JP5537851B2 - スクリーン印刷機 - Google Patents
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Description
また、クリーム状はんだの供給は、作業者により手動で行われることも多い。例えば、スクリーン印刷機において、設定枚数の回路基板についてクリーム状はんだの印刷が行われる毎に印刷作業が自動で停止させられ、あるいは作業者が目視によりクリーム状はんだの供給が必要であると認めた場合に手動入力に応じて印刷作業が停止させられ、作業者によりクリーム状はんだがスクリーン上に載せられるのである。作業者によれば、クリーム状はんだを良好に練り合わせ、印刷に適した状態で供給することができる。
本発明は、そういった実情に鑑みて為されたものであり、より実用的なスクリーン印刷機を得ることを課題として為されたものである。
ここにおいて、開閉カバーの開状態は開閉カバーが完全に開かれた状態であり、閉状態は開閉カバーが完全に閉じられた状態である。また、扉の開状態は、はんだ供給口を完全に開放した状態であり、閉状態ははんだ供給口を完全に閉塞する状態である。
扉は、カバーに沿ってスライドするスライド型とすることも可能であるが、スクリーンに平行な回動軸線のまわりに回動する回動型とする方が、製造が容易であり、使い勝手も良い場合が多い。
前記課題はまた、貫通孔を有するスクリーン上に載せられたクリーム状はんだを、スキージ移動装置により移動させられるスキージによってスクリーンに沿って移動させ、前記貫通孔を通してクリーム状はんだを回路基板に印刷するスクリーン印刷機を、(A)当該スクリーン印刷機の内部空間へのアクセスを許容する開状態と、アクセスを許容しない閉状態とを取り得る開閉カバーと、(B)その開閉カバーの、前記スクリーン上に設定されたはんだ供給領域に対応する部分に形成されたはんだ供給口と、そのはんだ供給口を開放する開状態と閉塞する閉状態とを取り得る扉とを備えたはんだ供給窓と、(C)(a)前記スクリーンの下方領域に設けられ、そのスクリーンの下面に沿って移動してその下面の清掃を行うスクリーン清掃装置と、(b)前記スクリーンの下方領域に設けられ、そのスクリーンの下面に沿って移動し、その下面に設けられた基準マークを撮像する基準マーク撮像装置との少なくとも一方と、(D)前記開閉カバーが前記閉状態にある状態では当該スクリーン印刷機の作動を許容し、前記閉状態にない状態では作動を禁止し、前記スクリーン清掃装置と前記基準マーク撮像装置との前記少なくとも一方の移動は、前記はんだ供給窓の前記扉の開閉状態のいかんを問わず許容する作動抑制部とを含むものとし、かつ、前記開閉カバーが前記閉状態にある状態では、その開閉カバーと前記スクリーンとの隙間から作業者の手が前記下方領域へ入らない構成とすることにより解決される。
また、開閉カバーを開状態にすれば、開閉カバー内部の装置のメンテナンス等が容易となり、スクリーン印刷機の使い勝手が向上する効果が得られる。
そして、特に、接触防止装置と遮蔽装置とを含む態様のスクリーン印刷機においては、はんだ供給窓からクリーム状はんだがはんだ供給領域へ供給される際、作業者の手が、少なくともスキージ移動装置を含む当該スクリーン印刷機の動作装置と接触することが防止される。
また、スクリーンの下方領域に設けられたスクリーン清掃装置と基準マーク撮像装置との少なくとも一方を含む態様のスクリーン印刷機においては、開閉カバーが閉状態にある状態では、その開閉カバーとスクリーンとの隙間から作業者の手が下方領域へ入ることが防止される。さらに、開閉カバーが閉状態にない状態では、作動抑制部によって当該スクリーン印刷機の作動が禁止され、開閉カバーが閉状態にある状態では作動が許容され、スクリーン清掃装置と基準マーク撮像装置との少なくとも一方の移動は、はんだ供給窓の扉の開閉状態のいかんを問わず許容される。
当該スクリーン印刷機の内部空間へのアクセスを許容する開状態と、アクセスを許容しない閉状態とを取り得る開閉カバーと、
その開閉カバーの、前記スクリーン上に設定されたはんだ供給領域に対応する部分に形成されたはんだ供給口と、そのはんだ供給口を開放する開状態と閉塞する閉状態とを取り得る扉とを備えたはんだ供給窓と
を含むスクリーン印刷機。
スクリーン印刷機においては、傾斜方向を互いに異にする一対のスキージが、互いに対向する状態で配設され、それら一対のスキージの一方がスクリーンに接触させられる一方、他方がスクリーンから離間させられた状態で一方向の印刷が行われ、他方向の印刷は、スクリーンに接触させるスキージを交替させて行われることが多い。このタイプのスクリーン印刷機をダブルスキージタイプと称することとするが、スキージを1つのみ備えるシングルスキージタイプのスクリーン印刷機も知られている。
しかし、シングルスキージタイプにおいては勿論、ダブルスキージタイプにおいても、本請求可能発明に直接関連するのは、はんだ供給領域へ供給されたクリーム状はんだを印刷領域へ取り込むスキージであるため、本〔発明の態様〕の項においては、クリーム状はんだの印刷領域への取込みを行うスキージについてのみ言及することとする。
(2)さらに、前記はんだ供給窓からクリーム状はんだが前記はんだ供給領域へ供給される際、作業者の手が、少なくとも前記スキージ移動装置を含む当該スクリーン印刷機の動作装置と接触することを防止する接触防止装置を含む(1)項に記載のスクリーン印刷機。
ここにおいて、動作装置は、移動を伴って作動する装置である。
接触防止装置は、作業者の手の動作装置との接触を物理的に防止する装置とされてもよく、制御により防止する装置とされてもよい。前者の装置によれば、接触防止の確実性が高く、後者の装置によればスクリーン印刷機の構造物を増やすことなく、装置構成の複雑化および装置コストの増大を回避しつつ接触を防止することができる。
本項の特徴によれば、作業者はクリーム状はんだの供給を安全に、スキージ移動装置の作動と並行して行うことができ、あるいはスキージ移動装置以外の動作装置の作動と並行して行うことができる。そのため、スクリーン印刷機の稼働率の低下が抑制される。
(3)前記開閉カバーの内側に、前記スキージが前記クリーム状はんだを移動させて印刷を行う印刷領域と、その印刷領域に隣接して前記はんだ供給領域とが設定され、かつ、前記接触防止装置が、印刷領域をはんだ供給領域に対して遮蔽する遮蔽状態と遮蔽しない非遮蔽状態とを取り得る遮蔽装置を含む(2)項に記載のスクリーン印刷機。
ここにおいて、遮蔽状態は、遮蔽装置が印刷領域をはんだ供給領域に対して完全に遮蔽する状態であり、非遮蔽状態は、完全に遮蔽しない状態である。
本スクリーン印刷機においては、遮蔽装置により、はんだ供給領域に対して印刷領域が遮蔽された状態で、クリーム状はんだの供給を行うことができ、作業者は、印刷作業と並行して、しかも安全に、クリーム状はんだの供給を行うことができる。
そのため、印刷が中断されず、クリーム状はんだの供給により、クリーム状はんだが印刷された回路基板の生産に要する時間が長くなることがなく、スクリーン印刷機の稼働率の低下が抑制される。印刷を中断してクリーム状はんだの供給を行う場合、それにより生産時間が長くなる。しかも、クリーム状はんだをスクリーン上に載せる作業には熟練を要し、未熟な作業者が行えば時間がかかり、中断時間が長くなって生産時間がより長くなる。それに対し、印刷作業と並行して供給作業を行うことができるのであれば、供給のために印刷を中断しなくてよく、生産時間の増大が抑制される。また、未熟な作業者が供給を行って時間がかかっても、生産時間が長くなることはなく、稼働率の低下が抑制される。
回路基板へのクリーム状はんだの印刷を行うスクリーン印刷機においては、クリーム状はんだの供給(補給)をかなり頻繁に行うことが必要であり、しかも、クリーム状はんだのスクリーン上への載置状態の良否が、印刷結果の良否に影響を与え易いため、充分慎重に補給作業を行うことが必要であり、本項に係る発明によれば、補給作業に注意を集中することが容易となる効果が得られる。
遮蔽装置は、はんだ供給領域と印刷領域とを仕切る仕切装置と考えることもできる。
また、はんだ供給領域は、印刷領域に隣接して設けられるのであり、遮蔽装置より内側が従来のスクリーン印刷機におけるスキージの移動可能領域に相当し、スキージの移動可能領域がはんだ供給領域分拡げられたことになり、この点からスクリーン印刷機の安全性が増す効果も得られる。遮蔽装置が遮蔽状態とならないことがあっても、作業者がスキージに触れる可能性が減るからである。
さらに、はんだ供給領域においてはスクリーンに貫通孔が形成されないため、印刷領域においてクリーム状はんだが供給される場合に比較して、回路基板がスクリーンに接触していない状態においてもクリーム状はんだを供給し得る利点がある。
はんだ供給窓の扉および遮蔽装置は作業者が手動で開閉するものとされてもよく、それぞれ動力駆動源を有する扉駆動装置および遮蔽装置駆動装置によって自動的に開閉されるものとされてもよい。後者の場合、作業者による開閉指示に基づいて駆動装置が作動させられるようにしてもよく、作業者による供給開始指示および供給終了指示にそれぞれ基づいて扉駆動装置および遮蔽装置駆動装置が制御装置により制御され、扉および遮蔽装置の各開閉が予め設定された順序で行われるようにされてもよい。
(4)さらに、
前記遮蔽装置が少なくとも遮蔽状態にあることを検出する遮蔽装置状態検出装置と、
前記はんだ供給窓の閉状態を検出する供給窓閉状態検出装置と、
その供給窓閉状態検出装置が前記閉状態を検出していない状態で、前記遮蔽装置状態検出装置が前記遮蔽状態を検出していれば、当該スクリーン印刷機の作動を禁止せず、前記遮蔽装置状態検出装置が前記遮蔽状態を検出していなければ、当該スクリーン印刷機の作動を禁止する作動禁止部と
を含む(3)項に記載のスクリーン印刷機。
本項の特徴によれば、遮蔽装置が遮蔽状態にない状態ではんだ供給窓が閉状態とされていなければ、スクリーン印刷機の作動が禁止される。スクリーン印刷機が作動中であれば停止させられ、停止中であれば作動開始が不能とされるのであり、安全性が一層高くなる効果が得られる。
(5)前記遮蔽装置状態検出装置が前記遮蔽装置が前記非遮蔽状態にあることを検出するものであり、
当該スクリーン印刷機がさらに、
前記はんだ供給領域において、前記スクリーン上にクリーム状はんだが設定量以上載せられているか否かを検出するはんだ供給検出装置と、
そのはんだ供給検出装置がクリーム状はんだが前記設定量以上載せられていることを検出している状態で、前記供給窓閉状態検出装置が前記閉状態を検出し、かつ、前記遮蔽装置状態検出装置が前記非遮蔽状態を検出していれば、前記スキージを前記スクリーンから離間した上昇位置に保って前記印刷領域から前記はんだ供給領域へ移動させ、スキージを下降させた後、前記はんだ供給領域から前記印刷領域へ移動させてクリーム状はんだを前記印刷領域へ取り込むクリーム状はんだ取込制御部と
を含む(4)項に記載のスクリーン印刷機。
はんだ供給検出装置は、例えば、スクリーンのはんだ供給領域の下方に設けられ、そのはんだ供給領域に対する上下方向の負荷またははんだ供給領域の上下方向の変位を検出することによって、そのはんだ供給領域にクリーム状はんだが設定量以上載せられているか否かを検出するものとすることができる。上記負荷を検出する負荷検出装置は、例えば、スクリーンのはんだ供給領域の下面に接触してその下面を支持する負荷伝達部材と、その負荷伝達部材により伝達される負荷を検出するロードセルとを含むものとすることができ、上記変位を検出する変位検出装置は、接触式とすることも、非接触式とすることも可能であり、後者としては、例えば、レーザ変位計等の光学式変位検出装置とすることができる。
また、スクリーン上面からのクリーム状はんだの高さを検出する高さ検出装置とすることも可能である。高さ検出装置は、接触式とすることも可能であるが、非接触式とすることが望ましく、例えば、レーザ式高さ検出装置や、スクリーンに平行な直線上において互いに対向する投光器と受光器とから成る光電スイッチを1セット以上含むものが採用可能である。光電スイッチが複数セット設けられる場合には、スクリーン上面からの高さを互いに異にする状態で設けられる。
作業者がクリーム状はんだをはんだ供給領域に供給し、遮蔽装置を非遮蔽状態とするとともに、はんだ供給窓を閉状態にすれば、クリーム状はんだがスキージにより自動的に印刷領域へ取り込まれる。ただし、直ちに取込みが行われることは不可決ではなく、例えば、取込みに先だって、はんだ供給領域においてスキージによるクリーム状はんだの練り合わせが行われるようにすることも可能である。
本項の特徴によれば、クリーム状はんだが実際に供給された場合にのみ、スキージによるはんだの取込みが行われる。
(6)前記遮蔽装置状態検出装置が前記遮蔽装置が前記非遮蔽状態にあることを検出するものであり、
当該スクリーン印刷機がさらに、
前記供給窓閉状態検出装置が前記閉状態を検出しておらず、かつ、前記遮蔽装置状態検出装置が前記遮蔽状態を検出している第1状態から、前記供給窓閉状態検出装置が前記閉状態を検出し、かつ、前記遮蔽装置状態検出装置が前記非遮蔽状態を検出している第2状態への移行に応じて、前記スキージを前記スクリーンから離間した上昇位置に保って前記印刷領域から前記はんだ供給領域へ移動させ、スキージを下降させた後、前記はんだ供給領域から前記印刷領域へ移動させてクリーム状はんだを前記印刷領域へ取り込むクリーム状はんだ取込制御部を含む(4)項に記載のスクリーン印刷機。
本項の特徴を採用すれば、(5)項の発明におけるはんだ供給検出装置を省略することが可能となる。
(7)さらに、前記はんだ供給領域において、前記スクリーン上にクリーム状はんだが設定量以上載せられているか否かを検出するはんだ供給検出装置を含む(1)項または(2)項に記載のスクリーン印刷機。
はんだ供給検出装置は、(5)項と同様に説明される。
はんだ供給検出装置が設けられれば、実際にはんだが供給されたか否かがわかる。そのため、設定量以上のはんだの供給の検出に基づいて、例えば、はんだが印刷領域へ取り込まれるようにすることができる。あるいは、はんだ供給検出装置をはんだ量検出装置とすることにより、指定された量のはんだが正確に供給されるようにすることができる。はんだ量検出装置は、検出機能および報知機能を備え、供給されたはんだの量が報知されることにより、作業者の作業が容易になるようにされたり、あるいは所定量のはんだが載せられたことが報知されるように構成される。
(8)前記遮蔽装置が、
湾曲可能なシャッタと、
そのシャッタの両側縁部を案内する一対の案内レールと、
その案内レールに沿って前記シャッタを移動させるシャッタ移動装置と
を含む(3)項ないし(6)項のいずれかに記載のスクリーン印刷機。
遮蔽装置を、スクリーンに平行な回動軸線のまわりの回動により遮蔽状態と非遮蔽状態とを取る回動型遮蔽板とすることも可能である。しかし、本項の態様とすれば、はんだ供給領域を小さくしながら遮蔽装置とスキージ移動装置との干渉を回避することが容易となる。なお、スクリーンに平行な回動軸線とは、スクリーンに平行でスキージの移動方向と交差する方向に延びる回動軸線であり、例えば、スクリーンに平行でスキージの移動方向と直交する方向に延びる回動軸線とされる。
シャッタとしては、次項に記載のものが特に好適であるが、例えば、可撓性を有する1枚のシートにより構成することも可能である。シートが軟質合成樹脂から成るものである場合には、スクリーンに平行に延びる棒材を複数本、間隔をあけてシートに固定したり、あるいは一対の案内レールを、シートの両縁部を、それら両縁部が互いに接近することを阻止しつつ案内可能なものとしたりすることにより、シートの垂れ下がりを防止することが望ましい。後者の場合には、例えば、シートの両縁部に筒状部を設け、あるいはシートの両縁に環状部材を複数個、互いに間隔をあけて取り付け、それら筒状部や環状部材に、一対の棒状の案内レールの各々を通したり、シートの両縁部に、シートの厚さより厚い被案内部を設ける一方、一対の案内レールを、断面形状がC字形を成し、Cの字の開口部が互いに対向するものとし、被案内部の各々を一対の案内レールの各々に案内させたりすればよい。これらの対策は、シートが金属や硬質合成樹脂等、硬質材料の薄板から成るものである場合にも採用可能であるが、省略し、案内レールを、単純にシートの両縁部を案内するものとすることも可能である。
印刷領域をはんだ供給領域に対して遮蔽するためには、遮蔽部材が、スクリーンに直角な方向の成分が平行な方向の成分より大きい方向に存在することが望ましく、非遮蔽状態とするためには、遮蔽部材が少なくともスキージのはんだ供給領域への移動を許容する位置へ退避させられることが必要である。湾曲可能なシャッタであれば、形状変化の自由度が高く、スクリーン印刷機の大形化を抑制しつつ、遮蔽装置が遮蔽状態と非遮蔽状態とを取るようにすることができる。また、シャッタの移動が案内レールによって案内されることにより、シャッタの移動経路が確定され、安定して遮蔽状態に保たれる。
遮蔽装置は、上記以外の態様のシャッタを含む装置とされてもよく、シャッタ以外の遮蔽部材を含む装置とされてもよい。また、遮蔽装置が案内レールを含むことは不可欠ではなく、案内レールは省略されてもよい。例えば、遮蔽装置は、可撓性を有する1枚のシートと、そのシートを巻き取る巻取装置あるいはたくし取り装置とを含む装置とされてもよく、あるいはスクリーンに平行な方向に長い横長の3枚以上の板状部材が、それらの長手方向の各両端部がそれぞれ紐状部材により連結されて湾曲可能なブラインド状の装置とされ、開閉カバーの内面から下方へ吊り下げられてもよい。これらの装置においてシートや板状部材は案内レールにより案内されてもよく、案内されなくてもよい。
さらに、遮蔽装置は、シャッタ等の遮蔽部材が案内レールに案内されて、スクリーンに平行でスキージ移動方向と交差する方向、例えば、直交する方向に移動させられ、遮蔽状態と非遮蔽状態とが取られる装置とされてもよい。例えば、案内レールは開閉カバーの内側面に、その内側面に沿って設けられ、遮蔽部材は開閉カバーから下方へ垂下させられたものとされる。
(9)前記シャッタが、前記スクリーンに平行な方向に長い横長の3枚以上の板状部材が、長手方向に平行な辺同士において相対回動可能に連結されたものである(8)項に記載のスクリーン印刷機。
隣接する板状部材の相対回動により、シャッタの湾曲が許容される。
板状部材は、5枚以上、連結することが望ましい。
(10)前記シャッタ移動装置が、前記シャッタから前記開閉カバーの外部へ延び出させられ、手動操作により、前記シャッタを前記遮蔽状態に対応する遮蔽位置と前記非遮蔽状態に対応する非遮蔽位置とへ移動させ得る手動操作部材を含む(8)項または(9)項に記載のスクリーン印刷機。
シャッタ移動装置を動力駆動源を備え、駆動エネルギの供給により遮蔽位置と非遮蔽位置とへ移動させるものとすることも可能である。しかし、本項の態様とすれば、安価に目的を達し得る。
(11)前記案内レールが、前記スクリーンに平行な方向の成分が直角な方向の成分より大きい方向に延びる第1部分と、前記スクリーンに直角な方向の成分が平行な方向の成分より大きい方向に延びる第2部分と、それら第1部分と第2部分とを滑らかにつなぐ湾曲部とを備えた(8)項ないし(10)項のいずれかに記載のスクリーン印刷機。
第1部分はカバーの内面に平行な方向に延び、第2部分はスクリーンに直角な方向に延びるようにされることが望ましい。しかし、不可欠ではなく、カバーの内面やスクリーンに直角な方向に対して傾斜した方向に延びるようにされてもよい。
シャッタが案内レールに案内されて移動させられることにより、第2部分が印刷領域とはんだ供給領域との間に位置する位置と、それら領域の間から離脱させられた位置とに移動させられる。
(12)さらに、
作業者によって操作されるはんだ供給許可要求装置と、
そのはんだ供給許可要求装置の操作に応じて、前記スキージ移動装置に、前記スキージを前記はんだ供給領域から離れた位置に停止した状態を維持させて、クリーム状はんだの供給を許可するはんだ供給許可部と
を含む(1)項または(2)項に記載のスクリーン印刷機。
クリーム状はんだを供給する必要が生じた場合、作業者が供給許可要求装置を操作すれば供給許可部が作動し、スキージをはんだ供給領域から離れた位置に停止させる。したがって、はんだ供給作業を安全に行うことができ、かつ、スキージやスキージ移動装置がはんだ供給作業の邪魔になることもない。
本項におけるはんだ供給許可部は、少なくとも、スキージ移動装置に、スキージをはんだ供給領域から離れた位置に停止した状態を維持させること自体によってクリーム状はんだの供給を許可するものであればよいが、さらに、クリーム状はんだの供給が可能な状態にあることを作業者に報知する報知装置と、後述のはんだ供給窓の扉を開かない状態にロックするロック装置との少なくとも一方を含むものとすることも可能である。報知装置は、ブザー,表示装置およびランプ等、種々の態様により構成される。
上記「はんだ供給領域から離れた位置」は、印刷作業時におけるスキージの2つのストロークエンドのうちのはんだ供給領域から遠い側のストロークエンド、またはスキージの最大移動可能領域の、はんだ供給領域から遠い側の端とされることが望ましい。この場合には、スキージが1枚の回路基板に対する印刷の終了位置あるいはそれより遠い位置に停止させられることとなるため、クリーム状はんだの供給後、スキージを、次の回路基板に対する印刷を行わせつつはんだ供給領域へ移動させ、クリーム状はんだの取込みを行わせることが可能となる。
本項が(2)項に従属する態様においては、上記はんだ供給許可要求装置およびはんだ供給許可部が接触防止装置の一例をなすことになる。
本項のスクリーン印刷機では、はんだ供給領域は印刷領域に隣接して設定されてもよく、印刷領域内に設定されてもよい。
(13)さらに、前記はんだ供給窓の前記扉が前記閉状態にある状態では前記スキージ移動装置の作動を許容し、前記閉状態にない状態では禁止する作動禁止部を含む(1)項,(2)項または(12)項に記載のスクリーン印刷機。
はんだ供給窓の扉が開かれれば、作動禁止部によりスキージ移動装置の作動が禁止される。スキージ移動装置が作動中であれば、停止させられ、停止中であれば作動開始が禁止されるのであり、はんだ供給作業中に作業者の手がスキージやスキージ移動装置に接触することがなく安全に作業を行うことができる。
特に、本項が(12)項に従属する場合には、本来は、はんだ供給許可要求装置が操作され、スキージが印刷可能領域から離れた所定の位置に停止させられた状態ではんだ供給作業が行われることが予定されているのであるが、作業者がはんだ供給許可要求装置を操作することなくはんだ供給窓の扉を開いてしまうことがあり得る。本項に係るスクリーン印刷機においては、その場合にも、スキージ移動装置の作動が禁止され、安全が確保される。
本項が(2)項に従属する態様においては、上記作動禁止部が接触防止装置の一例をなすことになる。
(14)前記はんだ供給許可部が、前記スキージが前記はんだ供給領域から離れた位置である離間位置にあることを検出するスキージ離間検出装置を含み、そのスキージ離間検出装置により前記スキージが前記離間位置にあることが検出されている状態で、クリーム状はんだの供給を許可するものである(12)項または(13)項に記載のスクリーン印刷機。
スキージ離間検出装置は、スキージがはんだ供給領域から、設定距離以上離れた位置にあることを検出し得るものであればよく、スキージの移動可能領域の、はんだ供給領域から最も遠い側の端の位置である最離間位置にあることを検出するものでも、スキージの移動可能領域内に設定された設定位置にあることを検出するものでも、その設定位置と上記最離間位置との間の領域にあることを検出するものでもよい。
本項の特徴によれば、スキージが確実に離間位置にある状態で扉が開状態とされることが許容され、より高い安全性が得られる。
(15)さらに、
(a)前記はんだ供給窓の前記扉が前記閉状態にない状態から前記閉状態に移行したことを検出する扉閉状態移行検出装置と、(b)前記はんだ供給領域において、前記スクリーン上にクリーム状はんだが設定量以上載せられていることを検出するはんだ供給検出装置と、(c)作業者による操作に応じて取込指令を発する取込指令発生装置との少なくとも1つと、
その少なくとも1つからの情報に応じて、前記スキージを前記スクリーンから離間した上昇位置に保って前記印刷領域から前記はんだ供給領域へ移動させ、スキージを下降させた後、前記はんだ供給領域から前記印刷領域へ移動させてクリーム状はんだを前記印刷領域へ取り込むクリーム状はんだ取込制御部と
を含む(12)項ないし(14)項のいずれかに記載のスクリーン印刷機。
(b)と(c)との少なくとも一方と(a)との組合わせが望ましい。
(16)さらに、(a)前記スクリーンの下方領域に設けられ、そのスクリーンの下面に沿って移動してその下面の清掃を行うスクリーン清掃装置と、(b)前記スクリーンの下方領域に、そのスクリーンの下面に沿って移動し、その下面に設けられた基準マークを撮像する基準マーク撮像装置との少なくとも一方を含み、かつ、前記開閉カバーが前記閉状態にある状態では、その開閉カバーと前記スクリーンとの隙間から作業者の手が前記下方領域へ入らない状態で設けられた構成を含む(1)項ないし(15)項のいずれかに記載のスクリーン印刷機。
本項が(2)項に従属する態様においては、上記「前記開閉カバーが前記閉状態にある状態では、その開閉カバーと前記スクリーンとの隙間から作業者の手が前記下方領域へ入らない状態で設けられた構成」が接触防止装置の一例をなすことになる。
(17)さらに、前記開閉カバーが前記閉状態にある状態では当該スクリーン印刷機の作動を許容し、前記閉状態にない状態では作動を禁止し、前記スクリーン清掃装置と前記基準マーク撮像装置との前記少なくとも一方の移動は、前記はんだ供給窓の前記扉の開閉状態のいかんを問わず許容する作動抑制部を含む(16)項に記載のスクリーン印刷機。
スクリーン清掃装置および基準マーク撮像装置はスクリーンの下方領域に設けられ、カバーにより覆われているため、扉が開けられても、作業者が触る恐れがない。そのため、扉が開かれ、はんだの供給が行われるのと並行してスクリーンの清掃および基準マークの撮像を行うことができ、はんだ供給時にはスクリーン印刷機を構成する全部の動作装置の作動が禁止される場合に比較して、稼働率を向上させることができる。
本項が(2)項に従属する態様においては、作動抑制部が接触防止装置の一例をなすことになる。
(18)さらに、前記開閉カバーが前記閉状態にある状態では当該スクリーン印刷機の作動を許容し、前記閉状態にない状態では作動を禁止する作動禁止部を含む(1)項ないし(16)項のいずれかに記載のスクリーン印刷機。
開閉カバーが閉状態にない状態とされれば、作業者はスキージやスキージ移動装置のみならず、スクリーンの下方領域に設けられた動作装置にも触れることが可能となる。本項の特徴によれば、開閉カバーが閉状態にない状態とされれば、作動禁止により、スクリーン印刷機が停止中であれば、作動開始不能とされ、作動中であれば停止させられる。それにより、作業者が作動中の動作装置に触れることが防止され、安全性が確保される。
(19)さらに、
当該スクリーン印刷機の内部空間内の動作装置と、
その動作装置と作業者の手が接触する可能性がある状態では、前記はんだ供給窓の前記扉を開かない状態にロックするロック装置と
を含む(1)項ないし(18)項のいずれかに記載のスクリーン印刷機。
作業者がその手が動作装置と接触する可能性がある状態で誤って扉を開くことが防止され、安全性が一層高められる。
動作装置は、(2)項と同様に説明される。
(20)さらに、前記印刷領域において、前記スクリーン上に載せられているクリーム状はんだが設定量以下になった場合に、その事実を作業者に報知する報知装置を含む(1)項ないし(19)項のいずれかに記載のスクリーン印刷機。
作業者は報知に応じて、スクリーン印刷機外でクリーム状はんだの練合わせを開始し、練合わせ終了後にはんだ供給領域へ供給することができる。クリーム状はんだの練合わせが、クリーム状はんだの供給に適した時期に終了するように、報知装置による報知が行われるようにされるのである。スクリーン印刷機外での練合わせは、手動で行っても、機械によってもよい。しかし、手動による練合わせが機械による練合わせより優れていることが多く、本項の特徴は、手動による練合わせが行われる場合に特に有効である。
報知装置は、ブザー,表示装置およびランプ等、種々の態様により構成される。報知により、作業者ははんだの減少を確実に知ることができ、はんだの供給準備および供給を遅れなく行うことができる。
(21)貫通孔を有するスクリーン上に載せられたクリーム状はんだを、スキージ移動装置により移動させられるスキージによってスクリーンに沿って移動させ、前記貫通孔を通してクリーム状はんだを回路基板に印刷するスクリーン印刷機であって、
前記スクリーン上の、前記スキージが前記クリーム状はんだを移動させて印刷を行う印刷領域から外れた位置に、クリーム状はんだを供給するためのはんだ供給領域が設定されたことを特徴とするスクリーン印刷機。
印刷領域にも貫通孔が形成されず、回路基板のスクリーンへの接触に備えてはんだが待機させられる部分は設けられるが、狭く、作業者ははんだの供給作業がやり難い。そのため、スクリーン上に、クリーム状はんだを供給するための専用のはんだ供給領域が設けられれば、広く、供給作業が容易となる。
また、はんだ供給領域は印刷領域から外れていて、印刷時にはスキージが移動して来ないため、作業者は、作業中のスキージと干渉しないようにはんだの供給作業を行うことが可能であり、印刷と並行してはんだ供給作業を行うことが可能となる。はんだ供給領域には貫通孔が形成されず、クリーム状はんだが漏れることがないため、スクリーンに回路基板が接触させられてクリーム状はんだが漏れない状態にあるか否かに関係なく、はんだの供給を行うことができる。はんだ供給領域のスキージ移動方向における寸法が大きいほど、作業者とスキージとの接触の可能性が低くなり、作業者は安全にはんだ供給作業を行うことが可能となる。スクリーン上の印刷領域から外れた位置にはんだ供給領域が設定される構成が接触防止装置の一例を成すと考えることができる。
本項の特徴は(1)項ないし(20)項に記載の特徴と組み合わせて採用することも可能である。
(22)さらに、印刷の実行時には、前記スキージ移動装置に前記スキージを前記印刷領域内において往復移動させ、クリーム状はんだの供給時には、前記スキージ移動装置に前記スキージを前記印刷領域の両端の一方を超えて前記はんだ供給領域まで移動させ、そのはんだ供給領域に供給されたクリーム状はんだを前記印刷領域へ取り込ませるスキージ移動装置制御部を含む(21)項に記載のスクリーン印刷機。
はんだ供給領域に供給されたクリーム状はんだを、専用のはんだ移動装置により、はんだ供給領域から印刷領域へ移動させるようにすることも可能である。しかし、スキージ移動装置の制御部を本項に記載のものとすれば、スキージ移動装置によるスキージの移動ストロークを延ばし、印刷時とは異なる位置へ移動させ、印刷のためにスキージを移動させるスキージ移動装置に、クリーム状はんだをはんだ供給領域から印刷領域へ移動させる装置を兼ねさせることができ、スクリーン印刷機の製造コストを低減することができる。
本項の特徴は(1)項ないし(20)項に記載の特徴と組み合わせて採用することも可能である。
(23)前記印刷領域と前記はんだ供給領域とを覆うカバーと、
そのカバーの、前記はんだ供給領域に対応する部分に形成されたはんだ供給口と、そのはんだ供給口を開放する開状態と閉塞する閉状態とを取り得る扉とを備えたはんだ供給窓と
を含み、前記カバーの内側に、前記印刷領域を前記はんだ供給領域に対して遮蔽する遮蔽状態と遮蔽しない非遮蔽状態とを取り得る遮蔽装置が設けられた(21)項または(22)項に記載のスクリーン印刷機。
本項におけるように、作業者の手が印刷領域に入ることを物理的に阻止するようにすれば、はんだ供給領域にクリーム状はんだが供給される際に、作業者の手が移動中のスキージあるいはスキージ移動装置と接触することをより確実に防止することができる。ただし、不可欠ではない。例えば、印刷領域とはんだ供給領域との間に、互いに対向する投光器と受光器とを1組以上含む光学的検出装置を設け、遮蔽物によって投光器の光が遮られた場合に、作業者の手等が印刷領域に侵入したとしてスクリーン印刷機の作動を停止させるようにすることも可能である。
カバーはスクリーン印刷機の内部空間へのアクセスを許容する開状態と、アクセスを許容しない閉状態とを取り得る開閉カバーとされてもよく、固定のカバーとされてもよい。
また、遮蔽装置は省略してもよい。
本項の特徴は(1)項ないし(20)項に記載の特徴と組み合わせて採用することも可能である。
本スクリーン印刷機において回路基板12へのはんだの印刷は、開閉カバー242および扉264が閉じられ、シャッタ282が開かれて非遮蔽状態とされた状態で行われる。スキージ110,112はスキージ移動装置122により、印刷領域の前側位置と後側位置との間を往復移動させられ、交互に回路基板12へのはんだの印刷を行う。
あるいは、スキージ110,112が後側位置から前側位置への移動によってはんだを回路基板12に印刷する際、その印刷終了後にはんだの取込みを行うことがわかっているのであれば、スキージ110,112を前側位置を超えて、そのままはんだ供給領域へ移動させ、はんだロール166を供給はんだ400と合わせてもよい。
あるいは、スキージ110,112を共に上昇位置へ移動させた状態で前側位置からはんだ供給領域へ移動させ、スキージ110が供給はんだ400を超えた位置で停止させた後、スキージ110を下降させてスクリーン100に接触させ、印刷領域へ移動させて供給はんだ400を移動させ、はんだロール166に合わせてもよい。この場合、印刷領域の端で練り合わせを行ってもよく、あるいは練り合わせを行うことなく、そのまま印刷が行われるようにしてもよく、あるいは印刷領域の前側位置において停止させられ、印刷に備えて待機させられてもよい。そのまま印刷が行われる場合、はんだ取込み時には、印刷開始位置が前側位置よりはんだ供給領域側の位置に変更されることとなる。
スキージ110,112は、スキージ112によるはんだの印刷が終了し、前側位置に位置する状態では、後側のスキージ112が上昇位置へ上昇させられ、前側のスキージ110がスクリーン100に押し付けられた状態とされるのに限らず、後側のスキージ112がスクリーン100に押し付けられ、前側のスキージ110が上昇位置へ上昇させられた状態とされてもよく、スキージ110,112が共に上昇位置に上昇させられた状態とされてもよい。また、スクリーン100の印刷領域上のはんだロール166と供給領域上に載せられた供給はんだ400とは、はんだロール166を印刷領域からはんだ供給領域へ移動させて供給はんだ400と合わせるのに限らず、供給はんだ400をはんだ供給領域から印刷領域へ移動させてはんだロール166と合わせてもよい。スキージ110,112のいずれによってはんだを移動させるかは、スキージ110,112の前側位置における状態とは関係なく、はんだロール116と供給はんだ400とのいずれを移動させるかによって決まり、はんだロール166を移動させる場合、その移動は後側のスキージ112により行われる。供給はんだ400を移動させる場合、上述のように、スキージ110,112はいずれも上昇位置に位置する状態ではんだ供給領域へ移動させられ、前側のスキージ110によって供給はんだ400がはんだロール166側へ移動させられる。前側位置においてスキージ110,112の一方がスクリーン100に押し付けられているのであれば、その一方のスキージが上昇位置へ上昇させられ、スキージ110,112がいずれも上昇位置に位置する状態とされて、はんだ供給領域へ移動させられる。さらに、はんだの練合わせは行われてもよく、行われなくてもよい。練合わせが行われる場合、はんだ供給領域で行われてもよく、印刷領域のはんだ供給領域側の端で行われてもよい。スキージ110,112は、練合わせが行われる領域において、交替でスクリーン100に接触させられるとともに、スクリーン100に沿って移動させられる。
さらに、はんだの練合わせおよび取込みと並行して、回路基板12の搬出,搬入,保持,基準マークの撮像および位置合わせが行われるようにしてもよい。
また、はんだの取込みに先行して、少なくとも押さえ部70がスクリーン100の下面に密着させられるようにすること(回路基板12の搬出,搬入,保持は行われても、行われなくてもよい)も可能である。このようにすれば、はんだの取込み時にスクリーン100がスキージ110から離間してはんだの掻き残しが発生じることを一層確実に防止することができる。
はんだ量の減少が報知されたにもかかわらず、はんだの供給が行われず、あるいははんだの供給が間に合わず、はんだロール166の高さが第2設定高さ以下になれば、クリーム状はんだ供給制御ルーチンのS27の判定結果がYESになってS28が実行され、印刷中断フラグがセットされる。それにより、印刷制御ルーチンのS4の判定結果がYESになってS13が実行され、第2カウンタのカウント値C2が設定値Cb以上であるか否かの判定が行われる。第2設定高さは、前述のように、はんだ不足を検出する高さに設定され、さらに詳細には、スクリーン100の印刷領域上のはんだの量が、はんだの高さが第2設定高さ以下になった後も数枚の回路基板12への印刷を行うことができ、その後に印刷続行が困難となる量になったことを検出する高さに設定されている。そのため、印刷中断フラグがセットされても、直ちには印刷が中断されず、設定枚数の回路基板12へのはんだの印刷を行うことができる。レーザ式高さ検出装置150によるはんだロール166の高さの検出にはばらつきがあり、実際には印刷を中断するほど、はんだの量が減少していないにもかかわらず、はんだロール166の高さが第2設定高さ以下であると判定されることがあり得る。そのため、一旦、はんだロール166の高さが第2設定高さ以下であると判定されても、さらに回路基板12へのはんだの印刷が行われるうちに、クリーム状はんだ供給制御ルーチンのS27においてはんだロール166の高さが第2設定高さより高いと判定され、検出のばらつきによる誤判定が訂正されるようにされているのである。
はんだ供給時期検出装置は、例えば、はんだ供給後、はんだが印刷された回路基板12の枚数をカウントし、その枚数が設定枚数以上になれば、はんだ供給時期が到来したと判定する装置としてもよい。設定枚数は、1枚の回路基板12に印刷されるはんだの量に応じて設定され、回路基板12の種類と対応付けて設定される。
本スクリーン印刷機においては、はんだ供給検出装置が設けられておらず、図示は省略するが、はんだ供給台は、可動台,ロードセルおよびガイドロッドがなく、スクリーンを下方から支持する固定の台とされている。その他の構成は前記実施形態のスクリーン印刷機と同じであり、印刷制御,作動許可判定および作動停止制御は同様に実行されるため、説明を省略する。
本スクリーン印刷機においては、印刷制御コンピュータのクリーム状はんだ供給制御ルーチンのS65,S66,S68,S69を実行する部分が供給窓・遮蔽装置状態移行検出部を構成し、印刷制御ルーチンのS3を実行する部分が、扉264の開閉状態およびシャッタ282の遮蔽,非遮蔽状態の移行に応じて、供給されたはんだをはんだ供給領域から印刷領域へ取り込むクリーム状はんだ取込制御部を構成している。
本スクリーン印刷機は、図23に示すように、遮蔽装置が設けられていない。そのため、作業者は、はんだ供給窓260の扉264を開いてはんだ供給台230にはんだを載せるのであるが、その供給作業は、スキージ装置16が非作動状態にあり、かつ、スキージ110,112が図23に二点鎖線で示す後側位置に位置する状態で行われるようにされている。
本スクリーン印刷機においては、前記各実施形態のスクリーン印刷機と同様に、はんだロール166の高さが第1設定高さ以下になれば、その旨が作業者に報知される。作業者は新しいはんだを練って供給の準備を行い、準備が完了し、あるいは準備完了が近くなれば、表示装置378の入力機能を使用してはんだ供給許可要求を入力する。本スクリーン印刷機では、スキージ装置16が作動していない状態、例えば、印刷終了後、回路基板12の搬出,搬入が行われるまでの間と、搬入された回路基板12について基準マークの撮像および位置合わせが行われた後、印刷が開始されるまでの間とにおいてそれぞれ、はんだ供給許可要求が入力されたか否かの判定が行われ、要求があれば、スクリーン印刷機がはんだの供給が行われる状態とされる。
本クリーム状はんだ供給制御ルーチンは、はんだが設定量以上供給された後に、シャッタが非遮蔽状態にあるか否かの判定が行われないことを除いて、図19に示すクリーム状はんだ供給制御ルーチンと同様に構成されている。そのため、はんだロール166の高さが第1設定高さ以下になれば、はんだ減少が報知されるとともに、はんだ減少フラグがセットされる(S140〜S143)。
まず、はんだ供給許可要求が入力されていない場合を説明する。この場合、要求入力フラグおよび要求受付フラグがいずれもリセットされているため、S101の判定結果がNOになってS102が実行され、印刷中断フラグがセットされているか否かの判定が行われる。印刷中断フラグがリセットされているとすれば、S102の判定結果がNOになり、S103〜S105が前記印刷制御ルーチンのS5〜S7と同様に実行され、回路基板12の搬出,搬入,回路基板12の保持,基準マークの撮像および位置合わせが行われる。
この場合には、はんだ供給許可要求処理ルーチンのS163の実行により、要求入力フラグがセットされる。はんだ供給許可要求が、回路基板12へのはんだの印刷開始後、回路基板12の搬出,搬入前に行われたとすれば、印刷制御ルーチンのS101の判定結果がYESになってS121が実行され、スキージ110,112が後側位置に位置するか否かの判定が行われる。この判定は、スキージ後側位置検出装置450の検出信号に基づいて行われる。スキージ110,112が後側位置に位置するとすれば、S121の判定結果がYESになってS122が実行され、ディスプレイ376にはんだの供給が可能である旨が表示されるとともに、ロック装置480による扉264のロックが解除される。それにより、扉264が開かれることが許容され、作業者は扉264を開き、はんだを可動台234上に載せることができる。この際、スキージ110,112は後側位置において停止させられており、作業者が触れる恐れがない。また、要求受付フラグがセットされる。
なお、はんだ供給検出装置が省略され、扉264が閉状態にない状態から閉状態への移行により、はんだが供給されたとされ、はんだの取込みが行われるようにされてもよい。
本遮蔽装置500のシャッタは、軟質合成樹脂製の透明なシート502により構成されている。シート502には、その両縁部にそれぞれ、筒状部504が設けられ、開閉カバー(図示省略)の内面に取り付けられた1対の棒状の案内レール506の各々に移動可能に通されている。それにより、シート502は張った状態に保たれ、垂れ下がりが防止される。これら案内レール506は、前記案内レール284と同様に、第1部分508,第2部分510および湾曲部512を有する。シート502にはまた、1対の筒状部504の後端部にそれぞれ、手動操作部材としての棒状部材514が突設され、シャッタ移動装置516を構成し、開閉カバーの外側へ突出させられている。作業者は、棒状部材514を持ち、案内レール506に案内させつつシート502を遮蔽位置と非遮蔽位置とに移動させる。
本スキージ離間検出装置550は、ハウジング240の印刷機前後方向に平行な1対の側壁部552に設けられた複数の光電センサ554を含む。これら光電センサ554はそれぞれ、例えば、透過型の光電センサとされ、スキージ110,112の移動可能領域のうち、移動方向において中央よりはんだ供給領域側の部分にそれぞれ、移動方向において距離を隔てて設けられている。この距離は、スライド130の移動方向の寸法より短くされており、各光電センサ554の発光部および受光部は、印刷機幅方向において互いに対向して設けられている。
なお、スキージ110,112の検出領域は、移動可能領域の半分に限らず、例えば、スキージの大きさ,スライドの大きさび移動可能領域の大きさ等に応じて設定することができる。
また、開閉カバーは回動型に限らず、印刷機本体に沿ってスクリーンに平行な方向にスライドするスライド型あるいはスクリーンに直角な方向においてスクリーンに接近,離間させられる移動型とされてもよい。
Claims (5)
- 貫通孔を有するスクリーン上に載せられたクリーム状はんだを、スキージ移動装置により移動させられるスキージによってスクリーンに沿って移動させ、前記貫通孔を通してクリーム状はんだを回路基板に印刷するスクリーン印刷機であって、
当該スクリーン印刷機の内部空間へのアクセスを許容する開状態と、アクセスを許容しない閉状態とを取り得、内側の前記スクリーンの上方に、前記スキージが前記クリーム状はんだを移動させて印刷を行う印刷領域と、その印刷領域に隣接してはんだ供給領域とが設定された開閉カバーと、
その開閉カバーの、前記はんだ供給領域に対応する部分に形成されたはんだ供給口と、そのはんだ供給口を開放する開状態と閉塞する閉状態とを取り得る扉とを備えたはんだ供給窓と、
そのはんだ供給窓からクリーム状はんだが前記はんだ供給領域へ供給される際、作業者の手が、少なくとも前記スキージ移動装置を含む当該スクリーン印刷機の動作装置と接触することを防止する接触防止装置と、
を含み、その接触防止装置が、前記印刷領域を前記はんだ供給領域に対して遮蔽する遮蔽状態と遮蔽しない非遮蔽状態とを取り得る遮蔽装置を含むスクリーン印刷機。 - さらに、
前記遮蔽装置が少なくとも前記遮蔽状態にあることを検出する遮蔽装置状態検出装置と、
前記はんだ供給窓の閉状態を検出する供給窓閉状態検出装置と、
その供給窓閉状態検出装置が前記閉状態を検出していない状態で、前記遮蔽装置状態検出装置が前記遮蔽状態を検出していれば、当該スクリーン印刷機の作動を禁止せず、前記遮蔽装置状態検出装置が前記遮蔽状態を検出していなければ、当該スクリーン印刷機の作動を禁止する作動禁止部と
を含む請求項1に記載のスクリーン印刷機。 - 前記遮蔽装置状態検出装置が前記遮蔽装置が前記非遮蔽状態にあることを検出するものであり、
当該スクリーン印刷機がさらに、
前記はんだ供給領域において、前記スクリーン上にクリーム状はんだが設定量以上載せられているか否かを検出するはんだ供給検出装置と、
そのはんだ供給検出装置がクリーム状はんだが前記設定量以上載せられていることを検出している状態で、前記供給窓閉状態検出装置が前記閉状態を検出し、かつ、前記遮蔽装置状態検出装置が前記非遮蔽状態を検出していれば、前記スキージを前記スクリーンから離間した上昇位置に保って前記印刷領域から前記はんだ供給領域へ移動させ、スキージを下降させた後、前記はんだ供給領域から前記印刷領域へ移動させてクリーム状はんだを前記印刷領域へ取り込むクリーム状はんだ取込制御部と
を含む請求項2に記載のスクリーン印刷機。 - 前記遮蔽装置が、
湾曲可能なシャッタと、
そのシャッタの両側縁部を案内する一対の案内レールと、
その案内レールに沿って前記シャッタを移動させるシャッタ移動装置と
を含む請求項1ないし3のいずれかに記載のスクリーン印刷機。 - 貫通孔を有するスクリーン上に載せられたクリーム状はんだを、スキージ移動装置により移動させられるスキージによってスクリーンに沿って移動させ、前記貫通孔を通してクリーム状はんだを回路基板に印刷するスクリーン印刷機であって、
当該スクリーン印刷機の内部空間へのアクセスを許容する開状態と、アクセスを許容しない閉状態とを取り得る開閉カバーと、
その開閉カバーの、前記スクリーン上に設定されたはんだ供給領域に対応する部分に形成されたはんだ供給口と、そのはんだ供給口を開放する開状態と閉塞する閉状態とを取り得る扉とを備えたはんだ供給窓と、
(a)前記スクリーンの下方領域に設けられ、そのスクリーンの下面に沿って移動してその下面の清掃を行うスクリーン清掃装置と、(b)前記スクリーンの下方領域に設けられ、そのスクリーンの下面に沿って移動し、その下面に設けられた基準マークを撮像する基準マーク撮像装置との少なくとも一方と、
前記開閉カバーが前記閉状態にある状態では当該スクリーン印刷機の作動を許容し、前記閉状態にない状態では作動を禁止し、前記スクリーン清掃装置と前記基準マーク撮像装置との前記少なくとも一方の移動は、前記はんだ供給窓の前記扉の開閉状態のいかんを問わず許容する作動抑制部と
を含み、かつ、前記開閉カバーが前記閉状態にある状態では、その開閉カバーと前記スクリーンとの隙間から作業者の手が前記下方領域へ入らない構成とされたスクリーン印刷機。
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