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JP6010473B2 - 導電性酸化物焼結体、サーミスタ素子及び温度センサ - Google Patents

導電性酸化物焼結体、サーミスタ素子及び温度センサ Download PDF

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Description

本発明は、導電性を有し、その抵抗値が温度によって変化する導電性酸化物焼結体、これを用いたサーミスタ素子、さらには、これを用いた温度センサに関する。
従来より、導電性を有し、その抵抗値(比抵抗)が温度によって変化する導電性酸化物焼結体、これを用いて温度測定を行うサーミスタ素子、さらには、このサーミスタ素子を用いた温度センサが知られている。
このような温度センサの用途として、例えば、自動車排ガス浄化システムの保護を目的とした、排ガスの温度測定がある。この用途では、車載式故障診断(OBD)システムなどにおける温度センサの故障(断線)検知のため、キーオン時の低温下でもその温度を正確に検知できることが望まれる。
これに対し、特許文献1には、ペロブスカイト型結晶構造を有するペロブスカイト相と金属酸化物相とを含む導電性酸化物焼結体が開示されている。なお、このうちペロブスカイト相は、Laを除く第3族元素のうち少なくとも1種の元素をM1とし、第2族元素のうち少なくとも1種の元素をM2とし、Crを除く第4族、第5族、第6族、第7族及び第8族元素のうち少なくとも1種の元素をM3としたとき、M1aM2bM3cAldCref(a〜fは所定の条件式を満たす)で表記される結晶相である。また、金属酸化物相は、上述したペロブスカイト相を構成する金属元素から選択された少なくとも1種の金属元素をMeとしたとき、MeOxで表記される結晶相である。
特開2007−246381号公報
上述の特許文献1では、温度勾配係数(B定数)が2000〜3000Kとなる導電性酸化物焼結体が示されており、このような導電性酸化物焼結体を用いたサーミスタ素子(温度センサ)によって、−40℃の低温域から900℃の高温域までの温度範囲(940deg)を適切に検知可能としている。また、この導電性酸化物焼結体には導電性の非常に低い金属酸化物相(絶縁性結晶相)が含まれており、焼結体全体に占める金属酸化物相の割合を適宜変化させることで、この導電性酸化物焼結体の電気特性(抵抗率)を調整できることが示されている。
但し、この特許文献1では、ペロブスカイト相(導電性結晶相)が(YSr)(MnAlCr)O3である場合における金属酸化物相(絶縁性結晶相)として、SrAl24、YAlO3及びY3Al512を例示している。しかるに、金属酸化物相がSrAl24であった場合、Sr−Alを主成分とした酸化物は水と反応する場合があるため、原料粉末混合時の溶媒として有機溶剤を使用する必要があり、コスト面、環境面で好ましくない。
また、金属酸化物相がYAlO3あるいはY3Al512である場合、ペロブスカイト相の組成によっては、焼成時に、YAlO3相あるいはY3Al512相とペロブスカイト相との間で元素が移動する場合がある。YAlO3がペロブスカイト相と同じペロブスカイト型の結晶構造を有し、また、Y3Al512はペロブスカイト型と類似のガーネット型結晶構造を有するので、相互に元素が移動し易いためと考えられる。従って、焼成してできた導電性酸化物焼結体に、所望とは異なる組成のペロブスカイト相及び金属酸化物相を含み、導電性酸化物焼結体の有する電気特性(抵抗率)に変動を生じる場合がある。
さらに、サーミスタ素子の抵抗値範囲や検知温度範囲は多様化しており、−40〜900℃の温度範囲におけるB定数が、例えば特許文献1のものよりも低い値を包含する範囲(1500〜3000K)の場合でも、適切な抵抗値を有するサーミスタ素子が求められている。
本発明は、かかる知見に鑑みてなされたものであって、適切な電気特性を有し、かつ、B定数が1500〜3000Kの特性を有する導電性酸化物焼結体、これを用いたサーミスタ素子、さらには、これを用いた温度センサを提供するものである。
本発明の一態様は、第2族元素のうち少なくとも1種の元素をM1とし、Crを除く第4族、第5族、第6族、第7族及び第8族元素のうち少なくとも1種の元素をM2としたとき、元素Y,M1,M2,Al,Cr,Oのうち少なくとも元素Y,M1,M2,Al,Oを含有する導電性酸化物焼結体であって、一般式(YaM1b)(M2cAldCre)O3で表記されるペロブスカイト型結晶構造を有し、上記一般式の係数が下記条件式を満たす導電性結晶相と、Y4Al29で表記される絶縁性結晶相と、を含む導電性酸化物焼結体である。
0.500≦a<1.000
0.000<b≦0.500
0.150≦c≦0.860
0.100≦d≦0.800
0.000≦e≦0.050
上述の導電性酸化物焼結体は、−40〜900℃の温度範囲におけるB定数が1500〜3000Kの特性を有するものとなる。
しかも、絶縁性結晶相のY4Al29は、前述した特許文献1に例示のSrAl24とは異なり水と反応しないため、製造の際、水調合が可能であり、例えば有機溶媒を用いるよりも製造コストを抑えることができる。
また、この絶縁性結晶相は、ペロブスカイト型の導電性結晶相とは異なる(非類似の)結晶構造を有し、焼結時に、導電性結晶相との間で元素移動が生じにくく、導電性結晶相の組成変動が生じにくい。このため、適切な電気特性を有する導電性酸化物焼結体とすることができる。
なお、導電性酸化物焼結体としては、上述の導電性結晶相及び絶縁性結晶相からなるものや、これら導電性結晶相、絶縁性結晶相のほかに、他の結晶相、例えば、Y23で表記される第2絶縁性結晶相を含むものが挙げられる。このうち、Y23で表記される第2絶縁性結晶相を含む導電性酸化物焼結体は、Y23を有しないものに比べて、高温環境下においても安定して適切に温度を測定することができるためより好ましい。これは、焼成時に導電性結晶相もしくはY4Al29で表記される絶縁性結晶相に固溶しきれなかったY23が析出することによって、導電性結晶相及び絶縁性結晶相が構造的に安定化し、高温環境下においても導電性結晶相と絶縁性結晶相との間の元素移動がより生じにくくなり、導電性結晶相の組成変動が生じにくくなるためと考えられる。
また、この導電性酸化物焼結体は、元素Y,M1,M2,Al,Cr,Oのうち少なくとも元素Y,M1,M2,Al,Oを含有する。従って、元素Y,M1,M2,Al,O及び元素Crを含有する焼結体のほか、元素Crを含有せず、元素Y,M1,M2,Al,Oを含有する焼結体が挙げられる。
さらに、上述の導電性酸化物焼結体であって、元素Crを含有しない導電性酸化物焼結体とすると良い。
元素Crは、元素M1と反応して、元素M1が導電性結晶相に固溶するのを阻害する場合がある。
これに対し、上述の導電性酸化物焼結体は、元素Crを含有しないため、元素Crと反応することなく、元素M1を導電性結晶相に確実に固溶させることができると考えられる。このため、−40〜900℃の温度範囲におけるB定数を確実に1500〜2000Kの範囲内に調整することができる。
さらに、上述のいずれかの導電性酸化物焼結体であって、この導電性酸化物焼結体の任意の断面の断面積をS、上記断面に現れた前記導電性結晶相の総断面積をSPとしたとき、上記S及びSPが下記条件式を満たす導電性酸化物焼結体とすると良い。
0.20≦SP/S≦0.80
導電性酸化物焼結体において、これに含まれる導電性結晶相の体積分率は、導電性酸化物焼結体の断面積Sに現れる導電性結晶相の総断面積SPの割合SP/S(以下、面積分率ともいう)に等しい。
この面積分率SP/Sが0.20(20%)より低い、つまり導電性結晶相の体積分率が20%未満の導電性酸化物焼結体は、導電性結晶相による導電経路を確保し難く、高い電気抵抗(抵抗率)を示す。このため、これをサーミスタ素子に用いても、適切に測温できない虞がある。
一方、面積分率SP/Sが0.80(80%)よりも高い、つまり導電性結晶相の体積分率が80%よりも高い導電性酸化物焼結体では、導電性結晶相が多くなり過ぎて、導電性酸化物焼結体の電気抵抗(抵抗率)が小さくなり過ぎる。このため、測温に適した電気特性(抵抗率)に調整し難い。
これに対し、前述の導電性酸化物焼結体は、面積分率SP/Sが0.20≦SP/S≦0.80である。このため、適切な電気抵抗(抵抗率)を有し、サーミスタ素子として用いた場合に適切に測温できる導電性酸化物焼結体とすることができる。
さらに、上述のいずれかの導電性酸化物焼結体であって、前記元素M2は、Mn,Feのうち少なくともいずれかを含む導電性酸化物焼結体とすると良い。
上述の導電性酸化物焼結体は、元素M2がMn,Feのうち少なくともいずれかを含むので、確実に−40〜900℃の温度範囲におけるB定数が1500〜3000Kである特性を有するものにできる。
さらに、上述のいずれかの導電性酸化物焼結体であって、前記元素M1は、Sr,Ca,Mgのうち少なくともいずれかを含む導電性酸化物焼結体とすると良い。
上述の導電性酸化物焼結体は、元素M1がSr,Ca,Mgのうち少なくともいずれかを含むので、確実に−40〜900℃の温度範囲におけるB定数が1500〜3000Kである特性を有するものにできる。
さらに、本発明の他の一態様は、前述のいずれかの導電性酸化物焼結体を用いてなるサーミスタ素子である。
上述のサーミスタ素子では、前述のいずれかの導電性酸化物焼結体を用いている。このため、−40〜900℃の温度範囲におけるB定数が1500〜3000Kの特性を有し、また、適切な抵抗値を有するサーミスタ素子とすることができる。
さらに、本発明の他の一態様は、前述のサーミスタ素子を用いてなる温度センサである。
上述の温度センサは、前述のサーミスタ素子を用いているので、−40〜900℃の温度範囲におけるB定数が1500〜3000Kの特性を有し、また、適切な抵抗値を有する温度センサとすることができる。
実施形態にかかるサーミスタ素子の形状を示す説明図である。 実施形態にかかる導電性酸化物焼結体の断面における組織の状態例(実施例6)を示す走査型電子顕微鏡による写真である。 変形形態にかかる温度センサの構造を示す部分破断断面図である。
(実施例1)
次に、本発明の実施形態のうち実施例1について、図面を参照しつつ説明する。
本実施例1は、本発明にかかる導電性酸化物焼結体1を用いたサーミスタ素子2である(図1参照)。
まず、本実施例1にかかるサーミスタ素子2の製造方法について説明する。
導電性結晶相の仮焼粉末(以下、導電相仮焼粉末ともいう)を以下のようにして得る。即ち、原料粉末として、Y23、SrCO3、MnO2、Al23、Cr23(いずれも純度99%以上の市販品)を用いて、元素Y,Sr(=元素M1),Mn(=元素M2),Al,Crが、表1に示すモル数(表1中のa〜e)となるようそれぞれ秤量する。さらに、これらの原料粉末を湿式混合して乾燥することにより、導電性結晶相用の原料粉末混合物を調製した。次いで、この原料粉末混合物を大気雰囲気下1450℃で2hr仮焼し、平均粒径1〜2μmの導電相仮焼粉末を得た。
一方、絶縁性結晶相の仮焼粉末(以下、絶縁相仮焼粉末ともいう)を以下のようにして得る。即ち、原料粉末として、Y23、Al23(いずれも純度99%以上の市販品)を用いて、組成式Y4Al29となるようにそれぞれ秤量し、これらの原料粉末を湿式混合して乾燥することにより、絶縁性結晶相用の原料粉末混合物を調製した。次いで、この原料粉末混合物を大気雰囲気下1500℃で2hr仮焼し、Y4Al29からなる平均粒径1〜2μmの絶縁相仮焼粉末を得た。なお、得られた絶縁相仮焼粉末がY4Al29からなることは、粉末X線回折法の手法により確認した。
次いで、導電相仮焼粉末と絶縁相仮焼粉末とを秤量し、これらを樹脂ポット高純度アルミナ玉石とを用いて湿式混合粉砕を行った。なお、混合する導電相仮焼粉末と絶縁相仮焼粉末との体積比を、(導電相仮焼粉末):(絶縁相仮焼粉末)=31:69とした。
また、本実施例1では分散媒として水を用いた。このため、分散媒に、例えば有機溶媒を用いるよりもコストを抑えてサーミスタ素子2(導電性酸化物焼結体1)を製造することができる。
上述の湿式混合粉砕で得られたスラリーを80℃で2hr乾燥して、合成粉末を得た。その後、この合成粉末100重量部に対し、ポリビニルブチラールを主成分とするバインダーを20重量部添加して混合、乾燥する。さらに、250μmメッシュの篩を通して造粒し、造粒粉末を得た。
上述の造粒粉末を用いて、金型成形法にてプレス成型(プレス圧:4500kg/cm2)して、図1に示すように、Pt−Rh合金製の一対の電極線2a,2bの一端側が埋設された六角形板状(厚み:1.24mm)の未焼成成形体を得る。その後、大気雰囲気下1500〜1600℃で4hr焼成し、本実施例1のサーミスタ素子2を製造した(図1参照)。
なお、サーミスタ素子2の各寸法は、一辺1.15mmの六角形状で、厚み1.00mm、電極線2a,2bの径φ0.3mm、2つの電極線2a,2bの中心間距離0.74mm(ギャップ0.44mm)、電極挿入量1.10mmである。
なお、本実施形態では、導電相仮焼粉末と絶縁相仮焼粉末とを個別に合成した後、混合粉砕し、造粒、成形、さらには焼結させることでサーミスタ素子2を製造した。しかし、焼結後のサーミスタ素子2(導電性酸化物焼結体1)が後述する表1及び表2に示す組成になるように、全ての原料を秤量した後、一括で仮焼し、粉砕、造粒、焼成することでサーミスタ素子2(導電性酸化物焼結体1)を製造しても良い。
得られたサーミスタ素子2について、以下のようにして−40〜900℃の温度範囲における温度勾配係数(B定数)を測定した。
即ち、まず、サーミスタ素子2を絶対温度T(−40)=233K(=−40℃)の環境下に放置し、その状態(−40℃)でのサーミスタ素子2の初期抵抗値Rs(−40)(kΩ)を測定した。次いで、サーミスタ素子2を、絶対温度T900=1173K(=900℃)の環境下に放置し、その状態(900℃)での初期抵抗値Rs(900)(kΩ)を測定した。そして、−40〜900℃の温度範囲におけるB定数:B(−40〜900)を以下の式(1)に従って算出した。
B(−40〜900)=ln[Rs(900)/Rs(−40)]/[1/T(900)−1/T(−40)] ・・・(1)
結果について、表1に示す。

また、以下のようにして、導電性酸化物焼結体1の断面組織写真を撮影し、面積分率SP/Sを算出した。なお、導電性酸化物焼結体1の任意の断面の断面積をS、この断面に現れた導電性結晶相の総断面積をSPとする。
まず、導電性酸化物焼結体1を樹脂に埋め込み、3μmのダイヤペーストを用いたバフ研磨処理を行って断面を研磨した試料を作製した。その後、走査型電子顕微鏡により、断面について倍率3500倍で写真撮影を行った。
図2には、導電性酸化物焼結体1のうち、次述する実施例6のものの断面写真を例示する。なお、電子線マイクロアナライザ(EPMA)による組成分析から、写真の暗灰色部分が導電性結晶相に、薄灰色部分が絶縁性結晶相に、白色部分がY23にそれぞれ該当する。また、写真の黒色部分は気孔に該当する。
撮影した写真のうち、40μm×30μmの視野について、画像解析ソフトフェア(三谷商事株式会社製 ソフトウェア名:WinROOF)を用いて解析した。そして、視野を断面積Sとし、この視野に占める導電性結晶相(暗灰色部分)の総面積を総断面積SPとして、面積分率SP/Sを算出した。結果について、表1に示す。
(実施例2〜29,比較例1〜7)
また、本発明者らは、上述した実施例1のサーミスタ素子2(導電性酸化物焼結体1)とは異なる実施例2〜29の各サーミスタ素子2と、比較例1〜7のサーミスタ素子を用意した(表1,2参照)。
具体的には、実施例2〜11,14,15,22の各サーミスタ素子2及び比較例1,3,5〜7の各サーミスタは、導電性結晶相が実施例1のサーミスタ素子2のものとは同じ元素で構成されているが、組成式(YaSrb)(MncAldCre)O3中に記載のモル数(a〜e)の組合せ、或いは、面積分率SP/Sが、実施例1のものとはそれぞれ異なる。
また、実施例12,13,16〜21の各サーミスタ素子2は、導電性結晶相のモル数(a〜e)の組合せ、及び、面積分率SP/Sが、実施例1のものと同じである。但し、実施例12,17は、元素M2をMnからFeあるいはMn0.5Fe0.5に、また、実施例13,16,18〜21は、元素M1をSrからCa,Mg等(表1,2参照)にそれぞれ代えたサーミスタ素子2(導電性酸化物焼結体1)である点で、実施例1のものとは異なる。
さらに、比較例6のサーミスタ素子は、絶縁性結晶相がY3Al512である点で、また、比較例7のサーミスタ素子は、絶縁性結晶相がYAlO3である点で、絶縁性結晶相がY4Al29である実施例1とは異なる。
また、実施例23〜29の各サーミスタ素子2及び比較例2,4は、元素Crを含有しない(組成式(YaSrb)(MncAldCre)O3中に記載のモル数eがe=0.000)点で、実施例1のものとはそれぞれ異なる。実施例27のサーミスタ素子2は、元素M1をSrからCaに代えた点でも、実施例1と異なる。

なお、これら実施例2〜29のサーミスタ素子2、及び、比較例1〜7の各サーミスタ素子について、以下のようにして作製した。
即ち、実施例2〜29のサーミスタ素子2のうち、実施例2〜11,14,15,22の各サーミスタ素子2、及び、比較例1,3,5〜7の各サーミスタ素子の場合、実施例1と同様の原料粉末を用いて、表1,2に示すモル数(表1,2中のa〜e)となるようそれぞれ秤量する。
一方、実施例12のサーミスタ素子2の場合、実施例1の原料粉末のうちのMnO2に代えてFe23を、また、実施例13のサーミスタ素子2の場合、実施例1の原料粉末のうちのSrCO3に代えてCaCO3をそれぞれ用いた。また、実施例16では、SrCO3に代えてMgOを、また、実施例17では、元素Mnと元素Feとのモル比が1:1となるように、MnO2及びFe23を用いた。
また、実施例18では、元素Srと元素Caとのモル比が1:1となるように、SrCO3とCaCO3とを、また、実施例19では、元素Srと元素Mgとのモル比が1:1となるように、SrCO3及びMgCO3を用いた。
また、実施例20では、元素Caと元素Mgとのモル比が1:1となるように、CaCO3とMgOとを用いた。さらに、実施例21の場合、元素Srと元素Caと元素Mgとのモル比が5:3:2となるように、SrCO3とCaCO3とMgOとを用いた。
また、実施例23〜29のサーミスタ素子2及び比較例2,4については、原料粉末の1つとして、Cr23を用いた実施例1とは異なり、Crを含む原料粉末を用いることなく、Y23、SrCO3、MnO2、Al23を用いて元素Y,Sr(=元素M1),Mn(=元素M2),Alが、表2に示すモル数(表2中のa〜e)となるようそれぞれ秤量した。
その後は、実施例1と同様にして、導電相仮焼粉末を得た。
次いで、実施例2〜29の各サーミスタ素子2、及び、比較例1〜5の各サーミスタ素子では、実施例1と同様にして、絶縁相仮焼粉末を得た。
一方、比較例6のサーミスタ素子の場合、組成式Y3Al512となるように、また、比較例7の場合、組成式YAlO3となるように、Y23、Al23を用いて秤量し、その他は実施例1と同様にして、絶縁相仮焼粉末を得た。
次いで、各実施例2〜29及び比較例1〜7について、導電相仮焼粉末と絶縁相仮焼粉末とを秤量して湿式混合粉砕を行った。なお、実施例6〜9、実施例12,13,16〜21及び比較例1,6,7については、実施例1と同様の体積比で導電相仮焼粉末と絶縁相仮焼粉末とを混合した。その他の実施例及び比較例については、表1中の面積分率SP/Sとなる体積比で導電相仮焼粉末と絶縁相仮焼粉末とを混合した。
その後、実施例1と同様にして、造粒粉末を作製し、実施例2〜29にかかる各サーミスタ素子2、及び、比較例1〜7の各サーミスタ素子をそれぞれ製造した。但し、これらのうち、比較例4では、十分に焼き締まらずに緻密な導電性酸化物焼結体が得られなかった(本明細書及び表2において「未焼結」と表示する)。
製造した各サーミスタ素子について、実施例1と同様にして、B定数(B(−40〜900))をそれぞれ測定(算出)し、また、面積分率SP/Sをそれぞれ算出した。
各結果について、表1,2に示す。
表1,2によれば、元素M1,M2がそれぞれSr,Mnの導電性結晶相と、絶縁性結晶相をなすY4Al29とを含む導電性酸化物焼結体を用いた、実施例1〜11,14,15,22〜26,28,29及び比較例1〜5のサーミスタ素子のうち、a〜eの各値がいずれも以下に示す各式(2)〜(6)を満たす実施例1〜11,14,15,22〜26,28,29のサーミスタ素子2のB定数は、1500〜3000Kの範囲内となっている。
0.500≦a<1.000・・・(2)
0.000<b≦0.500・・・(3)
0.150≦c≦0.860・・・(4)
0.100≦d≦0.800・・・(5)
0.000≦e≦0.050・・・(6)
一方、a〜eの各値のいずれか1つが上述した各式(2)〜(6)を満たしていない比較例1〜5のサーミスタ素子のB定数は、1500〜3000Kの範囲から外れている。
具体的には、aの値をa=1.0000とし、bの値をb=0.0000とした比較例1のB定数は、3000Kを超えた値になる。つまり、ペロブスカイト型の結晶構造の導電性結晶相のAサイトを元素Yのみとした導電性酸化物焼結体を用いたサーミスタ素子のB定数B(−40〜900)が、3000Kを超えてしまう。
また、c〜eの各値及び面積分率SP/Sはそれぞれ等しいが、aの値を実施例2(a=0.7000)よりも小さくした比較例3(a=0.4000)のB定数は、1500Kよりも小さい値になる。このことから、aを0.500よりも小さくした導電性酸化物焼結体を用いたサーミスタ素子のB定数は、1500Kよりも小さい値になってしまうことが判る。なお、bの値について、実施例2(b=0.3000)と比較例3(b=0.6000)との比較から、bを0.500よりも大きくした導電性酸化物焼結体を用いたサーミスタ素子のB定数は、1500Kよりも小さい値になってしまうことが判る。
また、a,b,eの各値及び面積分率SP/Sはそれぞれ等しいが、cの値を実施例11(c=0.6550)よりも小さくした比較例2(c=0.1000)のB定数は、3000Kを超えた値になる。さらに、比較例5(c=0.1400)のB定数もまた、3000Kを超えた値になる。このことから、cを0.150よりも小さくした導電性酸化物焼結体を用いたサーミスタ素子のB定数は、3000Kを超えてしまうことが判る。
一方、a,b,eの各値及び面積分率SP/Sはそれぞれ等しいが、cの値を実施例2(c=0.8075)よりも大きくした比較例4(c=0.9500)は、「未焼結」であった。このことから、cを0.860より大きくした導電性酸化物焼結体は、十分に焼き締まらないことが判る。
また、a,b,eの各値及び面積分率SP/Sはそれぞれ等しいが、dの値を実施例23(d=0.6300)よりも大きくした比較例2(d=0.9000)のB定数は、3000Kを超えた値になる。このことから、dを0.800よりも大きくした導電性酸化物焼結体を用いたサーミスタ素子のB定数は、3000Kを超えてしまうことが判る。
一方、dの値を実施例2(d=0.1500)よりも小さくした比較例4(d=0.0500)は、「未焼結」であった。このことから、dを0.100よりも小さくした導電性酸化物焼結体は、十分に焼き締まらないことが判る。
また、eの値がe=0.0425の実施例1等よりも大きくした比較例5(e=0.0600)のB定数は、3000Kを超える。このことから、eを0.050よりも大きくした導電性酸化物焼結体を用いたサーミスタ素子のB定数は、3000Kを超えてしまうことが判る。
なお、上述した実施例1〜11,14,15,22〜26,28,29の各サーミスタ素子2のうち、面積分率SP/Sが0.80よりも高い実施例14(SP/S=0.88)のサーミスタ素子2は、面積分率SP/Sが0.80以下の実施例1等と比較して、初期抵抗値(Rs(−40),Rs(900))の値が小さい。これは、面積分率SP/Sが0.80よりも高い、つまり導電性結晶相の体積分率が80%より高い導電性酸化物焼結体では、導電性結晶相が多くなり過ぎて、導電性酸化物焼結体の電気抵抗(抵抗率)が小さくなり過ぎると考えられる。このため、面積分率SP/Sが0.80より高い導電性酸化物焼結体では、測温に適した電気特性(抵抗率)に調整し難い。
一方、面積分率SP/Sが0.20よりも低い実施例15(SP/S=0.18)のサーミスタ素子2は、面積分率SP/Sが0.20以上の実施例1等と比較して、初期抵抗値Rs(900)の値が大きい。これは、面積分率SP/Sが0.20よりも低い、つまり導電性結晶相の体積分率が20%より低い導電性酸化物焼結体では、高い電気抵抗を示すためと考えられる。
一方、元素M1及び元素M2の組み合わせが(M1,M2)=(Sr,Mn)以外の実施例、即ち、a〜eの各値がいずれも前述した各式(2)〜(6)を満たし、元素M2がFeである実施例12、あるいは、元素M1がCaである実施例13及び実施例27の各B定数はいずれも、1500〜3000Kの範囲内となっている。また、元素M1がMgである実施例16、あるいは、元素M2がMn0.5Fe0.5である実施例17の各B定数はいずれも、1500〜3000Kの範囲内となっている。さらに、元素M1がSr0.5Ca0.5である実施例18、Sr0.5Mg0.5である実施例19、Ca0.5Mg0.5である実施例20、Sr0.5Ca0.3Mg0.2である実施例21の各B定数もまた、1500〜3000Kの範囲内となっている。
また、これら実施例12,13,16〜21,27の各サーミスタ素子2の面積分率SP/Sはいずれも0.20≦SP/S≦0.80内にある。そして、これら各サーミスタ素子2の初期抵抗値(Rs(−40),Rs(900))の各値が、前述した実施例14(SP/S=0.88)のサーミスタ素子2よりも大きく、また、実施例15(SP/S=0.18)のサーミスタ素子2よりも小さくなっている。
一方、比較例6及び比較例7の各B定数はいずれも、3000Kを超えた値となっている。
比較例7の導電性酸化物焼結体のうち、絶縁性結晶相をなすYAlO3は導電性結晶相と同じペロブスカイト型の結晶構造を有する。このため、焼成時に、YAlO3と導電性結晶相との間で元素が移動し易く、導電性結晶相の組成変動が生じたためと考えられる。また、比較例6についても同様、絶縁性結晶相をなすY3Al512が導電性結晶相と類似のガーネット型結晶構造を有するため、焼成時に、Y3Al512と導電性結晶相との間で元素が移動し易く、導電性結晶相の組成変動が生じたためと考えられる。
これら比較例6,7とは異なり、絶縁性結晶相にY4Al29を用いた実施例1〜29では、このY4Al29が、ペロブスカイト型の導電性結晶相とは非類似の結晶構造であるため、焼結時に導電性結晶相との間で元素移動が生じにくく、導電性結晶相の組成変動が生じにくい。このため、導電性酸化物焼結体1は、所望の導電性結晶相及び絶縁性結晶相を含み、この導電性酸化物焼結体1を用いたサーミスタ素子2は、適切な電気特性を有すると考えられる。
特に、元素Crを含有しない実施例23〜29のサーミスタ素子2のB定数は、1500〜2000Kの範囲内となった。これは、導電性酸化物焼結体に元素Crを含有しないため、焼成時に元素M1である元素Srあるいは元素Caを元素Crと反応させずに、導電性結晶相に確実に固溶させることができ、秤量どおりの所望の導電性結晶相を得ることができたためであると考えられる。
以上で説明したように、本実施形態(実施例1〜29)の導電性酸化物焼結体1は、−40〜900℃の温度範囲におけるB定数が1500〜3000Kの特性を有するものとなる。
しかも、絶縁性結晶相のY4Al29は、前述した特許文献1に例示のSrAl24とは異なり水と反応しない。このため、前述したように、製造の際に水調合が可能であり、例えば有機溶媒を用いるよりも製造コストを抑えることができる。
また、この絶縁性結晶相は、ペロブスカイト型の導電性結晶相とは異なる(非類似の)結晶構造を有し、焼結時に、導電性結晶相との間で元素移動が生じにくく、導電性結晶相の組成変動が生じにくい。このため、適切な電気特性を有する導電性酸化物焼結体1とすることができる。
特に、実施例23〜29の導電性酸化物焼結体は、元素Crを含有しないため、元素Crと反応させずに、元素M1であるSr,Caを導電性結晶相に確実に固溶させることができると考えられる。このため、B定数を1500〜2000Kの範囲内に調整することができる。
また、実施例1〜13,16〜29の導電性酸化物焼結体1は、面積分率SP/Sが0.20≦SP/S≦0.80である。このため、適切な電気抵抗(抵抗率)を有し、サーミスタ素子2として用いた場合に適切に測温できる導電性酸化物焼結体1とすることができる。
また、実施例1〜29の導電性酸化物焼結体1は、元素M2がMn,Feのうち少なくともいずれかを含み、あるいは、元素M1がSr,Ca,Mgのうち少なくともいずれかを含むので、確実に−40〜900℃の温度範囲におけるB定数が1500〜3000Kである特性を有するものにできる。
また、本実施形態(実施例1〜29)のサーミスタ素子2では、前述のいずれかの導電性酸化物焼結体1を用いている。このため、−40〜900℃の温度範囲におけるB定数が1500〜3000Kの特性を有し、また、適切な抵抗値を有するサーミスタ素子2とすることができる。
次いで、本実施形態(実施例1〜29)に係るサーミスタ素子2を用いた温度センサ100の構成について、図3を参照して説明する。この温度センサ100は、サーミスタ素子2を感温素子として用いるものであり、この温度センサ100を自動車の排気管の取付部に装着して、サーミスタ素子2を排気ガスが流れる排気管内に配置させて、排気ガスの温度検出に使用するものである。
温度センサ100のうち、軸線に沿う方向(以下、軸線方向ともいう)に延びる金属チューブ3は、先端部31側(図3中、下方)が閉塞した有底筒状をなしており、この先端部31の内側に本実施形態のサーミスタ素子2を収納してなる。この金属チューブ3は、予め熱処理が施されており、その外側面及び内側面が酸化されて酸化皮膜に覆われている。金属チューブ3の内側でサーミスタ素子2の周囲には、セメント10が充填されて、サーミスタ素子2を固定している。金属チューブ3の後端32は開放されており、この後端32部分は、フランジ部材4の内側に圧入、挿通されている。
フランジ部材4は、軸線方向に延びる筒状の鞘部42と、この鞘部42の先端側(図3中、下方)に位置し、この鞘部42よりも大きい外径を有して径方向外側に突出するフランジ部41とを備えている。フランジ部41の先端側には、排気管の取付部とシールを行うテーパ状の座面45を有している。また、鞘部42は、先端側に位置する先端側鞘部44とこれよりも径小の後端側鞘部43とからなる二段形状をなしている。
そして、フランジ部材4内に圧入された金属チューブ3は、その外周面が後端側鞘部43と周方向全周に亘り部位L1でレーザ溶接されることで、フランジ部材4に強固に固定されている。また、フランジ部材4の先端側鞘部44には、概略円筒形状の金属カバー部材6が圧入され、周方向全周に亘り部位L2でレーザ溶接されて、気密状態で接合されている。
また、フランジ部材4及び金属カバー部材6の周囲には、六角ナット部51及びネジ部52を有する取り付け部材5が回動自在に嵌挿されている。本実施形態の温度センサ100は、排気管(図示しない)の取付部にフランジ部材4のフランジ部41の座面45を当接させ、取り付け部材5を取付部に螺合させることにより、排気管(図示しない)に固定する。
金属チューブ3、フランジ部材4及び金属カバー部材6の内側には、一対の芯線7を内包するシース部材8が配置されている。このシース部材8は、金属製の外筒と、導電性の一対の芯線7と、外筒内に充填され外筒及び各芯線7の間を絶縁しつつ芯線7を保持する絶縁粉末とから構成されている。なお、このシース部材8の外筒にも熱処理により、予め酸化皮膜が形成されている。
金属チューブ3の内部においてシース部材8の外筒の先端から(図中下方に)突出する芯線7には、サーミスタ素子2の電極線2a,2bがレーザ溶接により接続されている。
一方、シース部材8から後端側に突き出した芯線7は、加締め端子11を介して一対のリード線12に接続されている。芯線7同士及び加締め端子11同士は、絶縁チューブ15により互いに絶縁されている。
この一対のリード線12は、金属カバー部材6の後端部内側に挿入された弾性シール部材13のリード線挿通孔を通って、金属カバー部材6の内側から外部に向かって引き出され、図示しない外部回路(例えば、ECU)と接続するためのコネクタ21の端子部材に接続されている。これにより、サーミスタ素子2の出力は、シース部材8の芯線7からリード線12、コネクタ21を介して外部回路に取り出され、排気ガスの温度が検出される。リード線12には、飛石等の外力から保護するためのガラス編組チューブ20が被せられており、このガラス編組チューブ20は、自身の先端部が弾性シール部材13と共に金属カバー部材6に加締め固定されている。
このような構造を有する温度センサ100では、前述のサーミスタ素子2を用いているので、−40〜900℃の温度範囲におけるB定数が1500〜3000Kの特性を有し、また、適切な抵抗値を有する温度センサ100とすることができる。
以上において、本発明を実施形態(実施例1〜29)に即して説明したが、本発明は実施例1等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施例1〜29のサーミスタ素子を作製する際、原料粉末として各元素を含む化合物を例示したが、例示した化合物のほか、各元素の酸化物、炭酸塩、水酸化物、硝酸塩等の化合物を用いても良い。なお、特に酸化物、炭酸塩を用いるのが好ましい。
また、第2族元素のうち少なくとも1種の元素からなる元素M1として、実施例ではSr,MgあるいはCaを用いた例やSr,Mg,Caのうち少なくとも2つ以上の元素を用いた例を示したが、これら以外の第2族元素を用いたり、Sr,Mg,Ca以外の第2族元素をSr,Mg,Caと共に用いても良い。さらに、Crを除く第4族、第5族、第6族、第7族及び第8族元素のうち少なくとも1種の元素からなる元素M2として、実施例では、Mn及びFeの少なくともいずれかを用いた例を示した。しかし、これ以外のCrを除いた第4族、第5族、第6族、第7族及び第8族元素を用いても良い。
また、導電性酸化物焼結体の焼結性、B定数、温度特性の高温耐久性など、導電性酸化物焼結体、サーミスタ素子、あるいは温度センサに要求される特性を損なわない範囲で、導電性酸化物焼結体に、Na,K,Ga,Si,C,Cl,S等の他の成分を含有していても良い。
また、導電性酸化物焼結体として、Bサイトに入る元素のモル数c,d,e(但し、e=0)の和が1より若干小さい実施例22〜29を例示した。しかしながら、モル数c,d,eの和が1となる導電性酸化物焼結体を用いても良い。
1 導電性酸化物焼結体
2 サーミスタ素子
100 温度センサ

Claims (7)

  1. 第2族元素のうち少なくとも1種の元素をM1とし、
    Crを除く第4族、第5族、第6族、第7族及び第8族元素のうち少なくとも1種の元素をM2としたとき、
    元素Y,M1,M2,Al,Cr,Oのうち少なくとも元素Y,M1,M2,Al,Oを含有する
    導電性酸化物焼結体であって、
    一般式(YaM1b)(M2cAldCre)O3で表記されるペロブスカイト型結晶構造を有し、上記一般式の係数が下記条件式を満たす導電性結晶相と、
    4Al29で表記される絶縁性結晶相と、を含む
    導電性酸化物焼結体。
    0.500≦a<1.000
    0.000<b≦0.500
    0.150≦c≦0.860
    0.100≦d≦0.800
    0.000≦e≦0.050
  2. 請求項1に記載の導電性酸化物焼結体であって、
    元素Crを含有しない
    導電性酸化物焼結体。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の導電性酸化物焼結体であって、
    この導電性酸化物焼結体の任意の断面の断面積をS、上記断面に現れた前記導電性結晶相の総断面積をSPとしたとき、
    上記S及びSPが下記条件式を満たす
    導電性酸化物焼結体。
    0.20≦SP/S≦0.80
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の導電性酸化物焼結体であって、
    前記元素M2は、
    Mn,Feのうち少なくともいずれかを含む
    導電性酸化物焼結体。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の導電性酸化物焼結体であって、
    前記元素M1は、
    Sr,Ca,Mgのうち少なくともいずれかを含む
    導電性酸化物焼結体。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の導電性酸化物焼結体を用いてなるサーミスタ素子。
  7. 請求項6に記載のサーミスタ素子を用いてなる温度センサ。
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