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JP6079318B2 - インクセット、記録方法および記録装置 - Google Patents

インクセット、記録方法および記録装置 Download PDF

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Description

本発明は、インクセット、記録方法および記録装置に関する。
インクジェット記録方式を用いた印刷方法は、インクの小滴を吐出・飛翔させて紙などの被記録媒体上に付着(着弾)させることにより行なう。近年のインクジェット記録技術の革新的な進歩により、これまで写真やオフセット印刷が用いられていた高精細な画像記録(画像印刷)の分野にもインクジェット記録方式を用いた記録方法が利用されている。
このインクジェット記録方式において、より高精細な記録を行なうために、吐出されるインク滴の量は数ピコリットルと極微量になり、インクを吐出するノズルの径やノズルの間隔はより小さくなっている。例えば、特許文献1には、高画質化に対応した記録ヘッド(個別流路が相対的に短い第1ノズルと相対的に長い第2ノズルとが30μm未満の配置間隔で交互に配置されてなる記録ヘッド(吐出ヘッド))に適用できるとする、1,2−ヘキサンジオールのような特定のアルカンジオールを含むインクジェット用インクが開示されている。
特開2009−287003号公報
しかしながら、特許文献1に記載のインクジェット用インクには、主として低沸点の浸透剤が用いられているため、記録された画像からの有機溶媒の揮発量(VOC:Volatile Organic Compounds)が多くなってしまうという課題があった。また、1,2−ヘキサンジオールのような浸透剤を用いなかった場合、浸透性(濡れ性)が確保できないなどの理由によりドット面積を確保しづらく、インク滴量を多くしたり、ヘッドの駆動速度を上げたりしなければ、記録時間が長くなってしまうという問題があった。しかしこれらの解決手段では吐出が不安定、ブリードの発生といった新たな課題を招く恐れがあった。また、より大判の記録媒体により高速で記録を行なうためには、記録ヘッドの駆動速度をより上げたり、液滴量を多くしたりしなければならず、その結果、インク滴の着弾ズレなど、画質の低下を招いてしまうという問題もあった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例または形態として実現することが可能である。
[適用例1] 本適用例に係るインクセットは、第1インク組成物と、第2インク組成物と、を有し、前記第1インク組成物は、第1の顔料と、炭素数が6以下であり標準沸点240℃以上のアルキルジオールと、を含有し、前記第2インク組成物は、第2の顔料と、前記アルキルジオールとを含有し、前記第1インク組成物において、前記第1顔料の含有量は2.5質量%以上であり、前記アルキルジオールの含有量は3質量%以上15質量%以下であり、前記第2インク組成物において、前記第2顔料の含有量は2.5質量%未満であり、前記アルキルジオールの含有量は8質量%以上30質量%以下であり、前記第2インク組成物の前記アルキルジオールの含有量は、前記第1インク組成物の前記アルキルジオール含有量よりも多いことを特徴とする。
本適用例によれば、インク組成物をインク滴の状態で記録媒体に付与した場合、アルキルジオールの含有量を多くすることで、記録媒体への濡れ性を高め、顔料の分散領域(濡れ広がる領域)を広くすることができる。また、比較的顔料の含有量が多い場合であっても、アルキルジオールの含有量を少なくすることで、顔料の広がり領域を狭くすることができる。このように、顔料の含有量に応じてアルキルジオールの含有量を複数備えることにより、インク滴で形成されたドットとしての顔料の分布をコントロールすることができる。また、インクセットとして、本適用例のような組成とすることにより、例えば、インクジェット記録方式を用いた記録方法において好適なインクセットを提供することができる。
[適用例2] 上記適用例に係るインクセットにおいて、前記第1インク組成物および前記第2インク組成物が含有するそれぞれの前記アルキルジオールは、分岐構造を有していることを特徴とする。
本適用例のように、溶媒として、炭素数が6以下であり、分岐構造を有するアルキルジオールを用いることにより、浸透性や濡れ性が良好なインク組成物を提供することができる。その結果、記録画像を形成するためのインク滴の量をより多くし、記録媒体に形成されたドット径をより大きくした場合であっても、記録画像において、より顔料の分布を良好に(より均一な方向に)することができる。つまり、本適用例によれば、インク滴で形成されたドットとしての顔料の分布をコントロールすることができ(適用例1)、また、より大きなドットにおいても良好に行なうことができるようになる(適用例2)。そのため、例えば、インクジェット記録方式における画像記録などにおいて、インク滴の大きさ(量)をより大きくし、少ないドット数で画像を形成するようにした場合であっても、ドットむらやドットによる粒状感(つぶつぶ感)などの少ない良好な画像を得ることができるようになる。その結果、良好な画像を維持しながら、記録に要する時間をより短くすることができる。例えば、インクジェット記録装置におけるインクジェット記録ヘッド(吐出ヘッド)の駆動速度を上げることなく記録時間を短縮したり、より大判の記録媒体に対する記録時間を増加させずに記録したりすることができる。
[適用例3] 上記適用例に係るインクセットにおいて、前記第1インク組成物および前記第2インク組成物は、標準沸点が240℃未満の有機溶剤を実質的に含まないことが好ましい。
本適用例のように、第1インク組成物および第2インク組成物に、標準沸点が240℃未満の有機溶剤を実質的に含まないようにすることで、画像記録におけるVOCの発生を低減することができ、環境に与える影響の度合いをより低減することができる。
[適用例4] 上記適用例に係るインクセットにおいて、前記第2インク組成物が含有する前記第2の顔料の含有量より多い含有量の第3の顔料と、前記第1インク組成物が含有する前記アルキルジオールの含有量より多い含有量の前記アルキルジオールと、を含有する第3インク組成物を有し、前記第1の顔料が有彩色顔料であり、前記第3の顔料が黒色顔料であることが好ましい。
本適用例によれば、インクセットは、上述した適用例に対してさらに黒色顔料とアルキルジオールとを含有する第3インク組成物を有する。第3インク組成物が含有する黒色顔料は、第2インク組成物が含有する第2の顔料の含有量より多く、また、第3インク組成物が含有するアルキルジオールは、第1インク組成物が含有するアルキルジオールの含有量より多い。また、第1インク組成物が含有する第1の顔料が有彩色顔料である。インクセットとして、このように構成することで、黒色のインク組成物を含む画像の記録(印刷)において、より粒状感が軽減された良好な画像を得ることができる。インクジェット記録方式を用いたフルカラーの記録方法において、上述した効果が得られる好適なインクセットを提供することができる。
[適用例5] 本適用例に係る記録方法は、上記適用例に記載のインクセットを用いる記録方法であって、吐出ヘッドを用いて前記第1インク組成物および/または前記第2インク組成物のインク滴を吐出して記録媒体に画像を記録することを特徴とする。
本適用例による記録方法によれば、より少ないドット数であっても、ドットむらやドットによる粒状感などの少ない良好な画像を得ることができるようになる。その結果、記録に要する時間をより短くすることができる。すなわち、吐出ヘッドの駆動速度を上げることなく記録時間を短縮したり、より大判の記録媒体に対する記録時間を増加させずに記録したりすることができる。
[適用例6] 上記適用例に係る記録方法において、前記インク滴が10ピコリットル以上であることが好ましい。
本適用例のように、吐出ヘッドを用いて第1インク組成物および/または第2インク組成物のインク滴を吐出して記録媒体に画像を記録する場合において、インク滴が10ピコリットル以上であることにより、一つのインク滴あたりのドット径をより大きくすることができ、その結果、吐出ヘッドの駆動速度を上げることなく記録時間を短縮したり、より大判の記録媒体に対する記録時間を増加させずに記録したりすることができる。インク滴が10ピコリットル以上であっても、上記インクセットを用いることにより、ドットむらやドットによる粒状感(つぶつぶ感)などの少ない良好な画像を得ることができる。
[適用例7] 上記適用例に係る記録方法において、前記画像の解像度が1000dpi以下であることが好ましい。
本適用例のように、吐出ヘッドを用いて第1インク組成物および/または第2インク組成物のインク滴を吐出して記録媒体に画像を記録する場合において、画像の解像度が1000dpi以下とドット数をより少なくすることにより、吐出ヘッドの駆動速度を上げることなく記録時間を短縮したり、より大判の記録媒体に対する記録時間を増加させずに記録したりすることができる。画像の解像度が1000dpi以下であっても、上記インクセットを用いることにより、ドットむらやドットによる粒状感などの少ない良好な画像を得ることができる。
[適用例8] 本適用例に係る記録装置は、上記適用例に記載の記録方法により記録する記録装置であって、前記吐出ヘッドを移動させる走査機構と、前記記録媒体を移動する搬送機構と、を備え、前記走査機構による前記吐出ヘッドの移動と前記搬送機構による前記記録媒体の移動とを交互に繰り返すことを特徴とする。
本適用例のように、上記適用例に記載の記録方法により記録することにより、インク滴の量をより多くし、記録媒体に形成されるドット径をより大きくした場合であっても、記録画像において、より顔料の分布を良好に(より均一な方向に)することができ、ドットむらやドットによる粒状感などの少ない良好な画像を得ることができる。すなわち、同一の領域に対して吐出を何度も繰り返すことなく、つまり吐出ヘッドの移動を繰り返す(走査する)ことなく有効な画像を形成することができるため、走査機構による吐出ヘッドの移動と搬送機構による記録媒体の移動(搬送)とを交互に繰り返すことが可能となる。その結果、画像記録に要する時間を短縮することができる。本適用例に係る記録装置は、より高いスループットが望まれる記録装置、例えば、大判の記録媒体に高速に印刷する記録装置などに最適である。
[適用例9] 上記適用例に係る記録装置において、前記吐出ヘッドがラインヘッドであることを特徴とする。
本適用例のように、上記適用例に記載の記録方法により記録することにより、インク滴の量をより多くし、記録媒体に形成されるドット径をより大きくした場合であっても、記録画像において、より顔料の分布を良好に(より均一な方向に)することができ、ドットむらやドットによる粒状感などの少ない良好な画像を得ることができる。すなわち、吐出ヘッドを、画像形成のために何度も移動を繰り返す(走査する)必要のないラインヘッドで構成することが可能、あるいは容易になる。吐出ヘッドをラインヘッドで構成することにより、より記録装置の構成を簡略化することができ、またラインヘッドで構成することにより、より高速な記録が可能となる。つまり、より高いスループットが望まれる記録装置、例えば、大判の記録媒体に高速に印刷する記録装置などに最適である。
[適用例10] 本適用例に係る記録物は、上記適用例に記載のインクセットを用いて記録されたことを特徴とする。
本適用例によれば、記録物は、上記適用例に記載のインクセットを用いて記録されることにより、ドットむらやドットによる粒状感などの少ない良好な画像が、より高速に、より構成が簡略化された記録装置によって記録される。従って、より容易にまたより安価な記録物として得ることができる。
実施形態4に係る記録装置としてのインクジェット記録装置を示す斜視図。
以下に本発明を具体化した実施形態について説明する。なお、以下は本発明の一実施形態であって、本発明を限定するものではない。
まず、本発明のベースとなるインクジェット記録方式、インク組成物、記録媒体について説明する。
<インクジェット記録方式>
インクジェット記録方式とは、例えば、ノズルとノズルの前方に置いた加速電極の間に強電界を印加し、ノズルからインク(インク組成物)をインク滴状態で連続的に噴射(吐出)させ、インク滴が偏向電極間を飛翔する間に記録情報信号を偏向電極に与えて記録する方式、またはインク滴を偏向することなく記録情報信号に対応して噴射させる方式(静電吸引方式)、小型ポンプでインク液に圧力を加え、ノズルを水晶振動子などで機械的に振動させることにより、強制的にインク滴を噴射させる方式、インク液に圧電素子で圧力と記録情報信号を同時に加え、インク滴を噴射・記録させる方式(ピエゾ方式)、インク液を記録情報信号にしたがって微小電極で加熱発泡させ、インク滴を噴射・記録させる方式(サーマルジェット方式)などの記録方法を指す。この方法による記録は、例えば、インクジェット式の吐出ヘッド、トレイ、吐出ヘッド駆動機構、キャリッジなどを備えたインクジェット記録装置によって行なう。
<インク組成物>
このようなインクジェット記録方式により、複数のインク組成物を用いて画像を形成(記録)する。インク組成物は、顔料、特定のアルカンジオールなどから構成される。また、溶媒としての水もしくは少なくとも一種の有機溶剤、樹脂、界面活性剤などを含んでも良い。
インク組成物は、例えば、濃インク組成物からなるインクセットとして、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色のインクセットにブラック(K)を加えた4色のインクセットなどがある。また、例えば、それぞれの色材の濃度を淡くした淡インク組成物からなるライトイエロー(Ly)、ライトマゼンタ(Lm)、ライトシアン(Lc)、ライトブラック(Lk)などのインクセットを加えた8色のインクセットなどがある。
<色材としての顔料>
顔料としては、特に制限されないが、無機顔料や有機顔料がある。
無機顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラックなどのカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンなどを使用することができる。
有機顔料としては、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料などのアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレンおよびペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料などの多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料などが挙げられる。上記顔料は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
イエロー有機顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、155、167、172、180、185、213などが挙げられる。
マゼンタ有機顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、またはC.I.ピグメントバイオレット19、23、32、33、36、38、43、50などが挙げられる。
シアン有機顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、15:34、16、18、22、25、60、65、66、C.I.バットブルー4、60などが挙げられる。
グリーン顔料としては、C.I.ピグメントグリーン7(フタロシアニングリーン)、10(グリーンゴールド)、36、37、58などが挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。これらの中でも、C.I.ピグメントグリーン7、36、37、58などのフタロシアニン系顔料であることが好ましい。
オレンジ顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ2、5、7、13、14、15、16、24、34、36、38、40、43、63、64が挙げられる。これらの中でも、ピグメントオレンジ36、または43が好ましい。
<水>
インク組成物に水を含ませる場合、水は主に顔料を分散させる分散媒として機能する。インク組成物は、水を25質量%以上含む水系インクであっても、水の含有量が25質量%未満である非水系インクであってもよいが、記録媒体上で溶媒が速やかに減少することで顔料の定着性、記録媒体上での配向性が向上する水系インクがより好ましい。
<有機溶剤>
インク組成物には、有機溶剤として、多価アルコール、グリコールエーテルなどが含有されていても良い。
<多価アルコール>
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオールなどが挙げられる。
本発明では、多価アルコールとして、炭素数が6以下で分岐構造を有するアルキルジオールを用いている。詳細については、後述する実施形態および実施例にて説明する。
<グリコールエーテル>
グリコールエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエーテルを挙げることができる。
<樹脂>
インク組成物に含む樹脂は、顔料を分散させる分散剤として機能する。樹脂としては、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリメタアクリル酸エステル、ポリエチルアクリル酸、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、クロロプレン共重合体、フッ素樹脂、フッ化ビニリデン、ポリオレフィン樹脂、セルロース、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、ポリスチレン、スチレン−アクリルアミド共重合体、ポリイソブチルアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、ロジン系樹脂、フルオレン系樹脂、ポリエチレン、ポリカーボネート、塩化ビニリデン樹脂、セルロースアセテートブチレートなどのセルロース系樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル共重合体、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン、ロジンエステルなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
<界面活性剤>
界面活性剤の種類としては、特に限定されないが、アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロキサン系界面活性剤であることが好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロキサン系界面活性剤は、記録媒体などの被記録面への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることができる。
<その他の成分>
インク組成物は、上記以外の成分(その他の成分)を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、pH調整剤、浸透剤、有機バインダー、尿素系化合物、糖類、アルカノールアミン(トリエタノールアミンなど)などの乾燥抑制剤などが挙げられる。
<記録媒体>
記録媒体としては、特に制限はなく、例えば、普通紙、インクジェット専用紙(マット紙、光沢紙)、塩ビなどのプラスチックフィルム、基材にプラスチックや受容層をコーティングしたフィルムなどの種々の記録媒体を用いることができる。
次に、本発明を具体化した実施形態について説明する。なお、以下は本発明の一実施形態であって、本発明を限定するものではない。
(実施形態1)
まず、実施形態1に係るインクセットについて説明する。
本実施形態に係るインクセットは、第1インク組成物および第2インク組成物を有している。
第1インク組成物は、顔料濃度が2.5質量%以上の濃インク組成物(濃インクの場合、顔料は第1顔料とする)である。つまり、2.5質量%以上の第1の顔料と、3質量%以上15質量%以下(好ましくは3質量%以上10質量%以下)のアルキルジオールとを含有している。
第1の顔料としては、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、オレンジ(Or)、グリーン(Gr)などのカラーインク組成物に、それぞれの色に対応した有彩色の有機顔料を用いている。また、第1の顔料として、例えば、ブラック(K)のインク組成物に、黒色顔料(無機顔料)を用いている。
第2インク組成物は、顔料濃度が2.5質量%未満の淡インク組成物(淡インクの場合、顔料は第2顔料とする)である。つまり、2.5質量%未満の第2の顔料と、第1インク組成物が含有するアルキルジオールの含有量より多く且つ8質量%以上30質量%以下(好ましくは8質量%以上20質量%以下)のアルキルジオールとを含有している。また、その際のアルキルジオール含有量は、前述した第2インク組成物のアルキルジオール含有量よりも多いものである。なお、顔料の好ましい含有量は2.5質量%以上8質量%以下である。なお、顔料の好ましい含有量は0.05質量%以上1質量%以下である。
第2の顔料としては、例えば、ライトイエロー(Ly)、ライトマゼンタ(Lm)、ライトシアン(Lc)のカラーインク組成物に、それぞれの色に対応した有機顔料を用いている。また、グレー(Lk)、ライトグレー(LLk)のインク組成物には黒色顔料(無機顔料)を用いている。
第1インク組成物および第2インク組成物が含有するそれぞれのアルキルジオールは、炭素数が6以下であり標準沸点240℃以上である。具体的には、例えば、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどが挙げられる。より好ましくは分岐構造を有していると良い。最もこの好ましくは、3−メチル−1,5−ペンタンジオールである。このような有機溶剤群を用いる事により、良好な浸透性を確保し、VOC量も抑える事が可能となる。
また、VOC量の観点から第1インク組成物、第2インク組成物には、標準沸点が240℃未満の有機溶剤を実質的に含んでいないことが好ましい。
ここで、実質的に含まないとは、インクの総質量(100質量%)に対して、例えば1.0質量%以上含有しないことであり、好ましくは0.5質量%以上含有しないことであり、より好ましくは0.1質量%以上含有しないことであり、さらに好ましくは0.05質量%以上含有しないことであり、さらにより好ましくは0.01質量%以上含有しないことであり、最も好ましくは0.001質量%以上含有しないことである。
本実施形態によるインクセットによれば、以下の効果を得ることができる。
インク組成物をインク滴(インク滴)の状態で記録媒体に付与した場合、アルキルジオールの含有量を多くすることで、記録媒体への濡れ性を高め、顔料の分散領域(濡れ広がる領域)を広くすることができる。淡インク組成物に含まれる第2の顔料は、濃インク組成物に含まれる第1の顔料の含有量より少ないが、淡インク組成物におけるアルキルジオールの含有量が多いため、淡インク組成物の濡れ広がりが大きくなり、ドットむらやドットによる粒状感などの少ない良好な画像を得ることができるようになる。また、濡れ広がりが大きくなることで、乾きやすくなるため、インク滴の打ち込み量(付与量)を増やすことができる。
逆に、比較的顔料の含有量が多い場合であっても、アルキルジオールの含有量を少なくすることで、顔料の広がり領域を狭くすることができる。濃インク組成物におけるアルキルジオールの含有量は、淡インク組成物に比較して少ないため、顔料の広がり領域が比較的狭くなるが、顔料濃度が高い濃インク組成物の場合、顔料の広がり領域が狭くなったとしても粒状感などの課題は生じにくい傾向にある。
このように、顔料の含有量に応じてアルキルジオールの含有量を複数備えることにより、インク滴で形成されたドットとしての顔料の分布をコントロールすることができる。また、インクセットとして、3質量%以上15質量%以下のアルキルジオールを含有する第1インク組成物と、第1インク組成物が含有するアルキルジオールの含有量より多く且つ8質量%以上30質量%以下のアルキルジオールを含有する第2インク組成物と、を備えることにより、インクジェット記録方式を用いた記録方法において好適なインクセットを提供することができる。
また、浸透剤として、炭素数が6以下であり、標準沸点240℃以上のアルキルジオールを用いることにより、浸透性や濡れ性が良好なインク組成物を提供することができる。その結果、記録画像を形成するためのインク滴の量をより多くし、記録媒体に形成されたドット径をより大きくした場合であっても、記録画像において、より顔料の分布を良好に(より均一な方向に)することができる。つまり、本実施形態によれば、インク滴で形成されたドットとしての顔料の分布をコントロールすることができ、また、より大きなドットにおいても良好に行なうことができるようになる。そのため、インクジェット記録方式における画像記録などにおいて、インク滴の大きさ(量)をより大きくし、少ないドット数で画像を形成するようにした場合であっても、ドットむらやドットによる粒状感などの少ない良好な画像を得ることができるようになる。その結果、良好な画像を維持しながら、記録に要する時間をより短くすることができる。インクジェット記録装置におけるインクジェット記録ヘッド(吐出ヘッド)の駆動速度を上げることなく記録時間を短縮したり、より大判の記録媒体に対する記録時間を増加させずに記録したりすることができる。
また、第1インク組成物および第2インク組成物に、標準沸点が240℃未満の浸透剤を用いていないので、画像記録におけるVOCの発生を低減することができ、環境に与える影響の度合いをより低減することができる。
(実施例および比較例)
以下、実施例および比較例によって本発明に係るインクセットを具体的に説明する。
なお、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
表1に、第1インク組成物および第2インク組成物として具体的に調整したインク組成物の構成を示す。
濃インク組成物としての第1インク組成物は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のインク組成物を準備した。
淡インク組成物としての第2インク組成物は、ライトマゼンタ(Lm)、ライトシアン(Lc)、グレー(Lk)、ライトグレー(LLk)のインク組成物を準備した。
顔料として、イエロー(Y)には、ピグメントイエロー74を、シアン(C)、ライトシアン(Lc)には、ピグメントブルー15:3を、マゼンタ(M)、ライトマゼンタ(Lm)には、ピグメントバイオレット19を、ブラック(K)、グレー(Lk)、ライトグレー(LLk)にはカーボンブラックを、それぞれ表1に示す含有量で用いた。
また、分散剤としての樹脂にはスチレン−アクリル酸共重合体を、界面活性剤にはBYK−348(ビックケミー・ジャパン社製)を、多価アルコールはグリセリンを、乾燥抑制剤にはトリエタノールアミンを、それぞれ表1に示す含有量で用いた。
Figure 0006079318
表2に、アルキルジオールの種類およびその含有量を変動させて調整した上記の第1インク組成物および第2インク組成物によるインクセットの実施例1〜6と比較例1〜4とを示す。表2には、それぞれのインクセットに対するVOC発生量の評価結果および粒状感の評価結果を付記している。
アルキルジオールとしては、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(MPD)と1,6−ヘキサンジオール(1,6−HD)とを用いた。なお、比較例1には、VOCの評価として、標準沸点が223〜224℃の1,2−ヘキサンジオール(1,2−HD)を用いた。
VOC発生量の評価は、インクジェット記録装置として、PX−H8000(セイコーエプソン株式会社製)を用い、ブルーエンジェル(ドイツ環境ラベル)による測定方法・評価条件に従って行なった。判定の基準を以下に示す。
VOCの判定:良好「A」・・・VOC5mg/時間以下
不良「C」・・・VOC5mg/時間超
粒状感の評価は、日本画像学会論文「インクジェットの画質評価」(Japan hardcopy ’99論文集(P291‐294))に従って行なった。具体的には、専用の粒状性評価画像(グラデーションパッチ)を実施例1〜6および比較例1〜4のインク組成物を用いて印刷し、得られた印刷物をスキャナーで電子データとして取り込み、専用ソフトにて粒状性指標値を算出することで行なった。
インクジェット記録装置には、PX−H8000(セイコーエプソン株式会社製)を用い、720×720dpiにて印刷した。記録媒体には、写真用光沢紙(写真用紙<光沢>セイコーエプソン株式会社製)を用いた。スキャナーには、GT−X770(セイコーエプソン株式会社製)を用い、解像度1200dpi、解析対象領域256×256pixelにて画像データを取り込み、解析データとした。
粒状感の評価は、算出された粒状性指標値に対して以下の判定基準に従って行なった。
粒状感の判定:良好 「A」・・・粒状性指標が0.28以下
略良好「B」・・・粒状性指標が0.28〜0.30未満
不良 「C」・・・粒状性指標が0.30以上
Figure 0006079318
表2から明らかなように、実施形態1によるインク組成物(実施例1〜6)では、VOC評価および粒状感評価において良好な結果(「A」あるいは「B」)が得られた。また、実施形態1によらない比較例1〜4では、VOC評価および粒状感評価のいずれかにおいて不良判定「C」となった。
(実施形態2)
次に、実施形態2に係るインクセットついて説明する。
実施形態2は、ブラック(K)のインク組成物を第3インク組成物として、第1インク組成物とは異なる組成にしていることを特徴としている。
実施形態2に係るインクセットは、第1インク組成物、第2インク組成物および第3インク組成物を有している。
第3インク組成物は、ブラック(K)のインク組成物であり、第1インク組成物の第1顔料より多い含有量の第3の顔料と、第1インク組成物が含有するアルキルジオールの含有量より多い含有量のアルキルジオールとを含有している。
第3の顔料としては、黒色顔料(無機顔料)を用いている。黒色顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラックなどのカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類を使用することができる。
本実施形態によるインクセットによれば、他のカラーインクなどと比較して粒状性の課題が発生しやすいブラック(K)インク組成物を含む画像の記録(印刷)において、より粒状感が軽減された良好な画像を得ることができる。インクセットとして、第1インク組成物、第2インク組成物および第3インク組成物を有することで、インクジェット記録方式を用いたフルカラーの記録方法において、上述した効果が得られる好適なインクセットを提供することができる。
(実施形態3)
次に、実施形態3に係る記録方法について説明する。
実施形態3は、上述したインクセットを用いた記録方法である。
記録方法としては、吐出ヘッドを用い、実施形態1および実施形態2に示した第1インク組成物、第2インク組成物および第3インク組成物の少なくともひとつのインク組成物のインク滴を吐出して記録媒体に画像を記録する。また、インク滴は、10ピコリットル以上(例えば15ピコリットル)であり、画像の解像度(縦および横)は共に1000dpi以下(例えば720dpi)である。
本実施形態による記録方法によれば、より少ないドット数(1000dpi以下)であっても、ドットむらやドットによる粒状感などの少ない良好な画像を得ることができるようになる。その結果、記録に要する時間をより短くすることができる。すなわち、吐出ヘッドの駆動速度を上げることなく記録時間を短縮したり、より大判の記録媒体に対する記録時間を増加させずに記録したりすることができる。
また、本実施形態のように、吐出ヘッドを用いてインク滴を吐出して記録媒体に画像を記録する場合において、インク滴が10ピコリットル以上であることにより、一つのインク滴あたりのドット径をより大きくすることができ、その結果、同様に、吐出ヘッドの駆動速度を上げることなく記録時間を短縮したり、より大判の記録媒体に対する記録時間を増加させずに記録したりすることができる。インク滴が10ピコリットル以上であっても、上述したインクセットを用いることにより、ドットむらやドットによる粒状感などの少ない良好な画像を得ることができる。
(実施形態4)
次に、実施形態4に係る記録装置について説明する。
実施形態4は、上述したインクセットを用いた記録装置である。
図1は、記録装置の一例としてのインクジェット記録装置1(プリンター)を示す斜視図である。
図1において、インクジェット記録装置1は、略水平なX−Y平面に設置されている。
インクジェット記録装置1は、吐出ヘッドとしてのインクジェット式記録ヘッド20、キャリッジ3、走査機構としてのキャリッジ駆動機構4、コントロールボード5、インクカートリッジ6、搬送機構としての記録媒体供給排出機構(図示省略)、プラテン8などを備えている。
キャリッジ3は、インクジェット式記録ヘッド20、およびインクカートリッジ6を搭載し、キャリッジ駆動機構4によって記録媒体10の表面上を走査(図1におけるX方向の往復動作)しながら略鉛直方向(図1における−Z方向)にインク滴(インク組成物)を吐出し記録を行なう。
コントロールボード5は、キャリッジ駆動機構4の駆動制御やインク滴の吐出制御、また記録媒体10の供給・搬送・排出などの制御を行なう。
インクカートリッジ6は、複数の収容部に分かれ、実施形態1および実施形態2に示した複数のインク組成物を収容している。
記録媒体供給排出機構は、キャリッジ3の走査方向と交差する方向(図1におけるY方向)に記録媒体10を移動(搬送)させる。
プラテン8は、記録媒体10を載置し、インクジェット式記録ヘッド20と、記録媒体10との間隔を規定している。
インクジェット記録装置1は、キャリッジ駆動機構4によるインクジェット式記録ヘッド20の移動と、記録媒体供給排出機構による記録媒体10の移動とを交互に繰り返す。
本実施形態によるインクジェット記録装置1によれば、実施形態3に記載の記録方法により記録することにより、インク滴の量をより多くし、記録媒体10に形成されるドット径をより大きくした場合であっても、記録画像において、より顔料の分布を良好に(より均一な方向に)することができ、ドットむらやドットによる粒状感などの少ない良好な画像を得ることができる。すなわち、同一の領域に対して吐出を何度も繰り返すことなく、つまりインクジェット式記録ヘッド20の移動を繰り返す(走査する)ことなく有効な画像を形成することができるため、キャリッジ駆動機構4によるインクジェット式記録ヘッド20の移動と記録媒体供給排出機構による記録媒体10の移動とを交互に繰り返すことが可能となっている。その結果、画像記録に要する時間を短縮することができる。インクジェット記録装置1は、より高いスループットが望まれる記録装置、例えば、大判の記録媒体に高速に印刷する記録装置などに最適である。
なお、吐出ヘッドとしては、走査機構としてのキャリッジ駆動機構4を伴わないラインヘッドであっても良い。実施形態3に記載の記録方法により記録することにより、インク滴の量をより多くし、記録媒体10に形成されるドット径をより大きくした場合であっても、記録画像において、より顔料の分布を良好に(より均一な方向に)することができ、ドットむらやドットによる粒状感などの少ない良好な画像を得ることができる。すなわち、吐出ヘッドを、画像形成のために何度も移動を繰り返す(走査する)必要のないラインヘッドで構成することが可能、あるいは容易になる。吐出ヘッドをラインヘッドで構成することにより、より記録装置の構成を簡略化することができ、またラインヘッドで構成することにより、より高速な記録が可能となる。つまり、より高いスループットが望まれる記録装置、例えば、大判の記録媒体に高速に印刷する記録装置などに最適である。
なお、ラインヘッドを採用した記録装置において、ラインヘッドと記録媒体の相対的な搬送速度は好ましくは5cm/s以上であり、より好ましくは8cm/s以上であり、さらに好ましくは10cm/s以上50cm/s以下である。
(実施形態5)
次に、実施形態5に係る記録物について説明する。
実施形態5は、上述した記録媒体に、上述したインクセット(実施形態1および実施形態2に例示した第1インク組成物、第2インク組成物および第3インク組成物の少なくともひとつのインク組成物によるインクセット)を用いて記録された記録物である。
記録物は、上述したインクセットを用いて記録されることにより、ドットむらやドットによる粒状感などの少ない良好な画像が、より高速に、より構成が簡略化された記録装置によって記録される。従って、より容易にまたより安価な記録物として得ることができる。
1…インクジェット記録装置、3…キャリッジ、4…キャリッジ駆動機構、5…コントロールボード、6…インクカートリッジ、8…プラテン、10…記録媒体、20…インクジェット式記録ヘッド。

Claims (9)

  1. 第1インク組成物と、第2インク組成物と、を有し、
    前記第1インク組成物は、
    第1の顔料と、炭素数が6以下であり標準沸点240℃以上のアルキルジオールと、を含有し、
    前記第2インク組成物は、第2の顔料と、前記アルキルジオールとを含有し、
    前記第1インク組成物において、前記第1顔料の含有量は2.5質量%以上であり、前記アルキルジオールの含有量は3質量%以上15質量%以下であり、
    前記第2インク組成物において、前記第2顔料の含有量は2.5質量%未満であり、前記アルキルジオールの含有量は8質量%以上30質量%以下であり、
    前記第2インク組成物の前記アルキルジオールの含有量は、前記第1インク組成物の前記アルキルジオール含有量よりも多い、ことを特徴とするインクセット。
  2. 前記第1インク組成物および前記第2インク組成物が含有するそれぞれの前記アルキルジオールは、分岐構造を有している、ことを特徴とする請求項1に記載のインクセット。
  3. 前記第1インク組成物および前記第2インク組成物は、標準沸点が240℃未満の有機溶剤を1.0質量%以上含有しない、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクセット。
  4. 前記第2インク組成物が含有する前記第2の顔料の含有量より多い含有量の第3の顔料と、前記第1インク組成物が含有する前記アルキルジオールの含有量より多い含有量の前記アルキルジオールと、を含有する第3インク組成物を有し、
    前記第1の顔料が有彩色顔料であり、前記第3の顔料が黒色顔料である、ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のインクセット。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のインクセットを用いる記録方法であって、
    吐出ヘッドを用いて前記第1インク組成物および/または前記第2インク組成物のインク滴を吐出して記録媒体に画像を記録する、ことを特徴とする記録方法。
  6. 前記インク滴が10ピコリットル以上であることを特徴とする請求項5に記載の記録方法。
  7. 前記画像の解像度が1000dpi以下であることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の記録方法。
  8. 請求項5ないし請求項7のいずれか一項に記載の記録方法により記録する記録装置であって、
    前記吐出ヘッドを移動させる走査機構と、前記記録媒体を移動する搬送機構と、を備え、
    前記走査機構による前記吐出ヘッドの移動と前記搬送機構による前記記録媒体の移動とを交互に繰り返す、ことを特徴とする記録装置。
  9. 請求項5ないし請求項7のいずれか一項に記載の記録方法により記録する記録装置であって、
    前記吐出ヘッドがラインヘッドである、ことを特徴とする記録装置。
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