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JP6082590B2 - 引戸用ランナー構造 - Google Patents

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Description

本発明は、戸板を閉戸状態又は開戸状態に保持する引戸用ランナー構造に関する。
特許文献1に開示された吊戸用キャッチは、戸板の下端部に、下端面より出没自在でかつスプリングで引き上げ方向に付勢されるピボットを備え、戸板の下端面に対応する固定床面に、戸板の移動方向に漸次深くなっている溝を有し溝の最深部に磁石体を備える。
特許文献2に開示された引戸装置は、床面等に配設されたレールの両端部に戸板の開閉限界を規制するストッパが設けられ、壁面等に戸板の上部の前後方向への移動を規制するガイド部材が設けられている。
特開平11−141215号公報 特開2008−063768号公報
特許文献1に記載された吊り戸用キャッチによれば、位置調整ができない、という問題がある。
特許文献2に記載された引戸装置によれば、部品点数が多く、複雑で、高コストになっており、位置調整が難しい、という問題がある。
本発明は、上述した点に鑑み案出されたもので、位置調整を簡単かつ微細に行うことができるキャッチを備えた引戸用ランナー構造を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の引戸用ランナー構造は、戸枠または戸板の一方の上縁または下縁に設けられたガイドレールに沿って走行するガイドローラと、ガイドローラを支持し、戸枠または戸板の他方の上縁または下縁に接続されるブラケットに設けられた被係合部と、ガイドレール内に設置され、被係合部に係合する係合部を有するキャッチ部材と、を備え、キャッチ部材は、ガイドレールの長手方向に垂直な方向に貫通する貫通孔を有し、貫通孔に固定ねじを螺合する際に、固定ねじの周面の一部がガイドレールの一部に接触し、固定ねじを回転させると、固定ねじとガイドレールとの間の摩擦によりキャッチ部材がガイドレールに沿って移動し、ガイドレールに位置決め固定されることを特徴とする。
上記構成によれば、ガイドローラを支持するブラケットに被係合部を設け、被係合部に係合する係合部を有するキャッチ部材を固定ねじでガイドレールに固定する構成であり、キャッチ部材は、貫通孔に固定ねじを螺合しガイドレールに固定する際に、固定ねじを回転させると、固定ねじの周面の一部がガイドレールの一部に接触し摩擦によりガイドレールに沿って移動する構成であるので、部品点数が少なくキャッチの位置調整を簡単かつ微細に行うことができる。
前記固定ねじの周面の一部に接触する前記ガイドレールの一部は、前記ガイドレール内に設けられた第一のリブであることが好ましい。
この構成にすると、固定ねじがガイドレールの内壁に接触する場合よりも他の機構に影響を与えることが少なく設計自由度も増す。また弾性を調整することで、キャッチ部材や固定ねじのばらつきに対応できるし、調整時にかかる力が小さくてすむ。
前記第一のリブに対向する位置において前記固定ねじの周面の一部に接触する第二のリブを有し、前記第二のリブは、前記固定ねじを前記貫通孔に螺合する際に、前記第一のリブよりも後に前記固定ねじに接触する位置に設けられている、
この構成にすると、固定ねじを回転させると、固定ねじが第一のリブに接触しキャッチの位置調整が行われてから、固定ねじが第二のリブにも接触し、固定ねじが第一のリブと第二のリブにねじ込まれキャッチの固定が行われる。
本発明によれば、キャッチの位置調整を簡単かつ微小に行うことができる引戸用ランナー構造を提供することができる。
本発明の実施形態に係り、開戸が完了する直前における引戸用ランナー構造の要部正面図である。 図1の引戸用ランナー構造について、開戸が完了した状態における要部正面図である。 引戸用ランナー構造の分解斜視図である。 キャッチ部材6をガイドレール1に取り付ける作業の最初の状態を示す縦断面図である。 固定ねじがねじ込まれる回転方向と、キャッチ部材が摩擦力で移動する方向との関係を示す平面図である。 キャッチ部材をガイドレールに取り付ける作業を完了した状態を示す縦断面図である。 図6におけるB−B線に沿った水平断面図である。 キャッチ部材の変形例を示す取付図である。 キャッチ部材の他の変形例を示す取付図である。
以下、本発明の引戸用ランナー構造に係る実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、引戸用ランナー構造について、開戸が完了する直前の要部正面図である。図2は、開戸が完了した状態における要部正面図である。図3は、引戸用ランナー構造の分解斜視図である。
引戸用ランナー構造100は、戸枠Wの上縁に設けられたガイドレール1(図3参照)に沿って走行するガイドローラ2と、ガイドローラ2を支持し、戸板Dの上縁に接続されるブラケット3及びこれに設けられた被係合部4と、ガイドレール1内に設置され、被係合部4に係合する係合部5を有するキャッチ部材6と、を備えている。
ガイドレール1は、アルミニウムの押出型材よりなり、上面部1aと、上面部1aの両側縁より一体に垂下する一対の側面部1b,1cと、一方の側面部1bの下端より他方の側面部1cの下端に向かって短く延びてから先端にて上方に短く立ち上がる断面L字型の軌道部1dと、上面部1a内面より短く垂下する第1のリブ1eと他方の側面部1c内面より水平に短く延びる第2のリブ1fとで軌道部1dと対角位置に形成される小室1gと、を有する。第1のリブ1eの下端は、第2のリブ1fの下面よりも僅かに下位置にある。
ガイドローラ2は、戸板Dの上縁の一方の端部と他方の端部のそれぞれに対応する位置に2個備えられる。各端部の2個のガイドローラ2は、ブラケット3に回転可能に支持されガイドレール1の軌道部1dに乗って走行する。
戸板Dの上端角部に固定されるユニット部材7は、ケース部材8と、ケース部材8に対しガイドレール1に沿った方向に挿し込み係合ロックしかつ外部操作によりロック解除し得る係合ロック部材9と、ビスねじ11によりケース部材8に固定される支軸ブロック体10とを備える。
ブラケット3は、支軸ブロック体10から上方に延びて設けられ、上端においてガイドレール1の長手方向に対して水平に直交する方向に延びた軸を介して2個のガイドローラ2を片持ち式に支持する。
図4は、キャッチ部材6をガイドレール1に取り付ける作業の最初の状態を示す縦断面図である。
図4に示すように、キャッチ部材6は、ガイドレール1の長手方向に垂直な方向(図では上下方向)に貫通する貫通孔6aを有する。この貫通孔6aは、上側の略半部が固定ねじ12がねじ込まれる小径部6aa、下側の残り半部が固定ねじ12の頭部が入り込む大径部6abとされている。
キャッチ部材6は、ガイドレール1内に収容される際、第2のリブ1fの下面と一側面1cの内面とに当接し、また上面に設けられた凸部6b(図3参照)が第1のリブ1eと第2のリブ1fとの段差部に係合して、ガイドレール1内を長手方向に移動可能に収容される。
図5は、固定ねじ12がねじ込まれる回転方向と、固定ねじ12がねじ込まれるときにキャッチ部材6が摩擦力で移動する方向との関係を示す平面図である。
キャッチ部材6をガイドレール1内に図4に示すように収容した状態において、貫通孔6aの小径部6aaに固定ねじ12をねじ込んでいくと、小径部6aaを通過した固定ねじ12の周面の一部がガイドレール1の第1のリブ1eに接触し、固定ねじ12を回転させると、固定ねじ12と第1のリブ1eとの間の摩擦によりキャッチ部材6がガイドレール1に沿って移動する。このようにして、キャッチ部材6の、ガイドレール1内での位置を調整することが可能である。適宜の位置でキャッチ部材6を押さえた状態で、またはキャッチ部材6の進行方向に障害物を設置した状態で固定ねじ12をねじ込んでいくと、固定ねじ12と第1のリブ1eとの間の摩擦に抗って、キャッチ部材6を移動させずに固定ねじ12を螺着することが可能である。
キャッチ部材6の進行方向は、固定ねじ12に対する第1のリブ1e及び第2のリブ1fの位置と、固定ねじ12のねじ方向により決定される。本実施形態においては、図3に示すように、戸枠W側から見て、第1のリブ1eが固定ねじ12の右側、第2のリブ1fが固定ねじ12の左側に位置し、かつ固定ねじ12が順ねじであるため、キャッチ部材6を戸枠Wに近い位置に設置し、固定ねじ12を回転させた場合には、上述の作用によりキャッチ部材6が戸枠Wに接近し、図2に示すようにキャッチ部材6が戸枠Wに完全に当接した状態でキャッチ部材6が自動的に位置決めされ、固定ねじ12を螺着することができる。そのため、固定ねじ12の回転前の状態においてキャッチ部材6を精密に位置決めする必要がない。なお、第1のリブ1eと第2のリブ1fとの位置関係を逆にし、固定ねじ12を逆ねじにすることによっても同様の効果を得ることができる。
固定ねじ12を、図4に示す状態からさらにねじ込んでいくと、固定ねじ12が第2のリブ1fにも接触する。固定ねじ12が第1のリブ1eと第2のリブ1fとに接触した状態で、固定ねじ12を回転させると、固定ねじ12は第1のリブ1eと第2のリブ1fとの間に挟まれ、双方にねじ切りをしつつ第1のリブ1eと第2のリブ1fとの間にねじ込まれていく。この状態では、固定ねじ12と第1のリブ1eとの間の摩擦と固定ねじ12と第2のリブ1fとの間の摩擦とが均衡するため、キャッチ部材6は移動しない。すなわち、キャッチ部材6は、戸枠Wや他の障害物に妨げられない場合には、固定ねじ12が第1のリブ1eに接触してから第2のリブ1fに接触するまでの間、固定ねじ12と第1のリブ1eとの間の摩擦に従って移動し、固定ねじ12が第2のリブ1fに接触した位置で位置決めされる。
固定ねじ12をさらにねじ込んでいくと、図6に示すように固定ねじ12はガイドレール1の上側の内壁に当接し、キャッチ部材6は、ガイドレール1に位置決め固定される。
ガイドローラ2を支持するブラケット3には凸出した被係合部4が備えられ、上記のようにガイドレール1に位置決め固定されるキャッチ部材6には、被係合部4に係合する二股状の係合部5が備えられている。これにより、戸板Dは、被係合部4と係合部5との係合が行われると、停止状態を保持される。従って、キャッチ部材6が備えられる位置と向き、及びキャッチ部材6に対応してブラケット3に備えられる被係合部4の向きによって、戸板Dを開戸状態又は閉戸状態に保持できる。
図7は、図6におけるB−B線に沿った水平断面図であって、ガイドレール1に取り付けられたキャッチ部材6と戸板Dの開戸状態の関係を示している。
キャッチ部材6は、取り付け時の調整移動を利用することにより、係合部5で被係合部4を挟持するときに、適度な係合を実現することができる。
上述したように、キャッチ部材6を固定ねじ12でガイドレール1に固定する構成であり、キャッチ部材6は、貫通孔6aに固定ねじ12を螺合しガイドレール1に固定する際に、固定ねじ12を回転させると、固定ねじ12の周面の一部がガイドレール1の一部に接触し摩擦によりガイドレール1に沿って移動する構成であるので、部品点数が少なくキャッチの位置調整を簡単かつ微細に行うことができる。
そして、固定ねじ12がガイドレール1の内壁に接触する場合よりも他の機構に影響を与えることが少なく設計自由度も増す。またガイドレール1の弾性を調整することで、キャッチ部材6や固定ねじ12のばらつきに対応できるし、調整時にかかる力が小さくてすむ。
〔その他の実施形態〕
本発明は、上記の実施形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲の技術的範囲には、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々、設計変更した形態が含まれる。
図8は、キャッチ部材の変形例を示すものであって、図8(a)は、キャッチ部材6Aをガイドレール1に収容する前段階の状態を示し、図8(b)は、キャッチ部材6Aをガイドレール1に収容した状態を示す。このキャッチ部材6Aは、上面に小室1gに入り込んでガイドレール1の長手方向に対して直角方向の位置決めが行われる凸部6baが設けられている。このため、キャッチ部材6Aを上方へ押し付けてガイドレール1に対し垂直な方向について位置決めした状態で、貫通孔6aへの固定ねじのねじ込みを行うことができ、固定ねじのねじ込みを行いやすい。
図9は、キャッチ部材の他の変形例を示すものであって、図9(a)はキャッチ部材6Bの斜視図、図9(b)はキャッチ部材6Bを異なる方向より見た斜視図、図9(c)はキャッチ部材6Bをガイドレール1に収容する前段階の状態を示し、図9(d)は、キャッチ部材6Bをガイドレール1への収容途中の状態を示し、図9(e)はキャッチ部材6Bをガイドレール1に収容した状態を示す。このキャッチ部材6Bは、上面にフック形状の凸部6bbが設けられ、当該凸部6bbがガイドレール1の小室1gに入り込んで第2のリブ1fを抱え込むことができる。このため、キャッチ部材6Bをガイドレール1に仮に吊るしておくことができ、この状態で貫通孔6aへの固定ねじのねじ込みを行うことができるため、キャッチ部材6Bを押さえておく必要がなく、取付がより容易である。
上記実施形態によれば、ガイドローラ2が戸枠Wの上縁に設けられたガイドレール1に沿って走行し、ガイドローラを支持するブラケット3が戸板Dの上縁に接続され、被係合部4がブラケット3に設けられた、被係合部4に係合する係合部5がキャッチ部材6に備えられている構成であるが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、以下のような態様も含んでいる。
(1)ガイドローラ2が戸枠Wの下縁に設けられたガイドレール1に沿って走行し、ガイドローラを支持するブラケット3が戸板Dの下縁に接続され、被係合部4がブラケット3に設けられた、被係合部4に係合する係合部5がキャッチ部材6に備えられている構成。
(2)ガイドローラ2が戸板Dの上縁に設けられたガイドレール1に沿って走行し、ガイドローラを支持するブラケット3が戸枠Wの上縁に接続され、被係合部4がブラケット3に設けられた、被係合部4に係合する係合部5がキャッチ部材6に備えられている構成
(3)ガイドローラ2が戸板Dの下縁に設けられたガイドレール1に沿って走行し、ガイドローラを支持するブラケット3が戸枠Wの下縁に接続され、被係合部4がブラケット3に設けられた、被係合部4に係合する係合部5がキャッチ部材6に備えられている構成。
戸枠W
戸板D
ガイドレール1
ガイドローラ2
ブラケット3
被係合部4
係合部5
キャッチ部材6
貫通孔6a
固定ねじ12
第1のリブ1e
第2のリブ1f

Claims (3)

  1. 戸枠または戸板の一方の上縁または下縁に設けられたガイドレールに沿って走行するガイドローラと、
    ガイドローラを支持し、戸枠または戸板の他方の上縁または下縁に接続されるブラケットに設けられた被係合部と、
    ガイドレール内に設置され、被係合部に係合する係合部を有するキャッチ部材と、を備え、
    キャッチ部材は、ガイドレールの長手方向に垂直な方向に貫通する貫通孔を有し、貫通孔に固定ねじを螺合する際に、固定ねじの周面の一部がガイドレールの一部に接触し、固定ねじを回転させると、固定ねじとガイドレールとの間の摩擦によりキャッチ部材がガイドレールに沿って移動し、ガイドレールに位置決め固定される
    ことを特徴とする、引戸用ランナー構造。
  2. 前記固定ねじの周面の一部に接触する前記ガイドレールの一部は、前記ガイドレール内に設けられた第一のリブである、
    請求項1に記載の引戸用ランナー構造。
  3. 前記第一のリブに対向する位置において前記固定ねじの周面の一部に接触する第二のリブを有し、前記第二のリブは、前記固定ねじを前記貫通孔に螺合する際に、前記第一のリブよりも後に前記固定ねじに接触する位置に設けられている、
    請求項2に記載の引戸用ランナー構造。
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