JP5895330B2 - 高圧パイプ用継手のシーリング構造 - Google Patents
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Description
なお、特許文献1に開示されたパイプ継手の場合、継手する両バンドの嵌合部を覆うバンド部の内面に内側突出の変形爪を複数有するクランプを用いることによってシール性を高めている(特許文献1を参照)。しかしながら、特許文献1に開示されたパイプ継手では、高圧パイプ用として使用が困難である。
ここで、パイプの継手は、例えば、2本のパイプの先端に設けられた継手の突き合わせ部に好適に用いられる。
また、継手と継手の連結とは、継手の端部の形状が、上述の第1継手や第2継手の形状のように加工もしくは溶接されており、継手の端部と継手の端部を突き合せて、クランプで締め付け固定するようなものである。
パイプの継手のシール性に対しては、シールリングによって向上できる。さらに、上記の構成では、パイプの先端は継手と結合し、継手同士の突き合わせ部で振動吸収できることから、耐振動性を向上できる。
シールリングの位置決めのための上記リテーナは、シールリングの全周もしくはシールリングの周囲に複数の爪部を設け、それを継手の端面の周囲に設けられた溝などに係合させるものである。この他、リテーナは、シールリングを嵌合できる台座に爪部を設けることでもよい。
ここで、メタル材質は、銅、真鍮、ニッケルなどのメタル材質であることが好ましいが、その他の合金であっても良く、これらに限定されるものではない。銅、真鍮、ニッケルが好ましい理由は、これらのメタルが、メタルの中でも比較的強度が弱く、形状の変形が起こりやすいためである。形状の変形が起こりやすいと、端面との当接によるシールが不十分であった場合に、圧力によって端面との接触部分が変形して、シール性を高める方向に変形が進むからである。
また、Oリングにすることによってシール性をさらに高めることができる。Oリング用の溝については、継手の端面に設けることになるが、この場合、突き合わせる両端面のどちらか一方、或いは、両方に設けることができる。
ここで、凹みの内周面のテーパ角は10〜80°であり、好ましくは50〜70°、さらに好ましくは略60°である。
ここで、凹みの内周面のテーパ角が、シールリングの外周壁のテーパ角より0〜2°広くするのは、パイプ継手の端面で突き合わせ方向に力がかかった場合、シールリングの外周壁のテーパ角が広がって、凹みの内周面のテーパ角と差がなくなって密接できるからである。なお、好ましくは、凹みの内周面のテーパ角を、シールリングの外周壁のテーパ角より略1°広くする。
ここで、凹みの内周面のテーパ角は10〜80°であり、好ましくは50〜70°、さらに好ましくは略60°である。
シールリング3は、メタル材質で、その形状は軸方向の切断面が菱形であり、対向する頂点で対向する継手の端面と当接させており、シール性を高めている。
図1〜3に示すシールリング3は、銅や真鍮、ニッケルなどのメタル材質であり、その形状は軸方向の切断面が菱形であり、対向する頂点で対向する継手の端面と当接するものであり、該継手の端面に保持し得るリテーナ70が設けられている。
シールリング3の周囲には爪部70aが設けられている。図1では説明のために、爪部70aをシールリングの全周囲に環状に設けているが、爪部は実際には3つ以上であればよく、120°間隔で3つ、或は90°間隔で4つ、さらには5つ以上の爪部を設けてもよい。爪部が3つ以上である必要があるのは、2つだとシールリング3と継手の端面と当接させるとき、シールリング3が端面の中心からずれる可能性があるからである。
図1(2)に示すように、爪部70aは、継手の一方の端部のみに係合させるように設けられる。継手の両方の端部に係合させるように設けないのは、継手の両方の端部に係合させるように設けると、シールリング3の取り外しが困難となるからである。
継手の端部22の周囲には溝部71が設けられ、この溝部71と爪部70aが係合できるように構成させる。
なお、シールリング3の爪部70aの厚みを考慮して、継手の端部22には図8に示すような段差72を設ける方が好ましい。
継手の端面は、図7(2)に示すように、継手の端部22の端面23には、中央に浅い皿状の凹み(24a,24b)が形成されている。凹みの内周面のテーパ角αは、シールリングの外周壁のテーパ角より1°大きくしている。
ここで、シールリングには、軸方向の切断面が菱形形状で、対向する頂点で対向する継手の端面と当接するメタル材質のシールリングを用いることを前提にしている。
この凹みの内周面のテーパ角αは59°である。シールリングの外周壁のテーパ角58°より1°大きくしている。また、凹みの深さは0.3ミリである。
図8(2)、(3)は、継手の端面23の中央に浅いリング状の凹みが形成されたものである。凹みの外側の内周面にはテーパ24aが形成され、シールリングの外周壁のテーパと当接してシール性を高める。
高圧パイプ用継手は、軸方向の切断面が菱形形状で、対向する頂点で対向する継手の端面と当接するメタル材質のシールリング3を用いている。2本のパイプ継手のそれぞれの端部22の端面の中央に浅い皿状もしくはリング状の凹みが形成されている。
また、凹みの内周面のテーパ角αは59°である。シールリングの外周壁のテーパ角58°より1°広くしている。また、凹みの深さは0.3ミリである。
継手の端面を上記構成とすることにより、端面に設けられたテーパ状の外周壁とシールリングの密着性が高まり、シール性を向上でき、高圧耐性を高めることができる。
1)第1パイプ(図示せず)と結合する第1継手(図10で左側の継手)
端部22、中間部21および段差部88で構成され、内空孔11を有する。
2)第2パイプ(図示せず)と結合する第2継手(図10で右側の継手)
端部22、中間部21および段差部87で構成され、内空孔11を有する。
3)外周部に雄螺子86が形成され、貫通孔を有する雄螺子部85
4)雄螺子部85に螺合して固定される袋ナット形状の雌ナット84
5)突き合わせ部のシール性を保持するシールリング3
メタル材質で、かつ、軸方向の切断面が菱形形状で、対向する頂点で対向する継手の端面と当接する。
上記3)において、雄螺子部85の貫通孔の内周面は、継手の端部22の外径および中間部21の外径と略同じ径大および径小の第1内周面および第2内周面ならびにその間に形成された段差部88から構成される。
上記4)の雌ナット84の内周面は、雄螺子部85の外径および継手の中間部21の外径と略同じ径大および径小の第3内周面および第4内周面ならびにその間に形成された段差部87から構成される。
雄螺子部85の貫通孔に、第1継手の段差部88と雄螺子部の段差部88が当接した状態で第1継手と第2継手の突き合わせ部が収納される。
雌ナット84が雄螺子部85に螺合して固定されると、雌ナット84の段差部87と第2継手の段差部87が当接する。
図11は、一方の継手の端面が弁本体である場合の継手構造を示している。
図11に示す継手構造は、軸方向の切断面が菱形形状で、対向する頂点で対向する継手の端面と当接するメタル材質のシールリング3を用いている。
パイプ継手の端部22と弁本体80の継手端部の突き合わせ部のシール性を保持すべく、継手の端面の形状は、端面の中央に浅い皿状もしくはリング状の凹みが形成されている。凹みの内周面のテーパ角は59°であり、シールリングの外周壁のテーパ角60°より1°狭くしている。
パイプ継手の端部22端面、弁本体80の継手端部の端面、それぞれの端面の中央に浅い皿状もしくはリング状の凹みが形成され、凹みのテーパ状の外周壁とシールリング3のテーパ状の外周面とで密着性が高まり、シール性を向上でき、高圧耐性が高まる。
図12(1)に示す継手構造は、継手のパイプ部91と端部100が別々部材として存在し、それらが螺合により一体化される構造である。端部100の外径は、パイプ部91の外径より大きくなっている。パイプ部91には螺子ヤマが2箇所設けられている(92,94)。螺子ヤマ92は、端部100の内壁に形成された螺子切りと螺合する。端部100の外周凸部101の外径は、パイプ部91の中間部93の外径より大きく、継手の突き合わせ状態で端部100の外周凸部101がクランプされる。
図12(2)は、図12(1)のAの部分の断面図である。螺子ヤマ92と中間部93の間には、溝95が形成され、中間部93の端部は溝95の壁面96となっている。この壁面96に当接する位置まで、端部100が螺合しながら進むことになる。この構造によって、端部100の端面104とパイプ部91の端面98が誤差を最小限に留めて面一になるようにする。パイプ部91の端面98の中央に凹み99が形成されている。この凹み99にシーリング(図示せず)が嵌合することで、シーリング性を向上させる。
図12(3)は、継手のパイプ部91と端部100が螺合によって一体化されたものの端部を継手の軸方向から見た様子を描いている。パイプ部91の端面98と端部100の端面104の間には若干の隙間ができているが、これは、パイプ部91の螺子ヤマ92の端部の外周壁97と、端部100の内壁との隙間である。
この継手構造では、既存のパイプの端部を加工して螺子ヤマ92と溝95と凹み99とを形成させ、端部100を螺合させることにより、高圧パイプ用継手として使用できるようになる。
2a,20a 第1継手
2b,20b 第2継手
3,3a シールリング
4,4a,4b クランプ
5,5a,5b,7,7a,7b 締め付けボルト
6,6a,6b ナット
11 パイプの内空孔
21 中間部
22 端部
23 端面
24 端面の凹部
24a テーパ面
30a 第1パイプ
30b 第2パイプ
41 バンド部
42 螺合部
50 パイプ
51 螺合部
52 グランドナット
54 パイプの先端部
55 カラー
60 継手本体
61 貫通孔
62 螺子孔
70 リテーナ
70a 爪部
71 溝部
72,87,88 段差
80 弁本体
83,86 螺子
84 雌ナット
85 雄螺子部
91 パイプ部
92,94 螺子ヤマ
93 中間部
95 溝
100 端部
Claims (6)
- 高圧パイプ用継手に用いるシールリング構造であって、
前記シールリング構造は、シールリングとリテーナから構成され、
前記シールリングは、ドーナツ形状であり、断面が直交する2つの対角線を有する四角形であって、1つの対角線はドーナツ形状で形成される平面の垂線と並行であり、その対角線上の対向する頂点がそれぞれ継手の端面と当接するものであり、かつ、比較的強度が弱く形状の変形が起こりやすいメタル材質から成り、
前記リテーナが継手端面の周縁に係合し、
継手の端面の中央に皿状もしくはリング状の凹みが形成されており、前記シールリングの外周壁のテーパ角は、該凹みの内周面のテーパ角より広く或いは狭く、前記シールリングが前記凹みと嵌合し、継手の端面で突き合わせ方向に力がかかった場合に、端面と接触する部分の前記シールリングの形状が変形し、前記シールリングの外周壁のテーパ角が変化して前記凹みの内周面のテーパ角と差がなくなり、前記シールリングの外周壁と前記凹みの内周面が密着することを特徴とするシールリング構造。 - 前記シールリングの外周壁のテーパ角は、該凹みの内周面のテーパ角より、0〜2°広く或いは0〜2°狭く、前記シールリングが前記凹みと嵌合し得ることを特徴とする請求項1に記載のシールリング構造。
- 前記シールリングの周縁のテーパ角は、10〜80°であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシールリング構造。
- 前記リテーナは、前記シールリングの周囲に少なくとも3つの爪部が設けられ、それら爪部を継手の端面の周縁に係合させるものであることを特徴とする請求項1,2,4の何れかに記載のシールリング構造。
- 前記リテーナは、前記シールリングの全周に設けられたことを特徴とする請求項5に記載のシールリング構造。
- 前記シールリングは、銅、或は、真鍮から成るOリングであることを特徴とする請求項1,2,4,5,6の何れかに記載のシールリング構造。
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