図11に示すように、ud−GaN層143に発光層160の反対側から179nmまでInをドープした場合には、駆動電圧Vfの向上率は0.20%であった。ud−GaN層143に発光層160の反対側から250nmまでInをドープした場合には、駆動電圧Vfの向上率は−0.15%であった。そのため、駆動電圧Vfの観点からは、ud−GaN層143に発光層160の反対側から250nmまでInをドープするとよい。
このように、全放射束Poおよび駆動電圧Vfの両方を向上させたい場合には、ud−GaN層143に発光層160の反対側から179nmまでInをドープするとよい。つまり、n型GaN層142のピットK1が存在する領域と、ud−GaN層143に発光層160の反対側から100nm以上200nm以下までの領域と、にInをドープするとよい。
また、駆動電圧Vfを多少犠牲にしても全放射束Poを向上させたい場合には、ud−GaN層143に発光層160の反対側から250nmまでInをドープするとよい。つまり、n型GaN層142のピットK1が存在する領域と、ud−GaN層143に発光層160の反対側から200nm以上300nm以下までの領域と、にInをドープするとよい。
以上説明したように、Inをどの領域にドープするかによって、全放射束Poと駆動電圧Vfとは、複雑に変化する。この変化は、(1)Inのポテンシャルバリアにより非発光再結合を抑制すること、(2)Inのサーファクタント効果により半導体層の平坦性が向上すること、とが複雑に絡み合った結果生じるものと考えられる。
6.変形例
6−1.ピットの埋め込み
本実施形態では、ピットK1は、n側静電耐圧層140からp型コンタクト層180まで達している。しかし、ピットK1をp型クラッド層170まで達したところで埋め込んでもよい。ピットK1は、n型半導体層からp型半導体層まで形成されていることに変わりないからである。このように、ピットK1は、p型半導体層の途中で埋めて良い。
6−2.発光層
本実施形態では、発光層160は、井戸層161と、キャップ層162と、障壁層163と、を積層した単位積層体を繰り返し積層したものである。しかし、キャップ層162は、無くてもよい。その場合には、井戸層161と、障壁層163と、を単位積層体として繰り返し積層すればよい。
6−3.フリップチップ
本実施形態の発光素子100は、フェイスアップ型の発光素子である。しかし、フリップチップ型の発光素子にも、本技術を適用することができる。
6−4.n側静電耐圧層
本実施形態では、n側静電耐圧層140は、4層構造である。しかし、これ以外の構造であってもよい。n側静電耐圧層140は、ピットK1の起点J1を有する第1の半導体層と、その次の第2の半導体層と、を有すればよい。
7.本実施形態のまとめ
以上詳細に説明したように、本実施形態の発光素子100では、n側静電耐圧層140にInをドープする。そのIn組成Xは、0<X≦0.0035である。これにより、Inのポテンシャルバリアが貫通転位Q1における電子と正孔との再結合を抑制する。そのため、発光素子100の全放射束は向上する。また、Inによるサーファクタント効果によりn側静電耐圧層140より上層の半導体層の平坦性が向上する。そのため、発光素子100の全放射束は向上する。
なお、以上に説明した実施形態は単なる例示にすぎない。したがって当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。積層体の積層構造については、必ずしも図に示したものに限らない。積層構造や各層の繰り返し回数等、任意に選択してよい。また、有機金属気相成長法(MOCVD法)に限らない。キャリアガスを用いて結晶を成長させる方法であれば、他の方法を用いてもよい。また、液相エピタキシー法、分子線エピタキシー法等、その他のエピタキシャル成長法により半導体層を形成することとしてもよい。
100…発光素子
110…基板
120…低温バッファ層
130…n型コンタクト層
140…n側静電耐圧層
141…n型GaN層
142…n型GaN層
143…ud−GaN層
144…n型GaN層
150…n側超格子層
160…発光層
170…p型クラッド層
180…p型コンタクト層
N1…n電極
P1…p電極
K1、K2…ピット

Claims (8)

  1. n型半導体層と、
    前記n型半導体層の上の発光層と、
    前記発光層の上のp型半導体層と、
    を有するIII 族窒化物半導体発光素子において、
    前記n型半導体層から前記p型半導体層まで達する複数のピットを有し、
    前記n型半導体層は、
    前記複数のピットの起点を含む第1の半導体層と、
    前記第1の半導体層の隣に位置するとともに前記複数のピットの一部を含む第2の半導体層(前記第1の半導体層と同一組成のものを除く)と、
    を有し、
    前記第1の半導体層の膜厚は、10nm以上100nm以下であり、
    前記第2の半導体層の膜厚は、100nm以上300nm以下であり、
    前記第1の半導体層のうち前記ピットの起点から前記第2の半導体層までの部分前記第2の半導体層との少なくとも一部は、
    III 族窒化物半導体にInをドープされたInドープ層を有し、
    前記Inドープ層のIn組成は、
    0より大きく0.0035以下の範囲内であること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子。
  2. 請求項1に記載のIII 族窒化物半導体発光素子において、
    前記n型半導体層は、
    n側静電耐圧層を有し、
    前記n側静電耐圧層は、
    前記第1の半導体層と前記第2の半導体層とを有し、
    前記第1の半導体層は、
    n型GaN層であり、
    前記第2の半導体層は、
    ud−GaN層またはGaN:In層であること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子。
  3. 請求項1または請求項2に記載のIII 族窒化物半導体発光素子において、
    前記第1の半導体層および前記第2の半導体層は、
    前記複数のピットを形成されたピット形成領域を有し、
    前記ピット形成領域は、
    前記ピット形成領域を膜厚方向に3等分する第1の領域と第2の領域と第3の領域とを有し、
    前記第1の領域は、前記発光層から最も遠い領域であり、
    前記第2の領域は、前記発光層から前記第1の領域の次に遠い領域であり、
    前記第3の領域は、前記発光層から前記第2の領域の次に遠い領域であり、
    前記Inドープ層は、
    前記第1の領域であること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子。
  4. 請求項1または請求項2に記載のIII 族窒化物半導体発光素子において、
    前記第1の半導体層および前記第2の半導体層は、
    前記複数のピットを形成されたピット形成領域を有し、
    前記ピット形成領域は、
    前記ピット形成領域を膜厚方向に3等分する第1の領域と第2の領域と第3の領域とを有し、
    前記第1の領域は、前記発光層から最も遠い領域であり、
    前記第2の領域は、前記発光層から前記第1の領域の次に遠い領域であり、
    前記第3の領域は、前記発光層から前記第2の領域の次に遠い領域であり、
    前記Inドープ層は、
    前記第2の領域であること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子。
  5. 請求項1または請求項2に記載のIII 族窒化物半導体発光素子において、
    前記第1の半導体層および前記第2の半導体層は、
    前記複数のピットを形成されたピット形成領域を有し、
    前記ピット形成領域は、
    前記ピット形成領域を膜厚方向に3等分する第1の領域と第2の領域と第3の領域とを有し、
    前記第1の領域は、前記発光層から最も遠い領域であり、
    前記第2の領域は、前記発光層から前記第1の領域の次に遠い領域であり、
    前記第3の領域は、前記発光層から前記第2の領域の次に遠い領域であり、
    前記Inドープ層は、
    前記第3の領域であること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子。
  6. 請求項1または請求項2に記載のIII 族窒化物半導体発光素子において、
    前記Inドープ層の膜厚方向における第1の端面は、
    前記第1の半導体層の前記複数のピットの起点を含む面であり、
    前記Inドープ層の膜厚方向における第2の端面は、
    前記第2の半導体層の中にあり、
    前記Inドープ層のうち前記第2の半導体層の中で占める膜厚は、
    100nm以上200nm以下であること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子。
  7. 請求項1または請求項2に記載のIII 族窒化物半導体発光素子において、
    前記Inドープ層の膜厚方向における第1の端面は、
    前記第1の半導体層の前記複数のピットの起点を含む面であり、
    前記Inドープ層の膜厚方向における第2の端面は、
    前記第2の半導体層の中にあり、
    前記Inドープ層のうち前記第2の半導体層の中で占める膜厚は、
    200nm以上300nm以下であること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子。
  8. n型半導体層と、
    前記n型半導体層の上の発光層と、
    前記発光層の上のp型半導体層と、
    を有するIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法において、
    前記n型半導体層から前記p型半導体層まで達する複数のピットを形成するとともに、
    前記n型半導体層として、
    前記複数のピットの起点を含む第1の半導体層を10nm以上100nm以下の膜厚で形成し、
    前記第1の半導体層の隣に位置するとともに前記複数のピットの一部を含む第2の半導体層(前記第1の半導体層と同一組成のものを除く)を100nm以上300nm以下の膜厚で形成し、
    前記第1の半導体層のうち前記ピットの起点から前記第2の半導体層までの部分前記第2の半導体層との少なくとも一部に
    III 族窒化物半導体にInをドープされたInドープ層を形成し、
    前記Inドープ層のIn組成を、
    0より大きく0.0035以下の範囲内とすること
    を特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子の製造方法。
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