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JP5640905B2 - 起歪体及びこれを含む装置 - Google Patents

起歪体及びこれを含む装置 Download PDF

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Description

本発明は、起歪体及びこれを含む装置に関する。
起歪体に生じる歪量を検出することにより、起歪体に供給される回転量を検出することが行われている。
特許文献1には、内輪、外輪、及び複数の梁を具備する起歪体が開示されている(同文献の図3参照)。例えば、内輪は、減速機の回転軸に対して接続され、この回転軸の回転に応じて回転する。外輪は、固定部材に対して固定される。固定状態の外輪に対して内輪が回転することにより、内輪と外輪間を接続する梁には、その延在方向に歪分布が生じる。梁には、歪ゲージを貼設されている(同文献の段落0044参照)。この歪ゲージの出力に基づいて、起歪体に生じた歪量が検出される。
特開2009−288198号公報
ところで、一般的な歪検出器(例えば、歪ゲージ)の検出範囲は、点として存在するものではなく、所定の平面空間を占める範囲として存在する。起歪体に印加されるトルクに応じて起歪体の梁部に歪分布が形成されるとき、起歪体の構造によっては、歪検出器の検出範囲に対応する範囲内において局所的に歪量が変化する分布が梁部に形成されてしまう場合がある。この場合、歪検出器による歪の検出精度が劣化し、ひいては、起歪体に印加されたトルク量の検出精度が劣化してしまうおそれがある。なお、この点は、後述の説明(例えば、図9及び図11)を参照することにより、より具体的に理解されるが、これらの具体例に限定されるべきものではない。
上述の説明から明らかなように、起歪体の構造に起因して、歪ゲージの検出範囲に対応する範囲において局所的に歪量が変化する分布が梁部に形成されてしまう場合があった。
本発明に係る起歪体は、第1領域と、前記第1領域を少なくとも部分的に周囲する第2領域と、前記第1及び第2領域間を接続する複数の梁部と、を備え、複数の前記梁部夫々は、前記第1領域側から前記第2領域側へ延在するに応じて幅狭になる部分を有し、前記梁部の幅が狭くなる前記部分には、歪検出器が設けられる。
前記歪検出器は、前記第1領域側から前記第2領域側に向かう方向を長手方向とする歪ゲージまたは膜型歪センサである、と良い。
前記第1領域に対して前記梁部が接続される部分は、当該梁部が前記第1領域側へ延在するに応じて幅広となり、前記第2領域に対して前記梁部が接続される部分は、当該梁部が前記第2領域側へ延在するに応じて幅広となる、と良い。
前記第2領域は、前記第1領域を囲む環状部である、と良い。
本発明に係る回転量検出装置は、上述に記載の起歪体と、前記歪検出器を含む歪検出回路と、を備える。本発明に係る駆動装置は、上記の回転量検出装置と、前記起歪体の前記第1及び第2領域の一方に対して回転出力を供給する減速機と、前記減速機に対して接続される動力源と、を備える。
本発明に係る駆動制御装置は、上記の駆動装置と、前記動力源を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記歪検出回路の出力に基づいて、前記動力源の制御状態を調整する。本発明に係るロボットは、上記の駆動制御装置を含む。
本発明によれば、歪検出器の検出範囲に対応する範囲において局所的に歪量が変化する分布が梁部に形成されることを抑制することができる。
実施の形態1にかかる駆動制御装置の概略的なブロック図である。 実施の形態1にかかる起歪体の構成を示す模式図である。 実施の形態1にかかるトルク検出回路の概略的な回路図である。 実施の形態1にかかる歪ゲージの構成例を示す模式図である。 実施の形態1にかかる起歪体の構成を示す模式図である。 実施の形態1にかかる起歪体の構成を示す模式図である。 実施の形態1にかかる起歪体の構成を示す模式図である。 実施の形態1にかかる起歪体の構成を示す模式図である。 実施の形態1にかかる起歪体の梁部に生じる歪分布を示す模式図である。 比較例にかかる起歪体の構成を示す模式図である。 比較例にかかる起歪体の梁部に生じる歪分布を示す模式図である。 実施の形態2にかかる起歪体の構成を示す模式図である。 実施の形態3にかかる起歪体の構成を示す模式図である。 実施の形態4にかかるロボットの構成を示す模式図である。 実施の形態4にかかるロボットの構成を示す模式図である。 実施の形態5にかかるロボットの構成を示す模式図である。 実施の形態5にかかるシステムの構成を示す模式図である。 実施の形態6にかかる起歪体の構成を示す模式図である。
以下に説明する各実施形態は、個々に独立したものではなく、互いに組み合わせ可能であり、その組み合わせに基づく相乗効果も主張可能なものとする。原則として、各実施形態間の重複記載は排除されている。各実施形態の同一要素には同一の符号を付し冗長説明は省略されている。なお、図面は、発明の説明を目的として作成されたものであり、この開示に基づいて本願発明の技術的範囲を限定解釈することは許されない。
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。後述の説明から明らかなように、本実施形態に係る起歪体50(図2参照)は、円状部(第1領域)51と、円状部51を周囲する環状部(第2領域)52と、円状部51と環状部52間を接続する複数の梁部55と、を備え、複数の梁部55夫々は、円状部51側から環状部52側へ延在するに応じて幅狭になる部分を有し、梁部55の幅狭になる部分には、歪ゲージ(歪検出器)60が設けられる。これによって、歪ゲージ60の検出範囲に対応する範囲において局所的に歪量が変化する分布が梁部55に形成されることを抑制することができる。結果として、歪ゲージ60による歪の検出精度を効果的に高めることが可能となり、また、トルクの検出精度を効果的に高めることが可能となる。この点は、後述の説明からより具体的になるが、本願発明は、後述の説明により限定解釈されるべきものではない。
以下、図1乃至図11を参照してより具体的に説明する。図1は、駆動制御装置の概略的なブロック図である。図2は、起歪体の構成を示す模式図である。図3は、トルク検出回路の概略的な回路図である。図4は、歪ゲージの構成例を示す模式図である。図5乃至図8は、起歪体の構成を示す模式図である。図9は、起歪体の梁部に生じる歪分布を示す模式図である。図10は、比較例にかかる起歪体の構成を示す模式図である。図11は、比較例にかかる起歪体の梁部に生じる歪分布を示す模式図である。
図1に示すように、駆動制御装置100は、モーションコントローラ10、回転制御機構20、及び回転制御機構30を有する。回転制御機構20は、サーボコントローラ(制御手段/制御部)21、モーター(動力源)22、減速機23、トルクセンサ24、回転量検出部25、及びトルク検出回路(歪検出回路)26を有する。回転制御機構30は、サーボコントローラ31、モーター32、減速機33、トルクセンサ34、回転量検出部35、及びトルク検出回路36を有する。なお、回転制御機構30の構成は、回転制御機構20の構成と略等しい。従って、回転制御機構20についてする説明は、回転制御機構30についても同様に当てはまるものとし、回転制御機構30に関する説明は省略する。
駆動制御装置100は、例えば、後述の実施形態において例示されるロボット等に組み込まれる。駆動制御装置100は、動力源として機能するモーター22、32を制御する。モーター22、32の回転が制御されることにより、例えば、リンク間のリンク角が調整される。
モーションコントローラ10は、上流側制御装置(制御手段/制御部)として機能する。モーションコントローラ10は、回転制御機構20に対して、モーター22の駆動を指令する。具体的には、モーションコントローラ10は、自律的又は外部入力された指令に応じて、モーター22を任意又は所定量だけ回転駆動することをサーボコントローラ21に指示する。モーションコントローラ10は、例えば、ソフトウェア制御により具現化される。具体的には、モーションコントローラ10は、CPU(Central Processing Unit)がプログラムを実行することにより具体化される。なお、モーションコントローラ10の動作等を記述するプログラムは、CD、DVD、ハードディスク、メモリ等の任意の記録媒体に記憶され得る。
サーボコントローラ21は、モーションコントローラ10と対比すると、下流側のローカル制御を支配する制御装置(制御手段/制御部)である。サーボコントローラ21は、例えば、DSP(Digital Signal Processing)、AMP(Amplifier)等の半導体集積回路を含んで構成される。サーボコントローラ21は、回転量検出部25から供給される回転量θに基づいて、モーター22の駆動条件を調整する。サーボコントローラ21は、トルク検出回路26から供給されるトルク値τに基づいて、モーター22の駆動条件を調整する。複数のフィードバック系を採用することによって、精度よくモーター22を回転制御することが可能となる。サーボコントローラ21が発揮する機能は、ソフトウェア制御により実現しても良い。
モーター22は、一般的な電気モーターである。例えば、モーター22は、AC(Alternating Current)モーターであり、サーボコントローラ21から供給される交流電圧波形に応じて回転する。モーター22の出力軸(シャフト)は、減速機23に接続される。
減速機23は、一般的な減速機であり、モーター22から伝達する回転力の回転速度を減じて出力する。減速機23の減速比は、任意であり、適宜、調整される。減速機23は、モーター22に対して一体化されていても良い(モーターに対して減速機が一体化された部品をギアードモーターと呼ぶこともある)。減速機23は、単にギアボックスと呼ばれることもある。
トルクセンサ24は、減速機23の回転出力を受け、減速機23から供給されるトルクを計測するための構造部材(機械部品)である。トルクセンサ24の構成については、後述する。トルク検出回路26は、トルクセンサ24に対して固定された歪ゲージ(歪検出器)等を含んで構成される。トルク検出回路26の構成については、後述する。なお、冒頭で説明したように、回転制御機構30の構成は、回転制御機構20の構成に略等しいため、重複説明は省略する。
図2に、トルクセンサ24に対応する起歪体50の構成を示す。図2(a)は、起歪体50を正面視した模式図である。図2(b)は、起歪体50に設定された領域を模式的に示す模式図である。
起歪体50は、ステンレス等の金属から成る平板状部材であり、曲げ撓み可能な程度の厚みを有する。図2(a)に示すように、起歪体50は、円状部51、環状部52、及び複数の梁部55を具備する。梁部55aと梁部55b間には、円状部51と環状部52との間で平板が欠いた形成された空間OP1が形成されている。同様に、梁部55bと梁部55c間には、空間OP2が形成されている。同様に、梁部55cと梁部55d間には、空間OP3が形成されている。同様に、梁部55dと梁部55a間には、空間OP4が形成されている。
円状部51は、内輪部分である。環状部52は、円状部51を周囲する外輪部分である。円状部51の外周形状と環状部52の外周形状とは、円形である。円状部51の外周円と環状部52の内周円/外周円とは相似関係にある。円状部51の外周円の中心Qは、環状部52の内周円/外周円の中心Qと一致する。円状部51、環状部52は、必ずしも円状である必要はない。
梁部55は、円状部51と環状部52間を接続する接続部分である。梁部55は、円状部51側から環状部52側へ延在するに応じて幅狭になるように構成されている。換言すると、梁部55は、中心から外側へ向かって幅狭になる部分(以下、単に幅狭部分と呼ぶこともある)を有する。
起歪体50には、円状部51を挟んで対向配置された一組の梁部55a、55cが設けられる。梁部55a、55cは、中心Qを通過する共通の直径線RD上に存在する。同様に、起歪体50には、円状部51を挟んで対向配置された一組の梁部55b、55dが設けられる。梁部55b、55dは、中心Qを通過する共通の直径線上に存在する。
図2(a)に示すように、環状部52に対して各梁部55が接続する部分は、曲線状(R状/アール状)のアール部59が設けられている。これにより、応力集中が生じないように、起歪体50を製造することが可能となる。図2(a)に模式的に示すように、各梁部55a〜55dには、一組の歪ゲージ(歪検出器)60が配置される。なお、歪ゲージ60の配置位置は、図2(a)に示す例に限らず、他の箇所であっても良い。
図2(b)に示すように、起歪体50には、円状部51に対応する領域R51、及び環状部52に対応する領域R51が設定されている。領域R51は、減速機33の出力軸が接続され、減速機33から回転トルクが供給される。領域R52は、固定部材に対して固定されている。領域R52が固定状態で、減速機33から供給されるトルクに応じて領域R51が平面内にて回転すると、梁部55には、その延在方向に沿って歪分布が形成される。歪ゲージ60のセンシング領域は、梁部55に生じた歪を受けて歪む。歪ゲージ60は、センシング領域の抵抗値の変化により、梁部55に生じた歪量を検出する。なお、領域R52に対して、減速機33の出力軸を接続し、領域R51を固定状態としても良い。
図3にトルク検出回路の構成を示す。図3に示すように、トルク検出回路は、歪ゲージ60a、60b、60f、60eと、差分電圧検出回路69を有する。歪ゲージ60a、60bは、電源電位VDDと接地電位GND間に直列接続され、歪ゲージ60f、60eは、電源電位VDDと接地電位GND間に直列接続される。差分電圧検出回路69の第1入力端子は、歪ゲージ60f、60e間の接点に接続される。差分電圧検出回路69の第2入力端子は、歪ゲージ60a、60b間の接点に接続される。
図2(a)を正面視して、起歪体50の円状部51に対して左回転のトルクが付与される場合について考える。このとき、歪ゲージ60aは、梁部55aの伸びを検出し、歪ゲージ60bは、梁部55aの縮みを検出する。同様に、歪ゲージ60eは、梁部55cの伸びを検出し、歪ゲージ60fは、梁部55cの縮みを検出する。
この点を踏まえて、図3に示した回路を見ると、次の点が理解できる。トルクに応じた梁部の変形態様が同じとなる位置に配置される歪ゲージ60a、60eは、同じ電位側へ配置されず、異なる電位側へ配置される。具体的には、歪ゲージ60aは、電源電位VDD側へ配置され、歪ゲージ60eは、接地電位GND側へ配置されている。
このように構成することにより、直列接続された歪ゲージ60a、60b間の接点の電位と直列接続された歪ゲージ60f、60e間の接点の電位間の差分電圧が、起歪体50に印加されたトルクの大きさに応じたものとなる。差分電圧検出回路69は、この差分電圧を検出する。なお、差分電圧検出回路69の具体的な回路構成は任意である。差分電圧検出回路69は、差分増幅器等を含めて構成することが一般的である。歪ゲージ60c、60d、60h、60gについて、図3に示した場合と同様に接続され、図3に示した場合と同様に差分電圧が検出される。
図4に歪ゲージ60の構成を示す。図4(a)に示すように、歪ゲージ60は、リード部61とカバー部62とを含む。リード部61は、アウターリード部61a、アウターリード部61b、及びセンシングリード部61cを含む。アウターリード部61a、61bは、カバー部62から露出し、外部配線に対して接続可能である。センシングリード部61cは、カバー部62に被覆され、歪ゲージ60に加えられる歪に応じて、自身の抵抗が変化する。なお、歪ゲージ60のセンシング方向は、その長手方向に一致する。歪ゲージ60は、その長手方向の歪を検出するように構成されている。
歪ゲージ60のゲージ長GLは、センシングリード部61cが波状に延在する領域の高さに対応する。歪ゲージ60のグリッド幅GWは、センシングリード部61cが波状に設けられた領域の幅に対応する。歪ゲージ60のベース長BLは、カバー部62の長さに対応する。歪ゲージ60のベース幅BWは、カバー部62の幅に対応する。
カバー部62には、グリッド幅GWの中心を示すセンターマークCM1、及びゲージ長GLの中心を示すセンターマークCM2が設けられている。これにより、歪ゲージ60を簡易に位置決めすることができる。
図4(b)に示すように、カバー部62の下面64は、接着剤が塗布され、起歪体50に対して貼設される。カバー部62の下面64に塗布される接着剤の種類は任意である。図4(b)に示すように、カバー部62から露出したリード部61部分に半田63を塗布し、この半田63を介して外部との電気的接続を確保しても良い。
図5を参照して、梁部55の構成について更に説明する。図5に示すように、円状部51側の梁部55の端部の幅W10は、環状部52側の梁部55の端部の幅W15よりも広い。梁部55は、対向する2つの輪郭線57a、57bを有する。輪郭線57aは、内側から外側へ向かって輪郭線57b側へ傾斜する。輪郭線57bは、内側から外側へ向かって輪郭線57a側へ傾斜する。
図6を参照して、梁部55の幅を変化させることによって曲げモーメントを調整する点について説明する。一点鎖線で示した直径線上において、梁部55の幅Tは、内側から外側へ向かって狭くなる。図2(b)を参照して説明した状態の起歪体50に対してトルクが付与される場合、中心Qから半径位置Rが増加すると、これに反比例して周方向の力(接線力)F(R)は弱くなる。本実施形態では、半径位置Rの増加に伴う周方向に力の減少を補償するために、内側から外側へ向かって梁部55を幅狭とする。これにより、起歪体50に対してトルクが付与されたとき、梁部55の延在方向に沿って、梁部55内に局所的に歪量が変化する分布が形成されることを抑制することができる。特に、起歪体50に対するトルク印加時、円状部51に対して梁部55が接続する部分において局所的に歪量が変化する分布が形成されることを抑制することができる。
図7及び図8を参照して梁部55の構成について補足説明する。梁部55は、図7に示すように、片持ち梁55Aと片持ち梁55Bとが連結したものと把握することができる。片持ち梁55Aは、その基端が円状部51に接続され、その頂端が解放状態にある。片持ち梁55Aは、自身に対してある加重が付与されたとき、その長手方向において均一に歪が生じる形状となっている。片持ち梁55Bは、その基端が環状部52に接続され、その頂端が解放状態にある。片持ち梁55Bは、片持ち梁55Aと同様、自身に対してある加重が付与されたとき、その長手方向において均一に歪が生じる形状となっている。梁部55は、片持ち梁55Aの頂端と片持ち梁55Bの頂端とが結合されたものと把握され、片持ち梁に類似するような歪特性を具備する。なお、梁部55は、解放端を有するものではなく、片持ち梁と完全に一致する性質を有するものではない。
図8に示すように、片持ち梁55Aと片持ち梁55Bとを結合して梁部55を構成しても良い。このとき、矢印により特定された箇所を、曲線状(アール状)のアール部59とすると良い。これにより、局所的に歪量が変動する分布が、梁部55に形成されることを抑制することができる。なお、図8に示すように、円状部51に対する接続箇所において梁部55の両側にアール部59が形成されることにより、梁部55は、円状部51に近接するに応じて幅広となる。図8に示すように、環状部52に対する接続箇所において梁部55の両側にアール部59が形成されることにより、梁部55は、環状部52に近接するに応じて幅広となる。
図9乃至図11を参照して、上述した本実施形態の効果について更に説明する。円状部51に対してトルクが付与されると、梁部55には、図9(a)に示す矢印で模式的に示すような力が作用する。図9(b)に、梁部55に生じる曲げモーメントの分布を模式的に示す。図9(c)に、梁部55に生じる歪分布を模式的に示す。図9(c)から把握されるように、梁部55は、内側から外側への測定点の移動に応じて、梁部55に生じる歪が一定の割合で変化している。
他方、図10に示すように、梁部55が一定幅に構成された起歪体50においては、図11(a)に模式的に示すように梁部55に力が作用すると、図11(b)に示す曲げモーメントの分布が梁部55に生じ、図11(c)に示す歪分布が梁部55に生じる。図11(c)に示す歪分布から明らかなように、図10に示す場合、円状部51に梁部55が接続する部分付近で、大きく歪が変動している。図10に示すように、局所的に歪が大きく変動する箇所に歪ゲージを配置すると、歪ゲージのゲージ長(図4(a)参照)に対応する範囲において歪が大きく変動することになる。この場合、歪ゲージによる歪量の検出精度を確保することが困難となってしまう。
本実施形態においては、上述の説明から明らかなように、梁部55に幅狭部を設け、この幅狭部に対して歪ゲージ60を設ける。これにより、歪ゲージ60が設けられた範囲、つまり、歪ゲージ60による歪の検出範囲に対応する範囲で局所的に歪量が変化する分布が梁部に形成されることを抑制することができる。
実施の形態2
図12を参照して実施の形態2について説明する。図12に模式的に示すように、梁部55を構成しても良い。図12に示すように、梁部55は、円状部51側から環状部52側へお辞儀状に屈曲している。このような場合であっても、梁部55は、円状部51側から環状部52側へ延在するに応じて幅狭となっているため、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態3
図13を参照して実施の形態3について説明する。図13に模式的に示すように、梁部55を構成しても良い。図13に示すように、8個の梁部55が設けられている。換言すると、4組の梁部ペアが設けられている。このような場合であっても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
梁部55の個数を増加させることによって、1本当たりの梁部55に加えられる力の大きさを小さくすることができる。これにより、円状部51側の梁部55の端部に生じるモーメントを小さくすることができる。梁部の本数が多い場合、円状部51と環状部52の設計が容易となり、より小型化に適した起歪体を構成することができる。なお、梁部55の数が少ない場合には、円状部51と環状部52とをより強固なものとする必要が生じるが、起歪体50の設計の自由度が高められ、起歪体50のコストアップも抑制することができる。
好適には、梁部55の数は、実施の形態1、2で示したように4本以上とすると良い。本実施形態のように、梁部55の数を8本としても良い。梁部55の数は、好適には、12本以下とすることが良い。梁部55の配置関係は、対称が基本となるが、それ以外であっても構わない。一つの梁部55が受ける接線ベクトルの輪がゼロとなって取り合う状態となるように梁部55を配置することが望ましい。
実施の形態4
図14及び図15を参照して実施の形態4について説明する。図14に模式的に示すロボット200に対して、上述の実施の形態を適用しても良い。
図14に示すように、ロボット200は、ベース210、リンク201、リンク202、リンク203、関節204、関節205、関節206、及びハンド部207を具備する。リンク201とリンク202は、関節204を介して接続され、関節204に内蔵されたモーターの駆動によりリンク角が調整される。リンク202とリンク203は、関節205を介して接続され、関節205に内蔵されたモーターの駆動によりリンク角が調整される。リンク203とハンド部207は、関節206を介して接続され、関節206に内蔵されたモーターの駆動によりリンク角が調整される。
図15に模式的に示すように、関節205内には、図1に示したモーター22と減速機23とが一体化されたギアードモーター250と、図1に示したトルクセンサ24とトルク検出回路26が内蔵されたトルク検出装置251が設けられている。図14及び図15に例示されるロボットに対して上述の実施形態を適用することができる。
実施の形態5
図16及び図17を参照して実施の形態5について説明する。図16に模式的に示すロボット300に対して、上述の実施の形態を適用しても良い。
図16に示すように、ロボット300は、ヘッド部301、胴部302、アーム部303、アーム部304、脚部305、脚部306、フット部307、及びフット部308を具備する。ロボット300は、コンピューター制御により、自律的又は外部入力される指令に応じて動作する。ロボット300は、例えば、歩行動作等を為すことができる。なお、ロボット300の歩行動作は、脚部、フット部、胴部302等の姿勢位置がコンピューターにより制御されることで実現される。
図17に示す駆動制御装置360をロボット300に対して適用しても良い。図17に示すように、駆動制御装置360は、演算・制御系350、ドライバ331〜333、モーターユニット311〜313、リンク321〜324、及びハンド部330を具備する。モーターユニット311〜313は、例えば、図16に示したロボット300のアーム部304の関節にそれぞれ配置される。ドライバ331〜333も、ロボット300のアーム部304の関節にそれぞれ配置される。モーターユニット311は、図1に示したモーター22、回転量検出部25、減速機23、トルクセンサ24、及びトルク検出回路26が一体化された部品である。モーターユニット312、313についても同様である。
ドライバ331は、モーターユニット311から供給されるトルク値τに基づいて、モーターユニット311内のモーター駆動条件を調整する。その余のドライバ332、333についても同様である。ドライバ331〜333は、例えば、半導体集積回路チップにより構成される。
演算・制御系350は、図1に示したサーボコントローラとモーションコントローラとが統合されたものである。演算・制御系350は、例えば、コンピューターにより構成され、ソフトウェア制御により各モーターユニットの動作状態を制御する。演算・制御系350は、モーターユニット311から供給される回転量θに基づいて、モーターユニット311内のモーターの駆動条件を調整する。演算・制御系350は、モーターユニット311から供給されるトルク値τに基づいて、モーターユニット311内のモーターの駆動条件を調整する。モーターユニット311に対する制御と同様に、演算・制御系350は、他のモーターユニット312、313も制御する。このような場合であっても、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
実施の形態6
図18を参照して実施の形態6について説明する。図18に模式的に示すように、歪ゲージ60を配置しても良い。図18に示すように、歪ゲージ60は、梁部55の厚み方向の側面(起歪体50の前面(第1主面)と背面(第2主面)間を接続する面)に対して貼設されている。歪ゲージ60は、円状部51に対する梁部55の接続部分近傍に配置されている。このような場合であっても、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、起歪体の具体的な形状は任意であり、また、その構成材料は任意である。例えば、上記実施の形態では、歪検出器として歪みゲージを用いたが、歪検出器としてCr−N薄膜等の膜型歪センサを用いても良い。
100 駆動制御装置

10 モーションコントローラ

20 回転制御機構
21 サーボコントローラ
22 モーター
23 減速機
24 トルクセンサ
25 回転量検出部
26 トルク検出回路

30 回転制御機構

50 起歪体
51 円状部
52 環状部
55 梁部

60 歪ゲージ

Claims (8)

  1. 第1領域と、
    前記第1領域を少なくとも部分的に周囲する第2領域と、
    前記第1及び第2領域間を接続する複数の梁部と、を備える起歪体であって
    複数の前記梁部夫々は、前記起歪体の半径位置の増加に伴う周方向の応力の減少を補償するように、前記起歪体を厚さ方向から見て前記第1領域側から前記第2領域側へ延在するに応じて幅狭になる部分を有し、
    前記梁部の幅が狭くなる前記部分における前記起歪体を厚さ方向から挟む両面の一方には、歪検出器が設けられる、起歪体。
  2. 前記歪検出器は、前記第1領域側から前記第2領域側に向かう方向を長手方向とする歪ゲージまたは膜型歪センサであることを特徴とする請求項1に記載の起歪体。
  3. 前記第1領域に対して前記梁部が接続される部分は、当該梁部が前記第1領域側へ延在するに応じて幅広となり、
    前記第2領域に対して前記梁部が接続される部分は、当該梁部が前記第2領域側へ延在するに応じて幅広となることを特徴とする請求項1又は2に記載の起歪体。
  4. 前記第2領域は、前記第1領域を囲む環状部であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の起歪体。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の起歪体と、
    前記歪検出器を含む歪検出回路と、
    を備える、回転量検出装置。
  6. 請求項5に記載の回転量検出装置と、
    前記起歪体の前記第1及び第2領域の一方に対して回転出力を供給する減速機と、
    前記減速機に対して接続される動力源と、
    を備える、駆動装置。
  7. 請求項6に記載の駆動装置と、
    前記動力源を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記歪検出回路の出力に基づいて、前記動力源の制御状態を調整する、駆動制御装置。
  8. 請求項7に記載の駆動制御装置を含むロボット。
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