以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施形態の撮像装置の一例を示す機能ブロック図である。撮像装置10は、撮像光学系15、撮像素子16、操作部材17、レンズ駆動回路18、測光回路19、CPU20、撮像素子駆動回路21、A/D変換器22、画像処理回路23、液晶モニタ24、圧縮伸長処理回路25、表示出力回路26、記憶媒体27を備えている。
不図示の被写体の像は、撮像光学系15によって、撮像素子16の撮像面上に結像される。撮像光学系15は、複数枚のレンズで構成され、操作部材17の操作などに基づいて、レンズ駆動回路18を介して、フォーカス、ズームなどの調整が可能な構成とされている。
撮像素子16は、例えばCMOSイメージセンサが用いられる。このCMOSイメージセンサは、例えば赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色のカラーフィルタを市松状に配置したベイヤー配列のカラーフィルタアレイを備えた単板式カラーセンサが用いられる。この撮像素子16は、静止画像の単写撮像とともに、静止画像の連続撮像、及び動画像の撮像が可能な撮像素子である。この撮像素子16は、測光回路19で得られた被写体の測光データに基づいて、CPU20の制御のもとで、撮像素子駆動回路21によって駆動される。撮像素子16により読み出された画像信号は、A/D変換器22に入力される。
A/D変換器22は、撮像素子16から読み出されたアナログの画像信号に対してA/D変換処理を施し、デジタルの画像信号に変換する。デジタルの画像信号は、画像処理回路23に入力される。
画像処理回路23は、入力された画像信号に対して、ホワイトバランス処理、γ変換処理、エッジ強調処理などの画像処理を施す。この画像処理回路23は、必要に応じて、入力される画像信号に対して、色空間変換処理を実行する。
また、画像処理回路23は、液晶モニタ24に表示を行うための解像度(画素数)変換処理を施し、圧縮伸長処理回路25及び表示出力回路26に出力する。表示出力回路26は、画像処理回路23から入力された画像信号に所定の信号処理を施し、液晶モニタ24に出力する。なお、表示出力回路26は、さらに、CPU20の制御に基づいて、必要に応じて、画像処理回路23から出力された画像信号に、撮影メニュー、カーソルなどのオーバーレイ画像信号を重畳する処理を行う。これにより、液晶モニタ24には、被写体画像にオーバーレイ画像が重畳されて表示される。
圧縮伸長処理回路25は、入力された画像信号に対して圧縮処理を施し、記憶媒体27に記憶する。また、この他に、圧縮伸長処理回路25は、記憶媒体27に記憶された画像信号が読み出されたときに、読み出された画像信号に対して復号化処理を施し、画像処理回路23および表示出力回路26を介して、液晶モニタ24に供給する。
CPU20は、操作部材17の一部を構成するレリーズボタンの操作に基づいて、撮像画面上に設定された領域(AFエリア)の画像信号を抽出し、該領域のコントラスト値(もしくは、該領域の高空間周波数成分量)を算出し、算出結果をもとに、撮像素子16の撮像面上における被写体像のフォーカス状態を調整する、いわゆるコントラストAF動作を行う。
また、CPU20は、撮像光学系15を駆動し、順次得られる画像信号を画像内の被写体毎に解析し、領域内のコントラスト値が最大となった際のレンズ位置をもとに、被写体毎の撮影距離情報を取得する。
なお、自動合焦動作として、コントラストAF動作を例に挙げているが、これに限定される必要はなく、周知の瞳分割方式の位相差AF動作を用いることも可能である。この場合にも、自動合焦点動作によって、各領域の撮影距離情報を得ることができる。
CPU20は、操作部材17の一部を構成するズーム操作部材の操作に基づいて、レンズ駆動回路18を介して撮像光学系15を駆動し、撮像素子16の撮像面上に結像される被写体像を拡大、又は縮小する、光学的なズーム動作を実行する。さらに、CPU20は、操作部材17の一部を構成するズーム操作部材の操作に基づいて、撮像素子16により得られる画像信号、又は記憶媒体27に記憶される画像信号を、画像処理回路23による解像度(画素数)変換処理によって拡大または縮小する電気的なズーム動作を制御する。
次に、撮影により得られる動画像のサイズ(画像サイズ)が、静止画像の画像サイズに対して、水平方向及び垂直方向にそれぞれ1/3倍の画像サイズに設定される場合について、第1実施形態と称して説明する。
<第1実施形態>
まず、第1実施形態における撮像素子の構成について図2を用いて説明する。図2に示すように、撮像素子16は、画素部41、プリチャージ部42a,42b、切替え部43a,43b、垂直走査回路44、水平走査回路45a,45bを備えている。
画素部41は、複数の画素が水平方向である行方向と垂直方向である列方向とに2次元に配置される。なお、図2において、「R」は、赤(R)色のカラーフィルタが配置される画素、「G」は、緑(G)色のカラーフィルタが配置される画素、「B」は、青(B)色のカラーフィルタが配置される画素である。以下、赤(R)色のカラーフィルタが配置される画素をR色画素、緑(G)色のカラーフィルタが配置される画素をG色画素、青(B)色のカラーフィルタが配置される画素をB色画素と称して説明する。
この撮像素子16においては、同一列に配置される画素に対して、2本の垂直信号線47a,47bが設けられている。各画素に設けられるカラーフィルタは、R色、G色、B色の各色カラーフィルタが2×2の配列パターンによるベイヤー配列にて配列された構成からなる。例えば、R色画素、G色画素が交互に配置される列(奇数の列)においては、垂直信号線47aはR色画素と接続され、垂直信号線47bはG色画素と接続される。また、G色画素、B色画素が交互に配置される列(偶数の列)においては、垂直信号線47aはB色画素と接続され、垂直信号線47bはG色画素と接続される。
プリチャージ部42a,42bは、各垂直信号線47a,47bにソース電極が接続されたプリチャージトランジスタPREと、プリチャージトランジスタPREのゲート電圧に制御信号φPREを供給する行信号線とを含む。各プリチャージトランジスタPREのドレイン電極には、プリチャージ電圧Vpreが供給される。各列に設けられる垂直信号線47a,47bは、各画素から電圧信号(画素信号)を読み出す前に、対応のプリチャージトランジスタPREを介して所定のプリチャージ電圧Vpreにプリチャージされる。
切替え部43aは、コンデンサCD1、加算トランジスタADD1,ADD2,ADD3,ADD4,ADD5,ADD6、スイッチングトランジスタSW1、制御信号φADD1、φADD2、φADD3,φADD4,φADD5,φADD6、制御信号φLINE1,φLINE2,φLINE3,φLINE4を供給する10本の行信号線とから構成される。コンデンサCD1は、画素部41に設けられる複数の画素のうち、各列に配置されるG色画素から垂直信号線47bに出力された電圧信号を保持する。
加算トランジスタADD1は、6R−5(R=1,2,3・・)列目の垂直信号線47bと、6R−4列目の垂直信号線47bとのそれぞれに接続される。この加算トランジスタADD1は、制御信号φADD1が出力されることでオンとなり、6R−5列目の垂直信号線47bと6R−4列目の垂直信号線47bとを短絡させる。
加算トランジスタADD2は、6R−4列目の垂直信号線47bと6R−3列目の垂直信号線47bとのそれぞれに接続される。この加算トランジスタADD2は、制御信号φADD2が出力されることでオンとなり、6R−4列目の垂直信号線47bと6R−3列目の垂直信号線47bとを短絡させる。
加算トランジスタADD3は、6R−3列目の垂直信号線47bと6R−2列目の垂直信号線47bとのそれぞれに接続される。この加算トランジスタADD3は、制御信号φADD3が出力されることでオンとなり、6R−3列目の垂直信号線47bと6R−2列目の垂直信号線47bとを短絡させる。
加算トランジスタADD4は、6R−2列目の垂直信号線47bと6R−1列目の垂直信号線47bとのそれぞれに接続される。この加算トランジスタADD4は、制御信号φADD4が出力されることでオンとなり、6R−2列目の垂直信号線47bと6R−1列目の垂直信号線47bとを短絡させる。
加算トランジスタADD5は、6R−1列目の垂直信号線47bと6R列目の垂直信号線47bとのそれぞれに接続される。この加算トランジスタADD5は、制御信号φADD5が出力されることでオンとなり、6R−1列目の垂直信号線47bと6R列目の垂直信号線47bとを短絡させる。
加算トランジスタADD6は、6R列目の垂直信号線47bと6R+1列目の垂直信号線47bとのそれぞれに接続される。この加算トランジスタADD6は、制御信号φADD6が出力されることでオンとなり、6R列目の垂直信号線47bと6R+1列目の垂直信号線47bとを短絡させる。
スイッチングトランジスタSW1は、列ごとに読み出した電圧信号を読み出す。例えば、4S−3(S=1,2,3,・・・)列に配置されるスイッチトランジスタSW1のゲート電極には信号φLINE1が入力され、4S−2列に配置されるスイッチトランジスタSW1のゲート電極には信号φLINE2が入力される。また、4S−1列に配置されるスイッチトランジスタSW1のゲート電極には信号φLINE3が入力され、4S列に配置されるスイッチトランジスタSW1のゲート電極には信号φLINE4が入力される。このスイッチングトランジスタSW1がオンとなることにより、対応する列のコンデンサCD1に保持される電圧信号がカラムアンプCAMP1に出力される。
切替え部43bは、コンデンサCD2、加算トランジスタADD7,ADD8,ADD9,ADD10、スイッチングトランジスタSW2、制御信号φADD7,φADD8,φADD9,φADD10、制御信号φLINE5,φLINE6,φLINE7、φLINE8を供給する8本の行信号線とから構成される。コンデンサCD2は、画素部41に設けられる複数の画素のうち、各列に配置されるR色画素、又はB色画素から垂直信号線47aに出力された電圧信号を保持する。
加算トランジスタADD7は、6R−5列目の垂直信号線47aと、6R−3列目の垂直信号線47aとに接続される。この加算トランジスタADD7は、制御信号φADD7が出力されることでオンとなり、6R−5列目の垂直信号線47aと6R−3列目の垂直信号線47aとを短絡させる。
加算トランジスタADD8は、6R−4列目の垂直信号線47aと、6R−2列目の垂直信号線47aとに接続される。この加算トランジスタADD8は、制御信号φADD8が出力されることでオンとなり、6R−4列目の垂直信号線47aと6R−2列目の垂直信号線47aとを短絡させる。
加算トランジスタADD9は、6R−2列目の垂直信号線47aと、6R列目の垂直信号線47aとに接続される。この加算トランジスタADD9は、制御信号φADD9が出力されることでオンとなり、6R−2列目の垂直信号線47a、6R列目の垂直信号線47aを短絡させる。
加算トランジスタADD10は、6R−1列目の垂直信号線47aと、6R+1列目の垂直信号線47aとに接続される。この加算トランジスタADD10は、制御信号φADD10が出力されることでオンとなり、6R−1列目の垂直信号線47a、6R+1列目の垂直信号線47aを短絡させる。
スイッチングトランジスタSW2は、列ごとに読み出した電圧信号を読み出す。ここで、4S−3列に配置されるスイッチトランジスタSW2のゲート電極には制御信号φLINE5が入力され、4S−2列に配置されるスイッチトランジスタSW2のゲート電極には信号φLINE6が入力される。また、4S−1列に配置されるスイッチトランジスタSW2のゲート電極には信号φLINE7が入力され、4S列に配置されるスイッチトランジスタSW2のゲート電極には信号φLINE8が入力される。このスイッチングトランジスタSW2がオンとなることにより、対応する列のコンデンサCD2に保持される電圧信号がカラムアンプCAMP2に出力される。
カラムアンプCAMP1及びカラムアンプCAMP2は、対応の垂直信号線に接続された各画素から出力された電圧信号を受ける。各画素からは、入射光を受光した際の光電変換によって得られる電荷量に応じた電圧信号(光信号)と、光電変換によって生成された電荷がリセットされたときの電圧信号(暗信号)とを出力する。これらカラムアンプCAMP1,CAMP2は、光信号と暗信号とをサンプルホールドし、光信号と暗信号との差分を示す差分信号を増幅して出力する。
垂直走査回路44は、図示を省略した信号生成回路とバッファ回路とを備え、制御信号φTX、制御信号φRST、制御信号φSW3及び制御信号φGAINの各信号や電源VCCを、画素部41に2次元に配置される各画素に対して行毎に供給する。
水平走査回路45aは、プリチャージ部42aに対して制御信号φPREや、電源Vpreを供給する。また、水平走査回路45aは、切替え部43aに対して制御信号φADD1,φADD2,φADD3,φADD4,φADD5,φADD6,制御信号φLINE1,φLINE2,φLINE3,φLINE4の各信号を供給する。
同様にして、水平走査回路45bは、プリチャージ部42bに対して制御信号φPREや電源Vpreを供給する。また、水平走査回路45bは、切替え部43bに対して制御信号φADD7,φADD8,φADD9,φADD10,制御信号φLINE5、φLINE6,φLINE7、φLINE8の各信号を供給する。
次に、撮像素子16の画素部41に配置される画素の構成について、図3を用いて説明する。撮像素子16の画素Pは、フォトダイオードPD、転送トランジスタTX、フローティングディフュージョンFD、増幅トランジスタAMI、リセットトランジスタRST、電流源ISS、スイッチングトランジスタSW3、アンプAMPを備えている。
フォトダイオードPDは、入射光を光電変換することにより、入射光の受光量に応じた電荷を生成する。転送トランジスタTXは、ゲート電極に供給される制御信号φTXに応答して、フォトダイオードPDにて生成された電荷をフローティングディフュージョンFDに転送する。フローティングディフュージョンFDは、転送トランジスタTXから転送された電荷を蓄積する。フローティングディフュージョンFDの電位は、蓄積された電荷量に応じて決まる。
増幅トランジスタAMIは、そのドレイン電極が電源ノードVCCに接続され、そのゲート電圧がフローティングディフュージョンFDに接続される。また、増幅トランジスタAMIのソース電極は電流源ISSに接続される。この増幅トランジスタAMIによりソースフォロアが構成される結果、増幅トランジスタAMIのソース電極には、フローティングディフュージョンFDの電位に応じた電圧が生じる。
リセットトランジスタRSTは、電源ノードVCCとフローティングディフュージョンFDとの間に接続される。リセットトランジスタRSTは、そのゲート電極に供給される制御信号φRSTに応答してフローティングディフュージョンFDの電位をリセットする。
アンプAMPは、増幅トランジスタAMIにより生じる電圧に対して所定のゲインを乗算することで入力される電圧を増幅する。なお、入力される電圧に対して乗算されるゲインについては後述するが、アンプAMPは、例えば撮像素子16に配置される複数の画素を全て読み出す際に用いるゲインと、撮像素子16に配置される複数の画素を間引きながら加算して読み出す際に用いるゲインとを切り替えることができるようになっている。なお、このゲインの切り替えは、制御信号φGAINの出力の有無により実行される。スイッチングトランジスタSW3は、信号φSW3の出力によりオンとなる。このスイッチングトランジスタSW3がオンとなることで、アンプAMPにより増幅された電圧信号が垂直信号線47に出力される。
次に、各画素におけるアンプAMPのゲインについて説明する。なお、静止画像を撮影する場合には、全画素読み出しにより撮像素子16を制御することから、各画素のアンプAMPに対するゲインは1となる。
一方、動画像を撮影する場合には、加算間引き読出しにより撮像素子16を制御する。上述したように、第1実施形態では、撮影により得られる動画像の画像サイズは、静止画像の画像サイズ(W×H)に対して、水平方向及び垂直方向にそれぞれ1/3倍に縮小した、W/3×H/3の画像サイズに設定される。
撮像素子16における各画素の位置を、R(i,j)、G(i+1,j)、G(i,j+1)、B(i+1,j+1)等で表す。なお、iは水平方向の座標、jは垂直方向の座標である。一方、取得される動画像における各画素の位置を、R’(x,y)、G’(x,y)、B’(x,y)等で表す。なお、xは水平方向の座標、yは垂直方向の座標である。
図4は、加算間引き読出しにより読み出された動画像の画素と、撮像素子16上の画素の位置関係を示している。図4においては、撮像素子16の画素部41に配置される各画素を薄線で示し、動画像の各画素を太線で示している。第1実施形態は、撮像素子16の画素部41に配置される画素のうち、4行4列の画素の範囲(ハッチングの範囲)に含まれる同色画素の信号値を加重加算することで、動画像の画素の各色成分の信号値を生成する場合を示す。以下、4行4列の画素の範囲を読出範囲と称し、符号60を付与する。
読出範囲60における同色画素の信号値を用いた加重加算は、動画像の画素における各色成分の重心位置が、読出範囲60における重心位置と一致するように実行される。なお、図4においては、記号「○」で示す位置が読出範囲60における重心位置である。
加算間引き読出しにより生成される画素における各色成分の重心位置を、読出範囲における重心位置と一致させる方法として、加重加算における各画素の加重係数をガウス分布に基づいて設定することが挙げられる。図5は、4行4列の画素の範囲を読出範囲とした場合に設定される各画素に対する重みの一例である。読出範囲に含まれる各画素の重みは、読出範囲60の重心位置を中心とするガウス分布に基づいて設定される。
図6に示すように、左上隅にあるR色画素を基準にした4行4列の画素の範囲(ハッチングの領域)を読出範囲60とした場合について考慮する。この読出範囲60においては、撮像素子16上の座標(i,j)にあるR色画素が基準となる画素(以下、基準画素)として設定される。この場合、動画像における座標(x,y)にある画素のR色成分、G色成分、B色成分の各信号値は(1)式で表わされる。なお、2×2画素のベイヤー配列においては、G色画素が2画素含まれることから、以下、G画素については、Gr画素、Gb画素と称する。
ここで、R’(x,y)、G’(x,y)、B’(x,y)はそれぞれ、動画像における座標(x、y)にある画素を示す。つまり、左上隅に位置するR色画素を基準画素とした読出範囲60の場合、読出範囲60に含まれる各画素のアンプAMPのゲインは、上述した(1)式が成り立つように設定される。
次に、図7に示すように、左上隅にあるGr色画素を基準にした4行4列の画素の範囲(ハッチングの領域)を読出範囲60とした場合について考慮する。上述したように、撮像素子16の画素部41に配置される各色成分の画素は、2×2画素のベイヤー配列となる。一方、動画像においては、全画素読み出しにより読み出される画像のサイズに対して、水平方向及び垂直方向のそれぞれに縮小率が1/3倍の画像のサイズであることを考慮すると、読出範囲60は図7に示すハッチングの領域となる。ここで、読出範囲60に含まれる画素のうち、左上隅にあるGr色画素、言い換えれば座標(i+3,j)にあるGr画素を基準画素としたときには、i+3列目に配置される画素が再度読み出される。この場合、動画像における座標(x+1,y)にある画素のR色成分、G色成分、B色成分の各信号値は、(2)式で表すことができる。
つまり、左上隅にあるGr色画素を基準画素とした読出範囲60の場合、読出範囲60に含まれる各画素のアンプAMPのゲインは、上述した(2)式が成り立つように設定される。
次に、図8に示すように、左上隅にあるGb色画素を基準画素とした4行4列の画素の範囲(ハッチングの領域)を読出範囲60とした場合について考慮する。この場合、読出範囲60が、図8に示すハッチングの領域となる。ここで、読出範囲60に含まれる画素のうち、左上隅にあるGb画素、言い換えれば座標(i,j+3)にあるGb画素を基準画素としたときには、j+3行目に配置される画素が再度読み出される。この場合、動画像における座標(x、y+1)にある画素のR色成分、G色成分、B色成分の各信号値は、(3)式で表すことができる。
つまり、左上隅にあるGb色画素を基準画素とした読出範囲60の場合、読出範囲60に含まれる各画素のアンプAMPのゲインは、上述した(3)式が成り立つように設定される。
最後に、図9に示すように、左上隅にあるB色画素を基準にした4行4列の画素の範囲(ハッチングの領域)を読出範囲60とした場合について考慮する。この場合、読出範囲60が、図9に示すハッチングの領域となる。読出範囲60に含まれる画素のうち、左上隅にあるB画素、言い換えれば座標(i+3,j+3)にあるB色画素を基準画素としたときには、i+3列目及びi+3行目に配置される画素が再度読み出される。この場合、動画像における座標(x+1,y+1)にある画素のR色成分、G色成分、B色成分の各信号値は、(4)式で表すことができる。
つまり、左上隅にあるB色画素を基準画素とした読出範囲60の場合、読出範囲60に含まれる各画素のアンプAMPのゲインは、上述した(4)式が成り立つように設定される。
次に、撮像素子16から画像信号を読み出す場合の処理について説明する。静止画像の撮影においては、撮像素子16の画素部41に配置された複数の画素のそれぞれで蓄積された電荷を、画素毎に読み出す、全画素読み出しにて実行される。この全画素読み出しにおいては、複数の画素を行毎に読み出していく。この全画素読み出しでは、垂直走査回路44は、制御信号φGAINを出力しない。これにより、各画素に設けられたアンプAMPのゲインが1となる。また、水平走査回路45a及び水平走査回路45bは、切替え部43aに設けられる各加算トランジスタに対しての制御信号を出力しない。この全画像読み出しにおいては、撮像素子16から出力される画像信号は、各画素の色成分がR色、G色、B色のいずれかの色成分からなる画像信号となる。
一方、動画像の撮影においては、撮像素子16の画素部41に配置された複数の画素のうち、例えば4行4列の画素の範囲を読出範囲として色成分毎に加重加算により読み出す、加算間引き読出しが行われる。
まず、垂直走査回路44は、読出範囲に含まれる4行に配置された各画素に対して制御信号φGAINを出力する。この出力を受けて、各画素のアンプAMPのゲインが1から加重加算を用いた加算間引き読出し時のゲインの値に切り替わる。なお、切り替わるゲインの値は、上述した(1)式から(4)式のいずれかの式を満たす値である。そして、垂直走査回路44は、制御信号φSW3を出力する。これにより、読出範囲に含まれる各画素から、アンプAMPにより増幅された電圧信号が対応する垂直信号線に出力される。この垂直信号線に出力された電圧信号は、コンデンサCD1に蓄積される。その後、垂直走査回路44は、制御信号φSW3の出力を停止する。
水平走査回路45aは、制御信号φADD1,φADD2,φADD3を出力する。これにより、加算トランジスタADD1,ADD2,ADD3がオンとなり、これら垂直信号線47bがそれぞれ短絡する。これにより、6R−5列目、6R−4列目、6R−3列目及び6R−2列目の垂直信号線47bにそれぞれ接続されるコンデンサCD1の電荷量が同一となる。その後、水平走査回路45aは、制御信号φADD1、φADD2、φADD3の出力を停止する。そして、水平走査回路45aは、制御信号φLINE1を出力する。これにより、6R−5列目の垂直信号線47bに接続されたスイッチトランジスタSW1がオンとなり、対応する垂直信号線47bに接続されたコンデンサCD1に蓄積された電荷量に基づく電圧信号がカラムアンプCAMP1に出力される。ここで、出力される電圧信号が、例えば動画像における座標(x,y)にある画素のG色成分の信号値となる。
水平走査回路45bは、制御信号φADD7,φADD8を出力する。加算トランジスタADD7がオンとなると、6R−5列目及び6R−4列目の垂直信号線47aが短絡する。これにより、6R−5列目及び6R−4列目の垂直信号線47aに接続されるコンデンサCD2の電荷量が同一となる。また、加算トランジスタADD8がオンとなると、6R−4列目及び6R−2列目の垂直信号線47aが短絡する。これにより、6R−4列目及び6R−2列目の垂直信号線47aに接続されるコンデンサCD2の電荷量が同一となる。その後、水平走査回路45bは、制御信号φADD7,φADD8の出力を停止する。そして、水平走査回路45bは、制御信号φLINE5、φLINE6を出力する。これにより、6R−5列目及び6R−4列目の垂直信号線47aに接続されたスイッチトランジスタSW2がそれぞれオンとなり、対応する垂直信号線47aに接続されたコンデンサCD2に蓄積された電荷量に基づく電圧信号がカラムアンプCAMP2に出力される。ここで、6R−5列目の垂直信号線47aから出力される電圧信号が、例えば動画像における座標(x,y)にある画素のR色成分の信号値となる。また、6R−4列目の垂直信号線47aから出力される電圧信号が、例えば動画像における座標(x,y)にある画素のB色成分の信号値となる。
この読み出しの後、垂直走査回路44は、制御信号φSW3を出力する。また、水平走査回路45aは、制御信号φADD4,φADD5,φADD6を出力する。これを受けて、加算トランジスタADD4,ADD5,ADD6がオンとなり、6R−2列目、6R−1列目、6R列目、6R+1列目の垂直信号線47bが短絡する。これにより、これら垂直信号線47aに接続されるコンデンサCD2の電荷量が同一となる。その後、水平走査回路45aは、制御信号制御信号φADD4,φADD5,φADD6の出力を停止する。そして、水平走査回路45aは、制御信号φLINE4を出力する。これにより、6R−2列目の垂直信号線47bに接続されたスイッチトランジスタSW1がオンとなり、対応する垂直信号線47bに接続されたコンデンサCD1に蓄積された電荷量に基づく電圧信号がカラムアンプCAMP1に出力される。ここで、出力される電圧信号が、例えば動画像における座標(x+1,y)にある画素のG色成分の信号値となる。
水平走査回路45bは、制御信号φADD9,φADD10を出力する。加算トランジスタADD9がオンとなると、6R−2列目及び6R列目の垂直信号線47aが短絡する。これにより、6R−2列目及び6R列目の垂直信号線47aに接続されるコンデンサCD2の電荷量が同一となる。また、加算トランジスタADD10がオンとなると、6R−1列目及び6R+1列目の垂直信号線47aが短絡する。これにより、6R−1列目及び6R+1列目の垂直信号線47aに接続されるコンデンサCD2の電荷量が同一となる。
その後、水平走査回路45bは、制御信号φADD9,φADD10の出力を停止する。そして、水平走査回路45bは、制御信号φLINE8,φLINE5を出力する。これにより、6R−2列目及び6R−1列目の垂直信号線47aに接続されたスイッチトランジスタSW2がそれぞれオンとなり、対応する垂直信号線47aに接続されたコンデンサCD2に蓄積された電荷量に基づく電圧信号がカラムアンプCAMP2に出力される。ここで、6R−2列目の垂直信号線47aから出力される電圧信号が、例えば動画像における座標(x+1,y)にある画素のB色成分の信号値となる。また、6R−1列目の垂直信号線47aから出力される電圧信号が、例えば動画像における座標(x+1,y)にある画素のR色成分の信号値となる。
上述した動作を行うことで、4行4列の範囲を読出範囲とし、この読出範囲を列方向に3画素ずつ移動させながらの画素信号の読み出しが行われる。そして、対象となる行の読み出しが行われた後、4行4列の範囲を行方向に3画素ずらして、再度上述した読み出しを行っていく。
このように、動画像を撮影した場合には、読出範囲に含まれる同一の色成分毎に加重加算による加算間引き読出しを行うことから、撮像素子16から読み出される画像信号は、R色成分、G色成分、B色成分の全ての色成分を有する画像信号となる。この場合、読み出された画像信号のデータ量は、全画素読み出しにより読み出される画像信号におけるデータ量の1/3×1/3×3=1/3倍のデータ量となり、高速の読み出しを行うことができる。
上述したように、動画像の撮影時に撮像素子16から読み出される画像信号は、R色成分、G色成分、B色成分の全ての色成分を有する画像信号となるので、従来の加算間引き読出しにより読み出される画像信号において不足する色成分の信号値を色補間処理により求める必要がなくなる。また、読出範囲に含まれる同色画素の信号値を加重加算した状態で読み出すことで、読み出される画像においてモアレや偽色の発生を防止することができ、読み出された画像における解像感を損なわずに済む。
上述した第1実施形態では、読出範囲に含まれる画素のアンプAMPのゲインを、ガウス分布に基づいて設定される重みに基づいた値とすることで、動画像の各画素の各色成分の重心位置が読出範囲における重心位置と一致させることが可能となる。しかしながら、読出範囲に含まれる画素のアンプAMPのゲインを、ガウス分布に基づいて設定される重みに基づいた値とする必要はない。例えば、読出範囲に含まれる画素のそれぞれに対する重みを1とすることも可能である。以下、読出範囲に含まれる画素に対する重みを1とした場合について、第2実施形態として説明する。
<第2実施形態>
この第2実施形態では、第1実施形態と同様に、撮影により得られる動画像の画像サイズが、静止画像の画像サイズに対して、水平方向及び垂直方向にそれぞれ1/3倍のサイズに設定される場合について説明する。この場合、撮像素子16の構成は、第1実施形態と同一の構成となることから、ここでは、撮像素子16の構成については省略する。
上述したように、第2実施形態においては、読出範囲60に含まれる画素に対する重みを1として、読出範囲60に含まれる各画素のアンプAMPのゲインを設定する。例えば図6に示すように、動画像における座標(x,y)にある画素のR色成分、G色成分、B色成分の各信号値は、撮像素子16上の座標(i,j)にあるR色画素を左上隅とした基準範囲60に含まれる画素を用いた同色画素毎の加重加算により求められる。
ここで、撮像素子16上の座標(i,j)にあるR色画素を基準画素とした場合には、動画像において、座標(x,y)にある画素のR色成分、G色成分、B色成分の各信号値は(5)式で表すことができる。
ここで、(5)式に示すように、動画像において、座標(x,y)にある画素における各色成分の信号値は、図6に示す読出範囲60に含まれる同色画素の信号値を単純加算平均した値となる。
また、動画像における座標(x,y)にある画素のR色成分、G色成分及びB色成分の信号値を読み出す際には、上述した(5)式が成り立つように、対象となる読出範囲に含まれるR色画素、G色画素、B色画素のそれぞれのアンプAMPのゲインをそれぞれ設定する。
同様にして、動画像における座標(x+1,y)にある画素のR色成分、G色成分、B色成分の各信号値を読み出す場合も、図7に示す読出範囲60に含まれる同色画素の信号値を加算間引き読出しにより読み出す。さらに、動画像において座標(x,y+1)にある画素や座標(x+1,y+1)にある画素のそれぞれの画素のR色成分、G色成分、B色成分の各信号値を読み出す場合も、対応する読出範囲に含まれる同色画素の信号値を加算間引き読出しにより読み出す。これら場合も、読出範囲60に含まれる同色画素の単純加算平均によりを用いた加算間引き読出しにより各色成分の信号値が読み出される。
この場合、動画像における各画素において、各色成分の重心位置が一致しないという問題が生じる。図10は、動画像の各画素におけるR色成分の重心位置を「△」、G色成分の重心位置を「○」、B色成分の重心位置を「×」とした場合を示す。図10中、太線は動画像の画素を、実線は読出範囲60、薄線は撮像素子16の画素部41の各画素を示している。図10に示すように、G色成分の重心位置は、動画像の各画素の中心に位置しているのに対して、R色成分の重心位置及びB色成分の重心位置は、それぞれ動画像の各画素の中心からずれており、R色成分の重心位置とB色成分の重心位置ともずれた位置となる。また、R色成分の重心位置とB色成分の重心位置は、画素毎に異なる。このような重心位置のずれは、静止画像においては、偽色として見え画像劣化の原因となる。
ここで、動画像について考慮すると、撮影により得られる動画像は、その色空間フォーマットをRGB色空間からYUV420色空間に変換されて記憶するのが一般的である。つまり、この色空間を変換する際に、R色成分、G色成分、B色成分の重心位置が一致する箇所でYUV420色空間における色差信号を生成することで、動画像を読み出す際の重心位置のずれを補正する。
以下、得られた動画像の色空間フォーマットを、RGB色空間からYUV420色空間に変換する処理について説明する。なお、この処理は、画像処理回路23において色空間変換処理として実行される。
ここで、YUV420色空間は、2×2画素に対して、輝度信号(Y信号)を4画素、色差信号(U信号、及びV信号)をそれぞれ1画素とる色空間である。まず、画像処理回路23は、YUV色空間に変換するためのR色成分、G色成分及びB色成分の各信号値を(6)式を用いて生成する。
そして、画像処理回路23は、(6)式により求めた値を用いて色空間変換処理を実行する。ここで、輝度信号(Y信号)については、動画像における座標(x,y)、座標(x+1,y)、座標(x,y+1)、座標(x+1,y+1)にある各画素のR’色成分、G’色成分、B’色成分の信号値を用いて色空間を変換する。色差信号(U信号及びV信号)については、(6)式にて求めたR”色成分、G”色成分、B”色成分を用いて色空間を変換する。なお、色空間を変換する式は、下記の(7)式となる。
この色空間変換処理を行うことで、YUV420色空間に変換された動画像の各画素の色成分の重心位置が、撮像素子16の座標(i+3,j+3)の位置(動画像の座標(x+0.5,y+0.5)の位置)となる。なお、図10中「☆」で示す位置が、YUV420色空間に変換された動画像の各画素における重心位置である。
このように、読出範囲に含まれる同色画素の単純加算平均を用いた加算間引き読出しの場合には、読み出される動画像の各画素において、各色成分の重心位置が異なる。このような場合、画像処理回路23により実行される色空間変換処理の際に、各色成分の重心位置が一致するように、動画像における色空間フォーマットを変換することにより、重心位置のズレを防止でき、その結果、動画像における偽色の発生を防止することができる。
なお、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、撮像素子16から読み出される画像信号のデータ量は、静止画像のデータ量の1/3×1/3×3=1/3倍のデータ量となり、高速での読み出しを行うことが可能となる。
なお、この第2実施形態においては、撮像素子16から読み出された画像信号に対して画像処理回路23による上記の色空間変換処理を行うことで、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
上述した第1実施形態及び第2実施形態においては、取得される動画像の画像サイズは、静止画像の画像サイズに対して水平方向に1/3倍、垂直方向に1/3倍の画像サイズとしているが、これに限定される必要はなく、動画像の画像サイズは、静止画像の画像サイズに対して水平方向に1/4倍、垂直方向に1/4倍となる画像サイズであってもよい。
以下、動画像の画像サイズが、静止画像の画像サイズに対して、水平方向に1/4倍、垂直方向に1/4倍の画像サイズとなる場合について、第3実施形態と称して説明する。
<第3実施形態>
この第3実施形態においては、G色画素を読み出すための切替え部、及びR色画素又はB色画素を読み出すための切替え部の構成が第1実施形態とは異なる。以下、G色画素を読み出すための切替え部に対して符号43a’を付し、R色画素又はB色画素を読み出すための切替え部に対して符号43b’を付して説明する。なお、他の構成は第1実施形態と共通することから、第1実施形態と同一の符号を付して説明する。
図11に示すように、切替え部43a’は、コンデンサCD3、加算トランジスタADD11,ADD12,ADD13、スイッチングトランジスタSW4の他、制御信号φADD11,φADD12,φADD13及び制御信号φLINE9,φLINE10,φLINE11,φLINE12を供給する7本の行信号線とから構成される。ここで、加算トランジスタADD11は制御信号φADD11が出力されることでオンとなり、4T−3(T=1,2,3,・・・)列目の垂直信号線47bと4T−2列目の垂直信号線47bとが短絡する。また、加算トランジスタADD12は制御信号φADD12が出力されることでオンとなり、4T−2列目の垂直信号線47bと4T−1列目の垂直信号線47bが短絡する。また、加算トランジスタADD13は制御信号φADD13が出力されることでオンとなり、4T−1列目の垂直信号線47bと4T列目の垂直信号線47bとが短絡する。
切替え部43b’は、コンデンサCD4、加算トランジスタADD14、ADD15と、スイッチングトランジスタSW5の他、制御信号φADD14,φADD15及び制御信号φLINE13,φLINE14,φLINE15,φLINE16を供給する6本の行信号線とから構成される。ここで、加算トランジスタADD14は制御信号φADD14が出力されることでオンとなり、4U−3(U=1,2,3,・・・)列目の垂直信号線47aと4U−1列目の垂直信号線が短絡する。また、加算トランジスタADD15は制御信号φADD15が出力されることでオンとなり、4U−2列の垂直信号線47aと4U列目の垂直信号線が短絡する。
上述したように、第3実施形態では、動画像の画像サイズを、静止画像の画像サイズに対して水平方向に1/4倍、垂直方向に1/4倍した画像サイズとすることを目的にしている。つまり、この第3実施形態の場合には、4行4列の画素の範囲を読出範囲する点では第1実施形態と同一であるが、この第3実施形態では、水平方向又は垂直方向に4画素ずつずらしながら、動画像における画素の各色成分を読み出す点で第1実施形態とは異なる。図12は、撮像素子16上の各画素の位置と、動画像における各画素の位置との関係を示している。ここで、ハッチングで示す4行4列の範囲が読出範囲60である。また、この読出範囲と動画像の画素とが一致している。この場合、読出範囲60に含まれる各画素の配置は同一の画素の配置となる。
この場合も、加重加算における各画素の加重係数は、図5に示すガウス分布に基づいた重みを用いて設定される。上述したように、読出範囲に含まれる各画素の配置は、読み出し位置に関わらず同一の配置となることから、各画素のアンプAMPのゲインは、以下の(8)式を考慮して設定される。
ここで、R’(x,y),G’(x,y),B’(x,y)はそれぞれ、動画像における座標(x,y)にある画素の各色成分の信号値である。
次に、動画像の撮影時に撮像素子16から画像信号を読み出す場合の処理について説明する。まず、垂直走査回路44は、対象となる4行に配列される各画素に対して制御信号φGAINを出力する。この出力を受けて、各画素のアンプAMPのゲインが1から所定値に切り替わる。そして、制御信号φSW3を出力することで、各画素から、アンプAMPにより増幅された電圧信号が対応する垂直信号線に出力される。この垂直信号線に出力された電圧信号は、コンデンサCD1に蓄積される。その後、垂直走査回路44は、制御信号φSW3の出力を停止する。
その後、水平走査回路45aは、制御信号φADD11,φADD12,φADD13を出力する。これにより、加算トランジスタADD11,ADD12,ADD13がオンとなり、4T−3列目、4T−2列目、4T−1列目及び4T列目の垂直信号線47bが短絡する。これにより、4T−3列目、4T−2列目、4T−1列目及び4T列目の各垂直信号線47bに接続されるコンデンサCD3の電荷量が同一となる。その後、水平走査回路45aは、制御信号φADD11,φADD12,φADD13の出力を停止する。そして、水平走査回路45aは、制御信号φLINE9を出力する。これにより、4T−3列目の垂直信号線47bに接続されたスイッチトランジスタSW4がオンとなり、対応する垂直信号線47bに接続されたコンデンサCD3に蓄積された電荷量に基づく電圧信号がカラムアンプCAMP1に出力される。ここで、カラムアンプCAMP1から出力される電圧信号が、動画像における座標(x、y)にある画素のG色成分の信号となる(図11参照)。
同時に、水平走査回路45bは、制御信号φADD14,φADD15を出力する。これにより、加算トランジスタADD14,ADD15がオンとなる。加算トランジスタADD14がオンとなると、4U−3列目及び4U−1列目の垂直信号線47aが短絡する。これにより、4U−3列目及び4U−1列目の各垂直信号線47bに接続されるコンデンサCD4の電荷量が同一となる。また、加算トランジスタADD14がオンとなると、4U−2列目及び4U列目の垂直信号線47aが短絡する。これにより、4U−2列目及び4U列目の各垂直信号線47aに接続されるコンデンサCD4の電荷量が同一となる。その後、水平走査回路45aは、制御信号φADD14,φADD15の出力を停止する。そして、水平走査回路45aは、制御信号φLINE13,φLINE14を出力する。
制御信号φLINE13が出力されることで、4U−3列目の垂直信号線47bに接続されたスイッチトランジスタSW5がオンとなり、対応する垂直信号線47bに接続されたコンデンサCD4に蓄積された電荷量に基づく電圧信号がカラムアンプCAMP1に出力される。ここで、出力される電圧信号が、動画像における座標(x,y)にある画素のR色成分の信号となる。
また、制御信号φLINE14が出力されることで、4U−2列目の垂直信号線47bに接続されたスイッチトランジスタSW4がオンとなり、対応する垂直信号線47bに接続されたコンデンサCD4に蓄積された電荷量に基づく電圧信号がカラムアンプCAMP1に出力される。ここで、出力される電圧信号が、動画像における座標(x,y)にある画素のB色成分の信号となる。
上述した処理を行うことで、撮像素子16の画素部41に配置される各画素の信号値を用いた加算間引き読出しが繰り返される。このように、動画像を撮影した場合には、4行4列の範囲を基準範囲として、基準範囲に含まれる同色画素毎に加算間引き読出しを行うことから、撮像素子16から読み出される画像信号は、各画素に対してR色、G色、B色の全ての色成分を備えた画像信号となる。この場合、読み出された画像信号のデータ量は、全画素読み出しにより読み出される画像信号におけるデータ量の1/4×1/4×3=3/16倍のデータ量となり、高速の読み出しを行うことが可能となる。この場合も、第1実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
第3実施形態においては、静止画像の画像サイズに対して、水平方向に1/4倍、垂直方向に1/4倍の画像サイズとなるように加算間引き読出しを行っている。この場合も、各画素のアンプAMPのゲインは、ガウス分布に基づいた比率を用いて設定される。この場合、ガウス分布の半値全幅が縮小倍率より小さくなることから、読み出される画像において、折り返し歪みが発生しやすくなる。このような折り返し歪みの発生を抑制するために、加算間引き読出しを行う際の読出範囲を4行4列の画素の範囲よりも大きく設定することも可能である。以下、加算間引き読出しを行う際の読出範囲を4行4列の画素の範囲よりも大きく設定する場合について、第4実施形態と称して説明する。
<第4実施形態>
第4実施形態では、加算間引き読出しを行う際の読出範囲を6行6列の画素の範囲とする場合について説明する。撮像素子16における各画素と、動画像における各画素との関係を図13に示す。図13においては、加算間引き読出しを行う6行6列の画素の範囲(太点線で囲まれる範囲)をハッチングの範囲61で示している。また、動画像の各画素を細線、撮像素子16の画素部41に配列される画素を薄線にて示している。この場合も、加算間引き読出しを行う6行6列の画素の範囲における重心位置と、読み出した動画像の各画素における各色成分の重心位置が一致するように、各画素のアンプAMPのゲインを設定する。
この場合も、読出範囲に含まれる各画素の重みの値を、ガウス分布に基づいて設定される値とする。図14は、6行6列の画素の範囲を読出範囲とした場合に、ガウス分布に基づいて設定される各画素の重みを示している。この重みに基づいて、読出範囲61に含まれる各画素のアンプAMPのゲインが設定される。
例えば動画像における座標(x,y)にある画素のR色成分、G色成分、B色成分の各信号値は、(9)式で表すことができる。
図13に示すように、i+4列目、i+5列目、i+8列目、i+9列目に配列される画素、及びj+4行目、j+5行目、i+8列目、i+9列目に配列される画素は、重複して読み出される。また、これら画素においては、読み出す際に用いられる加重係数が異なる。この場合、図示は省略するが、各画素に設けられるアンプAMPを複数のゲインに調整可能なアンプを用いて、読出範囲に対する画素の位置に応じてゲインを調整する。或いは、各画素にゲインが異なるアンプを複数設け、読出範囲に対する画素の位置に応じて、いずれかのアンプを使用するように切り替える。
このような処理を行うことで、第3実施形態と同様の効果を得ることができる。また、予め加算間引き読出しに用いる読出範囲を、縮小率に基づく画素の範囲よりも大きく設定することで、折り返し歪みの発生を抑えることが可能となる。
この第4実施形態では、各画素に設けられるアンプAMPのゲインとして、6行6列の画素の範囲に対してガウス分布を適用した場合の各画素の重みに基づいて設定している。読出範囲における各画素の重みは、図14に示す重み(水平・垂直方向比率1:3:4:4:3:1)に限定されるものではなく、図15に示す重み(水平・垂直方向比率1:4:7:7:4:1)や、図16に示す重み(水平・垂直方向比率1:5:10:100:5:1)を用いることも可能である。
上述した第3実施形態及び第4実施形態においては、動画像の画像サイズが、静止画像の画像サイズに対して水平方向に1/4倍、垂直方向に1/4倍の画像サイズの場合を示している。しかしながら、例えばアスペクト比3:2となる撮像素子が搭載された撮像装置において、HD動画に必要な水平方向の画素数1920を満たす画像サイズとする場合には、撮像素子の画素数が、水平方向(1920×4)、垂直方向(1920×2/3×4)の計37.5Mとなる。ここで、撮像装置に搭載される撮像素子の画素数が37.5M画素を満足していない場合には、加算間引き読出しにより読み出した動画像は、HD動画における画像サイズを満足していない。このような場合には、得られる動画像に対して超解像度処理を施すことも可能である。
上述した第1及び第2実施形態では、動画像の画像サイズが、静止画像の画像サイズに対して、水平方向に1/3倍、垂直方向に1/3倍の画像サイズに設定される場合について説明している。また、第3及び第4実施形態では、動画像の画像サイズが、静止画像の画像サイズに対して、水平方向に1/4倍、垂直方向に1/4倍の画像サイズに設定される場合について説明している。しかしながら、水平方向の縮小率や垂直方向の縮小率は、その一例を示したものであり、これら縮小率は適宜設定してよい。また、上述した各実施形態では、水平方向の縮小率と垂直方向の縮小率とを同一の縮小率としているが、これに限定される必要はなく、水平方向の縮小率と垂直方向の縮小率とを異なる縮小率とすることも可能である。
上述した第1から第4実施形態においては、撮像素子の各画素に配置されるカラーフィルタを、R色、G色、B色としているが、これに限定される必要はなく、シアン(C)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)のカラーフィルタであってもよい。
上述した第1から第4実施形態においては、R色画素、G色画素及びB色画素を2行2列で配置したベイヤー配列としているが、これに限定される必要はなく、他の配列にて各色成分の画素を配置することも可能である。
上述した第1から第4実施形態においては、動画像の撮影時に、加算間引き読出しを行うことを前提に説明しているが、これに限定される必要はなく、静止画像の撮影時に、第1から第4実施形態のいずれかの手法を用いることも可能である。
上述した第1実施形態から第4実施形態においては、撮像装置を例に取り上げて説明しているが、これに限定される必要はなく、画像処理装置の場合であってもよい。図17に示すように、画像処理装置60は、縮小画像生成部61を備えている。この画像処理装置60には、例えば撮像素子から全画素読み出しにて読み出された動画像が、直接、或いは、バッファメモリや記憶媒体を介して入力される。縮小画像生成部61は、入力される画像に対して、(1)式から(4)式を用いて縮小画像を生成する。または、縮小画像生成部61は、入力される画像に対して、(5)式を用いて縮小画像を生成する。または、(8s)式或いは(9)式を用いて縮小画像を生成する。なお、(5)式を用いて縮小画像を生成した場合には、(6)式及び(7)式を用いた色空間フォーマットを変換する処理も併せて実行される。
また、画像処理装置の他に、画像処理プログラムであってもよい。この場合、図18に示すフローチャートの処理をコンピュータにて実行することができる画像処理プログラムであればよい。
以下、画像処理プログラムにおける処理の手順について説明する。
ステップS101は、動画像を入力する処理である。この処理を行うことで、例えば全画素読み出しにて読み出された動画像をコンピュータが受け付ける。
ステップS102は、縮小画像の生成処理である。ステップS101にて受け付けた働画像に対して、縮小画像生成処理を実行する。なお、この縮小画像生成処理は、(1)式から(4)式、(5)式、(8)式或いは(9)式のいずれかを用いて実行する。これら式のいずれかを用いることで、縮小された動画像が生成される。なお、(5)式を用いた場合には、(6)式及び(7)式を用いた色空間フォーマットを変換する処理も併せて実行される。
ステップS103は、縮小画像の生成処理が終了したか否かを判定する処理である。この画像処理プログラムを実行するコンピュータのCPUは、ステップS102における縮小画像の生成処理が終了したか否かにより、このステップS103の判定処理を実行する。縮小画像の生成処理が終了している場合には、このステップS103の判定処理がYesとなり、ステップS104に進む。一方、縮小画像の生成処理が終了していない場合には、ステップS103の判定処理がNoとなり、ステップS102に戻る。
ステップS104は、縮小された動画像を出力する処理である。上述したコンピュータのCPUは、縮小された動画像を、例えば記憶媒体に出力する。
なお、この画像処理プログラムは、メモリカード、磁気ディスク、光学ディスクなど、コンピュータにより読み取り可能な記憶媒体に記憶されていることが好ましい。