JP5622567B2 - 器具を備えた家具丁番 - Google Patents

Description

本発明は、トグル型丁番及びトグル型丁番の主軸線を横切って設けられ、ホルダーによってトグル型丁番に取付けられたライン緩衝器を含む機器を備えた家具丁番に関するものである。

本願の発明者の特許文献１、２から、トグル型丁番及びトグル型丁番の主軸線を横切って設けられたライン緩衝器を含む機器を備えた家具丁番は公知である。ライン緩衝器はホルダーによってトグル型丁番のヒンジポットに取付けられている。ライン緩衝器のホルダーは軸受、半軸受及びそれらの間のスペーサーバーから成り、これらの部材は全てライン緩衝器のマントル径に又はライン緩衝器を備えた翼形スリーブに取付けられている。ライン緩衝器及び翼形スリーブの組立体は、一端を半軸受によって他端を特殊な制御支持体によってホルダーに保持されている。ホルダーは固着要素によってヒンジポットに取付けられる。

半軸受は、緩衝器のピストンロッドの自由端をカバーし、軸受から半軸受への翼形スリーブの螺旋運動中、軸線支持体として機能する。装置の動作時すなわち家具要素を閉じる時、スリーブの翼はヒンジアームに当って、ヒンジアームに対して摺動し、そしてそれ自体の回転軸船のまわりで揺動する。丁番でライン緩衝器に垂直な方向に家具要素を閉じさせる押圧力は、翼に作用し、そして翼及びスペーサー部片におけるリブ及び溝の動きをロックする相互接続部を介してスリーブへ伝達する。これにより、スリーブはその長手方向に螺旋状に動く。翼型スリーブは、軸受及び半軸受の上方マントル面に当接する。これにより、摺動摩擦が生じ、減衰効果が低減し、丁番を閉じるのに必要な力が増大する。適切な閉じ力は一定の摩擦で決められ得るが、しかしかかる一低の摩擦は記載された場合では可能でない。翼形スリーブのいずれの軸受も二つの部品で組み立てられ、これらの部品が同軸であることを保証することは不可能である。軸受は横方向の閉じ力の作用で同軸ではないので、翼形スリーブはその軸線位置から外れて動き、螺旋運動中に動かなくなり、一様でない瞬時的に非常に高い摩擦力が生じる。これらの摩擦力は一様でないため、トグル型丁番の必要な閉じ力は決めることができず、その結果、有効な減衰作用が殆どなくなり或いはまったくなくなり得る。家具要素はストロークで閉じられなければならないか、或いは完全には閉じられない。

スロベニア国ＳＩ２１９７１ スロベニア国ＳＩ２２０９７

本発明の解決しようとする技術的課題は、機器を備えた家具丁番の動作時に現れる摩擦の不均一性を除去又は低減することにある。

上記の技術的課題は、トグル型丁番及びトグル型丁番の主軸線を横切って設けられ、ホルダーによってトグル型丁番に取付けられたライン（ｌｉｎｅ）緩衝器を含む機器を備え、ライン緩衝器のホルダーが二つの部品、すなわち軸受（ベアリング）部品と位置決め（ｐｏｓｉｔｉｏｎ）部品とから成ることを特徴とする家具丁番によって解決される。軸受部品は、一体のスペーサー部片によって離間されかつそれぞれの先端部で側部を閉じている二つの同軸半軸受から成っている。位置決め部品は、ライン緩衝器及び軸受と一体の二つの支持ウエブを含む翼形スリーブを受けるため翼（ウイング）形スリーブ上に設けたリブとの動きをロックする相互接続部を形成する螺旋溝を含む軸受を備えている。各ウエブはその自由端部にノーズを備えている。このノーズは軸受部品における構成を決めている。軸受の幅は軸受部品のスペーサー部片の幅と一致している。

実施形態に従って翼形スリーブ内に挿入されるライン緩衝器がホルダーの軸受部品内に挿入される時に、ライン緩衝器はホルダーの軸受部品内に位置決め部品によって保持される。位置決め部品は、軸受部品及び位置決め部品に設けた固着要素によって軸受部品に接続される。

装置の負荷が掛かっていない状態では、翼形スリーブはそれの中間部分で位置決め部品の軸受に当接し、緩衝器のピストンロッドを含む翼形スリーブの両端部は独立している（支持なしで立っている）。

装置の動作状態で、家具要素を閉じる際に、閉じ力は翼形スリーブの翼に作用する。位置決め部品の軸受及び翼形スリーブ間のリブと溝との、動きをロックする相互接続部により、閉じ力の作用によって、軸受部品の内側で翼形スリーブは螺旋運動することになる。横方向閉じ力のために、翼形スリーブは同時に軸受部品の壁部分に当接し、それにより両半軸受の内面とスリーブ表面との間に摩擦が生じる。軸受部品を形成している両半軸受は同じ動作内で同時に形成されるので、それらが相互に同軸であることが保証される。このことはまた、軸受部品すなわち半軸受内で翼形スリーブを一様に摺動させることになる。翼形スリーブは単に動いている間半軸受に当接するので、摺動面及び摩擦力は低減される。

ホルダーの軸受部品は、その構成のため、好ましくは、深絞り成形動作中に適当な品質の薄板金で作られるが、加圧鋳造法を使用することもできる。ホルダーの位置決め部品は好ましくは加圧鋳造法で製造される。本発明におけるホルダーは薄板金で作ることができるので、加圧鋳造でしばしば現れる褐色鋳造面の問題は解決される。褐色鋳造面の場合、鋳造は適切な表面平滑さを得るために機械加工する必要がある。

時間及び特に経済性の理由でこの付加的な作業は望ましくない。

以下、実施形態及び添付図面に基き本発明を詳細に説明する。

機器を備えた家具丁番を示す側面図。 図１に示す丁番の丸枠部分ＩＩの拡大断面図。 トグル型丁番のポットに取付ける螺旋接続部を備えたホルダーを示す斜視図。 トグル型丁番のポットに取付けるポジティブ（ｐｏｓｉｔｉｖｅ）接続部を備えたホルダーを示す斜視図。 図１のライン緩衝器を備えたホルダーを示す分解斜視図。

機器を備えた家具丁番は、トグル型丁番及びトグル型丁番の主軸線を横切って設けられたライン緩衝器を有する。ライン緩衝器は、ハウジングと、ピストンロッドと、圧力バネとから成り、翼によって作動される。翼は緩衝器のハウジングに直接或いはこの実施形態の場合のように翼形スリーブ３の形状の独立した部品として設けられ得、ライン緩衝器が翼形スリーブ３内に挿入される。ライン緩衝きを含む翼形スリーブ３はホルダー１００、２００内に挿入され、そしてホルダー１００、２００によってトグル型丁番ポットに取付けられる。

ホルダー１００、２００は二つの部品すなわち軸受部品１と位置決め部品２とから成っている。

軸受部品１は二つの同軸半軸受４を備え、これらの同軸半軸受４は、一体に形成したスペーサー部片５で離間ししかもそれぞれの先端部の側部は閉じられている。トグル型丁番ポットのフランジに適合したフランジ６はそれぞれの半軸受４に一体に形成されている。

位置決め部品２は、翼型スリーブ３を受ける軸受９と、該軸受に一体に形成した二つの支持ウエブ１１とから成っている。各支持ウエブ１１は、軸受部品１のフランジ６におけるそれぞれの凹部７と係合するノーズ１２を自由端に備えている。軸受９は、翼型スリーブ３にも受けた螺旋状リブ（図示していない）又は任意の他の動きをロックする要素を受けて案内する螺旋状溝１０を備えている。

ウエブ１１から離れている軸受９の長手方向縁部１４に、装着時に軸受部品１のスペーサー部片５に置ける切欠き部分８に係合する位置決め歯１３（図示していない）が設けられる。ノーズ１２と凹部７及び位置決め歯１３と切欠き部分８の対は、装着時に軸受部品１における位置決め部品２の位置を決める。軸受部品１及び位置決め部品２は、解放不能な接続体の形状の少なくとも一つの結合要素によって、例えばスペーサー部片５又は軸受９における穴１６、１６’と整合するリベット１５によって、或いは解放可能な接続体の形状の少なくとも一つの結合要素によって、例えば位置決め部品２の軸受９の長手方向遠縁部１４に位置したスナップ歯（図示していない）によって、互いに固定される。

バー２３は、ホルダー１００、２００における緩衝器及び翼型スリーブの位置を規定し、かかる位置は緩衝の開始を決めている。バー２３の一端部はフランジ６における凹部２４を介して摺動部材２５に取付けられる。バー２３の他端部すなわち自由端部は翼型スリーブ３の一端部２６に当接し、この端部はこのため円錐状に形成される。装置の非作動時状態では、摺動部材２５及びバー２３の動きにより翼型スリーブ３は軸線方向に動く。翼型スリーブ３は溝とリブとの結合により螺旋状に回転し、それにより翼も回転する。その結果、減衰作用は遅延する。

ホルダー１００は、トグル型丁番ポットＬに取付ける穴１９を設けたフランジ６を備え、これらの穴は図示していないネジ用のトグル型丁番ポットＬのフランジにおける穴と一致している。

ホルダー２００は、歯２１によってトグル型丁番ポットＬに取付けられる。歯２１は位置決め部品２のそれぞれの支持ウエブ１１に一体に構成される突起として形成される。歯２１は、丁番の主軸線の方向において内側から外側へトグル型丁番ポットＬの空洞の壁部分におけるそれぞれの開口２２とのポジティブロック接続部を形成する。

ホルダー２００はトグル型丁番ポットＬに付加的にポジティブにロックして接続される。このために、少なくとも一つの歯１７がウエブ１１に近接して軸受９の長手方向縁部に設けられ、この歯１７はトグル型丁番ポットＬのフランジ縁部における歯型部１８に密に嵌合する。

ホルダーはトグル型丁番ポットに取付ける全ての要素を含むことができ、また取付けの仕方は家具要素への丁番の最終取付けに関連していることが理解できる。

本発明によるホルダーの軸受部品１の構成により、加圧鋳造の通常の方法を用いる代わりに、相応した深さ及び機械的特性の薄板金から深絞り成形のような形成方法によって作ることができる。位置決め部品２は加圧鋳造方によって作られる。

１：軸受部品
２：位置決め部品
３：翼形スリーブ
１００：ホルダー
２００：ホルダー
４：半軸受
５：スペーサー部片
６：フランジ
７：凹部
８：切欠き部分
９：軸受
１０：螺旋状溝
１１：支持ウエブ
１２：ノーズ
１３：位置決め歯
１４：長手方向縁部
１５：リベット
１６：穴
１６’：穴
１７：歯
１８：歯型部
１９：穴
２１：歯
２３：バー
２４：凹部
２５：摺動部材
２６：翼型スリーブ３の一端部
Ｌ：トグル型丁番ポット

Claims (9)

1. トグル型丁番及びトグル型丁番の主軸線を横切って設けられ、トグル型丁番に取付けられるホルダーに挿入されるライン緩衝器を含む機器を備えた家具丁番において、
   ホルダー（１００、２００）が軸受部品（１）と位置決め部品（２）とから成り、これら部品が少なくとも一つの結合要素によって互いに固着され、
   前記軸受部品（１）が、一体に形成したスペーサー部片（５）によって離間されている二つの同軸半軸受（４）から成り、各半軸受（４）が、トグル型丁番ポット（Ｌ）に適合した一体に形成したフランジ（６）を備え、および
   前記位置決め部品（２）が、翼形スリーブ（３）を受ける軸受（９）と、該軸受に一体に形成した少なくとも一つの支持ウエブ（１１）とから成ることを特徴とする
   機器を備えた家具丁番。
2. 前記支持ウエブ（１１）が、軸受部品（１）のフランジ（６）におけるそれぞれの凹部（７）と係合するノーズ（１２）をそれぞれの自由端部に備えていることを特徴とする請求項１記載の機器を備えた家具丁番。
3. 前記軸受（９）が、翼形スリーブ（３）の螺旋状リブと動きをロックする相互接続部を形成する螺旋状溝（１０）を備えていることを特徴とする請求項１記載の機器を備えた家具丁番。
4. 前記支持ウエブ（１１）から離れた軸受（９）の長手方向縁部（１４）が、軸受部品（１）と位置決め部品（２）とを結合した時に、軸受部品（１）のスペーサー部片（５）における切欠き部分（８）と係合する位置決め歯（１３）を備えていることを特徴とする請求項３記載の機器を備えた家具丁番。
5. 結合時の軸受部品（１）と位置決め部品（２）との相対位置が、ノーズ（１２）と凹部（７）との対及び位置決め歯（１３）と切欠き部分（８）との対で決められることを特徴とする請求項２または４記載の機器を備えた家具丁番。
6. 前記軸受部品（１）と前記位置決め部品（２）との前記結合要素が、スペーサー部片（５）及び軸受（９）の穴（１６、１６’）と整合する少なくとも一つのリベット（１５）の形態である開放不能な接続帯であることを特徴とする請求項１記載の機器を備えた家具丁番。
7. 前記軸受部品（１）と前記位置決め部品（２）との前記結合要素が、位置決め部品（２）の軸受（９）の長手方向遠縁部（１４）に設けられた少なくとも一つのスナップ歯の形態である開放可能な接続帯であることを特徴とする請求項１記載の機器を備えた家具丁番。
8. トグル型丁番ポット（Ｌ）に取付けるために、前記ホルダー（２００）が、ウエブ（１１）に近接して位置決め部品（２）の軸受（９）の長手方向縁部に設けられた少なくとも一つの歯（１７）を備え、該歯（１７）がトグル型丁番ポット（Ｌ）のフランジ縁部における歯型部（１８）に密に嵌合することを特徴とする請求項１または３記載の機器を備えた家具丁番。
9. 前記ホルダー（１００、２００）が、フランジ（６）にバー（２３）を備え、バー（２３）の自由端部が翼形スリーブ（３）の円錐状に形成した端部（２６）に当接することを特徴とする請求項１記載の機器を備えた家具丁番。

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