JP5625784B2 - 車両のオープンルーフ構造 - Google Patents
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Description
上述のハードルーフ構造はソフトトップ構造と比較して、安全性、耐久性および快適性がよいので、今後のオープンルーフ構造はハードルーフ構造がその主流となりつつある。
このような要望を達成するために、ルーフ部を折畳んで格納する格納スペースと、トランクスペースとを車両の前後方向に仕切るリヤバルクヘッドに対して貫通孔を形成することが考えられるが、この場合には次のような問題点が生ずる。
上記構成によれば、上述の貫通孔でルーフ格納スペースとトランクスペースとを前後方向に連通するので、このルーフ格納スペースとトランクスペースの連通構造を利用して、ルーフ部材の全閉状態時に長尺物の荷物を搭載することができる。
つまり、長尺物の荷物の搭載性能と盗難防止性能との両立を図ることができる。
なお、盗難防止性を向上させるためには、ルーフ部材の全てをハードルーフで構成することがより一層望ましい。
上記構成によれば、ルーフ部材をフロントルーフとリヤルーフとに2分割し、この2分割されたルーフ部材をルーフ格納スペースに格納するので、格納時の見栄えを確保することができる。
また、ルーフ部材を3分割にする従来構造と比較して、各ルーフ(フロントルーフ、リヤルーフ参照)を駆動する折畳み機構の簡略化を図ることができる。
上記構成によれば、上述の仕切り壁にアクセス孔を配設したので、車室側から仕切り壁のアクセス孔を介して、ルーフ格納スペースにアクセスすることができ、乗員の利便性向上を図ることができる。
上記構成によれば、シートバックを前方に倒すと、仕切り壁のアクセス孔よりも前方の空間と、ルーフ格納スペースと、トランクスペースとが車両の前後方向に連続したスペースとなるので、オープンカーであっても長尺物の荷物を搭載することができる。
上記構成によれば、助手席用シートバックの後方に、上記アクセス孔を配設したので、運転席着座乗員(ドライバ)に対する有用性の向上を図ることができる。
図面は車両のオープンルーフ構造を示し、図1はオープンカーの側面図、図2は図1の要部拡大側面図であって、図1、図2において、このオープンカーは、車幅方向に延びて車室1前部のフロントウインドガラス(フロントウインド部材)2の上辺を支持する強度部材としてのフロントヘッダ3と、このフロントヘッダ3の後方に連なって車室1上部を形成するルーフ部材4とが設けられており、ルーフ部材4は、フロントルーフ5とリヤルーフ6とに車両前後方向に2分割されている。
さらに、上述のリヤフロア10の後端部には、上下方向に延びるリヤエンドパネル15を一体的に立設固定し、このリヤエンドパネル15の上部車外側つまり後部側には、車幅方向に延びるリヤエンドメンバ16を接合固定し、該リヤエンドメンバ16とリヤエンドパネル15との間には、車幅方向に延びるリヤエンド閉断面17を形成し、この閉断面構造により後部車体剛性の向上を図っている。
このトランクルーム18の上部は、トランクリッド19により開閉可能に覆われている。
上述のサイドシル25は、サイドシルアウタ26と、サイドシルインナ27と、サイドシルレインフォースメント28とを接合して、車両の前後方向に延びるサイドシル閉断面29を備えた車体強度部材である。
ここで、上述のフロントヘッダ3は、車室1内に配設された乗員用シート34,35の前方にて車幅方向に延び、車室1前部のフロントウインドガラス2の上辺を支持する閉断面構造の強度部材である。
この貫通孔11A(トランクスルー開口)の車幅方向の幅は、荷物の搭載性を考慮して、トランクリッド19の車幅方向の幅と略等しい長さに形成されている。
さらに、図1、図3、図4に示すように、ドライバーズシート34(運転席)およびパッセンジャーズシート35(助手席)のシートバック34B,35Bと上述のルーフ格納空間20とを、車両前後方向に仕切る仕切り壁41を立設固定している。この仕切り壁41および後述するリッド部材42はボード状のハード部材や金属パネル部材で構成することができる。
また、上述の仕切り壁41は、図4に示すように、左右のリヤサイドパネル21,21間の車幅方向全幅にわたって延びるように形成され、その両端はリヤサイドパネル21に連結されている。
しかも、図2、図4に示すように、上述のアクセス孔41Aと上述の貫通孔11Aとは車幅方向にオーバラップする位置に配設されている。換言すれば、仕切り壁41に開口形成されたアクセス孔41Aと、リヤバルクヘッド11に開口形成された貫通孔11Aとの両者は、長尺物の荷物Y(図6参照)の搭載を可能にすべく、車両の前後方向に対応する位置に形成されている。
したがって、ルーフ部材4の全開時(格納時)には、該ルーフ部材4にて貫通孔11Aに対する不正アクセスも禁止すべく構成したものである。
この実施例では、図2、図5に示すように、フロントルーフ5およびリヤルーフ6を共に、閉状態とする全閉モードと、図10に示すように、フロントルーフ5およびリヤルーフ6を共に開放し、リヤルーフ6をルーフ格納空間20内に格納し、フロントルーフ5をリヤデッキメンバ12の上面およびトランクリッド19の上面と略フラットになる位置に格納する全開モード(フルオープンモード)と、図9に示すように、フロントルーフ5のみを閉状態(クローズ状態)とする独立開閉モード(いわゆる半開モード)と、を備えている。
図5はルーフ部材4を車幅方向の中央で断面し、車室内側から見た状態で示す斜視図であって、上述のフック50はフロントルーフ5の前部に左右一対設けられている(但し、図5では一方のフック50のみを示す)。図5に示すように、フック50を左右一対設ける構成に代えて、上述のフック50を車幅方向の中央に1つのみ設ける構成を採用してもよい。
この駆動機構60は、図2、図5に示すモータユニット51と、複数のリンクA,B,C,D,Eとを備えている。
さらに、上述のリンクDの遊端にはピン58を介してリンクEの基端が枢支連結されており、このリンクEの遊端はピン59を用いてリヤルーフ6の側壁部に枢支連結されている。
そして、上述のモータユニット51および各リンクA〜Eから成る駆動機構60が左右一対設けられており、左右の各駆動機構60,60が略左右対称構造に形成されると共に、左右の各モータ52,52(但し、図面では車両右側のモータ52のみを図示)は同期駆動するように構成されている。
上述の駆動機構60は、フロントルーフ5とリヤルーフ6を上述のルーフ格納スペース20に折畳むための折畳み機構である。
なお、図1において、仮想線αはフロントルーフ5の格納位置を示し、また仮想線βはリヤルーフ6の格納位置を示す。
図1に示すルーフ部材4の全閉時において、トランクリッド19を同図に仮想線で示すように開放すると、開放されたトランクルーム18の上方から、リヤバルクヘッド11の貫通孔11Aを介して長尺の荷物Xをルーフ格納空間20とトランクルーム18とにわたって搭載することができる。
なお、上述のトランクリッド19は、周知の如く、ラッチ&ストライカ等のロック手段により、後部車体に対してアンロック可能にロックされるようになっている。
この場合、図6に仮想線で示す荷物Yの長さは、図1に仮想線で示した荷物Xの長さよりも長く、より一層長尺の荷物Yの搭載が可能となる。また、リッド部材42のヒンジ43はリヤフロア10のフロア面よりも下方に設けたので、ヒンジがリヤフロア10の上方に突出して荷物の出し入れを阻害することはない。
インストルメントパネルに設けた図示しないリヤルーフ解放スイッチ(または半開スイッチ)をON操作すると、モータユニット51のモータ52が駆動し、出力ギヤ54がリンクB,Dのみを駆動するので、これら各リンクB,DがリンクC,Eを伴ってリヤルーフ格納方向へ移動するので、図2に示す状態から図7に示すようにリヤルーフ6はその後部が下方に移動して、格納が開始される。
なお、図10で示した構成に代えて、図11で示す構成を採用してもよい。
このように構成すると、ルーフ全開時(ルーフ格納完了時)のリヤルーフ6がロック部材(ラッチ71、ストライカ72参照)で固定係止されるので、アクセス遮断性能をより一層向上させることができる。
なお、図11において前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略している。
また、ルーフ部材4の全開状態時には、図3、図4、図10に示すように、該ルーフ部材4でルーフ格納空間20へのアクセスを遮断するので、盗難防止性能を確保することができる。
しかも、ルーフ格納空間20へのアクセス遮断作用は、別途他の部材を用いることなく、ルーフ部材4それ自体にて行なうことができ、ルーフ全開時(図3、図4、図10参照)にルーフ格納空間20内に格納された荷物の取出しを規制することができる。
この構成によれば、ルーフ部材4をフロントルーフ5とリヤルーフ6とに2分割し、この2分割されたルーフ部材4をルーフ格納空間20に格納するので、格納時の見栄えを確保することができる。
また、ルーフ部材を3分割にする従来構造と比較して、各ルーフを駆動する折畳み機構(駆動機構60)の簡略化と、ルーフ分割構造の簡素化とを図ることができる。
この構成によれば、格納時のルーフ部材4と、リヤホイールハウス40,40との両者により、ルーフ格納空間20に対するアクセスを遮断することができ、特に、車両上方からのアクセスを、ルーフ部材4とリヤホイールハウス40,40とで協同して遮断することができ、盗難防止性能の向上を図ることができる。また、リヤホイールハウス40,40は既存の車体部品であるから、部品点数の増加を招くことなく、防盗性の向上を図ることができる。
この構成によれば、上述の仕切り壁41にアクセス孔41Aを配設したので、車室1側から仕切り壁41のアクセス孔41Aを介して、ルーフ格納空間20にアクセス(図6参照)することができ、乗員の利便性向上を図ることができる。
この構成によれば、図6に示すように、シートバック35Bを前方に倒すと、仕切り壁41のアクセス孔41Aよりも前方の空間(車室1参照)と、ルーフ格納空間20と、トランクスペース(トランクルーム18参照)とが車両の前後方向に連続したスペースとなるので、オープンカーであっても長尺物の荷物Y(図6参照)を搭載することができる。
この構成によれば、助手席用シートバック35Bの後方に、アクセス孔41Aを配設したので、運転席着座乗員(ドライバ)に対する有用性の向上を図ることができる。
この発明のトランクスペースは、実施例のトランクルーム18に対応し、
以下同様に、
ルーフ格納スペースは、ルーフ格納空間20に対応し、
ホイールハウスは、リヤホイールハウス40に対応し、
折畳み機構は、駆動機構60に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、上記実施例においては、アクセス孔41Aを開閉するリッド部材42は、ヒンジ43を支点として揺動する構造と成したが、この構成に代えて、リッド部材を上下動させてアクセス孔41Aを開閉する構造と成してもよいことは勿論である。
4…ルーフ部材
5…フロントルーフ
6…リヤルーフ
11A…貫通孔
18…トランクルーム(トランクスペース)
19…トランクリッド
20…ルーフ格納空間(ルーフ格納スペース)
34B,35B…シートバック
40…リヤホイールハウス(ホイールハウス)
41…仕切り壁
41A…アクセス孔
60…駆動機構(折畳み機構)
Claims (5)
- 車室上方のルーフ部材を、シートバックの後方に配設されたルーフ格納スペースに格納可能と成した車両のオープンルーフ構造であって、
上記ルーフ部材は少なくとも1つがボード状のハードルーフで形成され、
上記ルーフ格納スペースの後方には、トランクリッドで開閉可能に覆われたトランクスペースが配設されると共に、
上記ルーフ格納スペースと上記トランクスペースとを前後方向に連通する貫通孔が配設され、
上記ルーフ部材が全開状態の時、該ルーフ部材が上記ルーフ格納スペースへのアクセスを遮断するよう構成し、
上記ルーフ格納スペースの左右両側部には、車室内に膨出するホイールハウスが配設され、
上記ホイールハウスと格納時のルーフ部材とによって上記ルーフ格納スペースへのアクセスを遮断する
車両のオープンルーフ構造。 - 上記ルーフ部材はフロントルーフとリヤルーフとに分割されると共に、
上記フロントルーフとリヤルーフを上記ルーフ格納スペースに折畳む折畳み機構を備えた
請求項1に記載の車両のオープンルーフ構造。 - 上記シートバックと上記ルーフ格納スペースとを仕切る仕切り壁を備え、
該仕切り壁には上記ルーフ格納スペースへのアクセス可能なアクセス孔が配設された
請求項1または2に記載の車両のオープンルーフ構造。 - 上記貫通孔と上記アクセス孔は車幅方向にオーバラップする位置に配設された
請求項3記載の車両のオープンルーフ構造。 - 上記シートバックは運転席用と助手席用とを備え、
上記貫通孔と上記アクセス孔は車幅方向にオーバラップする位置に配設されると共に、上記助手席用のシートバックの後方に配設された
請求項3記載の車両のオープンルーフ構造。
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