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JP5797367B1 - 車両 - Google Patents

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JP5797367B1
JP5797367B1 JP2015531974A JP2015531974A JP5797367B1 JP 5797367 B1 JP5797367 B1 JP 5797367B1 JP 2015531974 A JP2015531974 A JP 2015531974A JP 2015531974 A JP2015531974 A JP 2015531974A JP 5797367 B1 JP5797367 B1 JP 5797367B1
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Abstract

車体フレームとともに傾斜可能な左前輪および右前輪と、車体フレームとともに傾斜可能な後輪とを備えた車両において、燃料タンクの容量を確保しながら、運転時の重心位置の変化量が小さい車両を提供すること。燃料タンク210が、車体フレーム110が直立状態で、車体フレーム110の上下方向において、リンク機構140の上軸線Aの延長線およびリンク機構140の下軸線Cの延長線の間に配置され、車体フレーム110が直立状態で、車体フレーム110の前後方向において、右前輪131Rが接地する右前輪接地部および左前輪131Lが接地する左前輪接地部と、後輪134が接地する後輪接地部と、の中心と、右前輪接地部および左前輪接地部と、の中心F1と、右前輪接地部および左前輪接地部と、後輪接地部と、の中心と、後輪接地部と、の中心F2と、の間に、配置される構成を採る。

Description

本発明は、左右旋回時に車両の左右方向に傾斜する車体フレームと、左右旋回時に車体フレームとともに傾斜可能な左右方向に並んで配置された左前輪および右前輪と、車体フレームとともに傾斜可能な後輪と、を備えた車両に関する。
左右旋回時に車両の左右方向に傾斜する車体フレームと、その車体フレームの左右方向に並んで配置された2つの前輪を備えた車両が知られている(例えば、特許文献1、2および非特許文献1を参照)。この種の車両は、車体フレームが鉛直方向に対して傾斜した状態で旋回できる車両である。より具体的には、車体フレームは、右旋回時において車両の右方に傾斜し、左旋回時において車両の左方に傾斜する。
特許文献1、2および非特許文献1に記載の車両は、リンク機構を備えている。リンク機構は、上クロスメンバと下クロスメンバとを含んでいる。またリンク機構は、上クロスメンバと下クロスメンバとの右端部を支持する右サイドロッド、および上クロスメンバと下クロスメンバとの左端部を支持する左サイドロッドを含んでいる。上クロスメンバと下クロスメンバとの中間部は、車体フレームに支持される。上クロスメンバと下クロスメンバとは、車体フレームのほぼ前後方向に延びる軸線回りに回転可能に車体フレームに支持されている。車体フレームの傾斜に連動して、上クロスメンバと下クロスメンバとは車体フレームに対して回転し、車体フレームの上下方向における左前輪と右前輪との相対位置が変化する。上クロスメンバと下クロスメンバとは、車体フレームが直立状態において、左前輪および右前輪よりも車体フレームの上下方向の上方に設けられている。
非特許文献1に開示の従来の車両は、燃料タンクを、運転者の左右の足が置かれる床部の間に位置するセンタートンネルの中に配置している(例えば、非特許文献1のP76−P80、および、特許文献2の図3を参照)。
特開2005−313876号公報 米国意匠特許D547,242S公報
Catalogo parti di ricambio, MP3 300 ie LT Mod. ZAPM64102, Piaggio社, pp.76-80
燃料を含めた燃料タンクの重量は、燃料の残量に応じて変化する。したがって、運転時の車両の重心位置が、燃料の残量に応じて変化する。
一方、燃料タンクの重量変化を少なくするために、燃料タンクを小さくすると、燃料タンクの容量が少なくなってしまう。
本発明の目的は、車体フレームとともに傾斜可能な左前輪および右前輪と、車体フレームとともに傾斜可能な後輪とを備えた車両において、燃料タンクの容量を確保しながら、運転時の車両の重心位置の変化量が小さい車両を提供することである。
本発明の一態様に係る車両(以下、態様1の車両とも呼ぶ)は、
車体フレームと、
前記車体フレームの左右方向に並べて配置され、前記車体フレームと共に前記車両の左右方向へ傾斜可能な右前輪および左前輪と、
前記車体フレームと共に前記車両の左右方向へ傾斜可能な1つの後輪と、
運転者が座る着座面を有するシートと、
上部と、前記右前輪を支持する下部と、を有する右前輪支持装置と、
上部と、前記左前輪を支持する下部と、を有する左前輪支持装置と、
前記右前輪支持装置の上部を前記車体フレームの上下方向に延びる右軸線回りに回転可能に支持する右サイドロッドと、前記左前輪支持装置の上部を前記右軸線と平行な左軸線回りに回転可能に支持する左サイドロッドと、前記右サイドロッドの上部を右端部に回転可能に支持し、前記左サイドロッドの上部を左端部に回転可能に支持し、中間部が前記車体フレームに前記車体フレームの前後方向に延びる上軸線回りに回転可能に支持される上クロスメンバと、前記右サイドロッドの下部を右端部に回転可能に支持し、前記左サイドロッドの下部を左端部に回転可能に支持し、中間部が前記車体フレームに前記上軸線と平行な下軸線回りに回転可能に支持される下クロスメンバとを含むリンク機構と、
クランク軸を収容するクランクケース部、および、変速機構を収容するトランスミッションケース部を含み、前記後輪の駆動力を発生するパワーユニットと、
前記パワーユニットに供給される燃料を蓄える燃料タンクと、
前記車体フレームに回転可能に支持され、前記左前輪および前記右前輪の向きを変更するステアリングシャフトと、
を備え、
前記リンク機構は、
前記車体フレームが直立状態の側面視で、前記右前輪および前記左前輪の上方に配置され、
前記車体フレームが直立状態の側面視で、前記上軸線および前記下軸線に垂直な仮想線と鉛直線とのなす角度が、前記ステアリングシャフトの回転軸線と鉛直線とのなす角度よりも小さく、
前記パワーユニットは、
前記車体フレームが直立状態で、前記クランクケース部が、前記車体フレームの上下方向において、前記右前輪の上端、前記左前輪の上端および前記後輪の上端より下方、且つ、前記車体フレームの前後方向において、前記右前輪および前記左前輪と前記後輪との間に配置され、
前記車体フレームが直立状態で、前記クランクケース部および前記トランスミッションケース部が、前記車体フレームの前後方向において、前記右前輪および前記左前輪よりも前記後輪の近くに配置され、
前記シートは、
前記車体フレームが直立状態で、前記着座面が、前記車体フレームの前後方向において、前記クランクケース部および前記トランスミッションケース部の前端と、前記後輪の後端との間に配置され、
前記燃料タンクは、
前記車体フレームが直立状態で、前記車体フレームの上下方向において、前記上軸線の延長線および前記下軸線の延長線の間に配置され、
前記車体フレームが直立状態で、前記車体フレームの前後方向において、前記右前輪が接地する右前輪接地部および前記左前輪が接地する左前輪接地部と前記後輪が接地する後輪接地部との中心と、前記右前輪接地部および前記左前輪接地部と、の中心と、前記左前輪接地部および前記右前輪接地部と前記後輪接地部との中心と、前記後輪接地部と、の中心と、の間に、配置される構成を採る。
本発明によれば、大きい重量を有するリンク機構、大きい重量を有するパワーユニット、および、大きい重量を有する運転者が座るシートが、上述のような配置関係となる。そして、このような配置関係の上で、燃料の残量に応じて重量が変化する燃料タンクが、車体フレームの上下方向において、上軸線の延長線および下軸線の延長線の間に配置され、前記車体フレームの前後方向において、右前輪接地部および左前輪接地部と後輪接地部との中心と、右前輪接地部および左前輪接地部と、の中心と、左前輪接地部および右前輪接地部と後輪接地部との中心と、後輪接地部と、の中心と、の間に、配置される。車体フレームが直立状態の側面視で、上軸線および前記下軸線に垂直な仮想線と鉛直線とのなす角度が、前記ステアリングシャフトの回転軸線と鉛直線とのなす角度よりも小さいことから、上軸線と下軸線との間に燃料タンクを配置することにより、重心の近傍に燃料タンクを配置できる。このような構成により、燃料タンクを、運転者が乗車した状態の車両重心の近傍に、配置することができる。燃料タンクが、運転者が乗車した状態の車両重心の近傍に配置されることにより、燃料の残量に基づく重心位置の変化量が小さい車両を提供することができる。したがって、本発明の構成により、燃料タンクの容量を確保しながら、運転時の重心位置の変化量が小さい車両を提供することができる。
また、本発明は、以下の態様を採用してもよい。
態様2の車両は、態様1の車両において、
前記車体フレームが直立状態で、前記車体フレームの左右方向において、前記燃料タンクの左端が、前記上クロスメンバおよび前記下クロスメンバの中心と前記上クロスメンバおよび前記下クロスメンバの左端との中心よりも左方に配置され、且つ、前記燃料タンクの右端が、前記上クロスメンバおよび前記下クロスメンバの中心と前記上クロスメンバおよび前記下クロスメンバの右端との中心よりも右方に配置される、構成を採る。
態様2の車両においては、車両の前部が、左前輪および右前輪を左右方向に並べて配置できる車幅を有する。よって、横幅が大きい燃料タンクを車両に搭載しやすい。さらに、態様2の車両によれば、燃料タンクの左端が、上クロスメンバおよび下クロスメンバの中心と上クロスメンバおよび下クロスメンバの左端との中心よりも左方に配置され、且つ、燃料タンクの右端が、上クロスメンバおよび下クロスメンバの中心と上クロスメンバおよび下クロスメンバの右端との中心よりも右方に配置される。よって、燃料タンクの左右方向の幅が大きくなる。このため、燃料タンクの容量を確保しつつ、燃料タンクの高さ幅を小さくできる。したがって、燃料タンクの容量を確保しながら、燃料の残量に基づく運転時の重心位置の変化量がより小さい車両を提供することができる。
態様3の車両は、態様1の車両において、
前記車体フレームが直立状態で、前記車体フレームの前後方向において、前記燃料タンクの後端が、前記左前輪接地部および前記右前輪接地部と前記後輪接地部との中心より前方に配置される、構成を採る。
態様3の車両によれば、燃料タンクは、車体フレームの上下方向において、上軸線の延長線および下軸線の延長線の間で、前記車体フレームが直立状態で、車体フレームの前後方向において、燃料タンクの後端が、左前輪接地部および右前輪接地部と後輪接地部との中心より前方に配置されるため、運転者が乗車した状態の車両重心に近い高い位置に配置される。また、車体フレームが直立状態の側面視で、上軸線および下軸線に垂直な仮想線と鉛直線とのなす角度が、ステアリングシャフトの回転軸線と鉛直線とのなす角度よりも小さいため、車両の傾斜に伴う車体フレームの前後方向におけるリンク機構の可動範囲は小さい。そのため、燃料タンクの後端が、左前輪接地部および右前輪接地部と後輪接地部との中心より前方に配置されても、燃料タンクの容量が小さくなることを抑制できる。
よって、燃料タンクの容量をより大きく確保可能でありながら、燃料の残量に基づく運転時の重心位置の変化量が小さい車両を提供することができる。
態様4の車両は、態様1の車両において、
前記車体フレームが直立状態で、前記車体フレームの前後方向において、前記燃料タンクの前端が、前記左前輪接地部および前記右前輪接地部と前記後輪接地部との中心より後方に配置される、構成を採る。
態様4の車両によれば、
前記車体フレームが直立状態で、車体フレームの前後方向において、燃料タンクの後端が、左前輪接地部および右前輪接地部と後輪接地部との中心より後方に配置されるため、運転者が乗車した状態の車両重心に近い低い位置に配置される。そのため、燃料の残量に基づく運転時の重心位置の変化量がより小さい車両を提供することができる。
よって、燃料タンクの容量を確保しながら、燃料の残量に基づく運転時の重心位置の変化量がより小さい車両を提供することができる。
態様5の車両は、態様1の車両において、
前記車体フレームが直立状態で、前記車体フレームの前後方向において、前記燃料タンクが、前記左前輪接地部および前記右前輪接地部と前記後輪接地部との中心に重なるように配置される、構成を採る。
態様5の車両によれば、燃料タンクが、左前輪接地部および右前輪接地部と後輪接地部との中心に重なるように配置されるため、運転者が乗車した状態の車両重心により近づけつつ、燃料タンクの容量を大きく確保しやすい。
よって、燃料タンクの容量をより大きく確保可能でありながら、燃料の残量に基づく運転時の重心位置の変化量が小さい車両を提供することができる。
態様6の車両は、態様1の車両において、
前記車体フレームの上下方向において、前記燃料タンクの上端は、前記下クロスメンバの下端より上方に配置される、構成を採る。
態様6の車両によれば、燃料タンクを、運転者が乗車した状態の車両重心に、より近づけることができる。よって、運転時の車両の重心位置の変化量が小さい車両を提供することができる。
態様7の車両は、態様1の車両において、
バッテリ又はブレーキ圧制御ユニットである部品を備え、
前記部品は、
前記車体フレームが直立状態で、前記車体フレームの上下方向において、前記上軸線の延長線および前記下軸線の延長線の間に配置され、
前記車体フレームが直立状態で、前記車体フレームの前後方向において、前記左前輪接地部および前記右前輪接地部と前記後輪接地部との中心と、前記左前輪接地部および前記右前輪接地部と、の中心と、前記左前輪接地部および前記右前輪接地部と前記後輪接地部との中心と、前記後輪接地部と、の中心と、の間に、配置される、構成を採る。
態様7の車両によれば、重量のある部品を、運転者が乗車した状態の車両重心の近くに配置することができる。
本発明によれば、車体フレームとともに傾斜可能な左前輪および右前輪と、車体フレームとともに傾斜可能な後輪とを備えた車両において、燃料タンクの容量を確保しながら、運転時の重心位置の変化量が小さい車両を提供することができる。
本発明の実施形態の車両を示す斜視図 外装を外した状態の車両を示す平面図 外装を外した状態の車両を示す側面図 左前輪、右前輪、リンク機構およびその周辺を示す正面図 左前輪、右前輪、リンク機構およびその周辺を示す平面図 車両が傾斜したときのリンク機構およびその周辺の状態を示す正面図 ハンドルの向きが変わったときのリンク機構およびその周辺の状態を示す平面図 燃料タンクの配置を説明する側面図 燃料タンクの配置を説明する平面図 運転者が乗車した状態の車両重心を示す側面図 燃料タンクの配置の変形例1を説明する平面図 燃料タンクの配置の変形例2を説明する側面図 燃料タンクの配置の変形例3を説明する側面図
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
〈方向についての定義〉
以下、図中の矢印Fは車両100の前方向を示し、矢印Bは車両100の後方向を示す。矢印Uは車両100の上方向を示し、矢印Dは車両100の下方向を示す。矢印Rは車両100の右方向を示し、矢印Lは車両100の左方向を示す。なお、車両100は、車体フレーム110を鉛直に対して車両100の左右方向に傾斜させて旋回する。そこで、車両100の方向とは別に車体フレーム110を基準とした方向を定めている。図中の矢印FFは車体フレーム110を基準とした前方向を示し、矢印FBは車体フレーム110を基準とした後方向を示す。矢印FUは車体フレーム110を基準とした上方向を示し、矢印FDは車体フレーム110を基準とした下方向を示す。矢印FRは車体フレーム110を基準とした右方向を示し、矢印FLは車体フレーム110を基準とした左方向を示す。明細書において、車両100の前後方向、車両100の上下方向、車両100の左右方向とは、車両100を運転する乗員から見た前後、左右、上下の方向であり、車両100を基準とした方向である。また、明細書において、車体フレーム110の前後方向、車体フレーム110の上下方向、車体フレーム110の左右方向とは、車両100を運転する乗員から見た前後、左右、上下の方向であり、車体フレーム110を基準とした方向である。車幅方向中央とは、車両100の左右方向の車幅の中央を意味する。言い換えると、車両100の左右方向中央のことである。また、明細書において、直立状態とは、車体フレーム110の上下方向が鉛直と一致している状態であり、且つ、ハンドル160が転舵していない状態を示す。ハンドル160が転舵していない状態とは、平面視で左前輪131Lおよび右前輪131Rの回転軸が車体フレーム110の前後方向に直交する状態を示す。ハンドル160が転舵していない状態とは、言い換えれば、図9に示すように、ステアリングシャフト161を回転させていない状態、または、ハンドル160が回転していない状態である。直立状態では、車両100の方向と車体フレーム110の方向は一致する。なお、車体フレーム110を鉛直に対して左右方向に傾斜させて旋回しているときは、車両100の左右方向と車体フレーム110の左右方向は一致しない。また、車両100の上下方向と車体フレーム110の上下方向も一致しない。しかし、車両100の前後方向と車体フレーム110の前後方向は一致する。
また、本明細書において、前後方向に延びる軸線とは、車体フレーム110の前後方向と平行な軸線だけを示すものでなく、車体フレーム110の前後方向に対して±45° の範囲で傾斜している軸線を含むものとする。左右方向および上下方向よりも前後方向に近い方向に延びる軸線は、前後方向に延びる軸線に含まれる。同様に、上下方向に延びる軸線とは、車体フレーム110の上下方向に対して±45°の 範囲で傾斜している軸線を含むものとする。前後方向および左右方向よりも上下方向に近い方向に延びる軸線は、上下方向に延びる軸線に含まれる。左右方向に延びる軸線とは、車体フレーム110の左右方向に対して±45° の範囲で傾斜している軸線を含むものとする。前後方向および上下方向よりも左右方向に近い方向に延びる軸線は、左右方向に延びる軸線に含まれる。
また、本明細書において、車体フレーム110の各部について「前後方向に延びる」と言った場合、延びる方向には、車体フレーム110の前後方向の成分が含まれていればよく、上下左右に傾斜した斜め前後方向に延びる態様も含むものとする。
図1は、本発明の実施形態の車両を示す斜視図である。図2は、外装を外した状態の車両を示す平面図である。図3は、外装を外した状態の車両を示す側面図である。図2および図3においては、車両100の外装を破線で示している。図3においては、車両100が左右方向に傾斜したときの左前輪131Lと右前輪131Rとを2点鎖線で示している。
図1に示すように、本実施形態の車両100は、左前輪131Lと、右前輪131Rと、後輪134と、ハンドル160と、シート180と、車体カバー(201a,201b,201c,201d,201e)とを備えている。また、図2および図3に示すように、車両100は、リンク機構140と、車体フレーム110(図2参照)と、パワーユニット170(図3参照)と、燃料タンク210と、収納ケース250と、バッテリ或いはブレーキ圧制御ユニットである重い部品270(図3参照)と、を備えている。
車体フレーム110は、車両100の各構成を保持するものである。車体フレーム110は、リンク支持部111と、ダウンフレーム部112と、アンダーフレーム部113と、リアフレーム部114とを有する(図2および図3を参照)。
リンク支持部111は、車両100の前部に配置されている。リンク支持部111は、リンク機構140を支持している。特に制限されないが、本実施形態では、リンク支持部111がヘッドパイプを兼ねた構成を採用している。ヘッドパイプとしてのリンク支持部111は、車両100の側面視で、下部より上部が後方に位置するように、鉛直方向に対して傾斜して配置されている。ヘッドパイプとしてのリンク支持部111は、ハンドル160およびステアリングシャフト161を支持している。また、ヘッドパイプとしてのリンク支持部111には、ステアリングシャフト161が回転可能に挿入されている。
ダウンフレーム部112は、リンク支持部111から下方へ延びて、アンダーフレーム部113に接続している。アンダーフレーム部113は、車両100の底部、且つ、平面視でシート180の前に配置されている。アンダーフレーム部113は、後述する車体カバーの床部201dを支持している。
リアフレーム部114は、アンダーフレーム部113の後端から車両100の後部に向かって延び、シート180、燃料タンク210、収納ケース250、および、パワーユニット170を支持している。パワーユニット170は、スイングアームを介してリアフレーム部114に支持されてもよい。
パワーユニット170は、後輪134の駆動力を発生する。パワーユニット170は、エンジン、クランク軸を収容したクランクケース部171、および、変速機を収容したトランスミッションケース部172を含んでいる(図3を参照)。パワーユニット170の配置については、後述する。
車体カバーは、フロントカバー部201a、左右一対のフロントフェンダー201b、レッグシールド部201c、床部201d、および、リアカバー部201eを有する。
フロントカバー部201aは、リンク機構140の前方の少なくとも一部を覆っている。
レッグシールド部201cは、リンク機構140の後方、および、左前輪131Lおよび右前輪131Rの少なくとも一部の後方に位置する。また、レッグシールド部201cは、ダウンフレーム部112の前方および後方を覆っている。レッグシールド部201cは、床部201dに接続されている。
床部201dは、シート180に座った運転者が足を置く床面を有する。床面は、平面視で、シート180の前方、および、レッグシールド部201cの後方、さらに、側面視で、左前輪131Lおよび右前輪131Rの上端より低い位置に、配置されている。特に制限されないが、本実施の形態では、床部201dは、左前輪131Lの左端から右前輪131Rの右端までの長さとほぼ同じ横幅を有する。
リアカバー部201eは、リアフレーム部114の周辺を覆っている。
シート180は、運転者が座る着座面181を有する。シート180の配置については後述する。
収納ケース250は、シート180の後部の下方に配置されている。収納ケース250は、上方がシート180に覆われている。シート180を開いた状態で、収納ケース250は、物を出し入れ可能である。特に制限されないが、本実施形態では、収納ケース250にヘルメット501が収容可能である。
燃料タンク210は、パワーユニット170の燃料を蓄える。燃料タンク210には、燃料ホースが接続されている。燃料は、燃料タンク210から燃料ホースを通してパワーユニット170へ供給される。
左前輪131Lおよび右前輪131Rは、車体フレーム110の左右方向に並んで配置されている。左前輪131Lおよび右前輪131Rは、車体フレーム110と共に左右方向に傾斜する。
後輪134は、車体フレーム110或いはパワーユニット170に回転可能に支持されたスイングアームに支持されている。さらに、スイングアームは、サスペンションを介してリアフレーム部114に接続されている。サスペンションにより、スイングアームの回転方向の移動が規制されている。後輪134は、車体フレーム110と共に左右方向に傾斜する。
〈リンク機構〉
図4は、左前輪、右前輪、リンク機構およびその周辺を示す正面図である。図5は、左前輪、右前輪、リンク機構およびその周辺を示す平面図である。図6は、車両が傾斜したときのリンク機構およびその周辺の状態を示す正面図である。図7は、ハンドルの向きを変えたときのリンク機構およびその周辺の状態を示す平面図である。
リンク機構140は、平行四節リンク方式(パラレログラムリンクとも呼ぶ)の構成である。
リンク機構140は、車体フレーム110のリンク支持部111に支持されている。リンク機構140は、車両100の傾斜動作を行うための構成として、上クロスメンバ141、下クロスメンバ142、左サイドロッド143および右サイドロッド144を備えている。
上クロスメンバ141は、中間部がリンク支持部111に支持される。上クロスメンバ141は、車体フレーム110の前後方向に延びる上軸線A(図3参照)の回りに回転可能に支持される。詳細には、上軸線Aは、FF−FU平面に平行で、且つ、矢印FFを基準に矢印FUの方向へ45°以内傾斜している。
上クロスメンバ141の左端部は、左サイドロッド143に支持されている。上クロスメンバ141は、上軸線Aと平行な左上軸線ALの回りに、左サイドロッド143に対して回転可能である。上クロスメンバ141の右端部は、右サイドロッド144に支持されている。上クロスメンバ141は、上軸線Aと平行な右上軸線ARの回りに、右サイドロッド144に対して回転可能である。
下クロスメンバ142は、中間部がリンク支持部111に支持される。下クロスメンバ142は、上軸線Aと平行な下軸線C(図3参照)の回りに回転可能に支持される。下クロスメンバ142は、上クロスメンバ141よりも下方に配置される。下クロスメンバ142は、上クロスメンバ141と略同じ車幅方向の長さを有し、上クロスメンバ141と平行に配置されている。
下クロスメンバ142の左端は、左サイドロッド143に支持されている。下クロスメンバ142は、下軸線Cと平行な左下軸線CLの回りに、左サイドロッド143に対して回転可能である。下クロスメンバ142の右端部は、右サイドロッド144に支持されている。下クロスメンバ142は、下軸線Cと平行な右下軸線CRの回りに、右サイドロッド144に対して回転可能である。
特に制限されないが、この実施の形態では、リンク機構140の下クロスメンバ142は、リンク支持部111、左サイドロッド143、右サイドロッド144の前方に位置する部分を有する前下クロスメンバ142aと、リンク支持部111、左サイドロッド143、右サイドロッド144の後方に位置する部分を有する後下クロスメンバ142bを有している(図3および図5を参照)。
左サイドロッド143は、リンク支持部111の左方に配置され、リンク支持部111の延びる方向と平行に延びている。左サイドロッド143は、左前輪131Lの上方に配置されている。左サイドロッド143は、後述する左緩衝装置150Lを、左軸線Y1を中心に回転可能に支持している。左緩衝装置150Lは、本発明の左前輪支持装置の一例に相当する。
右サイドロッド144は、リンク支持部111の右方に配置され、リンク支持部111の延びる方向と平行に延びている。右サイドロッド144は、右前輪131Rの上方に配置されている。右サイドロッド144は、後述する右緩衝装置150Rを、右軸線Y2を中心に回転可能に支持している。右緩衝装置150Rは、本発明の右前輪支持装置の一例に相当する。
このように、上クロスメンバ141、下クロスメンバ142、左サイドロッド143、および右サイドロッド144は、上クロスメンバ141と下クロスメンバ142とが相互に平行な姿勢を保ち、左サイドロッド143と右サイドロッド144とが相互に平行な姿勢を保つように支持されている。
図6に示すように、リンク機構140は、車両100が左右方向(R−L方向)に傾斜すると、左前輪131Lおよび右前輪131Rを傾斜させる。さらに、リンク機構140は、車体フレーム110の左右方向の傾斜に合わせて、車体フレーム110の上下方向(矢印FU,FDの方向)に、左前輪131Lと右前輪131Rとの高さを相対的に変化させる。
〈操舵機構〉
ハンドル160と左前輪131Lおよび右前輪131Rとの間には、操舵機構が設けられている。操舵機構は、ステアリングシャフト161、中央操舵アーム162(図7を参照)、タイロッド165、左操舵アーム163、右操舵アーム164、左緩衝装置150L、および、右緩衝装置150Rを有している。
左緩衝装置150Lは、左緩衝器151、左ブラケット146、および、左回転防止機構152、を有している。左緩衝装置150Lは、左サイドロッド143に支持されて左サイドロッド143とともに傾斜する。
左緩衝器151は、例えばテレスコピック構造により路面からの振動を減衰させるものである。左緩衝器151の上端は左ブラケット146に固定されている。左緩衝器の下端は左前輪131Lを支持している。これにより、左緩衝器153は、左緩衝器151の上部に対する左前輪131Lの車体フレーム110の上下方向における変位を緩衝する。なお、左緩衝器151の伸縮方向は、車体フレーム110の上下方向を基準に、傾きを有する場合がある。この場合には、左前輪131Lは、左緩衝器151の上部に対して車体フレーム110の前後方向又は左右方向にも変位する。この場合、左緩衝器151は、左前輪131Lの前後方向又は左右方向における変位も緩衝する。
左回転防止機構152は、左緩衝器151と平行に配置されている。左回転防止機構152は、テレスコピック構造を有している。左回転防止機構152の上端は左ブラケット146に固定されている。左回転防止機構152の下端は左前輪131Lを支持している。
左緩衝器151および左回転防止機構152が左前輪131Lを支持することで、左ブラケット146の向きと左前輪131Lとの向きとが相対的に変化しないように、左ブラケット146と左前輪131Lとが関係づけられる。
右緩衝装置150Rは、右緩衝器153、右ブラケット147、および、右回転防止機構154、を有している。右緩衝装置150Rは、右サイドロッド144に支持されて右サイドロッド144とともに傾斜する。
右緩衝器153は、例えばテレスコピック構造により路面からの振動を減衰させるものである。右緩衝器153の上端は右ブラケット147に固定されている。右緩衝器153の下端は右前輪131Rを支持している。これにより、右緩衝器153は、右緩衝器153の上部に対する右前輪131Rの車体フレーム110の上下方向における変位を緩衝する。なお、右緩衝器153の伸縮方向は、車体フレーム110の上下方向を基準に、傾きを有する場合がある。この場合には、右前輪131Rは、右緩衝器153の上部に対して車体フレーム110の前後方向又は左右方向にも変位する。この場合、右緩衝器153は、右前輪131Rの前後方向又は左右方向における変位も緩衝する。
右回転防止機構154は右緩衝器153と平行に配置されている。右回転防止機構154は、テレスコピック構造を有している。右回転防止機構154の上端は右ブラケット147に固定されている。右回転防止機構154の下端は右前輪131Rを支持している。
右緩衝器153および右回転防止機構154が右前輪131Rを支持することで、右ブラケット147の向きと右前輪131Rとの向きとが相対的に変化しないように、右ブラケット147と右前輪131Rとが関係づけられる。
ステアリングシャフト161は、車体フレーム110に回転可能に支持され、左前輪131Lおよび右前輪131Rの向きを変更する。
中央操舵アーム162およびタイロッド165は、左前輪131Lおよび右前輪131Rよりも上方に配置されている。中央操舵アーム162は、一端部がステアリングシャフト161に固定され、ステアリングシャフト161と共に回転する。中央操舵アーム162の他端部は、タイロッド165に支持されている。中央操舵アーム162は、ステアリングシャフト161の回転をタイロッド165に伝達する。
左操舵アーム163は、左ブラケット146に固定されている。
右操舵アーム164は、右ブラケット147に固定されている。
タイロッド165は、中央操舵アーム162と、左操舵アーム163と、右操舵アーム164とをそれぞれ支持し、中央操舵アーム162の回転を、左操舵アーム163と、右操舵アーム164とに伝達する。
これらの構成により、図7に示すように、ハンドル160が操作され、ステアリングシャフト161および中央操舵アーム162が回転したときに、左ブラケット146と右ブラケット147とが同一角度で回転する。これにより、左前輪131Lおよび右前輪131Rが互いに同一方向Tに転舵する。
〈リンク機構140の配置および向き〉
図4に示すように、リンク機構140の上クロスメンバ141および下クロスメンバ142は、車体フレーム110が直立状態の側面視で、ハンドル160より下方、左前輪131Lおよび右前輪131Rの上端より上方に配置されている。また、図5に示すように、リンク機構140の上クロスメンバ141および下クロスメンバ142は、車体フレーム110の前後方向において、左前輪131Lおよび右前輪131Rと重なる位置に配置される。即ち、リンク機構140の上クロスメンバ141および下クロスメンバ142は、側面視で、右前輪131Rの前端を通る鉛直線と後端を通る鉛直線の間、及び、左前輪131Lの前端を通る鉛直線と後端を通る鉛直線の間に配置される。また、リンク機構140の上クロスメンバ141および下クロスメンバ142は、車体フレーム110の前後方向において、左前輪131Lおよび右前輪131Rの接地部より後方に配置されている。
また、図3に示すように、車体フレーム110が直立状態の側面視で、リンク機構140の上軸線Aおよび下軸線Cに垂直な仮想線L1は、ステアリングシャフト161の回転軸線L2よりも、鉛直線(矢印Uの方向)とのなす角度が小さい。本明細書において、仮想線は直線である。すなわち、仮想線L1と鉛直線U1とのなす角度θ1が、回転軸線L2と鉛直線U2とのなす角度θ2よりも小さい。ステアリングシャフト161の回転軸線L2は、左軸線Y1および右軸線Y2(図4を参照)と平行である。
〈パワーユニット170の配置〉
車体フレーム110が直立状態で、車体フレーム110の上下方向において、クランクケース部171(図3参照)は、右前輪131R、左前輪131Lおよび後輪134の上端より下方に配置されている。
車体フレーム110の前後方向において、パワーユニット170は、左前輪131L、右前輪131R、および、リンク機構140より後方に配置されている。特に制限されないが、本実施形態では、車体フレーム110の前後方向において、パワーユニット170は、床部201dより後方に配置されている。
また、車体フレーム110の前後方向において、クランクケース部171は、右前輪131Rおよび左前輪131Lの後端と、後輪134の前端との間に、配置されている。車体フレーム110の前後方向において、クランクケース部171およびトランスミッションケース部172は、右前輪131Rおよび左前輪131Lの後端よりも後輪134の前端の近くに配置されている。言い換えると、クランクケース部171およびトランスミッションケース部172の車体フレーム110の前後方向の中心は、右前輪131Rおよび左前輪131Lの後端と後輪134の前端との車体フレーム110の前後方向の中心よりも後方に位置する。
〈シート180の配置〉
車体フレーム110が直立状態で、車体フレーム110の上下方向において、シート180の着座面181は、リンク機構140の上クロスメンバ141の上端(図8の水平線V2)と、下クロスメンバ142の下端(図8の水平線V1)との間に配置されている。また、車体フレーム110の前後方向において、着座面181は、パワーユニット170のクランクケース部171(図8参照)の前端およびトランスミッションケース部172(図8参照)の前端のうちより前端の方と、後輪134の後端と、の間に配置されている。
〈重い部品の配置〉
重い部品270は、車体フレーム110が直立状態の側面視で、図8の仮想線F1,F2と、上軸線Aと、下軸線Cとの囲まれる範囲に配置される。重い部品270の一部が上軸線Aの下方且つ下軸線Cの上方に配置され、重い部品270の残りの部分が下軸線Cの下方に配置されている。仮想線F1,F2については、後述する。
〈燃料タンク210の配置〉
図8は、燃料タンク210の配置を説明する側面図である。図9は、燃料タンク210の配置を説明する平面図である。図8においては、車両100が左右方向に傾斜したときの左前輪131Lと右前輪131Rとを2点鎖線で示している。図9においては、車両100の外装を破線で示している。
本明細書においては、燃料タンクの上端とは、給油口の上端を意味する。また、燃料タンクの前端、後端、下端、左端および右端とは、燃料が収容される空間の前端、後端、下端、左端および右端を意味する。
図8に示すように、車体フレーム110が直立状態で、車体フレーム110の上下方向において、燃料タンク210は、リンク機構140の上軸線Aと下軸線Cとの間に配置されている。車両100の側面視で、燃料タンク210の一部が下軸線Cの下方に配置され、燃料タンク210の残りの部分が上軸線Aと下軸線Cとの間に配置されている。
さらに、図8に示すように、車体フレーム110が直立状態で、車体フレーム110の上下方向において、燃料タンク210の上端は、リンク機構140の下クロスメンバ142の下端(水平線V1)よりも上方に配置されている。
また、図8に示すように、燃料タンク210は、車体フレーム110の前後方向において、仮想線F1と仮想線F2との間に配置されている。車両100の側面視で、燃料タンク210の前端が仮想線F1と仮想線F2との間に配置され、燃料タンク210の後端が仮想線F2の後方に配置されている。
ここで、仮想線F1は、車体フレーム110が直立状態の側面視で、左前輪接地部および右前輪接地部の中心位置E1と、中心線E2との、中心を示す。中心線E2は、左前輪接地部および右前輪接地部の中心位置E1と後輪接地部の中心位置E3との、中心を示す。仮想線F2は、車体フレーム110が直立状態の側面視で、中心線E2と後輪接地部の中心位置E3との中心を示す。左前輪接地部とは、左前輪131Lの接地部を示す。右前輪接地部とは、右前輪131Rの接地部を示す。車体フレーム110が直立状態の側面視で、左前輪接地部と右前輪接地部は、車体フレーム110の前後方向で等しい位置に位置する。そのため、左前輪接地部および右前輪接地部の中心位置E1は、左前輪接地部の中心位置および右前輪接地部の中心位置である。後輪接地部とは、後輪134の接地部を示す。
さらに、図9に示すように、車体フレーム110が直立状態で、車体フレーム110の左右方向において、燃料タンク210の右端が仮想線H1より右方に配置され、燃料タンク210の左端が仮想線H2より左方に配置されている。
ここで、仮想線H1は、車体フレーム110が直立状態ので、車体フレーム110の左右方向において、上クロスメンバ141および下クロスメンバ142の右端位置G1と、上クロスメンバ141および下クロスメンバ142の中心位置G2との、中心を示す。仮想線H2は、車体フレーム110が直立状態で、車体フレーム110の左右方向において、上クロスメンバ141および下クロスメンバ142の左端位置G3と、上クロスメンバ141および下クロスメンバ142の中心位置G2との、中心を示す。中心位置G2は、上クロスメンバ141および下クロスメンバ142の左右方向の中心を示す。
〈実施形態の効果〉
図10には、運転者が乗車した状態の車両重心を示す側面図である。図10においては、車両100が左右方向に傾斜したときの左前輪131Lと右前輪131Rとを2点鎖線で示している。
以上のように、本実施形態の車両100によれば、リンク機構140は、車体フレーム110が直立状態で、右前輪131Rおよび左前輪131Lより上方に配置され、車体フレーム110が直立状態で、車体フレーム110の前後方向において、右前輪131Rおよび左前輪131Lと重なるように配置され、車体フレーム110が直立状態の側面視で、上軸線Aおよび下軸線Cに垂直な仮想線L1と鉛直線U1とのなす角度θ1が、ステアリングシャフト161の回転軸線L2と鉛直線U2とのなす角度θ1よりも小さく、パワーユニット170は、車体フレーム110が直立状態で、クランクケース部171が、車体フレーム110の上下方向において、右前輪131Rの上端、左前輪131Lの上端および後輪134の上端より下方、且つ、車体フレーム110の前後方向において、右前輪131Rおよび左前輪131Lと後輪134との間に配置され、車体フレーム110が直立状態で、クランクケース部171およびトランスミッションケース部172が、車体フレーム110の前後方向において、右前輪131Rおよび左前輪131Lよりも後輪134の近くに配置され、シート180は、車体フレーム110が直立状態で、着座面181が、車体フレーム110の前後方向において、クランクケース部171およびトランスミッションケース部172の前端と、後輪134の後端との間に配置され、燃料タンク210は、車体フレーム110が直立状態で、車体フレーム110の上下方向において、上軸線Aの延長線および下軸線Cの延長線の間に配置され、車体フレーム110が直立状態で、車体フレーム110の前後方向において、右前輪131Rが接地する右前輪接地部および左前輪131Lが接地する左前輪接地部と後輪134が接地する後輪接地部との中心と、右前輪接地部および左前輪接地部と、の中心と、左前輪接地部および右前輪接地部と後輪接地部との中心と、後輪接地部と、の中心と、の間に、配置される。
本実施形態の車両100によれば、大きい重量を有するリンク機構140、大きい重量を有するパワーユニット170、および、大きい重量を有する運転者が座るシート180が、上述のような配置関係となることにより、燃料タンク210を、運転者500が乗車した状態の車両100の重心Q1(図10参照)の近傍に配置することができる。したがって、本実施形態の車両100によれば、燃料の残量に基づく重心Q1の位置の変化量が小さい車両100を提供することができる。よって、燃料タンク210の容量を確保しながら、運転時の重心Q1の変化量が小さい車両100を提供することができる。
また、本実施形態の車両100においては、車両100の前部が、左前輪131Lおよび右前輪131Rを左右方向に並べて配置できる車幅を有する。或いは、車両100の前部が、リンク機構140の横幅以上の車幅を有する。よって、左右方向の幅が大きい燃料タンク210を車両100に搭載しやすい。さらに、本実施形態の車両100によれば、燃料タンク210の左端が、図9の仮想線H2より左方に配置され、燃料タンク210の右端が、図9の仮想線H1より右方に配置されている。よって、燃料タンク210の横幅が大きくなる。よって、燃料の容量を確保しつつ、燃料タンク210の高さ幅を小さくすることができる。したがって、燃料タンク210の容量を確保しながら、燃料の残量に基づく運転時の重心Q1の変化量がより小さい車両100を提供することができる。
また、本実施形態の車両100においては、燃料タンク210は、車体フレーム110の上下方向において、上軸線の延長線および下軸線の延長線の間で、車体フレーム110が直立状態で、車体フレーム110の前後方向において、燃料タンク210の後端が、左前輪接地部および右前輪接地部と後輪接地部との中心より前方に配置されるため、運転者が乗車した状態の車両重心に近い高い位置に配置される。また、車体フレーム110が直立状態の側面視で、上軸線および下軸線に垂直な仮想線と鉛直線とのなす角度が、ステアリングシャフト161の回転軸線と鉛直線とのなす角度よりも小さいため、車両100の傾斜に伴う車体フレーム110の前後方向におけるリンク機構140の可動範囲は小さい。そのため、燃料タンク210の後端が、左前輪接地部および右前輪接地部と後輪接地部との中心より前方に配置されても、燃料タンク210の容量が小さくなることを抑制できる。
また、本実施形態の車両100においては、車体フレーム110が直立状態で、車体フレーム110の前後方向において、燃料タンク210の後端が、左前輪接地部および右前輪接地部と後輪接地部との中心より後方に配置されるため、運転者が乗車した状態の車両重心に近い低い位置に配置される。そのため、燃料の残量に基づく運転時の重心位置の変化量がより小さい車両を提供することができる。よって、燃料タンク210の容量を確保しながら、燃料の残量に基づく運転時の重心位置の変化量がより小さい車両100を提供することができる。
また、本実施形態の車両100においては、燃料タンク210が、左前輪接地部および右前輪接地部と後輪接地部との中心に重なるように配置されるため、運転者が乗車した状態の車両重心により近づけつつ、燃料タンク210の容量を大きく確保しやすい。よって、燃料タンク210の容量をより大きく確保可能でありながら、燃料の残量に基づく運転時の重心位置の変化量が小さい車両100を提供することができる。
また、本実施形態の車両100によれば、車体フレーム110の上下方向において、燃料タンク210の上端が、下クロスメンバ142の下端より上方に配置されるため、燃料タンク210を、運転者が乗車した状態の車両100の重心Q1に、より近づけることができる。よって、運転時の重心位置の変化量が小さい車両100を提供することができる。
さらに、本実施形態の車両100によれば、上述した重い部品270の配置により、重い部品270を、運転時の車両100の重心Q1の近傍に配置することができる。
〈燃料タンク210Aの配置の変形例1〉
図11は、燃料タンクの配置の変形例1を説明する平面図である。図11においては、車両100Aの外装を破線で示している。
変形例1は、燃料タンク210Aの左右方向の配置の条件を変更した例である。
変形例1では、車体フレーム110が直立状態で、車体フレーム110の左右方向において、燃料タンク210Aの右端が仮想線I1より右方に配置され、燃料タンク210Aの左端が仮想線I2より左方に配置されている。
変形例1の車両100Aにおいては、燃料タンク210Aの右端が仮想線I1より僅かにでも右方に配置され、且つ、燃料タンク210Aの左端が仮想線I2より僅かにでも左方に配置されていればよい。
ここで、仮想線I1は、車体フレーム110が直立状態で、車体フレーム110の左右方向において、リンク機構140の右上軸線ARと、左右方向の中心線I0との、中心の位置を示す。仮想線I2は、車体フレーム110が直立状態で、車体フレーム110の左右方向において、リンク機構140の左上軸線ALと、左右方向の中心線I0との、中心の位置を示す。左右方向の中心線I0は、左上軸線ALと右上軸線ARとの中心の位置を示す。
変形例1において、燃料タンク210Aの前後方向および上下方向の配置条件は、上述の実施形態のものと同様である。
変形例1の車両100Aによれば、燃料タンク210Aの左右方向の配置を、上記のように右上軸線ARと左上軸線ALとに基づいて規定することで、燃料タンク210Aの左右方向の幅を大きくできる。よって、変形例1の車両100Aにおいても、燃料の容量を確保しつつ、燃料タンク210Aの高さ幅を小さくすることができる。よって、燃料タンク210Aの容量を確保しながら、運転時の重心Q1の変化量がより小さい車両100Aを提供することができる。
〈燃料タンクの配置の変形例2〉
図12は、燃料タンクの配置の変形例2を説明する側面図である。図12においては、車両100Bが左右方向に傾斜したときの左前輪131Lと右前輪131Rとを2点鎖線で示している。
変形例2は、燃料タンク210Bの上下方向の配置の条件を追加した例である。
変形例2では、車体フレーム110が直立状態の側面視で、燃料タンク210Bの一部が仮想線J1の上方に配置され、燃料タンク210Bの他の一部が仮想線J2の下方に配置されている。
ここで、仮想線J1は、リンク機構140の上軸線Aと、上軸線Aに平行な中心軸線J0との、中心を示す。仮想線J2は、リンク機構140の下軸線Cと、下軸線Cに平行な中心軸線J0との、中心を示す。中心軸線J0は、上軸線Aと下軸線Cとの中心を示す軸線である。
変形例2において、燃料タンク210Bのその他の配置条件は、上述した実施形態のものと同様である。
変形例2の車両100Bによれば、燃料タンク210Bを運転時の車両100Bの重心Q1に、より近づけることができる。よって、燃料残量に応じた重心Q1の位置の変化量がより小さい車両100Bを提供することができる。
〈燃料タンクの配置の変形例3〉
図13は、燃料タンクの配置の変形例3を説明する側面図である。図13においては、車体が左右方向に傾斜したときの左前輪131Lと右前輪131Rとを2点鎖線で示している。
配置P1は、燃料タンク210の後端が中心線E2より前方に配置される一例である。
配置P2は、燃料タンク210が中心線E2と重なる一例である。
配置P3は、燃料タンク210の前端が中心線E2より後方に配置される一例である。
但し、配置P1〜P3の各々は、車体フレーム110が直立状態の側面視において、仮想線F1,F2、上軸線A、および、下軸線Cに囲まれる範囲と、少なくとも一部が重なる。
車体フレーム110の直立状態の側面視において、燃料タンク210は、配置P1,P2,P3の何れかに配置してもよい。
上記の実施形態で説明した燃料タンク210の配置条件を満たしていれば、車両タイプに応じて、適宜、燃料タンク210を配置してよい。
なお、車両タイプの一例として、床部201dがなく、パワーユニット170の一部がシート180の着座面181の前端より前方に配置され、運転者が車両に跨って乗るタイプが含まれる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。
なお、上記実施の形態では、車両100,100A,100Bの各部の配置を図面に具体的に示して説明した。しかし、各部の配置は、図面に示された具体的な配置に限定されず、特許請求の範囲の独立請求項に記載された条件を満たす配置であればよい。
例えば、上記実施の形態では、図8を参照して、車体フレーム110が直立状態の側面視で、燃料タンク210の一部が下軸線Cの下方に配置され、残りの部分が上軸線Aと下軸線Cとの間に配置されると説明した。しかし、燃料タンク210は、車体フレーム110が直立状態で、車体フレーム110の上下方向において、リンク機構140の上軸線Aと下軸線Cとの間に配置されていればよい。すなわち、車両100の側面視で、燃料タンク210の一部が、上軸線Aの上方に配置され、且つ、燃料タンク210の残りの部分が上軸線Aと下軸線Cとの間に配置されてもよい。また、車両100の側面視で、燃料タンク210の全てが、上軸線Aと下軸線Cとの間に配置されてもよい。また、車両100の側面視で、燃料タンク210の一部が上軸線Aの上方に配置され、燃料タンク210の他の一部が下軸線Cの下方に配置され、燃料タンク210の残りの部分が上軸線Aと下軸線Cとの間に配置されてもよい。
また、上記実施の形態では、図8を参照して、車両100の側面視で、燃料タンク210の前端が仮想線F1と仮想線F2との間には位置され、燃料タンク210の後端が仮想線F2の後方に配置されていると説明した。しかし、燃料タンク210は、車体フレーム110の前後方向において、仮想線F1と仮想線F2との間に配置されていればよい。すなわち、車両100の側面視で、燃料タンク210の前端と後端とが仮想線F1,F2の間に配置されてもよい。また、車両100の側面視で、燃料タンク210の前端が仮想線F1の前方に配置され、且つ、燃料タンク210の後端が仮想線F1,F2の間に配置されてもよい。また、車両100の側面視で、燃料タンク210の前端が仮想線F1の前方に配置され、且つ、燃料タンク210の後端が仮想線F2の後方に配置されてもよい。
また、本発明は、車体フレーム110の上下方向および前後方向において、燃料タンク210の配置の条件を有する。上記実施の形態では、燃料タンク210の左右方向の配置についても説明した。しかし、本発明において、燃料タンク210の左右方向の大きさは制限されない。
さらに、上記実施の形態では、車両100,100A,100Bの各部の配置について、より好ましい具体例を、図面を参照して説明した。しかし、より好ましい各部の配置についても、図面に示された具体的な配置に限定されず、特許請求の範囲の従属請求項に記載された条件を満たしていればよい。
例えば、上記実施の形態では、図9を参照して、燃料タンク210の右端が仮想線H1より右方に配置され、且つ、燃料タンク210の左端が仮想線H2より左方に配置されると説明した。しかしながら、燃料タンク210の配置は、図9の具体的な配置に制限されない。燃料タンク210の右端は仮想線H1より僅かにでも右方に配置され、且つ、燃料タンク210の左端は仮想線H2より僅かにでも左方に配置されてもよい。
また、上記実施の形態では、図8を参照して、重い部品270の一部が、仮想線F1、F2と、上軸線Aと、下軸線Cとに囲まれる範囲に配置されると説明した。しかしながら、重い部品270の配置は、図8の具体的な配置に制限されない。重い部品270は、車体フレーム110が直立状態の側面視で、仮想線F1,F2と、上軸線Aと、下軸線Cとに囲まれる範囲に配置されればよい。すなわち、重い部品270の全てが、仮想線F1,F2と、上軸線Aと、下軸線Cとの囲まれる範囲に含まれるように配置されてもよい。また、重い部品270の一部が、仮想線F1,F2と、上軸線Aと、下軸線Cとに囲まれる範囲に含まれるように配置されてもよい。
さらに、上記実施の形態では、車両100,100A,100Bの構成および各部の構造を、図面に具体的に示して説明した。しかしながら、車両および車両を構成する各部の構造は、特許請求の範囲に含まれるものであればよい。
例えば、上記実施の形態では、平面視でシート180の前方に床部201dを有する車両100を例にとって説明した。しかし、本発明に係る車両は、床部201dがなく、運転者がシートに跨って乗るタイプとしてもよい。
また、上記実施の形態では、リンク支持部111がヘッドパイプを兼ねた構成を例にとって説明したが、本発明に係る車両は、リンク支持部111とは別にヘッドパイプを有する構成としてもよい。
また、本発明に係るパワーユニットは、エンジンと、クランクケース部と、トランスミッションケース部を備えてれば良い。クランクケース部とトランスミッションケース部は、別体に形成される必要はなく、クランクケース部とトランスミッションケース部が一体で形成されていてもよい。また、本発明のパワーユニットの位置は、実施の形態で示した位置に限定されず、車体フレームが直立状態で、クランクケース部が、車体フレームの上下方向において、右前輪の上端、左前輪の上端および後輪の上端より下方、且つ、車体フレームの前後方向において、右前輪および左前輪と後輪との間に配置される位置であればよく、パワーユニットの一部が、車体フレームの上下方向において、右前輪の上端、左前輪の上端および後輪の上端より下方、且つ、車体フレームの前後方向において、右前輪および左前輪と後輪との間以外に、配置される場合も含まる。エンジンの気筒数も限定されない。
また、本発明に係るリンク機構は、上クロスメンバが、リンク支持部111の前方に配置される部分を有する前上クロスメンバと、リンク支持部111の後方に配置される部分を有する後上クロスメンバとを含んでいてもよい。また、下クロスメンバは、前下クロスメンバのみであってもよいし、後下クロスメンバのみであってもよい。本発明に係るリンク機構は、上クロスメンバと下クロスメンバとを備えていればよく、車体フレームの上下方向で上クロスメンバと下クロスメンバの間に配置される1つ又は複数のクロスメンバを有していても良い。
また、本発明に係るシートは、運転者の着座面のほかにタンデムライダー(同乗者)の着座面を有していても良い。タンデムライダーの着座面の位置は、特に制限されない。
本発明は、多くの異なった形態で具現化され得るものである。この開示は本発明の原理の実施形態を提供するものと見なされるべきである。それらの実施形態は、本発明をここに記載しかつ/または図示した好ましい実施形態に限定することを意図するものではないという了解のもとで、多くの図示実施形態がここに記載されている。
本発明の図示実施形態を幾つかここに記載した。本発明は、ここに記載した各種の好ましい実施形態に限定されるものではない。本発明は、この開示に基づいて当業者によって認識され得る、均等な要素、修正、削除、組み合わせ(例えば、各種実施形態に跨る特徴の組み合わせ)、改良および/または変更を含むあらゆる実施形態をも包含する。クレームの限定事項はそのクレームで用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書あるいは本願のプロセキューション中に記載された実施形態に限定されるべきではない。そのような実施形態は非排他的であると解釈されるべきである。例えば、この開示において、「好ましくは」や「よい」という用語は非排他的なものであって、「好ましいがこれに限定されるものではない」や「よいがこれに限定されるものではない」ということを意味するものである。
2014年1月31日出願の特願2014−017268の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
本発明は、車体フレームと共に左右方向に傾斜する左前輪、右前輪および後輪を有する車両に有用である。
100,100A,100B 車両
110 車体フレーム
111 リンク支持部
131L 左前輪
131R 右前輪
134 後輪
140 リンク機構
141 上クロスメンバ
142 下クロスメンバ
143 左サイドロッド
144 右サイドロッド
146 左ブラケット
147 右ブラケット
150L 左緩衝装置
150R 右緩衝装置
151 左緩衝器
152 左回転防止機構
153 右緩衝器
154 右回転防止機構
160 ハンドル
161 ステアリングシャフト
162 中央操舵アーム
163 左操舵アーム
164 右操舵アーム
165 タイロッド
170 パワーユニット
171 クランクケース部
172 トランスミッションケース部
180 シート
181 着座面
210,210A,210B 燃料タンク
270 重い部品
A 上軸線
C 下軸線
L1 仮想線
L2 回転軸線
E1 左前輪接地部および右前輪接地部の中心位置
E2 中心線
E3 後輪接地部の中心位置
F1,F2 仮想線
G1 右端位置
G2 中心位置
G3 左端位置
H1,H2,I1,I2 仮想線
Y1 左軸線
Y2 右軸線
V1,V2 水平線
J1,J2 仮想線
J0 中心軸線
P1,P2,P3 燃料タンクの配置
Q1 重心

Claims (7)

  1. 車体フレームと、
    前記車体フレームの左右方向に並べて配置され、前記車体フレームと共に車両の左右方向へ傾斜可能な右前輪および左前輪と、
    前記車体フレームと共に前記車両の左右方向へ傾斜可能な1つの後輪と、
    運転者が座る着座面を有するシートと、
    上部と、前記右前輪を支持する下部と、を有する右前輪支持装置と、
    上部と、前記左前輪を支持する下部と、を有する左前輪支持装置と、
    前記右前輪支持装置の上部を前記車体フレームの上下方向に延びる右軸線回りに回転可能に支持する右サイドロッドと、前記左前輪支持装置の上部を前記右軸線と平行な左軸線回りに回転可能に支持する左サイドロッドと、前記右サイドロッドの上部を右端部に回転可能に支持し、前記左サイドロッドの上部を左端部に回転可能に支持し、中間部が前記車体フレームに前記車体フレームの前後方向に延びる上軸線回りに回転可能に支持される上クロスメンバと、前記右サイドロッドの下部を右端部に回転可能に支持し、前記左サイドロッドの下部を左端部に回転可能に支持し、中間部が前記車体フレームに前記上軸線と平行な下軸線回りに回転可能に支持される下クロスメンバとを含むリンク機構と、
    クランク軸を収容するクランクケース部、および、変速機構を収容するトランスミッションケース部を含み、前記後輪の駆動力を発生するパワーユニットと、
    前記パワーユニットに供給される燃料を蓄える燃料タンクと、
    前記車体フレームに回転可能に支持され、前記左前輪および前記右前輪の向きを変更するステアリングシャフトと、
    を備え、
    前記リンク機構は、
    前記車体フレームが直立状態の側面視で、前記右前輪および前記左前輪の上方に配置され、
    前記車体フレームが直立状態の側面視で、前記上軸線および前記下軸線に垂直な仮想線と鉛直線とのなす角度が、前記ステアリングシャフトの回転軸線と鉛直線とのなす角度よりも小さく、
    前記パワーユニットは、
    前記車体フレームが直立状態で、前記クランクケース部が、前記車体フレームの上下方向において、前記右前輪の上端、前記左前輪の上端および前記後輪の上端より下方、且つ、前記車体フレームの前後方向において、前記右前輪および前記左前輪と前記後輪との間に配置され、
    前記車体フレームが直立状態で、前記クランクケース部および前記トランスミッションケース部が、前記車体フレームの前後方向において、前記右前輪および前記左前輪よりも前記後輪の近くに配置され、
    前記シートは、
    前記車体フレームが直立状態で、前記着座面が、前記車体フレームの前後方向において、前記クランクケース部および前記トランスミッションケース部の前端と、前記後輪の後端との間に配置され、
    前記燃料タンクは、
    前記車体フレームが直立状態で、前記車体フレームの上下方向において、前記上軸線の延長線および前記下軸線の延長線の間に配置され、
    前記車体フレームが直立状態で、前記車体フレームの前後方向において、前記右前輪が接地する右前輪接地部および前記左前輪が接地する左前輪接地部と前記後輪が接地する後輪接地部との中心と、前記右前輪接地部および前記左前輪接地部と、の中心と、前記左前輪接地部および前記右前輪接地部と前記後輪接地部との中心と、前記後輪接地部と、の中心と、の間に、配置される、
    車両。
  2. 前記車体フレームが直立状態で、前記車体フレームの左右方向において、前記燃料タンクの左端が、前記上クロスメンバおよび前記下クロスメンバの中心と前記上クロスメンバおよび前記下クロスメンバの左端との中心よりも左方に配置され、且つ、前記燃料タンクの右端が、前記上クロスメンバおよび前記下クロスメンバの中心と前記上クロスメンバおよび前記下クロスメンバの右端との中心よりも右方に配置される、
    請求項1記載の車両。
  3. 前記車体フレームが直立状態で、前記車体フレームの前後方向において、前記燃料タンクの後端が、前記左前輪接地部および前記右前輪接地部と前記後輪接地部との中心より前方に配置される、
    請求項1記載の車両。
  4. 前記車体フレームが直立状態で、前記車体フレームの前後方向において、前記燃料タンクの前端が、前記左前輪接地部および前記右前輪接地部と前記後輪接地部との中心より後方に配置される、
    請求項1記載の車両。
  5. 前記車体フレームが直立状態で、前記車体フレームの前後方向において、前記燃料タンクが、前記左前輪接地部および前記右前輪接地部と前記後輪接地部との中心に重なるように配置される、
    請求項1記載の車両。
  6. 前記車体フレームの上下方向において、前記燃料タンクの上端は、前記下クロスメンバの下端より上方に配置される、
    請求項1記載の車両。
  7. バッテリ又はブレーキ圧制御ユニットである部品を備え、
    前記部品は、
    前記車体フレームが直立状態で、前記車体フレームの上下方向において、前記上軸線の延長線および前記下軸線の延長線の間に配置され、
    前記車体フレームが直立状態で、前記車体フレームの前後方向において、前記左前輪接地部および前記右前輪接地部と前記後輪接地部との中心と、前記左前輪接地部および前記右前輪接地部と、の中心と、前記左前輪接地部および前記右前輪接地部と前記後輪接地部との中心と、前記後輪接地部と、の中心と、の間に、配置される、
    請求項1記載の車両。

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