以下、実施の形態の一例について図面を用いて説明する。
図1は本実施形態に係る特典提供システム100のブロック図である。
特典提供システム100は、棚札装置1、棚札管理装置2、POS(point-of-sale)サーバ3、POS端末4、端末装置5およびメーカサーバ6を含む。
無線中継器200およびLAN(local area network)300を介して棚札装置1と棚札管理装置2とが通信可能とされている。またLAN300を介して棚札管理装置2、POSサーバ3およびPOS端末4が相互に通信可能とされている。これらによって、棚札装置1、棚札管理装置2、POSサーバ3およびPOS端末4は、店舗システム101を構成している。
店舗システム101は、商品を販売するスーパーマーケットなどの店舗の運営者により運用される。なお、以降における「店舗」との記載は、特別な記載が無い限りは、店舗システム101の運用対象となる店舗を指すこととする。
端末装置5は、店舗を利用する顧客によって所持される。
メーカサーバ6は、店舗により販売される商品のメーカにより運用されるメーカシステム102に含まれる。メーカは、店舗の運営者とは異なり、かつ顧客に対して特典の提供を行うものであり、提供者の一例である。従ってメーカシステム102は、提供者システムの一例である。
棚札装置1は、店舗において陳列される複数の商品のそれぞれに関連付けられて、その商品の陳列場所の近辺に配置される。すなわち、複数の棚札装置1が店舗システム101に含まれ得るが、図1では1つのみを図示している。棚札装置1は、多くの場合は商品を陳列するための陳列棚に取り付けられる。しかしながら棚札装置1は、棚を持たない陳列ケースや、商品を運搬するための運搬ケースなど、その取り付け先は任意であって良い。
図2は棚札装置1および端末装置5のブロック図である。
棚札装置1は、棚札コントローラ11、通信デバイス12、NFC(near field communication)ユニット13、メモリ14、表示デバイス15および伝送システム16を含む。
棚札コントローラ11は、CPU(central processing unit)、ROM(read-only memory)およびRAM(random-access memory)を含んだコンピュータを用いてなり、棚札装置1としての所期の機能を実現するべく各部を制御する。
通信デバイス12は、無線中継器200と無線通信を行い、棚札コントローラ11と棚札管理装置2とのデータの授受を可能とする。通信デバイス12としては、例えばIEEE802.15.4に準拠した周知のデバイスが利用できる。
NFCユニット13は、棚札装置1に近接された端末装置5とNFCによるデータ通信を行う。
メモリ14は、不揮発性のデータ記憶デバイスである。メモリ14は、複数の棚札装置1の個々を識別可能に定められた複数の棚札コードのうちの1つを棚札コード14aとして記憶する。メモリ14は、表示デバイス15の表示画面に関するデータを記憶する。
NFCユニット13に代えて、ユニークな識別コードをNFC送信するNFCチップを、棚札コントローラ11、通信デバイス12および表示デバイス15からは独立した形で備え、メモリ14には棚札コード14aを記憶しない構成としても良い。
表示デバイス15は、棚札コントローラ11の制御の下に表示内容を変更可能である。表示デバイス15としては、例えば電子ペーパーが利用できる。
伝送システム16は、棚札コントローラ11、通信デバイス12、NFCユニット13、メモリ14および表示デバイス15の間でデータを伝送する。伝送システム16は、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含む周知のものであって良い。
端末装置5は、CPU(central processing unit)51、ROM(read-only memory)52、RAM(random-access memory)53、補助記憶デバイス54、NFCユニット55、タッチパネル56、カメラ57、通信デバイス58および伝送システム59を含む。
CPU51、ROM52、RAM53および補助記憶デバイス54は、伝送システム59により接続されてコンピュータを構成する。
CPU51は、上記のコンピュータの中枢部分である。CPU51は、ROM52に記憶されたオペレーティングシステムや、ROM52または補助記憶デバイス54に記憶されたアプリケーションプログラムに基づいて、端末装置5としての所期の機能を実現するための制御処理を実行する。上記の所期の機能の1つは、後述する制御処理により実現される機能である。
ROM52は、上記のコンピュータの主記憶部分である。ROM52は、上記のオペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを記憶する。またROM52は、CPU51が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
RAM53は、上記のコンピュータの主記憶部分である。RAM53は、CPU51が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM53は、CPU51が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。
補助記憶デバイス54は、上記のコンピュータの補助記憶部分である。補助記憶デバイス54は、上記のアプリケーションプログラム、CPU51が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU51での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス54としては、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)が使用される。補助記憶デバイス54が記憶する情報には、顧客コード54aおよび個人情報54bを含む。顧客コード54aは、店舗において、顧客の個々を識別するために端末装置5の顧客に対して設定されたものが、当該顧客の操作に応じてCPU51によって補助記憶デバイス54に書き込まれる。個人情報54bは、顧客に関する属性を表した情報であり、当該顧客の操作に応じてCPU51によって補助記憶デバイス54に書き込まれる。個人情報54bにどのような情報を含めるかは任意に定められて良いが、例えば年齢、性別、居住地域などを含むことが想定される。
NFCユニット55は、端末装置5が棚札装置1に近接された際に、NFCユニット13との間でNFCによるデータ通信を行う。
タッチパネル56は、表示デバイスおよびタッチセンサを含む。表示デバイスは、その表示画面を、GUI(graphical user interface)画面などの任意の画面とする。表示デバイスとしては、例えばカラーLCD(liquid crystal display)等の周知のデバイスが利用できる。タッチセンサは、表示デバイスの表示面に重ねて配置されている。タッチセンサは、表示デバイスの表示面への操作者のタッチ位置を検出し、その位置情報をCPU51へと送る。タッチセンサとしては、周知のデバイスが利用できる。
カメラ57は、任意の被写物を撮影し、その被写物を表した画像データを生成する。
通信デバイス58は、モバイルネットワーク400を介した通信を行う。
伝送システム59は、CPU51、ROM52、RAM53、補助記憶デバイス54、NFCユニット55、タッチパネル56、カメラ57および通信デバイス58の間でデータを伝送する。伝送システム59は、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含む周知のものであって良い。
端末装置5のハードウェアとしては、特典提供システム100用に特化して構成されたものを用いても良いが、既存のスマートフォンやタブレット端末などのような、アプリケーションプログラムを任意にインストール可能なデバイスをそのまま利用できる。そしてこの種のデバイスが備える補助記憶デバイス54に、そのデバイスの販売者あるいは使用者によって、後述する制御処理について記述したアプリケーションプログラムである制御プログラムがインストールされることにより端末装置5が実現される。このとき制御プログラムは、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して販売者あるいは使用者へと配布される。なお制御プログラムは、ROM52に記憶されていても良い。
図3は棚札管理装置2およびPOSサーバ3のブロック図である。
棚札管理装置2は、CPU21、ROM22、RAM23、補助記憶デバイス24、通信デバイス25および伝送システム26を含む。
CPU21、ROM22、RAM23および補助記憶デバイス24は、伝送システム26により接続されてコンピュータを構成する。
CPU21は、上記のコンピュータの中枢部分である。CPU21は、ROM22に記憶されたオペレーティングシステムや、ROM22または補助記憶デバイス24に記憶されたアプリケーションプログラムに基づいて、棚札管理装置2としての所期の機能を実現するための制御処理を実行する。上記の所期の機能の1つは、後述する制御処理により実現される機能である。
ROM22は、上記のコンピュータの主記憶部分である。ROM22は、上記のオペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを記憶する。またROM22は、CPU21が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
RAM23は、上記のコンピュータの主記憶部分である。RAM23は、CPU21が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM23は、CPU21が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。
補助記憶デバイス24は、上記のコンピュータの補助記憶部分である。補助記憶デバイス24は、上記のアプリケーションプログラム、CPU21が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU21での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス24としては、例えばEEPROM、HDD(hard disk drive)、あるいはSSD(solid state drive)などを使用できる。補助記憶デバイス24の記憶領域の一部は、棚札管理テーブル24aとして使用される。棚札管理テーブル24aには、棚札装置1を管理するための情報が記述される。
図4は棚札管理テーブル24aに含まれるデータレコードR1の構造を示す図である。棚札管理テーブル24aは、複数のデータレコードR1の集合である。
データレコードR1は、棚札コード、商品コード、店舗コード、アクセス情報および店舗特典情報の各フィールドF11,F12,F13,F14,F15を含む。フィールドF11には、店舗に設置される複数の棚札装置1の個々を識別するために定められた複数の棚札コードのいずれかが記述される。フィールドF12には、同じデータレコードR1のフィールドF11に記述された棚札コードで識別される棚札装置1に対応付けられた商品を識別するための商品コードが記述される。フィールドF13には、店舗を他の店舗と識別するための店舗コードが記述される。フィールドF14には、同じデータレコードR1のフィールドF12に記述された商品コードで識別される商品のメーカが運用するメーカサーバ6へアクセスするためのアクセス情報が記述される。アクセス情報は、典型的にはURL(uniform resource locator)である。フィールドF14には、アクセス情報が記述されない場合もある。フィールドF15には、同じデータレコードR1のフィールドF12に記述された商品に関して店舗で提供する特典(以下、店舗特典と称する)の内容について表す店舗特典情報が記述される。店舗特典情報は例えば、特典を提供する条件や、特典の内容を表す。店舗特典情報は、店舗特典の提供が無い旨を表す場合もある。なお、データレコードR1にはこの他に、同じデータレコードR1のフィールドF11に記述された棚札コードで識別される棚札装置1で表示するべき画面を表した画面データファイルまたはそのファイル名や、その他の情報が記述されても良い。
通信デバイス25は、LAN300を介した通信を行う。
伝送システム26は、CPU21、ROM22、RAM23、補助記憶デバイス24および通信デバイス25の間で授受されるデータを伝送する。伝送システム26は、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含む周知のものであって良い。
この棚札管理装置2のハードウェアとしては、例えば汎用のサーバ装置やコンピュータ装置を用いることができる。そしてこの種の装置が備える補助記憶デバイス24に、その装置の販売者あるいは使用者によって、後述する制御処理について記述したアプリケーションプログラムである制御プログラムがインストールされるとともに、棚札管理テーブル24aが書き込まれることにより棚札管理装置2が実現される。このとき制御プログラムは、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して販売者あるいは使用者へと配布される。なお制御プログラムは、ROM22に記憶されていても良い。
POSサーバ3は、CPU31、ROM32、RAM33、補助記憶デバイス34、通信デバイス35および伝送システム36を含む。
CPU31、ROM32、RAM33および補助記憶デバイス34は、伝送システム36により接続されてコンピュータを構成する。
CPU31は、上記のコンピュータの中枢部分である。CPU31は、ROM32に記憶されたオペレーティングシステムや、ROM32または補助記憶デバイス34に記憶されたアプリケーションプログラムに基づいて、POSサーバ3としての周知の機能を実現するための制御処理を実行する。
ROM32は、上記のコンピュータの主記憶部分である。ROM32は、上記のオペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを記憶する。またROM32は、CPU31が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
RAM33は、上記のコンピュータの主記憶部分である。RAM33は、CPU31が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM33は、CPU31が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。
補助記憶デバイス34は、上記のコンピュータの補助記憶部分である。補助記憶デバイス34は、上記のアプリケーションプログラム、CPU31が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU31での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス54としては、例えばEEPROM、HDD、あるいはSSDなどを使用できる。
通信デバイス35は、LAN300を介した通信を行う。
伝送システム36は、CPU31、ROM32、RAM33、補助記憶デバイス34および通信デバイス35の間で授受されるデータを伝送する。伝送システム36は、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含む周知のものであって良い。
このPOSサーバ3のハードウェアとしては、例えば汎用のサーバ装置やコンピュータ装置を用いることができる。そしてこの種の装置が備える補助記憶デバイス34に、その装置の販売者あるいは使用者によって、アプリケーションプログラムがインストールされることによりPOSサーバ3が実現される。このときアプリケーションプログラムは、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して販売者あるいは使用者へと配布される。なおアプリケーションプログラムは、ROM32に記憶されていても良い。
図5はPOS端末4のブロック図である。
POS端末4は、CPU40、ROM41、RAM42、補助記憶デバイス43、スキャナ44、タッチパネル45、プリンタ46、NFCユニット47、通信デバイス48および伝送システム49を含む。
CPU40、ROM41、RAM42および補助記憶デバイス43は、伝送システム49により接続されてコンピュータを構成する。
CPU40は、上記のコンピュータの中枢部分に相当する。CPU40は、ROM41およびRAM42に記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェアおよびアプリケーションプログラムに基づいて、POS端末4としての各種の動作を実現するべく各部を制御する。
ROM41は、上記のコンピュータの主記憶部分に相当する。ROM41は、上記のオペレーティングシステムを記憶する。ROM41は、上記のミドルウェアやアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。またROM41は、CPU40が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
RAM42は、上記のコンピュータの主記憶部分に相当する。RAM42は、CPU40が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM42は、CPU40が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。RAM42の記憶領域の一部は、商品リストエリアとして使用される。
補助記憶デバイス43は、上記のコンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス43は、CPU40が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU40での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス43としては、例えばEEPROM、HDD、あるいはSSDなどを使用できる。
ROM41または補助記憶デバイス43に記憶されるアプリケーションプログラムには、後述する制御処理に関して記述した制御プログラムを含む。POS端末4の譲渡は一般的に、制御プログラムがROM41または補助記憶デバイス43に記憶された状態にて行われる。しかし、POS端末4が、制御プログラムがROM41または補助記憶デバイス43に記憶されない状態で譲渡されるとともに、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して制御プログラムが譲渡され、この制御プログラムが上記の別途に譲渡されたPOS端末4の補助記憶デバイス43に書き込まれても良い。
スキャナ44は、商品、伝票あるいは割引券に印刷されたバーコードを読み取って、そのバーコードが表す情報を出力する。スキャナ44には、固定タイプおよびハンディタイプのいずれか、またはその双方を含み得る。
タッチパネル45は、表示デバイスおよびタッチセンサを含む。表示デバイスは、その表示画面を、GUI画面などの任意の画面とする。表示デバイスとしては、例えばカラーLCD等の周知のデバイスが利用できる。タッチセンサは、表示デバイスの表示面に重ねて配置されている。タッチセンサは、表示デバイスの表示面への操作者のタッチ位置を検出し、その位置情報をCPU40へと送る。タッチセンサとしては、周知のデバイスが利用できる。
プリンタ46は、例えばサーマルプリンタやドットインパクトプリンタなどであり、レシート用紙に対して各種の文字列や画像などを印刷することにより、通常レシートやレシート券を発行する。
NFCユニット47は、POS端末4に近接された端末装置5とNFCによるデータ通信を行う。
通信デバイス48は、LAN300を介した通信を行う。
図6はメーカサーバ6のブロック図である。
メーカサーバ6は、CPU61、ROM62、RAM63、補助記憶デバイス64、通信デバイス65および伝送システム66を含む。
CPU61、ROM62、RAM63および補助記憶デバイス64は、伝送システム66により接続されてコンピュータを構成する。
CPU61は、上記のコンピュータの中枢部分である。CPU61は、ROM62に記憶されたオペレーティングシステムや、ROM66または補助記憶デバイス64に記憶されたアプリケーションプログラムに基づいて、メーカサーバ6としての所期の機能を実現するための制御処理を実行する。上記の所期の機能の1つは、後述する制御処理により実現される機能である。
ROM62は、上記のコンピュータの主記憶部分である。ROM62は、上記のオペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを記憶する。またROM62は、CPU61が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
RAM63は、上記のコンピュータの主記憶部分である。RAM63は、CPU61が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM63は、CPU61が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。
補助記憶デバイス64は、上記のコンピュータの補助記憶部分である。補助記憶デバイス64は、上記のアプリケーションプログラム、CPU61が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU61での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス64としては、例えばEEPROM、HDD、あるいはSSDなどを使用できる。補助記憶デバイス64は、特典情報テーブル64a、顧客情報バッファ64bおよび履歴情報テーブル64cとして使用される。
図7は特典情報テーブル64aに含まれるデータレコードR2の構造を示す図である。特典情報テーブル64aは、複数のデータレコードR2の集合である。
データレコードR2は、特典コード、商品コードおよびメーカ特典情報の各フィールドF21,F22,F23を含む。フィールドF21には、メーカが提供する特典(以下、メーカ特典と称する)を識別するための特典識別コードが記述される。フィールドF22には、同じデータレコードR1のフィールドF21に記述された特典コードで識別される特典に対応付けられた商品を識別するための商品コードが記述される。フィールドF23には、同じデータレコードR2のフィールドF21に記述された特典識別コードで識別されるメーカ特典の内容について表すメーカ特典情報が記述される。メーカ特典情報は例えば、特典を提供する条件や、特典の内容を表す。なお、データレコードR2にはこの他の情報を記述するためのフィールドが含まれていても良い。
図8は顧客情報バッファ64bに記憶されるデータレコードR3の構造を示す図である。顧客情報バッファ64bは、データレコードR3を一時的に記憶する。
データレコードR3は、顧客コード、個人情報および特典コードの各フィールドF31,F32,F33を含む。フィールドF31,F32は、端末装置5から通知される顧客コードおよび個人情報が記述される。フィールドF33は、同じデータレコードR3のフィールドF31に記述された顧客コードで識別される顧客に対して提供するメーカ特典の特典コードが記述される。
図9は履歴情報テーブル64cに含まれるデータレコードR4の構造を示す図である。
データレコードR4は、実績情報および個人情報の各フィールドF41,F42を含む。フィールドF41は、メーカ特典の提供実績を表した実績情報が記述される。フィールドF42は、フィールドF41に記述された実績情報で示されるメーカ特典の提供対象となった顧客の個人情報が記述される。
通信デバイス65は、インターネット500を介した通信を行う。
伝送システム66は、CPU61、ROM62、RAM63、補助記憶デバイス64および通信デバイス65の間で授受されるデータを伝送する。伝送システム66は、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含む周知のものであって良い。
このメーカサーバ6のハードウェアとしては、例えば汎用のサーバ装置やコンピュータ装置を用いることができる。そしてこの種の装置が備える補助記憶デバイス64に、その装置の販売者あるいは使用者によって、後述する制御処理について記述したアプリケーションプログラムである制御プログラムがインストールされるとともに、特典情報テーブル64aが書き込まれることによりメーカサーバ6が実現される。このとき制御プログラムは、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して販売者あるいは使用者へと配布される。なお制御プログラムは、ROM62に記憶されていても良い。
次に以上のように構成された特典提供システム100の動作について説明する。なお、以下に説明する各種の処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
特典提供システム100は、店舗での商品の購入に対して顧客に特典を提供する。
店舗において特典を受けようとする顧客は、そのためのアプリケーションを端末装置5にて起動するようにタッチパネル56にて操作する。この操作を受けてCPU51は、ROM52または補助記憶デバイス54に記憶された制御プログラムに従って制御処理を開始する。
図10および図11はCPU51による制御処理のフローチャートである。
Act1においてCPU51は、タッチパネル56の表示画面を、予め定められたトップ画面とする。トップ画面は例えば、顧客に対し、その顧客が特典の内容を確認したい商品(以下、対象商品と称する)が対応付けられた棚札装置1に端末装置5を近接させることを促すものである。
Act2においてCPU51は、NFCユニット55によるNFC通信が開始したか否かを確認する。そしてCPU51は、NFC通信が開始していないためにNOと判定したならば、Act2を繰り返す。かくしてCPU51はAct2において、NFC通信が開始されるのを待ち受ける。CPU51は、NFC通信が開始されたことに応じてAct2にてYESと判定し、Act3へと進む。
Act3においてCPU51は、NFCユニット55により受信されたデータが棚札コードであるか否かを確認する。そしてCPU51は、棚札コードが受信されたのでなければNOと判定し、Act4へと進む。
Act4においてCPU51は、NFC通信の相手がPOS端末4であるか否かを確認する。そしてCPU51は、POS端末4とのNFC通信が開始されたのでなければNOと判定し、Act2の待ち受け状態に戻る。
顧客が端末装置5を棚札装置1に近接させると、NFCユニット55はNFCユニット13との間で無線通信を開始する。そしてこのときに棚札装置1は、棚札コントローラ11の制御の下に、メモリ14により記憶された棚札コード14aをNFCユニット13から無線送信する。そしてNFCユニット55は、このように無線送信された棚札コードを受信する。かくしてNFCユニット55は、第1の取得部の一例である。CPU51は、NFCユニット55により棚札コードが受信されたならば、Act3でYESと判定し、Act5へと進む。
Act5においてCPU51は、上記の受信された棚札コードを、棚札管理装置2へと通知する。この通知は、例えばインターネット500にて棚札管理装置2を特定するためのURLの末尾に棚札コードを付加してなるURLを用いて、通信デバイス58により棚札管理装置2へとアクセスすることにより行えば良い。あるいは、端末装置5と棚札管理装置2とのセッションを確立した後に、端末装置5から棚札管理装置2へと棚札コードを転送するなど、その手法は任意であって良い。かくして制御プログラムに基づいて上記の制御処理をCPU51が実行することによって、CPU51を中枢部分とするコンピュータと通信デバイス58との協働により第4の通知部としての機能が実現される。
さて、棚札管理装置2が動作状態にあるときにCPU21は、ROM22または補助記憶デバイス24に記憶された制御プログラムに従った制御処理を実行している。そしてCPU21は、端末装置5から上記のようにして棚札コードが通知された場合に、その棚札コードがフィールドF11に記述されたデータレコードR1が、棚札管理テーブル24aに含まれているか否かを確認する。CPU21は、該当するデータレコードR1が有ったならば、当該データレコードR1のフィールドF12〜F15に記述された商品コード、店舗コード、アクセス情報および店舗特典情報を、端末装置5へと通知する。かくして制御プログラムに基づいて上記の制御処理をCPU21が実行することによって、CPU21を中枢部分とするコンピュータと通信デバイス25との協働により第5の通知部としての機能が実現される。
Act6においてCPU51は、上記のようにして棚札管理装置2から通知された各情報をRAM53または補助記憶デバイス54に記憶させる。そしてこののちにCPU51は図11中のAct7へと進む。
Act7においてCPU51は、上記の通知されたアクセス情報が表すアドレスを用いてメーカサーバ6にアクセスし、顧客問合せ情報を通知する。顧客問合せ情報は、対象商品についてのメーカ特典の提供の有無を問い合わせるためのものであり、上記の通知された商品コードおよび店舗コードを含む。かくして制御プログラムに基づいて上記の制御処理をCPU51が実行することによって、CPU51を中枢部分とするコンピュータと通信デバイス58との協働により制御部としての機能が実現される。
さてメーカサーバ6が動作状態にあるときにCPU61は、ROM62または補助記憶デバイス64に記憶された制御プログラムに従った制御処理を実行している。
図12はCPU61の制御処理のフローチャートである。
Act31においてCPU61は、POS端末4から、後述するように実績情報が通知されたか否かを確認する。そしてCPU61は、実績情報が通知されていないためにNOと判定したならば、Act32へと進む。
Act32においてCPU61は、POS端末4から、後述するように店舗問合せがなされたか否かを確認する。そしてCPU61は、店舗問合せがなされていないためにNOと判定したならば、Act33へと進む。
Act33においてCPU61は、端末装置5から、顧客問合せがなされたか否かを確認する。そしてCPU61は、顧客問合せがなされていないためにNOと判定したならば、Act31へ戻る。
かくしてCPU61は、Act31〜33において、実績情報の通知、店舗問合せおよび顧客問合せのいずれかがなされるのを待ち受けている。そしてCPU61は、前述のように端末装置5から顧客問合せ情報の通知がなされたのならば、Act33にてYESと判定し、Act34へと進む。
Act34においてCPU61は、顧客問合せ情報に含まれた商品コードで識別される商品に関しての特典をメーカが提供しているか否かを確認する。具体的にはCPU1は、顧客問合せ情報に含まれた商品コードがフィールドF22に記述されたデータレコードR2が特典情報テーブル64aに含まれているか否かを確認する。そしてCPU61は、該当するデータレコードR2が無かった場合にNOと判定し、Act35へと進む。かくして制御プログラムに基づいて上記の制御処理をCPU61が実行することによって、CPU61を中枢部分とするコンピュータは第1の判定部として機能する。
Act35においてCPU61は、対象商品について提供されている特典が無いことを表す特典無し画面の情報(特典無し画面情報)を、顧客問合せへの応答として端末装置5へと通知する。こののちにCPU61は、Act31〜33の待ち受け状態に戻る。
CPU61は、顧客問合せ情報に含まれた商品コードがフィールドF22に記述されたデータレコードR2が特典情報テーブル64aに含まれている場合、Act34にてYESと判定し、Act36へと進む。
Act36においてCPU61は、上記の該当するデータレコードR2のフィールドF23に記述されたメーカ特典情報の内容を表した特典画面の情報(特典画面情報)を、顧客問合せへの応答として端末装置5へと通知する。
特典無し画面情報および特典画面情報の通知は、Act34での判定の結果の通知に相当する。従って制御プログラムに基づいて上記の制御処理をCPU61が実行することによって、CPU61を中枢部分とするコンピュータと通信デバイス65との協働により第7の通知部としての機能が実現される。
端末装置5においてCPU51は、図11に示すAct7にて顧客問合せ情報を通知したのちには、Act8へと進む。
Act8においてCPU51は、特典画面情報が通知されたか否かを確認する。そしてCPU51は、上述のように特典画面情報が通知されたためにYESと判定したならば、Act9へと進む。
Act9においてCPU51は、対象商品に関する店舗特典が有るか否かを確認する。CPU51は、Act6でRAM53または補助記憶デバイス54に記憶させた店舗特典情報が店舗特典の提供が無い旨を表すものではない場合にYESと判定し、Act10へと進む。
Act10においてCPU51は、タッチパネル56の表示画面を、特典選択画面とする。特典選択画面は、店舗特典およびメーカ特典のいずれを利用するかの指定を顧客に促すための画面である。
図13は一例としての特典選択画面Sc1を示す図である。
特典選択画面Sc1は、2つの画面Sc11,Sc12からなる。
画面Sc11は、店舗特典の内容を表すとともに、ボタンB1,B2を含む。画面Sc12は、メーカ特典の内容を表すとともに、ボタンB3,B4を含む。
CPU51は、タッチパネル56の表示画面を、まず画面Sc11とする。そしてボタンB2がタッチされたことに応じて、タッチパネル56の表示画面を画面Sc12に変更する。CPU51は、ボタンB4がタッチされたことに応じて、タッチパネル56の表示画面を画面Sc11に変更する。
Act11においてCPU51は、顧客がメーカ特典を指定したか否かを確認する。CPU51は、顧客がボタンB1にタッチした場合に、ここでNOと判定し、Act18へと進む。またCPU51は、顧客がボタンB3にタッチした場合に、ここでYESと判定し、Act13へと進む。
一方、CPU51は、Act6でRAM53または補助記憶デバイス54に記憶させた店舗特典情報が店舗特典の提供が無い旨を表すものである場合に、Act9にてNOと判定し、Act12へと進む。
Act12においてCPU51は、タッチパネル56の表示画面を、確認画面とする。そしてCPU51は、Act13へと進む。確認画面は、メーカ特典の内容を顧客に確認させるための画面である。ここでの確認画面は、例えば画面Sc12においてボタンB3,B4を無効化したものとすれば良い。あるいは、ボタンB4のみを無効化しておき、CPU51は、ボタンB3がタッチされたことに応じてAct13へと進むようにしても良い。
以上のようにCPU51は、店舗特典およびメーカ特典の双方が提供されているものの、メーカ特典が顧客により指定された場合と、メーカ特典の提供が有り、かつ店舗特典の提供が無い場合とにおいて、Act13へと進む。
Act13においてCPU51は、メーカ特典を適用特典として設定する。そしてCPU51は、対象商品の商品コードに関連付けて、適用特典がメーカ特典であることを記述した適用特典情報をRAM53または補助記憶デバイス54に記憶させる。すなわちCPU51は、Act6においてRAM53または補助記憶デバイス54に記憶された商品コードに関連付けて、適用特典がメーカ特典であることを記述した適用特典情報をRAM53または補助記憶デバイス54に記憶させる。
Ac14においてCPU51は、タッチパネル56の表示画面を、告知画面とする。告知画面は、メーカ特典の提供を受けるために、メーカに個人情報が通知されることを顧客に対して告知するための画面である。CPU51は、この後にそのままAct15へと進んでも良いし、告知画面内に承諾ボタンを含めておき、この承諾ボタンが顧客によりタッチされたことに応じてAct15へと進んでも良い。承諾ボタンを設けた場合、制御プログラムに基づいて上記の制御処理をCPU15が実行することによって、CPU51を中枢部分とするコンピュータは第2の判定部として機能する。
なお、図10,11に示す制御処理のための制御プログラムの使用条件の中に、メーカ特典を適用特典とした場合に個人情報がメーカへと通知されることへの承諾を含めておき、Act14を省略しても良い。
Act15においてCPU51は、補助記憶デバイス54に記憶された個人情報54bを、顧客コード54aとともにメーカサーバ6へと通知する。そしてCPU51はこの後に、図10中のAct1へと戻る。かくして制御プログラムに基づいて上記の制御処理をCPU51が実行することによって、CPU51を中枢部分とするコンピュータと通信デバイス58との協働により第1の通知部としての機能が実現される。
さてCPU51は、メーカサーバ6から特典無し画面情報が通知された場合は、Act8にてNOと判定し、Act16へと進む。
Act16においてCPU51は、対象商品に関する店舗特典が有るか否かを確認する。CPU51は、Act6でRAM53または補助記憶デバイス54に記憶させた店舗特典情報が店舗特典の提供が無い旨を表すものではない場合にYESと判定し、Act17へと進む。
Act17においてCPU51は、タッチパネル56の表示画面を、確認画面とする。そしてCPU51は、Act18へと進む。確認画面は、店舗特典の内容を顧客に確認させるための画面である。ここでの確認画面は、例えば画面Sc11においてボタンB1,B2を無効化したものとすれば良い。あるいは、ボタンB2のみを無効化しておき、CPU51は、ボタンB1がタッチされたことに応じてAct18へと進むようにしても良い。
以上のようにCPU51は、店舗特典およびメーカ特典の双方が提供されているものの、店舗特典が顧客により指定された場合と、店舗特典の提供が有り、かつメーカ特典の提供が無い場合とにおいて、Act18へと進む。
Act18においてCPU51は、店舗特典を適用特典として設定する。そしてCPU51は、対象商品の商品コード、すなわちAct6においてRAM53または補助記憶デバイス54に記憶された商品コードに関連付けて、適用特典が店舗特典であることを記述した適用特典情報をRAM53または補助記憶デバイス54に記憶させる。そしてCPU51はこの後に、図10中のAct1へと戻る。かくして制御プログラムに基づいて上記の制御処理をCPU51が実行することによって、CPU51を中枢部分とするコンピュータは第2の決定部として機能する。
なおCPU51は、メーカサーバ6から特典無し画面情報が通知され、かつ対象商品に関する店舗特典の提供も無い場合には、Act16においてNOと判定し、Act19へと進む。
Act19においてCPU51は、適用特典を「無し」と設定する。そしてCPU51は、対象商品の商品コード、すなわちAct6においてRAM53または補助記憶デバイス54に記憶された商品コードに関連付けて、適用特典が「無し」であることを記述した適用特典情報をRAM53または補助記憶デバイス54に記憶させる。そしてCPU51はこの後に、図10中のAct1へと戻る。
メーカサーバ6においてCPU61は、図12に示すAct36にて特典画面情報を通知したのちには、Act37へと進む。
Act37においてCPU61は、特典画面情報を通知した端末装置5から個人情報が通知されたか否かを確認する。そしてCPU61は、個人情報が通知されていないためにNOと判定したならば、Act37を繰り返す。かくしてCPU61はAct37において、個人情報が通知されるのを待ち受ける。そしてCPU61は、前述のように端末装置5から個人情報が通知されたためにYESと判定したならば、Act38へと進む。
Act38においてCPU61は、端末装置5から通知された顧客コードおよび個人情報をフィールドF31,F32に記述するとともに、特典コードをフィールドF33に記述したデータレコードR3を新たに生成し、顧客情報バッファ64bに追加する。なお、CPU61は、フィールドF33への記述対象は、顧客問合せ情報に含まれた商品コードがフィールドF22に記述されたデータレコードR2のフィールドF21に記述されている特典コードとする。そしてCPU61はこの後に、Act31〜33の待ち受け状態へと戻る。なお図12には図示していないが、CPU61は、Act37の待ち受け状態にあるときに異常な事象が生じた場合には、Act38を行うことなしにAct31〜33の待ち受け状態へと戻る。異常な事象は、例えば端末装置5との間のセッションの無効化である。後述するが、メーカ特典の提供は、顧客情報バッファ64bに含まれるデータレコードR2の記述に基づいてなされる。かくして制御プログラムに基づいて上記の制御処理をCPU61が実行することによって、CPU61を中枢部分とするコンピュータは第1の決定部として機能する。
顧客は、対象商品の決済をPOS端末4にて行う場合に、そのPOS端末4のNFCユニット47に端末装置5を近接させる。そうすると、NFCユニット47とNFCユニット55との間でのNFC通信が開始される。
端末装置5においてCPU51は、上記のNFC通信が開始されたことに応じて、図10中のAct4にてYESと判定し、Act20へと進む。
Act20においてCPU51は、補助記憶デバイス54に記憶された顧客コード54aと、Act13、Act18またはAct19でRAM53または補助記憶デバイス54に記憶された適用特典情報とをNFCユニット55から送信する。なおCPU51は、複数の棚札装置1との通信が順次に行われてAct5以降の処理が複数回行われたことによりRAM53または補助記憶デバイス54に複数の適用特典情報が記憶されている場合には、それら複数の適用特典情報の全てを上記の送信の対象とする。
Act21においてCPU51は、RAM53または補助記憶デバイス54に記憶されている適用特典情報の全てを無効化し、Act1へと戻る。
さてPOS端末4が通常の動作状態にあるときにCPU40は、ROM41または補助記憶デバイス43に記憶された制御プログラムに従った制御処理を実行している。
図14はCPU40の制御処理のフローチャートである。
Act51においてCPU40は、RAM42に設けられる登録商品テーブルをクリアする。登録商品テーブルは、買上登録された商品に関する商品コードや数量などの情報を記述したレコードを蓄積的に記憶するものである。
Act52においてCPU40は、商品コードが入力されたか否かを確認する。そしてCPU40は、商品コードが入力されていないためにNOと判定したならば、Act53へと進む。
Act53においてCPU40は、決済要求がなされたか否かを確認する。そしてCPU40は、決済要求がなされていないためにNOと判定したならば、Act54へと進む。
Act54においてCPU40は、顧客コードが受信されたか否かを確認する。そしてCPU40は、顧客コードが受信されていないためにNOと判定したならば、Act52に戻る。
かくしてCPU40は、Act52〜Act54において、商品コードが入力されるか、決済要求がなされるか、あるいは顧客コードが受信されるのを待ち受けている。
さて、NFCユニット55から送信された顧客コード54aおよび適用特典情報は、NFCユニット47によって受信される。そしてCPU40はこれに応じて、Act54にてYESと判定し、Act55へと進む。
Act55においてCPU40は、上記の受信された顧客コードおよび適用特典情報を、RAM42または補助記憶デバイス43に保存する。そしてCPU40はこののちに、Act52〜54の待ち受け状態に戻る。
操作者は、スキャナ44を用いたバーコード読み取りを行うか、タッチパネル45での商品指定を行うなどして、商品コードを入力する。これを受けてCPU40は、Act52にてYESと判定し、Act56へと進む。
Act56においてCPU40は、上記の商品コード入力の結果を反映するように登録商品テーブルを更新する。そしてCPU40はこののちに、Act52〜54の待ち受け状態に戻る。
なお、商品コードの入力および登録商品テーブルの更新のための処理の詳細の説明は省略するが、例えば既存のPOS端末において行われている周知の処理を利用できる。
CPU40は、タッチパネル45での所定の操作等によって決済が要求された場合、Act53においてYESと判定し、Act57へと進む。
Act57においてCPU40は、Act55にてRAM42または補助記憶デバイス43に保存しておいた適用特典情報に基づき、適用特典がメーカ特典であるか否かを確認する。そしてCPU40は、適用特典がメーカ特典であるためにYESと判定したならば、Act58へと進む。なおCPU40は、複数の適用特典情報が記憶されているならば、それらの中に適用特典がメーカ特典であることを表すものが1つでも有る場合に、YESと判定する。
Act58においてCPU40は、特典情報の問合せをPOSサーバ3に対して要求する。この問合せに関してCPU40は、上記の受信された顧客コードと、適用特典がメーカ特典であることを表す適用特典情報の全てとを、POSサーバ3に通知する。この要求に対してPOSサーバ3のCPU31は、通知された適用特典情報に含まれた商品コードで識別される商品のメーカのうちに、メーカシステム102を運用するメーカが含まれるかどうかを確認する。そして該当するメーカが含まれるならば、メーカサーバ6に対して、上記の受信された顧客コードで識別される顧客へのメーカ特典の提供の許否について問い合わせる。なお、この問合せおよびそれに応じた各種の情報の通知は、POSサーバ3を介することなく、POS端末4とメーカサーバ6との間で直接的に行っても良い。
このような店舗からの問合せがなされると、メーカサーバ6においてCPU61は、図12中のAct32にてYESと判定し、Act39へと進む。
Act39においてCPU61は、上記の問合せに示された顧客コードがフィールドF31に記述されているデータレコードR3が顧客情報バッファ64bに含まれているか否かを確認する。そしてCPU61は、該当するデータレコードR3が有るためにYESと判定したならば、Act40へと進む。
Act40においてCPU61は、提供を許容するメーカ特典に関するメーカ特典情報を、上記の問合せに対する応答としてPOSサーバ3に通知する。具体的にはCPU61は例えば、該当するデータレコードR3のフィールドF33に記述された特典コードがフィールドF21に記述されているデータレコードR2を、特典情報テーブル64aから探し出す。そして該当するデータレコードR2のフィールドF23に記述されたメーカ特典情報を、POSサーバ3に通知する。そしてCPU61はこののちに、Act31〜33の待ち受け状態に戻る。かくして制御プログラムに基づいて上記の制御処理をCPU61が実行することによって、CPU61を中枢部分とするコンピュータと通信デバイス65との協働により第8の通知部としての機能が実現される。
CPU61は、該当するデータレコードR3が無いためにAct39にてNOと判定したならば、Act41へと進む。
Act41においてCPU61は、提供を許容するメーカ特典が無いことを表す特典無し情報を、上記の問合せに対する応答としてPOSサーバ3に通知する。そしてCPU61はこののちに、Act31〜33の待ち受け状態に戻る。
このようにしてメーカサーバ6からPOSサーバ3へと通知されたメーカ特典情報または特典無し情報は、図14中のAct58での問合せ要求への応答としてPOS端末4に通知される。
メーカ特典情報および特典無し情報は、メーカ特典の提供の許否を表した許否情報に相当する。CPU61は、メーカ特典情報および特典無し情報を通知することにより、許否情報の通知を行っていることとなる。かくして制御プログラムに基づいて上記の制御処理をCPU61が実行することによって、CPU61を中枢部分とするコンピュータと通信デバイス65との協働により第2の通知部としての機能が実現される。
POS端末4においてCPU40は、Act58にて問合せを要求したのちには、Act59へと進む。
Act59においてCPU40は、POSサーバ3からメーカ特典情報が通知されたか否かを確認する。そしてCPU40は、メーカ特典情報が通知されたためにYESと判定したならば、Act60へと進む。
Act60においてCPU40は、通知されたメーカ特典情報が表すメーカ特典のうちから適用メーカ特典を選出する。CPU40は具体的には、登録商品テーブルの内容に基づいて購入状況を分析し、メーカ特典情報が表すメーカ特典の中に、その提供条件が成立するものが存在するならば、そのメーカ特典を適用メーカ特典とする。例えばCPU40は、メーカ特典の提供条件が「アップルパイを2個買う」であるメーカ特典を表したメーカ特典情報が通知されており、2個のアップルパイが登録商品テーブルに登録されているならば、当該のメーカ特典を適用メーカ特典とする。そしてCPU40はこののち、Act61へと進む。CPU40は、複数のメーカ特典を適用メーカ特典として選出する場合もあるし、適用メーカ特典を1つも選出しない場合もある。なおCPU40は、適用特典がメーカ特典ではないためにAct57にてNOと判定した場合と、特典無し情報が通知されたためにAct59にてNOと判定した場合には、Act60をパスしてAct61へと進む。
Act61においてCPU40は、店舗特典のうちから適用店舗特典を選出する。CPU40は具体的には、登録商品テーブルの内容に基づいて購入状況を分析し、店舗特典情報が表す店舗特典の中に、その提供条件が成立するものが存在するならば、その店舗特典を適用店舗特典とする。例えばCPU40は、店舗特典の提供条件が「アップルパイを1個買う」である店舗特典を表した店舗特典情報が存在し、アップルパイが登録商品テーブルに登録されているならば、当該の店舗特典を適用店舗特典とする。CPU40は、複数の店舗特典を適用店舗特典として選出する場合もあるし、適用店舗特典を1つも選出しない場合もある。なお、店舗特典情報は、補助記憶デバイス43に記憶されていても良いし、POSサーバ3から通知されても良い。
Act62においてCPU40は、登録商品テーブルの記述に基づき、買上登録された商品に関して決済するための決済処理を実行する。この決済処理に際してCPU40は、適用メーカ特典および適用店舗特典を選出しているならば、それらの特典を適用する。具体的には、「アップルパイを2個買う」という条件の下に「15%OFF」という特典を提供することを表した適用メーカ特典が選出されているとする。この場合には、該当するアップルパイが登録商品テーブルに2個登録されているならば、CPU40は当該2個のアップルパイの代金を15%割り引く。かくして制御プログラムに基づいて上記の制御処理をCPU40が実行することによって、CPU40を中枢部分とするコンピュータは提供処理部および制御部として機能する。
Act63においてCPU40は、上記の決済処理においてメーカ特典を適用したか否かを確認する。そしてCPU40は、メーカ特典を適用したためにYESと判定したならば、Act64へと進む。
Act64においてCPU40は、適用したメーカ特典のメーカ特典コードと顧客コードとを少なくとも含んだ実績情報を、メーカサーバ6に対して通知する。実績情報には、適用したメーカ特典の適用対象となる商品の買上数量を含んでも良い。また実績情報には、適用したメーカ特典の適用対象となる商品以外の買上商品に関する何らかの情報を含んでも良い。そしてCPU40はこののちに、Act51へと戻る。かくして制御プログラムに基づいて上記の制御処理をCPU40が実行することによって、CPU40を中枢部分とするコンピュータと通信デバイス48との協働により第3の通知部としての機能が実現される。なお、CPU40は、NFCユニット47により受信されて、Act55にてRAM42または補助記憶デバイス43に保存した顧客コードを実績情報に含める。従って、NFCユニット47は、第2の取得部の一例である。
なおCPU40は、メーカ特典を適用しなかったためにAct63にてNOと判定したならば、Act64をパスしてAct51へと戻る。
メーカサーバ6においてCPU61は、上記のように実績情報が通知されたことに応じて、図12中のAct31においてYESと判定し、Act42へと進む。
Act42においてCPU61は、新たなデータレコードR4を生成し、これを履歴情報テーブル64cに追加する。CPU61は具体的には、通知された実績情報を、新たなデータレコードR4のフィールドF41に記述する。またCPU61は、通知された実績情報に含まれた顧客コードに関連付けて顧客情報バッファ64bに記憶されている個人情報を、新たなデータレコードR4のフィールドF42に記述する。CPU61は、さらに具体的には、通知された実績情報に含まれた顧客コードがフィールドF31に記述されているデータレコードR3を顧客情報バッファ64bから見つける。そしてCPU61は、そのデータレコードR3のフィールドF32に記述された個人情報を、新たなデータレコードR4のフィールドF42に記述する。そしてCPU61はこののちに、Act31〜33の待ち受け状態に戻る。かくして制御プログラムに基づいて上記の制御処理をCPU61が実行することによって、CPU61を中枢部分とするコンピュータは管理部として機能する。
以上のように特典提供システム100によれば、メーカサーバ6において、店舗における商品の購入状況を表した実績情報と、顧客の個人情報とを関連付けて管理できるようになる。これにより、顧客の属性などを考慮しての商品販売の実態を分析することなどが可能となり、メーカにおける商品製造に関わる種々の情報を得ることが可能となる。そして特典提供システム100では、個人情報を、店舗システム101を介すことなく、端末装置5からメーカサーバ6が直接的に取得するので、個人情報保護の観点での諸問題も回避できる。
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
特典の提供者は、メーカには限らない。
棚札管理装置2から端末装置5への情報の通知を棚札装置1にて行っても良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1] 商品に関連付けて棚札装置が設置された店舗を利用する顧客によって所持される端末装置と、
前記店舗の運営者により運用される店舗システムと、
前記顧客に特典を提供する提供者により運用される提供者システムと、を含んだ特典提供システムであって、
前記端末装置に設けられ、前記棚札装置の個々を識別するための棚札コードを前記棚札装置から取得する第1の取得部と、
前記端末装置に設けられ、前記第1の取得部により取得された前記棚札コードが関連付けられた商品についての特典が前記提供者により提供されている場合に、前記顧客を識別するための顧客コードと当該顧客の個人情報とを前記提供者システムへと通知する第1の通知部と、
前記提供者システムに設けられ、前記第1の通知部により通知された前記個人情報に基づいて前記特典の提供の許否を決定する第1の決定部と、
前記提供者システムに設けられ、前記第1の決定部による決定結果を表した許否情報を前記店舗システムに通知する第2の通知部と、
前記店舗システムに設けられ、前記店舗における前記顧客に対して前記特典を与えるための提供処理を実行する提供処理部と、
前記店舗システムに設けられ、前記顧客による商品の購入状況が前記特典の提供条件に合致し、かつ当該特典の提供を許可することを前記第2の通知部により通知された前記許否情報が表す場合に、前記提供処理を実行するよう前記提供処理部を制御する制御部と、
前記店舗システムに設けられ、前記提供処理部が前記提供処理を実行することによる前記特典の提供対象となる顧客についての前記顧客コードを取得する第2の取得部と、
前記店舗システムに設けられ、前記提供処理部による前記特典の提供の実績を表した実績情報と前記第2の取得部により取得された前記顧客コードとを前記提供者システムに通知する第3の通知部と、
前記提供者システムに設けられ、前記第3の通知部により通知された顧客コードと同じ顧客コードとともに前記第1の通知部により通知された個人情報を、前記第3の通知部により通知された前記実績情報と関連付けて管理する管理部と、を具備したことを特徴とする特典提供システム。
[付記2] それぞれ異なる複数の提供者により運用される複数の前記提供者システムを含み、
前記端末装置に設けられ、前記第1の取得部により取得された前記棚札コードを前記店舗システムに通知する第4の通知部と、
前記店舗システムに設けられ、前記第4の通知部により通知された前記棚札コードに関連付けられた商品を識別するための商品コード、前記商品に関する特典を提供する提供者により運用される前記提供者システムにアクセスするためのアクセス情報、ならびに前記店舗を識別するための店舗コードを前記端末装置に通知する第5の通知部と、
前記端末装置に設けられ、前記第5の通知部により通知された前記アクセス情報に基づいて前記複数の提供者システムのうちの1つにアクセスし、当該提供者システムに対して、前記第5の通知部により通知された前記商品コードおよび前記店舗コードを通知する第6の通知部と、
前記複数の提供者システムのそれぞれに設けられ、前記第6の通知部により通知された前記商品コードおよび前記店舗コードに基づいて、前記特典の提供対象であるか否かを判定する第1の判定部と、
前記複数の提供者システムのそれぞれに設けられ、前記第1の判定部による判定結果を前記商品コードおよび前記店舗コードの通知に対する応答として前記端末装置へと通知する第7の通知部と、をさらに具備し、
かつ前記第1の通知部は、前記第7の通知部により前記特典の提供対象である旨が通知された場合に、前記個人情報を前記提供者システムへと通知することを特徴とする付記1に記載の特典提供システム。
[付記3] 前記端末装置に設けられ、前記特典の利用のためには前記個人情報が前記提供者に通知されることを前記顧客に通知するための動作を伴って、前記特典の利用を希望するか否かを前記顧客の指示に応じて判定する第2の判定部をさらに備え、
前記第1の通知部または前記第6の通知部は、前記第2の判定部により前記特典の利用を希望すると判定された場合に、前記個人情報の通知または前記商品コードおよび前記店舗コードの通知を行うことを特徴とする付記2に記載の特典提供システム。
[付記4] 前記提供処理部は、前記提供者により提供される特典を前記顧客に与えるための提供処理の他に、前記運営者により提供される特典を前記顧客に与えるための提供処理を実行するものであり、
前記端末装置はさらに、
前記第1の取得部により取得された前記棚札コードが関連付けられた商品についての特典が前記提供者により提供されており、かつ当該商品についての別の特典が前記運営者により提供されている場合に、これらの特典のいずれを適用特典とするかを決定する第2の決定部と、
前記第2の決定部により、前記運営者により提供されている特典が前記適用特典として決定された場合に、その旨を前記店舗システムへと通知する第8の通知部と、を具備し、
前記第1の通知部は、前記第1の取得部により取得された前記棚札コードが関連付けられた商品についての特典が前記提供者により提供されている場合であり、かつ前記第2の決定部により、前記提供者により提供されている特典が前記適用特典として決定された場合に、前記顧客の個人情報を前記提供者システムへと通知し、
前記制御部は、前記第8の通知部により、前記運営者により提供されている特典が前記適用特典として決定された旨が通知された場合に、前記運営者により提供されている特典を前記顧客に与えるための提供処理を実行するよう前記提供処理部を制御することを特徴とする付記1−3のいずれか一項に記載の特典提供システム。
[付記5] 前記第2の決定部は、前記顧客の指示に応じて前記適用特典を決定することを特徴とする付記4に記載の特典提供システム。