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JP5914290B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は直流電力を交流電力に変換しあるいは交流電力を直流電力に変換する電力変換装置に関し、特に車両に搭載されるのに適する電力変換装置に関する。
ハイブリッド自動車又は電気自動車の小型化と共に、これらに用いられる電力変換装置を含めた車両部品の小型化が求められている。そこで、電力変換装置をトランスミッションやモータなどの車両部品に対して搭載することで、電力変換装置を含めたシステムコストの低減や小型化が可能である。しかし、電力変換装置を搭載する車両部品が発熱部品である場合、車両部品で発生する熱を受けて電力変換装置の冷却水温度や周囲温度が高くなるため、電力変換装置に搭載される平滑用コンデンサモジュール等の各部品の熱的課題を解決する必要がある。そこで特許文献1では、金属性のハウジング内に、冷媒を流すための冷媒流路を形成する流路形成体を配置し、電力変換装置に搭載される部品をトランスミッションやモータジェネレータといった車両部品から伝達される熱から保護している。
しかしながら、車両部品への搭載を前提とする上で、例えば円形であるような車両部品の形状に合わせた構造によって更なる小型化、省スペース化が必要である。
特開2011−217548号公報
本発明の課題は、冷却性能を劣化させることなく、より小型化が可能な電力変換装置を提供することである。
本発明に係る電力変換装置は、直流電流を交流電流に変換するパワー半導体モジュールと、直流電力を平滑化するコンデンサと、第1流路を形成するとともに前記パワー半導体モジュールを収納する第1収納空間を形成する第1流路形成体と、第2流路を形成するとともに前記コンデンサを収納する第2収納空間を形成する第2流路形成体と、を備える電力変換装置であって、前記電力変換装置の上面から投影した場合、前記第1流路形成体と前記第2流路形成体は、前記第1流路形成体の射影部と前記第2流路形成体の射影部が重ならないように配置され、前記第1流路形成体は、前記第2流路形成体の下面と重なる平面よりも下方に配置され、前記第1流路形成体の側部かつ前記第2流路形成体の下部の空間には前記電力変換装置とは異なる車両部品が配置される第1空間が形成されることを特徴とする。
本発明によれば、電力変換装置に搭載されるパワー半導体モジュールやコンデンサなどの構成部品を上下にずらし円形に沿うような配置とし、同時に冷却機能が重要であるこれらの部品を収納する流路形成体を同様に円形に沿うように配置することで、冷却性能を劣化させることなく、車両部品まで含めた小型化が可能となる。
電力変換装置200の全体構成を説明するために構成要素に分解した斜視図である。 パワー半導体モジュール300a乃至300cが第1流路形成体420に収納された状態を示す斜視図である。 パワー半導体モジュール300a乃至300cが第1流路形成体420から分離した状態を示す斜視図である。 図2の断面Aで切ったときのパワー半導体モジュール300及び流路形成体420の断面図である。 コンデンサモジュール500が第2流路形成体600に収納された状態を示す斜視図である。 コンデンサモジュール500が第2流路形成体600から分離した状態を示す斜視図である。 コンデンサセル700の斜視図である。 図4の断面Bで切ったときのコンデンサモジュール500の断面図である。 図2に示す第1ケース210と、図4に示す第2ケース220との組み立て体の上面図を示す。 図7に示す状態にバスバーアッセンブリ800と金属ベース板11を取り付けた状態を示す上面図である。 電力変換装置200の全体構成を説明するための外観斜視図である。 車両部品150と電力変換装置200の配置を説明するための概略図である。 図9の断面Cで切ったときの電力変換装置200の断面図である。 図9の断面Dで切ったときの電力変換装置200の断面図である。 図9の断面Eで切ったときの電力変換装置200の断面図である。 第2流路形成体600の第2流路16を説明するために、第1ケース210を取り除いた電力変換装置200の下面図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る電力変換装置の実施の形態について説明する。なお、各図において同一要素については同一の符号を記し、重複する説明は省略する。
本実施形態に係る電力変換装置200は、主にハイブリッド自動車や電気自動車に用いられるものである。その車両システムの一例は、特開2011−217550号公報に記載されている。なお、本実施形態に係る電力変換装置200は、その効果を達成するために他の用途に用いられてもよい。例えば生産性向上や冷却性能向上を目的とした冷蔵庫やエアコンの家電用インバータに用いられてもよい。また使用環境が車両用インバータと類似した産業機器用インバータに用いられてもよい。
図1は、本実施形態に係る電力変換装置200の全体構成を説明するために構成要素に分解した斜視図である。電力変換装置200は、回路基板20、金属製ベース板11、バスバーアッセンブリ800、パワー半導体モジュール300a乃至300c、コンデンサモジュール500を備える。これらの部材は、第1ケース210及び第2ケース220に収納される。
後述されるパワー半導体モジュール300a乃至300cは、直流電力を交流電力に変換する。後述されるコンデンサモジュール500は、直流電力を平滑化する。後述される回路基板20は、パワー半導体モジュール300a乃至300cを駆動する駆動信号を出力する駆動回路部を搭載する。また、回路基板20は、駆動回路にパワー半導体モジュール300a乃至300cを制御するための制御信号を出力する制御回路部を搭載する。これらの回路システムの一例は、特開2011−217550号公報に記載されている。
第1ケース210は、電力変換装置200の最下部に配置される。第2ケース220は、第1ケース210の上部に配置される。後述するが、これら第1ケース210及び第2ケース220は、パワー半導体モジュール300a乃至300bやコンデンサモジュール500を冷却するための冷媒を流す流路形成体を形成する。
バスバーアッセンブリ800は、直流側導体板と、交流端子802a乃至802cと、これらを保持する保持部材を備えており、さらに電流センサ803を備えている。直流側導体板は、コンデンサモジュール500からパワー半導体モジュール300a乃至300cへ直流電力を伝達する。パワー半導体モジュール300a乃至300cで交流に変換された電力は、交流端子802a乃至802cから出力される。交流端子802a乃至802cは、電流センサ803の貫通孔を通って配置される。
図2を用いて、パワー半導体モジュール300a乃至300cと第1ケース210に形成された第1流路形成体420の構成について説明する。図2(a)は、パワー半導体モジュール300a乃至300cが第1流路形成体420に収納された状態を示す斜視図である。図2(b)は、パワー半導体モジュール300a乃至300cが第1流路形成体420から分離した状態を示す斜視図である。
第1ケース210には、冷媒を導入するための入口配管13と冷媒を排出するための出口配管14が形成される。また、第1ケース210は、第1流路形成体420と第1蓋部230とを有する。第1蓋部230は、後述する第2ケース220の下面に形成された凹部を塞ぎ、冷媒流路を形成する部材として機能する。第1蓋部230には、後述する流路接合部12cと流路入口部12dが形成される。
第1流路形成体420は、パワー半導体モジュール300を収容する第1収納空間400を有する。本実施形態においては、第1収納空間400は、パワー半導体モジュール300a、300b、300cに対応して、第1収納空間400a、400b、400cが形成される。さらに、これら第1収納空間400a乃至400cは、流路の折り返し部を介して、一続きの第1流路12を形成している。
また、第1流路形成体420の側部には、第1空間401が形成される。入口配管13及び流路接続部12cは、第1空間401内の領域に形成される。蓋部230には、入口配管14と繋がる流路入口部12dが形成される。出口配管14は、第1流路12と繋がるように第1流路形成体420に形成される。
図3は、図2の断面Aで切ったときのパワー半導体モジュール300及び流路形成体420の断面図である。図2及び図3に示すように、本実施形態においては、3個のパワー半導体モジュール300が第1流路形成体420に形成された第1流路12内に挿入される。第1流路12は、その深さ12aが幅12bよりも大きくなるように形成される。
パワー半導体モジュール300は、パワー半導体素子を含んで構成されるパワー回路体を有する。パワー半導体素子としては、例えば、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタやダイオードが用いられる。また、パワー半導体モジュール300は、略扁平形状を為しており、その両面には冷却フィンが形成された放熱部301を有する。パワー回路体と放熱部301との間には絶縁部材が配置される。放熱部301は、パワー回路体と対向するように形成される。パワー半導体モジュール300の放熱部301が第1流路12を流れる冷媒と直接触れるので、第1流路12に収納されるパワー半導体モジュール300は、効率良く冷却される。
図4を用いて、コンデンサモジュール500と第2ケース220に形成された第2流路形成体600の構成について説明する。図4(a)は、コンデンサモジュール500が第2流路形成体600に収納された状態を示す斜視図である。図4(b)は、コンデンサモジュール500が第2流路形成体600から分離した状態を示す斜視図である。
第2ケース220は、第2流路形成体600と第2蓋部240を有する。第2蓋部240には、パワー半導体モジュール300a乃至300cを挿入するための開口部241a乃至241cが形成される。開口部241aにはパワー半導体モジュール300aが挿入される。開口部241bにはパワー半導体モジュール300bが挿入される。開口部241cにはパワー半導体モジュール300cが挿入される。
第2流路形成体600は、コンデンサモジュール500を収容する第2収納空間601を有する。後述するが、第2収納空間601は、底面部604と側壁部605により形成される空間であり、底面部604や側壁部605の内部を流れる冷媒により冷やされている。第2流路形成体600の下面602は平面を為しており、第1ケース210に形成されている第1蓋部230と隙間なく密着するように配置される。ここで、第2流路形成体の下面602と重なる平面を符号15で定義する。
また、支持部材606が、第2収納空間601を形成する側壁部605の先端に形成される。支持部材606は、直流側導体板を支持するための部材であり、上方に向かって突出して形成される。なお、図4において、支持部材606の符号は、一部にのみ付してある。
第2蓋部240の上部、すなわち第2流路形成体600の側部には、第2空間603が形成される。後述するが、第2空間603には回路基板20の駆動回路部20aや電流センサ803が配置される。
図5は、コンデンサモジュール500内に配置されるフィルムコンデンサセル700の斜視図である。本実施形態においては、コンデンサモジュール500は、6個のフィルムコンデンサセル700を有する。それぞれのフィルムコンデンサセル700は、一方の面に第1電極701aを有し、他方の面に第2電極701bを有する。2個のフィルムコンデンサセル700は、それぞれの第2電極701bが互いに対向するように配置される。
第2電極701b同士が対向し合った2個のフィルムコンデンサセル700を1組として、同様のフィルムコンデンサ700の組が3組配置され、合計6個のフィルムコンデンサセル700が使用される。フィルムコンデンサセル700の電極は、正極又は負極のどちらか一方の極を近接対向して配置することにより、絶縁対策のための構造をより簡素化することが可能となる。
第1電極701a及び第2電極701bには、リード端子703が接続される。第1電極701a及び第2電極701bは、リード端子703を介して直流側導体板と接続される。
図6は、図4の断面Bで切ったときのコンデンサモジュール500の断面図である。フィルムコンデンサセル700は、コンデンサケース720に収納され、封止材501が充填される。リード端子703は、封止材501の露出面501aから突出して形成される。リード端子の一部703aは、封止材501に封止される。すなわち、リード端子703は、コンデンサモジュール500の上側の一方の面から同一方向に向かって突出している。
図7は、図2に示す第1ケース210と、図4に示す第2ケース220との組み立て体の上面図を示す。図7は、電力変換装置200から回路基板20と金属ベース板11とバスバーアッセンブリ800とを取り除いた状態の上面図でもある。図7には、第1流路形成体420の射影部421と、第2流路形成体600の射影部621を示した。図7に示すように、第1流路形成体420の射影部421と第2流路形成体600の射影部621は重ならないように配置されている。すなわち、パワー半導体モジュールを冷却するための流路とコンデンサモジュールを冷却するための流路が上下方向に重ならないように配置されている。
図8は、図7に示す状態にバスバーアッセンブリ800と金属ベース板11を取り付けた状態を示す上面図である。また、回路基板20は、バスバーアッセンブリ800と金属ベース板11の配置を示すために図示せず、回路基板20の配置位置を示すための枠線のみ図示してある。第2空間603は、第1流路形成体420の上部の空間である。バスバーアッセンブリ800は、当該バスバーアッセンブリ800の一部が第2空間603に位置するよう配置される。電流センサ803は、第2空間603に配置される。金属ベース板11は、例えばネジ締めなどの手法により第2流路形成体600に固定される。
本実施形態の電力変換装置200は、直流側導体板をコンデンサモジュール500と一体構造にせず、分離している。このように、直流側導体板とコンデンサモジュール500との間に空気層を設けることで、コンデンサモジュールの受熱の主要因である直流側導体板の発熱を、コンデンサモジュール500へ伝わりにくい構造としている。平滑用のフィルムコンデンサセル700の保証温度は、電力変換装置200に搭載されるその他の部品に比べて低い。フィルムコンデンサセル700の温度が保証温度以上になった場合、フィルムコンデンサセル700の寿命が急激に減少し、平滑用コンデンサとしての機能を満足しない。そのため、コンデンサモジュール500の冷却性能向上は重要な課題である。後述するように、本実施形態においては、コンデンサモジュール500の下部には、底面流路部16aが形成されており、その他の部品よりも保証温度の低いコンデンサモジュール500を、上下からのあおり熱の影響を抑えることができる。
図9は、電力変換装置200の全体構成を説明するための斜視図であり、図8に示す状態に回路基板20を取り付けた状態を示す斜視図である。回路基板20は、金属ベース板11及びバスバーアッセンブリ800の上方に設置される。すなわち、回路基板20は、第1流路形成体420及び第2流路形成体600と対向するように配置される。
前述の通り、回路基板20は、パワー半導体モジュール300a乃至300cを駆動する駆動信号を出力する駆動回路部20aと、駆動回路にパワー半導体モジュール300a乃至300cを制御するための制御信号を出力する制御回路部20bを備える。駆動回路部20aは、パワー半導体モジュール300が収納される第1収納空間400と対向する領域に配置される。制御回路部20bは、コンデンサモジュール500が収納される第2収納空間601と対向する領域に配置される。
駆動回路部20aをパワー半導体モジュール300と対向するように配置することで、パワー半導体モジュール300と駆動回路部20aとの接続距離を短くすることが可能となるので、寄生インダクタンスの増大を抑制し、ノイズ抑制の効果が得られる。また、駆動回路部と制御回路部とを回路基板の中で分離することで、駆動回路部で発生したノイズを制御回路部へ伝えにくくする効果がある。さらに、駆動回路部20aと制御回路部20bを一枚の回路基板20に搭載することによって、電力変換装置の低背化が可能となる。
図7に示すように、本実施形態に係る電力変換装置は、パワー半導体モジュール300を収納する第1流路形成体420とコンデンサモジュール500を収納する第2流路形成体600とが電力変換装置の上面から投影した場合にそれぞれの射影部が重ならないように配置される。かつ、第2流路形成体の下面15を境に、第1流路形成体420は下方に配置され、第2流路形成体600は上方に配置される。このような構成とすることで、第1流路形成体420の側部かつ第2流路形成体600の下部の領域には、第1空間401が形成される。
図10は、車両部品150と電力変換装置200の配置を説明するための概略図である。車両部品150としては、例えばトランスミッションやモータなどが挙げられる。第1空間に車両部品150を配置することにより、円形の車両部品150と電力変換装置200の隙間を減らし、小型化が可能となる。また、電力変換装置200において、冷却が必要なパワー半導体モジュール300及びコンデンサモジュール500のそれぞれに対して流路形成体を配置することで、車両部品150からのあおり熱の影響を抑制することができ、信頼性が向上する。
また、本実施形態においては、電力変換装置200の第1流路形成体420側が高さ方向に高く、第2流路形成体600側が高さ方向に低い形状となっている。第1流路形成体420には、幅よりも深さが大きくなるように第1流路12が形成され、当該第1流路12にパワー半導体モジュール300が収納される。このような構成により、電力変換装置200を、より円形に沿った構成とすることが可能な上、電力変換装置の部品の中で最も発熱するパワー半導体モジュール300に対する冷媒流路面積を確保することが可能となる。
図11は、図9の断面Cで切ったときの電力変換装置200の断面図である。第2流路形成体600の下面と重なる平面15より下方には、第1流路形成体420と第1空間401が形成される。第2流路形成体の下面と重なる平面15より上方には、第2流路形成体600と第2空間603が形成される。第1空間401は、第1流路形成体420の側部であり、かつ第2流路形成体600の下部である空間に形成される。第2空間603は、第1流路形成体420の上部の空間である。
コンデンサモジュール500と第1空間401との間の領域には、底面流路部16aが形成される。底面流路部16aは、第1ケース210の第1蓋部230に形成された凹部と、第2流路形成体の下面602に形成された凹部とにより形成される。コンデンサモジュール500の側部には、底面流路部16aと繋がる側壁流路部16bが形成される。底面流路部16a及び側壁流路部16bは、第2流路形成体600により形成される流路であり、まとめて第2流路16と定義する。
第1流路12は、流路接続部12cを介して第2流路16と接続される。流路接続部12cは、第1空間401を経由するように形成される。また前述の通り、回路基板20は、第1収納空間400と対向する領域、すなわち第2空間603に配置される。特に、回路基板20のうち駆動回路部20aが第2空間603に配置される。
第1流路12と第2流路16を繋ぐ流路接続部12cが第2流路形成体600の下面から第1流路形成体420へと接続されていることにより、第2流路形成体600と第1流路形成体420の間に流路を形成する事が可能となる。そのため、車両部品150からの伝達する熱が、第2流路形成体600と第1流路形成体420の間から第1流路形成体420の上部の空間である第2空間603まで形成される回路基板20に入る事を防ぐ事が可能となる。
図12は、図9の断面Dで切ったときの電力変換装置200の断面図である。前述の通り、電流センサ803は、第2空間603に配置される。電流センサ803は熱に弱いため、第2空間603に配置することで車両部品150から伝達する熱の影響を抑え、信頼性を向上させることができる。
図13は、図9の断面Eで切ったときの電力変換装置200の断面図である。図11乃至図13に示すように、コンデンサモジュール500が収納される第2収納空間601は、底面流路部16a及び側壁流路部16bのそれぞれと対向するように形成される。底面流路部16aは、第2流路形成体600の底面部604と第1ケース210の第1蓋部230との間に形成される。側壁流路部16bは、第2流路形成体の側壁部605を挟んで第2収納空間601と対向するように形成される。側壁流路部16bは、第2流路形成体600の下面602からコンデンサモジュール500と対向する領域まで溝状に形成される。また、コンデンサモジュール500内のフィルムコンデンサセル700は、当該フィルムコンデンサセル700の第1電極701aが側壁流路部16bと対向するように配置される。
第2流路形成体600は、発熱部品が配置される第1空間401と対向するように底面流路部16aを形成している。それにより、発熱部品の熱が底面流路部16aへ伝わるため、コンデンサモジュール500の底面部に発熱体の熱が進入しない構造となっている。
更に、フィルムコンデンサセル700の第1電極面701a及び第2電極面701bが側壁流路部16bと対向するように設置されている。フィルムコンデンサセル700の発熱は直流側導体板の発熱が主要因となっている為、直流側導体板と繋がる第1電極面701a及び第2電極面701bに対向するように側壁水路部16bを形成する事により、コンデンサセル700をより効率的に冷却する事が可能となる。
また、支持部材606は、側壁部605に接続されている。したがって、フィルムコンデンサセル700の発熱の主要因である直流側導体板の発熱は、支持部材606を介して側壁部605へ伝達する。側壁部605には側壁流路部16bが形成されており、それによって直流側導体板の発熱を効果的に流路を流れる冷媒へ逃がすことができる。
また、バスバーアッセンブリ800を構成する直流側導体板は、正極側導体板と、負極側導体板と、絶縁部材と、を有する。絶縁部材は、正極側導体板と負極側導体板の間に配置される。また、正極側導体板は、絶縁部材が配置されている領域以外の領域が絶縁部材により覆われている。負極側導体板も、絶縁部材が配置されている領域以外の領域が絶縁部材により覆われている。
直流側導体板を覆う絶縁部材は、支持部材606に例えばボルト締結により固定される。したがって、直流側導体板の重量は、支持部材606を介して第2流路形成体600にかかる。これにより、コンデンサモジュール500のリード端子703と直流側導体板との接部にかかる応力の集中を防ぐことができる。そのため、例えば接合部に溶接構造などを取り入れることが可能となり、小型化や部品点数の削減が可能となる。
また、第2流路形成体600と回路基板20との間には、金属製のベース板11が配置されている。ベース板11は、第2流路形成体600に固定されている。したがって、第2流路形成体600に搭載されているコンデンサモジュール500や直流側導体板からの強電ノイズが、回路基板20、特に制御回路部20bに影響を与える事を防ぐ事が出来る。また、駆動回路部20aや制御回路部20bといった電子部品の発熱を、金属ベース板11を介して第2流路形成体600に逃がす事により冷却性能とノイズの除去を行いながら必要最小限の金属板の量とする事が可能となる。
図14は、第2流路形成体600の第2流路16を説明するために、第1ケース210を取り除いた電力変換装置200の下面図である。第2流路形成体600の下面602には、底面流路部16a及び側壁流路部16bが形成される。側壁流路部16bは、コンデンサモジュール500の周囲をコの字型に形成される。冷媒は、流路入口部12dより第2流路16へ導入され、底面流路部16aと側壁流路部16bに分岐する。その後、底面流路部16aを流れた冷媒と側壁流路部16bを流れた冷媒は、流路接続部12cを介して第1流路12へ流れる。
電力変換装置において、パワー半導体ジュールから第1流路部12に伝わる熱量と、コンデンサモジュール500から第2流路部16へ伝わる熱量を比べた場合、前者の方が大きい。また、フィルムコンデンサセル700の保証温度に熱的課題があることから、第2流路部16から第1流路部12に冷却冷媒を流す方がより両者をバランス良く冷却する事が可能となる。
11:金属製ベース板、12:第1流路、12a:第1流路の深さ、12b:第1流路の幅、12c:流路接続部、12d:流路入口部、13:入口配管、14:出口配管、15:第2流路形成体の下面と重なる平面、16:第2流路、16a:底面流路部、16b:側壁流路部、20:回路基板、20a:駆動回路部、20b:制御回路部、21:駆動回路部、150:車両部品、160:第1空間、200:電力変換装置、210:第1ケース、220:第2ケース、230:第1蓋部、240:第2蓋部、241:開口部、300:パワー半導体モジュール、301:放熱部、320:パワー半導体素子、400:第1収納空間、401:第1空間、420:第1流路形成体、421:第1流路形成体の射影部、500:コンデンサ、501:封止材、501a:露出面、600:第2流路形成体、601:第2収納空間、602:第2流路形成体の下面、603:第2空間、604:底面部、605:側壁部、606:支持部材、621:第2流路形成体の射影部、700:フィルムコンデンサセル、701a:第1電極面、701b:第2電極面、703:リード端子、703a:リード端子の一部、720:コンデンサケース、800:バスバーアッセンブリ、802:交流端子、803:電流センサ

Claims (11)

  1. 直流電流を交流電流に変換するパワー半導体モジュールと、
    直流電力を平滑化するコンデンサと、
    第1流路を形成するとともに前記パワー半導体モジュールを収納する第1収納空間を形成する第1流路形成体と、
    第2流路を形成するとともに前記コンデンサを収納する第2収納空間を形成する第2流路形成体と、を備える電力変換装置であって、
    前記電力変換装置の上面から投影した場合、前記第1流路形成体と前記第2流路形成体は、前記第1流路形成体の射影部と前記第2流路形成体の射影部が重ならないように配置され、
    前記第1流路形成体は、前記第2流路形成体の下面と重なる平面よりも下方に配置され、
    前記第1流路形成体の側部かつ前記第2流路形成体の下部の空間には前記電力変換装置とは異なる車両部品が配置される第1空間が形成される電力変換装置。
  2. 請求項1に記載された電力変換装置であって、
    前記パワー半導体モジュールは、パワー半導体素子を含んで構成されるパワー回路体を有し、
    前記コンデンサは、前記第2収納空間に収納され、
    前記第1流路形成体は、前記第1流路の深さが前記第1流路の幅よりも大きくなるように形成され、
    前記パワー回路体は、前記第1流路に収納される電力変換装置。
  3. 請求項1又は2に記載されたいずれかの電力変換装置であって、
    前記第1流路と前記第2流路を繋ぐ流路接続部と、
    前記パワー半導体モジュールを駆動する駆動回路部を有する回路基板と、を備え、
    前記回路基板は、前記第1流路形成体の上部の空間である第2空間まで形成され、
    前記流路接続部は、前記第2流路形成体の下面から前記第1空間を経由して前記第1流路形成体と接続する電力変換装置。
  4. 請求項3に記載された電力変換装置であって、
    前記第1流路形成体の上部に配置された電流センサを備える電力変換装置。
  5. 請求項1乃至4に記載されたいずれかの電力変換装置であって、
    前記第1流路と前記第2流路を繋ぐ流路接続部と、
    前記第2流路と繋がる入口部と、
    前記第1流路と繋がる出口部と、を備える電力変換装置。
  6. 請求項1乃至5に記載されたいずれかの電力変換装置であって、
    前記第2流路形成体は、側壁部と底面部とにより前記第2収納空間を形成し、
    さらに前記第2流路形成体は、前記側壁部を挟んで前記コンデンサと対向して形成される側壁流路部と、前記底面部と前記車両部品との間に形成される底面流路部と、を形成し、
    前記コンデンサは、フィルムコンデンサセルであって、その両端に第1電極面及び第2電極面を有し、
    前記フィルムコンデンサセルは、前記第1電極面及び前記第2電極面が前記側壁部と対向するように配置される電力変換装置。
  7. 請求項6に記載された電力変換装置であって、
    前記コンデンサから前記パワー半導体モジュールに流れる前記直流電流を伝達する直流側導体板と、
    前記直流側導体板を支持するための支持部材と、を備え、
    前記支持部材は、前記側壁部に接続される電力変換装置。
  8. 請求項7に記載された電力変換装置であって、
    前記直流側導体板は、正極側導体板と、負極側導体板と、当該正極側導体板と当該負極側導体板との間に配置される絶縁部材と、により構成され、
    前記絶縁部材は、前記正極側導体板の少なくとも一部及び負極側導体板の少なくとも一部を覆って形成され、
    さらに前記絶縁部材は、前記支持部材と接続される電力変換装置。
  9. 請求項1乃至8に記載されたいずれかの電力変換装置であって、
    前記コンデンサから前記パワー半導体モジュールに流れる前記直流電流を伝達する直流側導体板と、
    前記コンデンサの電極面と前記直流側導体板とを接続するリード端子と、
    前記リード端子の一部及び前記コンデンサを封止する封止材と、を有し、
    前記リード端子は、前記封止材の露出面から突出して前記直流側導体板と直接接続する電力変換装置。
  10. 請求項1乃至9に記載されたいずれかの電力変換装置であって、
    前記パワー半導体モジュールを駆動する駆動回路部と当該駆動回路部を制御する制御回路部とを有する回路基板を備え、
    前記回路基板は、前記第1流路形成体及び前記第2流路形成体と対向するように形成され、
    前記駆動回路部は、前記第1収納空間と対向する領域に配置され、
    前記制御回路部は、前記第2収納空間と対向する領域に配置される電力変換装置。
  11. 請求項10に記載された電力変換装置であって、
    前記第2流路形成体と前記回路基板との間に配置される金属製ベース板を備え、
    前記回路基板は、前記金属製ベース板に搭載され、
    前記金属製ベース板は、前記第2流路形成体に固定される電力変換装置。
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