以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
以下、図1〜図20を用いて、実施の形態を説明する。
[プロジェクタの光学構成]
プロジェクタ100の概要について図1の光学構成の模式図を用いて説明する。
プロジェクタ100は、発光管110と発光管110で発光した白色光を反射するリフレクタ120とから構成される光源130を備える。発光管110は、互いに波長域が異なる赤色の光、緑色の光および青色の光を含む白色の光束を射出する。発光管110は、例えば、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプで構成される。リフレクタ120は、一の焦点位置に配置された発光管110から射出された光束を反射させ、前方に平行光として出射する。
光源130からの白色光は、照明光学系に入力される。照明光学系は、レンズ160、ロッド170、レンズ180およびミラー190を有する。照明光学系は、光源130から射出された光束をデジタルミラーデバイス(以下、DMDと称する)240、250、260に導く。ロッド170は、内部で光を全反射させる柱状ガラス部材である。光源130から射出された光束は、ロッド170内で複数回反射する。これにより、ロッド170の出射面での光強度分布は実質的に均一になる。
レンズ180は、ロッド170の出射面の光束をDMD240、250、260に結像するリレーレンズである。ミラー190は、レンズ180を介した光束を反射する。反射した光束は、フィールドレンズ200に入射する。フィールドレンズ200は、入射した光を略平行な光束に変換するレンズである。フィールドレンズ200を介した光束は、全反射プリズムに入射する。
全反射プリズムは、プリズム270とプリズム280とで構成される。プリズム270とプリズム280との近接面には空気層210が存在する。空気層210は薄い空気層である。空気層210は、臨界角以上の角度で入射する光束を全反射する。全反射した光束は、カラープリズムに入射する。
カラープリズムは、プリズム221、プリズム231およびプリズム290で構成される。プリズム221とプリズム231との近接面には青色の光を反射するダイクロイック膜220が設けられている。また、プリズム231とプリズム290との近接面には赤色の光を反射するダイクロイック膜230が設けられている。カラープリズムにはDMD240、250、260が配備される。
DMD240、DMD250およびDMD260は、1920×1080個のマイクロミラーを有する。DMD240、DMD250およびDMD260は、画像信号に応じて、各マイクロミラーを偏向させる。これにより、DMD240、DMD250およびDMD260は、投写光学系300に入射させる光と、投写光学系300の有効範囲外へ反射する光とに画像信号に応じて分けることによって、DMDに入射される光を変調する。なお、DMD240には、緑色の光が入射する。DMD250には、赤色の光が入射する。DMD260には、青色の光が入射する。
DMD240、DMD250およびDMD260で反射された光束のうち投写光学系300に入射する光束は、カラープリズムにて合成される。合成された光束は、全反射プリズムに入射する。全反射プリズムに入射した光束は、空気層210に臨界角以下で入射する。従って、この光束は空気層210を透過して投写光学系300に入射する。
投写光学系300は、入射した光束を拡大するための光学系である。投写光学系300は、フォーカス機能やズーム機能を有し、DMDからの画像光を投写面上に投写することにより、投写面上に画像を映出する。
プロジェクタ100は、投写光学系の光軸に垂直な面内に配置され、後述するような動作が可能な光学素子として平行平板ガラス400を備える。プロジェクタ100は、この平行平板ガラス400を動作させることでDMDにより生成される画像を構成する画素の投写面(スクリーン)上での表示位置を画素ピッチ以下の間隔でずらす。これにより、プロジェクタ100は高解像度の画像を投写できる。
[プリズムと投写レンズとの間の構成]
次に、全反射プリズムおよびカラープリズムからなるプリズムブロックと、投写光学系300との間に配置される平行平板ガラス400を駆動する光学素子駆動装置ついて説明する。
図2は、本実施の形態にかかる光学素子駆動装置の全体の回路構成を示すブロック図であり、図3は図2の回路によって駆動される光学素子駆動装置の概略構成を示す図である。図2で示す回路構成は、それに接続されるパーソナルコンピュータ(PC)などの外部装置を除きプロジェクタ内に配備されるものである。
本実施の形態では、光学素子として平面円形状の平行平板ガラス400を使用している。平行平板ガラス400の端部は連結部材406a、406b、406c、406dによって4個のアクチュエータA401a、アクチュエータB401b、アクチュエータC401c、アクチュエータD401dの可動部407a、407b、407c、407dと、それぞれ連結されている。
本実施の形態ではアクチュエータ401としてボイスコイルモータ(VCM)を使用している。図4はVCMの構造の一例を示しており、ロ字型をしたヨーク4011の内部に異なる磁極の永久磁石(N極の永久磁石4012とS極の永久磁石4013)が一定の距離を隔てて対向するよう配置され、その対向配置された永久磁石4012、4013の間に可動部407が配置される。
この可動部407にはガイド窓4070が開設されており、このガイド窓4070にヨーク4011が挿通され、可動部407に設けられたコイル4014が、対向配置された永久磁石4012、4013の間に配備される。コイル4014に駆動信号電流を流すと可動部407は矢印方向の一軸方向に移動する。この可動部407の移動量はコイル4014に流れる信号電流の大きさに応じて、基準位置から正方向または負方向に移動する。可動部407の移動量は、可動部407に取り付けられた位置センサ402を、図2に示す位置検出回路403が検出することによって検出される。コイル4014が取り付けられた可動部407と永久磁石4012、4013との間には僅かながら隙間が生じている。従って、可動部407は駆動信号電流により駆動される一軸方向に対して垂直方向の力が加わっても、その僅かな隙間分で許容される距離だけ変位が可能で、可動部407は傾くことができる。
アクチュエータ401の可動部407が結合される連結部材406は、図6に示すように平行平板ガラス400の面中心Oで互いに直交するA−C軸とB−D軸上において、各辺の中央の端部EA、EB、EC、EDで連結されている。
4つのアクチュエータA401a、アクチュエータB401b、アクチュエータC401c、アクチュエータD401dは、1つのマイクロコンピュータ405の制御信号によって制御される駆動回路404a、404b、404c、404dによって駆動される。駆動回路404a〜404dからの駆動信号電流によってアクチュエータA401a〜アクチュエータD401dは、一軸方向にその可動部407a〜407dが進退するように駆動される。可動部407a〜407dの位置は、それに設けられた位置センサ402a〜402dが位置検出回路403a〜403dによって検出される。そして、位置検出回路403a〜403dの検出出力はマイクロコンピュータ405に入力され、マイクロコンピュータ405はこの検出信号に基づいて、アクチュエータA401a〜アクチュエータD401dの可動部407a〜407dの位置を常時監視し、アクチュエータA401a〜アクチュエータD401dをサーボ制御するようになっている。
マイクロコンピュータ405には入力画像信号が画像信号処理部410で処理された後に得られるサブフレーム画像信号が入力され、この画像信号に基づいて駆動回路404a〜404dに供給する同期信号を生成するとともにDMD駆動部411を制御するDMD駆動信号及び同期信号を生成する。
各アクチュエータA〜Dの可動部407a〜407dの移動量は、シフト量操作部412を操作することにより調整量を示す信号がマイクロコンピュータ405に入力され、マイクロコンピュータ405が駆動回路404a〜404dを制御することにより調整される。シフト量操作部412は、例えばプロジェクタ100本体に設けられる操作キーであってもよく、プロジェクタ100を操作するリモートコントローラに割り当てられたキーであっても良い。
以上のように構成された光学素子駆動装置について、その動作を以下説明する。
図5に示すように、平行平板ガラス400の面が、入力光線Liに対して直交しているとき、入力光線Liは、平行平板ガラス400と空気の界面において屈折せずに直進する。入力光線が屈折せずに平行平板ガラス400を通過し、また空気に出る界面においても、平行平板ガラス400が平行平面であるために、光線と界面が直交しているため、屈折せずに直進する。このため入力光線が画像光である場合、画像の移動(シフト)は発生しない。
一方、平行平板ガラス400が、図5の破線で示すように入力光線に対して直交していないとき、入力光線は、平行平板ガラス400と空気の界面において屈折する。入力光線Liが屈折して平行平板ガラス400に入射後、平行平板ガラス400を通過し、空気に出る界面においても、平行平板ガラス400が平行平面であるために、光線と界面が直交していないため屈折する。
平行平板ガラス400に入射するときに屈折する角度と、平行平板ガラス400から出射するときに屈折する角度は等しいため、入力光線Liが画像光であると、出力光線Loの画像光は平行平板ガラスの傾き方向に平行移動する。この結果、平行平板ガラス400から出力され投写される画像の表示位置が移動(シフト)することになる。
このような原理を利用して、図6に示す本実施の形態で使用する平行平板ガラス400の中心Oを通る互いに直交するA−C軸とB−D軸上にあるガラス端部EAとEC、及びEBとEDを各アクチュエータの連結部材で可動部と搖動自在に連結する。そして、アクチュエータを駆動することによって、中心Oの位置を一定に保持しつつ、例えば、図7に示すA−C軸を、B−D軸を回転軸中心として端部EAを所定量上方に移動させ、端部ECを所定量下方に移動させるとともに、B−D軸を、A−C軸を回転軸中心として端部EBを所定量下方に移動させて、端部EDを所定量上方に移動させる。これによって、ガラス板に入射する画像光の光路が変更され所定の位置に画素が表示される。この状態から、同様にして各端部を上下方向に制御することによって、画素の表示位置を移動させる、画素シフトを行うことができる。
画像信号処理部410では、入力された画像信号の1フレーム毎に、光学素子駆動装置による投写位置の移動に対応した2枚、もしくは4枚のサブフレーム画像信号を生成する。なお、サブフレーム画像信号の画素数は、DMD240、250、260の対応画素数と同じである。
[2倍密画像の出力動作]
マイクロコンピュータ405は、画像信号処理部410で生成した2枚のサブフレーム信号から、DMD駆動部411とアクチュエータの駆動回路404a〜404dの同期信号を生成する。DMD駆動部411は、画像信号処理部410で生成した2枚のサブフレーム信号を、出力フレームレートの2倍の速度で出力するようDMD駆動信号を生成する。アクチュエータの駆動回路404a〜404dは、DMD駆動部411に同期してアクチュエータ404a〜404dを駆動し、画素の投写位置を移動させるよう、アクチュエータ駆動信号を生成する。
画像出力システム4000の具体的な動作例について図8、図9を用いて説明する。ここで、プロジェクタ100において、DMD240、250、260は水平方向1920画素×垂直方向1080画素の画像を出力可能である。また、平行平板ガラス400をアクチュエータで駆動することにより、水平方向1/2画素分、垂直1/2画素分だけ投写位置をずらす(シフトする)ように設定されている。ここで、1/2画素分(または、半画素分)ずらすとは、画素を画素間のピッチの半分の位置まで移動させることを意味する。
図8は、プロジェクタ100の画像出力システム4000においてサブフレーム画像を作成するためのベースとなる画像信号であり、水平方向3840画素×垂直方向2160画素の、いわゆる4K2K画像である。このベース画像信号の画素数は、DMD240、250、260の画素数の4倍である。このベース画像信号は、外部機器から直接入力された画像信号であっても良いし、より低解像度の入力画像をシステム内部においてアップコンバートした信号であっても良い。
画像信号処理部410におけるサブフレーム画像信号作成方法について説明する。図9は、図8で示す1フレームのベース画像信号から互いに異なるサンプル位置でリサンプルすることにより2枚のサブフレーム信号(リサンプル画像信号)を作成する方法を示したものである。図8のベース画像信号において、水平方向に画素の列番号が0、1、2、3、4、5・・・・と付され、垂直方向に画素の行番号が0、1、2、3・・・・・と付されている。
1)水平方向に列番号0から数えて何番目の列番号であるかを示す数値を2で除した余りが0であり、かつ、垂直方向に行番号0から数えて何番目の行番号であるかを示す数値を2で除した余りが0である画素をサンプリングした信号を、第1サブフレーム信号とする。
2)水平方向に列番号0から数えて何番目の列番号であるかを示す数値を2で除した余りが1であり、かつ、垂直方向に行番号0から数え何番目の行番号であるかを示す数値を2で除した余りが1である画素をサンプリングした信号を、第2サブフレーム信号とする。
DMD240、250、260は、出力フレームレートの2倍の速度で2枚のサブフレームを出力する。具体的には、出力フレームレートを60Hzとすると、サブフレームは120Hzで出力され、アクチュエータは60Hzで駆動される。図10はこのときのアクチュエータに指示する変位(VCM変位量)とサブフレーム画像の移動の様子を模式的に示している。この場合、図10に示すようにアクチュエータAに対しては変位Aを指示し、アクチュエータCに対しては変位Aを反転した変位Cを指示する。アクチュエータBとアクチュエータDは変位を変化させない。これによって、平行平板ガラス400はB−D軸を回転軸として搖動することになるので、これにより入力画像光の光路が変更され、互いに半画素ずれた第1サブフレーム画像(第1SF)と第2サブフレーム画像(第2SF)が投写されることになる。
[4倍密画像の出力動作]
画像信号処理部410では、入力された画像信号の1フレーム毎に、平行平板ガラス400およびアクチュエータ401a〜401dによる投写位置の移動に対応した4枚のサブフレーム画像信号を生成する。
画像信号処理部410で生成した4枚のサブフレーム画像信号を、マイクロコンピュータ405からDMD駆動部411に送り、出力フレームレートの4倍の速度で出力するようDMD駆動信号を生成する。DMD駆動部411に同期して平行平板ガラス400を駆動し画素の投写位置を移動させるよう、マイクロコンピュータ405でアクチュエータ駆動信号を生成し、駆動回路404a〜404dに出力する。
2方向に投写位置を移動可能な場合の画像出力システム動作について図11、図12を用いて説明する。なお、表示素子の対応解像度およびベース画像信号の解像度は2倍密度画像の出力動作で説明した場合と同様である。
画像信号処理部410におけるサブフレーム信号作成方法について説明する。図11は図8で示す1フレームのベース画像信号から、互いに異なるサンプル位置でリサンプルすることにより4枚のサブフレーム信号(リサンプル画像信号)を作成する方法を示したものである。
図8に示すベース画像信号において、
1)水平方向に0から数え何番目であるかを示す数値を2で除した余りが0であり、かつ、垂直方向に0から数え何番目であるかを示す数値を2で除した余りが0である画素をサンプリングした信号を、第1サブフレームとする。
2)水平方向に0から数え何番目であるかを示す数値を2で除した余りが1であり、かつ、垂直方向に0から数え何番目であるかを示す数値を2で除した余りが0である画素をサンプリングした信号を、第2サブフレームとする。
3)水平方向に0から数え何番目であるかを示す数値を2で除した余りが1であり、かつ、垂直方向に0から数え何番目であるかを示す数値を2で除した余りが1である画素をサンプリングした信号を、第3サブフレームとする。
4)水平方向に0から数え何番目であるかを示す数値を2で除した余りが0であり、かつ、垂直方向に0から数え何番目であるかを示す数値を2で除した余りが1である画素をサンプリングした信号を、第4サブフレームとする。
DMD240、250、260は、出力フレームレートの4倍の速度で4枚のサブフレームを出力する。具体的には、出力フレームレートを60Hzとすると、サブフレームは240Hzで出力され、アクチュエータは60Hzで駆動される。
図12はこのときのアクチュエータに指示する変位(VCM変位)とサブフレーム画像の移動の様子を模式的に示している。この場合、アクチュエータAに対しては変位Aを指示し、アクチュエータCに対しては変位Aを反転した変位Cを指示する。アクチュエータBに対しては変位Bを指示し、アクチュエータDに対しては変位Bを反転した変位Dを指示する。そして、アクチュエータAとアクチュエータCに指示する変位波形に対してアクチュエータBとアクチュエータDに指示する変位波形は、位相が90°移相されている。これによって、平行平板ガラス400は、B−D軸及びA−C軸を回転軸として搖動することになるので、入力画像光の光路が水平、垂直方向に変位され、互いに半画素ずれた第1サブフレーム画像(第1SF)、第2サブフレーム画像(第2SF)、第3サブフレーム画像(第3SF)、第4サブフレーム画像(第4SF)が投写される。
[入力信号による処理の切り換え]
本実施の形態では、入力画像信号の種類によって、適正な画像信号処理を選択するようにしている。
図13は図2に記載された駆動回路、アクチュエータ、位置センサ、位置検出回路、シフト量操作部を、シフト制御部413として1つのブロックとしてまとめて記載している。
図13の回路構成は、PC417以外はプロジェクタ100内に配備されるものである。
本実施の形態においては、プロジェクタに供給される画像信号は、パーソナルコンピュータ(PC)417で生成され、PC417より出力される画像信号は、画像信号入力部414に入力される。このとき同時に、PC417より出力される制御信号は制御信号入力部415に入力される。
信号判別部416は、画像信号入力部414に入力された画像信号と制御信号入力部415に入力された制御信号から画像の種類を判別する。ここで言う画像の種類の判別とは、リサンプリングが必要な画像かどうか、画素シフト処理が施されている画像かどうか等を判別することである。
画像信号処理部410は、信号判別部416において判別された結果を基に、画像信号に対しリサンプリング部4100においてリサンプル処理を施す。同期信号生成部はマイクロコンピュータ405で構成されており、DMDによる画像出力と画素シフトを同期して動作させるための同期信号を生成する。DMD駆動部411は、同期信号生成部から出力された同期信号に従って画像信号処理部410から出力された画像が表示されるようDMDを駆動する。シフト制御部413は、画素シフトが行われる場合、マイクロコンピュータ405から出力された同期信号に従って投写面上に投写された画像の表示位置がシフトするよう光学素子駆動装置を駆動する。
図14は、PC417で生成される具体的な画像信号の例を示す。
PC417から画像信号が入力されるプロジェクタ100のDMDの解像度は横1920画素×縦1080画素(2K)であり、画素シフトをすることにより解像度は横3840画素×縦2160画素(4K)となる。図14では、PC417から出力された画像信号は、1本の画像信号ケーブルにより伝送され、プロジェクタ100に入力される。また、制御信号ケーブルは、PC417からのタイミング指定信号をプロジェクタ100に入力する。
図14のケース(A)では、PC417は解像度が4K、フレームレートが60Hzの画像信号を生成し、この画像信号をプロジェクタの画像信号入力部414に入力する場合を示している。
画像信号入力部414では、入力された画像の解像度と周波数(フレームレート)の情報を取得し、信号判別部416に供給する。また、制御信号として一定電圧の信号がPC417から制御信号入力部415に入力される。
画像信号入力部414では、入力された入力画像信号の1秒間あたりの垂直同期信号の個数から入力画像信号のフレームレートを判別するとともに、入力画像信号の水平同期信号、垂直同期信号、及びピクセルクロックに基づいて、入力画像信号の解像度を判別する。
このケース(A)では、信号判別部416は、解像度が4Kで画像信号の周波数が60Hzであることから、リサンプリングと画素シフトが必要な高解像度画像であると判断する。このときPC417から制御信号入力部415に入力される制御信号はLowレベルの信号であるが、解像度が4Kでフレームレートが60Hzであることが判別された時点で、入力画像信号は画素シフト表示すべき信号であることが分かるので、制御信号の内容によって画素シフトすべき信号であるという判別は行われない。
画像信号入力部414から画像信号処理部410に入力された画像信号は、画像信号処理部410のリサンプリング部4100でリサンプルリング(リサンプル)される。これにより、画像信号処理部410は、4Kの画像から4つの2Kのリサンプル画像であるサブフレーム画像を生成する。このリサンプリング処理は、上述した[4倍密画像の出力動作]の項目で説明した通りである。
同期信号生成部であるマイクロコンピュータ405は、画像信号処理部410におけるサブフレーム画像の生成タイミングに基づいて、4枚のサブフレーム画像の表示と画素シフトのタイミングが合うように、同期信号を生成する。具体的には、第1サブフレームの表示タイミングを示す同期信号を生成する。DMD駆動部は、この同期信号に合わせて第1サブフレームを表示し、第2、第3、第4サブフレームを順次表示する。表示周波数は60Hzの4倍の240Hzとなる。
シフト制御部413は、同期信号に合わせて、第1サブフレームが左上に表示されるように光学素子駆動装置を制御する。さらに、第2、第3、第4サブフレームがそれぞれ右上、右下、左下に表示されるよう、光学素子駆動装置を制御する。図では、第1サブフレーム及び第3サブフレームの画素位置だけを代表として図示している。尚、ケース(A)では、制御信号は特に必要がないので、制御信号のケーブルが接続されてない場合も、同様に処理することができる。
このように、ケース(A)の場合は、画素シフトにより、投写面上に表示される画像の解像度は4K画像に相当する。
ケース(B)では、PC417は解像度が2K、フレームレートが240Hzの画像信号を生成し、画像信号入力部414に入力している。
画像信号入力部414では、入力された画像の解像度と周波数(フレームレート)の情報を取得し、信号判別部416に供給する。また、制御信号として第1サブフレームのタイミングを示す信号SがPC417から制御信号入力部415に与えられる。信号Sは第4サブフレームの開始より後で且つ第1サブフレームの開始より前に供給され、次のフレームが第1サブフレームであることを示す。制御信号入力部415に入力された制御信号は、信号判別部416及び画像信号処理部410に入力される。
信号判別部416では、画像信号入力部414に入力された入力画像信号の解像度が2Kで画像信号の周波数(フレームレート)が240Hzであることを判別し、リサンプリングが不要な画像であると判断する。従って、この場合、画像信号処理部410のリサンプリング部4100ではリサンプリングは行わない。また、制御信号がサブフレームを区別するタイミングを示す信号(同期信号)であることから、画素シフトが必要な画素シフト処理が施された画像であると判断する。
同期信号生成部であるマイクロコンピュータ405は、4枚のサブフレーム画像の表示と画素シフトのタイミングが合うように、同期信号を生成する。具体的には、画像信号処理部410に入力された第1サブフレームのタイミングを示す信号Sに基づいて、第1サブフレームの表示タイミングを示す同期信号を生成する。DMD駆動部は、同期信号に合わせて第1サブフレームを表示し、第2、第3、第4サブフレームを順次表示する。このときの表示周波数は240Hzである。
シフト制御部は、同期信号に合わせて、第1サブフレームが左上に表示されるように光学素子駆動装置を制御する。さらに、第2、第3、第4サブフレームがそれぞれ右上、右下、左下に表示されるよう、光学素子駆動装置を制御する。図では、第1サブフレーム及び第3サブフレームの画素位置だけを代表として図示している。
このように、ケース(B)の場合は、画素シフトが行われるので投写面上に表示される画像の解像度は4K画像に相当する。
ケース(C)では、PC417は解像度が2K、フレームレートが240Hzの画像信号を生成し、画像信号入力部414に入力している。
画像信号入力部414では、入力された画像の解像度と周波数(フレームレート)の情報を取得し、信号判別部416に供給する。また、制御信号として一定電圧の信号がPC417から制御信号入力部415に入力される。
信号判別部416では、画像信号入力部414に入力された入力画像信号の解像度が2Kで画像信号の周波数(フレームレート)が240Hzであることを判別し、リサンプリングが不要な画像であると判断する。また、制御信号が一定電圧の信号であることから、画素シフトが不要な画像であると判断する。画像処理部ではリサンプリングは行わない。同期信号生成部であるマイクロコンピュータ405は、4枚のサブフレーム画像の表示タイミングを指定する同期信号を生成する。DMD駆動部は、同期信号に合わせて第1サブフレームを表示し、第2、第3、第4サブフレームを順次表示する。
このように、ケース(C)の場合は、画素シフトが行われないので投写面上に表示される画像の解像度は2K画像に相当する。
なお、ケース(C)では、制御信号のケーブルが接続されてない場合も、同様に処理するとよい。
[実施の形態の変形例]
図15は、実施の形態の変形例を示す。
この変形例のプロジェクタ1000において、上記の実施の形態におけるプロジェクタ100と異なるところはDMDの解像度が異なっている点にある。すなわち、この変形例のプロジェクタ1000のDMDの解像度は横2560画素×縦1440画素(2.5K)であり、画素シフトにより解像度は横5120画素×縦2880画素(5K)となる。
図15では、PC417から出力された画像は、4本の画像信号ケーブルにより伝送され、プロジェクタ1000に入力される。また、制御信号ケーブルは、60Hz画像か240Hz画像かを示す信号と、画素シフトの必要/不要を示す信号を伝送しプロジェクタ1000に入力する。
図15のケース(A)では、PC417は解像度が5K、フレームレートが60Hzの画像信号を生成し、4つの2.5K、60Hzの部分画像に分割してプロジェクタ1000の画像信号入力部414に入力している。
画像信号入力部414では、入力された画像の解像度の情報を取得し、信号判別部416に供給する。また、制御信号として60Hz画像(2.5K240HzモードOFF)であることを示す信号(Low信号)がPC417から制御信号入力部415に入力される。このときPC417から制御信号入力部415に入力される制御信号はLowレベルの信号であるが、解像度が5Kでフレームレートが60Hzであることが判別された時点で、入力画像信号は画素シフト表示すべき信号であることが分かるので、制御信号の内容によって画素シフトすべき信号であるという判別は行われない。
信号判別部416では、解像度の情報と制御信号の情報から、リサンプリングが必要で画素シフトが必要な高解像度画像であると判断する。画像信号処理部では、4つの2.5Kの部分画像から、4つの2.5Kのサブフレーム画像(画素シフト画像)をリサンプリングにより生成する。すなわち、プロジェクタは4つの2.5Kの部分画像から、5Kの1フレームのベース画像(PCで生成された5K60Hzの画像)を生成し、先の実施の形態と同様にして、画像信号処理部410のリサンプリング部4100でリサンプルリング(リサンプル)して4つの2.5Kのサブフレーム画像を生成する。
同期信号生成部であるマイクロコンピュータ405は、画像信号処理部410におけるサブフレーム画像の生成タイミングに基づいて、4枚のサブフレーム画像の表示と画素シフトのタイミングが合うように、同期信号を生成する。具体的には、第1サブフレームの表示タイミングを示す同期信号を生成する。DMD駆動部は、同期信号に合わせて第1サブフレームを表示し、第2、第3、第4サブフレームを順次表示する。表示周波数は60Hzの4倍の240Hzとなる。
シフト制御部413は、同期信号に合わせて、第1サブフレームが左上に表示されるように光学素子駆動装置を制御する。さらに、第2、第3、第4サブフレームがそれぞれ右上、右下、左下に表示されるよう、光学素子駆動装置を制御する。図では、第1サブフレーム及び第3サブフレームの画素位置だけを代表として図示している。
このように、ケース(A)の場合は、画素シフトにより、投写面上に表示される画像の解像度は5K画像に相当する。
ケース(B)では、PC417は解像度が2.5Kでフレームレートが240Hzの画像信号を生成し、次いでこの映像信号からフレームレートが60Hzの4つの画像信号を生成し、それぞれを4本のケーブル(映像1、映像2、映像3、映像4)を使用して画像信号入力部414に入力している。4つの画像信号はそれぞれ第1、第2、第3、第4サブフレーム画像である。
画像信号入力部414では、入力された画像の解像度の情報を取得し、信号判別部416に供給する。また、制御信号として240Hz画像(2.5K240HzモードON)であることを示す信号(High信号)、及び画素シフトが必要であることを示す信号(High信号)がPC417から制御信号入力部415に入力される。
信号判別部416では、解像度の情報と制御信号の情報から、リサンプリングが不要で画素シフトが必要な画素シフト画像であると判断する。従って、画像信号処理部ではリサンプリングを行わない。
同期信号生成部であるマイクロコンピュータ405は、4つのサブフレーム画像の表示と画素シフトのタイミングが合うように、同期信号を生成する。具体的には、第1サブフレームの表示タイミングを示す同期信号を生成する。DMD駆動部は、同期信号に合わせて第1サブフレームを表示し、第2、第3、第4サブフレームを順次表示する。表示周波数は240Hzである。
シフト制御部は、同期信号に合わせて、第1サブフレームが左上に表示されるように光学素子駆動装置を制御する。さらに、第2、第3、第4サブフレームがそれぞれ右上、右下、左下に表示されるよう、光学素子駆動装置を制御する。図では、第1サブフレーム及び第3サブフレームの画素位置だけを代表として図示している。
このように、ケース(B)の場合は、画素シフトにより、投写面上に表示される画像の解像度は5K画像に相当する。
なお、本ケースでは、PC417は解像度が2.5Kでフレームレートが240Hzの画像信号を生成し、次いでこの映像信号からフレームレートが60Hzの4つの画像信号を生成し、それぞれを4本のケーブル(映像1、映像2、映像3、映像4)を使用して画像信号入力部414に入力しているが、PC417は解像度が2.5Kでフレームレートが240Hzの画像信号を生成し、4本のケーブルを使用して、映像1、映像2、映像3、映像4、映像1、映像2、映像3、映像4のような順序で順次、画像信号入力部414に入力してもよい。
ケース(C)では、PC417は解像度が2.5Kでフレームレートが240Hzの画像信号を生成し、次いでこの映像信号からフレームレートが60Hzの4つの画像信号を生成し、それぞれを4本のケーブル(映像1、映像2、映像3、映像4)を使用して画像信号入力部414に入力している。4つの画像信号はそれぞれ第1、第2、第3、第4サブフレーム画像である。
画像信号入力部414では、入力された画像の解像度の情報を取得し、信号判別部416に供給する。また、制御信号として240Hz画像(2.5K240HzモードON)であることを示す信号(High信号)、及び画素シフトが不要であることを示す信号(Low信号)が制御信号入力部415に入力される。
信号判別部416では、解像度の情報と制御信号の情報から、リサンプリングが不要で画素シフトが不要な画像であると判断する。従って、画像処理部ではリサンプリングを行わない。
同期信号生成部であるマイクロコンピュータ405は、4枚のサブフレーム画像の表示タイミングを指定する同期信号を生成する。DMD駆動部は、同期信号に合わせて第1サブフレームを表示し、第2、第3、第4サブフレームを順次表示する。
このように、ケース(C)の場合は、投写面上に表示される画像の解像度は2.5K画像に相当する。
次に、PCにおける画像生成の方法の一例を示す。PC417は、図16のように、画像生成部417aと、画像生成部417aで生成した画像信号を出力する画像信号出力部417bを含む。
図17から図19を用いて、コンピュータグラフィックス(CG)による画像生成処理を示す。図17のように、CGでは仮想空間にモデルデータを配置する。また、視点と視線方向、画角を設定し、投影面、解像度を指定する。以上の情報から投影面上の各画素の位置が決まる。さらに、1秒間に画像を生成する回数(周波数)を指定する。そして、図18のように、視点と投影面の各画素を結ぶ直線とモデルデータの交点を演算し、最も視点に近い交点の色情報を各画素の画素情報とする。
図14のケース(A)では、PC417は、解像度を4K、周波数を60HzとしてCGにより画像を生成する。
図14のケース(B)、及びケース(C)では、PC417は解像度を2K、周波数を240HzとしてCGにより画像を生成する。
図15のケース(A)では、PC417は解像度を5K、周波数を60HzとしてCGにより画像を生成する。
図15のケース(B)、及びケース(C)では、PC417は解像度を2.5K、周波数を240HzとしてCGにより画像を生成する。
さらに、図14のケース(B)、図15のケース(B)では、画素位置をフレームごとに1画素未満の範囲(例えば画素ピッチの1/2)で周期的に切り替える画素シフト処理を行いながら画像生成を行ってフレーム画像信号を取得する。この場合、周波数は240Hzなので、1秒間にフレーム番号0〜239のフレーム画像を生成する。フレーム番号を4で除した剰余が0のフレームを第1サブフレームとし、同様にフレーム番号を4で除した剰余が1、2、3のフレームをそれぞれ第2、第3、第4サブフレームとする。そして、第1、第2、第3、第4サブフレームの画素位置を変化させる。第1フレーム同士、第2フレーム同士、第3フレーム同士、第4フレーム同士は、画素位置は同じである。
シフトの仕方は図19のように、第1フレームの画素位置に対して、第2フレームの画素位置は右側にシフトする。図示しないが第2フレームの画素位置に対して、第3フレームの画素位置は下側にシフトする。同様に第3フレームの画素位置に対して、第4フレームの画素位置は左側にシフトする。シフト量はいずれも画素ピッチの2分の1である。画素位置のシフトは、視線方向と画角の変更によって実現できる。
以上の構成では、リサンプリングを行うケースと行わないケースが混在する。これらは本来異なるシステムである。例えば図20(a)のように解像度が4Kで周波数が60Hzの画像信号を受ける場合と、図20(b)のように解像度が2Kで周波数が240Hzの画像信号を受ける場合とで異なる構成をとる方法が考えられる。
本開示では、図13のように1つのシステムとすることで、画像処理部以外の構成を共有し、2つのシステムを共存させることができる。そして、各々別々のシステムを準備することなく、さまざまな入力に対応が可能となる。
例えばPCでは、4K60Hzの画像と2K240Hzの画像が、選択的に出力される。デスクトップ表示では4K60Hzの画像が出力される。一方で、コンピュータグラフィックスを利用するソフトウェアを起動すると、2K240Hzの画像の出力が可能となる。さらに、画素シフト機能を持たないソフトウェアでは、単に2K240Hzの画像が出力されるが、画素シフト機能を持つソフトウェアであれば、2K240Hzで画素シフトした画像を出力できる。本開示では、これらのいずれのケースであって、自動的に最適な表示が可能となる。
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。