JP6369791B1 - トーラス室内機器の解体工法 - Google Patents
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Abstract
Description
またトーラス室内の構造物を部分的に解体し室内に仮置きすることを前提としているため、解体物を室内の別の場所に移動させて荷崩れしないように積み上げて保管する作業を繰り返し行わなければならず、狭隘な場所での煩雑な作業は作業者の負担が大きい。
上記第1の手段によれば、サプレッションチェンバの一部を撤去する作業ごとに作業足場の組立て又は撤去の必要がない。これにより、効率的かつ短時間で解体作業を行うことができる。
前記上部足場に先端を水平方向に突出させたモノレールと、
前記モノレール上を進退移動して解体物を吊上げる吊上げ部と、
を備えたことを特徴とするトーラス室内機器の解体装置を提供することにある。
上記第3の手段によれば、トーラス室内に解体物を搬送するレールを敷設することなく、解体物を収容箱まで移動して箱詰めし、仮開口まで搬送することができる。
前記解体架台の前記上部足場で前記トーラス室内の天井部配管及び構造物の撤去作業を行い、前記張り出し足場で前記サプレッションチェンバのケーシング又は内部構造物の解体作業を行う工程と、
を有することを特徴とするトーラス室内機器の解体工法を提供することにある。
上記第4の手段によれば、トーラス室内の天井部配管及び構造物と、サプレッションチェンバのケーシング及び構造物の撤去作業を並行して行うことができる。これにより、効率的かつ短時間で撤去作業を行うことができる。また各撤去作業時において作業足場の組立又は撤去作業が必要なく、効率的、かつ短時間で解体作業を行うことができる。
上記第5の手段によれば、原子炉建屋の屋内クレーンを用いて収容箱をトーラス室内から外部へ逐次搬出できる。
上記第6の手段によれば、トーラス室内の仮開口付近にスペースを最初に確保でき、空容器の仮置き又は箱詰めした収容箱の搬出作業を効率良く行うことができる。
前記移動式作業足場でベント管を切断する工程と
前記ベント管を小片化して解体し撤去する工程と、
を有することを特徴とするトーラス室内機器の解体工法を提供することにある。
上記第7の手段によれば、サプレッションチェンバなどの構造物を撤去して空いたトーラス室内で移動式作業足場又は解体架台を自由に移動させることができ、ベント管の撤去作業を効率良く行える。
まず本発明の解体工法の対象となるトーラス室内機器について説明する。
図11は原子炉建屋の内部構造を示す概略説明図である。図示のように原子炉建屋1は、原子炉圧力容器2と、原子炉圧力容器2を収納する原子炉格納容器3を備えている。原子炉格納容器3は、ドライウェル4、ベント管5、サプレッションチェンバ(以下、単にS/Cということあり)6を有し、内部の圧力を保持すると共に、外部と放射性物質を遮断している。ドライウェル4はベント管5を介して原子炉の圧力上昇を抑制するサプレッションチェンバ6と連接している。サプレッションチェンバ6は、原子炉格納容器3の周囲で円環状に配設された構造物である。サプレッションチェンバ6は原子炉建屋1の地下階のトーラス室101に支持脚601を介して設置している。ベント管5は端部(サプレッションチェンバ6の内部)にベントヘッダ7とダウンカマー8を有している。ベントヘッダ7は、サプレッションチェンバ6の内部で環状に形成されて、複数のベント管5と接続している。ダウンカマー8はベントヘッダ7より分岐してサプレッションチェンバ6内の水中に開口するように設けられている。また、トーラス室101の天井には天井部配管及び構造物102がサプレッションチェンバ6の周方向に形成されている。
本発明のトーラス室内機器の解体装置80は、原子炉建屋1のトーラス室101内で組み立て可能とし、トーラス室101に収容されるサプレッションチェンバ6の内部に挿入してケーシング又は内部構造物の解体作業を行う張り出し足場を有する解体架台82と、トーラス室101内を移動可能な車輪を備えて解体物を収容箱に吊り下す吊り架構62を備えている(図9参照)。
図1は解体架台の説明図であり、(A)は側面図、(B)は背面図、(C)は平面図である。図示のように解体架台82は、架台本体820と、架台本体820にトーラス室101内を移動可能な車輪822と、架台本体820から先端を水平方向に突出させた張り出し足場830と、架台本体820の上部にトーラス室101内の天井部配管及び構造物102の撤去作業を行う上部足場832と、上部足場832に先端を水平方向に突出させたモノレール840と、モノレール840上を進退移動して解体物を吊上げる吊上げ部842を備えている。
架台本体820は下面に車輪822を取り付けてトーラス室101内を電動又は手動で自由移動できるように構成し、背面に各階へ移動するための階段を備えている。
吊り架構62は、架構本体621と、吊上げ部622と車輪623を備えている(図9参照)。架構本体621は1つ以上の側面開口を有し(本実施形態では一対の側面に2箇所)、側面開口は収容箱60よりも大きい長さ寸法に設定している。架構本体621の上部には吊上げ部622を取り付けて解体物を吊上げて収容箱60に吊り下すように構成している。また架構本体621の下面には車輪623を取り付けてトーラス室101内を電動又は手動で自由移動できるように構成している。
上記トーラス室内機器の解体装置を用いた解体工法について、以下説明する。図2は本発明のトーラス室内機器の解体工法の処理フロー図である。
図3はステップ1の説明図であり、(A)は原子炉建屋1Fの平面図、(B)は原子炉建屋のトーラス室の側面断面図である。
1−1.まずサプレッションチェンバ6内の水抜きを行う。サプレッションチェンバ6は接続配管を介して外部タンク(不図示)と接続している。そこでサプレッションチェンバ6内の水を接続配管を介して外部タンクへ排出する。なお必要であればあらかじめ除染作業を行っている。
ここで、仮開口10の施工箇所は、原子炉建屋1の屋内クレーン(不図示)の吊架範囲となる上階に設置した上部開口12と平面視で重なる位置に設けている。これにより屋内クレーンを用いて解体物をトーラス室101から外部へ容易に搬出できる。
1−3.切断機を用いて1階床面に仮開口10を施工する。
このとき仮開口10は、小片化した細断物を収納可能な収容箱(図9参照)が通過可能な大きさに設定している。
図4はステップ2の説明図であり、(A)はトーラス室の平面図、(B)はトーラス室の側面断面図である。
2−1.ベント管5とサプレッションチェンバ6の接続部分を切断するための作業足場501を組み立てる。作業足場501は、ベント管5とサプレッションチェンバ6が接続する箇所であって、ベント管5の外周を囲むように組み立てている。
この他、ステップ3の工程に移行する前に、全てのベント管5とサプレッションチェンバ6との接続部分に対して、個別に(又は複数)足場を組んであらかじめ切断しておいても良いが、足場組立の作業が増えることになる。
図5はステップ3の説明図であり、(A)はトーラス室の平面図、(B)はトーラス室の側面断面図である。
3−1.仮開口10付近にある天井部配管及び構造物102を解体して撤去する。具体的にはサプレッションチェンバ6の上面に上部足場103を組立てる。この上部足場103上から切断装置を用いて、天井部配管及び構造物102を切断して解体する。その後、解体物は仮開口10から外部へ撤去する。
なおサプレッションチェンバ6内の内部配管及び構造物の切断・解体は、スペース、作業内容などを考慮して複数回に分けて行っている。本実施形態では、一例として1/16に輪切り切断するサプレッションチェンバに相当する箇所を対象とし、後述するサプレッションチェンバ6の輪切り工程毎に行っている。
図6はステップ4の説明図であり、(A)はトーラス室の平面図、(B)はトーラス室の側面断面図であり、(B)中の鎖線で囲った範囲は機械式切断装置の拡大図を示している。
4−1.機械式切断装置50を用いて、サプレッションチェンバ6を分割する。本実施形態の機器式切断装置50は、輪切り切断するサプレッションチェンバの外周に沿って支持リングを取り付け、支持リングに沿って周方向に移動する切断装置(一例としてTpi TOOL社製のミーリングカッター)を用いている。
4−3.切断後、内部足場602を解体あるいは移動する。
4−4.サプレッションチェンバ6の内部配管及び構造物と、サプレッションチェンバ6(ケーシング)の上面、側面、下面を必要であれば小片化し、仮開口10から搬入した収容箱(図9参照)に箱詰めし、屋内クレーンを用いて逐次仮開口10から外部へ搬出する。
図7はステップ5の説明図であり、(A)はトーラス室の平面図、(B)は(A)のA−A矢視図である。
5−1.仮開口10から解体架台82の構成パーツを搬入する。ステップ4において仮開口10付近のサプレッションチェンバ6の一部を撤去して生じたスペースで解体架台82を組み立てて準備する。
5−2.仮開口10から空いた収容箱60を搬入して室内に仮置きする。
図8はステップ6の説明図であり、(A)はトーラス室の平面図、(B)は(A)のB−B矢視図である。
6−1.解体架台82を輪切りしたサプレッションチェンバ6の端面に移動させて、張り出し足場830をサプレッションチェンバ6内に挿入する。そして解体架台82の上部足場832から切断装置を用いて天井部配管及び構造物102の撤去作業を行う。
6−3.解体架台82の張り出し足場830から切断装置を用いてサプレッションチェンバ6のケーシングの上面、側面、下面の切断作業を行い撤去する。
ステップ6では、6−1〜6−3の工程を並行して行うことができる。また各工程いずれも解体架台82上から行うことができ、工程毎に作業足場の組立又は撤去の必要がない。
図9はステップ7の説明図であり、(A)はトーラス室の平面図、(B)はトーラス室の側面断面図である。
7−1.ステップ6で一部を撤去したサプレッションチェンバ6の新たな端面に解体架台82を移動させて、張り出し足場830をサプレッションチェンバ6内に挿入する。以下、6−1〜6−3の工程を繰り返し行う。なお、必要に応じて、複数(図9では2台)の解体架台82を設置して解体作業を行っても良い。
7−3.切断片は必要であれば切断装置で小片化する。吊り架構62を用いて解体物を吊上げ収納箱60に吊り下し箱詰めする。そして蓋を閉じた収容箱60を吊上げて仮開口10まで移動する。屋内クレーン104を用いて仮開口10から外部へ搬出する。
以降ステップ6,7の工程は、サプレッションチェンバ6が全て撤去されるまで繰り返し行う。トーラス室101内のサプレッションチェンバ6を全て撤去した後は、解体架台82を撤去する。
図10はステップ8の説明図であり、(A)はトーラス室の平面図、(B)はトーラス室の側面断面図である。
8−1.ベント管5を撤去するための移動式作業足場70を準備する。ここで本実施形態の移動式作業足場70は、一例として、組み上げた足場の下部に台車を設けた構成であり、手動又は電動でトーラス室101内を自由に移動することができる。なお、ステップ7において、サプレッションチェンバ6を全て撤去した後は、解体架台82を撤去したが、ベント管撤去作業に解体架台82を用いて行うこともできる。また移動式作業足場70及び解体架台82を併用することにより、短時間でベント管を撤去できる。
8−2.移動式作業足場70上から切断装置を用いてベント管5を切断する。移動式作業足場70を用いて切断したベント管5を仮開口10付近に移動して、切断装置を用いて小片化する。解体物を箱詰めした収容箱60を仮開口10から外部へ搬出する。
2………原子炉圧力容器、3………原子炉格納容器、4………ドライウェル、
5………ベント管、501………作業足場、
6………サプレッションチェンバ、601………支持脚、602………内部足場、
7………ベントヘッダ、8………ダウンカマー、10………仮開口、12………上部開口、
50………機械式切断装置、
60………収容箱、62………吊り架構、621………架構本体、622………吊上げ部、623………車輪、
70………移動式作業足場
80………トーラス室内機器の解体装置、
82………解体架台、820………架台本体、822………車輪、830,830A………張り出し足場、832………上部足場、840………モノレール、842………吊上げ部。
Claims (4)
- 原子炉建屋のトーラス室内に収容されるサプレッションチェンバの内部に挿入してケーシング又は内部構造物の解体作業を行う張り出し足場と、前記トーラス室内の天井部配管及び構造物の撤去作業を行う上部足場を有する解体架台を前記トーラス室内で準備する工程と、
前記解体架台の前記上部足場で前記トーラス室内の天井部配管及び構造物の撤去作業を行い、前記張り出し足場で前記サプレッションチェンバのケーシング又は内部構造物の解体作業を行う工程と、
を有することを特徴とするトーラス室内機器の解体工法。 - 前記トーラス室内から前記原子炉建屋の上階に通じる仮開口を設けて、解体物の収容箱を搬入又は搬出することを特徴とする請求項1に記載のトーラス室内機器の解体工法。
- 前記仮開口付近にある前記サプレッションチェンバから輪切りして分割し、小片化して解体し撤去することを特徴とする請求項2に記載のトーラス室内機器の解体工法。
- 前記トーラス室内の前記サプレッションチェンバを撤去した後、移動式作業足場を準備する工程と、
前記移動式作業足場でベント管を切断する工程と
前記ベント管を小片化して解体し撤去する工程と、
を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載のトーラス室内機器の解体工法。
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