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JP6103987B2 - 鞍乗り型車両の前方構造 - Google Patents

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Description

本発明は、自動二輪車などの鞍乗り型車両の前方構造に関する。
従来から、自動二輪車などの鞍乗り型車両の車体の前方の覆うフロントカウルに、開口を設け、この開口を介して走行風を、ヘッドライトの近傍に配置したオイルクーラー(熱交換器)に導入することは、公知である(下記特許文献1参照)。オイルクーラーは、燃料タンクの内側に設けられたオイルタンクに、配管を介して接続されている。この従来技術では、ヘッドライトと熱交換器とを左右方向に配列している。
特開平9−95273号公報
しかし、この従来技術において仮にヘッドライトと熱交換器とを上下方向に配列させた構造を採用する場合には、フロントカウルが上下方向に大きくなってしまう。そのため、デザイン性(外観商品性)と機能(特に熱交換器への走行風の導風性)との両立が困難であった。
本発明は、ヘッドライトの近傍に熱交換器を配置した鞍乗り型車両の前方構造において、デザイン性を確保すると共に、熱交換器への走行風の導風性が高い鞍乗り型車両の前方構造を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、ヘッドライトを車体に取り付けるステーと、前記ステーに取り付けられ且つ前記ヘッドライトの近傍に配置される熱交換器と、を備える鞍乗り型車両の前方構造であって、前記熱交換器は、前記ヘッドライトの下方に配置され、前記鞍乗り型車両は、前記熱交換器の前方下端部から連続して前下方へ延びる下部導壁部材と、前記ヘッドライトの下面と前記熱交換器の前方上端部とを連結する上部導壁部材と、をを更に備え、前記ヘッドライトの下面と前記下部導壁部材との間に、導風路が形成され、前記導風路により、走行風を前記熱交換器に指向させ、前記上部導壁部材の後部及び前記熱交換器の前方上端部は、左右方向の中央において、前記ヘッドライトの下面よりも高い位置に配置されることを特徴とする。
請求項2に記載の発明においては、前記熱交換器は、後傾した状態で前記ステーに取り付けられ、前記下部導壁部材は、前記熱交換器との間に鈍角を形成するように後傾した状態で、前記ステーに取り付けられることを特徴とする。
請求項3に記載の発明においては、前記ヘッドライトの下面は、正面視において上に凸の形状を有し、前記ヘッドライトの下面と前記下部導壁部材の上面とにより、略二等辺三角形の前記導風路の導入口が形成されることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、前記上部導壁部材の両端部と前記下部導壁部材の両端部とをそれぞれ連結する側部導壁部材を更に備えることを特徴する。
請求項6に記載の発明においては、前記熱交換器はオイルクーラーであり、前記ステーの上部には、フロントカウル及びミラーが取り付けられることを特徴する。
請求項7に記載の発明においては、前記ステーの一方の側部には、レギュレータが取り付けられ、前記ステーの他方の側部には、リレーが取り付けられることを特徴することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、ヘッドライトの下方の限られた空間に熱交換器及び下部導壁部材を配置することができる。そのため、デザイン性を確保しながら、熱交換器及び下部導壁部材をコンパクトに配置できると共に、走行風を熱交換器に効率よく導くことができる。
請求項2に記載の発明によれば、下部導壁部材と熱交換器との間に鈍角を形成しているため、下部導壁部材は、前下方に向けて傾斜する。そのため、走行風を正面側からだけではなく、前輪側からの導入することができ、熱交換器の冷却効果を向上できる。
請求項3に記載の発明によれば、ヘッドライトの下方の限られた空間において導風路の導入口を効率的に大きく確保できる。そのため、熱交換器の冷却効果を向上できる。
請求項に記載の発明によれば、ヘッドライトの下方を通過した走行風を、ロスが少ない状態で熱交換器に導き、熱交換器に当てることができる。そのため、熱交換器の冷却効果を向上できる。
請求項5に記載の発明によれば、導風路に導入された走行風を、左右方向(車幅方向)へのロスが少ない状態で熱交換器に導き、熱交換器に当てることができる。そのため、熱交換器の冷却効果を向上できる。
本発明の実施形態に係る鞍乗り型車両としての自動二輪車1を示す左側面図である。 本発明の実施形態に係る鞍乗り型車両としての自動二輪車1を示す正面図である。 自動二輪車1の前方構造1Aについてフロントカウル43等を外した状態で示す左側面図である。 自動二輪車1の前方構造1Aについてフロントカウル43等を外した状態で示す正面図である。 自動二輪車1の前方構造1Aについて、ヘッドライト65、フロントカウル43等を外した状態で示す斜視図である。 図3からヘッドライト65を外した状態を示す左側面図である。 図4からヘッドライト65を外した状態を示す正面図である。 図6を右側から視た右側面図である。 ヘッドライト65、オイルクーラー42等の周辺の構造を左側から示す縦断面図である。 図9の部分拡大図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。先ず、図1、図2を参照しながら、本発明の実施形態に係る鞍乗り型車両としての自動二輪車1の全体構成について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る鞍乗り型車両としての自動二輪車1を示す左側面図である。図2は、本発明の実施形態に係る鞍乗り型車両としての自動二輪車1を示す正面図である。
以下の説明において、前後、左右及び上下の各方向については、特に断りがない限り、自動二輪車1に乗車する乗員(運転者)から見た方向に従う。また、図中、矢印FRは車両の前方を示し、矢印LHは車両の左側を示し、矢印UPは車両の上方を示す。DFは前後方向を示し、DWは車幅方向を示し、DVは上下方向を示す。
図1に示すように、本実施形態の自動二輪車1は、車体フレーム3等の車体2と、前輪WFと、後輪WRと、エンジン29と、燃料タンク37と、センタースタンド31と、を主体として構成される。
車体フレーム3は、ヘッドパイプ5と、メインチューブ7と、センターチューブ9と、シートレール11とを備えている。メインチューブ7は、ヘッドパイプ5から斜め後方に延出する。センターチューブ9は、メインチューブ7の後端から下方に延出する。シートレール11は、メインチューブ7から後方に延出する。
センタースタンド31は、センターチューブ9の下端部に、車体2の下部に格納できるように、又は地面に立てるように起伏自在に、取り付けられている。センタースタンド31は、起立させられることにより、車体フレーム3を支持可能である。
前輪WFは、車軸91において、アウターチューブ15及びインナーチューブ17からなる左右のフロントフォーク19,19により、軸支されている。各インナーチューブ17の上部は、トップブリッジ21及びボトムブリッジ23により、支持されている。各インナーチューブ17の上部において、ヘッドパイプ5には、ステアリングステム25が挿通されている。ステアリングステム25は、トップブリッジ21及びボトムブリッジ23に連結されている。左右のフロントフォーク19,19には、それぞれブレーキキャリパー13,13が設けられている。トップブリッジ21上に設けられたハンドル27は、前輪WFを操舵可能である。
エンジン29は、水冷式のエンジン(内燃機関)であり、メインチューブ7及びセンターチューブ9により支持されている。前輪WFの後方であってエンジン29の前方には、ラジエータ41が設けられている。ラジエータ41は、エンジン29の内部を循環するエンジン冷却水を、空冷式で冷却する。後輪WRは、センターチューブ9に接続されたスイングアーム33により回転可能に支持されている。後輪WRは、エンジン29の動力によりドライブシャフト35を介して、駆動される。
メインチューブ7上には、燃料タンク37が固定されている。燃料タンク37の内側には、オイルタンク(図示せず)が設けられている。シートレール11上には、シート39が固定されている。
また、自動二輪車1は、フロントカウル43と、ヘッドライト65と、ウインドスクリーン45と、サイドカウル47と、シートカウル49と、フロントフェンダ51と、リヤフェンダ53と、を備えている。フロントカウル43は、自動二輪車1の前部に配置され、車体フレーム3の前部等を覆っている。ヘッドライト65は、フロントカウル43を介して前照灯を照射する。ヘッドライト65の下方には、導風路75が開口している。導風路75を介して、走行風はヘッドパイプ5の側へ導入される。フロントカウル43の左右には、それぞれバックミラー55が設けられている。ウインドスクリーン45は、フロントカウル43の上部に取り付けられている。サイドカウル47は、自動二輪車1の側部に配置され、エンジン29等を覆っている。シートカウル49は、自動二輪車1におけるシート39の下方の部分を覆っている。フロントフェンダ51は、前輪WFの上部を覆っている。リヤフェンダ53は、後輪WRの上部を覆っている。自動二輪車1は、フルカウリング形式の二輪車である。
次に、本実施形態の自動二輪車1の前方構造1Aの詳細について、図3〜図9を参照しながら説明する。図3は、自動二輪車1の前方構造1Aについてフロントカウル43等を外した状態で示す左側面図である。図4は、自動二輪車1の前方構造1Aについてフロントカウル43等を外した状態で示す正面図である。図5は、自動二輪車1の前方構造1Aについて、ヘッドライト65、フロントカウル43等を外した状態で示す斜視図である。図6は、図3からヘッドライト65を外した状態を示す左側面図である。図7は、図4からヘッドライト65を外した状態を示す正面図である。図8は、図6を右側から視た右側面図である。図9は、ヘッドライト65、オイルクーラー42等の周辺の構造を左側から示す縦断面図である。図10は、図9の部分拡大図である。
図3〜図9に示すように、前方構造1Aは、前述のヘッドパイプ5、フロントカウル43、ヘッドライト65、ウインドスクリーン45等に加えて、ステーとしてのフロントステー61と、熱交換器としてのオイルクーラー42と、不図示の交流発電機(ACG)による電圧を安定化させるレギュレータ67と、リレー68(スイッチリレー68A,ウィンカリレー68B)と、上部導壁部材71と、下部導壁部材72と、側部導壁部材73と、を備える。
フロントステー61は、複数のパイプ部材やフレート部材からなるアセンブリであり、ヘッドパイプ5の前方に配置するようにヘッドパイプ5に締結されている。フロントステー61には、フロントカウル43、ヘッドライト65、ウインドスクリーン45、オイルクーラー42、レギュレータ67、リレー68等が取り付けられており、これらは、フロントステー61によってヘッドパイプ5に取り付けられて支持される。
オイルクーラー42は、燃料タンク37の内側に設けられた前記オイルタンクに、配管(図示せず)を介して接続されている。図6、図8、図9に示すように、オイルクーラー42は、ヘッドライト65の近傍に且つヘッドライト65の下方に、配置される。
図5に示すように、上部導壁部材71、下部導壁部材72及び側部導壁部材73,73は、一体的に構成されている。
図9、図10に示すように、上部導壁部材71は、板状部材からなり、ヘッドライト65の下面651と熱交換器42の前方上端部とを連結する。上部導壁部材71の後端部及びオイルクーラー42の前方上端部は、左右方向(車幅方向DW)の中央において、ヘッドライト65の下面651よりも高い位置に配置される。
下部導壁部材72は、板状部材からなり、オイルクーラー42の前方下端部から連続して前下方へ延びる。オイルクーラー42の前方下端部は、ヘッドライト65の下面651よりも低い位置に配置される。
図5、図7に示すように、側部導壁部材73,73は、上部導壁部材71の両端部と下部導壁部材72の両端部とをそれぞれ連結する。
図9、図10に示すように、オイルクーラー42は、後傾した状態でフロントステー61に取り付けられる。下部導壁部材72は、オイルクーラー42との間に鈍角θを形成するように後傾した状態で、フロントステー61に取り付けられる。詳述すると、図10に示すように、左から視た縦断面図において、下部導壁部材72が延びる方向D72を基準として、オイルクーラー42が延びる方向D42が上向きに且つ後ろ向きに成す角度θは、90度超、180度未満(鈍角)である。この角度θは、例えば110度〜150度である。
また、前後方向DFを基準として、下部導壁部材72が延びる方向D72が上向きに且つ後ろ向きに成す角度θ1、及び、オイルクーラー42が延びる方向D42が上向きに且つ後ろ向きに成す角度θ2は、いずれも90度超、180度未満(鈍角)である。角度θ1>角度θ2の関係を有する。
図4〜図9に示すように、導風路75は、ヘッドライト65の下方に形成されている。ヘッドライト65の下面651は、正面視において上に凸の形状を有する。ヘッドライト65の下面651と下部導壁部材72の上面721との間に、略二等辺三角形の導風路75の導入口751が形成される。下流側において、導風路75は、上部導壁部材71と下部導壁部材72と側部導壁部材73,73とから形成される。図10に示すように、導風路75は、走行風RWをオイルクーラー42に指向させる。
図1〜図3に示すように、フロントカウル43及びミラー55は、フロントステー61の上部に取り付けられる。また、図3〜図8に示すように、フロントステー61の一方(左側)の側部には、レギュレータ67が取り付けられる。フロントステー61の他方(右側)の側部には、リレー68(スイッチリレー68A,ウィンカリレー68B)が取り付けられる。
本発明の実施形態によれば、以下のような効果が奏される。
本実施形態によれば、ヘッドライト65の下方の限られた空間に熱交換器としてのオイルクーラー42及び下部導壁部材72を配置することができる。そのため、デザイン性を確保しながら、オイルクーラー42及び下部導壁部材72をコンパクトに配置できると共に、走行風RWをオイルクーラー42に効率よく導くことができる。
本実施形態によれば、下部導壁部材72とオイルクーラー42との間に鈍角θを形成しているため、下部導壁部材72は、前下方に向けて傾斜する。そのため、走行風RWを正面側からだけではなく、前輪WF側からの導入することができ、オイルクーラー42の冷却効果を向上できる。
本実施形態によれば、ヘッドライト65の下方の限られた空間において導風路75の導入口751を効率的に大きく確保できる。そのため、オイルクーラー42の冷却効果を向上できる。
本実施形態によれば、ヘッドライト65の下方を通過した走行風RWを、ロスが少ない状態でオイルクーラー42に導き、オイルクーラー42に当てることができる。そのため、オイルクーラー42の冷却効果を向上できる。
本実施形態によれば、導風路75に導入された走行風RWを、左右方向(車幅方向DW)へのロスが少ない状態でオイルクーラー42に導き、オイルクーラー42に当てることができる。そのため、オイルクーラー42の冷却効果を向上できる。
本発明は、前記実施形態に制限されない。前記実施形態では、本発明を自動二輪車に適用して説明したが、本発明は、二輪車に限定されるものでなく、三輪車やその他の鞍乗り型車両に適用することも可能である。
ヘッドライトの近傍に配置される熱交換器は、オイルクーラーに制限されない。
1 自動二輪車(鞍乗り型車両)
1A 前方構造
2 車体
29 エンジン
41 ラジエータ
42 オイルクーラー(熱交換器)
55 バックミラー(ミラー)
61 フロントステー(ステー)
65 ヘッドライト
67 レギュレータ
68 リレー
68A スイッチリレー
68B ウィンカリレー
71 上部導壁部材
72 下部導壁部材
721 上面
73 側部導壁部材
75 導風路
751 導入口
DV 上下方向
DW 車幅方向
RW 走行風

Claims (6)

  1. ヘッドライト(65)を車体(2)に取り付けるステー(61)と、前記ステー(61)に取り付けられ且つ前記ヘッドライト(65)の近傍に配置される熱交換器(42)と、を備える鞍乗り型車両(1)の前方構造(1A)であって、
    前記熱交換器(42)は、前記ヘッドライト(65)の下方に配置され、
    前記鞍乗り型車両(1)は、前記熱交換器(42)の前方下端部から連続して前下方へ延びる下部導壁部材(72)と、前記ヘッドライト(65)の下面(651)と前記熱交換器(42)の前方上端部とを連結する上部導壁部材(71)と、を更に備え、
    前記ヘッドライト(65)の下面(651)と前記下部導壁部材(72)との間に、導風路(75)が形成され、前記導風路(75)により、走行風(RW)を前記熱交換器(42)に指向させ
    前記上部導壁部材(71)の後部及び前記熱交換器(42)の前方上端部は、左右方向の中央において、前記ヘッドライト(65)の下面(651)よりも高い位置に配置されることを特徴とする
    鞍乗り型車両(1)の前方構造(1A)。
  2. 前記熱交換器(42)は、後傾した状態で前記ステー(61)に取り付けられ、
    前記下部導壁部材(72)は、前記熱交換器(42)との間に鈍角(θ)を形成するように後傾した状態で、前記ステー(61)に取り付けられることを特徴とする
    請求項1に記載の鞍乗り型車両の前方構造。
  3. 前記ヘッドライト(65)の下面(651)は、正面視において上に凸の形状を有し、前記ヘッドライト(65)の下面(651)と前記下部導壁部材(72)の上面(721とにより、略二等辺三角形の前記導風路(75)の導入口(751)が形成されることを特徴とする
    請求項1又は2に記載の鞍乗り型車両の前方構造。
  4. 前記上部導壁部材(71)の両端部と前記下部導壁部材(72)の両端部とをそれぞれ連結する側部導壁部材(73)を更に備えることを特徴する
    請求項1〜3のいずれかに記載の鞍乗り型車両の前方構造。
  5. 前記熱交換器(42)はオイルクーラーであり、
    前記ステー(61)の上部には、フロントカウル(43)及びミラー(55)が取り付けられることを特徴する
    請求項1〜のいずれかに記載の鞍乗り型車両の前方構造。
  6. 前記ステー(61)の一方の側部には、レギュレータ(67)が取り付けられ、前記ステー(61)の他方の側部には、リレー(68,68A,68B)が取り付けられることを特徴する
    請求項1〜のいずれかに記載の鞍乗り型車両の前方構造。
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