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JP5993799B2 - Snイオンを利用した高耐食性塗料組成物 - Google Patents

Snイオンを利用した高耐食性塗料組成物 Download PDF

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本発明は、製鉄所、化学プラント、海洋構造物等の過酷な環境下にある普通鋼材または耐候性鋼材からなる鋼構造物や鋼製配管等の維持補修に用いられる高耐食性塗料に関する。
従来から、製鉄所、化学プラント、海洋構造物等の過酷な環境下にある普通鋼からなる鋼構造物や鋼製配管等の防食には、変性エポキシ樹脂系塗料を下塗りとした厚膜塗装システムが用いられてきており、さらに必要に応じて各種の上塗り塗料が塗り重ねられている。
一方、鋼製の橋梁等には安定錆の保護機能により塗装が不要である耐候性鋼材が多く用いられている。しかし、耐候性鋼材においても融雪剤等によって安定錆の形成が阻害される場合には、特許文献1に示されるように表面処理剤が塗装される。この場合、表面処理剤は、安定錆が形成されるまでの期間、耐候性鋼材の上に存在すればよいので、その膜厚は10〜100μm程度と薄く、バインダーとして用いられる樹脂としては、ブチラール樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂等の非架橋タイプが主である。
製鉄所、化学プラント、海洋構造物等における普通鋼からなる鋼構造物や鋼製配管等では、厚膜塗装システムを採用していても、供用中の塗膜の劣化、すなわち塗膜に鋼材にまで達する傷が付くことは不可避であり、その傷から錆が発生することを如何に抑制するかが施設管理者の課題である。鋼材の水平方向に拡がる錆は、初期段階では外観の悪化にとどまるが、深さ方向に進行する錆は、強度低下ひいては構造物の寿命にも関わる問題であり、その対策が求められている。
また、補修塗装においては、構造上の制約や危険物が存在する等の周辺環境の制約のため、粉塵が多量に発生するブラスト処理や火花が生じるディスクサンダー処理といった有効性の高いケレン処理作業が行えない場合が殆どであり、そのため被塗面に錆や塩化物等が残留し、早期に補修塗膜に膨れや剥がれ等が生じることがある。さらに、残留した錆や塩化物等の作用により塗膜下での局所的な深い腐食も生じている。
特許第4687231号
本発明は、かかる従来技術の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、普通鋼材または耐候性鋼材からなる鋼構造物または鋼製配管等の表面の深さ方向に進行する錆を抑制するための高耐食性塗料組成物、及びそれを使用した塗装方法を提供することにある。
本発明者らは、かかる目的を達成するために、鋼材の深さ方向に進行する錆を抑制する手段について鋭意検討を重ねた結果、塗料組成物中に特定量の二価のスズイオン(硫酸第一スズ)の存在が重要であり、さらに塗料組成物中のエポキシ樹脂に対する変性樹脂の割合、及び形成される塗膜中の顔料体積濃度が重要であることを見い出した。
具体的には、本発明における二価のスズイオンによる錆抑制メカニズムは以下の通りである。
飛来塩分量の多い環境下では、FeCl溶液の乾湿繰り返しが本質的な条件となり、Fe3+の加水分解によりpHが低下した状態でFe3+が酸化剤として作用する。
カソード反応:Fe3++e→Fe2++2e
アノード反応:Fe→Fe2++2e
従って、腐食の総括反応は2Fe3++Fe→3Fe2+となる。
Snは、Sn2+として溶解すると、2Fe3++Sn2+→2Fe2++Sn4+という反応によってFe3+の濃度を低下させることにより、上記総括反応を抑制する。Snには、さらにアノード溶解を抑制するという作用もある。結果として、二価のスズイオンの存在は、防錆顔料として有効に作用する。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、以下の(1)〜(3)の構成を有するものである。
(1)普通鋼材または耐候性鋼材からなる鋼構造物または鋼製配管の表面に使用される高耐食性塗料組成物であって、塗料組成物が、(A)1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂、(B)変性樹脂、(C)アミン系硬化剤、(D)硫酸第一スズ、(E)カルシウム系防錆顔料、(F)体質顔料、及び(G)着色顔料を含有し、(B)変性樹脂の含有量が(A)エポキシ樹脂の固形分100重量部に対して50〜90重量部であり、(D)硫酸第一スズの含有量が塗料組成物の100重量部に対して3.0〜8.0重量部であり、(E)カルシウム系防錆顔料の含有量が、(A)エポキシ樹脂、(B)変性樹脂、及び(C)アミン系硬化剤の合計固形分100重量部に対して6.98〜18.15重量部であり、(F)体質顔料がセリサイト系顔料、二酸化ケイ素系顔料、及び含水ケイ酸マグネシウム系顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種の顔料を含有し、形成される塗膜における顔料体積濃度が30〜50重量%の範囲にあり、(C)アミン系硬化剤の活性水素当量/(A)エポキシ樹脂のエポキシ当量の値が0.4〜0.8の範囲にあることを特徴とする高耐食性塗料組成物。
(2)(1)に記載の高耐食性塗料組成物を下塗り塗料(I)として、1回あたりの硬化膜厚が60〜120μmとなるようにして、普通鋼材または耐候性鋼材からなる鋼構造物または鋼製配管の表面に複数回塗装し、次いでふっ素樹脂系塗料、アクリルシリコン樹脂系塗料、及びポリウレタン樹脂系塗料からなる群から選ばれる少なくとも1種の上塗り塗料(II)を硬化膜厚で20〜55μmとなるようにその表面に塗装することを特徴とする塗装方法。
(3)(1)に記載の高耐食性塗料組成物を下塗り塗料組成物として有することを特徴とする普通鋼材または耐候性鋼材の鋼構造物または鋼製配管。
本発明によれば、腐食性の高い過酷な高飛来塩化物環境下にある普通鋼または耐候性鋼材からなる鋼構造物や鋼製配管等の表面の深さ方向に進行する錆を効果的に防止することができる高耐食性塗料を提供することができる。
本発明の高耐食性塗料組成物は、普通鋼材または耐候性鋼材からなる鋼構造物または鋼製配管等の表面に使用されるものであり、(A)1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂、(B)変性樹脂、(C)アミン系硬化剤、(D)硫酸第一スズ、(E)カルシウム系防錆顔料、(F)体質顔料、及び(G)着色顔料を含有する。
(A)エポキシ樹脂は、耐水性、付着性、耐薬品性に優れた塗料用樹脂として一般に使用されるものであり、例えば、「jER1001x75」、「Jer834x90」(三菱化学社製)、「EPICLON860」、「EPICLON1050」、「同1055(DIC社製)」、「ERL−4221」、「同−4229」(ユニオンカーバイド社製)、「DER−331J」(ダウ・ケミカル社製)、「AER260」(旭化成エポキシ社製)、「エポミックR#140P」(三井化学社製)等の市販品が挙げられる。エポキシ当量(固形分値)が200〜500の範囲のビスフェノールA型エポキシ樹脂が好適である。(A)エポキシ樹脂は、塗料組成物100重量部に対して10〜30重量部配合されることが好ましい。
(C)アミン系硬化剤としては、「サンマイドX−2700−49」(エアープロダクツジャパン製)、「ラッカマイドN−153−1M−65」、「同17−202」、「同TD−961」(DIC社製)、「トーマイド210」、「同215X」「同225」(富士化成社製)、「バーサミド100」、「同115」、「同125」「同230」(ヘンケル白水社製)等が挙げられる。常温でエポキシ樹脂と反応して硬化塗膜を形成するポリアミドアミンのアダクトタイプが好適である。
(A)エポキシ樹脂と(C)アミン系硬化剤との混合割合は、未反応のアミン系樹脂の存在が塗膜の防食性に悪影響を及ぼさないように、エポキシ当量とアミン系樹脂の活性水素当量の比において、アミン系樹脂の割合を少なくするのが一般的であるが、本発明の塗料組成物においても活性水素当量/エポキシ当量の値は、0.4/1〜0.8/1、好ましくは0.45/1〜0.75/1の範囲内に設定される。
(B)変性樹脂は、エポキシ樹脂以外の液状又は固形の非反応性合成樹脂のことであり、鋼材への濡れ性を良好にし、エポキシ樹脂の内部応力を緩和することにより、錆面や旧塗膜との付着性を向上させる効果を有する。変性エポキシ樹脂系塗料は、長期間にわたり塗膜にある程度の柔軟性を維持することができる。変性樹脂としては、芳香族炭化水素樹脂(例えばフェノール変性芳香族炭化水素樹脂:ハイレノールPL−1000S(KOLON CHEMICAL.CP.LTD社製))、トルエン樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂(例えばジシクロペンタジエン系石油樹脂:クイントン1500(日本ゼオン社製))、クマロンインデン樹脂等が挙げられる。(B)変性樹脂の配合割合は、固形分比でエポキシ樹脂の固形分100重量部に対して50〜90重量部であることが好ましい。
(D)硫酸第一スズは、深さ方向の錆の進行を抑制するために使用されるものであり、塗料組成物の100重量部に対して3.0〜8.0重量部、より好ましくは3.0〜7.5重量部、さらに好ましくは4.0〜7.5重量部配合される。(D)硫酸第一スズの配合が上記割合より少ない場合には、深さ方向の錆を抑制する効果が得られず、また上記割合より多い場合には、塗膜が長期間水につけられた場合に膨れが生じやすくなるので好ましくない。
本発明の塗料組成物には、通常の防食用途の二液形エポキシ樹脂系塗料に使用される各種の顔料として(E)防錆顔料、(F)体質顔料、(G)着色顔料が使用される。
E)カルシウム系防錆顔料の配合量は、(A)エポキシ樹脂、(B)変性樹脂、(C)アミン系硬化剤の合計固形分100重量部に対して10〜30重量部であり、好ましくは10〜20重量部である。(E)カルシウム系防錆顔料の配合が上記割合より少ない場合には塗膜の傷からの錆の発生を抑制する効果が不十分となり、また上記割合を超えて配合してもそれ以上の効果は認められない。
(F)体質顔料は、塗料の性状を調整するために用いられる。一般に防食用途のエポキシ樹脂系塗料においては、硫酸バリウム、カオリン、マイカ、クレー系、セリサイト系、二酸化ケイ素系、含水ケイ酸マグネシウム系などの体質顔料が用いられるが、本発明の塗料組成物はセリサイト系顔料、二酸化ケイ素系顔料、含水ケイ酸マグネシウム系顔料から選ばれる少なくとも1種の体質顔料が使用される。これらの体質顔料は、塗料組成物中の体質顔料の全重量の50重量%以上であることが好ましい。50重量%より少ない場合には十分な充填効果が得られず、塗膜強度が得られない。
(G)着色顔料は、塗料を彩色するためのものであり、通常の二液形エポキシ樹脂系塗料に使用される着色顔料が使用される。このような着色顔料としては、二酸化チタン、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、ベンガラ、有機系黄色顔料、有機系赤顔料などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の塗料組成物では、形成される塗膜における硫酸第一スズ、防錆顔料、体質顔料、着色顔料からなる顔料体積濃度は30〜50重量%の範囲にあることが好ましい。顔料体積濃度が30%より小さい場合には、塗膜が長期間浸漬されたときに膨れが生じやすくなり、一方50%より大きい場合には、塗膜が長期間浸漬されたときに点錆が生じやすくなる。
本発明の塗料組成物は、上記の(A)〜(G)の成分以外に、通常の二液形エポキシ樹脂系塗料に用いられるタレ止め剤、消泡剤、レベリング剤、カップリング剤等の添加剤をそのまま使用することができる。
本発明の塗料組成物に用いられる溶剤としては、通常の二液形エポキシ樹脂系塗料の希釈に用いられる溶剤をそのまま使用することができ、これらの例としては芳香族系溶剤、ケトン系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤などを挙げることができる。
本発明の塗料組成物は、単独で複数回、例えば2〜3回塗り重ねて使用されることができるが、周囲と色調を合わせたり長期間変退色を抑制する必要がある場合には、本発明の塗料組成物を下塗り塗料とし、他の適当な上塗り塗料を併用することができる。本発明の塗料組成物を下塗り塗料として使用する場合には、1回あたりの硬化膜厚が60〜120μmとなるようにして、鋼構造物または鋼製配管等の表面に塗装され、この表面にさらに上塗り塗料が塗装される。
上塗り塗料は、ふっ素樹脂系塗料、ポリウレタン樹脂系塗料、アクリルシリコン樹脂系塗料からなる群の少なくとも一種から選ばれ、その膜厚としては、20〜55μmが好適である。上述のように、下塗り塗料及び上塗り塗料を塗布した場合、複層塗膜のSAE J2334試験130サイクルにおける剥離面積率が2%未満であり、最大腐食深さが0.4mm未満であることができる。
本発明の塗料組成物を使用して塗装することにより、製鉄所や化学プラント、海洋構造物等における鋼構造物や鋼製配管では、塗膜に鋼材に達するような傷が入っても深さ方向への錆の進行が抑制されるので、補修が容易であり、設備を長期間稼働することが可能になる。
補修塗装においては、構造上の制約や危険物が存在する等の周辺環境の制約のため、粉塵が多量に発生するブラスト処理や火花が生じるディスクサンダー処理といった有効性の高いケレン処理作業が行えない場合が殆どである。その場合はワイヤーブラシ処理やスクレーパー等の手工具でのケレン処理作業となり錆や塩化物等が残存する。本発明の塗料組成物を使用して塗装することにより、鋼材の深さ方向への錆の進行が抑制される。本発明の塗料組成物の塗装対象となる鋼材としては、普通鋼材のみならず、Sn,Cu,Cr,Ni等の耐食性改善元素が添加されている耐候性鋼材でもよく、寧ろ好適である。
表1、表2に示す材料及び配合のエポキシ樹脂、変性樹脂、アミン系硬化剤、硫酸第一スズ、カルシウム系防錆顔料、体質顔料、着色顔料等に粘度200〜700dPa・Sになるように適量の溶剤を加えて、均一な状態となるように攪拌することにより下塗り塗料を作成した。表中の各成分の含有量は重量部を表わす。
作成した下塗り塗料を普通鋼材から作成したブラスト板またはワイヤーブラシ処理で浮き錆を除去した錆鋼板(*)の全面に、所定の乾燥膜厚が得られるよう1回あたり100μmになるようにエアースプレーで1日1回塗りで2回塗装した。また、上塗り塗料については、下塗り塗料の塗装後に1回塗りで25μmとなるようエアースプレーで塗装した。塗装終了後は23℃で7日間乾燥して、試験板上に防錆塗膜を形成させた。なお、錆鋼板は、同様のブラスト板をSAE J2334 10サイクル試験して作成したものを使用した。
こうして作成した供試材をSAE J2334(SAE:Society Automotive Engineers)で130サイクル試験して、鋼材の最大腐食深さと塗膜の剥離面積率を測定した。上塗り塗膜を塗装した試験板についても同様に、SAE J2334で130サイクル試験して鋼材の最大腐食深さと塗膜の剥離面積率を測定した。
SAE J2334 湿潤:50℃、相対湿度100%、6時間→塩分付着*:0.25時間→乾燥:60℃、相対湿度50%、17.75時間
*以下の重量%組成の塩を溶かした水溶液を噴霧する。
0.5%NaCl、0.1%CaCl、0.0075%NaHCO
製鉄所や海洋構造物等における鋼構造物や鋼製配管等の屋外環境の湿潤状態は、SAE J2334に近いと考えられる。
表1中、比較例1〜3、16、実施例2,3は、(D)硫酸第一スズの含有量を変化させた例であり、比較例4,5、実施例4,5は、(B)変性樹脂の含有量を変化させた例であり、比較例6,7、実施例6,7は、顔料体積濃度を変化させた例であり、比較例8〜10、実施例8,9は、(E)カルシウム系防錆顔料の含有量を変化させた例であり、比較例11,12、実施例10,11は、(C)アミン系硬化剤の活性水素当量/(A)エポキシ樹脂のエポキシ当量の値を変化させた例である。また、実施例12〜14は、実施例2の下塗り塗料の上にさらに上塗り塗料を塗装した供試材の例である。
表1から、混合塗料中の(D)硫酸第一スズの含有量が本発明の範囲内である実施例2,3は、(D)硫酸第一スズの含有量が本発明の範囲外である比較例1〜3,16と比較して、ブラスト鋼板および錆鋼板の両方において、最大腐食深さおよび剥離面積率が小さいことがわかる。また、実施例12〜14から、上記効果は、上塗り塗料をさらに塗装した場合でも同様に奏されることがわかる。さらに、実施例4〜11、比較例4〜12から、(B)変性樹脂の含有量、顔料体積濃度、(E)カルシウム系防錆顔料の含有量、又は(C)アミン系硬化剤の活性水素当量/(A)エポキシ樹脂のエポキシ当量の値が本発明の範囲外になると、(D)硫酸第一スズの含有量が本発明の範囲内であっても、上記効果に劣ることがわかる。
表2に示す塗料は、(A)エポキシ樹脂の種類を表1とは変更して作成したものである。表2中、比較例13〜15、実施例15〜17は、(D)硫酸第一スズの含有量を変化させた例である。
表2からも、混合塗料中の(D)硫酸第一スズの含有量が本発明の範囲内である実施例15〜17は、(D)硫酸第一スズの含有量が本発明の範囲外である比較例13〜15と比較して、ブラスト鋼板および錆鋼板の両方において、最大腐食深さおよび剥離面積率が小さいこと、及びこの効果は、(D)硫酸第一スズの含有量が本発明にとってより好ましい範囲(3.0〜7.5重量部)である実施例16,17において、一層顕著であることがわかる。
本発明の塗料組成物は、製鉄所、化学プラント、海洋構造物等の過酷な環境下にある普通鋼材または耐候性鋼材からなる鋼構造物や鋼製配管等の錆抑制を含む維持補修に極めて有用である。

Claims (3)

  1. 普通鋼材または耐候性鋼材からなる鋼構造物または鋼製配管の表面に使用される高耐食性塗料組成物であって、塗料組成物が、(A)1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂、(B)変性樹脂、(C)アミン系硬化剤、(D)硫酸第一スズ、(E)カルシウム系防錆顔料、(F)体質顔料、及び(G)着色顔料を含有し、(B)変性樹脂の含有量が(A)エポキシ樹脂の固形分100重量部に対して50〜90重量部であり、(D)硫酸第一スズの含有量が塗料組成物の100重量部に対して3.0〜8.0重量部であり、(E)カルシウム系防錆顔料の含有量が、(A)エポキシ樹脂、(B)変性樹脂、及び(C)アミン系硬化剤の合計固形分100重量部に対して6.98〜18.15重量部であり、(F)体質顔料がセリサイト系顔料、二酸化ケイ素系顔料、及び含水ケイ酸マグネシウム系顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種の顔料を含有し、形成される塗膜における顔料体積濃度が30〜50重量%の範囲にあり、(C)アミン系硬化剤の活性水素当量/(A)エポキシ樹脂のエポキシ当量の値が0.4〜0.8の範囲にあることを特徴とする高耐食性塗料組成物。
  2. 請求項1に記載の高耐食性塗料組成物を下塗り塗料(I)として、1回あたりの硬化膜厚が60〜120μmとなるようにして、普通鋼材または耐候性鋼材からなる鋼構造物または鋼製配管の表面に複数回塗装し、次いでふっ素樹脂系塗料、アクリルシリコン樹脂系塗料、及びポリウレタン樹脂系塗料からなる群から選ばれる少なくとも1種の上塗り塗料(II)を硬化膜厚で20〜55μmとなるようにその表面に塗装することを特徴とする塗装方法。
  3. 請求項1に記載の高耐食性塗料組成物を下塗り塗料組成物として有することを特徴とする普通鋼材または耐候性鋼材の鋼構造物または鋼製配管。
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