以下に、本発明の画像形成装置、画像形成方法及び画像形成システムに係る実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
以下、画像形成装置としてレーザプリンタからなるプリンタ装置を使用した本発明の実施の形態1に係る画像形成システムについて説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る画像形成システムの概要を示すシステム構成図である。図1に示すように、実施の形態1に係る画像形成システム1は、プリンタ装置10がネットワーク2によって管理装置としてのホストコンピュータ3と接続されている。なお、ネットワーク2にはファクシミリやプリンタ装置等、他の画像形成装置(図示せず)も接続されている。
図2は、本発明の実施の形態1に係るプリンタ装置10のハードウエア構成を示すブロック図である。図3は、プリンタ装置10の機能的構成を示すブロック図である。プリンタ装置10は、図2及び図3に示すように、操作パネル12と、プリンタエンジン13と、制御部20とを備えている。
操作パネル12は、プリンタ装置10のモード切替等、プリンタ装置10に関する各種操作に係るユーザからの指示を入力すると共に、プリンタ装置10に関する各種情報、例えば、プリンタ装置10の状態や、用紙エラーが発生した場合の強制印刷選択画面等を表示する入力手段を兼ねた表示手段である。なお、操作パネル12は、接触した位置に表示されたアイコンやボタン等を手指で操作(タッチ)することにより、タッチしたアイコンやボタン等に応じた信号を出力する、所謂タッチパネルとして構成されている。
プリンタエンジン13は、プリンタ装置10において画像を形成する部分である。プリンタエンジン13は、制御部20から入力されるビデオ信号(画像信号)及び制御信号によって感光体上に静電潜像を形成し、この静電潜像をトナー現像して給紙部から供給される用紙上に転写及び定着させ、画像を形成する。
プリンタエンジン13は、図3に示すように、印刷部13aと給紙部の複数の給紙トレイの情報を個々に検知するトレイ情報検知部13bとを有している。
印刷部13aは、印刷用画像の用紙への印刷を実行する。トレイ情報検知部13bは、各給紙トレイにおける用紙切れや、各給紙トレイに保持されている用紙の用紙サイズ及び用紙の向き等に関するトレイ情報を検知する。ここで、トレイ情報の検知は、プリンタ装置10の給紙部にセットされた各給紙トレイのサイドフェンスの位置や用紙の有無等を光センサや近接センサ等の適宜のセンサによって検知する。なお、用紙サイズや用紙の向きは、プリンタ装置10の用紙に関する設定を所定の記憶部から読み出してきてもよい。
制御部20は、プリンタ装置10に設定されている制御モード及びホストコンピュータ3から入力される制御コード信号に従ってホストコンピュータ3から入力される印刷データ信号をビデオデータ信号(画像データ信号)に変換し、プリンタエンジン13へ出力するコンピュータである。制御部20は、図2に示すように、ネットワークI/F21、プログラムROM22、フォントROM23、入力I/F24、SDカードI/F25、USBI/F26、CPU27、RAM28、NV−RAM29、エンジンI/F30及びオプションRAM31を備えている。
ネットワークI/F21は、ホストコンピュータ3からプリンタ装置10へ制御信号やデータ信号を出力し、プリンタ装置10からホストコンピュータ3へステータス信号を出力することによりホストコンピュータ3との間で各種データのやり取りを行うインターフェースである。プログラムROM22には、制御部20内におけるデータの管理や、周辺モジュールを制御するプログラムが格納されている。フォントROM23には、プリンタ装置10での画像形成における印字に使用される各種フォントに係るデータが格納されている。
入力I/F24は、プリンタ装置10の状態やモード等の切り替えを行なう制御信号等を入力するためのインターフェースである。SDカードI/F25は、SDカードからのデータ信号を受け取るためのインターフェースである。USBI/F26は、USBからのデータ信号を受け取るためのインターフェースである。CPU27は、プログラムROM22に従ってホストコンピュータ3から入力されるデータを処理する。このとき、CPU27は、ホストコンピュータ3から入力されるデータを印刷データ及び印刷制御データとその他のデータとに振り分ける。CPU27は、印刷データ及び印刷制御データを、制御コードに変換した後、図示しないバッファに格納する。
RAM28は、CPU27がデータ信号を処理する際のワークメモリ、ホストコンピュータ3から入力される印刷データをページ単位管理して一時記憶するバッファ、一時記憶された印刷データを印刷用画像に変換し、その印刷用画像データをビットマップメモリとして記憶するメモリ等として使用される。NV−RAM29は、プリンタ装置10の電源を切った際に保持しておきたいデータを格納しておく不揮発性RAMである。エンジンI/F30は、制御部20からプリンタエンジン13へ出力する制御信号及びプリンタ装置10から制御部20へ出力するステータス信号のインターフェースである。オプションRAM31は、各種のプログラムを格納するRAMとしてのSDカードである。
制御部20は、図3に示すように、ジョブ制御部32、通信部33、印刷画像作成部34、データ解析部35、印刷画像保持部36、トレイ情報保持部37、印刷画像変換部39及び表示用画像作成部40等を更に備えている。
ジョブ制御部32は、強制印刷を含め、画像形成に関する各種情報のプリンタ装置10への入力と入力された情報に基づく出力に至る一連の処理を統括的に制御する。通信部33は、ネットワーク2を介してホストコンピュータ3との間で画像形成に関する各種信号を送受信する。印刷画像作成部34は、通信部33を介して入力される画像形成に関するデータから印刷用画像を作成し、印刷画像保持部36及び印刷画像変換部39へ出力する。なお、印刷用画像には、通常の印刷おける画像の他に、強制印刷の対象となる画像が含まれている。操作パネル12上で給紙トレイを選択した際の選択信号はジョブ制御部32へ出力される。これにより、ジョブ制御部32は、画像を印刷する際における給紙トレイの変更、従って画像を印刷する際の用紙の変更を把握することができる。
データ解析部35は、通信部33を介して入力される画像形成に関するデータを解析し、結果を印刷条件保持部38へ出力する。印刷画像保持部36は、印刷画像作成部34及び印刷画像変換部39が作成した印刷用画像及び印刷用変換画像を格納する。トレイ情報保持部37は、プリンタ装置10が備える各給紙トレイが保持する用紙の用紙サイズ,給紙方向に関する用紙情報を格納する。
印刷条件保持部38は、画像形成に関するデータを解析したデータ解析部35の解析結果である印刷用画像のサイズ,印刷用画像の向き,印刷用画像の両面印刷の有無,用紙サイズ,用紙の向き,用紙種類,パンチ処理の有無,ステープル処理の有無等に関する印刷条件を格納する。印刷画像変換部39は、印刷画像作成部34が作成した印刷用画像を印刷条件に応じて回転,サイズ補正(拡大,縮小),センタリング,RGB変換等の処理を施した印刷用処理画像にし、印刷画像保持部36へ出力する。
尚、印刷画像作成部34、データ解析部35、印刷画像保持部36、トレイ情報保持部37、印刷条件保持部38及び印刷画像変換部39は、強制印刷の対象となる画像の前記表示用画像における前記印刷領域の画像に対する位置を保持した印刷用画像を作成する印刷用画像作成手段を構成している。
表示用画像作成部40は、表示用画像作成手段であり、図3に示すように、画像作成部40a、画像合成部40b、画像変換部40c及び画像保持部40dを有している。
画像作成部40aは、通信部33を介して入力される画像形成に関するデータに基づき操作パネル12に表示する表示用画像を作成し、画像合成部40b,画像変換部40c及び画像保持部40dへ出力する。画像合成部40bは、通信部33を介して入力される画像形成に関するデータに基づき複数の表示用合成画像(強制印刷の対象となる画像と、ユーザの選択した給紙トレイに保持される用紙の給紙方向を含む印刷領域の画像とを含む)を操作パネル12に表示する1つの表示用画像に合成し、合成した表示用合成画像を画像変換部40c及び画像保持部40dへ出力する。画像変換部40cは、画像作成部40aが作成した表示用画像及び画像合成部40bが合成した表示用合成画像を表示条件に応じて回転,サイズ補正(拡大,縮小),センタリング,RGB変換等の処理を施した印刷時の状態を表示する表示用変換画像に変換し、画像合成部40b及び画像保持部40dへ出力する。この印刷時の状態を表示する表示用変換画像は、実際に用紙へ印刷される印刷用処理画像と同じ画像である。画像保持部40dは、画像作成部40a,画像合成部40b及び画像変換部40cのそれぞれが作成した表示用画像,表示用合成画像,表示用変換画像を格納する。
なお、ホストコンピュータ3は、プリンタ装置10の操作パネル12と同様に構成される管理操作パネルを備えている。
以上のように構成される本発明の画像形成システム1においては、ホストコンピュータ3で作成され、ネットワーク2を介して入力されるデータ中の印刷データをプリンタ装置10が印刷データで指定された用紙に印刷する。
ここで、例えば、ユーザがA4の用紙を保持した給紙トレイを複数の給紙トレイから選択し、A4の用紙に10枚の画像を印刷する場合、選択した給紙トレイにはA4の用紙が3枚しかないとする。この場合、プリンタ装置10は、画像を3枚印刷したところで、用紙切れとなり、トレイ情報検知部13bから入力される用紙切れ信号によってジョブ制御部32が用紙エラー信号を出力する。
図4は、エラーメッセージとして操作パネルに表示される強制印刷選択画面の一例を示す図である。図5は、強制印刷選択画面に表示される給紙トレイを示すアイコンの表示を説明する拡大図である。図6は、給紙方向が横方向のB5の用紙を保持した給紙トレイを選択した場合の強制印刷選択画面を示す図である。
用紙エラー信号が出力されると、プリンタ装置10は、操作パネル12に図4に示す強制印刷選択画面S1cpを表示する。強制印刷選択画面S1cpには、それぞれA4普通紙、B5普通紙、A3普通紙及びA5再生紙を保持した給紙トレイを示すアイコンI1〜I4と、印刷時の状態を表示する表示部としての表示画面Dと、選択した操作の実行を入力する実行ボタンBexと、ジョブのリセットを入力するジョブリセットボタンBjrとが表示される。
図5に示すように、例えば、アイコンI3は、上段の左の欄から順に給紙トレイ番号Tno、用紙残量R、給紙方向Alを示している。また、アイコンI3の中段は用紙のサイズを示し、下段は用紙の種類を示している。他のアイコンI1,I2,I4も同様に表示している。アイコンI1は給紙トレイの用紙(A4)が縦置きの状態で横方向へ給紙されることを示し、アイコンI2〜I4は給紙トレイの用紙(B5,A3,A5)が横置きの状態で横方向へ給紙されることを示している。また、用紙残量がない用紙切れの場合は、アイコンI1が示すように、用紙残量Rの欄には矢印が表示される。給紙トレイの用紙が満杯の場合には、アイコンI3の用紙残量Rの欄が示すように用紙の位置を示す線が上端まで表示される。
図4に示す強制印刷選択画面S1cpにおいて、ユーザは、アイコンI2をタッチすることよって給紙トレイ(2番)を選択する。すると、給紙トレイ選択後の強制印刷選択画面S1cpでは、図6に示すように、選択された給紙トレイ(2番)が強調して表示される。
図7は、表示画面Dに表示される強制印刷の対象となる画像Imと用紙の印刷領域の画像Apとを示す図である。図7に示すように、表示部としての表示画面Dは、四角形、例えば、正方形に設定され、強制印刷の対象となる画像Imと、用紙の給紙方向を含む印刷領域の画像Apとを同じ縮尺で縮小し、基準となる頂点Vを重ねると共に、頂点Vを挟む二辺をそれぞれ重ねた表示用画像を表示する。このとき、表示画面Dは、図6に示すように、印刷領域の画像画像Ap(B5)と強制印刷の対象となる画像Imのうち大きい方の画像Imの長辺が表示画面Dの一辺となるように縮小して重ねた表示用画像を表示する。
ここで、ユーザが選択した給紙トレイによっては、その給紙トレイに保持される用紙の印刷領域の画像Apが強制印刷の対象となる画像Imよりもサイズが大きくなる場合がある。このため、本実施の形態では、画像を印刷する前に表示画面Dで確かめることにより、強制印刷を続行するか否かを判断できるようにしている。
特に、ユーザは、表示画面D上で、強制印刷の対象となる画像Imと用紙の給紙方向を含む印刷領域の画像Ap(B5)とを見ることにより、印刷されずに欠落してしまう画像の範囲を容易に確認することができる。従って、ユーザは、B5の用紙を用いた強制印刷を中止することにより無駄な印刷を回避することができる。
ここで、ユーザがA3の用紙を保持した給紙トレイを選択すると、強制印刷選択画面S1cpには、図8に示すように、給紙方向が横方向のA3の用紙を保持した給紙トレイ(3番)が強調して表示される。表示画面Dには、強制印刷の対象となる画像Imと、選択された給紙トレイ(3番)に保持される給紙方向が横方向の用紙(A3)の印刷領域の画像Ap(A3)とが、サイズの大きい画像Ap(A3)を基準として同じ縮尺で縮小し、基準となる画像左上の頂点Vを重ねると共に、頂点Vを挟む二辺をそれぞれ重ねることによって印刷時の状態で表示される。
このとき、A3の用紙の印刷領域の画像Ap(A3)は、強制印刷の対象となるA4の画像Imよりもサイズが大きいため、図8に示す表示画面Dは、図6に示す表示画面Dよりも画像Imの縮小割合が大きくなる。このため、図8に示す表示画面Dでは、見掛け上、強制印刷の対象となる画像Imの大きさが、図6に示す表示画面Dの画像Imに比べて小さく表示される。
従って、ユーザは、印刷時の状態を表示する表示画面Dを見ることにより、用紙としてA3の用紙を使用すれば、欠落のない画像の印刷が可能であることを容易に確認することができる。
図9は、強制印刷選択画面で強制印刷の実行を選択した際に表示される自動解除警告画面を示す図である。通常、パンチ処理やステープル処理が設定されている場合、一般的なプリンタ装置で強制印刷を実行すると、パンチやステープルの位置が予め入力した指定位置とずれる可能性がある。このため、プリンタ装置10では、ユーザが強制印刷の実行を選択した際、図9に示す自動解除警告画面Swaを強制印刷選択画面S1cp上に重ねて表示することによってユーザに対して警告する。従って、図8に示す強制印刷選択画面S1cpにおいて、ユーザが画面上の実行ボタンBexをタッチすると、自動解除警告画面Swaが強制印刷選択画面S1cp上に重ねて表示される。
図9に示すように、自動解除警告画面Swaは、ステープル処理が自動解除されることを警告しており、強制印刷をキャンセルするキャンセルボタンBpcと強制印刷を続行する続行ボタンBpeとが表示される。
このとき、ユーザが、キャンセルボタンBpcををタッチすると、強制印刷がキャンセルされる。すると、自動解除警告画面Swaか閉じられ、強制印刷選択前の図8に示す強制印刷選択画面S1cpに戻る。
一方、ユーザが、続行ボタンBpeををタッチすると、強制印刷が続行され、自動解除警告画面Swaか閉じられて強制印刷が開始され、図8の表示画面Dに示すように、横置きの状態で横方向へ給紙される用紙(A3)の左半側に強制印刷の対象となる画像Imが印刷される。
以下、用紙切れとなった残り6枚の用紙について強制印刷に関する同様の操作が繰り返される。
図10は、印刷データを用紙へ強制印刷する際にプリンタ装置10が実行する制御手順を説明するフローチャートである。以下、ジョブ制御部32の統括的な制御のもとにプリンタ装置10が実行する印刷データの用紙への印刷を図10及び図11に示すフローチャートを参照して説明する。
先ず、ジョブ制御部32は、印刷データを受信する(ステップS100)。印刷データは、通信部33を介して受信する。続いて、ジョブ制御部32は、データ解析部35に受信した印刷データを解析させる(ステップS102)。続いて、ジョブ制御部32は、解析された印刷データをもとに印刷画像作成部34に印刷用画像を作成させる(ステップS104)。
その後、ジョブ制御部32は、印刷条件で指定された用紙が給紙トレイにあるか否かを判定する(ステップS106)。印刷条件で指定された用紙が給紙トレイにない場合(ステップS106,No)、ジョブ制御部32は、用紙エラーとして操作パネルに強制印刷選択画面S1cpを表示する(ステップS108)。ここで、印刷条件で指定された用紙がない場合とは、印刷条件で指定された枚数,用紙サイズ或いは用紙種類の用紙がない場合をいう。続いて、ジョブ制御部32は、代替の用紙を保持した給紙トレイが選択されたか否かを判定する(ステップS110)。
給紙トレイが選択されなかった場合(ステップS110,No)、ジョブ制御部32は、給紙トレイが選択されるまで判定を繰り返す。給紙トレイが選択された場合(ステップS110,Yes)、ジョブ制御部32は、表示用画像作成部40に表示用画像の作成処理を実行させる(ステップS112)。表示用画像には、強制印刷の対象となる画像と、ユーザの選択した給紙トレイに保持される用紙の給紙方向を含む印刷領域の画像とを合成した合成画像が含まれている。このとき、表示用画像は、強制印刷の対象となる画像と印刷領域の画像のそれぞれを表示用画像作成部40が大きいサイズの画像を基準として同じ縮尺で縮小し、基準となる画像左上の頂点Vを重ねると共に、頂点Vを挟む二辺をそれぞれ重ねて印刷時の合成画像として作成され、印刷領域の画像と強制印刷の対象となる画像のうち大きい方の画像の長辺を表示画面Dの一辺となるように縮小して表示画面Dに表示される。
作成後、ジョブ制御部32は、表示用画像作成部40に強制印刷選択画面S1cpの表示画面Dに表示用画像を表示させる(ステップS114)。その後、ジョブ制御部32は、給紙トレイ選択の変更があるか否かを判定する(ステップS116)。この判定は、強制印刷選択画面S1cpのいずれかのアイコンをタッチすることによって入力される給紙トレイの選択信号をもとに行う。
給紙トレイ選択の変更があった場合(ステップS116,Yes)、ジョブ制御部32は、ステップS112に戻る。一方、給紙トレイ選択の変更がなかった場合(ステップS116,No)、ジョブ制御部32は、強制印刷の実行指示があったか否かを判定する(ステップS118)。この判定は、強制印刷選択画面S1cpの実行ボタンBexのタッチによって入力される強制印刷の実行指示信号の有無をもとに行う。
強制印刷の実行指示がない場合(ステップS118,No)、ジョブ制御部32は、ステップS116に戻る。一方、強制印刷の実行指示があった場合(ステップS118,Yes)、ジョブ制御部32は、ステープル処理又はパンチ処理が設定されているか否かを判定する(ステップS120)。この判定は、印刷条件保持部38に格納された印刷条件をもとに行う。
ステープル処理又はパンチ処理が設定されていない場合(ステップS120,No)、ジョブ制御部32は、ステップS126へ移行する。一方、ステープル処理又はパンチ処理が設定されている場合(ステップS120,Yes)、ジョブ制御部32は、ステープル処理又はパンチ処理を自動解除する旨の警告喚起画面を表示する(ステップS122)。
続いて、ジョブ制御部32は、強制印刷を続行するか否かを判定する(ステップS124)。この判定は、警告喚起画面で強制印刷をタッチした強制印刷信号又はキャンセルをタッチした強制印刷キャンセル信号をもとに行う。警告喚起画面で強制印刷の続行が選択されなかった場合(ステップS124、No)、ジョブ制御部32は、ステップS116に戻る。一方、警告喚起画面で強制印刷の続行が選択された場合(ステップS124、Yes)、ジョブ制御部32は、プリンタエンジン13に制御信号を出力し、画像を印刷させる(ステップS126)。
続いて、ジョブ制御部32は、次ページがあるか否かを判定する(ステップS128)。次ページがない場合(ステップS128,No)、ジョブ制御部32は、プリンタ装置10の制御を終了する。次ページがある場合(ステップS128,Yes)、ジョブ制御部32は、ステップS106に戻りプリンタ装置10の制御を続行する。
一方、ステップS106において印刷条件で指定された用紙が給紙トレイにある場合(ステップS106,Yes)、ジョブ制御部32は、ステップS126へ移行する。
図11は、印刷データの用紙への印刷において実行される表示用画像の作成処理を説明するフローチャートである。図11に示すように、先ず、表示用画像作成部40は、印刷条件保持部38から印刷用画像の印刷条件を取得する(ステップS1141)。取得する印刷条件としては、印刷用画像のサイズと向きである。続いて、表示用画像作成部40は、印刷画像保持部36から印刷用画像を取得する(ステップS1142)。その後、表示用画像作成部40は、トレイ情報保持部37から用紙サイズと給紙方向の情報を取得する(ステップS1143)。
続いて、表示用画像作成部40は、印刷用画像のサイズ、用紙サイズ及び給紙方向をもとに、用紙の印刷領域の画像及び強制印刷の対象となる画像の表示画面上のサイズを決定する(ステップS1144)。この表示画面上のサイズは、計算によって決定する。
続いて、表示用画像作成部40は、印刷領域の画像Apを作成する(ステップS1145)。この画像は、画像作成部40aが作成する。続いて、用紙の印刷領域の画像Apと強制印刷の対象となる画像Imを合成する(ステップS1146)。この画像の合成は、、サイズの大きい画像を基準とし、基準となる頂点Vを重ねると共に、頂点Vを挟む二辺をそれぞれ重ね、印刷領域の画像Apと強制印刷の対象となる画像Imのうち大きい方の画像の長辺が表示画面Dの一辺となるように縮小する。
その後、表示用画像作成部40は、合成画像を画像変換する(ステップS1147)。この画像変換は、表示用画像作成部40の画像変換部40cが実行し、合成画像を表示画面D上で識別可能な形式(RGB)に変換する。これにより、表示画面Dは、印刷時の状態の合成画像を表示することができる。
このように、実施の形態1によれば、用紙エラーが発生した場合に、強制印刷選択画面S1cpの表示画面Dに用紙の給紙方向を含む印刷領域の画像Ap及び強制印刷の対象となる画像Imが印刷時の状態で表示される。このため、表示画面Dの表示をもとに、ユーザが強制印刷を続行するかキャンセルするかを判断することができるので、強制印刷時の印刷結果にユーザの希望を反映させることができる。
なお、実施の形態1は、プリンタ装置10で用紙エラーが発生した場合、プリンタ装置10側で用紙エラーに対処する態様について説明した。但し、ホストコンピュータ3が備える管理操作パネル上で給紙トレイの選択の指示及び強制印刷の実行の指示を入力することによりホストコンピュータ3側で用紙エラーに対処してもよい。
(実施の形態2)
実施の形態1では、強制印刷の対象となる画像Imを表示画面D上で用紙の印刷領域の画像Apの大きさとの関係で相対的に拡縮して強制印刷した。これに対し、実施の形態2では、更に強制印刷の対象となる画像Imを表示画面D上で回転,サイズ補正,ページ送り或いはページ戻しをして強制印刷できるようにしている。図12は、実施の形態2にかかるプリンタ装置の強制印刷選択画面S2cpを示す図である。図13は、図12に示す強制印刷選択画面S2cpで強制印刷の対象となる画像Imを回転させた図である。
図12に示すように、強制印刷選択画面S2cpには、強制印刷選択画面S1cpのボタンに加えて回転指示ボタンBrt,サイズ補正指示ボタンBzm,ページ送り指示ボタンBpf及びページ戻し指示ボタンBpbの4つのボタンが表示されている。ここで、図12に示す強制印刷選択画面S2cpは、強制印刷用の代替トレイとして給紙方向が横方向のB5の用紙を保持した給紙トレイを選択した場合を示している。また、表示画面Dには、強制印刷の対象となる画像Imと、給紙方向が横方向の用紙(B5)の印刷領域の画像Ap(B5)とが、サイズの大きい画像Imの長辺が表示画面Dの一辺となるように縮小され、基準となる左上の頂点Vを重ねると共に、頂点Vを挟むそれぞれ重ねて印刷時の状態で表示される。
回転指示ボタンBrtは、選択された用紙の給紙方向を含む印刷領域の画像Apに対して強制印刷の対象となる画像Imを90度回転させる指示を手指でタッチすることによって入力する。サイズ補正指示ボタンBzmは、同様に、選択された用紙の給紙方向を含む印刷領域の画像Ap内に収まるように強制印刷の対象となる画像Imを自動的に拡大又は縮小させる指示を入力する。ページ送り指示ボタンBpfは、同様に、強制印刷の対象となるページの画像Imだけではなく、そのページ以降のページの画像Imfと選択された用紙の給紙方向を含む印刷領域の画像Apとをページ送りして表示させる指示を入力する。ページ戻し指示ボタンBpbは、同様に、強制印刷の対象となるページの画像Imだけではなく、そのページ以前のページの画像Impと選択された用紙の給紙方向を含む印刷領域の画像Apとをページ戻しして表示させる指示を入力する。
従って、実施の形態2にかかるプリンタ装置10では、A4の画像の印刷中に発生した用紙エラーによって、図12に示す強制印刷選択画面S2cpが表示された場合、例えば、選択された用紙の給紙方向を含む印刷領域の画像Ap(B5)に対して強制印刷の対象となる画像Imを回転させる指示を回転指示ボタンBrtから入力する。すると、図13に示すように、表示画面Dには、強制印刷の対象となる画像Im(rt)が印刷領域の画像Ap(B5)に対して90度回転され、それぞれの画像の頂点Vを重ねると共に、頂点Vを挟む二辺をそれぞれ重ねた印刷時の画像が表示される。図13から明らかなように、強制印刷の対象となる画像Im(rt)は、印刷領域の画像Ap(B5)よりも大きい。このため、強制印刷を実行すると、画像Im(rt)は、一部が欠けてしまうので、サイズ補正をする必要がある。
図14は、画像の回転及びサイズ補正を含む強制印刷の際にプリンタ装置10が実行する制御手順を説明するフローチャートである。以下、ジョブ制御部32の統括的な制御のもとにプリンタ装置10が実行する画像の回転及びサイズ補正を含む強制印刷について図14に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、以下の説明においては、説明を簡単にするためにステープル処理やパンチ処理を自動解除する旨の警告喚起については説明を省略するが、自動解除警告画面Swaの表示による警告喚起が行なわれるものとする。
先ず、ジョブ制御部32は、強制印刷の対象となる画像Imの回転の指示があったか否かを判定する(ステップS200)。この判定は、回転指示ボタンBrtのタッチに伴う画像回転の指示信号をもとに行う。回転の指示がない場合(ステップS200,No)、ジョブ制御部32は、回転の指示があるまでこの判定を繰り返す。強制印刷の対象となる画像Imの回転の指示があった場合(ステップS200,Yes)、ジョブ制御部32は、画像作成部40aに印刷領域の画像Ap(B5)に対して回転した強制印刷の対象となる画像Im(rt)を作成させる(ステップS202)。
その後、ジョブ制御部32は、画像合成部40bに回転後の画像Im(rt)と印刷領域の画像Ap(B5)とを合成させる(ステップS204)。画像の合成は、二つの画像Im(rt),Ap(B5)の基準となる左上の頂点Vを重ねると共に、頂点Vを挟む二辺をそれぞれ重ねて合成した印刷時の表示用画像とする。続いて、ジョブ制御部32は、画像合成部40bから表示パネル12へ表示用画像を出力させ、表示画面Dに合成した表示用画像を表示させる(ステップS206)。続いて、ジョブ制御部32は、強制印刷の対象となる回転後の画像Im(rt)のサイズ補正の指示があったか否かを判定する(ステップS208)。この判定は、サイズ補正指示ボタンBzmのタッチに伴うサイズ補正の指示信号をもとに行う。
サイズ補正の指示がない場合(ステップS208,No)、ジョブ制御部32は、サイズ補正の指示があるまでこの判定を繰り返す。画像Im(rt)のサイズ補正の指示があった場合(ステップS208,Yes)、ジョブ制御部32は、画像作成部40aに画像Im(rt)に対する印刷領域の画像Ap(B5)の縦の辺の比及び横の辺の比を計算させる(ステップS210)。この比の値が縦の辺,横の辺共に1を超えている場合は、画像Im(rt)のサイズに比して印刷領域の画像Ap(B5)のサイズが大きいので、印刷領域の画像Ap(B5)内に画像Im(rt)を印刷できる。しかし、比の値が1以下となる場合には、画像Im(rt)のサイズに比して印刷領域の画像Ap(B5)のサイズが小さいので、該当する辺の画像Im(rt)が印刷領域からはみ出してしまい、印刷した際に画像切れが発生する。このため、比の値が縦の辺,横の辺共に1を越えている場合は、画像Im(rt)を拡大し、比の値が1以下の場合には、画像Im(rt)を縮小する必要がある。
続いて、ジョブ制御部32は、画像作成部40aに求めた辺の比の値の少なくとも一方が1以下であるか否かを判定させる(ステップS212)。1以下である場合(ステップS212,Yes)、ジョブ制御部32は、辺の比の小さい方を変倍率(縮小率)に設定する(ステップS214)。続いて、ジョブ制御部32は、画像変換部40cに変倍率(縮小率)に合わせて画像Im(rt)を変倍(縮小又は拡大)させる(ステップS216)。
その後、ジョブ制御部32は、画像合成部40bに変倍した画像Im(rt)と印刷領域の画像Ap(B5)とを合成させる(ステップS218)。続いて、表示画面Dに合成した表示用画像を表示する(ステップS220)。図15は、表示画面Dにおける印刷領域の画像Apに対する強制印刷の対象となる画像Imのサイズ補正を説明する図である。図15に示すように、表示画面Dには、図13の表示画面Dに表示された画像Im(rt)から印刷領域の画像Ap(B5)と同じ大きさにサイズ補正された画像Im(rt,rd)が表示される。
続いて、ジョブ制御部32は、強制印刷の実行指示があったか否かを判定する(ステップS222)。この判定は、強制印刷を実行させる実行ボタンBexのタッチによる強制印刷の実行指示信号の有無をもとに行う。強制印刷の実行指示がない場合(ステップS222,No)、ジョブ制御部32は、強制印刷の実行指示があるまで判定を繰り返す。一方、強制印刷の実行指示があった場合(ステップS222,Yes)、ジョブ制御部32は、変倍率(縮小率)をもとに印刷画像変換部39に印刷用画像を変倍(縮小又は拡大)させる(ステップS224)。このとき、印刷画像変換部39は、画像作成部40aから取得した変倍率(縮小率又は拡大率)をもとに印刷用画像を変倍し、印刷用処理画像とする。
その後、ジョブ制御部32は、印刷画像変換部39に作成した印刷用処理画像のデータ信号をプリンタエンジン13へ出力させ、用紙(B5)に画像を印刷させる(ステップS226)。これにより、強制印刷の対象となる画像の回転及びサイズ補正を含む強制印刷の処理が終了する。
一方、ステップS212において辺の比が縦の辺,横の辺共に1を越えている場合(ステップS212,No)、辺の比の大きい方を変倍率(拡大率)に設定し、ステップS216へ移行する(ステップS228)。実施の形態2においては、以上のようにして強制印刷の処理が実行される。
このように、ユーザは、強制印刷の際に、印刷時の状態を表示する表示画面Dを見ることにより、印刷結果にユーザの希望を反映させ、対象となる画像の回転及びサイズ補正をすることで所望のサイズ及び向きの用紙に画像を印刷することができる。
このとき、ユーザは、例えば、強制印刷の対象となる画像Imのサイズ補正を選択し、図16に示す表示画面Dのように、画像Imが縮小した画像Im(rd)とし、画像Im(rd)を用紙(B5)に強制印刷してもよい。
図17は、表示画面Dにおける印刷領域の画像Apに対する強制印刷の対象となる画像Imの回転及びサイズ補正を説明する図である。以下、図17を参照して画像Imの回転とサイズ補正について概略を説明する。先ず、ユーザが代替の給紙トレイとしてA3の用紙を保持した給紙トレイを選択し(図17(a))、画像Imを回転させる(図17(b))。続いて、回転後の画像Im(rt)を拡大し(図17(c))、強制印刷の対象となる画像Imを表示用の画像Im(rt,el)とする。このようにすると、図16に示すB5の用紙に強制印刷する場合に比べて、大きな用紙に強制印刷することができ、画像Imを拡大して印刷させることができる。
図18は、ページ送り機能およびページ戻し機能を利用した強制印刷を説明する強制印刷選択画面S2cpの図である。図19は、強制印刷選択画面S2cp上で強制印刷を実行する実行ボタンを操作した際に表示される印刷メニュー画面の図である。
強制印刷の対象となる画像Imについて所望のページの画像Imと印刷領域の画像Apとを表示する場合は、強制印刷選択画面S2cp(図12参照)上でページ送り指示ボタンBpf又はページ戻し指示ボタンBpbを介したページ送り操作又はページ戻し操作によって所望のページを選択し、図18に示すように、所望のページの画像Imと印刷領域の画像Apとを表示画面D上に表示して強制印刷を実行する。
このとき、実行ボタンBexをタッチすると、図19に示す印刷メニュー画面Mpが操作パネル12に表示される。印刷メニュー画面Mpは、強制印刷選択画面S2cpの上に重ねて表示してもよいし、操作パネル12の強制印刷選択画面S2cpとは別の位置に表示してもよい。このとき、印刷メニュー画面Mp上で、「全ページ印刷」又は「現在のページ印刷」をタッチすることにより、「全ページ印刷」又は「現在のページ印刷」の何れか一方の印刷メニューに従って強制印刷の対象となる画像Imが強制印刷される。
図20は、ページ送り機能又はページ戻し機能を利用した強制印刷の際にプリンタ装置10が実行する制御手順を説明するフローチャートである。以下、ジョブ制御部32の統括的な制御のもとにプリンタ装置10が実行するページ送り機能又はページ戻し機能を利用した強制印刷について図20に示すフローチャートを参照して説明する。
先ず、ジョブ制御部32は、強制印刷の対象となる画像Imの表示ページ数に変更があったか否かを判定する(ステップS300)。この判定は、ページ送り指示ボタンBpf又はページ戻し指示ボタンBpbのタッチに伴うページ送り又はページ戻しの指示信号をもとに行う。表示ページ数の変更がない場合(ステップS300,No)、ジョブ制御部32は、変更があるまでこの判定を繰り返す。表示ページ数の変更があった場合(ステップS300,Yes)、ジョブ制御部32は、印刷画像保持部36から表示ページ数を変更した印刷用画像を取得する(ステップS302)。
その後、ジョブ制御部32は、トレイ情報保持部37から用紙サイズと給紙方向の情報を取得する(ステップS304)。続いて、ジョブ制御部32は、画像作成部40aに変更した表示ページ数に対応した表示用画像を作成させる(ステップS306)。作成後、ジョブ制御部32は、画像作成部40aに表示用画像を表示させる(ステップS308)。
続いて、ジョブ制御部32は、強制印刷の実行指示があったか否かを判定する(ステップS310)。この判定は、実行ボタンBexのタッチによる強制印刷の実行指示信号の有無をもとに行う。強制印刷の実行指示がない場合(ステップS310,No)、ジョブ制御部32は、強制印刷の実行指示があるまで判定を繰り返す。一方、強制印刷の実行指示があった場合(ステップS310,Yes)、ジョブ制御部32は、操作パネル12に印刷メニュー画面Mpを表示する(ステップS312)。
続いて、ジョブ制御部32は、全ページ印刷が選択されたか否かを判定する(ステップS314)。この場合、現在のページ印刷が選択されたか否かを判定してもよい。全ページ印刷が選択された場合(ステップS314,Yes)、ジョブ制御部32は、画像作成部40aに作成した全ページ分の印刷用処理画像のデータ信号をプリンタエンジン13へ出力させ、用紙のそれぞれに各ページの画像を印刷させる(ステップS316)。これにより、全ページ印刷が実行され、強制印刷を終了する。
一方、全ページ印刷が選択されていない場合(ステップS314,No)、ジョブ制御部32は、画像作成部40aに作成した指定ページ分の印刷用処理画像のデータ信号をプリンタエンジン13へ出力させ、用紙に現在のページの画像を印刷させる(ステップS318)。続いて、ジョブ制御部32は、次ページが存在するか否かを判定する(ステップS320)。
次ページが存在しない場合、ジョブ制御部32は、強制印刷の制御を終了する。次ページが存在する場合、ジョブ制御部32は、ステップS302へ戻る。
実施の形態2のプリンタ装置10は、以上のようにして回転指示ボタンBrt、サイズ補正指示ボタンBzm、ページ送り指示ボタンBpf及びページ戻し指示ボタンBpbを利用して印刷領域の画像Apに対して強制印刷の対象となる画像Imの配置やサイズを調整した印刷時の状態を表示する画像を表示画面Dに表示する。このため、実施の形態2によれば、表示画面Dに表示された用紙の給紙方向を含む印刷領域の画像Apと強制印刷の対象となる画像Imとをもとに、ユーザが強制印刷を続行するかキャンセルするかを判断することができるので、強制印刷時の印刷結果にユーザの希望を反映させることができる。
(実施の形態3)
実施の形態1では、強制印刷の対象となる画像Imを表示画面D上で用紙の印刷領域の画像Apの大きさとの関係で相対的に拡縮して強制印刷した。これに対し、実施の形態3では、手差しトレイを使用して不定形サイズの用紙を含め所望のサイズの用紙に強制印刷できるようにしている。図21は、実施の形態3にかかるプリンタ装置の強制印刷選択画面S3cpを示す図である。図22は、用紙サイズを設定するための用紙サイズ設定画面を示す図である。
図21に示すように、強制印刷選択画面S3cpは、アイコンI4が手差しトレイから用紙を給紙するアイコンに代わると共に、用紙サイズ設定画面を表示する指示を入力する用紙サイズ設定ボタンBpsが追加されている点が実施の形態2の強制印刷選択画面S2cpと異なっている。
従って、実施の形態3にかかるプリンタ装置では、用紙エラーによって、図21に示す強制印刷選択画面S3cpが表示された場合、手差しトレイから用紙を給紙しようとすると、用紙が未登録のため、表示画面D上に用紙の印刷領域の画像Apを表示させることができない。このため、手差しトレイから用紙を給紙して強制印刷する場合には、用紙サイズを設定する必要がある。このため、手差しトレイを使用する場合には、用紙サイズ設定操作のための画面を表示する。この場合、用紙サイズ設定ボタンBpsをタッチすると、図22に示す用紙サイズ設定画面Spsが操作パネル12に表示される。
用紙サイズ設定画面Spsは、図22に示すように、定型サイズの用紙の用紙サイズを設定する設定ボックスBxsf及び不定型サイズの用紙の用紙サイズを入力する入力ボックスBxsx,Bxsyが設けられている。図22に示す設定ボックスBxsfは、A4の用紙サイズが選択されたことを示している。
従って、図22に示す用紙サイズ設定画面Spsにおいて、定型サイズの用紙の用紙サイズを使用する場合は、設定ボックスBxsfで用紙サイズを設定し、不定型サイズの用紙の用紙サイズを使用する場合は、入力ボックスBxsxから横の用紙サイズを入力し、入力ボックスBxsyから縦の用紙サイズを入力する。このようにして設定又は入力された用紙サイズの情報は、トレイ情報保持部37及び表示用画像作成部40へ入力される。
従って、図22に示す用紙サイズ設定画面Spsで用紙サイズを入力し、適用ボタンをタッチすると、強制印刷選択画面S3cpの表示画面Dに印刷領域の画像Apが強制印刷の対象となる画像Imと共に表示される。この場合、強制印刷を実行する前であれば、改めて用紙サイズの設定又は入力すること、或いは改めて別の給紙トレイを選択することにより、強制印刷の対象となる画像Imをユーザの所望する用紙に印刷させることができる。
図23は、手差しトレイから用紙を給紙して強制印刷する際にプリンタ装置10が実行する制御手順を説明するフローチャートである。以下、ジョブ制御部32の統括的な制御のもとにプリンタ装置10が実行する手差しトレイから用紙を給紙して強制印刷する場合について図23に示すフローチャートを参照して説明する。
先ず、ジョブ制御部32は、手差しトレイから用紙を給紙するアイコンI4がクリックされた場合、用紙サイズ設定ボタンBpsが押下されたか否かを判定する(ステップS400)。この判定は、用紙サイズ設定ボタンBpsのタッチに伴う用紙サイズ設定の選択信号をもとに行う。用紙サイズ設定ボタンBpsが押下されていない場合(ステップS400,No)、ジョブ制御部32は、押下されるまでこの判定を繰り返す。用紙サイズ設定ボタンBpsが押下された場合(ステップS400,Yes)、ジョブ制御部32は、用紙サイズ設定画面Spsを表示させる(ステップS402)。
続いて、ジョブ制御部32は、用紙サイズが入力されたか否かを判定する(ステップS404)。この判定は、用紙サイズ設定画面Spsの適用ボタンのタッチに伴う用紙サイズ設定の信号をもとに行う。用紙サイズが入力されていない場合(ステップS404,No)、ジョブ制御部32は、用紙サイズが入力されるまでこの判定を繰り返す。用紙サイズが入力された場合(ステップS404,Yes)、ジョブ制御部32は、入力された用紙サイズの情報を取得する(ステップS406)。
続いて、ジョブ制御部32は、画像作成部40aに入力された用紙サイズの表示用画像を作成させる(ステップS408)。作成後、ジョブ制御部32は、表示画面Dに表示用画像を表示させる(ステップS410)。
続いて、ジョブ制御部32は、強制印刷の実行指示があったか否かを判定する(ステップS412)。この判定は、実行ボタンBexのタッチによる強制印刷の実行指示信号の有無をもとに行う。強制印刷の実行指示がない場合(ステップS412,No)、ジョブ制御部32は、強制印刷の実行指示があるまで判定を繰り返す。一方、強制印刷の実行指示があった場合(ステップS412,Yes)、ジョブ制御部32は、印刷条件保持部38の用紙サイズを変更する(ステップS414)。
続いて、ジョブ制御部32は、印刷画像作成変換部38に印刷用処理画像のデータ信号をプリンタエンジン13へ出力させ、強制印刷を実行させる(ステップS416)。これにより、ユーザが用紙サイズを変更した用紙に画像が印刷され、強制印刷が終了する。
実施の形態3のプリンタ装置は、以上のようにして手差しトレイを使用して所望サイズの用紙を選択し、所望サイズの用紙の印刷領域の画像Apを強制印刷の対象となる画像Imと共に印刷時の状態を表示する表示画面Dに表示する。このため、実施の形態3によれば、表示画面Dに表示された用紙の給紙方向を含む印刷領域の画像Apと強制印刷の対象となる画像Imとをもとに、ユーザが強制印刷を続行するかキャンセルするかを判断することができるので、強制印刷時の印刷結果にユーザの希望を反映させることができる。
(実施の形態4)
実施の形態1では、強制印刷の対象となる画像Imを表示画面D上で用紙の印刷領域の画像Apの大きさとの関係で相対的に拡縮して強制印刷した。これに対し、実施の形態4では、強制印刷の対象となる画像Imを用紙の中央に強制印刷できるようにしている。図24は、実施の形態4にかかるプリンタ装置の強制印刷選択画面S4cpを示す図である。図25は、図24に示す強制印刷選択画面S4cpにおいて強制印刷の対象となる画像Imを表示画面Dの中央に表示した図である。
図24に示すように、強制印刷選択画面S4cpは、強制印刷の対象となる画像Imを用紙の中央に表示させる指示を入力するセンタリングボタンBcが追加されている点が実施の形態2の強制印刷選択画面S2cpと異なっている。
プリンタ装置10では、用紙エラーが発生すると、操作パネル12に強制印刷選択画面S4cpが表示される。そして、アイコンI3のタッチによってA3の用紙を保持した給紙トレイを選択し、回転指示ボタンBrtとサイズ補正指示ボタンBzmのタッチによって画像の回転及びサイズ補正を選択すると、強制印刷選択画面S4cpには、図24に示す表示画面Dが表示される。このとき、表示画面Dには、回転と縮小が施された強制印刷の対象となる画像Im(rt,rd)と、給紙方向が横方向の用紙(A3)の印刷領域の画像Ap(A3)とを、左上の頂点Vで重ねると共に、頂点Vを挟む二辺をそれぞれ重ねた印刷時の状態が表示され、画像Im(rt,rd)が左上に偏って配置されている。
この状態を補正し、画像Im(rt,rd)をA3の用紙の中央に印刷する際に、センタリングボタンBcを使用する。ここで、センタリングボタンBcにタッチすると、図25に示すように、強制印刷の対象となる画像Im(rt,rd)が表示画面Dの中央に表示される。このため、強制印刷を実行すると、強制印刷の対象となる画像Im(rt,rd)が横長に配置したA3の用紙の中央に印刷される。
図26は、強制印刷の対象となる画像をセンタリングして強制印刷する際にプリンタ装置10が実行する制御手順を説明するフローチャートである。以下、ジョブ制御部32の統括的な制御のもとにプリンタ装置10が実行する画像をセンタリングして強制印刷する場合について図26に示すフローチャートを参照して説明する。
先ず、ジョブ制御部32は、強制印刷用の用紙を保持した給紙トレイが選択されたか否かを判定する(ステップS500)。給紙トレイが選択されなかった場合(ステップS500,No)、ジョブ制御部32は、給紙トレイが選択されるまで判定を繰り返す。給紙トレイが選択された場合(ステップS500,Yes)、ジョブ制御部32は、センタリングボタンBcが押下されたか否かを判定する(ステップS502)。この判定においては、センタリングボタンBcのタッチによって入力されるセンタリングの選択信号をもとに行う。
センタリングボタンBcが押下されていない場合(ステップS502,No)、ジョブ制御部32は、ジョブ制御部32は、押下されるまでこの判定を繰り返す。センタリングボタンBcが押下された場合(ステップS502,Yes)、ジョブ制御部32は、印刷用画像のサイズ情報を取得する(ステップS504)。このサイズ情報は、ジョブ制御部32が印刷画像保持部36から取得する。
続いて、ジョブ制御部32は、選択された給紙トレイの用紙サイズの情報を取得する(ステップS506)。このサイズ情報は、ジョブ制御部32がトレイ情報保持部37から入手する選択された給紙トレイの情報から取得する。続いて、ジョブ制御部32は、センタリングが可能か否かを判定する(ステップS508)。この判定は、ステップS504で取得した印刷用画像のサイズ情報と、ステップS506で取得した選択された給紙トレイの用紙サイズの情報とに基づいて行なう。
センタリングが不可能な場合(ステップS508,No)、ジョブ制御部32は、ステップS500へ戻る。センタリングが可能な場合(ステップS508,Yes)、ジョブ制御部32は、強制印刷の対象となる画像Imの印刷位置を計算する(ステップS510)。印刷位置は、印刷画像作成部34が計算し、計算した画像Imの印刷位置情報は表示用画像作成部40へ出力される。
図27は、図24に示す表示画面Dに表示された強制印刷の対象となる画像Im(rt,rd)と印刷領域の画像Ap(A3)とに基づいてセンタリングに伴う印刷位置を説明する図である。センタリング前の図24に示す表示画面Dでは、画像Im(rt,rd)と印刷領域の画像Ap(A3)とを左上の頂点Vで重ねると共に、頂点Vを挟む二辺をそれぞれ重ねた状態で表示される。このため、図27(a)に示すように、センタリング前の表示画面Dでは、印刷領域の画像Ap(A3)と強制印刷の対象となる画像Im(rt,rd)の大きさの違い及び画像Im(rt,rd)が左上に偏って配置されることにより、画像Im(rt,rd)の右側及び下側にそれぞれ横余白(=ΔX)及び縦余白(ΔY)が生じる。
一方、センタリング後は、横余白(=ΔX)及び縦余白(ΔY)が強制印刷の対象となる画像Im(rt,rd)の上下左右に均等に振り分けられ、横余白=ΔX/2、縦余白=ΔY/2となる。従って、図27(b)に示すように、Ps(x)が画像Im(rt,rd)の印刷開始位置(横)、Pe(x)が画像Im(rt,rd)の印刷終了位置(横)となり、Ps(y)が画像Im(rt,rd)の印刷開始位置(縦)、Pe(y)が画像Im(rt,rd)の印刷終了位置(縦)となる。そして、表示用画面作成部40は、これらの位置を基準として表示画面Dに表示する表示用画像を作成する。
続いて、ジョブ制御部32は、表示用画像作成部40に画像Imと印刷領域の画像Apとを印刷位置に合わせて合成した表示用画像を作成させる(ステップS512)。作成後、ジョブ制御部32は、表示用画像作成部40に制御信号を出力し、表示画面Dに表示用画像を表示させる(ステップS514)。
続いて、ジョブ制御部32は、印刷画像作成変換部38に印刷用処理画像のデータ信号をプリンタエンジン13へ出力させ、強制印刷の実行指示があったか否かを判定する(ステップS516)。この判定は、実行ボタンBexのタッチによる強制印刷の実行指示信号の有無をもとに行う。強制印刷の実行指示がない場合(ステップS516,No)、ジョブ制御部32は、強制印刷の実行指示があるまで判定を繰り返す。一方、強制印刷の実行指示があった場合(ステップS516,Yes)、ジョブ制御部32は、強制印刷の対象となる画像Imの印刷位置情報をプリンタエンジン13へ出力する(ステップS518)。その後、ジョブ制御部32は、強制印刷を実行する(ステップS520)。これにより、ユーザにセンタリングを指定された画像が指定した用紙の中央に印刷され、強制印刷が終了する。
実施の形態4のプリンタ装置は、以上のようにして強制印刷の対象となる画像を表示画面Dにセンタリングして表示すると共に、所望サイズの用紙にセンタリングした状態で強制印刷する。このため、実施の形態4によれば、表示画面Dに表示された用紙の給紙方向を含む印刷領域の画像Apと強制印刷の対象となる画像Imとをもとに、ユーザが強制印刷を続行するかキャンセルするかを判断することができるので、強制印刷時の印刷結果にユーザの希望を反映させることができる。
尚、上記実施の形態は、画像形成装置としてプリンタ装置の場合について説明した。しかし、本発明の画像形成装置は、画像を用紙上に形成する画像形成機能を有していれば、例えば、ファクシミリや複写機或いはスキャナ等であってもよい。
また、実施の形態1〜4のプリンタ装置は、各実施の形態で説明した機能を適宜組み合わせて使用してもよい。
また、上記した強制印刷は、用紙エラーが発生しない通常の印刷の際に適用してもよい。通常の印刷で使用すると、ユーザの好みに応じた配置の画像を所望の用紙に印刷することができる。