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JP5919786B2 - 乾式クリーニング筐体及び乾式クリーニング装置 - Google Patents

乾式クリーニング筐体及び乾式クリーニング装置 Download PDF

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Description

本発明は、飛翔する洗浄媒体を洗浄対象物(以下、「被洗浄物」ともいう)に接触(衝突の概念を含む)させて洗浄する乾式クリーニング装置に関し、詳しくは、洗浄対象物の任意の部位に当てて洗浄することが可能で特にハンディタイプとして好適な乾式クリーニング装置及び該乾式クリーニング装置に用いられる乾式クリーニング筐体に関する。
本発明は、例えば、フローはんだ槽工程で用いられる、ディップパレットもしくはキャリアパレットと呼称されるマスク治具に付着したフラックスを除去するのに用いられ、特に洗浄対象物の側面や開口部の周辺など、狭い領域に固着したフラックスを除去することに適している。
近年、プリント基板製造におけるフローはんだ槽によるはんだ付け工程において、はんだ付け処理する領域以外をマスクする治具が多く用いられている。このようなマスク治具(ディップパレット、キャリアパレットと呼ばれる)は、繰り返し使用されるうちに、表面にフラックスが堆積して固着しマスクの精度を下げるために、定期的に洗浄する必要があった。
一般的には、このような洗浄は溶剤に浸漬して行うため、大量の溶剤を消費しており、コストアップを避けられず、作業者への負荷も極めて大きい。
浸漬せずに装置内で溶剤を洗浄対象物に噴射する方式も知られているが、溶剤を大量に使用するという点に変わりはない。
この問題を解消する技術として、飛翔する洗浄媒体を洗浄対象物に接触させて洗浄する乾式の洗浄装置が知られている。
特許文献1、2には、円筒形の容器の側面に開口部を設け、容器内で圧縮気流の旋回空気流により円周方向に洗浄媒体を飛翔させ、開口部に接した洗浄対象物に洗浄媒体を衝突させる洗浄方法が開示されている。
しかしながらこの方式では、圧縮気流で旋回空気流を形成しているため、開口部から洗浄対象物が離された際に、洗浄媒体が容器外部に漏出するという問題を避けられない。
この問題を解消すべく、特許文献1では開口部に網部材を設けて漏出を防いでいるが、洗浄媒体が洗浄対象物に衝突する際のエネルギーが低下したり、網部材に洗浄媒体が挟まって洗浄能力が低下するなどの新たな問題を抱えている。
特許文献2では、開口部を塞ぐ開閉蓋を設けて漏出を防ぐようにしているが、開口部から洗浄対象物が離された際に開閉蓋を素早く移動させて塞ぐ必要があり、作業者に余計な注意力や労力を強いるとともに、機構的に複雑で操作が難しく、故障しやすいという問題があった。
このような状況に鑑み、本出願人は、筐体に吸気手段を接続し、開口部が洗浄対象物で塞がれた状態で通気路(インレット)を介して筐体外部から内部へ流入する気流により発生する旋回空気流によって薄片状の洗浄媒体を飛翔させるとともに、筐体内に気体や粉塵の通過を許容し且つ洗浄媒体の通過を不可とする、例えば網目状の多孔手段を設けて旋回空気流形成領域で洗浄媒体が留まるようにし、旋回空気流によって洗浄媒体の循環飛翔が継続する乾式クリーニング装置を提案した(特願2010−175687号;以下、「先願技術」という)。
この乾式クリーニング装置によれば、開口部から洗浄対象物が離されても、通気路が大気圧と同レベルとなって旋回空気流が消失するとともに、吸気による負圧で開口部から外気が筐体内に多く流入するため、筐体内の洗浄媒体は多孔手段に吸着された状態となって筐体内に留まり、開口部からは漏れない。
旋回空気流を内部に発生させるクリーニング筐体において、上記のように、開口部と洗浄対象物とが離間しても、開口部から流入する空気量が多いため、洗浄媒体は多孔手段に吸着されて筐体内部に留まる。
しかしながら、実際の洗浄工程においては、開口部から洗浄対象物を離すリリース時や非洗浄時に洗浄媒体が開口部やインレットから漏れ出す場合がある。
これはリリース時や非洗浄時に、開口部から外気が筐体内に多く流入しても、筐体内に旋回空気流や逆旋回空気流が発生してしまい、洗浄媒体が多孔手段に吸着される力よりも飛翔する力が上回るためである。
この漏れ現象は、洗浄媒体の形状にも左右されやすく、大面積よりも粒形状に近い小さな洗浄媒体に顕著に現れる。
本発明は、このような現状に鑑みてなされたもので、リリース時や非洗浄時における洗浄媒体の漏出を、洗浄媒体の形状に拘らず高精度に防止できる乾式クリーニング筐体の提供を、その主な目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、洗浄媒体を気流により飛翔させ、前記洗浄媒体を洗浄対象物に当てて洗浄対象物の洗浄を行う乾式クリーニング筐体において、前記洗浄媒体を飛翔させる内部空間と、前記洗浄対象物に当接して前記洗浄媒体を前記洗浄対象物に衝突させる開口部と、外部からの空気を前記内部空間へ通す通気路と、前記通気路を介して前記内部空間に導入された空気を吸引することにより前記内部空間に旋回気流を生じさせる吸気口と、前記洗浄対象物から除去された除去物を前記吸気口側へ通過させる多孔手段と、前記旋回気流が旋回する旋回流路の断面積を変化させ、前記旋回気流を任意に低減ないし停止させる旋回気流調整手段と、を有していることを特徴とする。
本明細書における用語の定義は以下の通りである。
本発明における「筐体」とは、内側に旋回空気流を発生させやすい形状の空間を備えた容器状の構造物を示す。旋回空気流を発生させやすい形状とは、気流が筐体の内壁を沿って流れて循環する、連続した内壁を持つ形状であり、より望ましくは回転体形状の内壁または内部空間を備える形状である。
「通気路」とは、気流を一定の方向に流れやすくする手段のことであり、滑らかな内面を備える管形状であることが一般的である。しかしながら、たとえば滑らかな面を持つ、板状の流路制御板などを用いても、気体を面に沿った方向に流れやすくする、整流効果が発現するため、このような形態も含めて通気路とする。
また、気流が直線的に流れる形状が一般的であるが、流路抵抗をあまり生じない緩やかなカーブを備えていても整流効果を得ることができる。ただし、特に記載されない場合、通気路の方向とは空気流入口において噴出する気流の方向のことを意味する。
管形状を備え、一方の端部が筐体内壁の空気流入口に接続し、もう一方の端部が筐体外の大気に開放されている空気取り入れ口である通気路を、本発明では「インレット」と呼称する。インレットは一般的に流体抵抗が低く、滑らかな内面を持ち、管の断面は円形、長方形、スリット形状などが用いられる。
本発明において、「旋回気流」とは、空気流入口からの流入気流により加速された気流が、筐体の内壁に沿って方向を変えつつ流れ、空気流入口の位置に、循環して戻り、流入気流と合流する気流である。気流を形成する流体が空気の場合には「旋回空気流」と同義である。一般的には、内壁が連続している閉空間内で、内壁の接線方向に向けて気流を流入させることにより発生する。
本発明によれば、洗浄対象物と筐体とを離間させるリリース時や非洗浄時における筐体内から外部への洗浄媒体の漏れを確実に防止できる。
本発明の第1の実施形態に係る乾式クリーニング筐体の概要縦断面図で、(a)は洗浄時の状態を示す図、(b)は旋回空気流を停止させた状態を示す図である。 同乾式クリーニング筐体の透視的側面図である。 同乾式クリーニング筐体の透視的斜視図である。 同乾式クリーニング筐体の分解斜視図である。 第2の実施形態に係る乾式クリーニング筐体の概要縦断面図で、(a)は洗浄時の状態を示す図、(b)はリリース時の状態を示す図である。 フラップの回動を容易化するための構成を示す図である。 第3の実施形態に係る乾式クリーニング筐体の概要縦断面図である。 第4の実施形態に係る乾式クリーニング筐体の概要縦断面図で、(a)は洗浄時の状態を示す図、(b)はリリース時の状態を示す図である。 第5の実施形態に係る乾式クリーニング筐体の概要縦断面図で、(a)は洗浄時の状態を示す図、(b)はリリース時の状態を示す図である。 本発明の乾式クリーニング装置の基本となる構成を示す概要断面図である。 同装置の洗浄動作を示す図である。 同乾式クリーニング装置の使用状態を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図を参照して説明する。
まず、図10乃至図12に基づいて、本発明の基礎となった上記先願技術に係るハンディタイプの乾式クリーニング装置の基本構成及び機能について説明する。
図10に基づいて、該ハンディタイプの乾式クリーニング装置2の構成の概要を説明する。図10(a)はA−A線での横断面図、(b)はB−B線での縦断面図である。
乾式クリーニング装置2は、内部に洗浄媒体5の飛翔空間を有する乾式クリーニング筐体(以下、単に「筐体」という)4と、筐体4内を負圧化する吸気手段6とを備えている。
筐体4は、筐体本体部としての円筒形状の上部筐体4Aと、逆円錐形状の下部筐体4Bとから一体として構成されている。ここでの上部、下部は図面上の便宜的呼称であって、実機上の上下とは必ずしも関係はない。
下部筐体4Bは、その円錐頂部に吸気口8を一体に備えており、吸引ダクトとして機能する。
吸気手段6は、吸気口8に一端を接続されたフレキシブルな吸引ホース10と、該吸引ホース10の他端に接続された吸引装置12とを有している。吸引装置12としては、家庭用掃除機、真空モータや真空ポンプ、あるいは流体の圧送により間接的に低圧化ないし負圧化を生じさせる装置などを適宜用いることができる。なお、部材の上面、底面等の上下の位置関係は図面上の基準にすぎない。
上部筐体4Aの底面部は、下部筐体4Bの上端部を結合する嵌合凹部4A−1となっており、上部筐体4Aと下部筐体4Bは分離可能となっている。上部筐体4Aの上面4A−2は密閉されている。
上部筐体4Aの底面部における下部筐体4Bとの境界部分には、多孔手段としての多孔性の分離板14が設けられている。分離板14は、パンチングメタルのような穴が空いた板状の部材である。分離板14は、吸引されたときの洗浄媒体5の下部筐体4B側への移動を阻止するものである。図10(a)では分離板14の表示を一部省略している。なお、洗浄媒体5は分かり易くするためにその大きさを誇張表示している。
多孔手段としては、洗浄媒体5を通さずに空気及び粉塵(洗浄対象物から除去された除去物)を通過させる大きさの細孔を多く備える多孔形状であればよく、スリット板や網などを用いてもよく、材質も滑らかな面を備えていれば、樹脂や金属などを自由に選択して良い。
多孔手段は旋回空気流の旋回軸と直交する面として配置されている。これにより、多孔手段に沿う方向に気流が流れることにより、洗浄媒体5の滞留を防ぐ効果がある。
旋回空気流の減衰を抑えるために、筐体内面は段差、凹凸がなく平滑であることが望ましい。
多孔手段は、旋回空気流に沿った面に配置されることにより、表面に吸着した洗浄媒体を再飛翔させることができる。
筐体4の材質は特に限定されないが、異物の付着や洗浄媒体との摩擦による消耗を防ぐために、例えばアルミ二ウムやステンレスなどの金属製が好適であるが、樹脂製のものを用いることもできる。
上部筐体4Aの内部中心には、上部筐体4Aの円筒軸を共通の軸とするように、円筒状の流路制限部材16が筐体の一部として設けられ、流路制限部材16の下端は分離板14に固定されている。
流路制限部材16は旋回空気流の流路断面積を絞って流速を向上させる目的で設けられている。流路制限部材16により上部筐体4A内には滑らかな壁面を有するリング状の旋回空気流移動空間(洗浄媒体の飛翔空間)が形成されている。
上部筐体4Aの形状によっては、流路制限部材16の中心軸と上部筐体4Aの中心軸を必ずしも共通にする必要はなく、リング状の空間が確保できていれば偏芯していても良い。
上部筐体4Aの側面の一部には、旋回空気流で飛翔する洗浄媒体5を洗浄対象物に接触ないし衝突させるための開口部18が形成されている。
上部筐体4Aは直径に対して高さが極めて小さい円筒形状であり、その高さを形成する側面の一部に開口部18を設けることにより、筐体4全体としては、図10(b)に示すように、開口部18以外の外周部分が洗浄対象物20から大きく逃げる(離れる)レイアウトとなり、洗浄対象物20に対する局所的当接、換言すればピンポイントクリーニングの自由度が高められている。
開口部18は、上部筐体4Aの側面を円筒軸に平行な平断面により切断した形状であり、円筒軸と直交する方向から見て矩形形状をなしている。
上部筐体4Aの側面には空気流入口22が形成されており、空気流入口22には、旋回空気流発生手段で且つ通気路としてのインレット24が上部筐体4Aの外方から接続されて上部筐体4Aに一体に固定されている。
インレット24は分離板14に略平行に設定されており、その通気方向は、上部筐体4Aの半径方向に対して傾き、その通気路中心の延長線が開口部18に達するように位置している。
インレット24は、上部筐体4Aの高さ方向に延びる幅を有している。インレット24は上部筐体4Aの高さよりも径又は幅が小さいものを1つ配置してもよく、単体のインレットを高さ方向に複数配置する構成としてもよい。
図10に示すように、開口部18が洗浄対象物20に当接して塞がれると、筐体4内が閉空間としてなり、インレット24から外気が高速で流入し、この高速気流は洗浄媒体5を開口部18へ向けて加速させるとともに旋回気流としての旋回空気流30を生成する。
閉空間が形成された時に生じる旋回空気流は、分離板14上に吸着した洗浄媒体を吹き払い、再飛翔させる効果を有する。
開口部18は、開放されたときに、空気流入口22における内圧を、大気圧もしくはその近傍にするために十分な大きさの面積を備える。また、空気流入口22も、開口部18の開放時に大気圧もしくはその近傍になりやすい位置に配置される。
このような構成を備えることにより、乾式クリーニング装置2を洗浄対象物に当てていない間は、空気流入口22が大気圧に近づくことによって、外部との差圧が低下し、その結果流入する気流が劇的に低減する。一方、開口部18から流入する気流は多くなるため、洗浄媒体5が筐体4内から漏れ出ることを防ぐことができる。
また、開口部18が開放されている状態では、閉塞されている場合に比べて流入する気流の総量が2〜3倍になるため、とくに薄片状の洗浄媒体では多孔手段上に吸着されるため、再飛翔せず筐体の外に漏れることがない。これを開口部開放時における洗浄媒体吸着効果という。
洗浄媒体5は、薄片状の洗浄片の集合であるが、ここでは薄片状の洗浄片単体としての意味でも用いている。
薄片状の洗浄媒体とは面積が1mm以上200mm以下の薄片である。また、洗浄媒体の材質はポリカーボネイト、ポリエチレンテレフタラート、アクリル、セルロース樹脂などの耐久性のある素材からなるフィルムであり、厚みは0.02mm以上1.0mm以下である。
但し、洗浄対象物によっては洗浄媒体の厚みやサイズや材質を変えることが効果的な場合もあり、これらの洗浄媒体を使用する場合も本発明の範囲に含まれるため、前記洗浄媒体条件にはとらわれないものとする。
洗浄媒体の材質に関しては、樹脂だけにとどまらず、紙、布などの薄片や、あるいは、雲母などの鉱物、セラミックやガラス、金属箔であっても、薄く軽量で飛翔しやすい形状にすることで使用することができる。
上部筐体4Aのリング状の内部空間26は、旋回空気流によって洗浄媒体5を飛翔させて開口部18に対向する洗浄対象物20に接触させる機能を担う空間である。
流路制限部材16の内部空間34は、旋回空気流が作用しない空間である。
以上のように構成される乾式クリーニング装置2による洗浄動作(以下、クリーニング動作という)を、図11を参照して説明する。なお、図11では、部材の厚み等を省略し、分かり易くするために静空間としての内部空間34をハッチングで表示している。
図11(b)は、開口部18を洗浄対象物20から離して開口部18を開放し吸気を行っている状態を、図11(a)は、開口部18を洗浄対象物20に当てて閉塞した状態を示している。
クリーニング動作に先立って、洗浄媒体5を筐体4内に供給する。筐体4内に供給された洗浄媒体5は、図11(b)下図に示すように、分離板14に吸い付けられて筐体4内に保持される。
筐体4内は吸気により負圧状態となっているので、筐体外部の空気がインレット24を通して筐体4内に流入するが、このときのインレット24内の流れは流速・流量ともに小さいので、筐体4内に発生する旋回空気流30は洗浄媒体5を飛翔させる強さには至らない。
筐体4内に洗浄媒体5が供給・保持されたら、図11(a)に示すように、開口部18を洗浄対象物20の表面のクリーニングすべき部位に当てて閉塞状態にする。
開口部18が塞がれると、開口部18からの吸気が止まるので、筐体4内の負圧は一気に増大し、インレット24を通じて吸い込まれる空気量・流速ともに増大し、インレット24内で整流され、インレット出口(空気流入口22)から筐体4内に高速空気流となって吹き出す。
吹き出した空気流は、分離板14上に保持されている洗浄媒体5を開口部18に対向する洗浄対象物20の表面に向けて飛翔させる。
上記空気流は、旋回空気流30となって、筐体4の内壁に沿って円環状に流れつつ、一部は分離板14の穴を通って吸気手段6により吸気される。
このように筐体4内を円環状に流れた旋回空気流30がインレット24の出口部に戻ると、インレット24から入り込む空気流が旋回空気流30に合流しつつ加速する。このようにして筐体4内に安定した旋回空気流30が形成される。
洗浄媒体5は、この旋回空気流により筐体4内で旋回し、洗浄対象物20の表面に繰り返し衝突する。この衝突による衝撃で、洗浄対象物20の表面から汚れが微小粒状あるいは粉状となって分離する。
分離した汚れは、分離板14の穴を通って吸気手段6により筐体4の外部へ排出される。
筐体4内に形成される旋回空気流30は、その旋回軸が、分離板14の表面に直交しており、旋回空気流30は分離板14の表面に平行方向の気流となる。
このため、旋回空気流30は分離板表面に吸い着けられた洗浄媒体5に、横方向から吹き付けて洗浄媒体5と分離板14の間に入り込み、分離板14に吸い付けられている洗浄媒体5を分離板14から引き剥がして再度飛翔させる効果が生じる。
また、開口部18が塞がれて上部筐体4A内の負圧が増大して、下部筐体4B内の負圧に近くなるため、洗浄媒体5を分離板14の表面に吸い付ける力も低下して、洗浄媒体5の飛翔がより容易になる効果が生じる。
旋回空気流30は、一定の方向に気流が加速されるため高速の気流が生成しやすく、洗浄媒体5の高速飛翔運動も容易となる。高速で旋回移動する洗浄媒体5は、分離板14に吸い付けられにくく、洗浄媒体5に付着した汚れが、遠心力により洗浄媒体5から分離され易い。
図12に上述した乾式クリーニング装置2によるクリーニングの実際的な例を示す。
洗浄対象物は前述したフローはんだ槽工程で用いられるディップパレットであり、符号100で示す。
ディップパレット100には、マスク開口部101、102、103が開口しており、これらマスク開口部の穴周辺にフラックスFLが堆積・固化している。この堆積・固化したフラックスFLが除去すべき汚れである。
図12に示すように、下部筐体4Bの根元部(吸気口8部位)を手HDで握り、吸気状態で、筐体4の開口部18を被クリーニング部位に押し当てる。
開口部18が被クリーニング部位に押し当てられる以前は、筐体4内は吸気され、洗浄媒体5は分離板14に吸い付けられているので、開口部18は下方を向いているものの、筐体4内から洗浄媒体5が外部へ漏れることは無い。
勿論、開口部18が被クリーニング部位に押し当てられた以後は、筐体内が気密状態となり、洗浄媒体の漏れ出しはない。
開口部18を被クリーニング部位に押し当てると、インレット24による流入気流が急増し、筐体4内に強い旋回空気流30を発生させ、分離板14に吸い付けられた洗浄媒体5を飛翔させ、ディップパレット100の被クリーニング部位に付着固化したフラックスFLに衝突させてフラックスFLを除去する。
クリーニング作業者は、上述の如く下部筐体4Bの根元を手HDに持ち、ディップパレット100に対して移動させて、被クリーニング部位を順次移動させ、付着・固化したフラックスFLを全て除去することができる。
図12の状態では、ディップパレット100のマスク開口部101の周辺部がクリーニングされ、マスク開口部102、103の周辺部がクリーニング途上である。
被クリーニング部位に対して開口部を移動させる時に被クリーニング部位から開口部18が離されても、前述の洗浄媒体吸着効果により、洗浄媒体5が筐体内から漏れ出さないため、洗浄媒体数が維持され、洗浄媒体量の減少によるクリーニング性能の低下は生じない。
洗浄媒体5は、繰り返し使用される間にクリーニング部位に対する衝突による衝撃により次第に破壊され、クリーニング部位のディップパレット100から除去したフラックス(汚れ)と共に、吸引装置12に吸引回収されるため、乾式クリーニング装置を長時間使用していると、筐体内に保持された洗浄媒体の量が減少する。
このような場合は、新しい洗浄媒体群を筐体4内に補給する。
図1乃至図5に基づいて本発明の第1の実施形態を説明する。なお、上記基本構成と同一部分は適宜同一符号で示す。また、洗浄動作及び洗浄媒体の飛翔原理は上記基本構成と同様であり、乾式クリーニング装置としての用い方も同様であるので、乾式クリーニング装置としての全体構成は省略する。
本実施形態に係る乾式クリーニング筐体40は、旋回軸方向の両側から吸引して上記基本構成をさらにコンパクト化した構成としている。
図2乃至図4に示すように、乾式クリーニング筐体40は、筐体本体42と、筐体本体42の上部に一体に形成された吸気口8と、筐体本体42の旋回軸方向両側に分離板44を挟んで配置された旋回軸方向の側面としての吸気カバー46A、46Bと、外側面としてのフロントカバー48と、筐体本体42の内部に配置され、旋回軸を規定する円筒状の流路制限部材52と、筐体本体42の上部でフロントカバー48側に形成されたインレット50と、インレット50の領域に設けられた旋回気流調整手段としての旋回気流調整プレート56等から構成されている。乾式クリーニング装置の構成では、吸気口8に吸引ホース10が接続される。
筐体本体42には、吸気口8に連通する円弧状の吸気路42aが旋回軸方向に貫通して形成されている。筐体本体42の上面先端部42bはインレット50の一部を構成し、空気抵抗を低減するように滑らかな湾曲面状に形成されている。筐体本体42の下面先端部42cは、開口部18の一辺を規定している。
各分離板44は、中心部に流路制限部材52を支持する支持穴44aを有しているとともに、吸気路42aに連通する円弧状の開口44bを有している。
吸気カバー46A、46Bは、開口44bを介して吸気路42aに連通する空隙部46aを有している。
吸気カバー46Bには、流路制限部材52に挿入される円筒状の支持凸部46bが形成されており、吸気カバー46Aには支持凸部46bの挿通孔46cが形成されている。
吸気カバー46A、46Bと分離板44は筐体本体42にネジで一体に固定され、フロントカバー48は吸気カバー46A、46Bにネジで固定されている。
流路制限部材52は、分離板44と同様に多孔構造を有している。
図4に示すように、旋回気流調整プレート56は、インレット50を構成する上面先端部42bの湾曲面に沿った円弧状の流路閉塞部56aと、流路閉塞部56aを移動させるための摘み部56bとから構成されている。摘み部56bには引き上げ操作を容易にするための指の通し孔56b−1が形成されている。
各分離板44の内面には、流路閉塞部56aを案内する円弧状のガイド溝44cが形成されている。
旋回気流調整プレート56の材質は、少なくとも流路閉塞部56aが流路内部の吸引圧力や洗浄媒体の衝突に耐えられるものであれば特に限定されない。通常は軽量化のために樹脂板や金属の薄板を用いる。ただし、洗浄媒体を挟み込むと流路を完全に塞ぎきれないため、筐体や流路制限部材と接触する部分は変形の大きいゴム部材などで被覆するのが良い(以下の他の実施形態において同じ)。
図1(a)は、洗浄時の状態を示している。なお、図1では、吸気口8や、分離板44の多孔構造、ガイド溝44c等は省略している。
例えば洗浄が終了して洗浄対象物20から開口部18を離す場合には、リリース動作に先立って、図1(b)に示すように、旋回気流調整プレート56の摘み部56bを持って下方に押し込む。これによって旋回流路は流路閉塞部56aによって塞がれる。
旋回流路が塞がれると、旋回空気流30は完全に停止する。洗浄媒体5は旋回空気流30による飛翔エネルギーの慣性により、破線で示す貯留空間58に集まって滞留する。貯留空間58は、旋回気流調整プレート56の流路閉塞部56aと流路制限部材52との間に形成される、洗浄媒体捕集ポケットとも言うべき空間である。
本実施形態における貯留空間58は、筐体本体42の内部と流路制限部材52とで区画される内部空間(旋回流路)の上部において、旋回軸中心Pを通る垂線Sよりも旋回方向下流側に位置しており、このため洗浄媒体5は重力によって貯留空間58に留まる。
この状態で、洗浄対象物20から開口部18を離す。開口部やインレットから筐体内の分離板への吸引圧力が発生しているため、洗浄媒体は筐体内に吸着され開口部やインレットから飛散することがない。
また多孔質の流路制限部材を用いた場合、中心部からの吸引が加わるため、洗浄媒体は流路制限部材と分離板の双方へ吸着し落下したり飛散することがない。
このように、リリース時や非洗浄時に旋回気流調整プレート56を閉じることで、完全に洗浄媒体の漏れを防ぐことができる。
本実施形態では、重力によって洗浄媒体5を貯留空間58に保持できる構成としているので、筐体を逆さまにしないかぎり、吸引作用がなくても洗浄媒体5を筐体内に保持できる。
洗浄による除去物や洗浄媒体5の破片は分離板44の孔を通過して吸引手段側に回収される。したがって、貯留空間58に溜まった洗浄媒体5は、再使用可能な洗浄媒体である。
洗浄を開始又は再開する場合には、吸引ONの状態で開口部18又はインレット50から洗浄媒体5を筐体内に吸引投入し、旋回気流調整プレート56を引き上げて旋回流路を開く。
これにより、旋回空気流30が発生し、洗浄が開始される。
洗浄対象物20に開口部18を当てて旋回気流調整プレート56を引き上げて旋回空気流30を発生させ、インレット50から洗浄媒体5を投入してもよい。
あるいは、吸引OFFの状態で洗浄対象物20に開口部18を当て、旋回気流調整プレート56を引き上げてインレット50から洗浄媒体5を投入し、その後吸引ONとして旋回空気流30を発生させるなど、種々の方法を採用することができる。
本実施形態では、旋回気流調整プレート56を手動で操作する構成としたが、一軸動作が可能な駆動手段で開閉するようにしてもよい。駆動手段としては、小型化のために空気圧や電気駆動のシリンダやソレノイドが望ましい。
旋回気流調整プレート56の配置位置は、旋回流路を塞ぐことができる位置であれば特に限定されないが、本実施形態のようにインレットを構成する面を利用して配置する構成とすれば、他の部材との干渉や密閉性を損なうことがなく理想的である。
旋回気流調整プレート56の有無と、リリース時の洗浄媒体の漏れ率との関係における実験結果を表1に示す。
Figure 0005919786
リリース時や非洗浄時の洗浄媒体の漏れは、洗浄媒体の形状に左右されやすく、厚みが0.1mm以下では、旋回流調整手段がない場合でも洗浄媒体の漏れはごくわずかであるが、厚みが0.1mm以上では、洗浄媒体の漏れが多くなる。
これに対して、旋回気流調整プレート56がある場合、どの洗浄媒体でも洗浄媒体の漏れを完全に防ぐことができた。
本実施形態では、旋回流路を完全に塞いで旋回空気流30を停止させる構成としたが、本発明はこれに限定される趣旨ではない。本発明の趣旨は、リリース時や非洗浄時に必要のない旋回空気流や逆旋回空気流が発生することを抑制して洗浄媒体が開口部18やインレット50から漏れることを防止するというものである。
したがって、旋回空気流30を完全に停止させずに、漏れを防止できるレベルに低減ないし減衰させることも含まれる。
この観点から、旋回気流調整プレート56で旋回流路の断面積を狭くする操作でもよい。
また、旋回気流調整プレート56の流路閉塞部56aを多孔性部材としてもよい。この場合には、孔の大きさは逆旋回空気流が生じない程度に設定される。
なお、本実施形態では、図1(b)に示すように、開口部18は、旋回空気流30の径方向における旋回軸中心Pを通る垂線S上からインレット50と対向する側に水平面上で位置を図中左側へずらして配置されている。さらに具体的に説明すると、インレット50から流入する外部空気の進行方向と、開口部18が洗浄対象物に接する面とのなす角度(インレット角度)が略90°となっている。
インレット50は、外部空気の流入側が大きく開口し、開口部18側へ向って徐々に狭くなるように形成されている。すなわち、開口部18側へ向って断面積を狭くして流入気流の速度を増加させる構成を有している。
また、フロントカバー48の下端は開口部18の一辺を規定しており、開口部18と隣接している。
開口部18の大きさは、洗浄対象物の形状や、リリース時や非洗浄時に吸気による負圧で開口部から外気が筐体内に流入できるよう適宜決定される。
開口部18の位置をインレット側に偏心した位置に配置したことにより、インレット50と開口部18との間の距離が最短距離となる。
これにより、旋回空気流30で旋回飛翔する洗浄媒体5は、インレット50から流入した外部空気による高速気流で垂直方向に加速されてそのまま洗浄対象物20に衝突する。衝突した後の洗浄媒体5は、旋回空気流30に乗り、再びインレット50の高速気流の領域に達し、この洗浄動作が繰り返される。
洗浄媒体5は、インレット50から流入する高速気流のエネルギーで飛翔し、減速する間もなく洗浄対象物へ衝突するため、衝突エネルギー効率が高く、洗浄効率が良い。
洗浄能力はインレット角度が90°のときが最も高い。このため、インレット部で加速された洗浄媒体の衝突エネルギーが分力化されることなく、洗浄効率が良い。
換言すれば、インレット50から流入した高速気流のエネルギーが旋回空気流と混ざって減衰する度合いが低く、ほとんどが洗浄媒体5の衝突エネルギーとして効率的に使用されるからである。
図5及び図6に基づいて第2の実施形態を説明する。なお、上記実施形態と同一部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既にした構成上及び機能上の説明は省略して要部のみ説明する(以下の他の実施形態において同じ)。
本実施形態における旋回気流調整手段は、旋回流路の壁面を構成するフロントカバー48の内面に一端部をヒンジ構造で支持されて上下方向に回動自在に設けられたフラップ60から構成されている。ヒンジ部はフロントカバー48の厚み内に設けられている。
フラップ60は圧力が作用しない状態では、図5(a)に示すように、フロントカバー48の内面に沿って自重で垂れ下がっている。
洗浄対象物20から開口部18が離されると、図5(b)に示すように、開口部18から外気が流入するが、この流入気流による圧力及び流路制限部材52を介した吸引圧力でフラップ60は持ち上げられて上方に回動し、換言すれば流路制限部材52方向へ倒れ、自由端が流路制限部材52に当接し、旋回流路を塞ぐ。これにより、旋回空気流30は停止する。
リリース時や非洗浄時には、インレット部に加えて開口部から外気が流れ込み、筐体内の旋回流路の圧力は高まらず、旋回空気流が弱められた状態となる。この状態では、流路制限部材52への吸引圧力が、旋回空気流による圧力と比べて相対的に上回り、フラップ60が流路制限部材52へと引き付けられる。これにより、旋回流路が閉じられ、旋回空気流は完全に停止し、完全に洗浄媒体の漏れを防ぐことができる。
洗浄媒体5は、上記実施形態と同様に、フラップ60と流路制限部材52との間に形成される貯留空間に溜められる。
洗浄時には、洗浄対象物によって開口部が塞がり、インレット部からのみ外気が流れ込み、筐体内の旋回流路の圧力は高まり、旋回気流が発生する。この状態では、流路制限部材への吸引圧力よりも、旋回空気流による圧力が相対的に上回り、フラップ60が旋回流路の壁面へと押し付けられる。これにより、旋回流路が開かれ、旋回空気流が発生し、洗浄が開始される。
本実施形態では、フラップ60が洗浄時と非洗浄時との負圧差により自動で開閉するので、作業者の注意不足や忘れによって旋回気流調整手段が操作されないことに基づく洗浄媒体の漏れを確実に防止できる。
リリース時や非洗浄時に開口部18から流入する気流により、図6(a)に示すように、フラップ60が壁面に押さえ付けられて回動しない虞がある。
この懸念を解消する一例として、図6(b)に示すように、フラップ60が垂れ下がった状態の自由端近傍に、フラップ60の自由端を起すための気流流入凹部48aを形成すればよい。
図7に第3の実施形態を示す。
第1の実施形態ではインレット50の領域に旋回気流調整手段を設けて旋回流路の断面積を強制的に変化させる構成を例示したが、本実施形態は旋回気流調整手段の配置箇所の他例である。
図7に示すように、本実施形態に係る旋回気流調整手段で可動部材としての遮蔽板62は、フロントカバー48を貫通して略水平方向に移動可能に設けられている。
リリースする前に、作業者が遮蔽板62を矢印方向に押し込み、遮蔽板62の先端を流路制限部材52に当接させる。これにより、旋回流路が閉じられ、旋回空気流は完全に停止し、完全に洗浄媒体の漏れを防ぐことができる。
第1の実施形態と同様に、一軸動作が可能な駆動手段で開閉する電動方式としてもよい。
図8に第4の実施形態を示す。
上記各実施形態では、旋回気流調整手段が旋回流路の断面積を変化させて旋回空気流を低減ないし停止させる構成を有するものであったが、本実施形態では、開口部18から流入する空気量を調整することにより、インレット50から流入する空気量とのバランスをとって旋回空気流のエネルギーを低減ないし停止させることを特徴とする。
すなわち、開口部18から流入する気流とインレット50から流入する気流とが打ち消しあうようにして、いずれかが勝ることによる旋回空気流の維持又は発生を抑制しようとするものである。
筐体本体42の開口部18側底面には、開口部18の開口面積を変化させるための旋回気流調整手段で可動部材としての遮蔽板64が、図中左右方向に密接状態でスライド可能に組み込まれている。
洗浄終了後洗浄対象物20から開口部18を離す前に、図示しないレバーで遮蔽板64をスライドさせて、開口部断面積がインレット部の断面積と同等となるまで閉じると、インレット50からの外気流入量と開口部18からの外気流入量とが等しくなるため、双方が打ち消しあって旋回空気流は完全に停止する。
分離板44からの吸引があるために、開口部やインレットから筐体内の分離板への吸引圧力が発生し、洗浄媒体は開口部やインレットから外部へ飛散しない。また多孔質の流路制限部材52を用いた場合、中心部からの吸引が加わるため、洗浄媒体は流路制限部材と分離板の双方へ吸着され、落下したり飛散することがない。
そのため、リリース時や非洗浄時には、図8(b)に示すように、遮蔽板64を閉じることで、完全に洗浄媒体の漏れを防ぐことができる。洗浄時には、図8(a)に示すように、遮蔽板を開くことで、旋回気流が発生し、洗浄が開始される。
遮蔽板64を完全に閉じてしまうと、洗浄時と同じ状態となってしまい、遮蔽板へ洗浄媒体が衝突を繰り返してしまい洗浄媒体の消耗を促進してしまう。また、遮蔽板64へ洗浄媒体が衝突した後に、インレット側へ跳ね返る洗浄媒体も出てきてしまい、やはり完全には洗浄媒体の漏れを防ぐことができない。
このため、遮蔽板64のスライド操作において、旋回空気流が完全に停止する位置で遮蔽板64を止めるための図示しないストッパが設けられている。これにより、作業者の勘に頼ることなく画一的に遮蔽板64を所定位置に設定できる。
初期設計により、インレット部と開口部の断面積を等しくしておくことも有効であるが、基本的に旋回流速を高めるためにインレット部の断面積は小さく設定される。このため結果的に開口部が狭くなってしまい、洗浄効率が落ちる。その欠点を許容できる場合に限り有効である。
本実施形態では手動による開閉構成としたが、第1の実施形態と同様に、一軸動作が可能な駆動手段で開閉する電動方式としてもよい。
図9に第5の実施形態を示す。
図8に示した構成での電動方式は、あくまでも作業者がスイッチをオンすることによって動作するものであるが、本実施形態では完全に自動化したことを特徴とする。
図9(a)に示すように、筐体本体42の開口部18側底面、具体的には開口部18に近接したフロントカバー48の下端には、開口部18が洗浄対象物20に対して非接触または一定距離離間した状態を検知するリリース検知手段としての接触センサ66が設けられている。
接触センサ66としては、光学センサやマイクロスイッチ等を採用することができる。
制御手段70は、接触センサ66を介して筐体と洗浄対象物とが接触または一定距離に存在しているかを監視している。筐体と洗浄対象物とが接触または一定距離にある場合には、洗浄時と判断し、図9(a)に示すように、駆動手段68を制御して開口部18を開く。
逆に非接触または一定距離以上となった場合は、リリース時または非洗浄時と判断し、図9(b)に示すように、駆動手段68を制御して開口部18を所定の断面積となるように塞ぐ。
本実施形態では、遮蔽板64が自動的に開閉するので、第2の実施形態と同様に、作業者の注意不足や忘れによって旋回気流調整手段が操作されないことに基づく洗浄媒体の漏れを確実に防止できる。
2 乾式クリーニング装置
5 洗浄媒体
8 吸気口
12 吸引手段
18 開口部
20 洗浄対象物
40 乾式クリーニング筐体
44 多孔手段としての分離板
50 通気路
56 旋回気流調整手段としての旋回気流調整プレート
58 貯留空間
60 旋回気流調整手段としてのフラップ
62 旋回気流調整手段としての遮蔽板
64 旋回気流調整手段としての遮蔽板
66 リリース検知手段としての接触センサ
特開平4−83567号公報 特開昭60−188123号公報

Claims (9)

  1. 洗浄媒体を気流により飛翔させ、前記洗浄媒体を洗浄対象物に当てて洗浄対象物の洗浄を行う乾式クリーニング筐体において、
    前記洗浄媒体を飛翔させる内部空間と、
    前記洗浄対象物に当接して前記洗浄媒体を前記洗浄対象物に衝突させる開口部と、
    外部からの空気を前記内部空間へ通す通気路と、
    前記通気路を介して前記内部空間に導入された空気を吸引することにより前記内部空間に旋回気流を生じさせる吸気口と、
    前記洗浄対象物から除去された除去物を前記吸気口側へ通過させる多孔手段と、
    前記旋回気流が旋回する旋回流路の断面積を変化させ、前記旋回気流を任意に低減ないし停止させる旋回気流調整手段と、
    を有していることを特徴とする乾式クリーニング筐体。
  2. 請求項1に記載の乾式クリーニング筐体において、
    前記旋回気流調整手段が、前記旋回気流を停止させたときに筐体との間に前記洗浄媒体を溜める貯留空間を形成する構成を有し、前記貯留空間が形成される位置は、前記洗浄媒体が該貯留空間に重力で保持される位置であることを特徴とする乾式クリーニング筐体。
  3. 請求項2に記載の乾式クリーニング筐体において、
    前記旋回気流調整手段が、前記通気路を構成する面に沿ってスライド可能に設けられていることを特徴とする乾式クリーニング筐体。
  4. 請求項に記載の乾式クリーニング筐体において、
    前記旋回気流調整手段が、前記旋回流路の壁面に一端部を支持されて回動可能に設けられた構成を有し、洗浄時と非洗浄時との負圧差により動作することを特徴とする乾式クリーニング筐体。
  5. 請求項に記載の乾式クリーニング筐体において、
    前記旋回気流調整手段が、前記開口部から流入する空気量を、前記通気路から流入する空気量と同等にする構成を有していることを特徴とする乾式クリーニング筐体。
  6. 請求項に記載の乾式クリーニング筐体において、
    前記旋回気流調整手段が、前記開口部の開口面積を変化させる可動部材を有していることを特徴とする乾式クリーニング筐体。
  7. 請求項6に記載の乾式クリーニング筐体において、
    前記開口部から流入する空気量が前記通気路から流入する空気量と同等となるように前記可動部材を動作させる駆動手段を有していることを特徴とする乾式クリーニング筐体。
  8. 請求項7に記載の乾式クリーニング筐体において、
    前記開口部が前記洗浄対象物に対して非接触または一定距離離間した状態を検知するリリース検知手段を有し、該リリース検知手段によりリリース時と判断されたときに前記駆動手段により前記可動部材を動作させることを特徴とする乾式クリーニング筐体。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つに記載の乾式クリーニング筐体と、前記吸気口に接続される吸引手段と、前記洗浄媒体とから構成されることを特徴とする乾式クリーニング装置。
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