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JP6069333B2 - 医療用ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、薬剤を患者へ送液するための医療用ポンプに関する。
医療用ポンプの一例として輸液ポンプは、例えば集中治療室(ICU)等で使用され、患者に対して薬剤の送液処置を、高い精度で比較的長時間行うことに用いられている。輸液ポンプの上には所定の薬剤バッグ(輸液バッグ)が配置され、本体と開閉扉との間には、薬剤バッグから下げた輸液チューブを挟みこんで、この輸液チューブを本体内に収容して開閉扉を閉じることで保持している。輸液ポンプの本体内では、定位置にセットされた輸液チューブの外周面が、本体内の複数のフィンガと開閉扉の内面との間に挟まれている。この輸液ポンプは、複数のフィンガを輸液チューブの外周面を長さ方向に沿って順次押圧して薬剤の送液を行う蠕動式輸液ポンプである (特許文献1を参照)。
特許文献1に記載の輸液ポンプでは、輸液チューブを輸液ポンプの本体内において上から下に向けて垂直に通して保持している。これに対して、輸液チューブを輸液ポンプの本体内において水平方向に通して保持する輸液ポンプが提案されている。このように、輸液チューブを輸液ポンプの本体において水平方向に通して保持する構造を採用しようとするのは、輸液チューブが輸液ポンプの本体内を上から下に向けて垂直に通っている輸液ポンプとは異なり、複数の輸液ポンプを上下位置にスタックした状態で重ねて保持しても輸液チューブが邪魔にならないという利点があるからである。例えば、輸液ポンプの本体に対して向かって右側部分に輸液チューブの上流側が配置され、輸液ポンプの本体に対して向かって左側部分に輸液チューブの下流側が配置されるように予め決められている。この場合には、輸液チューブの上流側を輸液ポンプの本体の右側部分に配置し、輸液チューブの下流側を輸液ポンプの本体の左側部分に配置すれば、薬剤は上流側から下流側に向かって予め定めた送液方向に沿って送液でき、患者に対して正しく送液できる。
特開2010−200775号公報
ところで、輸液ポンプの本体は、充放電可能なバッテリ、表示部、ブザー、そしてモータ等の電気的な構成要素を有している。これらの構成要素の動作の制御は、CPU(中央処理部)により行われている。これらの構成要素の中で、充放電可能なバッテリの充電状態の温度が異常温度になってしまうと、CPUに電源供給することができず、CPUが、構成要素の動作の制御を行えなくなる。このため、輸液ポンプは正常に動作しなくなって薬剤を患者へ安全に送液できなくなるおそれがある。
そこで、本発明は、バッテリの充電状態の温度の監視を行うことで、輸液ポンプのような医療用ポンプが患者に対して薬剤を送液する際の安全性を確保することができる医療用ポンプを提供することを目的とする。
本発明の医療用ポンプは、 薬剤を患者に送液するための医療用ポンプであって、主制御部と、前記主制御部と、前記薬剤を送液するためのモータと、各種の情報を表示するための表示部に電気的に接続されている副制御部と、電源供給するバッテリと、前記バッテリの温度を検出して前記主制御部に通知する温度センサとを有し、前記バッテリと前記温度センサは、前記副制御部を経由しないで前記主制御部と直接接続され、前記温度センサから得られる温度情報に基づいて、充電状態にある前記バッテリの温度が異常温度であるかを判断することを特徴とする。
上記構成によれば、バッテリの充電状態の温度の監視を行うことで、バッテリからの電源供給が突然停止して、薬剤の送液ができなくなってしまうことを未然に防ぐことができるので、輸液ポンプのような医療用ポンプが患者に対して薬剤を送液する際の安全性を確保することができる。
好ましくは、前記異常温度は−20℃以下または70℃以上であり、前記主制御部が、前記異常温度を複数回連続して得ると、前記主制御部は、充電停止信号を出して充電用のスイッチをオフして、前記バッテリの充電を停止させるが、前記モータの動作は停止させないように制御することを特徴とする。
上記構成によれば、バッテリの充電状態での温度が−20℃以下または70℃以上の異常温度になっており、この異常温度が複数回連続で得られると、バッテリに対して確実に充電を行えなくなる。バッテリの充電状態での温度が−20℃以下または70℃以上であると、バッテリを充電するには適切な温度ではなく、充電動作を停止した方が良い。これにより、バッテリに対する充電は停止するが、モータの動作自体は停止させずに、薬剤の送液動作を続ける。従って、バッテリを保護しながら、薬剤の送液動作を続けることで、薬剤の患者への投与を確保できる。
好ましくは、前記異常温度は80℃以上であり、前記主制御部が、前記異常温度を複数回連続して得ると、前記モータの動作を停止させることを特徴とする。
上記構成によれば、バッテリの充電状態での温度が80℃以上の異常温度になっており、この異常温度が複数回連続で得られると、バッテリの充電状態での温度が高すぎるということで、モータの動作自体を停止させて、薬剤の送液動作を停止することで、薬剤の患者への投与を中止する。バッテリの充電状態での温度が80℃以上であると、バッテリを充電するべきではないので、充電動作を停止する。
好ましくは、前記主制御部と前記副制御部は、相互に動作異常を監視する構成としたことを特徴とする。
上記構成によれば、バッテリと温度センサは、主制御部に直接接続され、主制御部と副制御部は、相互に動作異常を監視する構成であるので、主制御部は、医療用ポンプにとって最も重要なバッテリから電源供給と温度センサからのバッテリの動作温度の情報を直接得ることができ、副制御部は、モータと表示部の動作を制御するので、主制御部と副制御部のそれぞれの役割を分けることができる。このため、主制御部は、医療用ポンプにとって最も重要なバッテリから電源供給と温度センサからのバッテリの動作温度の情報を直接監視できるので医療用ポンプが患者に対して薬剤を送液する際の安全性を確保でき、しかも主制御部としては性能を落とした安価な中央処理部を使用できるので、コストダウンが図れる。
好ましくは、前記副制御部が前記主制御部の動作異常を検出すると、前記副制御部は前記モータの動作を停止させ、前記主制御部が前記副制御部の動作異常を検出すると、前記主制御部は前記モータの動作を停止させることを特徴とする。
上記構成によれば、主制御部と副制御部のいずれが異常動作しても、モータの動作を停止できるので、薬剤の送液動作を中止することができ、薬剤を送液する際に、主制御部と副制御部のいずれに不具合があっても、安全性を確保できる。
好ましくは、前記バッテリの充電電圧異常を監視するバッテリ監視部を有し、前記温度センサは、前記バッテリ監視部に配置され、前記バッテリ監視部も前記副制御部を経由しないで前記主制御部と直接接続されていることを特徴とする。
上記構成によれば、温度センサは、前記バッテリ監視部に配置されているものを用いるので、温度センサを別部品として搭載する必要が無いので、部品点数の低減が図れる。
好ましくは、前記主制御部と前記副制御部は、CPUチップから成り、前記主制御部の前記CPUチップの性能が前記副制御部の前記CPUチップより低いことを特徴とする。
本発明は、バッテリの充電状態の温度の監視を行うことで、輸液ポンプのような医療用ポンプが患者に対して薬剤を送液する際の安全性を確保することができる医療用ポンプを提供することができる。
本発明の医療用ポンプの好ましい第1実施形態である輸液ポンプを示す斜視図。 図1に示す輸液ポンプをW方向から見た図。 輸液ポンプの開閉カバーを開いた状態を示す斜視図。 輸液ポンプの電気的な構成例を示す図。 輸液ポンプの動作例を示すフロー図。 バッテリの温度監視手順を示すフロー図。 本発明の第2実施形態において、複数台の輸液ポンプが、ポンプスタンドによりZ方向(上下方向)に沿って積み重ねるようにして搭載されている例を示す図。 本発明の第2実施形態において、バッテリの温度監視手順を示すフロー図。
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
(第1実施形態)
図1は、本発明の医療用ポンプの好ましい実施形態である輸液ポンプを示す斜視図である。図2は、図1に示す輸液ポンプをW方向から見た図である。
図1と図2に示す輸液ポンプ1は、医療用ポンプの一例である。この輸液ポンプ1は、例えば集中治療室(ICU、CCU、NICU)等で使用され、患者に対して、例えば抗がん剤、麻酔剤、化学療法剤、輸血等、栄養剤等の薬剤(薬液ともいう)の微量注入処置を、高い精度で比較的長時間行うことに用いられる微量持続注入ポンプである。この輸液ポンプ1は、例えば薬剤ライブラリから使用する薬剤を選択して、その選択した薬剤を送液するために用いられる。この薬剤ライブラリは、薬剤ライブラリデータベース(DB)において、予め登録された薬剤名を含む薬剤の投与設定群である薬剤情報である。医療従事者は、この薬剤ライブラリを用いることにより、複雑な投与設定をその都度行わなくても良く、薬剤の選択および薬剤の設定が図れる。
図2に示すように、輸液ポンプ1は、薬剤171を充填した薬剤バッグ170から、クレンメ179と輸液チューブ200と留置針172を介して、患者Pに対して正確に送液することができる。薬剤は輸液剤ともいう。輸液チューブは輸液ラインともいう。
輸液ポンプ1は、本体カバー2と取手2Tを有しており、取手2TはN方向に伸ばしたりT方向に収納したりすることができる。この本体カバー2は、本体ともいい、耐薬品性を有する成型樹脂材料により一体成型されており、仮に薬剤等がかかっても輸液ポンプ1の内部に侵入するのを防ぐことができる防滴処理構造を有している。このように、本体カバー2が防滴処理構造を有しているのは、上方に配置されている薬剤バッグ170内の薬剤171がこぼれ落ちたり、周辺で用いる消毒液等が飛散して付着することがあるためである。
まず、輸液ポンプ1の本体カバー2に配置された要素について説明する。
図1と図2に示すように、本体カバー2の上部分2Aには、表示部3と、操作パネル部4が配置されている。表示部3は、画像表示装置であり、例えばカラー液晶表示装置を用いている。この表示部3は、日本語表記による情報表記だけでなく、必要に応じて複数の外国語による情報の表示を行うことができる。表示部3は、本体カバー2の上部分2Aの左上位置であって、開閉カバー5の上側に配置されている。本体カバー2の上部分2Aは、本体カバー2の上半分の部分である。本体カバー2の下部分2Bは、本体カバー2の下半分の部分である。
輸液ポンプ1の本体カバー2の上部分2Aには、情報を表示する表示部3と、複数の操作ボタンを有する操作パネル部4が配置され、輸液ポンプ1の本体カバー2の下部分2Bは、薬剤を送液するための送液部材である輸液チューブ200を配置する領域である。これにより、医療従事者は、本体カバー2の上部分2Aの表示部3の情報を確認しながら、輸液ポンプ1による薬剤の送液作業を行うことができる。そして、医療従事者は、本体カバー2の上部分2Aの表示部3の情報を確認しながら、操作パネル部4の操作ボタンを操作することができる。このため、輸液ポンプ1の操作性が良好である。
図2では、表示部3には、一例として薬剤投与の予定量(mL)の表示欄3B、薬剤投与の積算量(mL)の表示欄3C、充電履歴の表示欄3D、流量(mL/h)の表示欄3E等が表示されているが、図1に示す表示部3ではこれらの表示内容の図示は、図面の簡単化のために省略している。表示部3は、この他に警告メッセージを表示することもできる。また、表示部3は、LED(発光ダイオード)のバックライトを点灯することで、例えば黄色の表示画面から白色の表示画面に表示変更することができる。
操作パネル部4は、本体カバー2の上部分2Aにおいて表示部3の右側に配置され、操作パネル部4には、操作ボタンとしては、図示例では、例えばパイロットランプ4A、早送りスイッチボタン4B、開始スイッチボタン4C、停止スイッチボタン4D、メニュー選択ボタン4E、電源スイッチ4F等が配置されている。
図1に示すように、本体カバー2の下部分2Bには、蓋部材としての開閉カバー5が回転軸5Aを中心として、R方向に開閉可能に設けられている。開閉カバー5は、X方向に沿って長く形成されている板状の蓋部材である。チューブ装着部50と送液駆動部60は、開閉カバー5の内側に配置されている。このチューブ装着部50には、例えば軟質塩化ビニル等の可撓性の熱可塑性樹脂製の輸液チューブ200をセットして、この開閉カバー5を閉じることで、輸液チューブ200は、チューブ装着部50において、X方向(T方向)に沿って水平に装着できる。
なお、図1と図2におけるX方向、Y方向、Z方向は互いに直交しており、Z方向は上下方向である。X方向は、送液方向であるT方向と平行であり輸液ポンプ1の左右方向である。Y方向は、輸液ポンプ1の前後方向である。
図3は、図1と図2に示す輸液ポンプ1の開閉カバー5を開いて、輸液チューブ200を装着するためのチューブ装着部50を示す斜視図である。
図3に示すように、チューブ装着部50と送液駆動部60は、輸液ポンプ1の本体下部1B側に設けられており、チューブ装着部50と送液駆動部60は、表示部3と操作パネル部4の下部においてX方向に沿って設けられている。チューブ装着部50は、図2に示すように開閉カバー5を、回転軸5Aを中心としてCR方向に閉じると開閉カバー5により覆うことができる。
医療従事者は、本体カバー2の上部分2Aの表示部3の情報を確認しながら、チューブ装着部50への輸液チューブ200の装着を行って、開閉カバー5を閉じることができる。そして、医療従事者は、本体カバー2の上部分2Aの表示部3の情報を確認しながら、操作パネル部4の操作ボタンを操作することができる。これにより、医療現場において、輸液ポンプ1の操作性を向上することができる。
図3に示すように、チューブ装着部50は、気泡センサ51と、上流閉塞センサ52と、下流閉塞センサ53と、チューブクランプ部270と、右側位置の第1輸液チューブガイド部54と左側位置の第2輸液チューブガイド部55を有している。
図3に示すように、チューブ装着部50の付近には、輸液チューブ200をセットする際に、正しい送液方向であるT方向を明確に表示するための輸液チューブ設定方向表示部150が設けられている。この輸液チューブ設定方向表示部150は、例えば複数の矢印151により構成されている。輸液チューブ設定方向表示部150は、例えばチューブ装着部50の下部に直接印刷しても良いし、シール状の部材に印刷したものをチューブ装着部50の下部に貼り付けても良い。輸液チューブ設定方向表示部150は、開閉カバー5の内側にセットされた輸液チューブ200による薬剤171の正しい方向の送液方向(T方向)を明示するために配置されている。
これにより、医療従事者が、図3の開閉カバー5をCS方向に開けて、チューブ装着部50を開放して、このチューブ装着部50に対して輸液チューブ200を装着する際に、輸液チューブ200による薬剤の送液方向であるT方向を明示できる。このため、医療従事者が、誤って輸液チューブ200を逆方向に装着してしまうことを確実に防ぐことができる。
次に、図3に示す開閉カバー5の構造例を説明する。
図3に示すように、開閉カバー5は、輸液ポンプ1を軽量化するために、薄い成型樹脂部材により作られている板状の部材である。これにより、開閉カバー5の重量を軽減でき、構造を簡単化することができる。開閉カバー5は、チューブ装着部50を、回転軸5Aを中心としてCS方向とCR方向に沿って開閉可能に覆うことができるようにするために、2つのヒンジ部2H、2Hにより本体カバー2の本体下部2Bに対して支持されている。2つのヒンジ部2H、2Hは、第1フック部材5Dと第2フック部材5Eにそれぞれ対応して配置されている。
図2と図3に示すように、開閉カバー5の表面側には、右上部分に開閉操作レバー260が設けられている。開閉カバー5の内面側には、輸液チューブ押さえ部材500と、第1フック部材5Dと第2フック部材5Eが設けられている。この輸液チューブ押さえ部材500は、X方向に沿って長く矩形状かつ面状の突出部として配置されており、輸液チューブ押さえ部材500は、送液駆動部60に対面する位置にある。輸液チューブ押さえ部材500は、送液駆動部60に沿ってX方向に平坦面を有しており、輸液チューブ押さえ部材500は、開閉カバー5をCR方向に閉じることで、送液駆動部60との間で輸液チューブ200の一部分を押し付けて挟むようになっている。
医療従事者は、表示部3に表示されている表示内容を確認しながら、輸液チューブ200を輸液ポンプ1の本体の下半分の部分に水平方向に沿ってセットでき、輸液チューブ200がチューブ装着部50にセットされた後に、開閉カバー5は輸液チューブ200を覆うことができる。
図3に示すように、第1フック部材5Dと第2フック部材5Eは、本体下部1B側の固定部分1D、1Eに対してそれぞれ機械的に同時に掛かることにより、開閉カバー5は、図2に示すように、本体下部1Bのチューブ装着部50を閉鎖した状態に保持する。この第1フック部材5Dと第2フック部材5Eと、本体下部1B側の固定部分1D、1Eは、開閉カバー5のダブルフック構造部300を構成している。
図3に示すチューブクランプ部270は、開閉カバー5を閉じることにより、輸液チューブ200の途中部分をクランプして閉塞させる。チューブクランプ部270は、左側の固定部分1Eの近傍であって、左側の第2フック部材5Eに対応する位置に配置されている。医療従事者が輸液チューブ200をX方向に水平にセットして、医療従事者が開閉カバー5をCR方向に閉じると、チューブクランプ部270は、輸液チューブ200の途中の一部分を閉塞できる。
図3に示すように、第1輸液チューブガイド部54は、本体下部1Bおいて向かって右側部分に設けられ、第2輸液チューブガイド部55は、本体下部1Bにおいて向かって左側部分に設けられている。第1輸液チューブガイド部54は、輸液チューブ200の上流側200Aをはめ込むことで保持でき、第2輸液チューブガイド部55は、輸液チューブ200の下流側200Bをはめ込むことで保持でき、輸液チューブ200をX方向に沿って水平方向に保持するようになっている。このように、水平方向に保持された輸液チューブ200は、気泡センサ51と、上流閉塞センサ52と、送液駆動部60と、下流閉塞センサ53と、そしてチューブクランプ部270に沿って、T方向に沿ってはめ込んで固定される。
図3に示すように、第2輸液チューブガイド部55は、輸液チューブ200の下流側200Bの一部分を着脱可能に挟んで保持するために、本体下部1Bの側面部分1Sに形成された溝部分である。第1輸液チューブガイド部54と第2輸液チューブガイド部55は、輸液チューブ200を開閉カバー5とチューブ装着部50との間に挟み込んで潰してしまうことが無いように、チューブ装着部50内に確実に装着できる。
図3に示す気泡センサ51は、輸液チューブ200内に生じる気泡(空気)を検出するセンサであり、例えば気泡センサ51は、軟質塩化ビニルなどの輸液チューブ200の外側から、輸液チューブ200内に流れる薬剤中に含まれる気泡を監視する超音波センサである。超音波センサの超音波発信部から発生する超音波を輸液チューブ200内に流れる薬剤に当てることで、薬剤における超音波の透過率と、気泡における超音波の透過率とが異なることから、超音波受信部は、その透過率の差を検出して気泡の有無を監視する。気泡センサ51は、押し当て部材320と受け部材330を有している。超音波発振部は押し当て部材320に配置されている。超音波受信部は受け部材330に配置されている。
図3に示す上流閉塞センサ52は、輸液チューブ200の上流側200Aにおいて輸液チューブ200内が閉塞しているかどうかを検出するセンサであり、下流閉塞センサ53は、輸液チューブ200の下流側200Bにおいて輸液チューブ200内が閉塞しているかどうかを検出するセンサである。上流閉塞センサ52と下流閉塞センサ53は、同じ構成である。輸液チューブ200が閉塞する場合としては、例えば送液しようとする薬剤の粘度が高いか、薬剤の濃度が高い等の場合である。
図3に示すように、開閉カバー5の内面側には、上流閉塞センサ52と下流閉塞センサ53の対応する位置に、それぞれ押圧部材452、453が設けられている。医療従事者が、図3に示すようにチューブ装着部50に輸液チューブ200をセットした後に、図2に示すように開閉カバー5を閉じると、開閉カバー5側の押圧部材452と押圧部材453が輸液チューブ200の一部分を上流側閉塞センサ52と下流側閉塞センサ53側にそれぞれ押し当てることができる。このため、直径が異なる複数種類の輸液チューブ200の内の何れのサイズの輸液チューブ200が輸液ポンプ1に装着されても、開閉カバー5を閉じると上流側閉塞センサ52と下流側閉塞センサ53は、輸液チューブ200の閉塞状態を検出できる。
図4は、輸液ポンプ1の電気的な構成例を示している。
図4に示すように、輸液ポンプ1は、主制御部100と副制御部400を有している。送液駆動部60は、駆動モータ61と、この駆動モータ61により回転駆動される複数個のカムを有するカム構造体62と、このカム構造体62に設けられた各偏心カム62A〜62Fにより移動される複数のフィンガを有するフィンガ構造体63を有している。
カム構造体62は、複数の偏心カム、例えば複数の偏心カム62A〜62Fを有しており、フィンガ構造体63は、複数の偏心カム62A〜62Fに対応して複数のフィンガ63A〜63Fを有している。複数の偏心カム62A〜62Fは互いに位相差を付けて配列されており、偏心カム62は、駆動モータ61の出力軸61Aに連結されている。
図4に示す副制御部400の指令により、駆動モータ61の出力軸61Aが回転すると出力軸61Aに軸支されたカム構造体62に設けられた偏心カム62A〜62Fが回転し、複数のフィンガ63A〜63Fを順次Y方向に所定ストローク分(上死点と下死点との距離分)進退させることで、輸液チューブ200はT方向に沿って開閉カバー5の輸液チューブ押さえ部材500に対して押し付けられる。このため、輸液チューブ200内の薬剤は、T方向に送液することができる。すなわち、複数のフィンガ63A〜63Fが個別駆動されることで、複数のフィンガ63A〜63Fが輸液チューブ200の外周面をT方向に沿って順次押圧して輸液チューブ200内の薬剤の送液を行う。このように、副制御部400が、複数のフィンガ63A〜63Fの蠕動運動を制御することにより、フィンガ63A〜63Fを順次前後進させ、あたかも波動が進行するようにして、輸液チューブ200の閉塞点をT方向に移動させることで、輸液チューブ200をしごいて薬剤を移送する。
上述したように、輸液ポンプ1は、主制御部100と副制御部400を有している。主制御部100は第1制御部であり、副制御部400は第2制御部である。主制御部100はCPU(中央制御部)チップを採用しているが、副制御部400としては好ましくはFPGA(Field−Programmable Gate Array)を採用している。このFPGAは、ユーザが希望する論理機能をユーザ自らのコンピュータを使って短期間で実現できるデバイスであり、CPUに比べて安価である。
主制御部100は、全体的な動作の制御を行うために、例えばワンチップのマイクロコンピュータを用いており、ROM(読み出し専用メモリ)101、RAM(ランダムアクセスメモリ)102、不揮発性メモリ103、そしてクロック104を有する。クロック104は、所定の操作により現在時刻の修正ができ、現在時刻の取得や、所定の送液作業の経過時間の計測、送液の速度制御の基準時間の計測等ができる。
図4に示す主制御部100と副制御部400は、電気的に接続されており、相互の監視と周辺要素の監視を行う。すなわち、主制御部100は、副制御部400の異常動作(例えば暴走動作)を監視するとともに、主制御部100に直接接続されている周辺要素の監視を行う。これに対して、副制御部400は、主制御部100の異常動作(例えば暴走動作)を監視するとともに、副制御部400に接続されている周辺要素の制御と監視を行う。
図4に例示する主制御部100は、次の周辺要素に直接接続されている。主制御部100に直接接続されているのは、バッテリ監視部181と、電源コンバータ部112とバッテリ113である。
この他に、主制御部100は、電源スイッチボタン4Fと電源切り替え用のスイッチ111、表示部ドライバ130、駆動モータ61、スピーカ131、ブザー132、ナースセンタ側の情報端末600に接続されている。このスイッチ111は、電源コンバータ部112とバッテリ113を切り換えることで、電源コンバータ部112とバッテリ113の一方から主制御部100に対して電源供給する。電源コンバータ部112は、コンセント114を介してAC電源(商用交流電源)115に接続されている。バッテリ113は、例えばリチウムイオン電池等の充放電可能な二次電池である。主制御部100は、充電指令信号CZを出して充電用のスイッチ199をスイッチオンすることで、AC電源115に接続されている間、電源コンバータ部112からバッテリ113に充電を行うことができる。主制御部100が、この充電指令信号CZを解除すれば、バッテリ113に充電を中止できる。
また、主制御部100は、必要に応じて上流閉塞センサ52と下流閉塞センサ53にも接続されている。これにより、主制御部100は、輸液チューブ200内の閉塞状態の監視をもすることができる。
図4の温度センサ180は、バッテリ監視部181内に内蔵されている。これにより、バッテリ監視部181とは別に温度センサを設ける必要が無いので、部品点数を減らすことができる。温度センサ180は、輸液ポンプ1のバッテリ113の充電状態の温度を測定して、その温度測定結果を主制御部100に対して温度センサ値(A/D値)TSとして通知する。これにより、主制御部100は、バッテリ113の充電状態の温度からバッテリ113の異常状態を検出することができる。バッテリ監視部181は、バッテリ監視用の集積回路であり、電源コンバータ部112とバッテリ113から得られる電圧値が予め定められた値の範囲内にあるかを監視して、主制御部100に監視信号QSを供給する。これにより、主制御部100はバッテリ113の充電電圧異常を監視することができるようになっている。
図4に示す主制御部100と副制御部400の間には、ROM185が接続されている。また、副制御部400には、別のROM190が接続されている。これらのROM185、190は、半導体メモリに一種である、例えばフラッシュROM(Flash ROM)を用いており、データの消去と書き込みを自由に行うことができ、電源を切ってもデータの内容が消えない。ROM185には、例えば主制御部100が副制御部400の動作異常を検出するために主制御部100から副制御部400に書き込むための任意のデータが記憶されている。ROM190には、副制御部400を動作させるためのプログラムが記憶されている。
バッテリ113は、電源コンバータ部112からバッテリ113に充電されていない状態(AC電源115に接続されていない状態または停電時)の場合に、輸液ポンプ1の電源供給源となる。
図4に示すように、副制御部400は、表示部ドライバ130、エラー表示ランプ3W、スピーカ131、ブザー132、気泡センサ51、上流閉塞センサ52、下流閉塞センサ53、通信ポート140、操作パネル(操作ボタン)4と、そしてナースセンタ側の情報端末600に電気的に接続されており、これらの周辺要素の管理と制御を行っている。ナースセンタ側の情報端末600は、ナースセンタ650に置かれており、上述した表示部3、エラー表示ランプ3W、スピーカ131、ブザー132と同様の表示部3T、エラー表示ランプ3WT、スピーカ131T、ブザー132Tを有している。
図4の表示部ドライバ130は、主制御部100の指令あるいは副制御部400の指令により表示部3を駆動して、図2に例示する情報内容や警告メッセージを表示し、LED(発光ダイオード)のバックライトを点灯させる。エラー表示ランプ3Wは、主制御部100あるいは副制御部400のいずれかが故障した場合に、点灯する。スピーカ131は、主制御部100の指令あるいは副制御部400の指令により各種の警報内容を音声により告知することができる。ブザー132は、主制御部100の指令あるいは副制御部400の指令により各種の警報を音により告知することができる。
図4において、気泡センサ51からの気泡検出信号S1と、上流閉塞センサ52からの輸液チューブ200の上流側が閉塞したことを示す上流閉塞信号S2と、そして下流閉塞センサ53からの輸液チューブ200の下流側が閉塞したことを示す下流閉塞信号S3は、副制御部400に供給される。上流閉塞センサ52と下流閉塞センサ53は、輸液回路の内圧が輸液ポンプ1内の設定圧を越えて、薬剤を送液できない状態を検出することができる。輸液回路の内圧が輸液ポンプ1内の設定圧を越える原因としては、輸液用の留置針や輸液チューブ200の詰まっている場合、輸液チューブ200がつぶれているまたは折れている場合、高粘度の薬剤を使用している場合等である。
図4において、副制御部400は、例えば、デスクトップコンピュータのようなコンピュータ141に対して、通信ポート140を通じて、RS−232C(RS:Recommended Standard)(EIA(米国電子工業会)により規格化された有線の通信方式や無線LANによる赤外線通信等により双方向に通信可能である。このコンピュータ141は、薬剤データベース(DB)160に接続されており、薬剤データベース160に格納されている薬剤情報MFは、コンピュータ141を介して、副制御部400に取得して、副制御部400のROM101に記憶させることができる。副制御部400は、記憶した薬剤情報MFを基にして、例えば図2に示す表示部3には薬剤情報MF等を表示することができる。
次に、図4と図5を参照して、輸液ポンプ1の動作例を説明する。図5は、輸液ポンプ1の動作例を示すフロー図である。
医療従事者が、図5のステップST1において、図4に示す電源スイッチ4Fを押してスイッチオンすると、主制御部100と副制御部400が起動をして、相互の監視と周辺要素の監視を行う。すなわち、主制御部100は、副制御部400の異常動作(例えば暴走動作)を監視するとともに、主制御部100に直接接続された周辺要素の監視を行う。これに対して、副制御部400は、主制御部100の異常動作(例えば暴走動作)を監視するとともに、副制御部400に接続された周辺要素の動作制御と監視を行う。図4に示す副制御部400が送液駆動部60の駆動モータ61を作動することで、出力軸61Aが回転すると出力軸61Aに軸支された偏心カム62が回転し、複数のフィンガ63A〜63Fを順次Y方向に所定ストローク分(上死点と下死点との距離分)進退させ、輸液チューブ200を押圧することで、送液方向Tに沿って薬剤の送液を行う。
(主制御部100の動作異常の監視)
この薬剤の送液の際に、ステップST2では、副制御部400は、主制御部100の動作異常を、ウォッチドッグタイマ(WDT)により監視をする。主制御部100の動作異常は、この主制御部100に使用しているマイクロコンピュータが正常に動作していない場合に発生する異常である。そこで、副制御部400は、主制御部100が正常に動作しているか異常動作をしているかを、ウォッチドッグタイマというタイマによりチェックする。
このウォッチドッグタイマは、主制御部100が正常に動作しているかどうかチェックする方法の1つである。ウォッチドッグタイマという正常な処理ルーチンでは、ウォッチドッグタイマは、ある一定時間内に命令によってリセットされるタイマを起動させておき、もしこの一定時間を経過してもタイマがリセットされていない場合には、プログラムが異常な処理ルーチンに入ったと判断し、割り込みを発生させることで、主制御部100の動作異常を検出する。例えば、副制御部400は、主制御部100に対して、例えばある命令を実行して予め定めた時間を経過しても再び同じ命令を実行するようにプログラミングしておき、実際に例えば予め定めた時間を経過してもこの命令が実行されなかった場合には、副制御部400は、主制御部100のハードウェアに異常が発生したと判断する。
ただし、副制御部400は、主制御部100の動作を強制的にリセット状態にはしない。この理由としては、主制御部100は、副制御部400に対して上位の役割を果たしているが、副制御部400は、主制御部100のハードウェアに異常が発生したと判断したとしても、主制御部100が絶対に異常状態になっているとは限らないので、主制御部100はリセット状態にはしないが、ステップST3において示すような各種の対応処置を実行する。
図5のステップST2では、図4に示す副制御部400は、主制御部100のハードウェアに異常が発生したと判断すると、ステップST3では、副制御部400は、図4の表示部ドライバ130に指令を出して、表示部ドライバ130は、表示部3において「主制御部100(CPU)エラー」を表示させる。この場合には、例えば、医療従事者に対する視認性を上げるために、表示部3の液晶表示装置の表示色は、例えば黄色画面から「白色画面」に変更され、この「白色画面」に「CPU Error」と表示させる。これにより、医療従事者は、通常の表示部3の表示色とは異なる「白色画面」でエラー表示を見ることになるので、主制御部100のエラーを容易にしかも確実に視認することができる。
また、ステップST3では、副制御部400は、エラー表示ランプ3Wの赤LEDを、「赤点灯」させ、ブザー132を鳴動させ、駆動モータ61の動作を停止させて、薬剤の送液動作を停止する。また、必要に応じて、副制御部400は、スピーカ131を通じて、音声で「主制御部100(CPU)のエラー」を医療従事者に対して出すことで、ナースコール信号を発報する。
このステップST3では、好ましくは、副制御部400は、ナースセンタ側の情報端末600に対しても「主制御部100(CPU)エラー」を医療従事者に対して通知する。これにより、表示部3の液晶表示装置の表示色は、バックライト点灯することで、例えば黄色画面から「白色画面」に変更され、この「白色画面」には「CPU Error」と表示させる。しかも、ステップST3では、副制御部400は、エラー表示ランプ3WTの赤LEDを「赤点灯」させ、ブザー132Tを鳴動させて、スピーカ131Tを通じて音声で「主制御部100(CPU)エラー」を医療従事者に対して出すことで、ナースコール信号を発報する。
(副制御部400の動作異常の監視)
一方、図5のステップST2において、図4に示す副制御部400は、主制御部100のハードウェアに異常が発生していないと判断すると、ステップST4に移る。ステップST4では、今度は主制御部100が、副制御部400の動作異常の監視を行う。
主制御部100が、副制御部400の動作異常の監視する際には、主制御部100が、副制御部400のレジスタに毎回異なる任意のデータを、エラーチェックレジスタに書き込んで(WRITE)、そして主制御部100は副制御部400内のこのエラーチェックレジスタに書き込んだデータを読み出す(READ)。これにより、主制御部100は、書き込んだデータと読み出したデータを比較することでベリファイ(検査)して確認する。この任意のデータは、例えば図4に示すROM185に記憶されている。そして、主制御部100は、書き込んだデータと読み出したデータを比較することで、書き込んだデータと読み出したデータが異なっていれば、主制御部100は、副制御部400が動作異常しているものと判断する。
ステップST4において、主制御部100は、副制御部400が動作異常をしていると判断すると、主制御部100は、ステップST5に移って次の動作を行う。
ステップST5では、主制御部100は、副制御部400を強制的にリセット状態にする。このように、主制御部100は、副制御部400を強制的にリセット状態にすることで、副制御部400の指令動作を強制的に停止させることで、輸液ポンプ1の送液動作において、副制御部400に不具合があった場合に安全性を優先させる。
しかも、主制御部100は、図4の表示部ドライバ130に指令を出して、表示部ドライバ130は、表示部3において「副制御部400(FPGA)エラー」を表示させる。この場合には、例えば、医療従事者に対する視認性を上げるために、表示部3の液晶表示装置の表示色は、バックライト点灯することで、例えば黄色画面から「白色画面」に変更され、「FPGA Error」と表示させる。これにより、医療従事者は、通常の表示部3の表示色とは異なる「白色画面」でエラー表示を見ることになるので、副制御部400の動作異常を容易にしかも確実に視認することができる。
また、ステップST5では、主制御部100は、エラー表示ランプ3Wの赤LEDを、「赤点灯」させ、ブザー132を鳴動させ、駆動モータ61の動作を停止させる。また、必要に応じて、副制御部400は、スピーカ131を通じて、音声で「副制御部400(FPGA)エラー」を医療従事者に対して出すことで、ナースコール信号を発報する。
このステップST5では、好ましくは、主制御部100は、ナースセンタ側の情報端末600に対しても「副制御部400(FPGA)エラー」を医療従事者に通知する。これにより、表示部3の液晶表示装置の表示色は、バックライト点灯することで、例えば黄色画面から「白色画面」に変更されて、「FPGA Error」と表示させる。しかも、ステップST3では、主制御部100は、エラー表示ランプ3WTの赤LEDを「赤点灯」させ、ブザー132Tを鳴動させ、スピーカ131Tを通じて音声で「副制御部400(FPGA)エラー」を医療従事者に対して出すことで、ナースコール信号を発報する。
これに対して、ステップST4において、主制御部100は、副制御部400が動作異常をしていないと判断すると、ステップST6に移り、輸液ポンプ1が所定の薬剤量を患者に送液したら、これまで行った正常な送液動作を停止する。
以上説明したように、主制御部100と副制御部400は、相互監視して、主制御部100は、副制御部400の異常動作(例えば暴走動作)を監視することができ、副制御部400は、主制御部100の異常動作(例えば暴走動作)を監視することができる。
図4に示す主制御部100と副制御部400の相互監視の他に、主制御部100と副制御部400は、例えば次のような周辺要素の監視を行う。主制御部100は、図4に示す駆動モータ61の回転異常を、駆動モータ61の回転検出信号を、副制御部400を経由して監視する。
主制御部100は、サーミスタやC−MOS型半導体センサ等の温度センサ180の温度センサ値(A/D値)TSを、副制御部400を介さないで直接監視することで、バッテリ113の動作状態の監視を行って、動作異常な時には例えば表示部3に表示し、ブザー132で警報する。主制御部100は、監視信号(バッテリ電圧検出値(A/D値))QSを、副制御部400を介さないで直接得ることで、バッテリ113の充電電圧異常を監視して、充電電圧異常である時には、例えば表示部3に表示し、ブザー132で警報する。
その他に、主制御部100は、副制御部400を経由して、気泡センサ51の信号S1により、輸液チューブ内の気泡の有無を監視して、例えば表示部3に表示し、ブザー132で警報することもできる。主制御部100は、必要に応じて上流閉塞センサ52と下流閉塞センサ53にも接続されている。これにより、主制御部100は、上流閉塞センサ52からの信号S2と下流閉塞センサ53からの信号S3を直接得ることで、輸液チューブ200内の閉塞状態の監視をも行うことができる。主制御部100は、操作パネル4のボタン(キー)が連続でオンされた時のキー入力信号を、副制御部400を経由して監視することもできる。
上述した本発明の実施形態の輸液ポンプ1では、図4に例示するように、主制御部100と副制御部400を備えており、副制御部400としてはFPGAを用いている。主制御部100に対して周辺要素として直接接続されているのは、例えばバッテリ監視部181と、電源コンバータ部112と、バッテリ113である。このように、バッテリ監視部181と電源コンバータ部112とバッテリ113が主制御部100に対して、副制御部400を経由しないで直接接続されているのは、バッテリ113の状態の監視と、電源コンバータ部112あるいはバッテリ113から主制御部100に対して電源供給を行うことが最も重要であり、バッテリ113の温度異常やバッテリ113の充電電圧異常が生じる事態、あるいは電源が供給されない事態があると、輸液ポンプ1が薬剤の送液動作に直接支障が生じて送液が行えなくなることを、最も重要な使用上の安全に関する監視事項としているからである。
また、主制御部100と副制御部400を用意することで、主制御部100と副制御部400は相互監視を行い、周辺要素を監視しており、使い分けをしている。主制御部100は、上述したように、最も重量な使用上の安全に関する監視事項として例えばバッテリ113の温度異常やバッテリ113の充電電圧異常が生じる事態、あるいは電源が供給されない事態を監視しているので、送液を受ける患者の安全性を担保することができる。副制御部400は、その他の機能を監視している。
これにより、主制御部100に上述した機能をすべて盛り込むのではなく、主制御部100と副制御部400に分けて機能を分担している。このため、主制御部100としては高性能で高価なCPU(中央処理部)のチップを採用する必要が無く、性能を落とした安価なCPUチップを採用することができるので、副制御部400を用いたとしても、主制御部100のコストダウンを図ることができる。
次に、図4に示す主制御部100がバッテリ113の温度監視を行う手順を説明する。図6は、バッテリ113の温度監視手順を示すフロー図である。
図6を参照すると、ステップST10において、図4に示す電源スイッチ4Fを押してスイッチオンして、主制御部100と副制御部400が起動すると、副制御部400が駆動モータ61を作動して薬剤の送液動作を行う。
この薬剤の送液動作を行っている際に、ステップST11では、図4の商用交流電源115から電源コンバータ部112を介してバッテリ113へ充電を行う。このようにバッテリ113の充電を行っている状態で、図4の温度センサ180は、輸液ポンプ1のバッテリ113の充電状態の温度を、予め定めた時間間隔、好ましくは2秒間隔で測定しており、温度センサ180は、その温度測定結果を、主制御部100に対して温度センサ値(A/D値)TSとして通知する。
図6のステップST12において、主制御部100は、得られたバッテリ113の充電状態の温度が、80℃以上である場合に、主制御部100が、この80℃以上の温度をステップST13において2秒間隔で3回以上連続して得た場合には、バッテリ113に何らかの大きな不具合があるものとして、ステップST14では、主制御部100は、バッテリ113の充電状態の温度が「特に異常」であると判断して、エラー処理を指示する。
すなわち、ステップST15において、主制御部100は、副制御部400に指令をして、複数のフィンガ63A〜63Fが動作開始位置になるように駆動モータ61の作動を停止させ、薬剤の送液動作を止めるように制御し、患者に対する薬剤の投与を中止する。
主制御部100は、副制御部400に指令をして、表示部3において「電池異常」の表示をさせることで、医療従事者に注意喚起をする。主制御部100は、充電指令信号CZを出すのを止めて、充電用のスイッチ199をスイッチオフさせ、バッテリ113に対する充電動作を停止させる。
バッテリ113の充電状態での温度が80℃以上であると、バッテリ113を充電するべきではないので、主制御部100は、充電用のスイッチ199をスイッチオフさせ、充電動作を停止させる。これにより、バッテリ113の充電状態での温度が80℃以上の異常温度になっており、この異常温度が複数回連続で得られると、バッテリ113の充電状態での温度が高すぎるということで、複数のフィンガ63A〜63Fが動作開始位置になるように駆動モータ61の動作自体を停止させて、薬剤の送液動作を停止するようにし、薬剤の患者への投与を中止する。
なお、ステップST13において、主制御部100は、得られたバッテリ113の充電状態の温度が、80℃以上であって、この80℃以上の温度を3回以上連続して得られなかった場合には、ステップST11に戻る。
一方、図6のステップST12において、図4の主制御部100は、得られたバッテリ113の充電状態の温度が、80℃未満である場合に、ステップST16に移る。ステップST16では、主制御部100は、バッテリ113の充電状態の温度が、−20℃以下、または70℃以上の異常温度であるかどうかを判断する。ステップST17において、バッテリ113の充電状態の温度が、−20℃以下、または70℃以上の異常温度である場合には、主制御部100が、その異常温度が3回以上連続して得た場合には、ステップST18に移る。−20℃以下、または70℃以上の異常温度は、バッテリ113を充電するには適切な温度ではなく、充電動作を停止した方が良い。ステップST18では、主制御部100は、バッテリ113の充電状態の温度が「異常温度」であると判断して、バッテリ113の充電指令信号CZを止めて、主制御部100は、充電用のスイッチ199をスイッチオフさせ、図4に示す電源コンバータ部112からバッテリ113への充電動作を停止させる。しかも、主制御部100は、副制御部400に指令をして、表示部3において「電池異常」の表示をさせる。しかし、この場合には、駆動モータ61の動作は停止しないで、薬剤の送液動作はそのまま継続する。
これにより、バッテリ113の充電状態での温度が−20℃以下または70℃以上の異常温度になっており、この異常温度が複数回連続で得られると、バッテリ113に対して確実に充電できなくすることができる。これにより、バッテリ113に対する充電は停止するが、駆動モータ61の動作自体は停止させずに、薬剤の送液動作を続ける。従って、バッテリ113を保護しながら、薬剤の送液動作を続けることで、なおも薬剤の患者への投与を確保できる。
その後、ステップST19において、図4の主制御部100が、バッテリ113の温度を、予め定めた時間間隔、例えば2秒間隔で監視する。ステップST20において、バッテリ113の温度が、例えば復旧条件として−10℃から50℃の使用可能温度範囲に戻ったかどうかを、温度センサ値(A/D値)TSから判断する。
ところで、ステップST20において、主制御部100は、バッテリ113の温度が例えば復旧条件として−10℃から50℃の使用可能温度範囲に戻ったことを確認した場合には、ステップST21では、主制御部100は、バッテリ113の温度がこの使用可能温度範囲にあって正常に復帰したと判断して、バッテリの充電指令信号CZを出して、バッテリ113の充電を再開する。しかも、主制御部100は、副制御部400に指令をして、表示部3における「電池異常」の表示を消す。そして、主制御部100は、ステップST22に移り、輸液ポンプ1が所定の薬剤量を患者に送液したら、複数のフィンガ63A〜63Fが動作開始位置になるように制御し、これまで行った正常な送液動作を停止させる。そうでなく、ステップST20において、主制御部100は、バッテリ113の温度が使用可能温度範囲に戻ったことを確認できない場合には、ステップST18に戻る。
(第2実施形態)
図6を参照して説明した本発明の第1実施形態の輸液ポンプ1におけるバッテリ113の充電状態での温度監視は、1台の輸液ポンプ1を単独で使用している場合の例である。
これに対して、図7と図8に示す本発明の第2実施形態は、複数台の輸液ポンプ1を同時に使用している場合である。
まず、図7では、複数台の輸液ポンプ1がポンプスタンド900により、Z方向(上下方向)に沿って積み重ねるようにして搭載されている。図7では、3台の輸液ポンプ1が搭載されているが、輸液ポンプ1とシリンジポンプを混成して搭載しても良いし、搭載台数は3台に限定されない。
このように、本発明の第2実施形態では、複数台の輸液ポンプ1を用いるので、図8に示すバッテリ113の温度監視手順を示すフローは、図6に示す本発明の第1実施形態におけるバッテリ113の温度監視手順を示すフローに比較して、ステップST13とステップST22の間に、ステップST30とステップ31が追加されている。図8に示すその他のステップST10からステップST22は同じであるので、その説明を援用する。
図8のステップS12において、図4の主制御部100は、得られたバッテリ113の充電状態の温度が、80℃以上である場合に、この80℃以上の温度をステップST13において3回以上連続して得た場合には、ステップST30に移る。ステップST30では、図7に示す場合とは異なり、複数台の輸液ポンプ1がポンプスタンド900に搭載されておらず1台の輸液ポンプ1を単独で使用している場合には、ステップST14に移る。
そして、ステップST14では、主制御部100は、バッテリ113の充電状態の温度が「特に異常」であると判断して、エラー処理を指示する。すなわち、ステップST15において、主制御部100は、副制御部400に指令をして駆動モータ61の作動を停止させて、複数のフィンガ63A〜63Fが動作開始位置になるように制御し、薬剤の送液動作を止める。しかも、主制御部100は、副制御部400に指令をして、表示部3において「電池異常」の表示をさせることで、医療従事者に注意喚起をする。主制御部100は、充電指令信号CZを出すのを止めて、充電用のスイッチ199をスイッチオフさせ、バッテリ113に対する充電動作を停止する。これにより、バッテリ113の充電状態での温度が80℃以上の異常温度になっており、この異常温度が複数回連続で得られると、バッテリ113の充電状態での温度が高すぎるということで、複数のフィンガ63A〜63Fが動作開始位置になるように制御し、駆動モータ61の動作自体を停止させて、薬剤の送液動作を停止させることで、薬剤の患者への投与を中止する。
そうではなく、図8のステップST30では、図7に示すように複数台の輸液ポンプ1がポンプスタンド900に搭載されている場合には、ステップST14ではなく、ステップST31に移る。
ステップST31では、図4の主制御部100は、バッテリ113の充電状態の温度が「特に異常」であると判断するが、エラー処理を指示しないで、駆動モータ61の作動は停止させない。しかし、図7に示す例えば最も上段に搭載されている輸液ポンプ1をこれまで使用しており、この最も上段の輸液ポンプ1の駆動モータ61は停止させずに、例えば中段に搭載されている別の輸液ポンプ1の駆動モータ61を作動させて、上段の輸液ポンプ1に代えて、中段の別の輸液ポンプ1により、薬剤の送液動作を継続するようになっている。これにより、中段の輸液ポンプ1が、上段の輸液ポンプ1に代えて、薬剤の送液動作を連携して継続することができる。
このように、これまで使用した輸液ポンプ1に代えて、別の輸液ポンプ1を作動させて薬剤の送液を継続する場合としては、その送液する薬剤の種類が、特に人命にかかわらない種類の薬剤、例えば栄養剤等である。しかし、抗がん剤等の人命にかかわるような薬剤の種類の場合には、これまで使用した輸液ポンプ1に代えて別の輸液ポンプ1を作動させて薬剤を送液する連携動作は行わない。
本発明の実施形態の医療用ポンプは、薬剤を患者に送液するための医療用ポンプであって、主制御部と、主制御部と、主制御部と、薬剤を送液するためのモータと、各種の情報を表示するための表示部に電気的に接続されている副制御部と、主制御部に電源供給するバッテリと、バッテリの温度を検出して主制御部に通知する温度センサを有し、主制御部は、温度センサから得られる充電状態のバッテリの温度が異常温度であるかを判断する。これにより、バッテリの充電状態の温度の監視を行うことで、バッテリからの電源供給が突然停止して、薬剤の送液ができなくなってしまうことを未然に防ぐことができるので、輸液ポンプのような医療用ポンプが患者に対して薬剤を送液する際の安全性を確保することができる。
バッテリの充電状態での異常温度は−20℃以下または70℃以上であり、主制御部が、異常温度を複数回連続して得ると、バッテリの充電を停止するが、モータの動作は停止させない。これにより、バッテリの充電状態での温度が−20℃以下または70℃以上の異常温度になっており、この異常温度が複数回連続で達すると、バッテリに対して確実に充電を行えなくなる。−20℃以下、または70℃以上の異常温度は、バッテリ113を充電するには適切な温度ではなく、充電動作を停止した方が良い。これにより、バッテリに対する充電は停止するが、モータの動作自体は停止させずに、薬剤の送液動作を続ける。従って、バッテリを保護しながら、薬剤の送液動作を続けることで、薬剤の患者への投与を確保できる。
バッテリの充電状態での異常温度は80℃以上であり、主制御部が、異常温度を複数回連続して得ると、モータの動作を停止させる。バッテリの充電状態での温度が80℃以上であると、バッテリ113を充電するべきではないので、充電動作を停止する。これにより、バッテリの充電状態での温度が80℃以上の異常温度になっており、この異常温度が複数回連続で達すると、バッテリの充電状態での温度が高すぎるということで、モータの動作自体を停止させて、薬剤の送液動作を停止することで、薬剤の患者への投与を中止する。
主制御部と副制御部は、相互に動作異常を監視する構成である。これにより、バッテリと温度センサは、主制御部に直接接続され、主制御部と副制御部は、相互に動作異常を監視する構成であるので、主制御部は、医療用ポンプにとって最も重要なバッテリから電源供給と温度センサからのバッテリの動作温度の情報を直接得ることができ、副制御部は、モータと表示部の動作を制御するので、主制御部と副制御部のそれぞれの役割を分けることができる。このため、主制御部は、医療用ポンプにとって最も重要なバッテリから電源供給と温度センサからのバッテリの動作温度の情報を直接監視できるので医療用ポンプが患者に対して薬剤を送液する際の安全性を確保でき、しかも主制御部としては性能を落とした安価な中央処理部を使用できるので、コストダウンが図れる。
副制御部が主制御部の動作異常を検出すると、副制御部はモータの動作を停止させ、主制御部が副制御部の動作異常を検出すると、主制御部はモータの動作を停止させる。これにより、主制御部と副制御部のいずれが異常動作しても、モータの動作を停止できるので、薬剤の送液動作を中止することができ、薬剤を送液する際に、主制御部と副制御部のいずれに不具合があっても、安全性を確保できる。
バッテリの充電電圧異常を監視するバッテリ監視部を有し、温度センサは、バッテリ監視部に配置されている。これにより、温度センサは、バッテリ監視部に配置されているものを用いるので、温度センサを別部品として搭載する必要が無いので、部品点数の低減が図れる。
医療用ポンプの本体の上部分には、表示部と、操作ボタンを有する操作パネル部が配置され、医療用ポンプの本体の下部分は、薬剤を送液するための送液部材を配置する領域である。これにより、医療従事者は、本体の上部分の表示部の情報を確認しながら、医療用ポンプによる薬剤の送液作業を行うことができる。そして、医療従事者は、本体の上部分の表示部の情報を確認しながら、操作パネル部の操作ボタンを操作することができる。
本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
図示した本発明の医療用ポンプの実施形態は、輸液ポンプ1であるが、これに限らず本発明の医療用ポンプの別の実施形態としてはシリンジポンプであっても良い。
このシリンジポンプは、例えば集中治療室(ICU)等で使用されて、患者に対して抗がん剤、麻酔剤、化学療法剤、輸血等、栄養剤等の薬剤の送液処置を、高い精度で比較的長時間行うことに用いられる。シリンジポンプの薬剤の流量制御は、他の輸液ポンプに比較して精密で優れている。薬剤を充填したシリンジ本体は、シリンジポンプの筐体に対してクランプを用いて動かないように装着され、シリンジポンプはシリンジ押子を押圧してシリンジ本体内の薬剤を正確に患者側に送液する。
シリンジポンプを使用する治療室や手術室では、異なる収容量を有する複数種類のシリンジが予め用意されている。医療従事者は、複数種類のシリンジから必要とする収容量のシリンジを選択し、選択された収容量のシリンジを上述したシリンジポンプに対して装着する。シリンジがシリンジポンプに装着されると、シリンジ本体の外周面がシリンジポンプの凹部の内面に密着され、シリンジの本体フランジがシリンジポンプのはめ込み部分に対してはめ込まれることで、本体フランジが把持できる。そして、シリンジポンプのモータを駆動して、シリンジポンプの押圧部材が、シリンジ押子の押子フランジをシリンジ本体側に向けて少しずつ押すことで、シリンジ本体内の薬剤を、チューブを通じて患者に送液するようになっている。シリンジポンプの本体の上部分には、情報を表示する表示部と、操作ボタンを有する操作パネル部が配置され、シリンジポンプの本体の下部分は、薬剤を送液するための送液部材であるシリンジとこのシリンジに接続されたチューブを配置する領域である。これにより、医療従事者は、本体の上部分の表示部の情報を確認しながら、シリンジポンプによる薬剤の送液作業を行うことができる。そして、医療従事者は、本体の上部分の表示部の情報を確認しながら、操作パネル部の操作ボタンを操作することができる。
なお、シリンジポンプ(不図示)での駆動モータの停止方法は、制御部の指令により、ステッピングモータのモータドライバから正転用の2相励磁のパルス状の入力電流波形を付与するのを停止させ、駆動モータのマグネットロータの正転を停止するように制御する。
上記実施形態の各構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせることができる。
1・・・輸液ポンプ、3・・・表示部、50・・・チューブ装着部、60・・・送液駆動部、61・・・駆動モータ(モータの例)、100・・・主制御部、113・・・バッテリ、132・・・ブザー、180・・・温度センサ、181・・・バッテリ監視部、200・・・輸液チューブ、400・・・副制御部

Claims (7)

  1. 薬剤を患者に送液するための医療用ポンプであって、
    主制御部と、
    前記主制御部と、前記薬剤を送液するためのモータと、各種の情報を表示するための表示部に電気的に接続されている副制御部と、
    電源供給するバッテリと、
    前記バッテリの温度を検出して前記主制御部に通知する温度センサとを有し、
    前記バッテリと前記温度センサは、前記副制御部を経由しないで前記主制御部と直接接続され、前記温度センサから得られる温度情報に基づいて、充電状態にある前記バッテリの温度が異常温度であるかを判断することを特徴とする医療用ポンプ。
  2. 前記異常温度は−20℃以下または70℃以上であり、前記主制御部が、前記異常温度を複数回連続して得ると、前記主制御部は、充電停止信号を出して充電用のスイッチをオフして、前記バッテリの充電を停止するが、前記モータの動作は停止させないように制御することを特徴とする請求項1に記載の医療用ポンプ。
  3. 前記異常温度は80℃以上であり、前記主制御部が、前記異常温度を複数回連続して得ると、前記主制御部は、充電停止信号を出して充電用のスイッチをオフして、前記バッテリの充電を停止し、かつ、前記モータの動作を停止させるように制御することを特徴とする請求項2に記載の医療用ポンプ。
  4. 前記主制御部と前記副制御部は、相互に動作異常を監視する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の医療用ポンプ。
  5. 前記副制御部が前記主制御部の動作異常を検出すると、前記副制御部は前記モータの動作を停止させ、前記主制御部が前記副制御部の動作異常を検出すると、前記主制御部は前記モータの動作を停止させるように制御することを特徴とする請求項4に記載の医療用ポンプ。
  6. 前記バッテリの充電電圧異常を監視するバッテリ監視部を有し、前記温度センサは、前記バッテリ監視部に配置され、前記バッテリ監視部も前記副制御部を経由しないで前記主制御部と直接接続されていることを特徴とする請求項4に記載の医療用ポンプ。
  7. 前記主制御部と前記副制御部は、CPUチップから成り、前記主制御部の前記CPUチップの性能が前記副制御部の前記CPUチップより低いことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の医療用ポンプ。
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