JP5885587B2 - デテント脱進機およびそれを組み込んだ時計 - Google Patents
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Description
同図に示すように、スプリングデテント脱進機300は、ガンギ車301と、回転軸であるテン真302を中心に自由振動するテンプ303と、デテントレバー304とを備えている。テンプ303は、ガンギ車301の歯部301aと接触可能な振り石305、およびデテントレバー304に取り付けられている片作動バネ309と接触可能な外し石306を有している。
ガンギ車301が1歯分回転する間に、デテントレバー304に復帰バネ307の付勢力が作用し、デテントレバー304が原位置に戻る。これにより、ガンギ車301の歯部301aに止め石308が再び接触する。すなわち、ガンギ車301とデテントレバー304とが係合し、ガンギ車301の回転が停止される。
そして、この動作が繰り返し行われることにより、機械式時計の輪列が一定速度で駆動する。
同図に示すように、ピボットデテント脱進機400は、ガンギ車301と、テン真302を中心に自由振動するテンプ403と、デテントレバー404とを備えている。ここで、ピボットデテント脱進機400とスプリングデテント脱進機300との相違点は、デテントレバーを原位置に復帰させる付勢手段が異なる点にある。
よって時計用の脱進機に於いては、より小さい入力エネルギーでテンプを所望の振り角
が得られるように、動力ゼンマイから輪列を介して伝達されてきたエネルギーの伝達効率向上が求められる。これに伴い、同容量の香箱で動力ゼンマイを小型、薄肉化することにより、時計の持続時間の向上にも寄与する。
しかし上述の従来技術にあっては、片作動バネ309、409の復元力は、片作動バネ309、409を原位置に復帰するためだけに利用され、片作動ばねに蓄えられる弾性エネルギーを有効利用しているとは言い難いという課題がある。
テンプは、テンプとともに自由振動を行い、正回転時に作動レバーと接触することにより作動レバーを作動させ、ガンギ車を停止解除してガンギ車を回転させる回転許容状態と、逆回転時に作動レバーと接触することにより変形し、再び元の位置に復帰する戻り状態とを有する片作動バネ(例えば、片作動バネ24)を備え、片作動バネは変形によりエネルギーを蓄え、テンプにそのエネルギーを付与することを特徴とする。
そして、片作動バネが作動していない静止状態に於いて、片作動バネと片作動バネ規制部が当接していることにより、確実に片作動バネに蓄えられる弾性エネルギーをテンプに付与する事ができ、脱進機のエネルギー伝達効率の向上を図ることが出来る。
このように構成にすることで、部品点数を低減することが出来、小型で組立て誤差による完成品の精度バラツキを抑えることが出来る。
このように構成にすることで、振り座を簡素な構造にする事が出来、組立時の作業性を向上させることが出来る。
このように構成することで、片作動バネ座の重心位置をテンプ回転中心と一致させ、テンプの片重りによる縦姿勢差の低減を図ることが出来る。
このように構成することで、セラミックスを用いた構成であれば、テンプの重心をテンプの回転中心に近づけ、テンプの片重りによる縦姿勢差の低減を図ることが出来る。また金属であれば、セラミックスのような脆性材に対して、片作動バネ規制部の耐衝撃性が向上し、破損しにくい構造にする事が出来る。
このように構成することで、慣性モーメントが小さく、重心位置がテンプ回転中心に近い片作動バネ座及び、片作動バネを設けることが出来、縦姿勢差の低減を図ることが出来る。
このように構成することで、片作動バネをより長く設定することが出来るため、片作動バネ作動時によりしなり易くなり、テンプのエネルギーロスを低減することが出来る。
このように構成することで、片作動バネがテンプに付与するエネルギーを最適化でき、片作動バネからテンプに効率的にエネルギーを付与する事が出来る。
このように構成することでテンプのエネルギーロスを低減し、計時精度が安定した時計を提供することができる。
(機械式時計)
次に、この発明の第一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、機械式時計のムーブメントを裏蓋側からみた平面図である。
同図に示すように、機械式時計100は、ムーブメント101を備えている。ムーブメント101は、このムーブメント101の基板を構成する地板102を有している。地板102には巻真案内孔103が形成されており、ここに巻真104が回転可能に組み込まれている。
一方、ムーブメント101の表側(図1に於ける紙面手前側)には、表輪列105を構成する四番車108、三番車107、二番車106、および香箱車110が配置されていると共に、表輪列105の回転を制御するデテント脱進機1が配置されている。
二番車106は、香箱車110の不図示の香箱歯車に噛合う二番カナと、二番歯車(何れも不図示)とを有している。二番車106が回転すると、三番車107が回転するように構成されている。
四番車108は、三番車107の三番歯車に噛合う不図示の四番カナと、四番歯車(何れも不図示)とを有している。四番車108が回転することによりデテント脱進機1が駆動する。このデテント脱進機1が駆動することにより、四番車108が1分間に1回転するように制御されると共に、二番車106が1時間に1回転するように制御される。
図2は、デテント脱進機の斜視図、図3は、デテント脱進機の平面図、図4は図3に於ける振り座周辺の拡大図、図6はテンプに組み付けられた片作動バネ座を示す斜視図である。
図2、図3、図4、図6に示すように、デテント脱進機1は、四番車108が回転することにより回転するガンギ車2と、ガンギ車2の歯部2aと接触可能な止め石6を有するデテント7と、ガンギ車2の歯部2aと接触可能な振り石3、片作動バネ規制部である外し石4を備えた振り座11、舌片部51の接触面51a、51bにてデテント7と接触可能な片作動バネ24を備えた片作動バネ座50により構成されている。
そして振り座11、及び片作動バネ座50は、テン真9に取り付けられており、テンプ5と一体となり作動する。
外し石4は接触面4aに於いて、片作動バネ座50に設けられた片作動バネ24の舌片部51の接触面51bと接離可能になっている。
そして、外し石4は一般的に時計用ムーブメントに用いられるルビー等のセラミックスに用いられている。
片作動バネ24は、片作動バネ24の舌片部51の接触面51bが常に外し石4の接触面4aと当接可能な程度のバネ力に設定されている。
舌片部51は、片作動バネ支持部56に接続された上記湾曲部31を介してテンプ外周側に向けて折れ曲がった基端部51cと、後述する作動レバー23と接離可能な自由端部51dとを備え、自由端部51dは外し石先端部4cより僅かに突出するように設けられる。
また、舌片部51の接触面51aは後述する作動レバー23作動時に、作動レバー23先端部30の接触面30aと接触し、片作動バネ24と外し石4は、舌片部51の接触面51bと外し石4の接触面4aが接離可能になっている。そして後述する片作動バネ24作動時には、片作動バネ24は弾性変形し、舌片部51の接触面51bが作動レバー先端部30の接触面30bと接触し、外し石4接触面4aとは離間する。
片作動バネ24は、例えば、ニッケルなどの弾性材料により形成されていることが望ましい。
ここで、一体成形を行う方法として、電鋳加工により片作動バネ座50を形成したり、フォトリソグラフィーのような光学的な手法を取り入れたLIGA(Lithographie Galvanoformung Abformung)プロセスやDRIE、MIMにより片作動バネ座50を形成したりすることが可能である。
図5は、デテントの平面図である。
図2、図3、図5に示すように、デテント7は、固定ワッシャ12の大径ワッシャ12aと小径ワッシャ12bとにより挟持されている円板状のデテント固定部21と、デテント固定部21に復帰バネ22を介して支持されている作動レバー23が一体成形されたものである。
ここで、一体成形を行う方法として、電鋳加工によりデテント7を形成したり、フォトリソグラフィーのような光学的な手法を取り入れたLIGA(Lithographie Galvanoformung Abformung)プロセスやDRIE、MIMによりデテント7を形成したりすることが可能である。
復帰バネ22も片作動バネ同様に、例えば、ニッケルなどの弾性材料により形成されていることが望ましい。
そしてデテント固定部21を除いたデテント7の重心位置を、従来技術に対して復帰バネ22の中心上を通過する第1直線L1上に極めて近い位置に設定しており、復帰バネ22に捻れが生じにくい構成となっている。
先端部30は、この中心が第1直線L1からガンギ車2とは反対側に向かって僅かにオフセットするように配置されている。
さらに、外し石4の断面形状が台形状のように振り座11の径方向外側に向かうに従って先細りになっており、テンプ5の自由振動時に於ける外し石先端4cの軌跡が作動レバー23の先端部30に接触不能な位置となるように、且つ、片作動バネ24の舌片部51に接触可能な位置となるように配置される。
ここで、地板102には、作動レバー23のガンギ車2に接近する方向に向かう変位を規制するストッパ40が設けられている。ストッパ40は、ストッパアーム41とストッパアーム41の先端に立設されたストッパピン42とを有している。そして、ストッパアーム41の基端側が、固定ピン43を介して地板102に固定されている。
また、ストッパアーム41は、固定ピン43を中心にして回転、及びスライド可能に設けられており、これによってストッパピン42の位置が調整できるようになっている。このストッパピン42の位置を調整することにより、作動レバー23の移動規制位置が、ガンギ車2の歯部2aに止め石6が接触可能、かつアーム部28の長手方向が第1直線L1上となる位置に設定される。
次に、図3、図7〜図9に基づいて、デテント脱進機1の動作について説明する。
図7〜図9は、デテント脱進機の動作説明図である。
図3に示すように、デテント7の作動レバー23が第1直線L1に沿う位置に存在している状態では、ガンギ車2の歯部2aと作動レバー23に設けられている止め石6の接触面6aとが接触し、両者2,6が係合した状態になっている。
ここで、ガンギ車2は表輪列105より回転力が付与されているが、止め石6と係合している状態にあっては、ガンギ車2が停止した状態になっている。
そして片作動バネ規制部である外し石4によって弾性変形を規制された片作動バネ24の舌片部51を介して作動レバー23が押圧され、ガンギ車2から離間する方向に向かって変位する(図7に於ける矢印Y1参照)。
また、振り座11が矢印CCW1方向に向かって回転することにより、ガンギ車2が矢印CW1方向に向かって回転し始めるのとほぼ同時に、ガンギ車2の歯部2aに振り石3の接触面3aが接触する(図7に於ける2点鎖線参照)。そして、ガンギ車2の回転力が振り石3を介してテンプ5に伝達される。このとき、テンプ5は、矢印CCW1方向に向かって回転力が付与される。
一方、ガンギ車2によって矢印CCW1方向に向かう回転力が付与されたテンプ5は、このテンプ5に設けられているヒゲゼンマイが巻き上げられる。そして、ヒゲゼンマイが所定量巻き上げられると、ヒゲゼンマイの復元力とテンプ5の回転力とが逆転し、振り座11の回転方向が矢印CW2方向(図8に於ける時計回り方向)に転じる。
そして片作動バネ24が元の位置に戻り、外し石4の接触面4aと舌片部51の接触面51bが当接する瞬間、片作動バネの復元力によりテンプ5はテンプ5の回転方向(図9に於ける矢印CW2参照)に回転力が付与される。
これを繰り返すことにより、テンプ5がテン真9を中心にして自由振動すると共に、デテント7が図7〜図9に示す状態を繰り返す。このため、ガンギ車2が常に一定速度で回転する。
そしてこのデテント脱進機を搭載することにより、エネルギー伝達効率が向上した時計を提供することができる。
例えば、上述の第一実施形態では、電鋳加工やLIGAプロセスにより、デテント7、及び片作動バネ座50を一体成形する場合について説明したが、これに限られるものではなく、樹脂成形としてもよい。また、復帰バネ22や片作動バネ24は、例えば、ニッケルなどの弾性材料により形成されていることが望ましいと説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、例えば、金属製の板バネや線バネにより形成することも可能である。
そして、デテント固定部21や作動レバー23を樹脂成形とし、復帰バネ22や片作動バネ24を金属製の板バネや線バネとする場合、デテント固定部21や作動レバー23に、復帰バネ22、および片作動バネ24をインサート成型する構成としてもよい。
しかしながら、これに限られるものではなく、少なくとも復帰バネ22、作動レバー23が一体成形されていれば良い。
これにより、作動レバー23に対する復帰バネ22の取り付け位置を調整する必要がなくなるので、組み立て誤差による完成品の精度のばらつきを抑えることができる。
しかしながら、これに限られるものではなく、必要に応じて、デテント固定部21、復帰バネ22、作動レバー23を別の材料により作製し一体化しても良い。
同様に、片作動バネ座50についても、片作動バネ24、片作動バネ座50を別の材料により作製し一体化しても良い。
これにより、例えば復帰バネの機械的特性のみを変更する必要な構成に於いても、本発明の構成を適用することが可能となる。
ここで、第1直線L1は、作動レバー23の支点23aとテンプ5のテン真9の中心とを通る直線であればよい。
そして、上述の第一実施形態では外し石4は、一般的に時計用ムーブメントに用いられているルビー等のセラミックスについて説明しているが、金属製のピンによって構成されることによって、外し石4が作動レバー先端部30と接触する時の耐衝撃性向上さたり、耐衝撃性、耐摩耗性、摺動性、保油性等を向上させるための表面処理を施したピンを用いて、外し石4の基本性能を向上させたりしても良い。
しかしながら、これに限るものではなく、テンプ5により作動レバー23を作動させる時に、外し石4を例とした片作動バネ規制部と作動レバー先端部30の間に少なくとも片作動バネ24の一部が介在し、テンプ5により作動レバー23がガンギ車2から離間する方向(図7に於ける矢印Y1方向)に作動することが可能なように、片作動バネ24は形成されていれば良い。
(デテント脱進機)
図10、図11に基づいて、第二実施形態について説明する。なお、以下の図面において、上述の実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明する。
図10は、第二実施形態に於けるデテント脱進機の平面図である。また、図11は図10に於ける振り座111周辺の拡大図である。
そして、片作動バネ124の長さは、テンプ5の回転中心を基準に外し石84の外側から回り込むよう形成されるため、第一実施形態に於ける片作動バネ24より長く設定されている。
次に、図10〜図14に基づいて、第二実施形態のデテント脱進機の動作について説明する。
図12〜図14は、第二実施形態に於けるデテント脱進機の動作説明図である。
図10、図11に示すように、デテント7の作動レバー23が第1直線L1に沿う位置に存在している状態では、ガンギ車2の歯部2aと作動レバー23に設けられている止め石6の接触面6aとが接触し、両者2,6が係合した状態になっている。
ここで、ガンギ車2は表輪列105より回転力が付与されているが、止め石6と係合している状態にあっては、ガンギ車2が停止した状態になっている。
そして片作動バネ規制部である外し石84によって弾性変形を規制された片作動バネ124の舌片部151を介して作動レバー23が押圧され、ガンギ車2から離間する方向に向かって変位する(図12に於ける矢印Y1参照)。
また、振り座111が矢印CCW1方向に向かって回転することにより、ガンギ車2が矢印CW1方向に向かって回転し始めるのとほぼ同時に、ガンギ車2の歯部2aに振り石3の接触面3aが接触する(図12に於ける2点鎖線参照)。そして、ガンギ車2の回転力が振り石3を介してテンプ5に伝達される。このとき、テンプ5は、矢印CCW1方向に向かって回転力が付与される。
一方、ガンギ車2によって矢印CCW1方向に向かう回転力が付与されたテンプ5は、このテンプ5に設けられているヒゲゼンマイが巻き上げられる。そして、ヒゲゼンマイが所定量巻き上げられると、ヒゲゼンマイの復元力とテンプ5の回転力とが逆転し、振り座11の回転方向が矢印CW2方向(図13に於ける時計回り方向)に転じる。
この間、外し石84と片作動バネ124は接触しないようになっている。
そして片作動バネ124が元の位置に戻り、外し石84の接触面84aと舌片部151の接触面151bが当接する瞬間、片作動バネの復元力によりテンプ5はテンプ5の回転方向(図9に於ける矢印CW2参照)に回転力が付与される。
これを繰り返すことにより、テンプ5がテン真9を中心にして自由振動すると共に、デテント7が図12〜図14に示す状態を繰り返す。このため、ガンギ車2が常に一定速度で回転する。
(デテント脱進機)
図15に基づいて、第三実施形態について説明する。なお、以下の図面において、上述の実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明する。
図15は、第三実施形態に於けるデテント脱進機の平面図である。
片作動バネ座250は、片作動バネ規制突起部53と舌片部151の間に僅かにクリアランスが設けられ一体成形される。
一体成形後に片作動バネ支持部56、及び湾曲部124を塑性変形させ、片作動バネ規制突起部53の接触面53aと舌片部151の接触面151bは当接するように調整をする。
第三実施形態に於けるデテント脱進機7の動作は、第二実施形態に於ける片作動バネ座150、外し石84、外し石84の接触面84aを、それぞれ片作動バネ座250、片作動バネ規制突起部53、片作動バネ規制突起部53の接触面53aに変更し、第二実施形態と同様の動作となる。
(デテント脱進機)
図16に基づいて、第四実施形態について説明する。なお、以下の図面において、上述の実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明する。
図16は、第四実施形態に於けるデテント脱進機の平面図である。
第四実施形態に於けるデテント脱進機の動作は、第二実施形態に於ける片作動バネ座150を、片作動バネ座350に変更し、第二実施形態と同様の動作となる。
(デテント脱進機)
図17に基づいて、第五実施形態について説明する。なお、以下の図面において、上述の実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明する。
図17は、第五実施形態に於けるデテント脱進機の平面図である。
第五実施形態に於けるデテント脱進機の動作は、第二実施形態に於ける片作動バネ座150を、片作動バネ座450に変更し、第二実施形態と同様の動作となる。
(デテント脱進機)
図18に基づいて、第六実施形態について説明する。なお、以下の図面において、上述の実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明する。
図18は、第六実施形態に於けるデテント脱進機の振り座周辺の拡大図である。
そして、第一実施形態と同様に片作動バネ224には接触面51bが常に外し石4の接触面4aと当接可能な程度のバネ力に設定されており、舌片部51の先端は外し石4先端部4cより僅かに突出するように設けられる。
また、第一実施形態と同様に舌片部51の接触面51aは作動レバー23作動時に、作動レバー23先端部30の接触面30aと接触し、片作動バネ224と外し石4は、舌片部51の接触面51bと外し石4の接触面4aが接離可能になっている。そして片作動バネ224作動時には、片作動バネ224は弾性変形し、舌片部51の接触面51bが作動レバー先端部30の接触面30bと接触し、外し石4接触面4aとは離間する。
第六実施形態に於けるデテント脱進機の動作は、第一実施形態に於ける片作動バネ24を、片作動バネ224に変更し、第一実施形態と同様の動作となる。
(デテント脱進機)
図19に基づいて、第七実施形態について説明する。なお、以下の図面において、上述の実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明する。
図19は、第七実施形態に於けるデテント脱進機の振り座周辺の拡大図である。
第七実施形態に於けるデテント脱進機の動作は、第一実施形態に於ける片作動バネ座50を片作動バネ支持ピン59に変更し、第一実施形態と同様の動作となる。
(デテント脱進機)
図20に基づいて、第八実施形態について説明する。なお、以下の図面において、上述の実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明する。
図20は、第八実施形態に於けるデテント脱進機の振り座周辺の拡大図である。
第八実施形態に於けるデテント脱進機の動作は、第一実施形態と同様の動作となる。
図23、図24、図25に基づいて、第九実施形態について説明する。図23は、デテント脱進機の作動レバー、テンプの振り座、およびガンギとの位置関係を示す平面図であり、図24は、その斜視図であり、図25は、図23の平面図における振り座部分を拡大した図である。上述の実施形態と同様の構成や効果については説明を省略する。
図26、図27に基づいて、第十実施形態について説明する。図25は、デテント脱進機の作動レバー7、テンプ5の振り座11、およびガンギ車2との位置関係を示す平面図であり、図27は、片作動バネ424がテン真9に固定されている、振り座11付近を拡大した拡大斜視図である。上述の実施形態と同様の構成や効果については説明を省略する。
しかしながら、これに限るものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、動力源を変更した時計全般に適応できるものである。
2 ガンギ車
2a 歯部
3 振り石
4,84,184 外し石(片作動バネ規制部)
5 テンプ
6 止め石
7 デテント(デテント本体)
9 テン真
11,111,211,411,511 振り座
21 デテント固定部(デテント支持部)
22 復帰バネ
23 作動レバー
23a 作動レバー支点
24,124,224,324,424 片作動バネ
30 作動レバー先端部
31,131,231,331 円弧部(湾曲部)
50,150,250,350,450 片作動バネ座
51,151,251 舌片部
53 片作動バネ規制突起部(片作動バネ規制部)
55 重心補正錘(重心補正部)
56,156 片作動バネ支持部
57 重心補正孔(重心補正部)
58 補正錘
59,159 片作動バネ支持ピン
100 時計(機械式時計)
105 表輪列
351 環状部
L1 第1直線
P1 中心
Claims (19)
- テン真を中心に正回転及び逆回転の自由振動するテンプと、前記テンプにより作動した後、付勢力により再び初期位置に戻る作動レバーと、前記作動レバーの作動により1歯ずつ回転するガンギ車とを含み、
前記テンプは、
前記テンプとともに前記自由振動を行い、前記正回転時に前記作動レバーと接触することにより前記作動レバーを作動させ、前記ガンギ車を停止解除して前記ガンギ車を回転させる回転許容状態と、前記逆回転時に前記作動レバーと接触することにより変形し、再び元の位置に復帰する戻り状態とを有する片作動バネを備え、
前記片作動バネは、前記変形によりエネルギーを蓄え、前記テンプに前記エネルギーを付与することを特徴とするデテント脱進機。 - 前記片作動バネは、
前記テンプに前記片作動バネを支持する片作動バネ支持部を備えることを特徴とする請求項1に記載のデテント脱進機。 - 前記テンプは、
前記回転許容状態時に前記片作動バネに当接して前記片作動バネを規制し、前記戻り状態時に前記片作動バネから離間して前記規制を解除する片作動バネ規制部を備え、
前記片作動バネが、前記戻り状態に於いて、前記片作動バネ規制部と当接していることを特徴とする請求項1または2の何れかに記載のデテント脱進機。 - 前記片作動バネ支持部が、前記片作動バネ規制部に設けられることを特徴とする請求項3に記載のデテント脱進機。
- 前記テンプは、前記テン真を介し、前記テンプとともに前記自由振動を行う振り座を備え、
前記片作動バネ支持部が、前記振り座に設けられることを特徴とする請求項2に記載のデテント脱進機。 - 前記片作動バネ規制部が、前記振り座に設けられることを特徴とする請求項5に記載のデテント脱進機。
- 前記テンプは、前記テン真を介し、前記テンプとともに前記自由振動を行う片作動バネ座を備え、
前記片作動バネ支持部が、前記片作動バネ座に設けられることを特徴とする請求項2に記載のデテント脱進機。 - 前記片作動バネ支持部及び前記片作動バネ座は、一体となって形成されることを特徴とする請求項7に記載のデテント脱進機。
- 前記片作動バネ規制部が、前記片作動バネ座に設けられることを特徴とする請求項7または8の何れかに記載のデテント脱進機。
- 前記片作動バネ座は、前記テンプの重心を前記テンプの回転中心と一致させる重心補正部を備えたことを特徴とする請求項7〜9の何れかに記載のデテント脱進機。
- 前記片作動バネ規制部が、セラミックスあるいは金属により形成される外し石であることを特徴とする請求項3、4、6あるいは9の何れかに記載のデテント脱進機。
- 前記片作動バネが、
前記回転許容状態時に前記片作動バネ規制部に当接しながら前記作動レバーに接触することにより前記作動レバーを作動させ、
前記逆回転時に前記作動レバーと接触することにより変形し、前記片作動バネ規制部に当接することにより前記テンプに前記エネルギーを付与する舌片部を有することを特徴とする請求項3に記載のデテント脱進機。 - 前記舌片部は、前記テンプの径方向のうち前記テン真側に前記片作動バネ支持部に接続される基端部と、前記テンプの径方向外周側に前記作動レバーと接離可能な自由端部とを備え、
前記自由端部は、前記片作動バネ規制部より前記外周側に突出するように設けられることを特徴とする請求項12に記載のデテント脱進機。 - 前記舌片部は、前記テンプの径方向外周側に前記片作動バネ支持部に接続されるとともに前記作動レバーと接離可能な基端部と、前記テンプの径方向のうち前記テン真側に自由端部とを備え、
前記基端部は、前記片作動バネ規制部より前記外周側に突出するように設けられることを特徴とする請求項12に記載のデテント脱進機。 - 前記片作動バネ支持部は、前記テン真の軸方向において、前記作動レバーと異なる位置に配置されることを特徴とする請求項3、5および12の何れかに記載のデテント脱進機。
- 前記片作動バネは、
前記片作動バネ支持部と、一端が前記片作動バネ支持部に接続され、他端が前記舌片部に接続される湾曲部とを有し、
前記湾曲部は、前記テン真の軸方向において、前記作動レバーと異なる位置に配置されることを特徴とする請求項12または15の何れかに記載のデテント脱進機。 - 前記片作動バネは、前記片作動バネ規制部を取り囲む環状部を有することを特徴とする請求項3〜16の何れかに記載のデテント脱進機。
- 前記舌片部は、前記エネルギーを調整する補正錘を設けたことを特徴とする請求項12〜17の何れかに記載のデテント脱進機。
- 請求項1〜請求項18の何れかに記載のデテント脱進機と、動力源を有する香箱車と、前記香箱車の回転力により回転する表輪列とを備え、この表輪列の回転を前記デテント脱進機により制御することを特徴とする時計。
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