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JP6070123B2 - 位置情報秘匿方法、位置情報秘匿装置及び位置情報秘匿プログラム - Google Patents

位置情報秘匿方法、位置情報秘匿装置及び位置情報秘匿プログラム Download PDF

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Description

本発明は、位置情報秘匿方法、位置情報秘匿装置及び位置情報秘匿プログラムに関する。
クラウドコンピューティングを利用したビジネスが広く行われている。例えば、複数の企業が移動体(例えば車輌や携帯端末など)の位置情報をそれぞれ収集し、収集された位置情報を第三者である分析機関が分析するといったビジネスがある。ところが、当該ビジネスにおいては、位置情報から個々の移動体及びその移動体に関連付けられた利用者が推定される場合もあり得る。
特に、個々の移動体には移動体の出発地及び目的地を特定する情報が含まれている。このため、当該情報から利用者の住所や通勤地、通学地等が特定される恐れがある。したがって、利用者のプライバシー保護の観点から、位置情報から出発地及び目的地を秘匿することが望ましい。出発地及び目的地を秘匿する技術として、出発地及び目的地から所定半径内の位置情報を削除する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−108932号公報 特開平9−218047号公報
しかしながら、上述した技術によっても道路網の形状並びに出発地及び目的地となり得る建物の配置によっては、削除されずに残存した位置情報から出発地及び目的地を一意に推定できてしまう場合がある。
そこで、1つの側面では、本発明は、移動体の出発地及び目的地の少なくとも一方が移動体の位置情報から一意に推定されることを防止する位置情報秘匿方法、位置情報秘匿装置及び位置情報秘匿プログラムを提供することを目的とする。
本明細書に開示の位置情報秘匿方法は、取得手段が、複数の道路及び交差点を含む道路網内に配置された複数の建物のうち、いずれか1つの建物を出発地とし、いずれか1つの建物を目的地として移動体が道路を移動した際に、該移動体が通った経路を特定する位置情報を取得する取得ステップと、特定手段が、前記取得ステップによって取得された位置情報と、予め記憶された前記道路網及び前記複数の建物の配置を特定する情報とに基づいて、前記移動体が通った経路上に存在する第1の交差点と、前記第1の交差点に接続する道路のうち前記移動体が前記第1の交差点から前記目的地へ向けて通った経路ではない道路と、に存在する建物の数が所定の基準を満たすように、前記第1の交差点及び前記移動体が通った経路上に存在する第2の交差点の少なくとも一方を特定する特定ステップと、削除手段が、前記出発地から前記特定ステップによって特定された第1の交差点まで前記移動体が通った経路を特定する情報、及び前記特定ステップによって特定された第2の交差点から前記目的地まで前記移動体が通った経路を特定する情報の少なくとも一方を削除する削除ステップと、を含む位置情報秘匿方法である。
本明細書に開示の位置情報秘匿装置は、複数の道路及び交差点を含む道路網内に配置された複数の建物のうち、いずれか1つの建物を出発地とし、いずれか1つの建物を目的地として移動体が道路を移動した際に、該移動体が通った経路を特定する位置情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された位置情報と、予め記憶された前記道路網及び前記複数の建物の配置を特定する情報とに基づいて、前記移動体が通った経路上に存在する第1の交差点と、前記第1の交差点に接続する道路のうち前記移動体が前記第1の交差点から前記目的地へ向けて通った経路ではない道路と、に存在する建物の数が所定の基準を満たすように、前記第1の交差点及び前記移動体が通った経路上に存在する第2の交差点の少なくとも一方を特定する特定手段と、前記出発地から前記特定手段によって特定された第1の交差点まで前記移動体が通った経路を特定する情報、及び前記特定手段によって特定された第2の交差点から前記目的地まで前記移動体が通った経路を特定する情報の少なくとも一方を削除する削除手段と、を有する位置情報秘匿装置である。
本明細書に開示の位置情報秘匿プログラムは、コンピュータを、複数の道路及び交差点を含む道路網内に配置された複数の建物のうち、いずれか1つの建物を出発地とし、いずれか1つの建物を目的地として移動体が道路を移動した際に、該移動体が通った経路を特定する位置情報を取得する取得手段、前記取得手段によって取得された位置情報と、予め記憶された前記道路網及び前記複数の建物の配置を特定する情報とに基づいて、前記移動体が通った経路上に存在する第1の交差点と、前記第1の交差点に接続する道路のうち前記移動体が前記第1の交差点から前記目的地へ向けて通った経路ではない道路と、に存在する建物の数が所定の基準を満たすように、前記第1の交差点及び前記移動体が通った経路上に存在する第2の交差点の少なくとも一方を特定する特定手段、前記出発地から前記特定手段によって特定された第1の交差点まで前記移動体が通った経路を特定する情報、及び前記特定手段によって特定された第2の交差点から前記目的地まで前記移動体が通った経路を特定する情報の少なくとも一方を削除する削除手段として機能させるための位置情報秘匿プログラムである。
本位置情報秘匿方法、位置情報秘匿装置、及び位置情報秘匿プログラムによれば、移動体の出発地及び目的地の少なくとも一方が移動体の位置情報から一意に推定されることが防止される。
一実施形態に係る位置情報秘匿装置を含む分析システムSの構成を概略的に示す図である。 位置情報秘匿装置のブロック図の一例である。 位置情報秘匿装置のハードウェア構成の一例である。 図4(a)は、道路網と建物の配置関係を例示する図である。図4(b)は、道路グラフの一例である。図4(c)は、道路グラフのデータ構造の一例である。 位置情報秘匿方法の処理ステップを例示するフローチャートである。 図6(a)は、秘匿処理前の車輌の移動経路を例示する道路グラフである。図6(b)は、秘匿処理前の車輌の位置情報を例示するデータ構造である。 図7(a)は、秘匿処理後の車輌の移動経路を例示する道路グラフである。図7(b)は、秘匿処理後の車輌の位置情報を例示するデータ構造である。 第1の交差点特定処理の処理ステップを例示するフローチャートである。 図9(a)〜(c)は、出発地秘匿例1〜3を説明するための図である。 第2の交差点特定処理の処理ステップを例示するフローチャートである。 図11(a)〜(c)は、目的地秘匿例1〜3を説明するための図である。 図12(a)は、事前に計算された計算結果の一例である。図12(b)は、事前に計算された計算結果の他の一例である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
図1は、一実施形態に係る位置情報秘匿装置120,220を含む分析システムSの構成を概略的に示す図である。分析システムSは、図1に示すように、位置情報秘匿システム100,200及び秘匿化位置情報分析システム300を備えている。位置情報秘匿システム100,200は、ネットワークを介してそれぞれ秘匿化位置情報分析システム300に接続されている。
まず、位置情報秘匿システム100について説明する。尚、位置情報秘匿システム200は、位置情報秘匿システム100と同様の構成を有するため、位置情報秘匿システム100の符号に対応する符号を付し、その説明を省略する。
位置情報秘匿システム100は、例えば自動車の製造販売を行うA社が管理するシステムである。A社に代えてA社の子会社、関連会社や提携会社が位置情報秘匿システム100を管理してもよい。
位置情報秘匿システム100は、位置情報記憶措置110、位置情報秘匿装置120、秘匿化位置情報記憶装置130を含んでいる。
位置情報記憶装置110は、車輌Aの位置情報を車輌ごとに記憶する。車輌Aは、例えばA社が製造販売を行った自動車である。車輌Aには、Global Positioning System(GPS、全地球測位システム)が搭載されている。したがって、位置情報記憶装置110は、GPSを利用して一定時間ごとに発信された位置情報を記憶する。
位置情報秘匿装置120は、位置情報記憶措置110に記憶された位置情報を取得し、位置情報を秘匿する処理を行う。位置情報を秘匿する処理が行われた後の位置情報は、秘匿化位置情報として秘匿化位置情報記憶装置130に送信される。尚、位置情報秘匿装置120の詳細は、後述する。
秘匿化位置情報記憶装置130は、秘匿化位置情報を車輌ごとに記憶する。秘匿化位置情報は、秘匿化位置情報分析システム300に一括して送信される。
次に、秘匿化位置情報分析システム300について説明する。
秘匿化位置情報分析システム300は、例えば位置情報を収集して分析を行う分析機関C社が管理するシステムである。
秘匿化位置情報分析システム300は、秘匿化位置情報記憶装置310、分析装置320、分析結果記憶装置330を含んでいる。
秘匿化位置情報記憶装置310は、位置情報秘匿システム100から送信された車輌Aの秘匿化位置情報、及び位置情報秘匿システム200から送信された車輌Bの秘匿化位置情報を車輌ごとに記憶する。
分析装置320は、秘匿化位置情報記憶装置310から秘匿化位置情報を取得して、取得した秘匿化位置情報に対し予め定められた分析処理を行う。分析処理としては、例えば交通量が多いか少ないかといった分析や渋滞が発生するか否かといった分析などがある。
分析結果記憶装置330は、分析装置320によって分析された結果を記憶する。分析された結果は、文字情報、画像情報及び音声情報の少なくとも1つによって記憶される。文字情報、画像情報及び音声情報が組み合わされて記憶されてもよい。
このように、秘匿化位置情報分析システム300は、一社だけから収集した秘匿化位置情報に対して分析を行う訳ではなく、複数社から収集した秘匿化位置情報に対して分析を行う。このため、分析結果の精度は、一社だけから収集した場合に比べて向上する。さらに、分析結果の精度は、収集元企業が増加すればするほど向上する。秘匿化位置情報分析システム300は、精度が高まった分析結果をA社やB社などの収集元企業に提供してもよいし、これらの収集元企業以外の企業に提供してもよい。分析結果の二次利用は、収集元企業にとっても自社で分析する場合に比べて有益である。
次に、上述した位置情報秘匿装置120の詳細について図2を参照して説明する。尚、位置情報秘匿装置220は、位置情報秘匿装置120と同様の構成を有するため、その説明を省略する。後述する図3についても同様である。
図2は、位置情報秘匿装置120のブロック図の一例である。
位置情報秘匿装置120は、位置情報取得部121、交差点特定部122、経路情報削除部123を含んでいる。
位置情報取得部121は、位置情報記憶装置110から位置情報を取得する。位置情報は、道路網内に配置された複数の建物のうち、いずれか1つの建物を出発地とし、いずれか1つの建物を目的地として車輌が道路を移動した際に、該車輌が通った経路を特定する情報である。建物には、住宅やオフィスビルのほか、店舗、学校、病院、駅など、各種の施設が含まれる。尚、道路網内には、複数の道路及び交差点が含まれている。道路網の詳細については、後に図4を参照して述べる。
交差点特定部122は、位置情報取得部121によって取得された位置情報と、道路網及び複数の建物の配置を特定する情報とに基づいて、車輌が通った経路上に存在する第1の交差点及び第2の交差点の少なくとも一方を特定する。道路網及び複数の建物の配置を特定する情報は、道路グラフとして道路グラフ記憶装置500に予め記憶されている。尚、道路グラフの詳細は後述する。
経路情報削除部123は、出発地から交差点特定部122によって特定された第1の交差点まで車輌が通った経路を特定する情報を削除する。経路情報削除部123は、交差点特定部122によって特定された第2の交差点から目的地まで車輌が通った経路を特定する情報を削除する。経路情報削除部123は、これらの情報のうち少なくとも一方を削除すればよい。経路情報削除部123は、車輌が通った経路を特定する情報が削除された位置情報を秘匿化位置情報として秘匿化位置情報記憶装置130に送信する。
図3は、位置情報秘匿装置120のハードウェア構成の一例である。
位置情報秘匿装置120は、Central Processing Unit(CPU)120a、Random Access Memory(RAM)120b、Read Only Memory(ROM)120c、Hard Disc Drive(HDD)120dを含んでいる。位置情報秘匿装置120は、入力Interface(I/F)120e、出力I/F120f、入出力I/F120gも含んでいる。位置情報秘匿装置120は、ドライブ装置120h、ネットワークI/F120iも含んでいる。これらの各機器120a〜120iは、バス120jによって互いに接続されている。少なくともCPU120a及びRAM120bによってコンピュータが実現される。
入力I/F120eには、入力装置が接続される。入力装置としては、例えばキーボードやマウスなどがある。
出力I/F120fには、出力装置が接続される。出力装置としては、例えば表示装置(例えば液晶ディスプレイ)や印刷装置(例えばプリンタ)がある。
入出力I/F120gには、半導体メモリ150が接続される。半導体メモリ150としては、例えばUniversal Serial Bus(USB)メモリやフラッシュメモリなどがある。入出力I/F120gは、半導体メモリ150に記憶されたプログラムやデータを読み取る。
入力I/F120e、出力I/F120f、及び入出力I/F120gは、例えばUSBポートを備えている。
ドライブ装置120hには、可搬型記録媒体160が挿入される。可搬型記録媒体160としては、例えばCompact Disc(CD)−ROM、Digital Versatile Disc(DVD)といったリムーバブルディスクがある。ドライブ装置120hは、可搬型記録媒体160に記録されたプログラムやデータを読み込む。
ネットワークI/F120iには、例えばLocal Area Network(LAN)ケーブルの一端が接続される。LANケーブルの他端は、例えばスイッチやルーターといった通信制御機器と接続される。ネットワークI/F120iは、例えばLANポートを備えている。LANケーブルに代えて無線LANが利用されてもよい。
上述したRAM120bは、ROM120cやHDD120d、半導体メモリ150に記憶された位置情報秘匿プログラムを読み込む。RAM120bは、可搬型記録媒体160に記録された位置情報秘匿プログラムを読み込む。読み込まれた位置情報秘匿プログラムをCPU120aが実行することにより、位置情報秘匿装置120の各機能121〜123が実現される。また、位置情報秘匿方法の各処理ステップも実行される。位置情報秘匿プログラムは、後述するフローチャートに応じたものとすればよい。
次に、上述した道路網について図4を参照して説明する。
図4(a)は、道路網と建物の配置関係を例示する図である。図4(b)は、道路グラフの一例である。図4(c)は、道路グラフのデータ構造の一例である。尚、図4(a)では、道路をEdge、交差点をNodeとも示している。
道路網は、図4(a)に示すように、複数の道路N2,N4,N5など及び交差点N1,N3,N6,N7などを含んでいる。各道路は基本的に交差点で交差する。例えば、道路N2,N4,N5は交差点N3で交差する。尚、本明細書において、交差点は、十字路の他、三差路、多差路(五差路や七差路など)も含む。また、交差点は行き止まりも含む。このため、本明細書では出発地N1や目的地も交差点と称している。
道路や交差点の付近には、建物が配置されている。例えば、道路N4の付近には、3つの建物が配置されている。道路N5の付近には、1つの建物が配置されている。一方、道路N2の付近には、建物が配置されていない。また、交差点N3の付近には、2つの建物が配置されている。交差点N1(出発地)には、1つの建物が配置されている。
図4(b)では、図4(a)で示した道路網と建物の配置関係が道路グラフとしてグラフ化されている。例えば、上述した道路は直線で示され、交差点は円で示されている。道路(直線)の傍や交差点(円形)の内部に示された数字は、建物の数を表している。例えば、図4(a)で示される交差点N1(出発地)に対応する図4(b)の円内部には「1」が表れている。図4(a)で示される道路N2に対応する図4(b)の直線の傍には「0」が表れている。図4(a)で示される交差点N3に対応する図4(b)の円内部には「2」が表れている。
図4(c)では、図4(b)で示した道路グラフがデータ構造化されている。例えば、ID(識別情報)「N1」は、交差点N1(出発地)に対応する。そして、交差点N1(出発地)は、経度「136.12」、緯度「45.34」に位置し、種別は交差点(Node)を示す「NO」である。目的地数は、建物の数を示している。交差点N1(出発地)には、1つの建物が配置されている。隣接IDは、道路や交差点に隣接してつながっているIDを表している。交差点N1(出発地)には、ID「N2」が隣接してつながっている。すなわち、交差点N1(出発地)には、道路N2がつながっている。ID「N2」やID「N3」についても同様の説明があてはまる。このような、道路グラフのデータ構造が道路網・建物配置情報として上述した道路グラフ記憶装置500に記憶されている。そして、道路網・建物配置情報は、必要に応じて交差点特定部122から読み出される。
次に、位置情報秘匿装置120で実行される位置情報秘匿方法について図5から図7までを参照して説明する。
図5は、位置情報秘匿方法の処理ステップを例示するフローチャートである。図6(a)は、秘匿処理前の車輌の移動経路を例示する道路グラフである。図6(b)は、秘匿処理前の車輌の位置情報を例示するデータ構造である。図7(a)は、秘匿処理後の車輌の移動経路を例示する道路グラフである。図7(b)は、秘匿処理後の車輌の位置情報を例示するデータ構造である。
図5に示すように、位置情報取得部121は、利用者から位置情報秘匿処理の指示があったり、予め定められた時刻に達したりすると、位置情報記憶装置110から位置情報を取得する(ステップS1)。例えば、図6(a)に示すように車輌が交差点N1(出発地)から交差点N12(目的地)まで交差点N3,N6,N10を通って道路を走行していた場合には、その走行に対応する位置情報を取得する。この走行状態は、図6(b)に示されるように、秘匿処理前の車輌の位置情報として表される。例えば、その車輌が有する車輌ID「ID1」は、時刻「2012/10/15T10:10:23」に緯度,経度「(136.123,45.345)」にある交差点N1(出発地)を速度「10km/h」で走行したことになる。位置情報取得部121は、図6(b)に示されるような位置情報を取得する。
次いで、交差点特定部122は、第1の交差点特定処理を行う(ステップS2)。第1の交差点特定処理は、位置情報の削除対象の終点となる第1の交差点を特定する処理である。位置情報の削除対象の始点は出発地である。第1の交差点特定処理では、出発地の候補となり得る出発地候補数Mが出力される。尚、第1の交差点特定処理については後に詳述する。
次いで、経路情報削除部123は、交差点特定部122から出力された出発地候補数Mが閾値K以上であるか否かを判断する(ステップS3)。経路情報削除部123は、出発地候補数Mが閾値K以上であると判断した場合(ステップS3:YES)、出発地から、特定された第1の交差点までの位置情報を削除する(ステップS4)。すなわち、出発地から、特定された第1の交差点までの経路情報が削除される。この結果、図7(a)に示すように、交差点N1(出発地)から交差点N3までの移動経路が削除される。また、図7(b)においては、出発地から第1の交差点までに対応する位置情報が削除されている。一方、経路情報削除部123は、出発地候補数Mが閾値K未満であると判断した場合(ステップS3:NO)、出発地候補数Mを出力させる第1の交差点を、車輌が次に通過した第1の交差点に移した上で第1の交差点特定処理を行う。
ここで、閾値K(所定の基準)は建物の数を示している。例えば閾値Kが「3」である場合、3つの建物のいずれかが出発地であることを示している。したがって、出発地が一意に推定されることが防止される。出発地候補数Mが閾値K以上であるということは、閾値K以上であるM個の建物のいずれかが出発地であることを示している。閾値Kの数値が大きくなればなるほど、当該閾値K以上を満たす出発地候補数Mの数値も増大する。この結果、出発地はより一層一意に推定されなくなる。閾値Kは、位置情報秘匿装置120を利用する利用者(法人・個人)が任意に設定してもよいし、位置情報秘匿装置120の設計者が設計により予め設定しておいてもよい。
次いで、交差点特定部122は、第2の交差点特定処理を行う(ステップS5)。第2の交差点特定処理は、位置情報の削除対象の始点となる第2の交差点を特定する処理である。位置情報の削除対象の終点は目的地である。第2の交差点特定処理では、目的地の候補となり得る目的地候補数Mが出力される。第2の交差点特定処理についても後に詳述する。
次いで、経路情報削除部123は、交差点特定部122から出力された目的地候補数Mが閾値K以上であるか否かを判断する(ステップS6)。経路情報削除部123は、目的地候補数Mが閾値K以上であると判断した場合(ステップS6:YES)、特定された第2の交差点から目的地までの位置情報を削除する(ステップS7)。すなわち、特定された第2の交差点から目的地までの経路情報が削除される。この結果、図7(a)に示すように、交差点N10から交差点N12(目的地)までの移動経路が削除される。また、図7(b)においては、第2の交差点から目的地までに対応する位置情報が削除されている。一方、経路情報削除部123は、目的地候補数Mが閾値K未満であると判断した場合(ステップS6:NO)、目的地候補数Mを出力させる第2の交差点を、車輌が目的地に到達した直前の第2の交差点に移した上で第2の交差点特定処理を行う。
ここでも、閾値K(所定の基準)は建物の数を示している。例えば閾値Kが「3」である場合、3つの建物のいずれかが目的地であることを示している。したがって、目的地が一意に推定されることが防止される。目的地候補数Mが閾値K以上であるということは、閾値K以上であるM個の建物のいずれかが目的地であることを示している。閾値Kの数値が大きくなればなるほど、当該閾値K以上を満たす目的地候補数Mの数値も増大する。この結果、目的地はより一層一意に推定されなくなる。当該閾値Kも、位置情報秘匿装置120を利用する利用者(法人・個人)が任意に設定してもよいし、位置情報秘匿装置120の設計者が設計により予め設定しておいてもよい。尚、出発地候補数Mで利用する閾値Kと目的地候補数Mで利用する閾値Kを異なる数値としてもよい。
次いで、経路情報削除部123は、一部の経路情報が削除された位置情報を出力する(ステップS8)。この結果、図7(b)に示すような、秘匿処理後の車輌の位置情報が出力されて、秘匿化位置情報記憶装置130に記憶される。
続いて、上述した第1の交差点特定処理について図8及び図9を参照して説明する。
図8は、第1の交差点特定処理の処理ステップを例示するフローチャートである。図9(a)〜(c)は、出発地秘匿例1〜3を説明するための図である。特に、図9(a)は、図6を用いて説明した道路グラフのうち交差点N1〜N3までの道路グラフを示している。図9(b)は、図6を用いて説明した道路グラフのうち交差点N1〜N7までの道路グラフを示している。図9(c)は、図6を用いて説明した道路グラフとは異なる道路グラフを示している。
まず、交差点特定部122は、上述したステップS1の処理が完了すると、出発地候補数Mに初期値として数値「0」を設定する(ステップS21)。次いで、交差点特定部122は、特定すべき第1の交差点Nsの建物数をMに加算する(ステップS22)。例えば、図9(a)に示すように、特定すべき第1の交差点Nsが交差点N1(出発地)に設定されている場合には、交差点N1(出発地)の建物数「1」が出発地候補数Mに加算される。この結果、出発地候補数Mは「1」となる。尚、交差点Nsは車輌が出発地を出発してから初めに通る交差点とする。
次いで、図8に示すように、交差点特定部122は、出発地候補数Mが閾値K(例えば「3」)以上あるか否か、又は対象路がないか否かを判断する(ステップS23)。ここでの対象路(第1の対象路)とは、第1の交差点に接続する道路のうち車輌が第1の交差点から目的地へ向けて通った経路ではない道路のことをいう。例えば、図9(a)に示すように、第1の交差点である交差点N1(出発地)に接続する道路N2は、車輌が第1の交差点N1から目的地N12へ向けて通った経路である道路に該当する。このため、対象路はないと判断される。交差点特定部122は、対象路がないと判断すると(ステップS23:YES)、出発地候補数Mを「1」として出力する(ステップS30)。この結果、図5に示すステップS3において出発地候補数Mは閾値K未満であるため、出発地候補数Mを出力させる第1の交差点が、車輌が次に通過した第1の交差点に移される。例えば、第1の交差点がN1からN3に移される。尚、出発地候補数Mが閾値K未満である場合には、出発地候補数Mを出力させる第1の交差点に対し、適宜、false(偽)が設定される。falseが設定された第1の交差点は、特定すべき第1の交差点Nsに該当しないことを意味する。出発地候補数Mが「1」であるため、仮に特定すべき第1の交差点Nsに該当すると判断されると、出発地が一意に推定されてしまう。
交差点特定部122は、出発地候補数Mが閾値K未満である場合には、移された第1の交差点に対し、上述したステップS21〜S23の処理ステップを行う。例えば、図9(b)に示すように、特定すべき第1の交差点Nsが交差点N3に設定されている場合には、交差点N3の建物数「2」が出発地候補数Mに加算される。この結果、出発地候補数Mは「2」となる。ここで、ステップS23の判断処理において、出発地候補数Mが「2」であるため、閾値K以上を満たさない。一方、対象路については、第1の交差点N3に接続する道路N2,N4,N5のうち車輌が第1の交差点N3から目的地N12へ向けて通った経路N4ではない道路N2,N5がある。このため、交差点特定部122は、対象路があると判断すると(ステップS23:NO)、対象路の建物数を出発地候補数Mに加算する(ステップS24)。この結果、道路N2の建物数「0」と道路N5の建物数「1」が出発地候補数Mに加算されて出発地候補数Mが「3」となる。
次いで、図8に示すように、交差点特定部122は、出発地候補数Mが閾値K以上あるか否かを判断する(ステップS25)。交差点特定部122は、出発地候補数Mが「3」であり、閾値K以上であると判断するため(ステップS25:YES)、出発地候補数Mを「3」として出力する(ステップS30)。この結果、図5に示すステップS3において出発地候補数Mは閾値K以上であるため、出発地候補数Mを出力させる第1の交差点が別の第1の交差点に移されず、交差点N1(出発地)から交差点N3までの位置情報が削除される。一方、出発地候補数Mが閾値K以上である場合には、出発地候補数Mを出力させる第1の交差点に対し、適宜、true(真)が設定される。trueが設定された第1の交差点は、特定すべき第1の交差点Nsに該当することを意味する。出発地候補数Mが「3」であるため、出発地が一意に推定されることが防止される。
さらに、ステップS25の判断ステップにおいて、判断条件を満たさない図9(c)について説明する。
例えば、交差点特定部122は、特定すべき第1の交差点Nsが任意の第1の交差点Ns(図9(c)の破線円)に設定されている場合には、当該第1の交差点Nsに対し、上述したステップS21〜S25の処理ステップを行う。この結果、交差点Nsの建物数「0」が出発地候補数M(初期値「0」)に加算される(ステップS21,S22)。次いで、ステップS23の処理において、出発地候補数Mは閾値K以上を満たさないが、対象路が存在するため、対象路の建物数「0」及び「1」(図9(c)の破線矩形)が出発地候補数M(「0」)に加算される(ステップS24)。この結果、出発地候補数Mが「1」となる。
交差点特定部122は、出発地候補数Mが閾値K以上あるか否かを判断する(ステップS25)。交差点特定部122は、出発地候補数Mが「1」であり、閾値K以上であると判断しないため(ステップS25:NO)、対象路の次の交差点の出発地候補数を計算する(ステップS26)。ここでは、再帰的処理が実行される。ここで、図9(c)を参照すると対象路の次の交差点として交差点Ns´,Ns´´がある。このため、例えば対象路の次の交差点として交差点Ns´が出発地候補として計算される。この時の目的地へ向かう経路を交差点Ns´と交差点Nsをつなぐ経路とし、対象路を決定する。
図8に示すように、交差点特定部122は、出発地候補数が閾値K以上であるか否かを判断する(ステップS27)。図9(c)を参照すると、交差点Ns´の建物数は「3」である。このため、交差点特定部122は、出発地候補数が閾値K以上であると判断し(ステップS27:YES)、ステップS29の処理に移行する。すなわち、出発地候補数が閾値K以上である場合には、その交差点に配置された建物数が加算対象から除外される。出発地候補数が閾値K以上であれば、既に出発地は一意に推定されないためである。
次いで、交差点特定部122は、未処理の交差点があるか否かを判断する(ステップS29)。上述したように、未処理の交差点Ns´´がある。このため、交差点特定部122は、未処理の交差点があると判断し(ステップS29:YES)、再びステップS26の処理を行う。すなわち、図9(c)を参照すると対象路の次の交差点以降として交差点Ns´´以降が出発地候補として計算される。
図8に示すように、交差点特定部122は、出発地候補数が閾値K以上であるか否かを判断する(ステップS27)。図9(c)を参照すると、交差点Ns´´の建物数が「1」、交差点Ns´´´の建物数が「0」、交差点Ns´´と交差点Ns´´´を結ぶ道路の建物数が「1」である。すなわち、出発地候補数は合計「2」である。このため、交差点特定部122は、出発地候補数が閾値K以上でないと判断し(ステップS27:NO)、出発地候補数「2」を出発地候補数M(「1」))に加算する(ステップS28)。この結果、交差点特定部122は、未処理交差点がないため(ステップS29:NO)、出発地候補数Mを「3」として出力する。尚、図9(c)においては、出発地候補数Mを出力させる第1の交差点として交差点Nsが特定され、該交差点Nsに対しtrueが設定される。出発地候補数Mが「3」であるため、出発地が一意に推定されることが防止される。
続いて、上述した第2の交差点特定処理について図10及び図11を参照して説明する。
図10は、第2の交差点特定処理の処理ステップを例示するフローチャートである。図11(a)〜(c)は、目的地秘匿例1〜3を説明するための図である。特に、図11(a)は、図6を用いて説明した道路グラフのうち交差点N10〜N12までの道路グラフを示している。図11(b)は、図6を用いて説明した道路グラフのうち交差点N6〜N14までの道路グラフを示している。図11(c)は、図6を用いて説明した道路グラフとは異なる道路グラフを示している。
まず、交差点特定部122は、上述したステップS3の処理が完了すると、目的地候補数Mに初期値として数値「0」を設定する(ステップS41)。次いで、交差点特定部122は、特定すべき第2の交差点Ngの建物数をMに加算する(ステップS42)。例えば、図11(a)に示すように、特定すべき第2の交差点Ngが交差点N12(目的地)に設定されている場合には、交差点N12(目的地)の建物数「2」が目的地候補数Mに加算される。この結果、目的地候補数Mは「2」となる。尚、交差点Ngは車輌が目的地に到達した直前の交差点とする。
次いで、図10に示すように、交差点特定部122は、目的地候補数Mが閾値K(例えば「3」)以上あるか否か、又は対象路がないか否かを判断する(ステップS43)。ここでの対象路(第2の対象路)とは、第2の交差点に接続する道路のうち車輌が出発地から第2の交差点へ向けて通った経路ではない道路のことをいう。例えば、図11(a)に示すように、第2の交差点である交差点N10に接続する道路N11は、車輌が第2の交差点N10から目的地N12へ向けて通った経路である道路に該当する。このため、対象路はないと判断される。交差点特定部122は、対象路がないと判断すると(ステップS43:YES)、目的地候補数Mを「2」として出力する(ステップS50)。この結果、図5に示すステップS5において目的地候補数Mは閾値K未満であるため、目的地候補数Mを出力させる第2の交差点が、車輌がひとつ前に通過した第2の交差点に移される。例えば、第2の交差点がN12からN10に移される。尚、目的地候補数Mが閾値K未満である場合には、目的地候補数Mを出力させる第2の交差点に対し、適宜、false(偽)が設定される。falseが設定された第2の交差点は、特定すべき第2の交差点Ngに該当しないことを意味する。目的地候補数Mが「2」であるため、仮に特定すべき第2の交差点Ngに該当すると判断されると、目的地が推定されやすくなる。
交差点特定部122は、目的地候補数Mが閾値K未満である場合には、移された第2の交差点に対し、上述したステップS41〜S43の処理ステップを行う。例えば、図11(b)に示すように、特定すべき第2の交差点Ngが交差点N10に設定されている場合には、交差点N10の建物数「0」が目的地候補数Mに加算される。この結果、目的地候補数Mは「0」となる。ここで、ステップS43の判断処理において、目的地候補数Mが「0」であるため、閾値K以上を満たさない。一方、対象路については、第2の交差点N10に接続する道路N8,N9,N11,N13のうち車輌が出発地から第2の交差点N10へ向けて通った経路N8ではない道路N9,N11,N13がある。このため、交差点特定部122は、対象路があると判断すると(ステップS43:NO)、対象路の建物数を目的地候補数Mに加算する(ステップS44)。この結果、道路N9の建物数「1」と道路N11の建物数「0」と道路N13の建物数「0」が目的地候補数Mに加算されて出発地候補数Mが「1」となる。
次いで、図10に示すように、交差点特定部122は、目的地候補数Mが閾値K以上あるか否かを判断する(ステップS45)。交差点特定部122は、目的地候補数Mが「1」であり、閾値K以上でないと判断するため(ステップS45:NO)、後続の処理を行う。仮に、道路N8の建物数が例えば「1」であり、道路N13の建物数も例えば「1」である場合には、目的地候補数Mが「3」として出力される(ステップS50)。この場合、図5に示すステップS5において目的地候補数Mは閾値K以上であるため、目的地候補数Mを出力させる第2の交差点が別の第2の交差点に移されず、交差点N10から交差点N12(目的地)までの位置情報が削除される。一方、目的地候補数Mが閾値K以上である場合には、目的地候補数Mを出力させる第2の交差点に対し、適宜、true(真)が設定される。trueが設定された第2の交差点は、特定すべき第2の交差点Ngに該当することを意味する。目的地候補数Mが「3」であるため、目的地が一意に推定されることが防止される。
さらに、ステップS45の判断ステップにおいて、判断条件を満たさない図11(c)について説明する。
例えば、交差点特定部122は、特定すべき第2の交差点Ngが任意の第2の交差点Ng(図11(c)の破線円)に設定されている場合には、当該第2の交差点Ngに対し、上述したステップS41〜S45の処理ステップを行う。この結果、交差点Ngの建物数「0」が目的地候補数M(初期値「0」)に加算される(ステップS41,S42)。次いで、ステップS43の処理において、目的地候補数Mは閾値K以上を満たさないが、対象路が存在するため、対象路の建物数「1」及び「0」(図11(c)の破線矩形)が目的地候補数M(「0」)に加算される(ステップS44)。この結果、目的地候補数Mが「1」となる。
交差点特定部122は、目的地候補数Mが閾値K以上あるか否かを判断する(ステップS45)。交差点特定部122は、目的地候補数Mが「1」であり、閾値K以上であると判断しないため(ステップS45:NO)、対象路の次の交差点の目的地候補を計算する(ステップS46)。ここでは、再帰的処理が実行される。ここで、図11(c)を参照すると対象路の次の交差点として交差点Ng´,Ng´´がある。このため、例えば対象路の次の交差点以降として交差点Ng´以降が目的地候補として計算される。この時、出発地から第2の交差点へ向けて通った経路ではない道路を、交差点Ng´と交差点Ngをつなぐ経路とし、対象路を決定する。
図10に示すように、交差点特定部122は、目的地候補の数が閾値K以上であるか否かを判断する(ステップS47)。図11(c)を参照すると、交差点Ng´の建物数が「0」である。このため、交差点特定部122は、目的地候補数が閾値K以上でないと判断し(ステップS47:NO)、目的地候補数「0」をMに加算する(ステップS48)。尚、目的地候補数が閾値K以上である場合には、その交差点に配置された建物数が加算対象から外される。目的地候補数が閾値K以上であれば、既に目的地は一意に推定されないためである。
次いで、交差点特定部122は、未処理の交差点があるか否かを判断する(ステップS49)。上述したように、未処理の交差点Ng´´がある。このため、交差点特定部122は、未処理の交差点があると判断し(ステップS49:YES)、再びステップS46の処理を行う。ここで、図11(c)を参照すると対象路の次の交差点以降として交差点Ng´´以降が目的地候補として計算される。
図10に示すように、交差点特定部122は、目的地候補数が閾値K以上であるか否かを判断する(ステップS47)。図11(c)を参照すると、交差点Ng´´の建物数が「0」、交差点Ng´´に接続された道路及びこれらの道路に接続された交差点(図11(c)の破線楕円)の合計値が「2」である。すなわち、目的地候補数は合計「2」である。このため、交差点特定部122は、目的地候補数が閾値K以上でないと判断し(ステップS47:NO)、目的地候補数「2」を目的地候補数M(「1」))に加算する(ステップS48)。この結果、交差点特定部122は、未処理交差点がないため(ステップS49:NO)、目的地候補数Mを「3」として出力する。尚、図11(c)においては、目的地候補数Mを出力させる第2の交差点として交差点Ngが特定され、該交差点Ngに対しtrueが設定される。目的地候補数Mが「3」であるため、出発地が一意に推定されることが防止される。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明に係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、位置情報秘匿装置120,220が稼動する前に上述した閾値Kの値が決まっている場合には、上述した道路グラフと閾値Kとによって事前に出発地候補数M、目的地候補数Mを計算しておいてもよい。位置情報秘匿装置120,220は、事前に計算された計算結果となる出発地候補数M、目的地候補数Mを利用して秘匿化処理を行ってもよい。
図12(a)は、事前に計算された計算結果の一例である。図12(b)は、事前に計算された計算結果の他の一例である。
図12(a)おいて、Node IDは交差点の識別情報を示している。隣接するEdge IDは、道路の識別情報を示している。交差点N1に対して、道路N2以外を対象路にしたとき、目的値候補数MがK以上の場合はtrueが、 K未満の場合はfalseが設定される。
図12(b)は、図12(a)に示される計算結果が簡略化された形式となっている。このように、データ構造を簡略化した形式を採用してもよい。
また、上述した実施形態では、車輌を移動体の一例として説明したが、例えば、車輌に代えて携帯端末やタブレット端末などを移動体として利用してもよい。この場合、自動車会社等に代えて通信会社が位置情報秘匿システムを管理するようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、道路及び交差点を利用して説明したが、例えば道路及び交差点を高速道路及びインターチェンジ(又はジャンクション)に代えて利用してもよい。この場合、出発地を入口ランプ、目的地を出口ランプなどとしてもよい。
なお、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
(付記1)コンピュータが、複数の道路及び交差点を含む道路網内に配置された複数の建物のうち、いずれか1つの建物を出発地とし、いずれか1つの建物を目的地として移動体が道路を移動した際に、該移動体が通った経路を特定する位置情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップによって取得された位置情報と、予め記憶された前記道路網及び前記複数の建物の配置を特定する情報とに基づいて、前記移動体が通った経路上に存在する第1の交差点及び第2の交差点の少なくとも一方を特定する特定ステップと、前記出発地から前記特定ステップによって特定された第1の交差点まで前記移動体が通った経路を特定する情報、及び前記特定ステップによって特定された第2の交差点から前記目的地まで前記移動体が通った経路を特定する情報の少なくとも一方を削除する削除ステップと、を実行する位置情報秘匿方法。
(付記2)前記特定ステップは、前記第1の交差点と、前記第1の交差点に接続する道路のうち前記移動体が前記第1の交差点から前記目的地へ向けて通った経路ではない道路と、に存在する建物の数が所定の基準を満たすように、前記第1の交差点を特定することを特徴とする付記1に記載の位置情報秘匿方法。
(付記3)前記特定ステップは、前記第1の交差点に接続する道路のうち前記移動体が前記第1の交差点から前記目的地へ向けて通った経路ではない道路が存在しない場合、前記第1の交差点に存在する建物の数が前記所定の基準を満たすか否か判断することを特徴とする付記2に記載の位置情報秘匿方法。
(付記4)前記特定ステップは、前記第2の交差点と、前記第2の交差点に接続する道路のうち前記移動体が前記出発地から前記第2の交差点へ向けて通った経路ではない道路と、に存在する建物の数が所定の基準を満たすように、前記第2の交差点を特定することを特徴とする付記1から3のいずれか1項に記載の位置情報秘匿方法。
(付記5)前記特定ステップは、前記第2の交差点に接続する道路のうち前記移動体が前記第2の交差点から前記目的地へ向けて通った経路ではない道路が存在しない場合、前記第2の交差点に存在する建物の数が前記所定の基準を満たすか否か判断することを特徴とする付記4に記載の位置情報秘匿方法。
(付記6)複数の道路及び交差点を含む道路網内に配置された複数の建物のうち、いずれか1つの建物を出発地とし、いずれか1つの建物を目的地として移動体が道路を移動した際に、該移動体が通った経路を特定する位置情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された位置情報と、予め記憶された前記道路網及び前記複数の建物の配置を特定する情報とに基づいて、前記移動体が通った経路上に存在する第1の交差点及び第2の交差点の少なくとも一方を特定する特定手段と、前記出発地から前記特定手段によって特定された第1の交差点まで前記移動体が通った経路を特定する情報、及び前記特定手段によって特定された第2の交差点から前記目的地まで前記移動体が通った経路を特定する情報の少なくとも一方を削除する削除手段と、を有する位置情報秘匿装置。
(付記7)前記特定手段は、前記第1の交差点と、前記第1の交差点に接続する道路のうち前記移動体が前記第1の交差点から前記目的地へ向けて通った経路ではない道路と、に存在する建物の数が所定の基準を満たすように、前記第1の交差点を特定することを特徴とする付記6に記載の位置情報秘匿装置。
(付記8)前記特定手段は、前記第1の交差点に接続する道路のうち前記移動体が前記第1の交差点から前記目的地へ向けて通った経路ではない道路が存在しない場合、前記第1の交差点に存在する建物の数が前記所定の基準を満たすか否か判断することを特徴とする付記7に記載の位置情報秘匿装置。
(付記9)前記特定手段は、前記第2の交差点と、前記第2の交差点に接続する道路のうち前記移動体が前記出発地から前記第2の交差点へ向けて通った経路ではない道路と、に存在する建物の数が所定の基準を満たすように、前記第2の交差点を特定することを特徴とする付記6から8のいずれか1項に記載の位置情報秘匿装置。
(付記10)前記特定手段は、前記第2の交差点に接続する道路のうち前記移動体が前記第2の交差点から前記目的地へ向けて通った経路ではない道路が存在しない場合、前記第2の交差点に存在する建物の数が前記所定の基準を満たすか否か判断することを特徴とする付記9に記載の位置情報秘匿装置。
(付記11)複数の道路及び交差点を含む道路網内に配置された複数の建物のうち、いずれか1つの建物を出発地とし、いずれか1つの建物を目的地として移動体が道路を移動した際に、該移動体が通った経路を特定する位置情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップによって取得された位置情報と、予め記憶された前記道路網及び前記複数の建物の配置を特定する情報とに基づいて、前記移動体が通った経路上に存在する第1の交差点及び第2の交差点の少なくとも一方を特定する特定ステップと、前記出発地から前記特定ステップによって特定された第1の交差点まで前記移動体が通った経路を特定する情報、及び前記特定ステップによって特定された第2の交差点から前記目的地まで前記移動体が通った経路を特定する情報の少なくとも一方を削除する削除ステップと、をコンピュータに実行させる位置情報秘匿プログラム。
(付記12)前記特定ステップは、前記第1の交差点と、前記第1の交差点に接続する道路のうち前記移動体が前記第1の交差点から前記目的地へ向けて通った経路ではない道路と、に存在する建物の数が所定の基準を満たすように、前記第1の交差点を特定することを特徴とする付記11に記載の位置情報秘匿プログラム。
(付記13)前記特定ステップは、前記第1の交差点に接続する道路のうち前記移動体が前記第1の交差点から前記目的地へ向けて通った経路ではない道路が存在しない場合、前記第1の交差点に存在する建物の数が前記所定の基準を満たすか否か判断することを特徴とする付記12に記載の位置情報秘匿プログラム。
(付記14)前記特定ステップは、前記第2の交差点と、前記第2の交差点に接続する道路のうち前記移動体が前記出発地から前記第2の交差点へ向けて通った経路ではない道路と、に存在する建物の数が所定の基準を満たすように、前記第2の交差点を特定することを特徴とする付記10から13のいずれか1項に記載の位置情報秘匿プログラム。
(付記15)前記特定ステップは、前記第2の交差点に接続する道路のうち前記移動体が前記第2の交差点から前記目的地へ向けて通った経路ではない道路が存在しない場合、前記第2の交差点に存在する建物の数が前記所定の基準を満たすか否か判断することを特徴とする付記14に記載の位置情報秘匿プログラム。
121 位置情報取得部(取得手段)
122 交差点特定部(特定手段)
123 経路情報削除部(削除手段)
A,B 車輌(移動体)
500 道路グラフ記憶装置

Claims (6)

  1. 取得手段が、複数の道路及び交差点を含む道路網内に配置された複数の建物のうち、いずれか1つの建物を出発地とし、いずれか1つの建物を目的地として移動体が道路を移動した際に、該移動体が通った経路を特定する位置情報を取得する取得ステップと、
    特定手段が、前記取得ステップによって取得された位置情報と、予め記憶された前記道路網及び前記複数の建物の配置を特定する情報とに基づいて、前記移動体が通った経路上に存在する第1の交差点と、前記第1の交差点に接続する道路のうち前記移動体が前記第1の交差点から前記目的地へ向けて通った経路ではない道路と、に存在する建物の数が所定の基準を満たすように、前記第1の交差点及び前記移動体が通った経路上に存在する第2の交差点の少なくとも一方を特定する特定ステップと、
    削除手段が、前記出発地から前記特定ステップによって特定された第1の交差点まで前記移動体が通った経路を特定する情報、及び前記特定ステップによって特定された第2の交差点から前記目的地まで前記移動体が通った経路を特定する情報の少なくとも一方を削除する削除ステップと、
    含む位置情報秘匿方法。
  2. 前記特定ステップは、前記第1の交差点に接続する道路のうち前記移動体が前記第1の交差点から前記目的地へ向けて通った経路ではない道路が存在しない場合、前記第1の交差点に存在する建物の数が前記所定の基準を満たすか否か判断することを特徴とする請求項に記載の位置情報秘匿方法。
  3. 前記特定ステップは、前記第2の交差点と、前記第2の交差点に接続する道路のうち前記移動体が前記出発地から前記第2の交差点へ向けて通った経路ではない道路と、に存在する建物の数が所定の基準を満たすように、前記第2の交差点を特定することを特徴とする請求項1又は2に記載の位置情報秘匿方法。
  4. 前記特定ステップは、前記第2の交差点に接続する道路のうち前記移動体が前記出発地から前記第2の交差点へ向けて通った経路ではない道路が存在しない場合、前記第2の交差点に存在する建物の数が前記所定の基準を満たすか否か判断することを特徴とする請求項に記載の位置情報秘匿方法。
  5. 複数の道路及び交差点を含む道路網内に配置された複数の建物のうち、いずれか1つの建物を出発地とし、いずれか1つの建物を目的地として移動体が道路を移動した際に、該移動体が通った経路を特定する位置情報を取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得された位置情報と、予め記憶された前記道路網及び前記複数の建物の配置を特定する情報とに基づいて、前記移動体が通った経路上に存在する第1の交差点と、前記第1の交差点に接続する道路のうち前記移動体が前記第1の交差点から前記目的地へ向けて通った経路ではない道路と、に存在する建物の数が所定の基準を満たすように、前記第1の交差点及び前記移動体が通った経路上に存在する第2の交差点の少なくとも一方を特定する特定手段と、
    前記出発地から前記特定手段によって特定された第1の交差点まで前記移動体が通った経路を特定する情報、及び前記特定手段によって特定された第2の交差点から前記目的地まで前記移動体が通った経路を特定する情報の少なくとも一方を削除する削除手段と、
    を有する位置情報秘匿装置。
  6. コンピュータを、
    複数の道路及び交差点を含む道路網内に配置された複数の建物のうち、いずれか1つの建物を出発地とし、いずれか1つの建物を目的地として移動体が道路を移動した際に、該移動体が通った経路を特定する位置情報を取得する取得手段
    前記取得手段によって取得された位置情報と、予め記憶された前記道路網及び前記複数の建物の配置を特定する情報とに基づいて、前記移動体が通った経路上に存在する第1の交差点と、前記第1の交差点に接続する道路のうち前記移動体が前記第1の交差点から前記目的地へ向けて通った経路ではない道路と、に存在する建物の数が所定の基準を満たすように、前記第1の交差点及び前記移動体が通った経路上に存在する第2の交差点の少なくとも一方を特定する特定手段
    前記出発地から前記特定手段によって特定された第1の交差点まで前記移動体が通った経路を特定する情報、及び前記特定手段によって特定された第2の交差点から前記目的地まで前記移動体が通った経路を特定する情報の少なくとも一方を削除する削除手段
    として機能させるための位置情報秘匿プログラム。
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