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JP5930250B2 - 回転電機 - Google Patents

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JP5930250B2
JP5930250B2 JP2015504050A JP2015504050A JP5930250B2 JP 5930250 B2 JP5930250 B2 JP 5930250B2 JP 2015504050 A JP2015504050 A JP 2015504050A JP 2015504050 A JP2015504050 A JP 2015504050A JP 5930250 B2 JP5930250 B2 JP 5930250B2
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Description

この発明は、ロータの回転とともに回転する冷却ファンにより発生する冷却風がケーシングに形成された排気孔から外部に排出される回転電機に関する。
従来、ケーシング側のシュラウドよりも複数の排気孔側に設けられる延長壁部の内面に突状の整流ガイドを周方向に複数配置し、冷却ファンからステータコイルを経て通風路内を流れる冷却風を整流した交流発電機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この交流発電機では、整流ガイドを設けることで、ケーシングの複数の排気孔付近、即ち延長壁部付近での冷却風の乱れにより発生する干渉が大幅に抑制され、風切音が大幅に低減される。
また、この交流発電機では、冷却風を効率良く、滑らかにステータコイルの表面と延長壁部の内面を通過する効果が得られるとともに、複数の整流ガイドが冷却フィンの作用を兼ねることにより、ケーシングの冷却効果が向上する。
特開平9-172752号公報
従来の車両用交流発電機においては、整流ガイドは、ケーシングの複数の排気孔よりも冷却ファンの吹出し側端部側近くに配設されているため、整流ガイドに流れ込む冷却風の速度はケーシングの複数の排気孔に流れ込む速度より大きく、速度の速い冷却風が整流ガ
イドに衝突した場合、衝突によって冷却風に生じる乱れがより大きくなり、その乱れの増加によって生じる干渉音がより大きくなるという問題点がある。
また、整流ガイドの存在により冷却風の流路幅が狭くなり、その後、整流ガイドと複数の排気孔との空間で流れが拡大し、さらにケーシングの複数の排気孔で再び縮流されることになる。このように流路幅を変更すると、流れに縮小損失や拡大損失が生じ、冷却ファンの風量が低下するため、ステータ等の十分な冷却性能を得られなくなるという問題点もある。
この発明は、かかる問題点を解決することを課題とするものであって、ケーシングの複数の排気孔の冷却風に対する抵抗を低減することにより、冷却ファンの風量を増加させ、ステータの冷却性能が向上した回転電機を得ることを目的とする。
この発明に係る回転電機は、
周側面に形成された複数の排気孔のそれぞれを画成するリブを有するケーシングと、
このケーシングの中心軸線に沿って延びて設けられたシャフトと、
このシャフトに固定されたロータと、
前記ケーシングに前記ロータを囲って設けられ、ステータコア及びステータコアに巻装されたステータコイルを有するステータと、
前記ロータの軸線方向の少なくとも一方の面に固定され回転により生じる冷却風により前記ステータを冷却する冷却ファンと、を備え、
前記リブは、少なくとも前記ステータコイルのエンド部から離れた部位に、前記中心軸線に対して垂直方向に沿って切断した断面形状が多辺形状であって、前記冷却ファン側に指向した頂部が冷却ファンの回転方向に対して反対方向に指向している突起部を有し
前記リブは、この突起部と、前記エンド部に接近した部位では内周面が前記頂部よりも径外側方向に後退した柱部とから構成されている
この発明に係る回転電機によれば、リブの突起部の冷却ファン側に指向した頂部は、冷却ファンの回転方向に対して反対方向に指向しているので、排気孔の冷却風に対する抵抗が低減され、冷却ファンの風量が増加し、ステータの冷却性能が向上する。
この発明の実施の形態1の車両用交流発電機を示す縦断面図である。 図1の整流器を軸線方向から視た断面図である。 図1のリヤ側の冷却ファンをシャフトの中心軸線に対して垂直方向に沿って切断したときの断面図である。 図1のリヤブラケットを内側から視た斜視図である。 図1のフロントブラケットを内側から視た斜視図である。 図1のリブの突起部をシャフトの中心軸線に対して垂直方向に沿って切断したときの断面図である。 図6の突起部の変形例を示す断面図である。 図6の突起部の別の変形例を示す断面図である。 この発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機のリブの突起部をシャフトの中心軸線に対して垂直方向に沿って切断したときの断面図である。 図9の突起部の変形例を示す断面図である。 図9の突起部の別の変形例を示す断面図である。 この発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機のリブの突起部をシャフトの中心軸線に対して垂直方向に沿って切断したときの断面図である。 図12の突起部の変形例を示す断面図である。 図12の突起部の別の変形例を示す断面図である。
以下、この発明の各実施の形態について図に基づいて説明するが、各図において同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1の車両用交流発電機1を示す縦断面図、図2は図1の整流器20を軸線方向から視た断面図、図3は図1のリヤ側冷却ファン30をシャフト6の中心軸線に対して垂直方向に沿って切断したときの断面図、図4は図1のリヤブラケット3を内側から視た斜視図、図5は図1のフロントブラケット2を内側から視た斜視図である。
図1において、回転電機である車両用交流発電機1は、それぞれ略椀形状のアルミニウム製のフロントブラケット2とリヤブラケット3とからなるケーシンク4と、このケーシング4に軸受5を介して回転可能に支持されたシャフト6と、ケーシング4のフロント側に延出するシャフト6の端部に固着されたプーリ7と、シャフト6に固定されてケーシング4内に配設されたロータ8と、ロータ8を囲繞するようにケーシング4に固定されたステータ11と、を備えている。
また、車両用交流発電機1は、リヤブラケット3からの延出端に固定され、ロータ8に電流を供給する一対のスリップリング14と、各スリップリング14の表面に摺動する一対のブラシ15と、リヤブラケット3の軸線方向外側に配設され、これらのブラシ15を収容するブラシホルダ16と、ステータ11に電気的に接続され、リヤブラケット3の軸線方向外側に配設され、ステータ11で生じた交流を直流に整流する整流器20と、リヤブラケット3の軸線方向外側に配設され、ステータ11で生じた交流電圧の大きさを調整する電圧調整器(図示せず)と、リヤブラケット3に装着され、ブラシホルダ16、整流器20及び電圧調整器を覆ったカバー17と、を備えている。
上記フロントブラケット2は、内周部に複数のフロント側吸気孔2aが形成されており、周側面に複数のフロント側排気孔2bが形成されている。各フロント側排気孔2bは、所定の間隔で複数配置された各リブ41によって画成されている。
上記リヤブラケット3は、内周部に複数のリヤ側吸気孔3aが形成されており、外周部に複数のリヤ側排気孔3bが形成されている。リヤ側排気孔3bは、所定の間隔で複数配置されたリヤ側の各リヤ側リブ42によって画成されている。
さらに、上記カバー17は、整流器20や電圧調整器(図示せず)に対向した部位に複数の吸気孔18が形成されている。
上記ロータ8は、励磁電流が流されて磁束を発生する界磁コイル9と、界磁コイル9を覆うようにしてシャフト6に固定され、その磁束によって例えば12個の磁極が形成されるポールコア10と、を備えている。このポールコア10の軸線方向の両側面には、冷却ファン29,30が溶接等により固着されている。
上記ステータ11は、ポールコア10を囲繞するように配設されたステータコア12と、ステータコア12に巻装されたステータコイル13と、を備えている。ステータコア12は、フロントブラケット2及びリヤブラケット3に軸線方向両側から挟持されている。 このステータコア12は、例えば磁性鋼板を積層して円環状に作製され、36個のスロットが内周側に開口するように等角ピッチで配列されて形成されているとともに、ロータ8のポールコア10の外周面との間で均一なギャップが確保されている。
上記整流器20は、図2に示されるように、第1ヒートシンク23と、この第1ヒートシンク23の外周面に設けられた正極側ダイオード21と、第1ヒートシンク23の外径側に第1ヒートシンク23と同心に配置された第2ヒートシンク26と、この第2ヒートシンク23の内周面に設けられた負極側ダイオード22と、を備えている。
第1ヒートシンク23は、例えばアルミなどの良好な熱伝導性を有する金属材料を用いて作製され、所定の軸線方向長さ及び所定の肉厚を有し、軸線方向と直交する断面が円弧状の筒体に形成された第1ヒートシンクベース24と、第1ヒートシンクベース24の内周面から、周方向に等角ピッチで放射状に立設され、それぞれ軸線方向に延在する複数の第1放熱フィン25と、を有する。第1ヒートシンクベース24の外周面には、正極側ダイオード21が、周方向に所定の間隔をおいて例えば半田接合により固着されている。
第2ヒートシンク26は、例えばアルミなどの良好な熱伝導性を有する金属材料を用いて作製され、所定の軸線方向長さ及び所定の肉厚を有し、軸線方向と直交する断面が円弧状の筒体に形成された第2ヒートシンクベース27と、この第2ヒートシンクベース27の外周面から、周方向に等角ピッチで放射状に立設され、それぞれ軸線方向に延在する複数の第2放熱フィン28と、を有する。第2ヒートシンクベース27の内周面には、負極側ダイオード22が、周方向に所定の間隔をおいて例えば半田接合により固着されている。
上記第1ヒートシンク23は、第1ヒートシンクベース24がブラシホルダ16とともにスリップリング14を囲繞し、かつシャフト6と同心にリヤブラケット3の軸線方向外側に配設されている。
また、上記第2ヒートシンク26は、第1ヒートシンク23の径方向外側であって、かつシャフト6と同心にリヤブラケット3の軸線方向外側に配設されている。
なお、正極側及び負極側ダイオード21,22は、正極側ダイオード21と負極側ダイオード22とを直列に接続してなる3つのダイオード対によるダイオードブリッジを構成するように接続されている。
上記冷却ファン29、30は、遠心ファンであり、図3に示されるように、ポールコア10の軸線方向両端面に固着されるリング平板状の取り付け基盤31と、取り付け基盤31の周縁部からポールコア10と反対側に直角に起立した複数のファンブレード32と、周方向に沿って配列された各ファンブレード32の軸線方向の端面に取り付けられた平板リング状のファンプレート33と、を備える。
ファンブレード32は、図3に示すように、円弧形状が途中で反転したS字状の断面形状に形成されている。また、ファンブレード32は、軸線方向の高さhが図1に示すように、径外側方向に沿って徐々に高くなっている。
次に、車両用交流発電機1の動作について説明する。なお、車両用交流発電機1では、12極、36スロットの3相交流発電機として動作するが、極数、スロット数はこれに限定されない。
車両用交流発電機1では、電流がバッテリ(図示せず)からブラシ15及びスリップリング14を介してロータ8の界磁コイル9に供給され、磁束が発生される。この磁束により、N極とS極とがポールコア10の外周面に周方向に交互に形成される。一方、エンジンの回転トルクがエンジンの出力軸からベルト及びプーリ7を介してシャフト6に伝達され、ロータ8が回転される。そこで、回転磁界がステータ11のステータコイル13に与えられ、起電力がステータコイル13に発生する。この起電力で発生する交流電流が整流器20で整流されて、バッテリを充電し、あるいは電気負荷に供給される。
冷却ファン29、30は、ロータ8の回転に連動して回転する。
フロント側では、冷却空気がフロント側吸気孔2aからフロントブラケット2内に吸気され、軸線方向に沿ってロータ8近傍まで流れ、そこでフロント側冷却ファン29により遠心方向に曲げられ、フロント側排気孔2bから排出される。
リヤ側では、冷却空気が吸気孔18からカバー17内に吸気され、第1及び第2放熱フィン25,28間を通ってリヤブラケット3まで流れ、リヤ側吸気孔3aからリヤブラケット3内に吸気され、軸線方向にロータ8近傍まで流れ、そこで、冷却ファン30により遠心方向に曲げられ、リヤ側排気孔3bから排出される。
ステータ11で発生する熱の一部は、エンド部13aから、冷却ファン29,30により径方向外方に曲げられてフロント側及びリヤ側の各排気孔2b,3bから排出される冷却空気に放熱される。
また、一部の熱は、フロントブラケット2及びリヤブラケット3に伝導し、複数のフロント側リブ41、リヤ側リブ42から冷却空気に放熱され、ステータ11が冷却される。
また、正極側及び負極側ダイオード21,22で発生する熱は、第1及び第2放熱フィン25,28間を流通する冷却空気に放熱されることで、整流器20は冷却される。
次に、リヤブラケット3の周側面に所定の間隔で配設されたリヤ側リブ42について詳述する。
リヤ側リブ42は、ステータコイル13のエンド部13aから離れた部位に形成された突起部43と、エンド部13aに接近した部位に形成された柱部44とから構成されている。
図6は、リヤ側リブ42の突起部43をシャフト6の中心軸線に対して垂直方向に切断したときの断面形状を示している。
突起部43は、断面形状が不等辺三角形状であり、突起部43の各頂部のうち内径側の頂部43aは、冷却ファン30側であって冷却ファン30の回転方向Aに対して反対方向に指向している。他の頂部の各点を結んだ線がリヤブラケット3の外周に相当する。また、突起部43の側面により形成される、リヤ側排気孔3bの周方向の両壁面は、互いに平行に対向している。
また、柱部44では、断面が矩形状であって柱部44の内周面は、頂部43aよりも径方向の外側に後退している。柱部44の外周面は、突起部43の外周面と同一面である。
この実施の形態では、冷却ファン30によって冷却ファン30の外周端34から流出する冷却空気の速度は、回転によって、半径方向Bの速度成分より回転方向Aの速度成分が大きい状態である。
そのため、冷却空気は、冷却ファン30の外周端34から回転方向Aに回転しながらリヤ側排気孔3bに向かい、リヤ側排気孔3bを通じて外部に排出される。
従来のリヤブラケットの場合、排気孔を画成するリブは、軸線方向の全領域において断面が矩形状の柱状であり、冷却ファンによって冷却ファンの外周端から流出する冷却空気は、排気孔から周囲に放出される際、柱状のリブに衝突し、急激にかつ強制的に径方向に流れ方向が変えられている。
このような急激、かつ強制的な冷却空気の流れ方向の変化は、大きな圧力損失を生じさせることになり、その結果冷却ファンによる冷却空気の流量を低減させてしまい、ダイオード等の冷却が必要な部品が十分に冷却されない。
これに対して、この実施の形態による車両用交流発電機1では、リヤ側リブ42の突起部43の頂部43aは、冷却ファン30の回転方向Aに対して反対方向に指向しているため、冷却ファン30によって冷却ファン30の外周端34から流出する冷却空気は、突起部43により案内されてリヤブラケット3の外部に円滑に排出される。
このように、突起部43によりリヤ側排気孔3bの両壁面は、冷却空気の流れに対しほぼ平行になっており、冷却空気は、円滑に流れるためにリヤ側リブ42に対する衝突による圧力損失が緩和でき、冷却ファン30による冷却空気の流量を増加させ、ダイオード21やダイオード22等の冷却に必要な部品の冷却性能が向上する。
また、ステータ11からリヤブラケット3に伝導した熱は、リブ42を通じて冷却空気に放熱するが、リヤ側リブ42の突起部43は、頂部43aが柱部44から径方向の内側に突出しているのでリヤ側排気孔3bの両壁面の面積が大きくなり、それだけ放熱面積が増大するので、リヤブラケット3自身による冷却性能も向上する。
さらに、従来の柱状のリブでは、排気孔の両壁面のうち冷却空気が直接衝突する壁面では、冷却空気は、壁面の内径側隅部で剥離し、速度も低減されるので、この壁面での放熱効果も低減される。
これに対して、この実施の形態のリヤ側リブ42においては、リヤ側排気孔3bのうち突起部43では、冷却空気は頂部43aにより滑らかに分岐され、突起部43の側面に沿って円滑に流れるので、リヤ側排気孔3bの両壁面での放熱性能が向上する。
また、ステータコイル13のエンド部13aとリヤブラケット3との間には、電位差があり、エンド部13aとリヤブラケット3とが近づきすぎると短絡電流が生じ、故障する可能性がある。
これに対して、この実施の形態では、リブ42は、エンド部13a側の部位の柱部44では、断面が矩形状であって柱部44の内周面は、頂部43aよりも径方向の外側に後退しているので、エンド部13aと柱部44との距離は、エンド部13aと突起部43との距離と比較して大きく、リヤブラケット3とエンド部13aとの間で短絡電流が生じにくい。
なお、上記リヤ側リブ42の突起部43は、排気孔3bに面した側面が直線状であったが、図7、図8に示すように、突起部43A,43Bの両側面が円弧状であって、頂部43Aa,43Baが冷却ファン30の回転方向に対して反対方向に指向している場合でも、リヤ側リブ42と同様の効果を得ることができる。
また、突起部43、43A、43Bは、それぞれ各頂部の先端が尖っているが、この先端を製造の都合上面取りしても同様の効果を得ることができる。
なお、フロント側リブ41についても、図5に示すように突起部45を有している。
この突起部45は、突起部43と同様に断面形状が不等辺三角形状であり、突起部45の各頂部のうち内径側の頂部45aは、フロント側冷却ファン29の回転方向に対して反対方向に指向しており、リヤ側リブ42と同様の効果を有している。
なお、このフロント側冷却ファン29がリヤ側冷却ファン30と形状が異なる場合には、突起部45の頂部45aの指向方向も異なる。
この指向方向は、フロント側冷却ファン29による冷却空気の径方向の流れ方向に沿う方向であり、フロント側排気孔2bで冷却空気の圧力損失は低減されている。
実施の形態2.
図9はこの発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機1のリヤ側リブ42Aの突起部46をシャフト6の中心軸線に対して垂直方向に沿って切断したときの断面図である。
実施の形態1のリヤ側42の突起部43、43A、43Bは、断面がそれぞれ三辺形状であったが、この実施の形態のリヤ側リブ42Aの突起部46は、台形形状である。
この突起部46は、各頂部のうち内径側の頂部46aは、冷却ファン30の回転方向Aに対して反対方向に指向している。他の頂部の各点を結んだ線がリヤブラケット3の外周に相当する。また、突起部46の側面により形成される、リヤ側排気孔3bの周方向の両壁面は、互いに対向している。
また、柱部では、断面が矩形状であって柱部の内周面は、頂部46aよりも径方向の外側に後退している。柱部の外周面は、突起部46の外周面と同一面である。
この実施の形態では、突起部46の各頂部のうち内径側の頂部46aは、冷却ファン30の回転方向Aに対して反対方向に指向している。
他の構成は、実施の形態1のものと同一である。
この実施の形態の車両用交流発電機1によれば、台形形状の突起部46の頂部46aは、冷却ファン30の回転方向Aに対して反対方向に指向しており、突起部46によりリヤ側排気孔3bの両壁面は、冷却空気の流れに対し平行に近くなっており、実施の形態1のものと同様の効果を得ることができる。
また、実施の形態1のリヤ側リブ42の突起部43の断面形状は、三辺形状であるのに対して、この実施の形態の突起部46は台形形状であり、突起部46の外周側の辺の周方向の長さが突起部43のものと同じとした場合、突起部43と比較して突起部46の断面積が大きくなり、それだけリヤ側リブ42Aの物理的強度が実施の形態1のリヤ側リブ42と比較して大きい。
なお、リヤ側リブ42Aの突起部46は、リヤ側排気孔3bに面した側面が直線状であったが、図10、図11に示すように、突起部46A,46Bの両側面が円弧状であって、頂部46a,46Baが冷却ファン30の回転方向に対して反対方向に指向している場合でも、実施の形態1のリヤ側リブ42と同様の効果を得ることができる。
また、突起部46,46A,46Bは、それぞれ各頂部の先端が尖っているが、この先端を製造の都合上面取りしても同様の効果を得ることができる。
なお、フロント側のリブについても、図示していないが、突起部を有している。
この突起部は、突起部46と同様に、断面形状が台形形状であり、突起部の各頂部のうち内径側の頂部は、フロント側冷却ファン29の回転方向に対して反対方向に指向しており、リヤ側のリブ42Aと同様の効果を有している。
当然、フロント側冷却ファン29がリヤ側冷却ファン30と形状が異なる場合には、突起部の頂部の指向方向も異なる。
その指向方向は、フロント側冷却ファン29による冷却空気の径方向の流れ方向に沿う方向であり、フロント側排気孔2bで冷却空気の圧力損失は低減されている。
実施の形態3.
図12はこの発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機1のリヤ側リブ42Bの突起部47をシャフト6の中心軸線に対して垂直方向に沿って切断したときの断面図である。
実施の形態1のリヤ側リブ42の突起部43、43A、43Bは、断面がそれぞれ三辺形状であったが、この実施の形態のリヤ側リブ42Bの突起部47は、五辺形状である。
この実施の形態では、突起部47の各頂部のうち内径側の頂部47aは、冷却ファン30側であって冷却ファン30の回転方向Aに対して反対方向に指向している。他の最外周側の頂部の各点を結んだ線により、リヤブラケット3の外周を形成する。
他の構成は、実施の形態1のものと同一である。
この実施の形態の車両用交流発電機1によれば、五辺形状の突起部47の頂部47aは、冷却ファン30の回転方向Aに対して反対方向に指向しており、突起部47によりリヤ側排気孔3bの両壁面は、冷却空気の流れに対しほぼ平行になっており、実施の形態1のものと同様の効果を得ることができる。
また、実施の形態1のリヤ側リブ42の突起部47の断面形状は、三辺形状であるのに対して、この実施の形態の突起部47は五辺形状であり、突起部47の外周側の辺の周方向の長さが突起部43のものと同じとした場合、突起部43と比較して突起部47の断面積が大きくなり、それだけリヤ側リブ42Bの物理的強度が実施の形態1のリヤ側リブ42と比較して大きい。
なお、上記リヤ側リブ42Bの突起部47は、リヤ側排気孔3bに面した側面が直線状であったが、図13、図14に示すように、リヤ側排気孔3bに面した側面が円弧状の突起部47A、47Bであっても、リブ42Bと同様の効果を得ることができる。
また、突起部47、47A、47Bは、それぞれ各頂部の先端が尖っているが、この先端を製造の都合上面取りしても同様の効果を得ることができる。
なお、フロント側のリブについても、図示していないが、突起部を有している。
この突起部は、突起部47と同様に、断面形状が五辺形形状であり、突起部の各頂部のうち内径側の頂部は、フロント側冷却ファン29の回転方向に対して反対方向に指向しており、リヤ側のリブ42Bと同様の効果を有している。
当然、フロント側冷却ファン29がリヤ側冷却ファン30と形状が異なる場合には、突起部の頂部の指向方向も異なる。
その指向方向は、リヤ側冷却ファン30による冷却空気の径方向の流れ方向に沿う方向であり、フロント側排気孔2bで冷却空気の圧力損失は低減されている。
なお、上記各実施の形態では、回転電機として車両用交流発電機1について説明したが、この発明は、車両用に限定されず、また電動機にも適用される。
また、突起部の断面形状は、三辺形状、台形形状、五辺形状以外の多辺形状であってもよい。
また、リブとエンド部との間で短絡電流が生じない距離だけ離れている場合に、リブの全長にわたって突起部を形成するようにしてもよい。
また、ロータの片側の側面のみに冷却ファンが設けられた回転電機にも、この発明は適用することができる。
また、この発明は、ファンプレート33を有しない冷却ファンにも適用できる。
1 車両用交流発電機、2 フロントブラケット、2a フロント側吸気孔、2b リヤ側排気孔、3 リヤブラケット、3a リヤ側吸気孔、3b リヤ側排気孔、4 ケーシング、5 軸受、6 シャフト、8 ロータ、9 界磁コイル、10 ポールコア、11 スタータ、12 ステータコア、13 ステータコイル、13a エンド部、14 スリップリング、15 ブラシ、17 カバー、18 20 整流器、21 正極側ダイオード、22 負極側ダイオード、23 第1ヒートシンク、24 ヒートシンクベース、25 第1放熱フィン、26 第2ヒートシンク、27 第2ヒートシンクベース、28 第2放熱フィン、29 フロント側冷却ファン、30 リヤ側冷却ファン、31 取り付け基盤、32 ファンブレード、33 ファンプレート、34 外周端、41 フロント側リブ、42,42A,42B リヤ側リブ、43,43A,43B,46,46A,46B,47,47A,47B, リヤ側の突起部、43a,43Aa,43Ba,46a,46Aa,46Ba,47a,47Aa,47Ba 頂部、44 柱部、45 フロント側の突起部、45a フロント側の頂部、A 回転方向、B 径方向。

Claims (6)

  1. 周側面に形成された複数の排気孔のそれぞれを画成するリブを有するケーシングと、
    このケーシングの中心軸線に沿って延びて設けられたシャフトと、
    このシャフトに固定されたロータと、
    前記ケーシングに前記ロータを囲って設けられ、ステータコア及びステータコアに巻装されたステータコイルを有するステータと、
    前記ロータの軸線方向の少なくとも一方の面に固定され回転により生じる冷却風により前記ステータを冷却する冷却ファンと、を備え、
    前記リブは、少なくとも前記ステータコイルのエンド部から離れた部位に、前記中心軸線に対して垂直方向に沿って切断した断面形状が多辺形状であって、前記冷却ファン側に指向した頂部が冷却ファンの回転方向に対して反対方向に指向している突起部を有し
    前記リブは、この突起部と、前記エンド部に接近した部位では内周面が前記頂部よりも径外側方向に後退した柱部とから構成されている回転電機。
  2. 前記突起部の側面により形成される、前記排気孔の両壁面は、互いに平行に対向している請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記多辺形状は、三辺形状である請求項1に記載の回転電機。
  4. 前記多辺形状は、台形形状である請求項1に記載の回転電機。
  5. 前記多辺形状は、五辺形状である請求項1に記載の回転電機。
  6. 前記回転電機は、前記ロータの回転に伴って前記ステータコイルから交流電圧が出力される交流発電機である請求項1〜の何れか1項に記載の回転電機。
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