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JP5994848B2 - タイムチャート作成装置、コントローラ、機械要素制御システム、タイムチャート作成方法、プログラム及び情報記憶媒体 - Google Patents

タイムチャート作成装置、コントローラ、機械要素制御システム、タイムチャート作成方法、プログラム及び情報記憶媒体 Download PDF

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Description

本発明はタイムチャート作成装置、コントローラ、機械要素制御システム、タイムチャート作成方法、プログラム及び情報記憶媒体に関し、特に機械制御システムの運転に用いるタイムチャートの作成に関する。
下記特許文献1には、パーソナルコンピュータを用いてシリンダ等のアクチュエータの運転パターンを示すタイムチャートを作成すれば、作成されたタイムチャートに従って同アクチュエータが自動運転されるシステムが開示されている。このシステムによれば、難解なラダー図及びラダー言語を理解せずとも、パーソナルコンピュータのディスプレイ上にタイムチャートを作成するだけで、アクチュエータに所期の動作を行わせることができるようになり、利便性が向上する。
また、下記特許文献2には、タイムチャートと、機器制御情報記憶部に格納された、最高移動速度、加速時間、減速時間等を有する基本パラメータおよび移動速度等を有する運転パラメータを含む機器制御情報とに基づいて、指定された位置への移動を行うn状態制御対象機器であるアームの動作について記述し、前記タイムチャートから、プログラマブルコントローラが直接実行できるラダープログラムを自動作成する機能を備えた、制御プログラム自動作成装置の発明が記載されている。
また、下記特許文献3には、現在位置から目標位置に位置決め制御対象を到達させるための目標軌道を生成するにおいて、目的とする移動距離に応じて加速時間、等速時間、減速時間を変更して生成された台形速度指令を利用する点が記載されている。
特開2003−228403号公報 特開平7−191717号公報 特開2003−84838号公報
本発明の目的は、機械要素の移動速度が増加又は減少可能なアクチュエータに対して所期の動作を行わせるためのタイミングチャートをユーザが容易に作成できるタイムチャート作成装置、タイムチャート作成方法、プログラム及び情報記憶媒体を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るタイムチャート作成装置は、機械要素の移動量の入力を受け付ける移動量受付手段と、前記移動量に基づいて、前記機械要素の移動速度が徐々に増加し、又は徐々に減少する速度遷移を含むタイムチャートを算出するタイムチャート算出手段と、前記タイムチャートに基づいて、前記機械要素を制御するための制御データを出力する制御データ出力手段と、を含むタイムチャート作成装置であって、前記機械要素の加速時間又は減速時間の少なくとも一方の入力を受け付ける加減速時間受付手段、及び前記機械要素の加速度又は減速度の少なくとも一方の入力を受け付ける加減速度受付手段の少なくとも一方をさらに含み、前記タイムチャート算出手段は、前記移動量と、前記加速時間、前記減速時間、前記加速度及び前記減速度の少なくともいずれかに基づいて前記タイムチャートを算出し、前記タイムチャート算出手段は、前記移動量に応じて、少なくとも加速、定速及び減速動作を前記機械要素にさせる第一タイムチャートと、加速後減速に転じる動作を前記機械要素にさせる第二タイムチャートとを選択的に算出する
また、前記タイムチャート算出手段は、前記第二タイムチャートを算出する際に、前記加速時間又は前記減速時間の少なくとも一方が前記機械要素の動作として反映されるタイムチャートを算出してよい。
また、前記タイムチャート算出手段は、前記第二タイムチャートを算出する際に、前記加速度又は前記減速度の少なくとも一方が前記機械要素の動作として反映されるタイムチャートを算出してよい。
また、前記タイムチャート算出手段は、前記第二タイムチャートを算出する際に、前記加速時間又は前記減速時間の少なくとも一方が前記機械要素の動作として反映されるタイムチャートと、前記加速度又は前記減速度の少なくとも一方が前記機械要素の動作として反映されるタイムチャートと、を選択可能であってよい。
さらに、本発明の一態様では、入力ユニットからの入力に変化が生じるタイミングを受け付ける入力変化タイミング受付手段と、前記入力ユニットからの入力に変化が生じるタイミングと、前記タイムチャートが示す前記機械要素が移動を開始するタイミングと、の関連付けの入力を受け付ける関連付け受付手段と、をさらに含み、前記制御データ出力手段は、前記関連付けの入力が受け付けられる場合に、前記入力ユニットからの入力に変化が生じることを条件として、前記機械要素に移動を開始させるための制御データを出力する。
また、本発明の一態様では、特定の出力ユニットへの出力を、任意の入力ユニットからの入力信号及び任意の出力ユニットへの出力信号の少なくとも一方に連動して変化するよう設定する、出力連動設定手段を有してよい。
また、出力連動設定手段は、前記特定の出力ユニットへの出力を、前記入力信号及び前記出力信号の少なくとも一方に対し反転させるか否かを設定してよい。
また、本発明の一態様では、前記機械要素の最大速度の入力を受け付ける最大速度受付手段をさらに含み、前記タイムチャート算出手段は、前記第一タイムチャートを算出する際に、前記定速動作における前記機械要素の速度を前記最大速度としてよい。
また、本発明の一態様に係るタイムチャート作成装置は、機械要素の移動量の入力を受け付ける移動量受付手段と、前記移動量に基づいて、前記機械要素の移動速度が増加し、又は減少する速度遷移を含むタイムチャートを算出するタイムチャート算出手段と、前記タイムチャートに基づいて、前記機械要素を制御するための制御データを出力する制御データ出力手段と、を含むタイムチャート作成装置であって、前記機械要素の加速時間又は減速時間の少なくとも一方の入力を受け付ける加減速時間受付手段、及び前記機械要素の加速度又は減速度の少なくとも一方の入力を受け付ける加減速度受付手段の少なくとも一方をさらに含み、前記タイムチャート算出手段は、前記移動量と、前記加速時間、前記減速時間、前記加速度及び前記減速度の少なくともいずれかに基づいて前記タイムチャートを算出し、特定の出力ユニットへの出力を、任意の入力ユニットからの入力信号及び任意の出力ユニットへの出力信号の少なくとも一方に連動して変化するよう設定する、出力連動設定手段を有する。
また、本発明に係るコントローラは、上述のタイムチャート作成装置において作成されたタイムチャートを実行して前記機械要素を制御する。
また、本発明に係る機械要素制御システムは、上述のコントローラと、前記コントローラにより制御可能となるよう接続された機械要素と、を少なくとも備える。
また、本発明に係るタイムチャート作成方法は、機械要素の移動量の入力を受け付けるステップと、前記移動量に基づいて、前記機械要素の移動速度が徐々に増加し、又は徐々に減少する速度遷移を含むタイムチャートを算出するステップと、前記タイムチャートに基づいて、前記機械要素を制御するための制御データを出力するステップと、を含むタイムチャート作成方法であって、前記機械要素の加速時間又は減速時間の少なくとも一方の入力を受け付けるステップ、及び前記機械要素の加速度又は減速度の少なくとも一方の入力を受け付けるステップの少なくとも一方をさらに含み、前記タイムチャートを算出するステップは、前記移動量と、前記加速時間、前記減速時間、前記加速度及び前記減速度の少なくともいずれかに基づいて前記タイムチャートを算出前記タイムチャートを算出するステップは、前記移動量に応じて、少なくとも加速、定速及び減速動作を前記機械要素にさせる第一タイムチャートと、加速後減速に転じる動作を前記機械要素にさせる第二タイムチャートとを選択的に算出する
また、本発明に係るプログラムは、機械要素の移動量の入力を受け付ける移動量受付手段、前記移動量に基づいて、前記機械要素の移動速度が徐々に増加し、又は徐々に減少する速度遷移を含むタイムチャートを算出するタイムチャート算出手段、及び前記タイムチャートに基づいて、前記機械要素を制御するための制御データを出力する制御データ出力手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、さらに前記機械要素の加速時間又は減速時間の少なくとも一方の入力を受け付ける加減速時間受付手段、及び前記機械要素の加速度又は減速度の少なくとも一方の入力を受け付ける加減速度受付手段の少なくとも一方として前記コンピュータを機能させ、前記タイムチャート算出手段は、前記移動量と、前記加速時間、前記減速時間、前記加速度及び前記減速度の少なくともいずれかに基づいて前記タイムチャートを算出前記タイムチャート算出手段は、前記移動量に応じて、少なくとも加速、定速及び減速動作を前記機械要素にさせる第一タイムチャートと、加速後減速に転じる動作を前記機械要素にさせる第二タイムチャートとを選択的に算出する
また、本発明に係る情報記憶媒体は、機械要素の移動量の入力を受け付ける移動量受付手段、前記移動量に基づいて、前記機械要素の移動速度が徐々に増加し、又は徐々に減少する速度遷移を含むタイムチャートを算出するタイムチャート算出手段、及び前記タイムチャートに基づいて、前記機械要素を制御するための制御データを出力する制御データ出力手段、としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記憶したコンピュータ可読情報記憶媒体であって、さらに前記機械要素の加速時間又は減速時間の少なくとも一方の入力を受け付ける加減速時間受付手段、及び前記機械要素の加速度又は減速度の少なくとも一方の入力を受け付ける加減速度受付手段の少なくとも一方として前記コンピュータを機能させ、前記タイムチャート算出手段は、前記移動量と、前記加速時間、前記減速時間、前記加速度及び前記減速度の少なくともいずれかに基づいて前記タイムチャートを算出前記タイムチャート算出手段は、前記移動量に応じて、少なくとも加速、定速及び減速動作を前記機械要素にさせる第一タイムチャートと、加速後減速に転じる動作を前記機械要素にさせる第二タイムチャートとを選択的に算出する、プログラムを記憶したコンピュータ可読情報記憶媒体である。
本発明の実施形態に係るタイムチャート作成装置の機能ブロック図である。 本発明の実施形態に係るタイムチャート作成装置の物理的な構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係るタイムチャート作成装置の利用例を示す図である。 機械制御システムの動作例である。 タイムチャート編集画面の一例を示す図である。 タイムチャート編集画面に表示されるウィンドウの一例を示す図である。 チャートデータの一例を模式的に示す図である。 リンクデータの一例を模式的に示す図である。 サーボユニットに関するタイムチャートを編集する際のタイムチャート作成装置の処理を示すフロー図である。 サーボユニットに関するタイムチャートを示す図である。 サーボユニットに関するタイムチャートを示す図である。 タイムチャート編集画面の一例を示す図である。
上記特許文献1のシステムで扱うのは、アクチュエータの動作をオン又はオフさせるタイミングを指定するタイミングチャートだけであり(図2参照)、アクチュエータにより駆動される機械要素に対して移動速度を増加させたり、逆に移動速度を減少させたりするタイミングチャートを扱うことができない。また、上記特許文献2の制御プログラム自動作成装置では、生成される制御プログラムはラダープログラムであり、n状態制御対象機器の速度等は基本パラメータとして格納されているに過ぎず、機械要素の移動速度を増減させるタイムチャートをどのように取り扱うかについて何ら開示するところはない。
そこで本発明の発明者は、機械要素の移動速度を増減させるタイミングチャートをどのように取り扱うかについて鋭意研究開発を行った結果、新規かつ独創的なタイムチャート作成装置等に想到した。以下、かかるタイムチャート作成装置等をその実施形態を通じ詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るタイムチャート作成装置の機能ブロック図である。同図に示すタイムチャート作成装置10は、CPU(Central Processing Unit)を中心に構成された本体、フラットパネルなどを用いたディスプレイ、及びキーボードやポインティングデバイスなどの各種入力デバイスを備えたパーソナルコンピュータその他のコンピュータ、及びそこで実行されるプログラムにより構成されており、同図に示される各機能ブロックは同プログラムを実行することにより実現される。プログラムは、各種の光磁気ディスクや半導体メモリなどのコンピュータ可読情報記憶媒体に格納されてよく、該媒体からコンピュータにインストールされてもよい。或いは、インターネットなどの各種の情報通信ネットワークからコンピュータにダウンロードされてもよい。
タイムチャート作成装置10は、制御内容を記述した制御データであるプログラムを実行することにより機械要素を制御する機械制御システムに関して、ユーザが任意のプログラムを作成するのを支援する装置であり、具体的にはタイムチャート(運転パターン図)をコンピュータの画面上で作成するのを支援する。また、タイムチャート作成装置10は、こうして作成されるタイムチャートを機械制御システムに含まれるコントローラにおいて実行可能な制御データに変換する。変換された制御データは機械制御システムに転送され、そこで実行される。
図2は、タイムチャート作成装置10の物理的な構成を示すブロック図である。タイムチャート作成装置10は一般的なコンピュータであり、CPU10a、RAM(Random Access Memory)10b、外部記憶装置10c、GC(Graphics Controller)10d、入力デバイス10e及びI/O(Inpur/Output)10fがデータバス10gにより相互に電気信号のやり取りができるよう接続されている。ここで、外部記憶装置10cはHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の静的に情報を記録できる装置である。またGC10dからの信号はCRT(Cathode Ray Tube)やいわゆるフラットパネルディスプレイ等の、使用者が視覚的に画像を認識するモニタ10hに出力され、画像として表示される。入力デバイス10eはキーボードやマウス、タッチパネル等の、ユーザが情報を入力するための機器であり、I/O10fはタイムチャート作成装置8が外部の機器、ここでは、コントローラ2と情報をやり取りするためのインタフェースである。
図3は、タイムチャート作成装置10の利用例を示す図である。同図には、パーソナルコンピュータにより構成されたタイムチャート作成装置10が、機械制御システムのコントローラ100に接続された状態が示されている。一例として示される機械制御システムは、PLC(Programmable Logic Controller)等、マイクロプロセッサを内蔵してプログラムを実行することにより接続機器を制御可能なコントローラ100を含んでいる。ここではコントローラ100には、プッシュスイッチ102、センサ104、サーボユニット105及びLED110が接続されている。サーボユニット105は、サーボアンプ106と機構108を含んでおり、機構108は、サーボモータ108a及びその回転動作を直線動作に変換する機構である動作変換機構108bから構成される。サーボアンプ106はコントローラ100から動作指示を受信し、該指示に従ってサーボモータ108aを駆動制御する。動作変換機構108bは、サーボモータ108aにより駆動されるボールねじ及び該ボールねじに結合されボールねじの延伸方向に直線移動するスライダを含んでいる。ボールねじの端部にはセンサ104が配置されており、スライダがボールねじの端部に達した場合にはセンサ104からスライダを検知した旨の出力がコントローラ100に入力される。
以下では、解り易さのため、タイムチャート作成装置10を用いて、図3に示される機械制御システムに対し、次の動作を行わせるためのタイムチャートを作成する例について説明する。すなわち、一例として示される機械制御システムでは、図4に示されるように、プッシュスイッチ102を押下すると(S1)、100msだけ待機し(S2)、運動変換機構108bがスライダの移動を開始する(S3)。すると、スライダが動作変換機構108bの端部に達し、センサ104からスライダを検知した旨の出力がなされる(S4)。この出力があると、コントローラ100はLED110を点灯する(S5)。その後にスライダが停止すると(S7)、100msだけ待機してから(S7)、LED110を消灯する(S8)。
図5は、タイムチャート作成装置10のディスプレイに表示されるタイムチャート編集画面の一例を示している。画面に示されるタイムチャートは、図4に示される動作を機械制御システムに実行させるためのものであり、画面上方から順に、ユニット1であるプッシュスイッチ102からの入力信号を示すタイムチャート20−1、ユニット2であるサーボユニット105の運転パターンを示すタイムチャート20−2、ユニット3であるセンサ104からの入力信号を示すタイムチャート20−3、ユニット4であるLED110に対する出力信号を示すタイムチャート20−4が示されている。機械制御システムに含まれるユニットの数に応じて編集画面上のタイムチャートの数は任意に増減することができる。また、各タイムチャートに対応するユニットの種別(入力ユニット、出力ユニット、又はサーボユニット)をタイムチャート作成装置10に設定することができる。
タイムチャート20−1〜20−4の横軸は時間軸である。一方、縦軸の意味はユニットの種類によって異なる。すなわち、入力ユニット又は出力ユニットのタイムチャートであるタイムチャート20−1,20−3,20−4の縦軸は、入力信号又は出力信号のレベルを示す。また、サーボユニット105のタイムチャート20−2の横軸は、サーボユニット105により駆動される移動体であるスライダの移動速度を示す。なお、ここで入力ユニットとは、ハイ又はローのいずれかの信号レベルを入力信号としてコントローラ100に入力する機器を、出力ユニットとはハイ又はローのいずれかの信号レベルを出力信号としてコントローラ100からの出力を受ける機器を指すものとする。また、サーボユニット105のように、移動体を駆動する機器を機械要素と呼ぶこととする。
図4のS1に対応して、プッシュスイッチ102のタイムチャート20−1には、プッシュスイッチ102が押下されたタイミングで立ち上がり、押下が取りやめられたタイミングで立ち下がる波形22が含まれている。また、図4のS2に対応して、サーボユニット105のタイムチャート20−2には、100msの待機を示す識別線23が含まれている。さらに、図4のS3及びS6に対応して、タイムチャート20−2には、所定加速度で加速、一定速度で移動、所定加速度で減速を示す台形状の波形24が含まれている。また、図4のS4に対応して、センサ104のタイムチャート20−3には、波形24の右端部と重なる位置にて立ち上がる波形26が含まれている。さらに、図4のS5に対応して、LED110のタイムチャート20−4に含まれる波形28は、センサ104に係る波形24の立ち上がりと同期して立ち上がっている。また、図4のS7に対応して、タイムチャート40−4には、サーボユニット105に係る波形24の右端のタイミングから100msの待機を示す識別線23が含まれている。また、図4のS8に対応して、識別線23の右端のタイミングにて、波形28は立ち下がっている。なお、各タイムチャートにおいてゼロクロスのタイミングには、「01」「02」などの識別番号が示されている。
また、図4に示される機械制御システムの動作において、S2に係る100msの待機は、S1に係るプッシュスイッチ102の押下を条件として、開始している。このため、図5に示される画面では、プッシュスイッチ102のタイムチャート20−1に含まれる波形22の立ち上がりタイミングと、100msの待機を示す識別線23の左端タイミングと、の間には、両者を結ぶ湾曲した形状の条件線32が示されている。
同様に、図4に示される機械制御システムの動作において、S5に係るLED110の点灯は、S4に係るセンサ104の出力を条件として、開始している。このため、図5に示される画面では、センサ104のタイムチャート20−3に含まれる波形26の立ち上がりタイミングと、LED110に係るタイムチャート20−4に含まれる波形28の立ち上がりタイミングと、の間にも、両者を結ぶ湾曲した形状の条件線32が示されている。さらに、図4に示される機械制御システムの動作において、S7に係る100msの待機は、S6に係るスライダの移動完了を条件として、開始している。このため、図5に示される画面では、タイムチャート20−2に含まれる波形24の右端タイミング(移動完了のタイミング)と、100msの待機を示す識別線23の左端タイミングと、の間にも、両者を結ぶ湾曲した形状の条件線32が示されている。
図5に示される画面において、タイムチャート20−1〜20−4の形状は、マウス等のポインティングデバイス、及びキーボードやテンキー等の数値入力デバイスを用い、ユーザが任意に編集することができる。例えば、入出力ユニットであるユニット1,3,4のタイムチャート20−1,20−3,20−4は、ポインティングデバイスによりカーソル30を移動させ、カーソル30にてタイムチャート上の任意の位置を指定することにより、立ち上がり又は立下りを付与できる。このとき、入力ユニットであるユニット1のタイムチャート20−1に関して、入力受付部12aは、入力ユニットからの入力に変化が生じるタイミングを受け付ける入力変化タイミング受付手段として機能する。
一方、サーボユニット105に係るタイムチャート20−2については、波形24の開始タイミングをカーソル30で指定すると、図6に示されるウィンドウ34が重畳表示されるようになっている。ウィンドウ34には、台形状の波形24の詳細を指定するためのデータを入力するための複数の数値入力フォームが含まれている。すなわち、ウィンドウ34において、スライダの移動開始時間、スライダの加速時間、スライダの減速時間、スライダの移動量(移動距離)、スライダの最大速度を、キーボードやテンキー等の数値入力デバイスで入力するようになっている。スライダの移動開始時間は、波形24の左端位置に対応しており、スライダの加速時間は、波形24の右上がり斜線の水平方向の長さに対応しており、スライダの減速時間は、波形24の右下がり斜線の水平方向の長さに対応している。スライダの移動量は、波形24の面積に対応しており、スライダの最大速度は、台形状の波形24の高さに対応している。これらの情報に関する数値を入力し、ウィンドウ34に含まれるOKボタン34aをクリックすることにより、タイムチャート作成装置10は、入力された数値から波形24の形状を特定し、タイムチャート20−2の形状を更新する。一方、ウィンドウ34に含まれるキャンセルボタン34bをクリックすることにより、ウィンドウ34を消すことができる。
また、図5に示される画面において、ポインティングデバイスを用いて、駆動イベントに対応する、任意のタイムチャート上のタイミングと、被駆動イベントに対応する、別の任意のタイムチャート上のタイミングと、をカーソル30で指定することで、上述の条件線32を付加することができる。駆動イベントに対応するタイミングとしては、プッシュスイッチ102やセンサ104等の入力ユニットに係るタイムチャートの立ち上がりタイミング並びに立下りタイミング、及びサーボユニット105の移動完了タイミングが指定できる。一方、被駆動イベントに対応するタイミングとしては、LED等の出力ユニットに係るタイムチャートの立ち上がりタイミングや、サーボユニット105の移動開始タイミングが指定できる。また、条件線32の付加に際しては、図示しないウィンドウが表示され、待機時間を入力できるようになっている。待機時間を数値入力デバイスで入力することにより、被駆動イベントの開始前に待機時間が挿入され、識別線23が画面上に表示されることになる。タイムチャート作成装置10では、駆動イベントに対応するタイミングが到来することを条件として、被駆動イベントを開始させるための制御データをタイムチャートから生成し、これをコントローラ100に転送する。また、待機時間が入力された場合には、被駆動イベントの開始前に入力された時間だけ待機する制御データをタイムチャートから生成し、これをコントローラ100に転送する。
なお、条件線32及び識別線23の入力を受け付ける際には、入力受付部12aは、入力ユニットからの入力に変化が生じるタイミングとタイムチャートが示す機械要素が移動を開始するタイミングと、の関連付けの入力を受け付ける関連付け受付手段として機能している。
図1に戻ると、同図に示すようにタイムチャート作成装置10は、機能的にはUI(User Interface)部12、制御データ出力部14、チャートデータ記憶部16及び設定データ記憶部18を含んでいる。UI部12は、入力受付部12a、チャート算出部12b及びチャート表示部12cを含んでいる。入力受付部12aは、移動量受付手段、加減速時間受付手段、加減速度受付手段、最大速度受付手段、入力変化タイミング受付手段、関連付け受付手段及び出力連動設定手段の各一例であり、数値入力デバイスから各種数値データを受け付けたり、ポインティングデバイスによりタイムチャート上のタイミングの指定を受け付けたり、ユーザの各種の意思表示を受け付けたりする。
特に、入力受付部12aは、図6に示されるように、サーボユニット105に関しては、スライダの移動量、スライダの加速時間及び減速時間又はスライダの加速度及び減速度、スライダの最大速度の入力を受け付ける。さらに、上述のように条件線32及び識別線23の入力を受け付ける。また、チャート算出部12bは、タイムチャート算出手段の一例であり、入力受付部12aにより受け付けられる入力に基づいて各タイムチャートの形状を算出する。特に、サーボユニット105に関しては、入力されるスライダの移動量、加速時間、減速時間、加速度、減速度、最大速度の少なくともいずれかに基づいて、スライダの移動速度が徐々に増加し、その後に徐々に減少する速度遷移を示すタイムチャートを算出する。具体的には、波形24と時間軸とにより囲まれる領域の面積が指定された移動量となるよう、徐々に速度を上げ、その後に徐々に速度を下げる波形24を算出する。
ここで、指定された移動量が十分に大きい場合には、スライダが最大速度まで加速され、その後一定速度で動作することとなる(定速動作)。この定速動作を含むタイムチャートを第一タイムチャートと呼ぶこととすると、第一タイムチャートでは、波形24を台形とし、指定された加速時間にわたり指定された最大速度に達するまで所定の加速度で加速するか、指定された加速度で指定された最大速度に達するまで加速する加速動作、指定された最大速度での定速移動、指定された減速時間にわたり停止するまで所定の減速度で減速するか、指定された減速度で停止するまで減速する減速動作をスライダに順に行わせる。
これに対し、指定された移動量が小さい場合には、スライダが最大速度まで加速されることなく減速することとなる。この加速後減速に転じる動作を第二タイムチャートと呼ぶこととすると、第二タイムチャートでは、波形24は指定された加速時間にわたり所定の加速度で加速するか、指定された加速度で加速する加速動作の後、指定された減速時間にわたり所定の減速度で減速するか、指定された減速度で減速する減速動作をさせる三角波形となる。したがって、チャート算出部12bは、スライダの移動量に応じて、第一タイムチャートと第二タイムチャートとを選択的に算出することとなる。
この点について説明すると、発明者の知見によれば、背景技術として提示したものを含め、従来知られているタイムチャート作成装置では、ユーザの利便性や実情を考慮したきめ細やかな動作の記述まで考慮されていないため、例えば、速度波形自体は、模擬的にその動作を可視化した簡易の波形が算出されたり、実際の機械要素の動作に対応していないような波形が算出されるのみに留まる場合が殆どであった。これに対し、本実施形態に係るタイムチャート作成装置10によれば、実際の機械要素の動作に応じた波形を算出することができる。特に、このタイムチャート作成装置では、例えば、移動距離を指定した場合、その移動距離の多寡により波形を、実際の機械要素の動作を反映した複数種類のタイムチャート(ここでは、第一タイムチャート及び第二タイムチャート)を、選択的に算出することが可能である。従って、実際の機械要素の動作を反映したタイムチャートの生成が可能であり、タイムチャート作成装置が作成できる動作の適用範囲を大幅に拡大することが可能である。
図6では、入力受付部12aは、GUIとしてウィンドゥ34を表示し、チャート算出部12bがスライダの波形24を算出する際に、加速時間及び減速時間を用いるか、加速度及び減速度を用いるかを選択させるようになっている。すなわち、ラジオボタン34c及びラジオボタン34dのいずれかを選択することにより、加速時間及び減速時間を用いるか、加速度及び減速度を用いるかが選択される。また、図6に示されているようにラジオボタン34cが選択されている場合には加速時間及び減速時間の入力欄がアクティベートされ、入力可能となる一方、加速度及び減速度の入力欄はディスアクティベートされ、入力不能となる。ラジオボタン34dが選択された場合には逆となる。なお、図6ではディスアクティベートされていることを破線により示しているが、実際のウィンドゥ34上ではグレーアウト等することにより明示してよい。また、図6に示したウィンドゥ34はGUIの一例であり、他のデザインを用いてもよい。さらに、本実施形態では、加速時間及び減速時間を用いるか、加速度及び減速度を用いるかは波形毎(すなわち、第一タイムチャート及び第二タイムチャート毎)に選択できるようになっているが、これを機械要素であるサーボユニット105毎に選択するようにしてもよい。
また、図6に示したウィンドゥ34における加速時間及び減速時間の入力欄は入力受付部12aにより実現される加減速度受付手段に、加速度及び減速度の入力欄は入力受付部12aにより実現される加減速時間受付手段に、移動量の入力欄は入力受付部12aにより実現される移動量受付手段に、最大速度の入力欄は入力受付部12aにより実現される最大速度受付手段の一例を示している。
なお、加速時間と減速時間又は加速度と減速度とを同じとする場合には、いずれか一方の入力をユーザに行わせればよい。また、最大速度は、ユーザに入力させてもよいが、タイムチャート作成装置10にて固定値を保持しておいたり、或いはサーボアンプ106その他の他の装置から取得したりしてもよい。また、本明細書で減速度とは、速度を減じる方向の加速度(すなわち、負の加速度)を意味するものとし、「所定の加速度で加速」または「所定の減速度で減速」という場合は、加速中の加速度又は減速中の減速度を一定に保つ場合のみならず、加速中の加速度又は減速中の減速度が全体として所定の加速度又は減速度となるように加速度又は減速度を滑らか又は段階的に変化させる場合を含むものとする。例えば、いわゆるS字カーブにより加速度又は減速度を変化させる場合が含まれる。チャート表示部12cは、チャート算出部12bにより算出されるタイムチャートをディスプレイに表示する。
チャートデータ記憶部16は、図7に示すように、ユーザにより作成される各ユニットのタイムチャートの形状を特定するデータを記憶する。このデータは、例えば各タイムチャートの頂点列を特定するデータであってよい。また、上述のように、各タイムチャートにおいてゼロクロスのタイミングに関連づけて識別番号も記憶される。
チャートデータ記憶部16は、さらに図8に模式的に示すリンクデータを記憶する。リンクデータは、上述した条件線32及び識別線23を特定するデータである。ユーザにより駆動イベント及び被駆動イベントに関するタイミングが指定され、必要に応じて待機時間が入力されると、それらを特定するデータをチャートデータ記憶部16に格納する。同図に示すように、駆動イベント及び被駆動イベントに関するタイミングは、ユニットの番号及びタイムチャートのゼロクロスタイミングの識別番号により特定されてよい。
設定データ記憶部18は、機械制御システムに関する種々の情報を記憶する。これらの情報は、数値入力デバイスやポインティングデバイスを用いてユーザにより入力されてよい。また、一部又は全部は、インターネット等の情報通信ネットワークを介して他のコンピュータからダウンロードされてよい。ここでは、設定データには、チャートデータ記憶部16にタイムチャートが記憶された各ユニットの種別のデータが含まれる。また、各ユニットが、コントローラ100のどの制御ポートに対応するのかを示す、割り付けデータが含まれる。さらに、サーボモータ108aの回転運動とスライダの直線運動との変換レートなど、サーボユニット105に関する詳細情報も含まれる。
制御データ出力部14は、制御データ出力手段の一例であり、チャートデータ記憶部16に記憶される各ユニットのタイムチャートのデータ、リンクデータ、及び設定データ記憶部18に記憶される割り付けデータや変換レートに基づいて、コントローラ100で解釈及び実行が可能な制御データを生成する。そして、生成された制御データをコントローラ100に転送する。制御データは、LED110等の出力デバイスやサーボユニット105については、タイムチャートにより指定された時刻が到来すると指定された動作を行うよう指示するデータを含む。また、特にリンクデータにより指示されている場合には、制御データは、駆動イベントに係るタイミングの到来を監視し、同タイミングが到来すれば、必要に応じて指定時間だけ経過した後、被駆動イベントを開始させるデータを含む。
ここで、図1に示されるチャート算出部12bの処理のうち、特にサーボユニット105に係る波形を算出する処理を説明する。図9は、サーボユニットに関するタイムチャートを編集する際のタイムチャート作成装置の処理を示すフロー図である。同図は、図6に示されるウィンドウ34に含まれるOKボタン34aがクリックされた際に実行されるものである。また、指定された開始時間をts、指定された移動量(面積に相当)をX、指定された加速時間をTa、指定された減速時間をTd、指定された加速度をAa、指定された減速度をAd、指定された最高速度をVmとする。さらに、これらの値から算出される最高速度Vmでの移動時間である定速運転時間をTcとする。
図9に示すように、この処理では、まず加速期間Ta及び減速期間Tbにおけるスライダの移動量X1を次式(1)又は(2)に従って算出する(S101)。なお、式(1)は指定された加速時間及び減速時間を用いる場合、式(2)は指定された加速度及び減速度を用いる場合である。
Figure 0005994848
Figure 0005994848
次に移動量Xと移動量X1とを比較する(S102)。移動量Xの方が大きければ、同処理で生成される波形は台形状となるから、チャート算出部12bは第一タイムチャートを算出することになる。移動量Xの方が小さければ、同処理で生成される波形は三角形状となるから、チャート算出部12bは第二タイムチャートを算出することになる。
第一タイムチャートを算出する場合には、チャート算出部12bは、定速運転時間Tcを次式(3)に従って算出する(S103)。
Figure 0005994848
そして、生成される第一タイムチャートの形状及び各頂点を図10(a)に示す通りのものとすると、その後、台形の各頂点P1〜P4の座標(t1,V1)〜(t4,V4)を指定された加速時間及び減速時間を用いる場合には次式(4)〜(11)に従って、指定された加速度及び減速度を用いる場合には次式(12)〜(19)に従って、算出する(S104)。
Figure 0005994848
Figure 0005994848
一方、S102において、移動量Xが移動量X1より大きくなければ、第二タイムチャートを算出するべく、チャート算出部12bはまず、移動量Xが移動量X1に等しいか否かを判断する(S105)。そして、等しければ、定常運転時間Tcが零である三角形状の波形、すなわち図10(b)に示す波形の各頂点P1〜P3の座標(tr1,Vr1)〜(tr3,Vr3)を指定された加速時間及び減速時間を用いる場合には次式(20)〜(25)に従って、指定された加速度及び減速度を用いる場合には次式(26)〜(31)に従って、算出する(S106)。
Figure 0005994848
Figure 0005994848
また、S105において移動量Xが移動量X1に等しくなければ、最大速度Vmを補正する(S107)。具体的には、指定された加速時間Ta及び減速時間Td、または指定された加速度Aa及び減速度Adによる三角形状の波形に従ってスライダを移動させた場合に、その移動量が指定された移動量Xとなるよう、最大速度Vmを補正する。補正後の最大速度Vm’は、指定された加速時間及び減速時間を用いる場合には次式(32)により、指定された加速度及び減速度を用いる場合には次式(33)により求められる。
Figure 0005994848
Figure 0005994848
その後、補正後の最大速度Vm’を最大速度Vmの代わりに用いて、三角波形の各頂点を求める(S108)。このときの処理は、S106における処理と同一で良い。すなわち、波形の各頂点P1〜P3の座標(tr1,Vr1)〜(tr3,Vr3)を指定された加速時間及び減速時間を用いる場合には前述の式(20)〜(25)に従って、指定された加速度及び減速度を用いる場合には前述の式(26)〜(31)に従って、算出する。
図11(a)は、補正後の最大速度Vm’を最大速度Vmの代わりとし、指定された加速時間及び減速時間を用いて求められた三角波形を示す図であり、図11(b)は、同じく補正後の最大速度Vm’を最大速度Vmの代わりとし、指定された加速度及び減速度を用いて求められた三角波形を示す図である。なお、図11(a)及び図11(b)では、Vm=Vm’である場合の三角波形を参考のため一点鎖線で示した。図11(a)に示されるように、指定された加速時間及び減速時間を用いる場合には、得られる第二タイムチャートは指定された加速時間Ta及び減速時間Tdがスライダの動作に反映されたものとなる。一方、図11(b)に示されるように、指定された加速度及び減速度を用いる場合には、得られる第二タイムチャートは、指定された加速度Aa及び減速度Adがスライダの動作に反映されたものとなる。すなわち三角波形の加速時及び減速時の傾きは指定された通りの値であり変化しない。
なお、最大速度Vmを補正する場合には、画面に補正後の最大速度Vm’を表示するとともに、例えば「最大速度Vmを変更する必要があります。」などのメッセージを出力するとともに、ウィンドウ34の最大速度に係る数値入力欄に補正後の最大速度Vm’を設定して表示し、ユーザの確認を求めるようにしてもよい。この状態で、ユーザがOKボタン34aを再度クリックすれば、補正後の最大速度Vm’を用いて、図9のS108の処理が実行されることになる。なお、S107において算出される補正後の最大速度Vm’が微小値の場合にはエラーメッセージを出力するようにしてよい。
以上説明したように、本実施形態に係るタイムチャート作成装置10は、指定された加速時間及び減速時間を用いてタイムチャートを作成する場合と、指定された加速度及び減速度を用いてタイムチャートを作成する場合を含んでいる。さらに、図6にて説明したように、指定された加速時間及び減速時間を用いる場合と指定された加速度及び減速度を用いる場合とを選択することもできる。
この点について説明すると、発明者の知見によれば、背景技術として提示したものを含め、従来知られているタイムチャート作成装置では、デフォルトでどのような速度波形が形成されるのかは一義で決定されている。これに対し機械要素制御システムを構築するに際しては、例えば、機械要素の制約上などの理由により、加速度等を一定にして機械要素を動かすことが望まれる場合や、それと反して、加速時間等を一定にして機械要素を動かすことが望まれる場合などが存在する。
しかしながら、従来知られているタイムチャート作成装置では、タイムチャートは簡易的に作成され、また、作成されたタイムチャートはラダー言語等の他の言語に変換されてしまい、機械要素の詳細な速度波形を記述することが難しいといった背景から、タイムチャートを作成する上でこのような要請は無視されており、タイムチャート作成装置が現実的に普及しない理由の一つとなっている。しかしながら、本実施形態に係るタイムチャート作成装置10によれば、加速度或いは加速時間等の、機械要素の詳細な速度波形を反映したタイムチャートを作成することができる。これにより、加速度等を一定にして機械要素を動かすことが望まれるような場合にも、そのような要請に応じた適切なタイムチャートを作成することができる。また、加速時間等を一定にして機械要素を動かすことが望まれる場合にも、そのような要請に応じた適切なタイムチャートを作成することができる。更に、これら相異なる性質のタイムチャートのいずれを作成するのかを選択することで、ユーザの細やかな要請に対応することが可能である。従って、本実施形態に係るタイムチャート作成装置10によれば、よりタイムチャートによる機械要素の動作の記述の柔軟性を高め、ユーザの利便性を向上させることが可能である。
ところで、図5に示したタイムチャートでは、ユニット毎の動作と、その相互の関係が視覚的に理解しやすい形で示されている一方、その動作が事前に定まっていない信号に応答する出力ユニットの動作を十分に記述できない。図5の例では、ユニット4であるLED110の動作はユニット2であるサーボユニット105のタイムチャート20−2と、サーボユニット105の動作に応じて作動するセンサ104のタイムチャート20−3に関連付けられており、サーボユニット105の動作を定めると、LED110の動作も概ね予測可能である。これに対し、ユニット1であるプッシュスイッチ102は人為的に操作されるものであるから、どのような操作がなされるかを事前に予測することはできず、そのため、例えばプッシュスイッチ102の操作に連動してLED110が点灯するといった動作をタイムチャートとして記述することは難しい。
そこで、本実施形態のタイムチャート作成装置10では、特定の出力ユニット(ここではLED110)への出力を、任意の入力ユニットからの入力信号及び任意の出力ユニットへの出力信号の少なくとも一方に連動して変化するようにする設定(出力連動設定)が可能となっている。
具体的には、図12に示すように、入力受付部12aは、出力ユニットであるLED110を選択することにより例えばGUIとしてウィンドゥ35を表示し、チェックボックス35aをチェックすることにより出力連動設定をすることが可能である。チェックボックス35aをチェックし、入力欄35bに出力を連動させる対象(出力連動元)となる入力ユニット及び出力ユニットのいずれかを選択することにより、当該出力ユニットの出力は選択された入力ユニット又は出力ユニットの信号に連動して変化するようになる。図12の例では、入力欄35bにユニット1であるプッシュスイッチ102が選択されているため、プッシュスイッチ102の押下げ及びその解除に連動してLED102が点灯及び消灯することになる。なお、このときタイムチャート上では出力連動設定がされたユニットの波形は表示されず、出力連動設定がなされている旨及びその出力連動元が表示されるようになっている。
この点について説明すると、そもそもタイムチャートは機器の動作を時間軸上に記述するものであり、ラダー言語のような論理回路を記述することを主とするものとは異なっている。そのため、発明者の知見によれば、背景技術として提示したものを含め、従来知られているタイムチャート作成装置では、タイムチャートを用いて機器の動作を記述するにあたり、例えば任意のタイミングに入力信号を受け付け、その信号と連動して出力信号を出力するような論理演算で記述されるような処理は考慮されていない。これに対し、本実施形態に係るタイムチャート作成装置10によれば、出力連動設定手段を有することにより、時間軸上に機器の動作を記述するタイムチャートでありながら、このような簡易の論理演算処理を可能としている。従って、タイムチャート作成の自由度を大幅に向上させることができる。
なお、ウィンドゥ35中のチェックボックス35cをチェックすると、出力連動設定がされた出力ユニットの出力が、出力連動元である入力ユニット又は出力ユニットの信号に対して反転したものとなる。このウィンドゥ35は入力受付部12aにより実現される出力連動設定手段の一例である。
以上説明した本実施形態によれば、スライダその他の機械要素の移動量等の情報を入力することで、当該機械要素の速度遷移を示すタイムチャートが自動生成される。そして、このタイムチャートは、コントローラ100において解釈・実行可能な制御データに変換される。このため、ユーザは機械要素の移動量という直感的な情報を入力するだけで、機械要素に対し、移動速度が徐々に増加し、その後に徐々に減少する動作を行わせることができるようになる。
なお、以上の説明では、説明の簡単のために直線移動する機械要素であるスライダを取り上げたが、回転移動する機械要素であっても本発明は同様に適用できる。

Claims (14)

  1. 機械要素の移動量の入力を受け付ける移動量受付手段と、
    前記移動量に基づいて、前記機械要素の移動速度が増加し、又は減少する速度遷移を含むタイムチャートを算出するタイムチャート算出手段と、
    前記タイムチャートに基づいて、前記機械要素を制御するための制御データを出力する制御データ出力手段と、
    を含むタイムチャート作成装置において、
    前記機械要素の加速時間又は減速時間の少なくとも一方の入力を受け付ける加減速時間受付手段、及び前記機械要素の加速度又は減速度の少なくとも一方の入力を受け付ける加減速度受付手段の少なくとも一方をさらに含み、
    前記タイムチャート算出手段は、前記移動量と、前記加速時間、前記減速時間、前記加速度及び前記減速度の少なくともいずれかに基づいて前記タイムチャートを算出
    前記タイムチャート算出手段は、前記移動量に応じて、少なくとも加速、定速及び減速動作を前記機械要素にさせる第一タイムチャートと、加速後減速に転じる動作を前記機械要素にさせる第二タイムチャートとを選択的に算出する、
    タイムチャート作成装置。
  2. 請求項に記載のタイムチャート作成装置において、
    前記タイムチャート算出手段は、前記第二タイムチャートを算出する際に、前記加速時間又は前記減速時間の少なくとも一方が前記機械要素の動作として反映されるタイムチャートを算出する、
    タイムチャート作成装置。
  3. 請求項又はに記載のタイムチャート作成装置において、
    前記タイムチャート算出手段は、前記第二タイムチャートを算出する際に、前記加速度又は前記減速度の少なくとも一方が前記機械要素の動作として反映されるタイムチャートを算出する、
    タイムチャート作成装置。
  4. 請求項に記載のタイムチャート作成装置において、
    前記タイムチャート算出手段は、前記第二タイムチャートを算出する際に、前記加速時間又は前記減速時間の少なくとも一方が前記機械要素の動作として反映されるタイムチャートと、前記加速度又は前記減速度の少なくとも一方が前記機械要素の動作として反映されるタイムチャートと、を選択可能である、
    タイムチャート作成装置。
  5. 請求項1に記載のタイムチャート作成装置において、
    入力ユニットからの入力に変化が生じるタイミングを受け付ける入力変化タイミング受付手段と、
    前記入力ユニットからの入力に変化が生じるタイミングと、前記タイムチャートが示す前記機械要素が移動を開始するタイミングと、の関連付けの入力を受け付ける関連付け受付手段と、をさらに含み、
    前記制御データ出力手段は、前記関連付けの入力が受け付けられる場合に、前記入力ユニットからの入力に変化が生じることを条件として、前記機械要素に移動を開始させるための制御データを出力する、
    タイムチャート作成装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のタイムチャート作成装置において、
    特定の出力ユニットへの出力を、任意の入力ユニットからの入力信号及び任意の出力ユニットへの出力信号の少なくとも一方に連動して変化するよう設定する、出力連動設定手段を有する、
    タイムチャート作成装置。
  7. 請求項に記載のタイムチャート作成装置において、
    前記出力連動設定手段は、前記特定の出力ユニットへの出力を、前記入力信号及び前記出力信号の少なくとも一方に対し反転させるか否かを設定する、
    タイムチャート作成装置。
  8. 請求項1〜4のいずれかに記載のタイムチャート作成装置において、
    前記機械要素の最大速度の入力を受け付ける最大速度受付手段をさらに含み、
    前記タイムチャート算出手段は、前記第一タイムチャートを算出する際に、前記定速動作における前記機械要素の速度を前記最大速度とする、
    タイムチャート作成装置。
  9. 機械要素の移動量の入力を受け付ける移動量受付手段と、
    前記移動量に基づいて、前記機械要素の移動速度が増加し、又は減少する速度遷移を含むタイムチャートを算出するタイムチャート算出手段と、
    前記タイムチャートに基づいて、前記機械要素を制御するための制御データを出力する制御データ出力手段と、
    を含むタイムチャート作成装置において、
    前記機械要素の加速時間又は減速時間の少なくとも一方の入力を受け付ける加減速時間受付手段、及び前記機械要素の加速度又は減速度の少なくとも一方の入力を受け付ける加減速度受付手段の少なくとも一方をさらに含み、
    前記タイムチャート算出手段は、前記移動量と、前記加速時間、前記減速時間、前記加速度及び前記減速度の少なくともいずれかとに基づいて前記タイムチャートを算出し、
    特定の出力ユニットへの出力を、任意の入力ユニットからの入力信号及び任意の出力ユニットへの出力信号の少なくとも一方に連動して変化するよう設定する、出力連動設定手段を有する、
    タイムチャート作成装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のタイムチャート作成装置において作成されたタイムチャートを実行して前記機械要素を制御するコントローラ。
  11. 請求項10に記載のコントローラと、
    前記コントローラにより制御可能となるよう接続された機械要素と、
    を少なくとも備えた機械要素制御システム。
  12. 機械要素の移動量の入力を受け付けるステップと、
    前記移動量に基づいて、前記機械要素の移動速度が増加し、又は減少する速度遷移を含むタイムチャートを算出するステップと、
    前記タイムチャートに基づいて、前記機械要素を制御するための制御データを出力するステップと、
    を含むタイムチャート作成方法において、
    前記機械要素の加速時間又は減速時間の少なくとも一方の入力を受け付けるステップ、及び前記機械要素の加速度又は減速度の少なくとも一方の入力を受け付けるステップの少なくとも一方をさらに含み、
    前記タイムチャートを算出するステップは、前記移動量と、前記加速時間、前記減速時間、前記加速度及び前記減速度の少なくともいずれかに基づいて前記タイムチャートを算出
    前記タイムチャートを算出するステップは、前記移動量に応じて、少なくとも加速、定速及び減速動作を前記機械要素にさせる第一タイムチャートと、加速後減速に転じる動作を前記機械要素にさせる第二タイムチャートとを選択的に算出する、
    タイムチャート作成方法。
  13. 機械要素の移動量の入力を受け付ける移動量受付手段、
    前記移動量に基づいて、前記機械要素の移動速度が増加し、又は減少する速度遷移を含むタイムチャートを算出するタイムチャート算出手段、
    前記タイムチャートに基づいて、前記機械要素を制御するための制御データを出力する制御データ出力手段、
    としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
    さらに前記機械要素の加速時間又は減速時間の少なくとも一方の入力を受け付ける加減速時間受付手段、及び前記機械要素の加速度又は減速度の少なくとも一方の入力を受け付ける加減速度受付手段の少なくとも一方として前記コンピュータを機能させ、
    前記タイムチャート算出手段は、前記移動量と、前記加速時間、前記減速時間、前記加速度及び前記減速度の少なくともいずれかに基づいて前記タイムチャートを算出
    前記タイムチャート算出手段は、前記移動量に応じて、少なくとも加速、定速及び減速動作を前記機械要素にさせる第一タイムチャートと、加速後減速に転じる動作を前記機械要素にさせる第二タイムチャートとを選択的に算出する、
    プログラム。
  14. 機械要素の移動量の入力を受け付ける移動量受付手段、
    前記移動量に基づいて、前記機械要素の移動速度が増加し、又は減少する速度遷移を含むタイムチャートを算出するタイムチャート算出手段、
    前記タイムチャートに基づいて、前記機械要素を制御するための制御データを出力する制御データ出力手段、
    としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記憶したコンピュータ可読情報記憶媒体であって、
    さらに前記機械要素の加速時間又は減速時間の少なくとも一方の入力を受け付ける加減速時間受付手段、及び前記機械要素の加速度又は減速度の少なくとも一方の入力を受け付ける加減速度受付手段の少なくとも一方として前記コンピュータを機能させ、
    前記タイムチャート算出手段は、前記移動量と、前記加速時間、前記減速時間、前記加速度及び前記減速度の少なくともいずれかに基づいて前記タイムチャートを算出
    前記タイムチャート算出手段は、前記移動量に応じて、少なくとも加速、定速及び減速動作を前記機械要素にさせる第一タイムチャートと、加速後減速に転じる動作を前記機械要素にさせる第二タイムチャートとを選択的に算出する、
    プログラムを記憶したコンピュータ可読情報記憶媒体。
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