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JP5673116B2 - クリーム状洗浄剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ボディソープ、ハンドソープおよび洗顔フォームなどの皮膚用のクリーム状洗浄剤組成物に関する。詳しくは、幅広い温度範囲で適度な硬さを有することで使用性に優れ、起泡性に優れ、クリーミーな泡質を有する組成物であり、洗い上がりの感触が良好であり、かつ洗浄後の肌にハリとうるおいを与えることができ、さらには経時安定性に優れるクリーム状洗浄剤組成物に関する。
一般に、身体用洗浄料や洗顔料などの皮膚洗浄剤組成物の主成分は、高級脂肪酸アルカリ塩である石けんである。石けんは、洗浄後に独特のさっぱり感を与えるだけでなく、生分解性も良好であり、環境に対しても負荷のかかりにくい洗浄基剤であることから、現在でも広く使われている。
特に、顔に使用する洗浄剤(洗顔料)では、洗浄後のぬるつきの無い、さっぱりとした使用感が好まれる。また、手にとった際の取り扱い易さや泡立て易さに優れ、さらには高級感のある外観を有することから、洗顔料は、石けん系の処方とすることが好適である。このように、使用性、感触等の面から、クリーム状とした洗顔料が好まれ、一般的に使用されている。
上述の石けん系のクリーム状洗顔料においては、遊離の脂肪酸を含有させ過脂肪とすることが一般的である。これは、洗顔料等に使用した際に、皮膚を脱脂し過ぎず、温和な洗浄性と滑らかな使用感触を与えるためであるが、安定性に悪影響を及ぼすことが知られている。例えば、常温では適度な硬さであっても、高温では著しく柔らかくなる、あるいは低温で使用が困難なほど硬くなる等、温度によって硬さに大きな違いが生じることにより、使用性や速泡性が低下するという問題を生じ易い。さらに、経時で粘度低下を起こしたり、非常に硬くなったり、酸性石けんの結晶が析出するという問題を生じる場合もある。
これまで、石けんに、炭素数の異なる2種の多価アルコールを含有させることにより、高温での保形性、経時安定性を改善したクリーム状洗浄剤組成物(特許文献1)、石けんおよび水溶性多価アルコールに、ソルビタン脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤およびアルキルアミノジカルボン酸塩型両性界面活性剤を配合することにより、経時安定性を改善したクリーム状洗浄剤組成物(特許文献2)、脂肪酸石けんに、ポリグリセリンの脂肪酸エステルおよびジグリセリンを配合し、経時安定性を改善したクリーム状洗顔料(特許文献3)等が提案されている。
しかし、いずれのクリーム状洗浄剤組成物も、長期間しかも幅広い温度範囲で安定に保つことが難しく、高温化では著しく柔らかくなり、低温下では使用が困難なほど硬くなるという使用上の問題を生じ、起泡性、クリーミー性、洗浄後の肌のハリ感やうるおいが充分でなく、洗い上がりの感触が悪化する場合があった。
特開2002−154946号公報 特許第4432345号公報 特開2006−28229号公報
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、幅広い温度範囲で適度な硬さを有することで使用性に優れ、起泡性に優れ、クリーミーな泡質を有する組成物であり、洗い上がりの感触が良好であり、かつ洗浄後の肌にハリとうるおいを与えることができ、さらには経時安定性に優れるクリーム状洗浄剤組成物を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明者らは鋭意検討した結果、下記に示す特定の4成分を組み合わせることによって、幅広い温度範囲で適度な硬さを有することで使用性に優れ、起泡性に優れ、クリーミーな泡質を有する組成物であり、洗い上がりの感触が良好であり、かつ洗浄後の肌にハリとうるおいを与えることができ、さらには経時安定性に優れるクリーム状洗浄剤組成物が得られることを見出した。
すなわち、本発明のクリーム状洗浄剤組成物は、
a)炭素数12〜18の脂肪酸塩を38〜50質量%、
b)ヒドロキシプロピルデンプンリン酸を0.5〜5質量%、
c)炭素数4〜6の多価アルコールを3〜15質量%、
d)グリセリンを7〜20質量%
含有し、c)成分の含有量(質量%)とd)成分の含有量(質量%)の比が、c/d<1であることを特徴とするものである。
本発明のクリーム状洗浄剤組成物は、幅広い温度範囲で適度な硬さを有することで使用性に優れ、起泡性に優れ、クリーミーな泡質を有する組成物であり、洗い上がりの感触が良好であり、かつ洗浄後の肌にハリとうるおいを与えることができ、さらには経時安定性に優れるという効果を奏する。
以下、本発明の実施形態を説明する。本発明のクリーム状洗浄剤組成物は、a)〜d)の各成分を少なくとも含有する。
〔a)成分:炭素数12〜18の脂肪酸塩〕
本発明で用いられるa)成分は炭素数12〜18の脂肪酸塩であり、より詳細には炭素数12〜18の直鎖又は分岐の脂肪酸のカリウム又はナトリウム塩であり、一般に石けんと称される。該脂肪酸塩は、予め脂肪酸塩としてもよく、また系中で炭素数12〜18の直鎖又は分岐の脂肪酸に相当量のアルカリ剤を配合したものでもよい。
また、クリーム状の洗顔料においては、遊離脂肪酸を含有する系(過脂肪)とすることが一般的である。本発明においては、該脂肪酸塩を調製した後に該脂肪酸を添加してもよいし、該脂肪酸とアルカリ剤とを反応させる時に、アルカリ剤の添加量を少なくして未反応の遊離脂肪酸を残存させてもよい。この際、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ剤の含有量は、脂肪酸に対して0.7〜0.9当量であることが好ましく、更に好ましくは0.75〜0.85当量である。0.7当量未満の場合は、起泡性が悪くなるとともに、経時安定性が悪くなることがあり、0.9当量を超える場合は、使用性が悪くなるとともに、肌にハリやうるおいを与える効果が悪くなることがある。
該脂肪酸は、単一物であっても混合物であってもよく、具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノレン酸、リノール酸、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、牛脂脂肪酸、それらの混合物が挙げられる。
該脂肪酸塩は、その組成として、ラウリン酸塩を好ましくは0.5〜7質量%、更に好ましくは2〜5質量%、ミリスチン酸塩を好ましくは10〜30質量%、更に好ましくは15〜25質量%、パルミチン酸塩を好ましくは1〜10質量%、更に好ましくは3〜8質量%、ステアリン酸塩を好ましくは3〜15質量%、更に好ましくは6〜12質量%を含有する。ラウリン酸塩が0.5質量%未満の場合は、起泡性が悪くなることがあり、7質量%を超える場合は、使用後のハリ感やうるおいが得られず、さらにはクリーミー性が悪くなることがある。ミリスチン酸塩が10質量%未満の場合は、起泡性が悪くなることがあり、30質量%を超える場合は、使用性及び安定性が悪くなることがある。パルミチン酸塩が1質量%未満の場合は、クリーミー性および安定性が悪くなることがあり、10質量%を超える場合は、洗い上がりの肌の感触が悪くなることがある。ステアリン酸塩が3質量%未満の場合は、安定性が悪くなることがあり、15質量%を超える場合は、起泡性が低下したり、低温で硬くなり使用性が悪化しやすくなる。
〔b)成分:ヒドロキシプロピルデンプンリン酸〕
本発明に用いるb)成分はヒドロキシプロピルデンプンリン酸であり、通常、ヒドロキシプロピル変性澱粉と澱粉、又はヒドロキシプロピル変性澱粉同士を、リン酸架橋して得られるものである。
ヒドロキシプロピル変性澱粉とは、プロピル基を介して、水酸基が澱粉骨格に結合した澱粉であって、澱粉の親水性−親油性の好適なバランスが得られるものである。プロピル基中の水酸基の位置としては、いずれの位置をもとることができる。ヒドロキシプロピル化による置換の度合いは、0.08〜0.3であることが好ましい。置換の度合いとは、アンヒドログルコース一単位当たりの、澱粉分子の水酸基の平均数である。なお、プロピル基一つ当たりに複数の水酸基を有してもよい。
上述のヒドロキシプロピルデンプンリン酸を得るために使用される澱粉は、いずれの植物性の澱粉であってもよい。そのような澱粉として、とうもろこし、馬鈴薯、小麦、米、タピオカ、甘藷及びサゴ等を例示することができる。これらの澱粉は、それに含まれるアミロペクチン含有量が85質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
上述のb)ヒドロキシプロピルデンプンリン酸は、糊化されていることが好ましく、完全に糊化されていることが好ましい。糊化は、出発の澱粉が予め糊化されてもよいし、架橋物が糊化されてもよく、結果として使用されるb)ヒドロキシプロピルデンプンリン酸が糊化されていることが好ましい。
なお、b)ヒドロキシプロピルデンプンリン酸は、天然澱粉、修飾澱粉等の他の澱粉と共に使用することもできる。
b)ヒドロキシプロピルデンプンリン酸は、市販のものでは、例えばSTRUCTURE (登録商標)XL(National Starch社製) を用いることができる。
〔c)成分:炭素数4〜6の多価アルコール〕
本発明に用いるc)成分は炭素数4〜6の多価アルコールであり、例えば1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジグリセリン、ペンチレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、ヘキシレングリコール等が挙げられ、低温において適度な硬さを維持する点で1,3−ブチレングリコールとジプロピレングリコールが好ましく、ジプロピレングリコールが更に好ましい。多価アルコールの炭素数が3以下の場合は高温での安定性が不充分であり、7以上の場合は起泡性とクリーミー性が低下する。
〔d)成分:グリセリン〕
本発明で用いられるd)成分はグリセリンであり、精製されたグリセリン又は油脂およびグリセリン誘導体に由来する未精製のグリセリンのいずれを用いてもよい。グリセリンを添加することにより、高温での安定性を保つと共に、クリーミー性を増し、さらには使用後の肌にハリやうるおいを付与できる。
〔各成分の含有率〕
本発明のクリーム状洗浄剤組成物には、a)炭素数12〜18の脂肪酸塩が38〜50質量%、好ましくは38〜47質量%、更に好ましくは38〜45質量%含有される。38質量%未満では高温での安定性と、クリーミー性が不充分であり、50質量%を超えると適度な硬さを維持することが困難となり、さらには洗い上がりの感触が悪化する。
b)ヒドロキシプロピルデンプンリン酸の含有量は、0.5〜5質量%であり、好ましくは0.5〜3質量%、更に好ましくは0.8〜2質量%である。0.5質量%未満では、高温での安定性が不充分となり、さらにはクリーミー性が低下し、洗い上がりの感触、洗浄後の肌のハリ感やうるおいも悪化する。5質量%を超えると、硬くなりすぎて、使用性が悪化するほか、起泡性も低下する。
また、c)炭素数4〜6の多価アルコールの含有量は、3〜15質量%であり、5〜13質量%が好ましく、更に好ましくは7〜11質量%である。3質量%未満では、安定性が悪化し、さらには適度な硬さを維持することが困難となる。15質量%を超えると、起泡性が低下するほか、適度な硬さを維持することが困難となる。
d)グリセリンの含有量は、7〜20質量%であり、9〜18質量%が好ましく、更に好ましくは11〜16質量%である。7質量%未満では、クリーミー性と安定性が低下し、さらには適度な硬さを維持することが困難となる。20質量%を超えると、起泡性が低下するほか、適度な硬さを維持することが困難となる。
また、本発明のクリーム状洗浄剤組成物では、c)成分である炭素数4〜6の多価アルコールの含有量(質量%)と、d)成分であるグリセリンの含有量(質量%)との比が、c/d<1であることが必要である。c/d≧1である場合には、良好な経時安定性を確保できず、さらには幅広い温度範囲で適度な硬さを保つことができない。
本発明のクリーム状洗浄剤組成物では、起泡性と洗い上がりの感触をさらに向上させる目的で、上記a)〜d)成分に加えて、下記式(1)〜(4)で表される界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上を0.6〜6質量%含有することが好ましく、2〜4質量%含有することが更に好ましい。
Figure 0005673116
(式中、R1は炭素数7〜19のアルキル基、又はアルケニル基、R2は水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基、mは1〜3の整数、M1は水素、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを示す。)
Figure 0005673116
(式中、R3は、炭素数7〜19のアルキル基、又はアルケニル基、R4は水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基、M2は水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを示す。)
Figure 0005673116
(式中、R5は炭素数7〜19のアルキル基、又はアルケニル基を示す。)
Figure 0005673116
(式中、R6は炭素数8〜20のアルキル基またはアルケニル基であり、M3およびM4はそれぞれ水素またはアルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムであり、pおよびqはそれぞれ1〜3の整数である。)
なお、上記式(1)、(2)及び(4)におけるアルカリ金属としては、ナトリウムやカリウムが挙げられる。有機アンモニウムとしては、炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基を有するアンモニウムが挙げられ、具体的には、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウムが挙げられる。上記式(2)におけるアルカリ土類金属としては、カルシウムやバリウムが挙げられる。
本発明のクリーム状洗浄剤組成物は、通常の方法に従って製造することができ、上記成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、洗浄剤に常用されている添加剤を含有させることも可能である。添加剤の具体例としては、流動パラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン、ワセリン、および固形パラフィンなどの炭化水素系油;牛脂、豚脂、および魚油などの天然油脂類;トリ2−エチルヘキサン酸グリセリルなどの合成トリグリセライド;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、オレイン酸エチル、オレイン酸オレイル、およびミリスチン酸オクチルドデシルなどのエステル油;ミツロウおよびカルナバロウなどのロウ類;直鎖および環状のジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン、およびアミノ変性ジメチルポリシロキサンなどのシリコーン誘導体;セラミド、コレステロール、蛋白誘導体、ラノリン、ラノリン誘導体、およびレシチンなどの油性基剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテルおよびポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、グリセリンモノ脂肪酸エステル、およびアルキルポリグルコシドなどの非イオン性界面活性剤;塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどの陽イオン性界面活性剤;アルキルジメチルアミンオキシドなどの半極性界面活性剤;アルギン酸、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびキサンタンガムなどの水溶性高分子;ピロリドンカルボン酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、および食塩などの有機または無機塩類;殺菌剤;抗酸化剤;紫外線吸収剤;動植物由来の天然エキス;色素;および香料などが挙げられる。
以下、実施例、参考例および比較例によって本発明を更に詳細に説明する。本発明のクリーム状洗浄剤組成物の例として、表1に示すクリーム状洗顔料(皮膚洗浄剤)を調製し、下記の方法により評価を行なった。結果を表1に示す。なお、表中の含有量は質量%を示す。
(1)起泡性
組成物濃度5質量%の水溶液を調製してロスマイルス法により、25℃で投入直後と5分後の泡の高さ(mm)を測定した。投入直後の泡の高さが200mm以上のもので、かつ次の式より求められる泡の持続率が90%以上のものを泡立ちの良い洗顔料と評価した。
泡の持続率(%)=[(5分後の泡の高さ)/(試料投入直後の泡の高さ)]×100
(2)使用性
それぞれ5℃、25℃、40℃に調整した恒温槽中で組成物を24時間以上静置し、これら温度調整を行った組成物3gを用いて、20名の女性(25〜43才)をパネラーとし、洗顔する際の取りやすさ、泡立てやすさについて下記のように判定した。
2点:各温度で、手に取った時の硬さが丁度良く、非常に溶けが早く泡立てやすいと感じた場合。
1点:各温度で、手に取った時の硬さが丁度良く、溶けが早く泡立てやすいと感じた場合。
0点:いずれか又は全ての温度で、生地が硬すぎ、もしくは柔らかすぎ、あるいは溶けが遅かったり手から垂れる等、使用性が悪いと感じた場合。
20名の合計点を求めて、下記の基準で評価し表1中に示した。
◎:合計点が35点以上、かつ0点の判定をしたパネラーがいない:幅広い温度範囲で、使用性に非常に優れる化粧料である。
○:合計点が30点以上35点未満、または合計点が35点以上かつ0点の判定をしたパネラーが1人または2人:幅広い温度範囲で、使用性に優れる化粧料である。
△:合計点が20点以上30点未満:使用性にやや劣る化粧料である。
×:合計点が20点未満:使用性に劣る化粧料である。
(3)クリーミー性
20名の女性(25〜43才)をパネラーとし、組成物3gを用いて洗顔した時の泡質について下記のように判定した。
2点:泡がきめ細かく、非常にクリーミーであると感じた場合。
1点:泡のきめが若干粗く、クリーミーであると感じた場合。
0点:泡のきめが粗く、クリーミーさに欠けると感じた場合。
20名の合計点を求めて、下記の基準で評価し表1中に示した。
◎:合計点が35点以上、かつ0点の判定をしたパネラーがいない:泡のクリーミー性に非常に優れる化粧料である。
○:合計点が30点以上35点未満、または合計点が35点以上かつ0点の判定をしたパネラーが1人または2人:泡のクリーミー性がある化粧料である。
△:合計点が20点以上30点未満:泡のクリーミー性にやや欠ける化粧料である。
×:合計点が20点未満:泡のクリーミー性に欠ける化粧料である。
(4)洗い上がりの感触
20名の女性(25〜43才)をパネラーとし、組成物3gを用いて洗顔した後の感触について下記のように判定した。
2点:洗顔後に肌がつっぱらず、非常にさっぱりすると感じた場合。
1点:洗顔後に肌がほとんどつっぱらず、さっぱりすると感じた場合。
0点:洗顔後の肌がつっぱるか、さっぱり感が無いと感じた場合。
20名の合計点を求めて、下記の基準で評価し表1中に示した。
◎:合計点が35点以上、かつ、0点の判定をしたパネラーがいない:洗い上がりの感触に非常に優れる化粧料である。
○:合計点が30点以上35点未満、または合計点が35点以上かつ0点の判定をしたパネラーが1人または2人:洗い上がりの感触に優れる化粧料である。
△:合計点が20点以上30点未満:洗い上がりの感触にやや劣る化粧料である。
×:合計点が20点未満:洗い上がりの感触に劣る化粧料である。
(5)洗顔後の肌のハリとうるおい
20名の女性(25〜43才)をパネラーとし、組成物3gを用いて洗顔した後の感触について下記のように判定した。
2点:洗顔後の肌に、ハリとうるおいがあると感じた場合。
1点:洗顔後の肌に、ややハリとうるおいを感じた場合。
0点:洗顔後の肌に、ハリやうるおいが無いと感じた場合。
20名の合計点を求めて、下記の基準で評価し表1中に示した。
◎:合計点が35点以上、かつ、0点の判定をしたパネラーがいない:洗顔後の肌にハリとうるおいを付与する効果に非常に優れる化粧料である。
○:合計点が30点以上35点未満、または合計点が35点以上かつ0点の判定をしたパネラーが1人または2人:洗顔後の肌にハリとうるおいを付与する効果に優れる化粧料である。
△:合計点が20点以上30点未満:洗顔後の肌にハリとうるおいを付与する効果にやや劣る化粧料である。
×:合計点が20点未満:洗顔後の肌にハリとうるおいを付与する効果に劣る化粧料である。
(6)経時安定性
組成物を透明ガラス容器に密封して5℃、25℃、40℃で1ヶ月間保存し、その外観を観察して、下に示す4段階で評価し、◎、○の場合を経時安定性が良好な組成物と評価した。
◎:安定性良好(外観の変化が無く、生地を延ばした時に粒やダマが全く無い。)
○:安定性やや良好(外観の変化が無く、生地を延ばした時に粒やダマが殆ど無い。)
△:安定性やや不良(若干分離または若干変色を生じたり、若干粒やダマが確認される。)
×:安定性不良(分離または変色が著しい。もしくは粒やダマが明確に確認される。)
Figure 0005673116
※1:日本NSC製 STRUCTURE(登録商標) XL
※2:式中、R1が炭素数11のアルキル基、R2がメチル基、mは2、M1がナトリウムである化合物
※3:式中、R3がヤシ油脂肪酸(炭素数12のラウリン酸を含有)由来のアルキル基、R4がメチル基、M2がナトリウムである化合物
※4:式中、R5が炭素数11のアルキル基である化合物
※5:式中、R6が炭素数12のアルキル基、pが1、qが1、M3がナトリウム、M4が水素である化合物
実施例1〜6ならびに参考例1および2のクリーム状洗浄剤組成物は、いずれも幅広い温度範囲で適度な硬さを有することで使用性に優れ、起泡性に優れ、クリーミーな泡質を有する組成物であり、洗い上がりの感触が良好であり、かつ洗浄後の肌にハリとうるおいを与えることができ、さらには経時安定性に優れていた。
一方、比較例1〜7のクリーム状洗浄剤組成物は、充分な性能が得られていない。すなわち、比較例1では、a)成分の含有量が本発明規定範囲の下限値より少ないため、泡のクリーミー性と経時安定性が充分なではなかった。比較例2では、a)成分が本発明規定範囲の上限値を超えて含有されるため、常温から低温で適度な硬さを保つことが出来ないことから使用性が悪く、さらには洗い上がりにかさつきや乾燥を感じるという問題があり、さらに経時安定性が充分なではなかった。比較例3では、b)成分が配合されていないことから、泡のクリーミー性と洗い上がりの感触が満足するものではなく、さらには洗顔後の肌にハリとうるおいを付与する効果がやや劣り、経時安定性も悪かった。比較例4では、b)成分が本発明規定範囲の上限値を超えて含有されていることから、投入直後の起泡性および使用性が悪く、また低温時の経時安定性が悪かった。比較例5では、c)成分が含有されず、替わりにプロピレングリコールが配合されているため、高温で適度な硬さを保つことが出来ず、使用性、経時安定性が悪かった。比較例6では、d)成分の含有量が本発明規定範囲の下限値より少なく、かつc)成分がd)成分よりも多く含有されているため、高温および低温で適度な硬さを保つことが出来ず使用性が悪く、泡のクリーミー性が満足するものではなく、経時安定性も悪かった。比較例7では、c)成分が本発明規定範囲の上限値を超えて含有され、d)成分が含有されていないため、起泡性が充分ではなく、高温で適度な硬さを保つことが出来ないため使用性が悪く、さらには経時安定性が悪かった。

Claims (1)

  1. a)炭素数12〜18の脂肪酸塩を38〜50質量%、
    b)ヒドロキシプロピルデンプンリン酸を0.5〜5質量%、
    c)炭素数4〜6の多価アルコールを3〜15質量%、
    d)グリセリンを7〜20質量%
    含有し、c)成分の含有量(質量%)とd)成分の含有量(質量%)の比が、c/d<1であるクリーム状洗浄剤組成物。
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