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JP5867226B2 - 圧電デバイス - Google Patents

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JP5867226B2
JP5867226B2 JP2012069426A JP2012069426A JP5867226B2 JP 5867226 B2 JP5867226 B2 JP 5867226B2 JP 2012069426 A JP2012069426 A JP 2012069426A JP 2012069426 A JP2012069426 A JP 2012069426A JP 5867226 B2 JP5867226 B2 JP 5867226B2
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Description

本発明は、水晶振動子等の圧電振動子及び圧電発振器等の圧電デバイスに関する。
携帯電話や自動車電話等の通信機器、コンピュータ、ICカード等の情報機器等の電子機器において、周波数や時間の基準となる水晶振動子等の圧電振動子や圧電発振器が、広く使用されている。
近年では、タイヤの空気圧を監視するシステム(TPMS:Tyre Pressure Monitoring Systems)のセンサモジュールに水晶振動子が搭載されている。このセンサモジュールでは、空気圧を検出するタイヤセンサ及び水晶振動子を用いた発振ユニットを有し、自動車のタイヤに設置されてタイヤセンサの検出出力を無線で運転席等に送信する。
この場合、センサモジュールはタイヤの、例えば内周面やホイールに設置され、自動車の走行中にはタイヤとともに高速回転する。そして、水晶振動子を用いた発振ユニットは、回転による遠心加速度を受けると共に、路面からの振動を受けることになり、このため、かかる用途では、例えば2000Gといった遠心加速度での規格要求があり、高い耐衝撃性が求められる。
従来の水晶振動子には、耐衝撃性を高めるために、例えば、特許文献1に示すように、水晶片を収納する容器の底部に突部を形成して、水晶片を前記突部に固着して担持するようにしたものがある。
実開平7−25620号公報
しかしながら、上記従来例の圧電振動子では、高い遠心加速度が作用すると、耐衝撃性が劣化し、圧電振動片と容器の電極との接続部分が外れて発振しなくなったりするなど、圧電振動子としての機能を果たすことができなくなるといった課題がある。
本発明は、上述のような点に鑑みてなされたものであって、耐衝撃性に優れた圧電デバイスを提供することを目的とする。
本件発明者らは、上記目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、平面視外形が矩形の圧電振動片の一方の対向辺側の一対の電極とベース部材の二つの電極パッドとを電気的に接合して、該圧電振動片をベース部材に支持する第1,第2主支持部とは別の、圧電振動片の他方の対向辺側の二箇所をベース部材に接合して、圧電振動片をベース部材に支持する第1,第2補助支持部に着目し、この第1,第2補助支持部を、特定の領域内に配置することによって、高い遠心加速度が加わるような場合であっても、各支持部及び圧電振動片にかかる応力を低減して耐衝撃性を高めることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の圧電デバイスは、平面視外形が矩形であって、その外形サイズが2.2mm×1.4mmのサイズ以下の圧電振動片と、上面に前記圧電振動片と電気的に接続される二つの電極パッドを有するベース部材とを備え、
前記圧電振動片は、前記矩形をなす二組の対向辺のうち、第1組の対向辺の一方の対向辺側に一対の電極を有し、前記圧電振動片は、前記一対の電極が、導電接合材で前記二つの電極パッドにそれぞれ接合された第1,第2主支持部と、前記第1の組の対向辺の他方の対向辺側の二箇所が、前記矩形の内側において接合材で前記ベース部材の上面にそれぞれ接合された第1,第2補助支持部とによって、当該ベース部材に支持され、前記第1,第2補助支持部は、前記第1の組の対向辺の各中点を結ぶ中心線の両側にそれぞれ配置され、前記二組の対向辺の内、第2の組の対向辺から前記中心線までの距離を50%として、前記第1,第2補助支持部は、前記第2の組の対向辺の内、前記中心線に対して同じ側に位置する対向辺からの距離が43%以下となる領域内であって、かつ、前記同じ側に位置する前記第1,第2主支持部よりも前記中心線寄りにそれぞれ配置されている。
第1,第2補助支持部は、前記第1の組の対向辺の前記他方の対向辺に近接する位置であるのが好ましいが、前記他方の対向辺から間隔をあけた位置に配置してもよい。この場合、第1,第2補助支持部は、前記他方の対向辺からの距離が等しいのが好ましい。
第1,第2補助支持部は、前記中心線に対して同じ側に位置する対向辺からの距離が43%以下となる領域内であれば、前記対向辺からの距離が互いに異なっていてもよい。
本発明の好ましい実施態様では、前記圧電振動片が、水晶片であり、前記第1の組の前記対向辺が、前記第2の組の前記対向辺よりも短く、前記第1,第2補助支持部が、前記中心線を対称の軸として線対称に配置されると共に、前記第1の組の対向辺の前記他方の対向辺側であって、前記矩形の端縁に配置されている。
また、本発明の好ましい実施態様では、前記二組の対向辺の内、第2の組の対向辺から前記中心線までの距離を50%として、前記第1,第2補助支持部は、前記第2の組の対向辺の内、前記中心線に対して同じ側に位置する対向辺からの距離が5%以上39%以下となる領域内にそれぞれ配置されている。
本発明の他の実施態様では、前記圧電振動片は、前記一対の電極を、前記第1組の対向辺の一方の対向辺の両端部に有している。
本発明の更に他の実施態様では、前記第1,第2補助支持部の前記接合材を、接着剤とし、前記第1,第2主支持部の前記導電接合材を、導電性接着剤としてもよい。
本発明の好ましい実施態様では、前記第1,第2補助支持部の前記接着剤、及び、前記第1,第2主支持部の前記導電性接着剤の平面視外形を、円形、あるいは、楕円形としてもよい。
本発明の好ましい実施態様では、前記第1,第2補助支持部の前記接着剤の厚みが、10μm〜30μmである。
本発明の他の実施態様では、前記第1,第2主支持部の前記導電接合材は、前記圧電振動片の下面と前記ベース部材の前記電極パッドとの間に介在すると共に、前記圧電振動片の上面まで延在するようにしてもよい。
本発明の更に他の実施態様では、前記ベース部材に前記圧電振動片を励振駆動する集積回路を接合し、前記圧電振動片と電気的に接続している。
本発明の圧電デバイスによると、圧電振動片の第1の組の対向辺の一方の対向辺側の一対の電極を、ベース部材の二つの電極パッドに接合した第1,2主支持部と、前記第1の組の対向辺の他方の対向辺側の二箇所を、矩形の内側において、ベース部材の上面に接合した第1,第2補助支持部とによって、圧電振動片をベース部材に支持すると共に、第1,第2補助支持部を、第1の組の対向辺の各中点を結ぶ中心線の両側にそれぞれ配置し、前記二組の対向辺の内、第2の組の対向辺から前記中心線までの距離を50%として、第1,第2補助支持部を、第2の組の対向辺の内、前記中心線に対して同じ側に位置する対向辺からの距離が43%以下となる領域内にそれぞれ配置するので、高い遠心加速度が加わるような場合であっても、各支持部及び圧電振動片にかかる応力を低減することができ、耐衝撃性を高めることができる。
また、第1,第2補助支持部を、第2の組の対向辺の内、前記中心線に対して同じ側に位置する対向辺からの距離が5%以上39%以下となる領域内にそれぞれ配置することによって、耐衝撃性を一層高めることができる。
本発明によれば、圧電振動片の第1の組の一方の対向辺の一対の電極とベース部材の二つの電極パッドとを接合した第1,2主支持部と、圧電振動片の他方の対向辺側の二箇所を、矩形の内側でベース部材と接合した第1,第2補助支持部とによって、圧電振動片をベース部材に支持し、しかも、第1,第2補助支持部を、前記両対向辺の各中点を結ぶ中心線の両側にそれぞれ配置し、圧電振動片の第2の組の対向辺から前記中心線までの距離を50%として、第1,第2補助支持部を、前記中心線に対して同じ側に位置する対向辺からの距離が43%以下となる領域内にそれぞれ配置するので、高い遠心加速度が加わるような場合であっても、各支持部及び圧電振動片にかかる応力を低減することができ、耐衝撃性を高めることができる。
図1は本発明の一実施形態に係る水晶振動子の断面図である。 図2は図1の水晶振動子の蓋体を外した状態の平面図である。 図3は応力シミュレーションの評価モデルの斜視図である。 図4は評価モデルの水晶片及び各支持部を示す平面図である。 図5はタイヤへの搭載状態を説明するための図である。 図6は第1のサイズの評価モデルのシミュレーション結果を示す図である。 図7は第2のサイズの評価モデルのシミュレーション結果を示す図である。 図8Aは第2のサイズの評価モデルの支持部の位置と水晶片のミーゼス応力の分布を示す図である。 図8Bは第2のサイズの評価モデルの支持部の位置と水晶片のミーゼス応力の分布を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
この実施形態では、圧電デバイスとして、圧電振動子である水晶振動子を例に挙げて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る水晶振動子の断面図であり、図2は、図1の水晶振動子において、パッケージの蓋体を外した状態の平面図である。
この実施形態の水晶振動子1は、圧電振動片としての水晶片2と、水晶片2を収納する凹部6を有するベース部材3と、ベース部材3の開口部を気密封止する蓋体4とを備えており、ベース部材3と蓋体4とによってパッケージが構成される。
セラミックからなるベース部材3の周壁の上面と、金属製の蓋体4の外周部とはシールガラス等の接合材5を介して接合され、蓋体4とベース部材3との接合によって形成される収納空間に水晶片2が収納される。
ベース部材3は、平面視外形が大略矩形となっている。このベース部材3の凹部6の一方の短辺寄りの両隅部には、金属からなる一対の電極パッド7,8が形成されている。ベース部材3の外部底面には、外部機器等と半田等によって接合される外部端子(図示せず)が形成されている。電極パッド7,8と外部端子とは図示しない内部配線導体によって電気的に接続されている。
水晶片2は平面視外形が矩形のATカット水晶片であり、この矩形の水晶片2は、二組の対向辺2a,2b;2c,2dを有しており、第1の組の対向辺2a,2bは、第2の組の対向辺2c,2dよりも短い短辺となっている。
この水晶片2の表裏主面には、水晶片2を励振させる一対の励振電極9,10が各々形成されており、各励振電極9,10からは、一方の短辺2aの両端部まで引出電極11,12がそれぞれ延出形成されている。水晶片2の一対の引出電極11,12とベース部材3の各電極パッド7,8とは、導電接合材としての導電性接着剤13でそれぞれ接合されており、この実施形態では、導電性接着剤13は、平面視外形が円形となっている。導電性接着剤13としては、例えば、金や銀等の導電性フィラーを含有するシリコーン系、ウレタン系、あるいは、変成エポキシ系等のペースト状の接着剤を用いることができる。
ベース部材3の凹部6の他方の短辺寄りの位置には、ベース部材3の幅方向(図2の上下方向)に長い台座14が突設されている。
水晶片2の他方の短辺2b側の二箇所が、水晶片2の矩形の内側において、ベース部材3の台座14の前記幅方向の両端部に、接合材としての接着剤16によってそれぞれ接合されており、この実施形態では、接着剤16は、平面視外形が円形となっている。接着剤16は、上述の導電性接着剤13であってもよいし、非導電性の接着剤であってもよい。
ベース部材3の各台座14の高さは、各電極パッド7,8の上端と等しくなっており、水晶片2を、該水晶片2とベース部材3の凹部6の上面との間に隙間を確保しつつ、水平に支持している。
なお、台座14は、前記幅方向に連続するように形成されているが、接着剤16によってそれぞれ接合される幅方向の二箇所に分離して台座14を形成してもよい。また、これら台座14を省略すると共に、各電極パッド78の台座部分を省略してもよい。
このように水晶片2は、その一方の短辺2a側の引出電極11,12が、ベース部材3の電極パッド7,8に導電性接着剤13で接合された主支持部M1,M2と、他方の短辺2b側の二箇所が、ベース部材3の台座14に接着剤16で接合された第1,第2補助支持部S1,S2とによって、ベース部材3に支持される。導電性接着剤13及び接着剤16の厚みは、例えば、10μm〜30μmである。この厚みは、ペースト状の接着剤13,16を塗布後、乾燥硬化させた後の接着剤13,16の厚みである。
この実施形態の水晶振動子1では、耐衝撃性を向上させるために、各支持部M1,M2;S1,S2、特に第1,第2補助支持部S1,S2の位置を、次のように規定している。
すなわち、第1,第2補助支持部S1,S2は、矩形の水晶片2の矩形の内側の領域であって、両短辺2a,2bの各中点を結ぶ仮想の中心線CLを挟んでその両側にそれぞれ配置され、しかも、この実施形態では、前記中心線CLを対称の軸として線対称に配置される。また、第1,第2補助支持部S1,S2は、前記他方の短辺2b側の矩形の端縁に沿って配置される。
第1,第2補助支持部S1,S2は、水晶片2の矩形の内側の領域、すなわち、水晶片2の矩形の外側にはみ出さないように配置される。補助支持部S1,S2が、水晶片2からはみ出した場合、各支持部M1,M2;S1,S2及び水晶片2にかかる応力が増大し、耐衝撃性能が著しく低下する。
更に、この実施形態では、第1,第2補助支持部S1,S2は、前記中心線CLに対して同じ側に位置する第1,第2主支持部M1,M2よりも中心線CLに近接して配置されている。すなわち、第1補助支持部S1は、その円形の中心が第1主支持部M1の円形の中心よりも中心線CLに近接した位置に配置され、第2補助支持部S2は、その円形の中心が第2主支持部M2の円形の中心よりも中心線CLに近接した位置に配置される。
このように第1,第2補助支持部S1,S2を、第1,第2主支持部M1,M2よりも中心線CL寄りに配置することによって、各支持部M1,M2;S1,S2及び水晶片2にかかる応力を低減することができ、耐衝撃性を高めることが可能となる。
なお、第1,第2の補助支持部S1,S2は、必ずしも線対称でなくてもよい。また、第1,第2の補助支持部S1,S2は、他方の短辺2b側の矩形の端縁に沿って配置しなくてもよく、矩形の端縁から間隔をあけて配置してもよい。間隔をあけることによって、第1,第2の補助支持部S1,S2が、水晶片2からはみ出すのを防止することができる。補助支持部S1,S2が水晶片2からはみ出した場合、各支持部M1,M2;S1,S2及び水晶片2にかかる応力が増大し、耐衝撃性能が著しく低下する。第1,第2の補助支持部S1,S2を、矩形の端縁から間隔をあけて配置する場合は、各補助支持部S1,S2の前記端縁からの距離は等しいのが好ましい。また、第1,第2補助支持部S1,S2は、前記中心線CLに対して同じ側に位置する第1,第2主支持部M1,M2よりも中心線CLに近接していなくてもよい。
この実施形態では、図2に示すように、矩形の水晶片2の二組の対向辺の内、第2の組の対向辺である、各長辺2c,2dから前記中心線CLまでの距離Dを50%として、すなわち、水晶片2の短辺2a,2bの長さである幅寸法を100%としたときに、第1,第2補助支持部S1,S2は、次のように規定される領域内にそれぞれ配置される。
すなわち、第1,第2補助支持部S1,S2は、水晶片2の両長辺2c,2dの内、前記中心線CLに対して同じ側に位置する長辺からの距離、具体的には、第1補助支持部S1は、一方の長辺2cから距離H、第2補助支持部S2は、他方の長辺2dからの距離Hが、いずれも43%以下となる領域内にそれぞれ配置される。
ここで、第1,第2補助支持部S1,S2が、前記領域内に配置されるとは、第1,第2補助支持部S1,S2の接合材が、前記領域内に位置することをいう。例えば、接合材としてのペースト状の接着剤を塗布後、乾燥硬化させた後の接着剤の平面視の外形(投影した形状)が、前記領域内に位置することをいう。
第1,第2補助支持部S1,S2は、前記中心線CLに対して同じ側に位置する長辺2c,2dからの各距離Hが5%以上39%以下となる領域内にそれぞれ配置されるのがより好ましい。
次に、上記のように水晶片2が主支持部M1,M2及び補助支持部S1,S2よってベース部材3に支持された水晶振動子の耐遠心加速度性を評価するために、遠心加速度2000Gがかかることを想定した有限要素法を用いた応力シミュレーションを行った。
この応力シミュレーションの評価モデル21として、図3の斜視図及び図4の平面図に示すように、板状のセラミック17上に、平面視外形が矩形の水晶片18を、その一方の短辺18aの両端部を導電性の接着剤19によってそれぞれ支持した第1,第2主支持部M1M2とし、他方の短辺18b側の二箇所を同じく導電性の接着剤19によってそれぞれ支持した第1,第2補助支持部S1,S2としたものであって、この第1,第2補助支持部S1,S2の位置を短辺18bに沿って変化させた場合の応力シミュレーションを行った。
なお、図4では、第1,第2補助支持部S1,S2の位置を明確にするために、実線で示しているが、第1,第2補助支持部S1,S2の接着剤19は、水晶片18とセラミック17との間に介在している。
この評価モデル21における、セラミック17、水晶片18及び接着剤19の物性値であるヤング率(Kgf/mm2)及び密度(Kgf/mm3)は、下記表1の値を用いた。
また、この応力シミュレーションでは、下記表2に示すように、平面視外形が矩形の水晶片18のサイズ(長辺*短辺)、主支持部M1,M2の平面視外形が円形の接着剤19の半径R、補助支持部S1,S2の平面視外形が円形の接着剤19の半径rが、それぞれ異なる第1,第2のサイズの2種類の評価モデル21について行った。
第1のサイズの評価モデル21は、表2及び図4に示すように、矩形の水晶片18のサイズ(長辺*短辺)、すなわち、図4の水晶片18の長さLと幅Wが、1.8mm*1.1mm、主支持部M1,M2の接着剤19の半径Rが、0.16mm、補助支持部S1,S2の接着剤19の半径rが、0.12mmである。また、第2のサイズの評価モデル21は、水晶片18のサイズが、2.2mm*1.4mm、主支持部M1,M2の接着剤19の半径Rが、0.20mm、補助支持部S1,S2の接着剤19の半径rが、0.15mmである。いずれのサイズも主支持部M1,M2及び補助支持部S1,S2の接着剤19の厚みは、0.025mmであり、また、水晶片18の厚みは、0.085mmである。
この応力シミュレーションでは、図4の平面図に示すように、第1,第2補助支持部S1,S2の位置について、水晶片18の両長辺18c,18dの内、両短辺18a,18bの各中点を結んだ中心線CLに対して補助支持部S1,S2と同じ側に位置する長辺18c,18dから第1,第2補助支持部S1,S2のそれぞれ近接する側の周縁S1a,S2a、すなわち、円形の接着剤19の近接する側の周縁S1a,S2aまでの距離h1(以下「近接側周縁距離」ともいう)を変化させた場合の遠心加速度2000Gに相当する線形静解析を実施した。
第1,第2補助支持部S1,S2は、前記中心線CLを対称の軸として線対称としており、したがって、第1,第2補助支持部S1,S2の前記近接側周縁距離h1は等しくなる。また、第1,第2補助支持部S1,S2は、短辺18b側であって、矩形の水晶片18の端縁に配置する。
また、近接側周縁距離h1に対して、水晶片18の両長辺18c,18dの内、前記中心線CLに対して各補助支持部S1,S2と同じ側に位置する長辺18c,18dから、第1,第2補助支持部S1,S2のそれぞれ離間する側の周縁S1b,S2b、すなわち、円形の接着剤19の離間する側の周縁S1b,S2bまでの距離h2(以下「離間側周縁距離」ともいう)は、図4に示すように、近接側周縁距離h1に、補助支持部S1,S2の接着剤19の直径(2・r)、すなわち、第1のサイズでは、0.24(=0.12×2)mmを、第2のサイズでは、0.30(=0.15×2)mmを加算した値となる。
なお、タイヤの空気圧監視システム(TPMS)のセンサモジュールとして水晶振動子1を搭載する場合、図5に示すように、矢符A方向へ回転するタイヤ20の回転軸方向をY、遠心方向をZ、走行方向をXとすると、水晶片18の幅方向が回転軸方向Yに沿うように、また、遠心方向Zが、水晶片18の上下面に直交するように搭載される。
図4には、応力シミュレーションにおける上記各方向を示しており、タイヤの回転軸方向Yは、水晶片18の短辺18a,18bに沿う幅方向となり、タイヤの走行方向Xは、水晶片18の長辺18c,18dに沿う長さ方向となり、タイヤの回転による遠心方向zは、水晶片18の上下面に対して垂直な方向となる。
この応力シミュレーションでは、上述のように、各補助支持部S1,S2の位置を変化させた場合の主支持部M1,M2及び補助支持部S1,S2の接着剤19の最大引張応力、及び、水晶片18の中心部における最大ミーゼス応力を算出した。水晶片18の中心部は、矩形の水晶片18の中心から半径0.3mmの領域とした。
なお、矩形の水晶片18の長辺18a,18bから各補助支持部S1,S2の近接する側の周縁S1a,S2aまでの距離h1は、矩形の水晶片18の内側の領域に補助支持部S1,S2が位置する場合はプラス(+)、矩形の水晶片18の外側に補助支持部S1,S2の一部が位置する場合、すなわち、補助支持部S1,S2の一部が矩形の水晶片18からはみだす場合はマイナス(−)とした。
次に応力シミュレーションの結果について説明する。
[第1のサイズの評価モデルについてのシミュレーション結果]
表3は、第1のサイズについての応力シミュレーションの結果を示すものである。
この表3では、水晶片18の両長辺18c,18dの内、前記中心線CLに対して補助支持部S1,S2と同じ側に位置する長辺18c,18dから第1,第2補助支持部S1,S2のそれぞれ近接する側の周縁S1a,S2aまでの距離、すなわち、上述の近接側周縁距離h1における接着剤19の最大引張応力、及び、水晶片18の中心部における最大ミーゼス応力を示しており、前記近接側周縁距離h1の斜線が施された部分は、好ましい範囲であることを示している。
また、図6は、表3のデータを、近接側周縁距離h1に対して、接着剤19の最大引張応力、及び、水晶片18の中心部における最大ミーゼス応力をそれぞれプロットしたものである。この図6において、白抜きの点は、最小値を示している。
この表3及び図6に示すように、第1,第2補助支持部S1,S2が、矩形の水晶片18の長辺18c,18dから外側にそれぞれ0.12mmはみだした位置(h1=−0.12)から、各補助支持部S1,S2の位置を徐々に近づけて、矩形の水晶片18の各長辺18c,18dから各補助支持部S1,S2の近接する側の周縁S1a,S2aまでの距離h1をそれぞれ0.3mm(h1=0.3)まで変化させる。
このように第1,第2補助支持部S1,S2の位置を互いに近づける方向に変化させると、接着剤19の最大引張応力及び水晶片18の中心部の最大ミーゼス応力は、徐々に小さくなり、前記近接側周縁距離h1が、0.14mm(h1=0.14)付近でいずれも最小となり、その後、接着剤19の最大引張応力及び水晶片18の中心部の最大ミーゼス応力は、徐々に大きくなる。
接着剤19の最大引張応力が、1124(kgf/mm2)以下であって、水晶片18の中心部の最大ミーゼス応力が、523(kgf/mm2)以下となる、好ましい第1,第2補助支持部S1,S2の位置は、前記近接側周縁距離h1が、h1=0.001mm〜0.26mmの範囲、すなわち、表3の粗い斜線が施された範囲である。
近接側周縁距離h1は、水晶片18の各長辺18c,18dから第1,第2補助支持部S1,S2の近接する側の周縁S1a,S2aまでの距離であり、したがって、水晶片18の各長辺18c,18dから第1,第2補助支持部S1,S2の離間する側の周縁S1b,S2bまでの距離、すなわち、上述の離間側周縁距離h2は、近接側周縁距離h1に、補助支持部S1,S2の接着剤19の直径(2・r)、すなわち、0.24(=0.12×2)mmを加算した値となる。すなわち、h2=0.241mm〜0.50mmとなる。
したがって、第1,第2補助支持部S1,S2が存在し得る領域は、前記近接側周縁距離h1の最小値である0.001mmから前記離間側周縁距離h2の最大値である0.50mmまでの領域である。
近接側周縁距離h1及び離間側周縁距離h2は、図4に示すように、いずれも水晶片18の両長辺18c,18dの内、両短辺18a,18bの各中点を結んだ中心線CLに対して補助支持部S1,S2と同じ側に位置する長辺18c,18dからの距離Hである。
したがって、この距離Hを用いて第1,第2補助支持部S1,S2が存在し得る領域を表すと、H=0.001mm〜0.50mmとなる。
つまり、接着剤19の最大引張応力が、1124(kgf/mm2)以下であって、水晶片18の中心部の最大ミーゼス応力が、523(kgf/mm2)以下となる、より好ましい第1,第2補助支持部S1,S2は、図4に示す補助支持部S1,S2と同じ側に位置する長辺18c,18dからの距離Hが、H=0.001mm〜0.50mmとなる領域内に配置される。
この領域は、矩形の水晶片18の長辺18c,18dから前記中心線CLまでの距離Dを50%として、すなわち、水晶片18の短辺2a,2bの長さである水晶片18の幅W(1.1mm)を100%としたときに、長辺18c,18dからの距離Hが、略0%{=(0.001/1.1)×100}〜46%{=(0.50/1.1)×100}となる領域である。
つまり、接着剤19の最大引張応力が、1124(kgf/mm2)以下であって、水晶片18の中心部の最大ミーゼス応力が、523(kgf/mm2)以下となる、好ましい第1,第2補助支持部S1,s2は、長辺18c,18dからの前記距離Hが、0%〜46%となる領域内にそれぞれ配置される。
この領域内では、表4に示すように、接着剤19の最大引張応力と最小引張応力の差の前記最小引張応力に対する割合[{(最大引張応力−最小引張応力)/最小引張応力}×100]、及び、水晶片18の中心部における最大ミーゼス応力と最小ミーゼス応力の差の前記最小ミーゼス応力に対する割合[{(最大ミーゼス応力−最小ミーゼス応力)/最小ミーゼス応力}×100]が、いずれも3%以内となる。
この表4では、第1,第2補助支持部S1,S2は、水晶片18の両長辺18c,18dの内、上記中心線CLに対して同じ側に位置する長辺18c,18dからの距離Hが、最小値Hmin=0.001から最大値Hmax=0.50までの領域内にあって、この領域内は、水晶片18の短辺18a,18bの長さである水晶片18の幅W(1.1mm)を100%としたときに、長辺18c,18dからの距離Hが、0%〜46%となる領域であることを示している。
次に、第1,第2補助支持部S1,S2のより好ましい位置、具体的には、接着剤19の最大引張応力が、1108(kgf/mm2)以下であって、水晶片18の中心部の最大ミーゼス応力が、516(kgf/mm2)以下となる第1,第2補助支持部S1,S2は、上記近接側周縁距離h1が、h1=0.06mm〜0.22mmの範囲、すなわち、表3の細かい斜線が施された範囲である。
近接側周縁距離h1が、h1=0.06mm〜0.22mmであるので、水晶片18の各長辺18c,18dから第1,第2補助支持部S1,S2の離間する側の周縁S1b,S2bまでの距離、すなわち、上述の離間側周縁距離h2は、近接側周縁距離h1に、0.24mmを加算した値となる。すなわち、h2=0.30mm〜0.46mmとなる。
したがって、第1,第2補助支持部S1,S2が存在し得る領域は、前記近接側周縁距離h1の最小値である0.06mmから前記離間側周縁距離h2の最大値である0.46mmまでの領域である。
この領域を、水晶片18の両長辺18c,18dの内、上記中心線CLに対して補助支持部S1,S2と同じ側に位置する長辺18c,18dからの距離Hで表すと、H=0.06mm〜0.46mmとなる。
つまり、接着剤19の最大引張応力が、1108(kgf/mm2)以下であって、水晶片18の中心部の最大ミーゼス応力が、516(kgf/mm2)以下となる、より好ましい第1,第2補助支持部S1,S2は、水晶片18の長辺18c,18dから前記中心線CLまでの距離Dを50%として、長辺18c,18dからの距離Hが、5%{=(0.06/1.1)×100}〜42%{=(0.46/1.1)×100}となる領域内である。
すなわち、接着剤19の最大引張応力が、1108(kgf/mm2)以下であって、水晶片18の中心部の最大ミーゼス応力が、516(kgf/mm2)以下となる、より好ましい第1,第2補助支持部S1,S2は、長辺18c,18dからの前記距離Hが、5%〜42%となる領域内にそれぞれ配置される。
この領域内では、表4に示すように、接着剤19の最大引張応力と最小引張応力の差の前記最小引張応力に対する割合、及び、水晶片18の中心部における最大ミーゼス応力と最小ミーゼス応力の差の前記最小ミーゼス応力に対する割合が、いずれも1.5%以内となる。
この表4では、第1,第2補助支持部S1,S2は、水晶片18の両長辺18c,18dの内、上記中心線CLに対して同じ側に位置する長辺18c,18dからの距離Hが、最小値Hmin=0.06から最大値Hmax=0.46までの領域内にあって、この領域内は、水晶片18の幅W(1.1mm)を100%としたときに、長辺18c,18dからの距離Hが、5%〜42%となる領域であることを示している。
[第2のサイズの評価モデルについてのシミュレーション結果]
次に、第2のサイズについて、応力シミュレーションの結果を説明する。
表5は、第2のサイズについての応力シミュレーションの結果を示すものである。
この表5では、上記表3と同様に、水晶片18の両長辺18c,18dの内、上記中心線CLに対して補助支持部S1,S2と同じ側に位置する長辺18c,18dから、第1,第2補助支持部S1,S2のそれぞれ近接する側の周縁S1a,S2aまでの距離、すなわち、上述の近接側周縁距離h1における接着剤19の最大引張応力、及び、水晶片18の中心部における最大ミーゼス応力を示しており、前記近接側周縁距離h1の斜線が施された部分は、好ましい範囲であることを示している。
また、図7は、表5のデータを、近接側周縁距離h1に対して、接着剤19の最大引張応力、及び、水晶片18の中心部における最大ミーゼス応力をそれぞれプロットしたものである。この図7において、白抜きの点は、最小値を示している。
この表5及び図7に示すように、第1,第2補助支持部S1,S2が、矩形の水晶片18の長辺18c,18dから外側にそれぞれ0.15mmはみだした位置(h1=−0.15)から、各補助支持部S1,S2の位置を徐々に近づけて、矩形の水晶片18の各長辺18c,18dから各補助支持部S1,S2の近接する側の周縁S1a,S2aまでの距離h1をそれぞれ0.35mm(h1=0.35)まで変化させる。
このように第1,第2補助支持部S1,S2の位置を互いに近づける方向に変化させると、接着剤19の最大引張応力、及び、水晶片18の中心部の最大ミーゼス応力は、徐々に小さくなり、前記近接側周縁距離h1が、約0.15mmで水晶片18の中心部の最大ミーゼス応力が最小となり、また、約0.2mmで接着剤19の最大引張応力が最小となり、その後、接着剤19の最大引張応力、及び、水晶片18の中心部の最大ミーゼス応力は、徐々に大きくなる。
接着剤19の最大引張応力が、1487(kgf/mm2)以下であって、水晶片18の中心部の最大ミーゼス応力が、708(kgf/mm2)以下となる、好ましい第1,第2補助支持部S1,S2の位置は、前記近接側周縁距離h1が、h1=0.001mm〜0.30mmの範囲、すなわち、表5の粗い斜線が施された範囲である。
近接側周縁距離h1が、h1=0.001mm〜0.30mmであるので、水晶片18の各長辺18c,18dから第1,第2補助支持部S1,S2の離間する側の周縁S1b,S2bまでの距離、すなわち、上述の離間側周縁距離h2は、近接側周縁距離h1に、補助支持部S1,S2の接着剤19の直径(2・r)、すなわち、0.30(=0.15×2)mmを加算した値、h2=0.301mm〜0.60mmとなる。
したがって、第1,第2補助支持部S1,S2が存在し得る領域は、前記近接側周縁距離h1の最小値である0.001mmから前記離間側周縁距離h2の最大値である0.60mmまでの領域内である。
この領域を、水晶片18の両長辺18c,18dの内、上記中心線CLに対して補助支持部S1,S2と同じ側に位置する長辺18c,18dからの距離Hで表すと、H=0.001mm〜0.60mmとなる。
つまり、接着剤19の最大引張応力が、1487(kgf/mm2)以下であって、水晶片18の中心部の最大ミーゼス応力が、708(kgf/mm2)以下となる、好ましい第1,第2補助支持部S1,S2は、水晶片18の長辺18c,18dから前記中心線CLまでの距離Dを50%として、長辺18c,18dからの距離Hが、略0%{=(0.001/1.4)×100}〜43%{=(0.60/1.4)×100}となる領域内である。
すなわち、接着剤19の最大引張応力が、1487(kgf/mm2)以下であって、水晶片18の中心部の最大ミーゼス応力が、708(kgf/mm2)以下となる、好ましい第1,第2補助支持部S1,S2は、長辺18c,18dからの前記距離Hが、0%〜43%となる領域内にそれぞれ配置される。
この領域内では、表6に示すように、接着剤19の最大引張応力と最小引張応力の差の前記最小引張応力に対する割合、及び、水晶片18の中心部における最大ミーゼス応力と最小ミーゼス応力の差の前記最小ミーゼス応力に対する割合が、いずれも3%以内となる。
この表6では、第1,第2補助支持部S1,S2は、水晶片18の両長辺18c,18dの内、上記中心線CLに対して同じ側に位置する長辺18c,18dからの距離Hが、最小値Hmin=0.001から最大値Hmax=0.60までの領域内にあって、この領域は、水晶片18の幅W(1.4mm)を100%としたときに、長辺18c,18dからの距離Hが、0%〜43%となる領域内であることを示している。
次に、第1,第2補助支持部S1,S2のより好ましい位置、具体的には、接着剤19の最大引張応力が、1466(kgf/mm2)以下であって、水晶片18の中心部の最大ミーゼス応力が、698(kgf/mm2)以下となる第1,第2補助支持部S1,S2は、上記近接側周縁距離h1が、h1=0.05mm〜0.25mmの範囲、すなわち、表5の細かい斜線が施された範囲である。
近接側周縁距離h1が、h1=0.05mm〜0.25mmであるので、水晶片18の各長辺18c,18dから第1,第2補助支持部S1,S2の離間する側の周縁S1b,S2bまでの距離、すなわち、上述の離間側周縁距離h2は、近接側周縁距離h1に、0.30mmを加算した値となる。すなわち、h2=0.35mm〜0.55mmとなる。
したがって、第1,第2補助支持部S1,S2が存在し得る領域は、前記近接側周縁距離h1の最小値である0.05mmから前記離間側周縁距離h2の最大値である0.55mmまでの領域である。
この領域を、水晶片18の両長辺18c,18dの内、上記中心線CLに対して補助支持部S1,S2と同じ側に位置する長辺18c,18dからの距離Hで表すと、H=0.05mm〜0.55mmとなる。
つまり、接着剤19の最大引張応力が、1466(kgf/mm2)以下であって、水晶片18の中心部の最大ミーゼス応力が、698(kgf/mm2)以下となる、より好ましい第1,第2補助支持部S1,S2は、水晶片18の長辺18c,18dから前記中心線CLまでの距離Dを50%として、長辺18c,18dからの距離Hが、4%{=(0.05/1.4)×100}〜39%{=(0.55/1.4)×100}となる領域である。
すなわち、接着剤19の最大引張応力が、1466(kgf/mm2)以下であって、水晶片18の中心部の最大ミーゼス応力が、698(kgf/mm2)以下となる、より好ましい第1,第2補助支持部S1,S2は、長辺18c,18dからの前記距離Hが、4%〜39%となる領域内にそれぞれ配置される。
この領域内では、表6に示すように、接着剤19の最大引張応力と最小引張応力の差の前記最小引張応力に対する割合、及び、水晶片18の中心部における最大ミーゼス応力と最小ミーゼス応力の差の前記最小ミーゼス応力に対する割合が、いずれも1.5%以内となる。
この表6では、第1,第2補助支持部S1,S2は、水晶片18の両長辺18c,18dの内、上記中心線CLに対して同じ側に位置する長辺18c,18dからの距離Hが、最小値Hmin=0.05から最大値Hmax=0.55までの領域内にあって、この領域は、水晶片18の幅W(1.4mm)を100%としたときに、長辺18c,18dからの距離Hが、4%〜39%となる領域であることを示している。
以上の応力シミュレーションの結果に基づいて、接着剤19の最大引張応力及び水晶片18の中心部の最大ミーゼス応力を抑制することができる好ましい第1,第2補助支持部S1,S2の位置は、前記距離Hが0%〜43%の領域、より好ましい第1,第2補助支持部S1,S2の位置は、前記距離Hが、5%〜39%の領域である。
次にこの第2のサイズの評価モデルにおいて、上述のように、第1,第2補助支持部S1,S2の位置を徐々に近づけたときの各支持部M1,M2,S1,S2の位置、及び、水晶片18のミーゼス応力の分布を、図8A及び図8Bに示す。各図において、左側が各支持部の位置を、右側が水晶片18のミーゼス応力の分布を示している。
この図8A及び図8Bは、水晶片18のミーゼス応力の大小を、応力が大きくなるつれて、紫(0.0kgf/mm2)から赤(1540kgf/mm2)へとレインボーカラーで段階的に示したものを、濃淡画像に変換したものである。
図8Aにおいて、(a)は第1,第2補助支持部S1,S2が結晶片18の長辺18c,18dの外側へ1/2はみだしている位置、すなわち、上述の近接側周縁距離h1がh1=−0.075mm、(b)は第1,第2補助支持部S1,S2が結晶片18の長辺18c,18dの外側へ1/4はみだしている位置、すなわち、上述の近接側周縁距離h1がh1=−0.0375mm、(c)は第1,第2補助支持部S1,S2が結晶片18の長辺18c,18dの外側へ1/8はみだしている位置、すなわち、上述の近接側周縁距離h1がh1=−0.01875mm、(d)は上述の近接側周縁距離h1がh1=0.0mm、(e)は近接側周縁距離h1がh1=0.05mm、(f)は近接側周縁距離h1がh1=0.1mm、(g)は近接側周縁距離h1がh1=0.15mmであって、水晶片18の中心部の最大ミーゼス応力が最小となる距離である。
また、図8Bにおいて、(g)は図8Aの(g)と同じであり、h1=0.15mmであって、水晶片18の中心部の最大ミーゼス応力が最小となる距離である。(h)は近接側周縁距離h1がh1=0.2mm、(i)は近接側周縁距離h1がh1=0.25mm、(j)は近接側周縁距離h1がh1=0.3mm、(k)は近接側周縁距離h1がh1=0.35mmである。
すなわち、図8Aにおいては、(a)→(g)に示すように、第1,第2補助支持部S1,S2を互いに近づける方向に移動させ、図8Bにおいては、(g)→(k)に示すように、第1,第2補助支持部S1,S2を更に近づける方向に移動させた状態を示している。
先ず、図8Aにおいて、水晶片18の中心部の応力に注目すると、(a)では、約700kgf/mm2程度の応力の部分が、上下に連なっている。この状態から(b)→(c)→(d)→(e)に示すように、第1,第2補助支持部S1,S2の位置を互いに近づけると、水晶片18の中心部の上下に連なる前記応力の部分は、徐々に左右がくびれ、その分、約600kgf/mm2程度の応力の低い部分が広がっている。
そして、第1,第2補助支持部S1,S2の位置を更に近づけると、(f)→(g)に示すように、上下に連なっていた応力の部分は、上下に分離し、(g)において、水晶片18の中心部のミーゼス応力は、最小となる。
この(g)の状態から第1,第2補助支持部S1,S2の位置を更に近づけると、図8Bの(g)→(h)→(i)に示すように、水晶片18の中心部の上下に分離した応力の部分が広がり、上下の間隔が徐々に狭くなる。
そして、第1,第2補助支持部S1,S2の位置を更に近づけると、(j)→(k)に示すように、上下に分離していた応力の部分が再び連なり、水晶片18の中心のミーゼス応力が高くなっていることが分かる。
このように第1,第2補助支持部S1,S2の位置を互いに近づける方向に変化させると、水晶片18の中心部のミーゼス応力は、徐々に小さくなり、上述の近接側周縁距離h1が、0.15mmで最小となり、その後、水晶片18の中心部のミーゼス応力は、徐々に大きくなる。
以上のように、この実施形態の水晶振動子では、第1,第2補助支持部S1,S2を特定の領域内に配置するので、例えば、2000Gという高い遠心加速度がかかっても、各支持部M1,M2;S1,S2の各接着剤19の引張応力及び水晶片18のミーゼス応力を低減することが可能となり、耐衝撃性を向上させることができる。
したがって、耐衝撃性が要求される用途に好適であり、特に、車載用途、例えば、高い遠心加速度がかかる上述のTPMS(タイヤ空気圧監視システム)、あるいは、無線を使って鍵穴にキーを挿入しなくても施錠、開錠が可能なキーレスエントリーシステムのように落下衝撃がかかる用途などに特に好適である。
また、本発明の圧電デバイスである圧電発振器、例えば、水晶発振器は、前記ベース部材に水晶片を励振駆動する集積回路を接合し、水晶片と電気的に接続すればよい。
図示は省略するが、この水晶発振器では、例えば、水晶片の下方に集積回路を収納する空間を有するベース部材を使用し、該ベース部材の前記空間に、集積回路(IC)を収納すると共に、水晶片を上述のように支持し、蓋体を被せて気密封止すればよい。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、水晶片は、平面視が長方形であったけれども、本発明は、平面視が正方形の圧電振動片に適用することもできる。
接着剤に代えて、ろう材や金属バンプ等を用いてもよい。
上述の実施形態では、第1,第2主支持部では、圧電振動片としての水晶片の上面には、接着剤が介在しなかったけれども、ベース部材の電極パッドに接着剤を塗布して水晶片を搭載した後、水晶片の上面に、更に接着剤を上塗りして、接着剤を介在させてもよく、これによって、より確実な電気的機械的接合を行うようにしてもよい。
上述の実施形態では、圧電振動片として水晶片を用いた水晶振動子に適用して説明したけれども、本発明は、水晶以外のタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料からなる圧電振動片を用いた圧電振動子に適用できるものである。
上述の実施形態では、圧電振動片としてATカット型の水晶片を用いた水晶振動子に適用して説明したけれども、他のカット型の水晶片を用いた水晶振動子に適用してもよい。
上述の実施形態では、ベース部材3には、第1,第2補助支持部S1,S2が設けられる台座14が、幅方向に連続して長く形成されたけれども、上述のように、台座14は、各補助支持部S1,S2に個別に対応するように分離して二箇所に形成してもよい。また、これら台座14を省略すると共に、主支持部M1,M2の台座部を省略してもよい。
上述の実施形態では、ベース部材3は凹部を有する構成としたが、ベース部材3を凹部の無い板状とし、蓋体4側に凹部を有する構造としてもよい。
1 水晶振動子
2,18 水晶片
3 ベース部材
4 蓋体
7,8 電極パッド
9,10 励振電極
11,12 引出電極
13 導電性接着剤
16,19 接着剤

Claims (9)

  1. 平面視外形が矩形であって、その外形サイズが2.2mm×1.4mmのサイズ以下の圧電振動片と、上面に前記圧電振動片と電気的に接続される二つの電極パッドを有するベース部材とを備え、
    前記圧電振動片は、前記矩形をなす二組の対向辺のうち、第1組の対向辺の一方の対向辺側に一対の電極を有し、
    前記圧電振動片は、前記一対の電極が、導電接合材で前記二つの電極パッドにそれぞれ接合された第1,第2主支持部と、前記第1の組の対向辺の他方の対向辺側の二箇所が、前記矩形の内側において接合材で前記ベース部材の上面にそれぞれ接合された第1,第2補助支持部とによって、当該ベース部材に支持され、
    前記第1,第2補助支持部は、前記第1の組の対向辺の各中点を結ぶ中心線の両側にそれぞれ配置され、
    前記二組の対向辺の内、第2の組の対向辺から前記中心線までの距離を50%として、前記第1,第2補助支持部は、前記第2の組の対向辺の内、前記中心線に対して同じ側に位置する対向辺からの距離が43%以下となる領域内であって、かつ、前記同じ側に位置する前記第1,第2主支持部よりも前記中心線寄りにそれぞれ配置されている、
    ことを特徴とする圧電デバイス。
  2. 前記圧電振動片が、水晶片であり、
    前記第1の組の前記対向辺が、前記第2の組の前記対向辺よりも短く、
    前記第1,第2補助支持部が、前記中心線を対称の軸として線対称に配置されると共に、前記第1の組の対向辺の前記他方の対向辺側であって、前記矩形の端縁に配置される、
    請求項1に記載の圧電デバイス。
  3. 前記二組の対向辺の内、第2の組の対向辺から前記中心線までの距離を50%として、前記第1,第2補助支持部は、前記第2の組の対向辺の内、前記中心線に対して同じ側に位置する対向辺からの距離が5%以上39%以下となる領域内にそれぞれ配置されている、
    請求項1または2に記載の圧電デバイス。
  4. 前記圧電振動片は、前記一対の電極を、前記第1組の対向辺の一方の対向辺の両端部に有する、
    請求項1ないし3のいずれかに記載の圧電デバイス。
  5. 前記第1,第2補助支持部の前記接合材が、接着剤であり、
    前記第1,第2主支持部の前記導電接合材が、導電性接着剤である、
    請求項1ないし4のいずれかに記載の圧電デバイス。
  6. 前記第1,第2補助支持部の前記接着剤、及び、前記第1,第2主支持部の前記導電性接着剤の平面視外形が、円形または楕円形である、
    請求項5に記載の圧電デバイス。
  7. 前記第1,第2補助支持部の前記接着剤の厚みが、10μm〜30μmである、
    請求項5または6に記載の圧電デバイス。
  8. 前記第1,第2主支持部の前記導電接合材は、前記圧電振動片の下面と前記ベース部材の前記電極パッドとの間に介在すると共に、前記圧電振動片の上面まで延在する、
    請求項1ないし7のいずれかに記載の圧電デバイス。
  9. 前記ベース部材に前記圧電振動片を励振駆動する集積回路を接合し、前記圧電振動片と電気的に接続した前記請求項1ないし8のいずれかに記載の圧電デバイス。
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