JP6032131B2 - 温度センサ回路 - Google Patents
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Description
図8に、シミュレーションに用いた温度センサ回路10の構成を示す。この温度センサ回路10は、発振回路12と分周回路13と遅延回路14と遅延時間計測回路15とを備えている。発振回路12は、図2及び図4で例示したように、第1インバータINV1の11段で構成されたリングオシレータである。分周回路13は、NAND型のD型フリップフロップで構成された10ビットのバイナリカウンタである。このため、分周回路13は、クロック信号CLKの周波数を1/1024倍に低周波化する。遅延回路14は、図3及び図4で例示したように、第2インバータINV2の50段で構成されたインバータチェーンである。遅延時間計測回路15は、D型フリップフロップで構成された記憶装置(11ビット×2のラッチ回路である)を有するエンコーダである。遅延時間計測回路15は、分周回路13のカウンタ値を入力可能に構成されている。ここで、分周回路13の最上位ビットは、遅延回路14に入力するとともに、遅延時間計測回路15の記憶装置のリセット端子にも入力している。遅延回路14の出力は、遅延時間計測回路15の記憶装置のセット端子に入力している。遅延時間計測回路15の記憶装置は、セット端子に「1」が入力した時に分周回路13のカウント値を記憶し、リセット端子に「1」が入力した時に記憶していたカウント値を消去する。
(1)本実施例の温度センサ回路1,10は、1つの発振回路2,12から出力されるクロック信号CLKが、直列に接続された回路要素間のラインを経由するように構成されている。例えば、従来の温度センサ回路のように、2つの発振回路から出力される温度依存クロック信号と基準クロック信号が、並列に設けられた2つのラインを経由する場合に比して、回路構成を簡単化できる。
(2)従来の温度センサ回路では、温度依存クロック信号の周波数と基準クロック信号の周波数の絶対値を利用するものであり、それぞれの周波数を正確に調整する必要がある。しかしながら、プロセスバラツキの影響により、それぞれの周波数の正確に調整することは困難である。一方、本実施例の温度センサ回路1,10では、リングオシレータの第1インバータINV1の温度依存特性とインバータチェーンの第2インバータINV2の温度依存特性の相対的な差を利用するので、プロセスバラツキの影響が抑制される。
(3)また、本実施例の温度センサ回路1,10は、全ての回路要素をデジタル回路で構成することが可能である。このため、設計が容易であること、異なる製造プロセスに柔軟に対応できること、プロセスバラツキが抑制されること、低電圧で低消費電力化に対応できること、等のメリットがある。
図11に、リングオシレータ及びインバータチェーンを構成するCMOSのインバータINV1,INV2(図4参照)の断面図を模式的に示す。図11に示されるように、p型MOSFETである第1トランジスタTr1ではp+型ソースとn型ウェルの間に寄生の第1寄生ダイオードD1が存在しており、n型MOSFETである第2トランジスタTr2ではn+型ドレインとp型基板の間に寄生の第2寄生ダイオードD2が存在している。
2,12:発振回路
3,13:分周回路
4,14:遅延回路
5,15:遅延時間計測回路
Claims (7)
- CMOSインバータの複数個がリング状に接続されているリングオシレータを有しており、クロック信号を生成する発振回路と、
CMOSインバータの複数個が直列に接続されているインバータチェーンを有しており、前記クロック信号を利用して遅延信号を生成する遅延回路と、
前記遅延信号の遅延時間を前記クロック信号のクロック数に基づいて計測する遅延時間計測回路と、
前記リングオシレータの前記CMOSインバータの出力端子と前記インバータチェーンの前記CMOSインバータの出力端子の少なくともいずれか一方に接続されている電流調整回路と、を備えており、
前記クロック信号のパルス幅の温度に対する温度依存特性と前記遅延信号の前記遅延時間の温度に対する温度依存特性の相違に基づいて、前記遅延時間計測回路で計測される前記クロック数が温度に対して変動するように構成されている温度センサ回路。 - 前記インバータチェーンの前記CMOSインバータを構成する電界効果型トランジスタのゲート長が、前記リングオシレータの前記CMOSインバータを構成する電界効果型トランジスタのゲート長よりも長く、
前記電流調整回路は、前記インバータチェーンの前記CMOSインバータの出力端子に接続されている請求項1に記載の温度センサ回路。 - 前記インバータチェーンの前記CMOSインバータを構成するp型の電界効果型トランジスタのゲート幅が、前記インバータチェーンの前記CMOSインバータを構成するn型の電界効果型トランジスタのゲート幅よりも長く、
前記p型の電界効果型トランジスタを流れるリーク電流値が、前記n型の電界効果型トランジスタを流れるリーク電流値と前記電流調整回路を流れる電流値の合計値に略等しい請求項2に記載の温度センサ回路。 - 前記電流調整回路は、ダイオードである請求項1〜3のいずれか一項に記載の温度センサ回路。
- 前記リングオシレータの前記CMOSインバータを構成する電界効果型トランジスタと前記インバータチェーンの前記CMOSインバータを構成する電界効果型トランジスタが、異なるチャネル長変調効果を有するように構成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の温度センサ回路。
- 前記クロック信号を低い周波数に変換した低周波信号を生成し、前記遅延回路に提供する分周回路をさらに備えており、
前記遅延時間は、前記低周波信号の立ち上がりと前記遅延信号の立ち上がりの時間差である請求項1〜5のいずれか一項に記載の温度センサ回路。 - 前記分周回路は、複数段のバイナリカウンタを有しており、
前記遅延時間計測回路は、前記バイナリカウンタのカウント値を記憶可能に構成されている記憶装置を有しており、
前記記憶装置は、前記遅延回路の出力の立ち上がりに応答して、前記バイナリカウンタの前記カウント値を記憶する請求項6に記載の温度センサ回路。
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