JP5799858B2 - 増幅装置 - Google Patents
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Description
定包絡線型の増幅装置には、増幅された2つの信号(ベクトル)を、抵抗素子を用いて損失合成する定包絡線型線形増幅装置と、抵抗素子を用いずに無損失合成する定包絡線型高効率増幅装置とがある。定包絡線型高効率増幅装置には、出力の合成回路の構成によって、オフセット型とキレイクス型とがある。
本件はこのような点に鑑みてなされたものであり、高効率で増幅帯域において平坦な位相特性を得ることができる増幅装置を提供することを目的とする。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る増幅装置を説明する図である。図1に示すように、増幅装置は、増幅部1a,1b、インピーダンス反転回路2、および合成回路3を有している。
また、上記では、合成回路3が非対称回路要素を含むとしたが、増幅部1aまたは増幅部1bと、合成回路3との間に非対称回路要素を挿入してもよい。例えば、増幅部1aの出力に長さxのオープンスタブを接続する。また、増幅部1bの出力に、長さxと異なる長さyのオープンスタブを接続する。この場合、増幅部1a,1bの出力に接続された長さの異なるそれぞれのオープンスタブが非対称回路要素となる。この場合も、増幅装置は、上記と同様に、高効率で増幅帯域において平坦な位相特性を得ることができる。
このように、増幅装置は、2つの増幅部1a,1bの一方の出力にインピーダンス反転回路2を設け、非対称回路要素を合成回路3に具備しまたは増幅部1aもしくは増幅部1bと合成回路3との間に非対称回路要素を挿入するようにした。これにより、増幅装置は、インピーダンス反転回路2によって高効率化を図るとともに、位相を補正して合成する、非対称回路要素を備えた合成回路3または増幅部1aもしくは増幅部1bと合成回路3との間に挿入される非対称回路要素によって位相特性を平坦にし、さらに高効率化を図ることができる。
次に、第2の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図2は、第2の実施の形態に係る増幅装置を有した基地局のブロック図である。図2に示すように、基地局は、制御部10およびRRH(Remote Radio Head)20を有している。制御部10とRRH20は、例えば、光ファイバによって結ばれている。基地局は、例えば、図示しない携帯電話機などの無線端末と無線通信を行う。
データ処理部11は、ネットワークと接続されている。データ処理部11は、ネットワークに接続されている上位装置から、無線端末に無線送信するデータを受信する。データ処理部11は、受信したデータを送信データ送信部12に出力する。また、データ処理部11は、受信データ受信部13から出力される、無線端末から受信したデータを、ネットワークに接続されている上位装置に送信する。データ処理部11は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)やFPGA(Field Programmable Gate Array)によって形成される。
送信データ受信部21は、制御部10の送信データ送信部12から送信された光信号を受信し、O/E変換する。送信データ受信部21は、O/E変換したデータをキャリア合成部22に出力する。
キャリア分離部26は、複数の周波数の信号に多重されたデータを周波数ごとに復調し、受信データ送信部27に出力する。
図3は、増幅装置のブロック図である。図3に示すように、増幅装置23は、ピーク抑圧回路31、歪補償回路32、振幅位相変換回路33、D/A(Digital to Analog)変換器34a,34b、入力整合回路35a,35b、増幅器36a,36b、出力整合回路37a,37b、インピーダンス反転回路38、および合成回路39を有している。
図4は、振幅位相変換回路を説明する図である。図4に示す波形A11は、振幅位相変換回路33に入力される信号を示している。
また、振幅位相変換回路33は、波形A11に示す信号の振幅が0のとき、分解したベクトルの信号の位相が逆相となるようにする。
図5は、オフセット型の合成回路を示した図である。図5に示すように、オフセット型の合成回路は、線路長λ/2(180°)の線路41によって形成される。オフセット型の合成回路では、出力端子Poutは、線路41の中央(λ/4,90°)から、θずれた位置から取り出される。λは、増幅する信号の中心周波数における波長である。
図7は、図5の合成回路の周波数−位相偏差を説明する図である。図7には、スミスチャートが示してある。
図8は、キレイクス型の合成回路を示した図である。図8に示すように、キレイクス型の合成回路は、線路長λ/2(180°)の線路51とリアクタンスjX,−jXのオープンスタブ52a,52bを有している。キレイクス型の合成回路では、出力端子Poutは、線路51の中央(λ/4,90°)から取り出される。
図10に示す点線の丸A31aは、図8に示した経路αにおける信号の位相変化を示している。経路αにおける信号の位相は、周波数を増加するに従って、矢印A31bのように変化する。
図11は、図3の合成回路を示した図である。図11において、図3と同じものには、同じ符号を付してある。図11には、合成回路39の他に、増幅器36a,36bおよびインピーダンス反転回路38が示してある。図11では、図3の出力整合回路37a,37bの図示を省略している。
インピーダンス反転回路38は、特性インピーダンスZo、線路長λ/4の線路によって形成されている。
図13は、図11の合成回路の周波数−位相偏差を説明する図である。図13には、スミスチャートが示してある。
点線の半円A51aは、図11に示す線路61〜64の線路長が、λ/4である場合の増幅器36aにおける反射係数の軌跡を示している。点線の半円A51bは、線路63の線路長をδ短くしたときの増幅器36aにおける反射係数の軌跡を示している。線路63の線路を短くすることによって、半円A51aは、矢印A51cに示すように、半円A51bへと回転する。
上記したように、合成回路39は、線路62,63の非対称回路要素を有し、これによって、出力端子Poutでの信号の位相特性は、平坦となる。また、合成回路39が線路62,63の非対称回路要素を有することによって、図14の半円A51b,A52bに示すように、反射係数の軌跡が、高効率となる等高線A53の中心付近を通過するようになる。すなわち、増幅装置は、合成回路39が非対称回路要素を有することによっても、効率の向上を図ることができる。
次に、第3の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第2の実施の形態では、合成回路が非対称回路要素を有するとした。第3の実施の形態では、2つの増幅器の出力に非対称回路要素を接続する。
次に、第4の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第4の実施の形態では、第3の実施の形態に対し、2つの増幅器の一方の出力にオープンスタブを接続する。そして、インピーダンス反転回路の線路長をλ/4より長くし、非対称回路要素とする。
図16の増幅装置は、図15の増幅装置に対し、オープンスタブ82が省略されている。そして、インピーダンス反転回路91の線路長がλ/4+yとなっている。すなわち、図16の増幅装置は、オープンスタブ82を省略し、その分、インピーダンス反転回路91の線路長をλ/4からλ/4+yに長くしている。オープンスタブ81とインピーダンス反転回路91が非対称回路要素である。
次に、第5の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第5の実施の形態では、第4の実施の形態に対してオープンスタブを省略し、合成回路が非対称回路要素を有する。
次に、第6の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第6の実施の形態では、第5の実施の形態に対し、インピーダンス反転回路の線路長をλ/4にし、合成回路が非対称回路要素のオープンスタブを有する。
図18の増幅装置は、図17の増幅装置に対し、インピーダンス反転回路131の線路長がλ/4+yからλ/4となっている。そして、合成回路120の線路122,124の接続点にオープンスタブ125が接続されている。すなわち、図18の増幅装置は、インピーダンス反転回路131の線路長をλ/4+yからλ/4に短くし、その分、合成回路120にオープンスタブ125を具備するようにしている。出力端子Poutに接続された線路123とオープンスタブ125が非対称回路要素である。
次に、第7の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第7の実施の形態では、第6の実施の形態に対し、増幅器の出力の一方にオープンスタブを接続する。そして、合成回路は、オープンスタブの非対称回路要素を具備する。
図19の増幅装置は、図18の増幅装置に対し、合成回路140の線路143の線路長がλ/4−δからλ/4となっている。そして、増幅器36aの出力にオープンスタブ151が接続されている。すなわち、図19の増幅装置は、合成回路140の線路143の線路長をλ/4−δからλ/4へと長くし、その分、増幅器36aの出力に並列にオープンスタブ151を接続している。
次に、第8の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第8の実施の形態では、第7の実施の形態に対し、増幅器の出力に接続したオープンスタブを省略し、インピーダンス反転回路の線路長をλ/4−δにする。
図20の増幅装置は、図19の増幅装置に対し、増幅器36aの出力に接続したオープンスタブ151を省略している。そして、インピーダンス反転回路161の線路長がλ/4からλ/4−δとなっている。すなわち、図20の増幅装置は、増幅器36aの出力に接続したオープンスタブ151を省略し、その分、インピーダンス反転回路161の線路長をλ/4からλ/4−δへと短くしている。
2 インピーダンス反転回路
3 合成回路
3a〜3d 線路
Claims (8)
- 入力信号を2つの定振幅の信号にベクトル分解し、それぞれを増幅する増幅装置において、
ベクトル分解された第1の信号を増幅する第1の増幅部と、
ベクトル分解された第2の信号を増幅する第2の増幅部と、
前記第2の増幅部で増幅された前記第2の信号をインピーダンス反転するインピーダンス反転回路と、
前記第1の増幅部で増幅された前記第1の信号と前記インピーダンス反転回路でインピーダンス反転された前記第2の信号との位相を補正し、合成して出力する合成回路と、を有し、
前記合成回路が非対称回路要素を含みまたは前記第1の増幅部もしくは前記第2の増幅部と前記合成回路との間に前記非対称回路要素が挿入され、
前記合成回路は、
前記第1の増幅部および前記第2の増幅部の出力に並列に接続される第1の線路と第2の線路と、
前記第1の線路と前記第2の線路との間に直列に接続される第3の線路と第4の線路と、を有して、前記第1、第2、第3、第4の線路で四角形状に形成され、少なくとも1つの線路は他線路と長さが異なる非対称回路要素になっている、
ことを特徴とする増幅装置。 - 前記合成回路は、
前記第2の線路と前記第3の線路とが前記非対称回路要素であることを特徴とする請求項1記載の増幅装置。
- 前記第1の増幅部の出力に接続される第1のオープンスタブと、
前記第2の増幅部の出力に接続される第2のオープンスタブと、をさらに有し、
前記第1のオープンスタブと前記第2のオープンスタブとが前記非対称回路要素であることを特徴とする請求項1記載の増幅装置。 - 前記第1の増幅部の出力に接続されるオープンスタブをさらに有し、
前記オープンスタブと前記インピーダンス反転回路とが前記非対称回路要素であることを特徴とする請求項1記載の増幅装置。 - 前記合成回路は、
前記第1の増幅部および前記第2の増幅部の出力に並列に接続される第1の線路と第2の線路と、
前記第1の線路と前記第2の線路との間に直列に接続される第3の線路と第4の線路と、を有し、
前記第3の線路と前記インピーダンス反転回路とが前記非対称回路要素であることを特徴とする請求項1記載の増幅装置。 - 前記合成回路は、
前記第1の増幅部および前記第2の増幅部の出力に並列に接続される第1の線路と第2の線路と、
前記第1の線路と前記第2の線路との間に直列に接続される第3の線路と第4の線路と、
前記第2の線路と前記第4の線路との接続点に接続されるオープンスタブと、を有し、
前記第3の線路と前記オープンスタブとが前記非対称回路要素であることを特徴とする請求項1記載の増幅装置。 - 前記第1の増幅部の出力に接続される第1のオープンスタブをさらに有し、
前記合成回路は、
前記第1の増幅部および前記第2の増幅部の出力に並列に接続される第1の線路と第2の線路と、
前記第1の線路と前記第2の線路との間に直列に接続される第3の線路と第4の線路と、
前記第2の線路と前記第4の線路との接続点に接続される第2のオープンスタブと、を有し、
前記第1のオープンスタブと前記第2のオープンスタブとが前記非対称回路要素であることを特徴とする請求項1記載の増幅装置。 - 前記合成回路は、
前記第1の増幅部および前記第2の増幅部の出力に並列に接続される第1の線路と第2の線路と、
前記第1の線路と前記第2の線路との間に直列に接続される第3の線路と第4の線路と、
前記第2の線路と前記第4の線路との接続点に接続されるオープンスタブと、を有し、
前記インピーダンス反転回路と前記オープンスタブとが前記非対称回路要素であることを特徴とする請求項1記載の増幅装置。
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