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JP6369791B1 - トーラス室内機器の解体工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】効率良く、かつ短時間でトーラス室内機器を解体できる解体装置及び解体工法を提供する。【解決手段】本発明のトーラス室内機器の解体装置80は、原子炉建屋1のトーラス室101内で組み立て可能とし、前記トーラス室101内に収容されるサプレッションチェンバ6の内部に挿入してケーシング又は内部構造物の解体作業を行う張り出し足場830を有する解体架台82を備えたことを特徴としている。【選択図】図1

Description

本発明は、原子炉建屋のトーラス室に設けた室内機器の解体装置及び解体工法に関する。
耐久年数の経過した原子力発電所は所定の廃止措置がとられる。廃炉作業(廃止措置)において、建屋内の構造物(トーラス室内機器等)は大型のため、所定の大きさに切断しなければ外部へ運び出すことができない。このとき切断時に発生する切り粉(ドロス)等の放射性物質の拡散防止ならびに作業者の被ばくを防止することが求められている。
特許文献1に開示の原子炉の撤去工法は、サプレッションチェンバが収容されたトーラス室を有する原子炉の撤去工法であって、サプレッションチェンバを含んだトーラス室内の構造物を部分的に解体する第1工程と、解体物をサプレッションチェンバの筐体によって囲まれた空間若しくは筐体によって囲まれていた空間の少なくとも一部を用いて保管する第2工程を有している。
特開2015−152387号公報
しかしながら、特許文献1に開示の撤去工法は、解体物や細断装置をトーラス室内で移動させるために天井にレール及び揚重機をサプレッションチェンバのリング周方向に沿って設置しているが、設置のためには、作業足場を設置してあらかじめ天井に配設された配管等の構造物を撤去しなければならない。このため、作業足場の取り付け又は撤去に時間と労力を必要として効率的でない。
またトーラス室内の構造物を部分的に解体し室内に仮置きすることを前提としているため、解体物を室内の別の場所に移動させて荷崩れしないように積み上げて保管する作業を繰り返し行わなければならず、狭隘な場所での煩雑な作業は作業者の負担が大きい。
上記従来技術の問題点に鑑み、本発明は、効率良く、かつ短時間でトーラス室内機器を解体できる解体装置及び解体工法を提供することにある。
上記課題を解決するための第1の手段において、本発明は原子炉建屋のトーラス室内で組み立て可能とし、作業足場を多層階に組み上げた架台本体と、前記架台本体の中間層から先端を水平方向に突出させて前記トーラス室内に収容されるサプレッションチェンバの内部に挿入してケーシング又は内部構造物の解体作業を行う張り出し足場と、前記架台本体の上部に前記トーラス室内の天井部配管及び構造物の撤去作業を行う上部足場と、前記トーラス室内を移動可能な車輪を有する解体架台を備えたことを特徴とするトーラス室内機器の解体装置を提供することにある。
上記第1の手段によれば、サプレッションチェンバの一部を撤去する作業ごとに作業足場の組立て又は撤去の必要がない。これにより、効率的かつ短時間で解体作業を行うことができる。
上記課題を解決するための第2の手段において、本発明は、上記第1の手段において、前記解体架台は、
前記上部足場に先端を水平方向に突出させたモノレールと、
前記モノレール上を進退移動して解体物を吊上げる吊上げ部と、
を備えたことを特徴とするトーラス室内機器の解体装置を提供することにある。
上記第2の手段によれば、トーラス室内の天井部配管及び構造物と、サプレッションチェンバのケーシング及び内部構造物の撤去作業を並行して行うことができる。これにより、効率的かつ短時間で解体作業を行うことができる。
上記課題を解決するための第3の手段において、本発明は、上記第1又は第2の手段において、前記トーラス室内を移動可能な車輪を備えて解体物を収容箱に吊り下す吊り架構を備えたことを特徴とするトーラス室内機器の解体装置を提供することにある。
上記第3の手段によれば、トーラス室内に解体物を搬送するレールを敷設することなく、解体物を収容箱まで移動して箱詰めし、仮開口まで搬送することができる。
上記課題を解決するための第4の手段において、本発明は、原子炉建屋のトーラス室内に収容されるサプレッションチェンバの内部に挿入してケーシング又は内部構造物の解体作業を行う張り出し足場と、前記トーラス室内の天井部配管及び構造物の撤去作業を行う上部足場を有する解体架台を前記トーラス室内で準備する工程と、
前記解体架台の前記上部足場で前記トーラス室内の天井部配管及び構造物の撤去作業を行い、前記張り出し足場で前記サプレッションチェンバのケーシング又は内部構造物の解体作業を行う工程と、
を有することを特徴とするトーラス室内機器の解体工法を提供することにある。
上記第4の手段によれば、トーラス室内の天井部配管及び構造物と、サプレッションチェンバのケーシング及び構造物の撤去作業を並行して行うことができる。これにより、効率的かつ短時間で撤去作業を行うことができる。また各撤去作業時において作業足場の組立又は撤去作業が必要なく、効率的、かつ短時間で解体作業を行うことができる。
上記課題を解決するための第5の手段において、本発明は、上記第4の手段において、前記トーラス室内から前記原子炉建屋の上階に通じる仮開口を設けて、解体物の収容箱を搬入又は搬出することを特徴とするトーラス室内機器の解体工法を提供することにある。
上記第5の手段によれば、原子炉建屋の屋内クレーンを用いて収容箱をトーラス室内から外部へ逐次搬出できる。
上記課題を解決するための第6の手段において、本発明は、上記第5の手段において、前記仮開口付近にある前記サプレッションチェンバから輪切りして分割し、小片化して解体し撤去することを特徴とするトーラス室内機器の解体工法を提供することにある。
上記第6の手段によれば、トーラス室内の仮開口付近にスペースを最初に確保でき、空容器の仮置き又は箱詰めした収容箱の搬出作業を効率良く行うことができる。
上記課題を解決するための第7の手段において、本発明は、上記第4ないし第6のいずれか1の手段において、前記トーラス室内の前記サプレッションチェンバを撤去した後、移動式作業足場を準備する工程と、
前記移動式作業足場でベント管を切断する工程と
前記ベント管を小片化して解体し撤去する工程と、
を有することを特徴とするトーラス室内機器の解体工法を提供することにある。
上記第7の手段によれば、サプレッションチェンバなどの構造物を撤去して空いたトーラス室内で移動式作業足場又は解体架台を自由に移動させることができ、ベント管の撤去作業を効率良く行える。
本発明によれば、サプレッションチェンバの一部を撤去する作業ごとに作業足場の組立て又は撤去の必要がない。これにより、効率的かつ短時間で撤去作業を行うことができる。
解体架台の説明図である。 本発明のトーラス室内機器の解体工法の処理フロー図である。 ステップ1の説明図である。 ステップ2の説明図である。 ステップ3の説明図である。 ステップ4の説明図である。 ステップ5の説明図である。 ステップ6の説明図である。 ステップ7の説明図である。 ステップ8の説明図である。 原子炉建屋の内部構造を示す概略説明図である。
本発明のトーラス室内機器の解体装置及び解体工法の実施形態を添付の図面を参照しながら、以下詳細に説明する。
<トーラス室内機器>
まず本発明の解体工法の対象となるトーラス室内機器について説明する。
図11は原子炉建屋の内部構造を示す概略説明図である。図示のように原子炉建屋1は、原子炉圧力容器2と、原子炉圧力容器2を収納する原子炉格納容器3を備えている。原子炉格納容器3は、ドライウェル4、ベント管5、サプレッションチェンバ(以下、単にS/Cということあり)6を有し、内部の圧力を保持すると共に、外部と放射性物質を遮断している。ドライウェル4はベント管5を介して原子炉の圧力上昇を抑制するサプレッションチェンバ6と連接している。サプレッションチェンバ6は、原子炉格納容器3の周囲で円環状に配設された構造物である。サプレッションチェンバ6は原子炉建屋1の地下階のトーラス室101に支持脚601を介して設置している。ベント管5は端部(サプレッションチェンバ6の内部)にベントヘッダ7とダウンカマー8を有している。ベントヘッダ7は、サプレッションチェンバ6の内部で環状に形成されて、複数のベント管5と接続している。ダウンカマー8はベントヘッダ7より分岐してサプレッションチェンバ6内の水中に開口するように設けられている。また、トーラス室101の天井には天井部配管及び構造物102がサプレッションチェンバ6の周方向に形成されている。
<トーラス室内機器の解体装置80>
本発明のトーラス室内機器の解体装置80は、原子炉建屋1のトーラス室101内で組み立て可能とし、トーラス室101に収容されるサプレッションチェンバ6の内部に挿入してケーシング又は内部構造物の解体作業を行う張り出し足場を有する解体架台82と、トーラス室101内を移動可能な車輪を備えて解体物を収容箱に吊り下す吊り架構62を備えている(図9参照)。
(解体架台82)
図1は解体架台の説明図であり、(A)は側面図、(B)は背面図、(C)は平面図である。図示のように解体架台82は、架台本体820と、架台本体820にトーラス室101内を移動可能な車輪822と、架台本体820から先端を水平方向に突出させた張り出し足場830と、架台本体820の上部にトーラス室101内の天井部配管及び構造物102の撤去作業を行う上部足場832と、上部足場832に先端を水平方向に突出させたモノレール840と、モノレール840上を進退移動して解体物を吊上げる吊上げ部842を備えている。
架台本体820は、作業足場を多層階(本実施形態では4階)に組み上げてあり、上部足場832から天井部配管及び構造物102の撤去作業が行える高さに設定している。また上部足場832には、モノレール840及び吊上げ部842を取り付けている。モノレール840は先端を架台本体820から水平方向に突出させている。また吊上げ部842は、一例としてトーラス室内機器や解体物を吊上げるチェーンブロックなどを用い、モノレール840の長手方向に沿って進退移動可能に構成している。
架台本体820の中間層には、先端を水平方向に突出させた(モノレール840の先端と同じ側)張り出し足場830を設けている。張り出し足場830は、サプレッションチェンバ6の内部に挿入可能な大きさ(所定の挿入幅及び挿入長さ寸法)に設定し、足場上から、サプレッションチェンバ6のケーシング又は内部構造物の撤去作業を行うことができる。この張り出し足場830は、トーラス室内機器と干渉する場合には取り外し又は、スライド式又は開閉式で移動可能に構成している。なお上部足場832にも張り出し足場830Aを取り付ける構成としても良く(図1(A)及び(C)参照)、サプレッションチェンバ6のケーシングと干渉する場合には、同様に取り外し又は移動可能な構成としている。
架台本体820は下面に車輪822を取り付けてトーラス室101内を電動又は手動で自由移動できるように構成し、背面に各階へ移動するための階段を備えている。
このような構成の解体架台82は、後述する仮開口10(図3参照)から構成パーツを搬入し、トーラス室内機器を一部撤去して空いたスペースで組み立てることができる。また解体架台82は組み立て式のため、トーラス室内機器と干渉しないように任意に変形自在(例えば、張り出し足場の取り付け位置を変更、張り出し足場を架台本体からスライド式又は開閉式に移動等)に構成している。そして各作業足場を利用して、天井部配管及び構造物102の撤去、サプレッションチェンバ6(ケーシング及び内部構造物)の撤去を並行して行うことができる。
(吊り架構62)
吊り架構62は、架構本体621と、吊上げ部622と車輪623を備えている(図9参照)。架構本体621は1つ以上の側面開口を有し(本実施形態では一対の側面に2箇所)、側面開口は収容箱60よりも大きい長さ寸法に設定している。架構本体621の上部には吊上げ部622を取り付けて解体物を吊上げて収容箱60に吊り下すように構成している。また架構本体621の下面には車輪623を取り付けてトーラス室101内を電動又は手動で自由移動できるように構成している。
このような構成の吊り架構62は、後述する仮開口10(図3参照)から構成パーツを搬入し、トーラス室内機器を一部撤去して空いたスペースで組み立てることができる。そして解体架台82で発生した解体物を吊上げて収容箱60まで移動し、収容箱60に解体物を吊り下すことができる。その後、蓋で密閉した収容箱60を吊上げて仮開口10まで移動させることができる。
<トーラス室内機器の解体工法>
上記トーラス室内機器の解体装置を用いた解体工法について、以下説明する。図2は本発明のトーラス室内機器の解体工法の処理フロー図である。
<仮開口施工:ステップ1>
図3はステップ1の説明図であり、(A)は原子炉建屋1Fの平面図、(B)は原子炉建屋のトーラス室の側面断面図である。
1−1.まずサプレッションチェンバ6内の水抜きを行う。サプレッションチェンバ6は接続配管を介して外部タンク(不図示)と接続している。そこでサプレッションチェンバ6内の水を接続配管を介して外部タンクへ排出する。なお必要であればあらかじめ除染作業を行っている。
1−2.原子炉建屋1の1階床面に地下階のトーラス室101に通じる仮開口10を設ける準備として、施工箇所にある天井部配管又は構造物102の撤去作業を行う。
ここで、仮開口10の施工箇所は、原子炉建屋1の屋内クレーン(不図示)の吊架範囲となる上階に設置した上部開口12と平面視で重なる位置に設けている。これにより屋内クレーンを用いて解体物をトーラス室101から外部へ容易に搬出できる。
1−3.切断機を用いて1階床面に仮開口10を施工する。
このとき仮開口10は、小片化した細断物を収納可能な収容箱(図9参照)が通過可能な大きさに設定している。
<ベント管とS/Cの接続部分の切断:ステップ2>
図4はステップ2の説明図であり、(A)はトーラス室の平面図、(B)はトーラス室の側面断面図である。
2−1.ベント管5とサプレッションチェンバ6の接続部分を切断するための作業足場501を組み立てる。作業足場501は、ベント管5とサプレッションチェンバ6が接続する箇所であって、ベント管5の外周を囲むように組み立てている。
2−2.作業足場501上から切断装置を用いて接続部分を切断する。なお最初に切断する接続部分は仮開口10に最も近い箇所を対象としている。本発明では順次サプレッションチェンバ6の切断毎に接続部分を切断して、後述するステップ3の工程に移行している。
この他、ステップ3の工程に移行する前に、全てのベント管5とサプレッションチェンバ6との接続部分に対して、個別に(又は複数)足場を組んであらかじめ切断しておいても良いが、足場組立の作業が増えることになる。
<仮開口付近の配管及び構造物解体:ステップ3>
図5はステップ3の説明図であり、(A)はトーラス室の平面図、(B)はトーラス室の側面断面図である。
3−1.仮開口10付近にある天井部配管及び構造物102を解体して撤去する。具体的にはサプレッションチェンバ6の上面に上部足場103を組立てる。この上部足場103上から切断装置を用いて、天井部配管及び構造物102を切断して解体する。その後、解体物は仮開口10から外部へ撤去する。
3−2.仮開口10付近にあるサプレッションチェンバ6の内部に内部足場602を組み立てる。この内部足場602は、通常サプレッションチェンバ6に設けている内部点検用の開口部(不図示)から足場部品を搬入して図4で切断したベント管5に接続するベントヘッダ7及びダウンカマー8の周囲に組み立てる。この内部足場602は、切断装置を用いてサプレッションチェンバ6内のベントヘッダ7及びダウンカマー8などの内部配管及び構造物を切断して解体する際に用いる。
なおサプレッションチェンバ6内の内部配管及び構造物の切断・解体は、スペース、作業内容などを考慮して複数回に分けて行っている。本実施形態では、一例として1/16に輪切り切断するサプレッションチェンバに相当する箇所を対象とし、後述するサプレッションチェンバ6の輪切り工程毎に行っている。
<S/C輪切り切断:ステップ4>
図6はステップ4の説明図であり、(A)はトーラス室の平面図、(B)はトーラス室の側面断面図であり、(B)中の鎖線で囲った範囲は機械式切断装置の拡大図を示している。
4−1.機械式切断装置50を用いて、サプレッションチェンバ6を分割する。本実施形態の機器式切断装置50は、輪切り切断するサプレッションチェンバの外周に沿って支持リングを取り付け、支持リングに沿って周方向に移動する切断装置(一例としてTpi TOOL社製のミーリングカッター)を用いている。
4−2.一例として1/16分割したサプレッションチェンバ6内部の内部足場602から、切断装置を用いて、サプレッションチェンバ6内のベントヘッダ7及びダウンカマー8などの内部配管及び構造物を切断、及びサプレッションチェンバ6内部から上面、側面、下面の順に切断する。
4−3.切断後、内部足場602を解体あるいは移動する。
4−4.サプレッションチェンバ6の内部配管及び構造物と、サプレッションチェンバ6(ケーシング)の上面、側面、下面を必要であれば小片化し、仮開口10から搬入した収容箱(図9参照)に箱詰めし、屋内クレーンを用いて逐次仮開口10から外部へ搬出する。
<解体架台の準備:ステップ5>
図7はステップ5の説明図であり、(A)はトーラス室の平面図、(B)は(A)のA−A矢視図である。
5−1.仮開口10から解体架台82の構成パーツを搬入する。ステップ4において仮開口10付近のサプレッションチェンバ6の一部を撤去して生じたスペースで解体架台82を組み立てて準備する。
5−2.仮開口10から空いた収容箱60を搬入して室内に仮置きする。
<輪切りS/C解体・撤去:ステップ6>
図8はステップ6の説明図であり、(A)はトーラス室の平面図、(B)は(A)のB−B矢視図である。
6−1.解体架台82を輪切りしたサプレッションチェンバ6の端面に移動させて、張り出し足場830をサプレッションチェンバ6内に挿入する。そして解体架台82の上部足場832から切断装置を用いて天井部配管及び構造物102の撤去作業を行う。
6−2.解体架台82の張り出し足場830から切断装置を用いてサプレッションチェンバ6の内部構造物の撤去作業を行う。
6−3.解体架台82の張り出し足場830から切断装置を用いてサプレッションチェンバ6のケーシングの上面、側面、下面の切断作業を行い撤去する。
ステップ6では、6−1〜6−3の工程を並行して行うことができる。また各工程いずれも解体架台82上から行うことができ、工程毎に作業足場の組立又は撤去の必要がない。
<輪切りS/C解体・撤去の繰り返し:ステップ7>
図9はステップ7の説明図であり、(A)はトーラス室の平面図、(B)はトーラス室の側面断面図である。
7−1.ステップ6で一部を撤去したサプレッションチェンバ6の新たな端面に解体架台82を移動させて、張り出し足場830をサプレッションチェンバ6内に挿入する。以下、6−1〜6−3の工程を繰り返し行う。なお、必要に応じて、複数(図9では2台)の解体架台82を設置して解体作業を行っても良い。
7−2.仮開口10から吊り架構62の構成パーツを搬入する。逐次サプレッションチェンバ6の一部を撤去して生じたスペースで吊り架構62を組み立てる。
7−3.切断片は必要であれば切断装置で小片化する。吊り架構62を用いて解体物を吊上げ収納箱60に吊り下し箱詰めする。そして蓋を閉じた収容箱60を吊上げて仮開口10まで移動する。屋内クレーン104を用いて仮開口10から外部へ搬出する。
以降ステップ6,7の工程は、サプレッションチェンバ6が全て撤去されるまで繰り返し行う。トーラス室101内のサプレッションチェンバ6を全て撤去した後は、解体架台82を撤去する。
<ベント管撤去:ステップ8>
図10はステップ8の説明図であり、(A)はトーラス室の平面図、(B)はトーラス室の側面断面図である。
8−1.ベント管5を撤去するための移動式作業足場70を準備する。ここで本実施形態の移動式作業足場70は、一例として、組み上げた足場の下部に台車を設けた構成であり、手動又は電動でトーラス室101内を自由に移動することができる。なお、ステップ7において、サプレッションチェンバ6を全て撤去した後は、解体架台82を撤去したが、ベント管撤去作業に解体架台82を用いて行うこともできる。また移動式作業足場70及び解体架台82を併用することにより、短時間でベント管を撤去できる。
8−2.移動式作業足場70上から切断装置を用いてベント管5を切断する。移動式作業足場70を用いて切断したベント管5を仮開口10付近に移動して、切断装置を用いて小片化する。解体物を箱詰めした収容箱60を仮開口10から外部へ搬出する。
このような本発明のトーラス室内機器の解体工法によれば、サプレッションチェンバの一部を撤去する作業ごとに作業足場の組立て又は撤去の必要がない。これにより、効率的かつ短時間で撤去作業を行うことができる。
本発明は耐用年数の経過した原子力発電所の廃炉作業を行う原子力産業分野において、産業上の利用可能性を有する。
1………原子炉建屋、101………トーラス室、102………天井部配管及び構造物、103………上部足場、104………屋内クレーン、
2………原子炉圧力容器、3………原子炉格納容器、4………ドライウェル、
5………ベント管、501………作業足場、
6………サプレッションチェンバ、601………支持脚、602………内部足場、
7………ベントヘッダ、8………ダウンカマー、10………仮開口、12………上部開口、
50………機械式切断装置、
60………収容箱、62………吊り架構、621………架構本体、622………吊上げ部、623………車輪、
70………移動式作業足場
80………トーラス室内機器の解体装置、
82………解体架台、820………架台本体、822………車輪、830,830A………張り出し足場、832………上部足場、840………モノレール、842………吊上げ部。

Claims (4)

  1. 原子炉建屋のトーラス室内に収容されるサプレッションチェンバの内部に挿入してケーシング又は内部構造物の解体作業を行う張り出し足場と、前記トーラス室内の天井部配管及び構造物の撤去作業を行う上部足場を有する解体架台を前記トーラス室内で準備する工程と、
    前記解体架台の前記上部足場で前記トーラス室内の天井部配管及び構造物の撤去作業を行い、前記張り出し足場で前記サプレッションチェンバのケーシング又は内部構造物の解体作業を行う工程と、
    を有することを特徴とするトーラス室内機器の解体工法。
  2. 前記トーラス室内から前記原子炉建屋の上階に通じる仮開口を設けて、解体物の収容箱を搬入又は搬出することを特徴とする請求項に記載のトーラス室内機器の解体工法。
  3. 前記仮開口付近にある前記サプレッションチェンバから輪切りして分割し、小片化して解体し撤去することを特徴とする請求項に記載のトーラス室内機器の解体工法。
  4. 前記トーラス室内の前記サプレッションチェンバを撤去した後、移動式作業足場を準備する工程と、
    前記移動式作業足場でベント管を切断する工程と
    前記ベント管を小片化して解体し撤去する工程と、
    を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載のトーラス室内機器の解体工法。
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