JP5690058B2 - 金ナノロッド構造体とその製造方法 - Google Patents
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Description
〔1〕保持物質が以下の反応生成物を介して金ナノロッドに結合した構造であって、
保持物質がローダミンB、フルオレセイン、Cy3、Cy5、Alexa Fluor 488、およびAlexa Fluor750からなる群から選択される色素、あるいは、ドキソルビシンおよびパクリタキセルからなる群から選択される薬剤であり、
金ナノロッド表面にポリエチレングリコールが結合しており、該ポリエチレングリコールの上にシリカ層が形成されており、該シリカ層にポリエチレンイミン層が積層されており、該ポリエチレンイミン層にマレイミドが結合しており、
一方、保持物質にフランが結合しており、該フランが上記マレイミドとの反応生成物である7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸イミドによって結合していることを特徴とする金ナノロッド構造体。
〔2〕表面に界面活性剤が吸着した金ナノロッドの分散液にポリエチレングリコールを添加して金ナノロッド表面の界面活性剤をポリエチレングリコールに置換し、このポリエチレングリコールが結合した金ナノロッドの分散液に珪酸化合物の溶解液を添加して、ポリエチレングリコールを包むシリカ層を形成し、このシリカ層を有する金ナノロッドの分散液にポリエチレンイミン溶解液を添加して上記シリカ層の表面にポリエチレンイミン層を形成し、該ポリエチレンイミン層を有する金ナノロッドの分散液にマレイミド溶解液を添加して該マレイミドがポリエチレンイミン層の表面に結合した金ナノロッドを調製し、
一方、ローダミンB、フルオレセイン、Cy3、Cy5、Alexa Fluor 488、およびAlexa Fluor750からなる群から選択される色素、あるいは、ドキソルビシンおよびパクリタキセルからなる群から選択される薬剤である保持物質の溶解液に、フラン溶解液を添加して該保持物質にフランを結合させ、
マレイミドが表面に結合した上記金ナノロッドの分散液と、フランが結合した上記保持物質の分散液を混合し、上記マレイミドと上記フランとの反応生成物である7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸イミドを形成することによって保持物質が金ナノロッドに結合した金ナノロッド構造体を製造する方法。
〔3〕保持物質がマレイミドを含むポリエチレングリコール(PEG)であり、チオール基を有するフランが上記マレイミドとの反応生成物である7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸イミドによって上記PEGと結合しており、さらに該反応生成物がそのチオール基によって金ナノロッド表面に結合していることを特徴とする金ナノロッド構造体。
〔4〕マレイミドを含むポリエチレングリコール(PEG)とチオール基を有するフランを反応させて、反応生成物である7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸イミドによってPEGとフランを結合させ、このフランが結合したPEGと、金ナノロッド の分散液とを混合し、該反応生成物のチオール基を金ナノロッド表面に結合させてPEGが反応生成物を介して金ナノロッドに結合した金ナノロッド構造体を製造する方法。
〔15〕上記[6]または上記[7]に記載するロッド状金微粒子構造体を用い、近傍の金微粒子によって発光がクエンチされている色素を金微粒子から脱離させることによって蛍光を発生させる蛍光発光方法。
〔16〕上記[10]に記載するロッド状金微粒子構造体を用い、ポリエチレングリコールを金微粒子から脱離させることによって、金微粒子の分散安定性を失わせて金微粒子を凝集させる金微粒子の集積方法。
〔17〕上記[16]に記載する金微粒子の集積によって生じる局在表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルの変化で金微粒子の存在する部位を検出する方法。
〔18〕上記[15]に記載する蛍光発光検出、または上記[17]に記載する吸収スペクトル検出を情報とするバイオイメージング。
〔19〕上記[8]に記載するロッド状金微粒子構造体を用い、700〜2000nmの近赤外線を照射し、薬剤を金微粒子から脱離させることによって、特定の部位に薬剤を放出するドラッグデリバリーシステム(DDS)。
(イ)保持物質の色素や薬剤がフランに修飾されており、このフランとリンカーの一部であるマレイミドとのDiels-Alder反応によって7-oxa-bicyclo[2.2.1]hept-5-ene-2,3-dicarboxylic imideを形成し、これを結合部位として保持物質と金ナノロッドが結合されている態様。
(ロ)保持物質のPEGにマレイミドが導入されており、リンカーがチオール基を含む該フランであり、このフランとPEGのマレイミドとのDiels-Alder反応によって7-oxa-bicyclo[2.2.1]hept-5-ene-2,3-dicarboxylic imideを形成し、これを結合部位としてPEGがリンカーに結合し、該リンカーのチオール基で金ナノロッド結合されている態様。
本発明の金微粒子構造体にはロッド状の金微粒子(金ナノロッド)が用いられる。この金ナノロッドは、長軸長さ5〜100nm、短軸長さ3〜30nmであって、アスペクト比2〜12であり、LSPRの最大吸収波長が700〜20000nmの範囲にある。さらに、この金ナノロッドは、長軸長さ20〜80nm、短軸長さ4〜10nmの粒子径であるものが分散安定性の面からより好ましい。長軸長さが100nmより長いと、金ナノロッドが自重で沈降しやすくなる傾向があるため、分散媒中での分散安定性が失われる。また、金ナノロッドのアスペクト比は、生体内に投与した場合でも、光照射や検出が可能な近赤外域にLSPRの最大吸収波長を有するものが好ましく、従って上記アスペクト比の範囲が適当である。
CH3(CH2)nN+(CH3)3Br- (nは1〜15の整数) …[I]
本発明の金微粒子構造体において、金ナノロッドに吸着しているリンカーは、例えば、片末端がチオール基であるPEGを含有するシリカ層/ポリエチレンイミン層/マレイミドによって構成される。片末端がチオール基であるPEGと金ナノロッドは、チオール基で結合している。PEGはシリカ層に含有されており、シリカ層とポリエチレンイミン層は静電相互作用で吸着している。このポリエチレンイミン層とマレイミドはアミド結合しており、このマレイミドは保持物質に修飾しているフランと結合している
いる。
保持物質が色素や薬剤の場合、あらかじめ色素や薬剤をフランに結合しておき、このフランとリンカーのマレイミドとのDiels-Alder反応によって、色素や薬剤をリンカーに結合し、このリンカーを介して金ナノロッドに結合することができる。
保持物質がPEGの場合、あらかじめPEGにマレイミドを導入しておき、リンカーとしてチオール基を含むフランを用い、PEGのマレイミドとリンカーのフランとのDiels-Alder反応によって、PEGをリンカーに結合し、このリンカーのチオール基によって金ナノロッドに結合することができる。PEGとしては生体中で金ナノロッドが安定に分散できるようなものを選択すればよく、特に重量平均分子量1000以上のPEGを使用した場合、生体内において金ナノロッドの高い分散安定性が得られる。
次式[I]で示される4級アンモニウム塩(界面活性剤:CTABなど)が吸着した金ナノロッド表面にPEGを修飾し、これに珪酸化合物(TEOSなど)を反応させて金ナノロッド表面にPEG含有シリカ層を形成し、このシリカ層にポリエチレンイミン層を静電相互作用によって積層し、このポリエチレンイミンのアミノ基とマレイミドをアミド結合させることによって、PEG含有シリカ層/ポリエチレンイミン層/マレイミドからなるリンカーによって被覆された金ナノロッド(B)を調製する。一方、フランに色素を結合した保持物質(A)を調製する。この保持物質(A)と金ナノロッド(B)とを混合し、上記フランと上記マレイミドとのDiels-Alder反応によって、7-oxa-bicyclo[2.2.1]hept-5-ene-2,3-dicarboxylic imideを形成することにより、色素が金ナノロッド表面に結合されたロッド状金微粒子構造体を製造することができる。
CH3(CH2)nN+(CH3)3Br- (nは1〜15の整数) …[I]
マレイミドを導入した保持物質のPEGとして、例えば、重量平均分子量1000以上のマレイミド(α-[3-(3マレイミド-1-オキソプロピル)アミノ]プロピル-ω-メトキシポリエチレングリコール)を用い、一方、チオール基を有するフランをリンカーとして用い、PEGのマレイミドとフランとをDiels-Alder反応させて、7-oxa-bicyclo[2.2.1]hept-5-ene-2,3-dicarboxylic imideを形成し(PEG-DA-SH)、PEGにフランを結合し、このフランのチオール基によって、次式[I]で示される界面活性剤が吸着した金ナノロッド表面に結合させることによって、保持物質のPEGが結合した金ナノロッド(PEG-DA-NRs)を得ることができる。
CH3(CH2)nN+(CH3)3Br- (nは1〜15の整数) …[I]
フランは金微粒子と吸着するためのチオール基を有するものであればよい。また、マレイミドは、重量平均分子量1000以上のPEGが導入されたものであればよく、PEGの片方の末端がメトキシ基であり、もう一方の末端がマレイミド基である。PEGの重量平均分子量が1000より小さいと生体内での金ナノロッドの分散安定性が悪くなり、一方、重合平均分子量が20000より大きいと分散安定性に変化はなく、コスト的に不利である。
本発明に使用する金ナノロッドは、700〜2000nmにLSPRの吸収ピークを有しており、金ナノロッドにLSPR吸収ピークの光を照射すると、光熱変換で熱が発生し、発生した熱によって、金ナノロッドと保持物質の結合部位を形成している7-oxa-bicyclo[2.2.1]hept-5-ene-2,3-dicarboxylic imideが逆Diels-Alder反応を起こすため、金ナノロッドから保持物質が脱離する。
本発明の金微粒子構造体は、金ナノロッドが、照射された近赤外光を熱に変換し、この熱によってリンカーと保持物質の結合部位(7-oxa-bicyclo[2.2.1]hept-5-ene-2,3-dicarboxylic imide)が逆Diels-Alder反応を起こして分離し、保持物質と金ナノロッドが脱離することを利用して、光照射による検出方法、バイオイメージング、ドラッグデリバリーシステムなどを構築することができる。近赤外光としては、近赤外線を発する近赤外線レーザー(CW、半導体レーザー)などを利用すればよい。また、保持物質を脱離するための逆Diels-Alder反応が起こる熱が加えられればよく、金ナノロッドの光熱変換機能による熱発生に限らず、本発明の金微粒子構造体が分散している系を加熱する方法でもよい。
以下の手順で、保持物質を結合した金微粒子を得た。製造工程の概念図を図1に示す。
CTABで表面修飾された金ナノロッドの水分散液を次の手順で準備した。
400mMのCTAB水溶液中で合成された金ナノロッド水分散液を遠沈管に入れ、14000(×g)の相対遠心加速度(遠心加速度を地球の重力加速度で除したもの)で10分間遠心分離して金ナノロッドを遠沈管の底に沈降させた。上澄み液を別の遠沈管に入れ、沈降した金ナノロッドを水で再分散させた。別の遠沈管に入れた上澄み液は、再び14000(×g)で10分間遠心分離して金ナノロッドを沈降させ、この上澄み液を除去することによって余剰のCTABを除去した。沈降した金ナノロッドを水で再分散させ、前の再分散液と合わせて、金ナノロッド水分散液(CTAB-NRs、金含有量:1.6mM)を得た。吸光度から金ナノロッド水分散液中の金原子濃度を求めた。
保持物質として色素ローダミンBを準備した。Diels-Alder反応に関わるジエンとしてフランを準備した。ローダミンBに存在するカルボキシル基とフルフリルアミンに存在するアミノ基との縮合反応を行い、色素をフランに結合した(Fu-RoB、図2)。具体的には、50mlナスフラスコに、0.5mmolのローダミンB、0.6mmolのN−ヒドロキシスクシンイミド(N-hydroxysuccinimide;NHS)、0.6mmolの1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)を入れ、10mlのN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解した。この溶液にトリエチルアミン14μlを氷冷下条件で添加し、0.5mmolのフルフリルアミンを5mlのDMFで溶解した溶液を同様に氷冷下で滴下した。滴下終了から1時間後、室温にて23時間攪拌反応させた(図2)。
(イ)CTAB-NRs水分散液とm-PEG-SH(重量平均分子量20000)をモル比でNRs(金原子):m-PEG-SH=1:1になるように添加し、24時間攪拌して、m-PEG-SHが片末端のチオール基でNRs表面に結合した微粒子(PEG-NRs)の水分散液を得た。この水分散液を、MWCO=10000の透析膜にて透析して、過剰のCTABを取り除いた。透析後の水分散液を14000(×g)の相対遠心加速度で10分間遠心分離してNRsに結合していない余剰のm-PEG-SHを除去し、遠沈管の底に沈降させたNRsを水で再分散後、10mM(金原子)PEG-NRs水分散液を調整した。
(ロ)このPEG-NRs水分散液に、エタノール、1%TEOS、5%アンモニアを添加し、24時間攪拌してシリカ層を形成し、m-PEG-SHの吸着したNRsがシリカで埋包された微粒子(Si-NRs)のエタノール分散液を得た。調製したSi-NRsエタノール分散液を5000(×g)の相対遠心加速度で10分間遠心分離してSi-NRsを遠沈管の底に沈降させ、90%エタノールで再分散させてSi-NRsエタノール分散液を調製した。
(ハ)このSi-NRsエタノール分散液に、PEIを溶解した90%エタノールを添加し、モル比でNRs(金原子):PEI=10:1になるように調整して24時間攪拌し、Si-NRs表面にPEIが静電相互作用により吸着した粒子(PEI-NRs)エタノール分散液を得た。
調製したPEI-NRsエタノール分散液を5000(×g)の相対遠心加速度で10分間遠心し、PEI-NRsを遠沈管の底に沈降させた後、上澄みを除去し、0.2Mリン酸バッファー(pH8.0)に再分散した。
(ニ)再分散したPEI-NRsエタノール分散液にクロスリンカー(Linker、succinimidyl-[(N-maleimidopropionamido)-dodecaethyleneglycol]ester:NHS-PEO12-mal)を加え、モル比でNRs(金原子):クロスリンカー=1:6になるように調整して90分攪拌し、その後、5000(×g)の相対遠心加速度で10分間遠心分離して上澄みを除去し、DMFで再分散させて、マレイミド部位を有するクロスリンカーが修飾されたNRs(Ma-NRs)のDMF分散液を得た。
上記Ma-NRsのDMF分散液と、図2の縮合体(Fu-RoB)のDMF分散液を混合し、NRs(金原子):Fu-RoB=1:9になるように調整し、60℃で24時間攪拌し、Diels-Alder反応によって、7-oxa-bicyclo[2.2.1]hept-5-ene-2,3-dicarboxylic imideを形成し、金ナノロッドにローダミンBを結合させた(RoB-NRs、図1)。調製したRoB-NRsのDMF分散液を5000(×g)の相対遠心加速度で10分間遠心分離し、RoB-NRsを遠沈管底に沈降させた後、上澄みを除去し、未反応のローダミンBを取り除くために、MWCO=10000の透析膜で透析した。透析後、5000(×g)の相対遠心加速度で10分間遠心し、上澄みを除去した後、水で再分散させて金濃度0.5mMに調整し、ローダミンBが7-oxa-bicyclo[2.2.1]hept-5-ene-2,3-dicarboxylic imideを介して金ナノロッドに結合した微粒子(DA-NRs)の水分散液を得た。このDA-NRの分光特性を図3に示す。
上記Da-NRの水分散液100μlをガラス製チューブに入れ、近赤外線レーザー(CW、半導体レーザー、807nm)を500mWで1分間、5分間、10分間、20分間、30分間照射した。この結果、逆Diels-Alder反応によって、色素ローダミンBが金ナノロッドより放出され、クエンチされていたローダミンBの蛍光スペクトルが580nm付近に観察された。この蛍光スペクトルを図4に示す。
上記DA-NRの水分散液100μlをガラス製チューブに入れ、90℃で3時間加熱した。この結果、逆Diels-Alder反応によって、ローダミンBが金ナノロッドより放出され、クエンチされていたローダミンBの蛍光スペクトルが580nm付近に観察された。この蛍光スペクトルを図4に示す。
以下の手順で、保持物質を結合した金微粒子を得た。製造工程の概念図を図5に示す。
保持物質としてα−[3-(3-マレイミド-1-オキソプロピル)アミノ]プロピル-ω-メトキシポリエチレングリコールを準備した。Diels-Alder反応に関わるジエンとしてフランを準備した。10ml遠沈管に0.01mmolのα−[3-(3マレイミド-1-オキソプロピル)アミノ]プロピル-ω-メトキシポリエチレングリコール(重量平均分子量5000)、0.2mmolのフルフリルジスルフィドを入れ、5mlのDMFに溶解した。この溶液を60℃、72時間攪拌反応させた。反応後、室温に戻し、1mmolのジチオスレイトール(DTT)を添加し、24時間攪拌反応させ、スルフィド部位を開裂してチオール基とした。反応後、DMFをローターリーエバポレーターで留去し、MWCO=3500の透析膜にて、未反応のフランと残留DTTを取り除き、凍結乾燥にて目的物(PEG-DA-SH)を得た(図6)。
CTABを除去していないNRs水分散液と、上記PEG-DA-SH(重量平均分子量5000)をモル比で、NRs(金原子):PEG-DA-SH=1:0.2になるように添加し、24時間攪拌して、PEG-DA-SHが片末端のチオール基でNRs表面に結合した微粒子(PEG-DA-NRs)水分散液を得た(図5)。この水分散液を、MWCO=10000の透析膜にて透析して、過剰のCTABを取り除いた。透析後の水分散液を14000(×g)の相対遠心加速度で10分間遠心分離してNRsに結合していない余剰のPEG-DA-SHを除去し、遠沈管の底に沈降させたNRsを水で再分散させ、金濃度0.5mMに調整し、PEGが7-oxa-bicyclo[2.2.1]hept-5-ene-2,3-dicarboxylic imideを介してNRsに結合した金微粒子(PEG-DA-NRs)の水分散液を得た。このPEG-DA-NRsの分光特性を図7に示す。
上記PEG-DA-NRsの水分散液100μlをガラス製チューブに入れ、近赤外線レーザー(CW、半導体レーザー、807nm)を500mWで10分間照射した。この結果、逆Diels-Alder反応によってPEGがNRsより放出された。このPEGについてバリウムーヨウ素法によって濁度として535nmの吸収波長を分光時計にて測定した。この結果を表1に示す。
上記PEG-DA-NRsの水分散液100μlをガラス製チューブに入れ、90℃で2時間加熱した。この結果、逆Diels-Alder反応によってPEGがNRsより放出された。このPEGについてバリウムーヨウ素法によって濁度として535nmの吸収波長を分光時計にて測定した。この結果を表1に示す。
Claims (4)
- 保持物質が以下の反応生成物を介して金ナノロッドに結合した構造であって、
保持物質がローダミンB、フルオレセイン、Cy3、Cy5、Alexa Fluor 488、およびAlexa Fluor750からなる群から選択される色素、あるいは、ドキソルビシンおよびパクリタキセルからなる群から選択される薬剤であり、
金ナノロッド表面にポリエチレングリコールが結合しており、該ポリエチレングリコールの上にシリカ層が形成されており、該シリカ層にポリエチレンイミン層が積層されており、該ポリエチレンイミン層にマレイミドが結合しており、
一方、保持物質にフランが結合しており、該フランが上記マレイミドとの反応生成物である7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸イミドによって結合していることを特徴とする金ナノロッド構造体。
- 表面に界面活性剤が吸着した金ナノロッドの分散液にポリエチレングリコールを添加して金ナノロッド表面の界面活性剤をポリエチレングリコールに置換し、このポリエチレングリコールが結合した金ナノロッドの分散液に珪酸化合物の溶解液を添加して、ポリエチレングリコールを包むシリカ層を形成し、このシリカ層を有する金ナノロッドの分散液にポリエチレンイミン溶解液を添加して上記シリカ層の表面にポリエチレンイミン層を形成し、該ポリエチレンイミン層を有する金ナノロッドの分散液にマレイミド溶解液を添加して該マレイミドがポリエチレンイミン層の表面に結合した金ナノロッドを調製し、
一方、ローダミンB、フルオレセイン、Cy3、Cy5、Alexa Fluor 488、およびAlexa Fluor750からなる群から選択される色素、あるいは、ドキソルビシンおよびパクリタキセルからなる群から選択される薬剤である保持物質の溶解液に、フラン溶解液を添加して該保持物質にフランを結合させ、
マレイミドが表面に結合した上記金ナノロッドの分散液と、フランが結合した上記保持物質の分散液を混合し、上記マレイミドと上記フランとの反応生成物である7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸イミドを形成することによって保持物質が金ナノロッドに結合した金ナノロッド構造体を製造する方法。
- 保持物質がマレイミドを含むポリエチレングリコール(PEG)であり、チオール基を有するフランが上記マレイミドとの反応生成物である7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸イミドによって上記PEGと結合しており、さらに
該反応生成物
がそのチオール基によって金ナノロッド表面に結合していることを特徴とする金ナノロッド構造体。
- マレイミドを含むポリエチレングリコール(PEG)とチオール基を有するフランを反応させて、反応生成物である7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸イミドによってPEGとフランを結合させ、
このフランが結合したPEGと、金ナノロッド の分散液とを混合し、該反応生成物のチオール基を金ナノロッド表面に結合させてPEGが反応生成物を介して金ナノロッドに結合した金ナノロッド構造体を製造する方法。
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