JP5659006B2 - パンツ型吸収性物品 - Google Patents
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Description
このようなパンツ型吸収性物品を連続生産する際には、外包材の帯状原反にレッグ開口部形成用の貫通孔や切り欠きを形成し、不要な部分をトリムとして除去するのが一般的である。
例えば、特許文献1には、そのようなパンツ型吸収性物品として、前ベルト部分及び後ろベルト部分からなる環状弾性ベルトと吸収性本体とを備えると共に、後ろベルト部分(背側シート部材)の縦方向の長さを、前ベルト部分(腹側シート部材)の縦方向の長さよりも長くしたプルオン衣類が記載されている。
また、特許文献3にも、腹側外装シートと背側外装シートとから形成された筒状の胴回り部と吸収性本体とを備え、背側外装シートが背側本体部とその下側に延出する背側延出部とを有するパンツ型紙おむつが記載されており、同公報には、腹側外装シートも、腹側本体部と腹側延出部とを有していても良いことが記載されている。
この問題を解決するべく、本発明者らが検討したところ、背側シート部材及び腹側シート部材それぞれの物品幅方向の収縮応力を、サイドシール部の下端部(股下部側の端部)付近の領域において特に高めると、おむつのずれ落ちを効果的に防止することができることが判ったが、当該領域のみに、ずれ落ちを防止できるだけの強い収縮応力を持たせた場合には、当該領域が、肌に強く当たり、ゴム跡が付いたり、肌への負担となる問題があった。
比(PA3/PA1)>比(QA3/QA1),比(PA3/PA1)>1 ・・・(1)
比(PB3/PB1)>比(QB3/QB1),比(PB3/PB1)>1 ・・・(2)
比(PA4/PA1)>比(QA4/QA1),比(PA4/PA1)>1 ・・・(3)
比(PB4/PB1)>比(QB4/QB1),比(PB4/PB1)>1 ・・・(4)
本発明の一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつ1(以下、おむつ1ともいう)は、図1及び図2に示すように、着用者の腹側に配される矩形状の腹側シート部材2Aと、着用者の背側に配される矩形状の背側シート部材2Bと、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bに架け渡して固定された吸収性本体3とを具備し、腹側シート部材2Aの両側縁部2a,2aと背側シート部材2Bの両側縁部2b,2bとが接合されて、一対のサイドシール部4,4が形成されている。
以下、腹側シート部材2Aの本体部20a及び延出部4Aを、腹側本体部20a及び腹側延出部4Aともいい、背側シート部材2Bの本体部20b及び延出部21bを、背側本体部20b及び背側延出部21bともいう。
背側対応部B4は、背側延出部21bのうち、背側本体部20bより股下部C側に位置し、背側本体部20bからの距離が、ゼロ以上で、腹側延出部4AのX方向の長さL5以下の範囲である。
これに対して、腹側延出部4AのX方向の長さL5が、背側延出部21bのX方向の長さL6と同じである場合には、背側延出部21bの全体が、背側対応部B4となる。
また、腹側シート部材2Aにおける腹側延出部4Aにも、弾性部材24が、おむつ幅方向に沿って延びるように伸長状態で配されている。これにより、腹側延出部4AもY方向の伸縮性を発現する。
腹側シート部材2Aに配された弾性部材の本数に係る数値範囲は、各領域A1〜A3の幅に基づいて変動する。各領域A1〜A3の幅が40mmよりも大きい(又は小さい)場合には、各数値範囲の最大本数は、前述した最大本数に、該領域の幅を40で除した商を乗算した値となる。例えば、仮に領域A1〜A3の幅を80mmとした場合には、各領域A1〜A3に配される弾性部材の本数は、2〜160本の範囲内であることが好ましく、より好ましくは2〜40本の範囲内であり、腹側第3領域及び腹側延出部4A(A4)については、2〜160本の範囲内が好ましく、より好ましくは2〜40本の範囲内である。
また、背側延出部21bにおける背側対応部B4及び延出部下部B5のそれぞれに、弾性部材24が、おむつ幅方向に沿って延びるように伸長状態で配されている。これにより、背側対応部B4及び延出部下部B5のそれぞれがY方向の伸縮性を発現する。
下記関係式(1)〜(4)を満たしている。
比(PA3/PA1)>比(QA3/QA1),比(PA3/PA1)>1 ・・・(1)
比(PB3/PB1)>比(QB3/QB1),比(PB3/PB1)>1 ・・・(2)
比(PA4/PA1)>比(QA4/QA1),比(PA4/PA1)>1 ・・・(3)
比(PB4/PB1)>比(QB4/QB1),比(PB4/PB1)>1 ・・・(4)
関係式(3)及び(4)は、X方向の単位長さ当たりのY方向の収縮応力については、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bの何れも、第1領域A1,B1より第4領域A4,B4が大きいが、弾性部材24の1本当たりのY方向の収縮応力についての両者の差は、そこまで大きくないことを意味する。
しかし、サイドシール部の下端部(股下部側の端部)付近は、着用者の肌にゴム跡が付き易く、肌への負担となり易い。この理由は、サイドシール部の下端部(股下部側の端部)付近が当接する部位は、着用者の体型が楕円に近い断面形状であり、他の部分と比較してゴム跡が付きやすいと推測される。
これに対して、おむつ1のように、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bの両方に、延出部4A,21bを設け、単位長さ当たりの収縮応力については、サイドシール部の下端部付近に位置する、第3領域A3,B3並びに腹側延出部A4及び背側対応部B4の収縮応力を、第1領域A1,B1より大きくする一方、弾性部材の1本当たりの収縮応力は、第3領域A3,B3並びに腹側延出部A4及び背側対応部B4の収縮応力を低減させることで、着用中におけるずれ落ち防止性に優れると共に、弾性部材の押圧跡が肌に付きにくく、肌への負担が少ないおむつ(パンツ型吸収性物品)が得られる。
また、ウエスト周りに配される第1領域A1,B1の単位長さ当たりの収縮応力を低減することで、ウエスト開口部周縁部の下方へのずれ落ちを効果的に防止でき、更に着用者のウエスト周りに、押圧跡を付けることも防止され、ウエスト周りの肌への負担も防止することができる。よって、第1領域の単位長さ当たりの収縮応力を低減し、更にサイドシール下端部周辺(第3領域、第4領域)の単位長さあたりの収縮応力を第1領域よりも適正に高めることで、ウエスト周縁部からのずれ落ちとサイドシール下端部周辺からのずれ落ちの両方を防止でき、かつ第1領域と第3領域の1本あたりの収縮応力の差を小さくすることで、第3領域、第4領域についても収縮応力の小さい第1領域とほぼ同等レベルのまで弾性部材の押圧跡を軽減することが可能である。これらの観点から、比(QA3/QA1)、比(QA4/QB1)、比(QB3/QB1)、比(QB4/QB1)は1であってもよい。
PA3=PA4、QA3=QA4 ・・・(5)
PB3=PB4、QB3=QB4 ・・・(6)
関係式(5)は、腹側シート部材2Aにおける第3領域A3と腹側延出部A4とで、X方向の単位長さ当たりの収縮応力が同じであり、また、腹側シート部材2Aにおける第3領域A3と腹側延出部A4とで、弾性部材24の1本当たりの収縮応力も同じであることを意味している。
関係式(6)は、背側シート部材2Bにおける第3領域B3と背側対応部B4とで、X方向の単位長さ当たりのY方向の収縮応力が同じであり、また、背側シート部材2Bにおける第3領域B3と背側対応部B4とで、弾性部材24の1本当たりのY方向の収縮応力も同じであることを意味している。
ここでいう、X方向の単位長さ当たりのY方向の収縮応力が同じである場合には、完全に同一の場合の他、両者のX方向の単位長さ当たりのY方向の収縮応力の差の絶対値が2.5cN以下である場合も含まれる。また、弾性部材24の1本当たりのY方向の収縮応力が同じである場合には、完全に同一の場合の他、両者の1本当たりのY方向の収縮応力の差の絶対値が2.5cN以下である場合も含まれる。
〔測定サンプル〕
おむつのサイドシール部を剥離し、図2のように伸張、展開して平面状に拡げ、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bのそれぞれについて、A1〜A4、B1〜B5の領域をそれぞれおむつ幅方向と平行な直線に沿って切断して切り出し、両部材2A,2Bの両側縁部間の全長に亘る長さの各領域の短冊ないし帯状のサンプルを得る。この切り出しの際には、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bのみならず、吸収性本体3等を含むおむつ全体を切断し、吸収体を取り除く。吸収体を取り除いてから、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bを各領域に切断しても良い。領域の境界部に弾性部材が存在する場合は、近接する弾性体以外の部分で切断する。
引張試験器(SHIMADZU社製「オートグラフ AG−X」のチャックに、サンプルの両端を挟み、300mm/minの速度の速度で、伸長させ、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bの内寸〔弾性部材により外包材のシートが収縮していない状態(換言すれば弾性部材を配さずに腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bのみを伸展させた状態)で測定した腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bのサイドシール部間の長さを100(例えば350mm)としたときの、80相当(例えば280mm)の長さまで伸長させた後に、71相当(例えば250mm)の長さまで収縮させたときの単位長さ(10mm)あたりの引張り荷重(cN)をX方向の単位長さ当たりのY方向の収縮応力Pとする。腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bの内寸を100としたときの71相当の長さにおける戻りの力を規定した理由は、本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1を着用する主たる対象者である幼児の腹回りの長さがおむつ内寸と比して71%程度となるからである。なお、ここで言う腹回りの長さは、幼児の姿勢が変化したときの腹回りの周長の変化を考慮し、立位および座位で測定した腹回りの平均値である。
引張試験器(SHIMADZU社製「オートグラフ AG−X」のチャックに、サンプルの両端を挟み、300mm/minの速度の速度で、伸長させ、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bの内寸〔弾性部材により外包材のシートが収縮していない状態(換言すれば弾性部材を配さずに腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bのみを伸展させた状態)で測定した腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bのサイドシール部間の長さを100(例えば350mm)としたときの、80相当(例えば280mm)の長さまで伸長させた後に、71相当(例えば250mm)の長さまで収縮させたときの収縮応力を測定したサンプルに固定されている弾性部材の本数で割った値を弾性部材1本当たりのY方向の収縮応力Qとする。腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bの内寸を100としたときの71相当の長さにおける戻りの力を規定した理由は、本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1を着用する主たる対象者である幼児の腹回りの長さがおむつ内寸と比して71%程度となるからである。なお、ここで言う腹回りの長さは、幼児の姿勢が変化したときの腹回りの周長の変化を考慮し、立位および座位で測定した腹回りの平均値である。
また、同様の観点から、前記比(QA3/QA1)、前記比(QB3/QB1)、前記比(QA4/QA1)及び前記比(QB4/QB1)は、それぞれ、0.3〜2.2であることが好ましく、より好ましくは0.5〜1.8、更に好ましくは0.7〜1.4である。
4cN<QA3<23cN ・・・(7)
4cN<QB3<23cN ・・・(8)
関係式(7)及び(8)を満たすことにより、気温が高く幼児が汗ばみやすい時期や、装着時間が長時間であるようなゴム跡がつきやすい状況で使用しても弾性部材の押圧跡(ゴム跡)が肌につきにくく、肌への負担が少ない。こういったゴム跡は、圧迫による肌への負担のみならず、赤みや汗も、重篤な場合にはかぶれ、傷の原因にもなりかねない。また、カブレや傷が発症しなくても、母親はこれらの発症の不安や、子供が圧迫による違和感を感じているのではないかという不安を感じることが考えられる。しかし、ゴム跡を防止するために過度に収縮応力を低下させれば、おむつのずれが発生し、ずれにより発生した隙間から排泄物が漏れたり、股間部の吸収体が垂れ下がった様になることで、幼児の動きを妨げることになる。関係式(7)及び(8)を満たすことにより、これらのゴム跡防止とズリ落ち防止の両方の課題を解決することができる。
QA3及びQB3は、それぞれ、4cN超20cN未満であることが、より好ましく、4cN超15cN未満であることが更に好ましい。
また、ウエスト開口部周縁部の下方へのずれ落ちを効果的に防止でき、更に着用者のウエスト周りに、押圧跡を付けることも防止され、ウエスト周りの肌への負担も防止する観点から、背側シート部材2B及び腹側シート部材2Aのそれぞれにおいての第1領域B1,A1のX方向単位長さあたりのY方向の縮応力PB1、PA1はそれぞれ、5〜30cN、特に5〜25cNであることが好ましい。
PA2>PA3,PB2>PB3 ・・・(9)
PA2>PA4,PB2>PB4 ・・・(10)
関係式(10)は、X方向の単位長さ当たりのY方向の収縮応力については、腹側延出部A4及び背側対応部B4の収縮応力が、第2領域A2,B2の収縮応力よりも小さいことを意味する。
また、背側シート部材2B及び腹側シート部材2Aのそれぞれにおいての第2領域B2,A2のX方向の単位長さ当たりのY方向の収縮応力PB2、PA2はそれぞれ、14〜50cN、特に20〜50cNであり、背側シート部材2B及び腹側シート部材2Aのそれぞれにおいての第2領域B2,A2の1本あたりのY方向の収縮応力QB2、QA2はそれぞれ、4〜23cN、特に4〜20cNであることが、ウエスト開口部周縁部の下方へのずれ落ちを効果的に防止でき、腸骨周縁部に押圧跡を付けることも防止され、腸骨周縁部の肌への負担も防止する観点から、好ましい。
おむつ1を着用した状態で、第2領域A2、B2が着用者の腸骨稜から上前腸骨棘にかけての部位に当接するようにするためには、展開且つ伸長状態のおむつ1において、第2領域A2、B2の中心位置(おむつ1の長手方向における中心位置)とおむつの長手方向中心線CLとの間の距離k1及びk2(図2参照)が、幼児用おむつにおいては、それぞれ、180〜230mmであることが好ましく、より好ましくは185〜220mmであり、更に好ましくは195〜215mmである。成人用のおむつの場合には、距離k1及びk2(図2参照)が300〜350mm、特に305〜335mmであることが好ましい。
比(PA2/PA3)>比(QA2/QA3),比(PA2/PA3)>1 ・・・(12)
比(PB2/PB3)>比(QB2/QB3),比(PB2/PB3)>1 ・・・(13)
比(PA2/PA4)>比(QA2/QA4),比(PA2/PA4)>1 ・・・(14)
比(PB2/PB4)>比(QB2/QB4),比(PB2/PB4)>1 ・・・(15)
比(PB4/PB5)>比(QB4/QB5),比(PB4/PB5)>1 ・・・(11)
関係式(11)は、X方向の単位長さあたりのY方向の収縮応力は背側対応部B4よりも延出部下部B5のほうが小さく、1本あたりのY方向の収縮応力の背側対応部B4と延出部下部B5の差は、X方向の単位長さあたりの収縮応力の背側対応部B4と延出部下部B5の差よりも小さく、1本あたりのY方向の収縮応力の背側対応部B4と延出部下部B5の差はそれほど大きくないことを意味する。X方向の単位長さあたりのY方向の収縮応力が背側対応部B4よりも延出部下部B5のほうが小さいことで、特に臀部の湾曲が大きい臀部の下側において、延出部全域が臀部に沿うようにフィットしやすくなる。更に、延出部下部B5の収縮応力が小さいことで、延出部下部B5の収縮した場合のY方向の幅が大きくなり、その結果臀部を覆う面積が大きくなることで、おむつからの臀部のはみ出しを防止し、漏れへの不安感や違和感を低減できる。延出部が収縮した場合のY方向の幅が大きくなる効果については、延出部下部B5の弾性部材を固定する際の伸長率を、背側対応部B4の弾性部材を固定する際の伸長率よりも小さくすることで、より一層臀部のはみ出しを防止する効果が得られる。また、1本あたりの収縮応力の差を、単位長さあたりの収縮応力の差よりも小さくすることは、ゴム跡のつきやすい背側対応部B4における弾性部材の押圧跡を、単位長さあたりの収縮応力が小さく、1本あたりの収縮応力の小さく、ゴム跡がつきにくい構成になっている延出部下部に近づけることで、背側対応部B4のゴム跡を防止でき、延出部全域において、ゴム跡を防止できることを意味する。これらの観点から、比(QB4/QB5)は1であってもよい。
配置ピッチが等しい場合には、配置ピッチが、完全に同一の場合の他、両者の配置ピッチの差の絶対値が2mm以下の場合も含まれる。
そして、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bの伸縮部G1〜G3の何れにおいても、外層シート22と内層シート23との間が、散点状に形成された多数の融着部(接合部)26において接合されており、弾性部材24が、それらの融着部26を通らないように配されている。
そして、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bの伸縮部G1〜G3の何れにおいても、複数本の弾性部材24が、それぞれ、X方向において隣り合う接合部26間を通るように配されている。また、各弾性部材24は、後述する側部接着領域27又は吸収性本体側接着領域28においてシート22,23間に固定されている一方、それ以外の部位においては、シート22,23の何れにも固定されていない。
背側シート部材2Bは、図4に示すように、背側シート部材の両側縁部2b,2b又はその近傍に、外層シート22と内層シート23との間が接着剤を介して接合された側部接着領域27を有している。また、背側シート部材2Bも、側部接着領域27よりおむつ幅方向中央側に、外層シート22と内層シート23との間が接着剤を介して接合された吸収性本体側接着領域28を有している。
他方、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bの何れにおいても、胴回り伸縮部G2及び延出部伸縮部G3に配された弾性部材24は、側部接着領域27及び吸収性本体側接着領域28のそれぞれにおいてシート22,23間に固定されている一方、側部接着領域27と吸収性本体側接着領域28との間においては、シート22,23の何れにも固定されていない。
より具体的には、背側シート部材2Bについては、第3領域B3及び背側対応部B4における側部接着領域27の幅W1が、第1領域B1,第2領域B2及び延出部下部B5における側部接着領域27の幅W2より広くなっており、腹側シート部材2Aについては、第3領域A3の下半部及び腹側延出部A4における側部接着領域27の幅W1が、第1領域A1,第2領域A2における側部接着領域27の幅W2より広くなっている。
腹側延出部4A及び背側延出部21bの長さL5,L6は、何れもおむつ長手方向(X方向)の長さである。
例えば、腹側シート部材2Aと背側シート部材2Bは、それぞれ、弾性部材24と重ならないように形成されたドット状の接合部26を有するものに代えて、おむつ外面をなす外層シート22とその内側に配された内層シート23とが全域において接着された構造を有するものであっても良い。また、ウエスト伸縮部G1、胴回り伸縮部G2、延出部伸縮部G3は、それぞれ、その全体又は一部が、おむつ外面をなす外層シート22とその内側に配された内層シート23とが全域において接着された構造を有するものであっても良い。
上述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する要件は、それぞれ他の実施形態に適宜適用することができ、また、各実施形態における要件は、適宜、実施形態間で相互に置換可能である。
腹側シート部材及び背側シート部材に表1に示す弾性部材を表1に示す態様で配して、各部が表1に示す収縮応力を有する図1〜図4に示す概略形態のパンツ型使い捨ておむつを製造した。弾性部材は、何れも、スパンデックスの糸状弾性体を用いた。
なお、表1中の「↑」は、上に同じである旨を示す。また、実施例1のおむつにおける、腹側延出部A4のX方向の長さL5は、背側延出部21bのX方向の長さL6の1/2の長さとした。また、比較例1も同様とした。
得られたパンツ型使い捨ておむつについて、下記の方法により、(1)ずり落ち難さ、(2)足周りのゴム跡の付き難さについて評価し、結果を表3に示した。
実施例1及び比較例1のおむつを、1〜2才児相当のベビー動的モデルに装着させ、240g(起床時想定)の擬似尿を注入し、30分動作させた後の足周りのズレ落ち量を比較した。足周りのずれ落ち量は、そけいと耳珠垂線の交点(そけいサイド点)からオムツのサイドシール下端までの長さを足周りずれ落ち量として測定した。
(評価基準)
○:足周りずれ落ち量が20mm未満
△:足周りずれ落ち量が20mm以上30mm未満
×:足周りずれ落ち量が30mm以上
実施例1及び比較例1のおむつを、1〜2才児に4〜10時間装着(通常通り使用)してもらい、ゴム跡の様子を観察した。
(評価基準)
◎:殆どゴムの跡が見えないレベル
○:ゴムの跡があっても気にならないレベル
×:ゴムの跡がくっきり付いており、気になるレベル
2A 腹側シート部材
2a,2a 側縁部
20a 腹側本体部
A1 第1領域
A2 第2領域
A3 第3領域
A4 腹側延出部
2B 背側シート部材
2b,2b 側縁部
20b 背側本体部
B1 第1領域
B2 第2領域
B3 第3領域
21b 背側延出部
B4 背側対応部(背側延出部における腹側延出部に対応する部分)
B5 延出部下部
22 外層シート
23 内層シート
24 弾性部材
29 襞
3 吸収性本体
31 表面シート
32 裏面シート
33 吸収体
34 側方カフス
4 サイドシール部
5 ウエスト開口部
6 レッグ開口部
A 腹側部
B 背側部
C 股下部
G1 ウエスト伸縮部
G2 胴回り伸縮部
G3 延出部伸縮部
Claims (10)
- 着用者の腹側に配される矩形状の腹側シート部材と、着用者の背側に配される矩形状の背側シート部材と、腹側シート部材及び背側シート部材に架け渡して固定された吸収性本体とを具備し、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を有するパンツ型吸収性物品であって、
腹側シート部材及び背側シート部材は、左右両側にサイドシール部を有する腹側及び背側本体部と、該腹側及び背側本体部から股下部側に延出し、左右両側にサイドシール部を有しない腹側及び背側延出部とを有しており、背側延出部は、物品長手方向の長さが、腹側延出部と同じかそれよりも長く、
腹側本体部及び腹側延出部並びに背側本体部及び背側延出部の腹側延出部に対応する背側対応部は、何れも、物品幅方向に配された弾性部材により物品幅方向に伸縮性を有しており、
腹側本体部を、前記サイドシール部を物品長手方向に3等分して3領域に区分し、ウエスト開口部に近い側から順に第1領域A1、第2領域A2及び第3領域A3とし、腹側シート部材における第1〜第3領域A1〜A3及び腹側延出部A4の、物品長手方向の単位長さ当たりの物品幅方向の収縮応力をPA1〜PA4、弾性部材1本当たりの物品幅方向の収縮応力をQA1〜QA4とすると共に、
背側本体部を、前記サイドシール部を物品長手方向に3等分して3領域に区分し、ウエスト開口部に近い側から順に第1領域B1、第2領域B2及び第3領域B3とし、背側シート部材における第1〜第3領域B1〜B3及び背側対応部B4の、物品長手方向の単位長さ当たりの物品幅方向の収縮応力をPB1〜PB4、弾性部材1本当たりの物品幅方向の収縮応力をQB1〜QB4としたときに、
下記関係式(1)〜(4)を満たすパンツ型吸収性物品。
比(PA3/PA1)>比(QA3/QA1),比(PA3/PA1)>1 ・・・(1)
比(PB3/PB1)>比(QB3/QB1),比(PB3/PB1)>1 ・・・(2)
比(PA4/PA1)>比(QA4/QA1),比(PA4/PA1)>1 ・・・(3)
比(PB4/PB1)>比(QB4/QB1),比(PB4/PB1)>1 ・・・(4) - 下記関係式(5)及び(6)を満たす請求項1記載のパンツ型吸収性物品。
PA3=PA4、QA3=QA4 ・・・(5)
PB3=PB4、QB3=QB4 ・・・(6) - 下記関係式(7)及び(8)を満たす請求項1又は2記載のパンツ型吸収性物品。
4cN<QA3<23cN ・・・(7)
4cN<QB3<23cN ・・・(8) - 下記関係式(9)及び(10)を満たす請求項1〜3の何れか1項記載のパンツ型吸収性物品。
PA2>PA3,PB2>PB3 ・・・(9)
PA2>PA4,PB2>PB4 ・・・(10) - 前記背側延出部は、前記背側対応部より更に股下部側に延出する延出部下部B5を有し、該延出部下部は、物品幅方向に配された弾性部材により物品幅方向に伸縮性を有しており、該延出部下部の物品長手方向の単位長さ当たりの物品幅方向の収縮応力をPB5、弾性部材1本当たりの物品幅方向の収縮応力をQB5としたときに、下記関係式(11)を満たす請求項1〜4の何れか1項記載のパンツ型吸収性物品。
比(PB4/PB5)>比(QB4/QB5),比(PB4/PB5)>1 ・・・(11) - 前記腹側シート部材における第2〜第3領域A2〜A3及び腹側延出部A4の、弾性部材の物品長手方向の配置ピッチが、前記腹側シート部材における第1領域A1の、弾性部材の物品長手方向の配置ピッチよりも小さい、請求項1〜5の何れか1項記載のパンツ型吸収性物品。
- 前記背側シート部材における第2〜第3領域B2〜B3及び背側対応部B4の、弾性部材の物品長手方向の配置ピッチが、前記背側シート部材における第1領域B1の、弾性部材の物品長手方向の配置ピッチよりも小さい、請求項1〜6の何れか1項記載のパンツ型吸収性物品。
- 前記背側延出部は、前記背側対応部より更に股下部側に延出する延出部下部B5を有し、該背側対応部及び該延出部下部は、何れも、物品幅方向に配された複数本の弾性部材により物品幅方向に伸縮性を有しており、
前記延出部下部の、弾性部材の物品長手方向の配置ピッチが、前記背側対応部の、弾性部材の物品長手方向の配置ピッチよりも大きい、請求項1〜7の何れか1項記載のパンツ型吸収性物品。 - 前記背側延出部は、前記背側対応部より更に股下部側に延出する延出部下部B5を有し、前記背側本体部の第1領域及び該延出部下部は、何れも、物品幅方向に配された複数本の弾性部材により物品幅方向に伸縮性を有しており、
前記延出部下部の、弾性部材の物品長手方向の配置ピッチが、前記背側本体部の第1領域の、弾性部材の物品長手方向の配置ピッチと等しい、請求項1〜8の何れか1項記載のパンツ型吸収性物品。 - 腹側シート部材及び背側シート部材それぞれの前記本体部及び前記延出部に、2枚のシート間が散点状に形成された多数の接合部で互いに接合されていると共に弾性部材が、それぞれ物品長手方向に隣り合う接合部間を通るように配されている伸縮部を有している、請求項1〜9の何れか1項記載のパンツ型吸収性物品。
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