JP5605140B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
つまり、従来の2対の排紙ローラ構成では、用紙への印字のための最終走査時ないしその以前に、該用紙の先端が第2の排紙ローラ対のニップ部に挟持されてしまうと、第2の排紙ローラ対の搬送力で該用紙を引っ張ってしまうことを予測ないし考慮しておらず、課題となっていなかったと言える。
請求項1記載の発明は、シートをシート搬送方向に間欠的に搬送する搬送手段と、インクを吐出する記録ヘッドを搭載し、前記シート搬送方向と直交する主走査方向に走査・移動するキャリッジと、前記記録ヘッドにおける前記シート搬送方向の印字領域よりも前記シート搬送方向の下流側に配置され、画像形成されたシートの搬送方向を変える構成を備えた湾曲搬送経路と、前記湾曲搬送経路よりも前記シート搬送方向の下流側に配置され、画像形成されたシートを排出する拍車を含む第1の排出手段と、第1の排出手段よりも前記シート搬送方向の下流側に配置され、画像形成されたシートを挟持搬送する挟持部を形成して第1の排出手段と同一方向にシートを排出する拍車を含む第2の排出手段と、を有する画像形成装置であって、シートへの印字のための最終走査時に、該シートの先端が第2の排出手段の前記挟持部に挟持されないように、前記画像形成装置で使用可能な前記シート搬送方向における最長のシート長さよりも長く、前記印字領域における前記シート搬送方向の下流端から前記挟持部までのシート搬送パス長を設定し、かつ、第1の排出手段と第2の排出手段との間の搬送経路を略ストレート状の搬送経路にしたことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の画像形成装置において、第2の排出手段のシート搬送力は、第1の排出手段のそれよりも大きくしたことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1ないし3の何れか一つに記載の画像形成装置において、第2の排出手段のシートに対する摩擦係数は、第1の排出手段のそれよりも大きくしたことを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項1または8記載の画像形成装置において、第2の排出手段のシート搬送速度は、第1の排出手段のそれよりも速いことを特徴とする。
図1〜図4を参照して、本発明の第1の実施形態を説明する。図1は、本発明を適用した第1の実施形態におけるインクジェット方式の画像形成装置(以下、単に「画像形成装置」という)全体の構成を説明する簡略的な正面図である。
記録ヘッド34は、4つのノズル列を有し、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。
給紙トレイ42上に積載された複数枚の用紙Pを1枚ずつ分離給送する給紙コロ43に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド44を備え、この分離パッド44は給紙コロ43側に付勢されている。
帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表面を帯電させるための帯電手段として機能する。帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層(絶縁層)に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト51は、駆動力伝達手段としてのタイミングベルト(図示せず)を介して、図示しない副走査モータにより搬送ローラ52が回転駆動されることによって矢印で示すベルト搬送方向に周回移動する。
排紙反転部4には、第1の排出手段・第1の排紙ローラ対としての第1排紙ローラ64および排紙コロである拍車65(以下、「第1排紙ローラ対64,65」ともいう)と、その下流側に配置され第2の排出手段・第2の排紙ローラ対としての第2排紙ローラ80および排紙コロである拍車81(以下、「第2排紙ローラ対80,81」ともいう)とが備えられている。第1排紙ローラ64および第2排紙ローラ80は、共に時計回り、反時計回りの両方向に回転可能に構成されている。
シート排出方向Xaの最下流には、第2排紙ローラ80および拍車81により排出された用紙Pをスタックする排紙トレイ12を備えている。
排紙反転部4の湾曲搬送路7と反転搬送路8との分岐部には、図示しない分岐爪等の揺動可能な分岐部材が配設されている。反転搬送路8には、反転ローラ66,68と反転コロである拍車67,69とを備えており、この反転ローラ対66,67および68,69により、片面印刷済みの用紙Pが反転搬送路8内を搬送され、反転ローラ対68,69により再度搬送ベルト51と押圧コロ49との間へと送り込まれる。
第2排紙ローラ対80,81についても、第1排紙ローラ対64,65と同様の構成であるため、その説明を省略する。
同図から分かるように、排紙ローラに対する拍車圧が高過ぎる(拍車跡発生領域)と、拍車の外周の多数の微小突起により最悪穴明きが発生してしまう。また、搬送力が大き過ぎると(送り精度悪化領域)、排紙ローラ対により用紙を引っ張りすぎてしまうため、搬送ベルト51による送り精度に影響を及ぼし、記録ヘッド34によるインク着弾位置がずれてしまう。さらに、排出不可領域では、コシがある用紙の場合、用紙後端を排紙ローラと拍車とで排出しきれず残る(用紙後端残り)ことを表わしている。
したがって、図3において、搬送力および拍車圧の好ましい領域は、拍車圧の範囲をaとし、搬送力の範囲をbとすることである。これにより、湾曲搬送路7を通過した用紙が第1排紙ローラ対64,65により引っ張られることによる、搬送ベルト51の送り精度に影響を及ぼすことがない。そして、第2排紙ローラ対80,81に用紙後端が残ることがなく、用紙全体を排紙トレイ12へ排出することができる。さらに、用紙に穴明きを発生させることがないという3つの条件を全て満たすことができる。
厳密に言えば、印字領域10におけるシート搬送方向Xの下流端から第2排紙ローラ対80,81のニップ部中心までのシート搬送パス長11は、記録ヘッド34による用紙Pへの印字のための最終走査時に、該用紙Pの先端が第2排紙ローラ対80,81のニップ部に挟持されないように、この画像形成装置で使用可能なシート搬送方向Xにおける最長の用紙(シート)長さよりも長くなるように設定している。
搬送力を上げるには、排紙ローラ数を増やす、排紙ローラ摩擦係数を上げる、排紙ローラへの当接拍車数を増やすことで対応する。
そして、再びの搬送ローラ62の回転駆動を介して搬送ベルト51によって用紙Pが搬送され、この際、テンションローラ53と搬送ローラ62との間に揺動可能に配設されている図示しない分離爪を介して、搬送ベルト51から分離された片面印刷済みの用紙P(以下、単に「用紙P」ともいう)は搬送ローラ62に従動する拍車63により排紙反転部4の湾曲搬送路7に送り込まれ、湾曲搬送路7を形成する図示しないガイド部材によって案内されつつ、さらにシート搬送方向Xの下流側に搬送される。
この際、用紙Pへの印字のための最終走査時に、該用紙Pの先端が第2排紙ローラ対80,81のニップ部に挟持されないように、この画像形成装置で使用可能なシート搬送方向Xにおける最長の用紙(シート)長さよりも長く、記録ヘッド34の印字領域10におけるシート搬送方向Xの下流端から第2排紙ローラ対80,81のニップ部中心までのシート搬送パス長を設定してあることにより、記録ヘッド34による最終走査の印字終了後に、用紙Pの先端が第2排紙ローラ対80,81のニップ部に到達し、第1排紙ローラ対64,65と第2排紙ローラ対80,81とによって用紙Pを搬送することになるので、第1排紙ローラ対64,65および第2排紙ローラ対80,81の2対構成とした場合においても、用紙送り精度に影響を与えることなく、用紙搬送力を上げることができる。
記録終了信号または用紙Pの後端が記録ヘッド34の記録領域である印字領域10を抜け出た信号を、上記図示しない制御手段が受けることにより、記録動作を終了して、用紙Pは排紙トレイ12に排紙される。
片面印刷が上述した通りの動作で行われた後、片面印刷済みの用紙Pの先端が第1排紙ローラ64および拍車65のニップ部へ導かれて、片面印刷済みの用紙Pの後端が排紙反転部4の分岐を通過すると、これが図示しないセンサにより検知されることで、第1排紙ローラ64と第2排紙ローラ80とが反転開始し、片面印刷済みの用紙Pの先端と後端とが逆になるスイッチバック動作が行われる。
この際、排紙反転部4の湾曲搬送路7と反転搬送路8との分岐部に配設されている上記図示しない分岐部材により、片面印刷済みの用紙Pの搬送経路は反転搬送路8側に切り換えられている。
次いで、スイッチバック動作を検知する図示しないセンサにより、スイッチバックされた片面印刷済みの用紙Pの先端(スイッチバック前は用紙Pの後端)が検知されると、片面印刷済みの用紙Pの先端(スイッチバック前は用紙Pの後端)が反転搬送路8の図において下方に搬送される。
図5を参照して、第1の実施形態の変形例1を説明する。図5は、第1および第2排紙ローラ64,80の外周表面を拡大して示したものである。第1および第2排紙ローラ64,80の外周表面は、通常、外周径を揃え、用紙に対する摩擦係数を一定にする目的等で研磨されている。通紙方向(用紙・シート搬送方向)は、通常、研磨方向と逆方向に設定する。研磨方向と同方向に通紙方向を設定する(順目)と、研磨目を逆立てる方向となり摩擦抵抗が安定しないためである。しかしながら、研磨目を逆立てる方向は、摩擦抵抗は安定しないものの、摩擦抵抗自体は高くなり用紙搬送力も上がる。
図6を参照して、第1の実施形態の変形例2を説明する。図6(a1)、(a2)は、比較例における第1、第2排紙ローラ64,80の配置および用紙Pの搬送状態を示している。図6(b1)は平面図、図6(b2)は、シート搬送方向Xにおける第2排紙ローラ80の下流側近傍から見た側面図である。
画像形成部2において記録ヘッド34により吐出されたインク中の水分により用紙Pには波打ち(いわゆるコックリング現象)が発生してしまう。この波打ちが発生した状態は、用紙排出姿勢を不安定にさせ排紙トレイ12などでの用紙スタック性能の悪化を招く。またソータなどの後処理装置を設ける場合、その受け渡し部でのジャム発生の要因にもなる。
第1排紙ローラ64および第2排紙ローラ80は、シート搬送方向Xと直交するシート幅方向Y(キャリッジ33の移動方向である主走査方向でもある)に複数配置しているが、第1排紙ローラ64と第2排紙ローラ80とは、シート幅方向Yにそれぞれ互い違いに配置している。互い違いに配置することで搬送・排出される用紙Pの姿勢を制御し波打ちを抑制することができる。波打ちが抑制されるのでスタック性を確保でき、後処理装置を設けた場合も受け渡し部での問題を未然に回避できる。
図7を参照して、第1の実施形態の変形例3を説明する。図7(a1)、(a2)は、変形例3と比較するための比較例における第1、第2排紙ローラ64,80による用紙Pの搬送状態を表す正断面図である。
第1排紙ローラ対64,65のシート搬送速度としての用紙送り速度v1に対して、第2排紙ローラ対80,81の用紙送り速度v2が遅い場合(v2<v1)、図7(a1)、(a2)に示すように、第1および第2排紙ローラ64,80の間で用紙Pが撓む。この場合、第1排紙ローラ対64,65と第2排紙ローラ対80,81との間に設けられた1対の排紙ガイド板77に用紙Pの表面が擦れてしまい、印字面側が擦れた場合は擦れ跡などの画像劣化となってしまう。また、撓みの方向によってはシート排出方向Xaが変わり安定した用紙Pの排出ができなくなってしまう。
変形例3では、変形例2における第1排紙ローラ64と第2排紙ローラ80とをシート幅方向Yにそれぞれ互い違いに配置することと組み合わせれば、より一層排出される用紙Pの挙動を安定させることができる。
また、シートとしては、用紙Pに限らず、使用可能な薄紙から厚紙等まで、インクジェット方式で画像形成可能な全てのシートを含むものである。
さらに、図1の搬送部2は、上下方向に延びる搬送路を形成しているが、左右方向に延びる搬送路を形成し、湾曲搬送路7を経由し画像形成部1の上または下に排紙トレイ12を配置する構成でもよい。
2 搬送部
3 給紙部
4 排紙反転部
7 湾曲搬送路(湾曲搬送経路)
10 印字領域
11 シート搬送パス
12 排紙トレイ
33 キャリッジ
34 記録ヘッド
51 搬送ベルト(搬送手段)
56 帯電ローラ
64 第1排紙ローラ(第1の排出手段、回転部材)
65 拍車
66 反転ローラ
67 拍車
80 第2排紙ローラ(第2の排出手段、回転部材)
81 拍車
P 用紙(記録媒体、シート・シート状記録媒体)
X 副走査方向(シート搬送方向)
Y シート幅方向(主走査方向)
Claims (10)
- シートをシート搬送方向に間欠的に搬送する搬送手段と、
インクを吐出する記録ヘッドを搭載し、前記シート搬送方向と直交する主走査方向に走査・移動するキャリッジと、
前記記録ヘッドにおける前記シート搬送方向の印字領域よりも前記シート搬送方向の下流側に配置され、画像形成されたシートの搬送方向を変える構成を備えた湾曲搬送経路と、
前記湾曲搬送経路よりも前記シート搬送方向の下流側に配置され、画像形成されたシートを排出する拍車を含む第1の排出手段と、
第1の排出手段よりも前記シート搬送方向の下流側に配置され、画像形成されたシートを挟持搬送する挟持部を形成して第1の排出手段と同一方向にシートを排出する拍車を含む第2の排出手段と、
を有する画像形成装置であって、
シートへの印字のための最終走査時に、該シートの先端が第2の排出手段の前記挟持部に挟持されないように、前記画像形成装置で使用可能な前記シート搬送方向における最長のシート長さよりも長く、前記印字領域における前記シート搬送方向の下流端から前記挟持部までのシート搬送パス長を設定し、かつ、第1の排出手段と第2の排出手段との間の搬送経路を略ストレート状の搬送経路にしたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記湾曲搬送経路は、片面に画像形成されたシートの表裏を反転させる反転部に接続していることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 第2の排出手段のシート搬送力は、第1の排出手段のそれよりも大きくしたことを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
- 第1の排出手段および第2の排出手段は、それぞれ、複数に分割されたローラ状の回転部材を備え、
第2の排出手段の前記回転部材の数は、第1の排出手段のそれよりも多くしたことを特徴とする請求項1ないし3の何れか一つに記載の画像形成装置。 - 第2の排出手段のシートに対する摩擦係数は、第1の排出手段のそれよりも大きくしたことを特徴とする請求項1ないし3の何れか一つに記載の画像形成装置。
- 第1および第2の排出手段は、それぞれ、複数に分割されたローラ状の回転部材とこれに対向して圧接回転する前記拍車との組み合わせからなり、
第2の排出手段の前記拍車の数は、第1の排出手段のそれよりも多くしたことを特徴とする請求項1ないし3の何れか一つに記載の画像形成装置。 - 第1および第2の排出手段は、それぞれ、複数に分割されたローラ状の回転部材を備えており、
第1の排出手段の前記回転部材は、その外周表面の研磨方向が前記シート搬送方向と異なり、
第2の排出手段の前記回転部材は、その外周表面の研磨方向が前記シート搬送方向と同じであることを特徴とする請求項1ないし3の何れか一つに記載の画像形成装置。 - 第1および第2の排出手段は、それぞれ、シート搬送方向と直交するシート幅方向に配置された複数個のローラ状の回転部材を備えており、
第1および第2の排出手段の前記各回転部材は、前記シート幅方向に互い違いに配置されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。 - 第2の排出手段のシート送り速度は、第1の排出手段のそれよりも速いことを特徴とする請求項1または8記載の画像形成装置。
- 第1の排出手段は、画像形成されたシートを第2の排出手段に向けて案内しつつ搬送するとともに、第2の排出手段のシート搬送力を補助することを特徴とする請求項1ないし9の何れか一つに記載の画像形成装置。
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