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JP5534914B2 - パンツ型吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、使い捨ておむつ等のパンツ型吸収性物品に関する。
従来、着用者の腹側に配される腹側部、着用者の股間部に配される股下部及び着用者の背側に配される背側部に亘る砂時計状の外装体と、該外装体の内面側に固定された吸収性本体とを備え、腹側部における外装体の両側縁部と背側部における外装体の両側縁部とが接合されてウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型吸収性物品が知られている。
このようなパンツ型吸収性物品を連続生産する際には、外装体の帯状原反にレッグ開口部形成用の貫通孔や切り欠きを形成し、不要な部分をトリムとして除去するのが一般的である。
また、従来のパンツ型吸収性物品として、外装体が、着用者の腹側に配される腹側外装体と、着用者の背側に配される背側外装体とに分割されており、吸収性本体が、腹側外装体及び背側外装体に架け渡すように固定されていると共に、腹側外装体の左右の両側縁部と背側外装体の左右両側縁部とが接合されているパンツ型吸収性物品が知られている。例えば、特許文献1には、そのようなパンツ型吸収性物品として、前ベルト部分及び後ろベルト部分からなる環状弾性ベルトと吸収性本体とを備えると共に、後ろベルト部分(背側外装体)の縦方向の長さを、前ベルト部分(腹側外装体)の縦方向の長さよりも長くしたプルオン衣類が記載されている。
また、従来のパンツ型吸収性物品として、特許文献2には、腹側外装シートと背側外装シートとから形成された筒状の胴回り部と吸収性本体とを備え、背側外装シートが背側本体部とその下側に延出する背側延出部とを有し、該背側延出部の両側である臀部カバー部に設けられた第2弾性伸縮部材の伸張率を、背側本体部の中間部および下端部に設けられた第1弾性伸縮部材の伸張率よりも高くしたパンツ型紙おむつが記載されている。
特表2008−508082号公報 特開2008−178682号公報
外装体が、着用者の腹側に配される腹側外装体と着用者の背側に配される背側外装体とに分割されたパンツ型吸収性物品は、外装体の帯状原反からのトリムの除去を不要としたり、除去すべきトリムの小型化等を図ることができるが、他方において、ウエスト開口部及び/又はレッグ開口部の締め付け力を高めなければずれ落ち易くなるという問題があった。
特許文献1のプルオン衣類は、後ろベルト部分の縦方向の長さが、前ベルト部分(腹側外装体)の同長さより長いことによって、着用者の臀部の被覆性が高められている。しかし、特許文献1のプルオン衣類においても、ウエスト開口部及び/又はレッグ開口部の締め付け力を高めなければ、ずれ落ち易くなるという問題があった。
特許文献2のパンツ型紙おむつは、背側外装シートの背側延出部に配置する弾性伸縮部材の伸張率を工夫することで、該背側延出部における膨らみや捲れを防止している。また、腹側外装シートにも、筒状の胴回り部を形成する腹側本体部より下側に延出する腹側延出部を有していてもよいことが開示されている。しかし、特許文献2のパンツ型紙おむつの延出部においては、股間側に近づくにつれて外装シートの幅が狭められており、発生するトリムを完全に不要とすることはできていない。
従って、本発明は、外装体が、着用者の腹側に配される腹側外装体と着用者の背側に配される背側外装体とに分割されたタイプのパンツ型吸収性物品でありながら、ずれ落ち防止性に優れたパンツ型吸収性物品に関する。
本発明は、着用者の腹側に配される腹側外装体と、着用者の背側に配される背側外装体と、腹側外装体及び背側外装体に架け渡すように固定された吸収性本体とを具備し、腹側外装体と背側外装体の吸収性物品縦方向に沿う両側縁部に、腹側外装体と背側外装体とを接合して形成されたサイドシール部を有するパンツ型吸収性物品であって、腹側外装体及び背側外装体は、それぞれ、吸収性物品縦方向の長さが前記サイドシール部の長さより長く、それぞれ、該サイドシール部より下方に延出する延出部分を有しており、腹側外装体の前記延出部分は、吸収性物品の横方向に伸縮性を有している、パンツ型吸収性物品を提供するものである。
また、本発明は、前記のパンツ型吸収性物品の製造方法であって、腹側外装体連続体と背側外装体連続体とを、両者間に所定の間隔を設けた状態て連続搬送しながら、腹側外装体連続体と背側外装体連続体とに吸収性本体を架け渡すように固定し、おむつ連続体を得る工程と、おむつ連続体を2つ折りする工程と、2つ折りしたおむつ連続体に、腹側外装体連続体及び背側外装体連続体それぞれの全幅に亘らないようにサイドシール部を形成する工程と、サイドシール部形成後のおむつ連続体を個々のおむつに分断する工程とを備えたパンツ型吸収性物品の製造方法を提供するものである。
本発明のパンツ型吸収性物品は、外装体が、着用者の腹側に配される腹側外装体と着用者の背側に配される背側外装体とに分割されたタイプのパンツ型吸収性物品でありながら、外観がよく、ずれ落ち防止性及び装着感に優れている。
図1は、本発明の一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつの使用状態(着用状態)を示す図であり、(a)は、腹側部側から見た図、(b)は、側方から見た図、(c)は、背側部側から見た図である。 図2は、図1に示すパンツ型使い捨ておむつの展開且つ伸張状態を示す一部破断平面図である。展開且つ伸長状態とは、サイドシール部を引き剥がして、パンツ型吸収性物品を展開状態とし、その展開状態の吸収性物品を、各部の弾性部材を伸長させて、設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで拡げた状態をいう。 図3は、図1に示すパンツ型使い捨ておむつにおける腹側又は背側外装体を示す一部破断拡大図である。 図4は、図1に示すパンツ型使い捨ておむつにおける延出部分伸縮部のおむつ横方向に沿う断面を示す図であり、(a)は、弾性部材24を伸長させて襞をなくした状態、(b)は弾性部材24が収縮して襞29が形成されている状態を示す図である。 図5は、図1に示すパンツ型使い捨ておむつの好ましい製造方法を示す図である。 図6は、本発明の他の実施形態のパンツ型使い捨ておむつを腹側外装体側から見た一部破断平面図である。 図7は、本発明の更に他の実施形態のパンツ型使い捨ておむつにおける股下部の断面を示す断面図である。 図8は、図7に示すパンツ型使い捨ておむつにおける、背側外装体又は腹側外装体の延出部分の断面を示す断面図である。 図9は、図1に示すパンツ型使い捨ておむつの他の好ましい製造方法を示す図である。
以下、本発明のパンツ型吸収性物品を、その好ましい一実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の第1実施形態であるパンツ型使い捨ておむつ1(以下、おむつ1ともいう)は、図1及び図2に示すように、着用者の腹側に配される腹側外装体2Aと、着用者の背側に配される背側外装体2Bと、腹側外装体2A及び背側外装体2Bに架け渡すように固定された吸収性本体3とを具備し、腹側外装体2Aの側縁部2a,2aと背側外装体2Bの側縁部2b,2bとが接合されて一対のサイドシール部4,4が形成されている。
また、腹側外装体2A及び背側外装体2Bは、それぞれ、吸収性物品縦方向の長さLa,Lbが、サイドシール部4の長さL4より長く、それぞれ、該サイドシール部4より下方に延出する延出部分21a,21bを有している。また、腹側外装体2Aの前記延出部分21aにおける、吸収性本体3の両側縁それぞれより外方に位置する部分が、吸収性物品の横方向(Y方向)に伸縮性を有している。ここで、吸収性物品の横方向に伸縮性を有するとは、横方向(Y方向)のみに伸縮性を有する場合に限られず、横方向(Y方向)及び縦方向(X方向)に伸縮性を有していても良い。また、平面内の全方向に伸縮するものであっても良い。
おむつ1についてより詳細に説明する。
おむつ1は、図1及び図2に示すように、着用時に、着用者の腹側に配される腹側部Aと、着用者の背側に配される背側部Bと、腹側部Aと背側部Bとの間に位置し、着用者の股間部に配される股下部Cを有している。おむつ(吸収性物品)1の縦方向は、おむつ1の展開且つ伸張状態(図2参照)において、腹側部Aから股下部Cを経て背側部Bに亘る方向又はその逆方向(図2中X方向)であり、おむつ(吸収性物品)1の横方向は、その縦方向に直交する方向(図2中Y方向)である。
おむつ1の吸収性本体3は、図2に示すように、液透過性の表面シート31、液不透過性又は撥水性の裏面シート32、及び両シート31、32間に介在配置された液保持性の吸収性コア33を有しており、X方向に長い長方形状に形成されている。
吸収性本体3の長手方向の両側部には、液抵抗性ないし撥水性で且つ通気性の素材から構成された側方カフス34,34が形成されている。各側方カフス34の自由端の近傍には、側方カフス弾性部材35が伸長状態で配されている。おむつ1を着用させる際には、側方カフス弾性部材35が収縮することにより側方カフス34が起立し、吸収性本体3から幅方向外方への液の流出が阻止される。表面シート31、裏面シート32及び吸収性コア33としては、それぞれ、この種の吸収性物品に従来用いられているものと同様のものを用いることができる。吸収性本体3の外側には不織布やフィルム等の外装シートが配されている。外装シートは裏面シート32と一体化されていてもよい。
腹側外装体2Aは、おむつ1の展開且つ伸長状態(図2参照)において、横長の長方形状をなしており、おむつ縦方向(X方向)に沿う左右一対の側縁部2a,2aと、おむつ横方向(Y方向)に沿う上下一対の端縁部2c,2dとを有している。背側外装体2Bも、同様に、横長の長方形状をなしており、おむつ縦方向(X方向)に沿う左右一対の側縁部2b,2bと、おむつ横方向(Y方向)に沿う上下一対の端縁部2c,2dとを有している。腹側外装体2Aと背側外装体2Bは、図2のようにおむつ縦方向(X方向)の長さがおむつ横方向(Y方向)において均一である。
そして、腹側外装体2Aの側縁部2aの一部2a’と、背側外装体2Bの側縁部2bの一部2b’とが接合されていることによって、おむつ1には、サイドシール部4,4、ウエスト開口部5及び一対のレッグ開口部6,6が形成されている。この接合には、例えばヒートシール、高周波シール、超音波シール、接着剤等が用いられる。図1には、ウエスト開口部5に幼児の胴部7a、レッグ開口部6,6に幼児の脚部7b,7bが挿通された状態が示されている。
吸収性本体3は、長手方向の一端側(腹側外装体2Aと重なっている部分)が、腹側外装体2AのY方向の中央部に接着剤を介して固定され、長手方向の他端側(背側外装体2Bと重なっている部分)が、背側外装体2BのY方向の中央部に接着剤を介して固定されている。
腹側外装体2A及び背側外装体2Bは、伸長状態でシートに配された弾性部材24の収縮によりギャザーを形成するものについては、図2に示すように、弾性部材24を伸長させた状態で横長長方形状であることが好ましく、後述する第3実施形態のおむつのように、実質的に非伸長状態で伸長可能な不織布に固定された弾性フィラメント等により伸縮性を発現するものは、実質的に非伸長状態で横長長方形状であることが好ましい。
また、弾性フィラメントを不織布間に固定した後、互いに噛み合う歯溝を有する一対の押し型間に噛み込ませて伸縮性を付与した伸縮シート等の伸縮シートを伸長状態下に非伸長性シートと接合し、両シートからなる腹側外装体や背側外装体を得た場合は、該伸縮シートが非伸長性シートにより延びどまるまで伸長させた状態における形状が、横長長方形状であることが好ましい。
サイドシール部4は、図2に示すように、腹側外装体2Aの長さLa及び背側外装体2Bの長さLbの何れよりも短く形成されており、腹側外装体2A及び背側外装体2Bには、それぞれ、サイドシール部4より下方(着用時における下方,図1の各図における下方)に延出する延出部分21a,21bが形成されている。
おむつ1における腹側外装体2A及び背側外装体2Bは何れも、図3に示すように、おむつの外面をなす外層シート22と、外層シート22の内面側に配された内層シート23と、両シート22,23間に配された複数本の糸状の弾性部材24とを備えており、それぞれ、ウエスト伸縮部G1,胴回り伸縮部G2及び延出部分伸縮部G3を有している。
ウエスト伸縮部G1は、おむつ1の縦方向(X方向)において、吸収性本体3の長手方向の端部3a,3bそれぞれより外方に形成されており、延出部分伸縮部G3は、腹側外装体2Aの延出部分21a及び背側外装体2Bの延出部分21bに形成されており、胴回り伸縮部G2は、腹側外装体2A及び背側外装体2Bのそれぞれにおいて、X方向におけるウエスト伸縮部G1と延出部分伸縮部G3との間に形成されている。胴回り伸縮部G2及び延出部分伸縮部G3は、おむつ1の横方向(Y方向)における、少なくとも、吸収性本体3の長手方向の両側縁それぞれより外方に位置する部分において伸縮性を発現する。なお、図3には、吸収性本体3が配置される位置を2点鎖線で示してある。
ウエスト伸縮部G1,胴回り伸縮部G2及び延出部分伸縮部G3においては、外層シート22と内層シート23との間が、散点状に形成された多数の接合部26において接合されている。より具体的には、おむつ1の縦方向(X方向)に接合部26が間欠的に直列配置されてなる縦接合部列が、おむつ1の横方向(Y方向)に複数列形成されている。また、それらの縦接合部列における各接合部のX方向の位置も全ての縦接合部列において一致している。
そして、伸縮部G1〜G3の何れにおいても、複数本の弾性部材24が、それぞれ、縦方向に隣接する接合部26間を通るように配されている。また、各弾性部材24は、後述する端部固定部27又は吸収性本体側固定部28においてシート22,23間に固定されている一方、それ以外の部位においては、シート22,23の何れにも固定されていない。
腹側外装体2Aのウエスト伸縮部G1は、腹側外装体2Aの両側縁部2a,2aに、外層シート22と内層シート23との間が接着剤を介して接合された一対の端部固定部27を有している(図3参照)。ウエスト伸縮部G1に配された弾性部材24は、一対の端部固定部27それぞれにおいてシート22,23間に固定されている一方、端部固定部27間においては、シート22,23の何れにも固定されていない。背側外装体2Bのウエスト伸縮部G1についても同様である。
腹側外装体2Aの胴回り伸縮部G2及び延出部分伸縮部G3は、何れも、腹側外装体2Aの一方の側縁部に、外層シート22と内層シート23との間が接着剤を介して接合された端部固定部27を有しており、また、吸収性本体3の側縁3cの位置の近傍に、外層シート22と内層シート23との間が接着剤を介して接合された吸収性本体側固定部28を有している。胴回り伸縮部G2及び延出部分伸縮部G3に配された弾性部材24は、端部固定部27と吸収性本体側固定部28のそれぞれにおいてシート22,23間に固定されている一方、端部固定部27と吸収性本体側固定部28との間においては、シート22,23の何れにも固定されていない。背側外装体2Bにおける、胴回り伸縮部G2及び延出部分伸縮部G3についても同様である。
吸収性本体側固定部28は、図3に示すように、吸収性本体3の側縁3cの内外に亘るように形成されていても良いが、その全体が吸収性本体3と重なるように形成されていても良い。その全体が吸収性本体3と重なっている態様には、吸収性本体側固定部28のおむつ横方向外側の端部の位置と吸収性本体3の側縁3cの位置とが一致する態様と、吸収性本体側固定部28が、吸収性本体3の側縁3cとの間に所定の間隔を設けて形成されている態様との両者が含まれる。
また、吸収性本体側固定部28を、吸収性本体3の側縁3cよりおむつ横方向の外方に形成することもできる。
ウエスト伸縮部G1,胴回り伸縮部G2及び延出部分伸縮部G3のそれぞれにおいては、弾性部材24が収縮することにより、隣接する縦接合部列間のシート22及び23が外方に膨らむように変形して、隣接する縦接合部列間にシート22又はシート23からなる襞29が生じると共に、両シート22,23間には、襞29と襞29とに周囲を囲まれた中空部30が形成される(図4参照)。襞29や中空部30が形成されることにより、腹側外装体2A及び背側外装体2Bの柔らかさが向上して肌触り等が向上する他、肌当接面側に形成される襞29間を空気が流通し易くムレ防止性にも優れている。特に、内層シート23を、不織布等の通気性シートで形成した場合等においては、おむつ1内の湿気を外部に一層逃がしやすくなる。
本実施形態のおむつ1においては、腹側外装体2A及び背側外装体2Bに前述した延出部分21a,21bが形成されているため、おむつ1を着用したときに、腹側外装体2A及び背側外装体2Bの延出部分21a,21bに存する側縁部2a,2bが、図1(b)に示すように、腹側部方向と背側部方向に分かれて逆Y字状に開き、脚部7bの脚回りに沿った、下方に向けて凹状の縁部を形成する。しかも、腹側外装体2A及び/又は背側外装体2Bの延出部分21a,21bに延出部分伸縮部G3が位置し、該延出部分21a,21bにおむつ横方向の伸縮性が付与されているため、延出部分21a,21bの縁部が、脚部7bの上部に柔軟に当たって、おむつ1の下方へのずれ落ちを効果的に防止する。
また、延出部分伸縮部G3の伸縮応力が、着用時に、身体を締め付けるウエスト伸縮部G1や胴回り伸縮部G2の伸縮応力を更に強めるように機能し、身体へのフィット性が高まる。
そのため、おむつ1によれば、ウエスト開口部5やレッグ開口部6の締め付け力を過度に高めたりすることなく、優れたずれ落ち防止性が得られる。
また、延出部分21a,21bが、吸収性本体3の両側縁よりおむつ横方向外方に延出すると共に、その延出した部分が適度に収縮して、前記縁部21a,21bが、図1(b)に示すように、吸収性本体3と共に一体感のあるレッグ開口部の周縁部を形状をなすため、見栄えもよく、またモレへの不安感を与えない。
また、おむつ1においては、腹側外装体2A及び背側外装体2Bに延出部分21a,21bが形成されているため、図1(b)に示すように、サイドシール部4が比較的まっすぐな状態を維持し易いため、腹側部Aと背側部Bにバランスよく均等な締め付け力を付与することができる。
また、おむつ1においては、腹側外装体2Aの延出部分21aのみならず、背側外装体2Bの延出部分21bにも、おむつ横方向の伸縮性が付与されている。そのため、ずれ落ち防止性が一層向上している。
また、おむつ1においては、延出部分伸縮部G3において、各弾性部材24は、端部固定部27及び吸収性本体側固定部28においてシート22,23間に固定されている一方、それら以外の部位においては、シート22,23の何れにも固定されていない。そのため、弾性部材24の伸縮力が阻害されず、襞が安定して形成されるとともに、端部固定部27が吸収性本体側に引き寄せられて、図1(b)に示すように、脚部7bの脚回りに沿った、下方に向けた凹状の縁部が、弾性部材24の伸張率を過度に増大させなくても容易に形成できる。
また、各弾性部材24は、接合部26では固定されておらず、各弾性部材24は、接合部26で拘束されずに、その長手方向の広範囲で自由に伸縮可能である。また、おむつ1の縦方向(X方向)に隣接する接合部26,26間でおむつ縦方向に移動可能である。そのため、おむつ1の装着後の排尿後に、尿の吸収により重量が増した吸収性本体が垂れ下がった場合に、弾性部材24がやや斜めに傾斜した状態となって、ウエスト方向への引き上げ力を発揮することができる。弾性部材24が接合部26,26間でおむつ縦方向に移動し易くする観点から、おむつ縦方向に隣り合う接合部間の間隔は、その間に配する弾性部材24のおむつ縦方向の幅(弾性部材が断面円形の場合は弾性部材の直径)の2〜100倍であることが好ましく、5〜50倍であることがより好ましい。
また、延出部分伸縮部G3における弾性部材24は、端部固定部27及び吸収性本体側固定部28においてシート22,23間に固定するのに代えて、一対の端部固定部27,27のみにおいてシート22,23間に固定し、端部固定部27,27どうし間においてはシート22,23の何れにも固定しない形態とすることもできる。その場合にも同様の効果が得られる。
延出部分21a,21bそれぞれのおむつ横方向の伸縮性の程度は、展開かつ伸長状態のおむつ1における、延出部分21a,21bそれぞれの、吸収性本体3の側縁部3cからおむつ横方向外方に延出する長さを100%としたとき、収縮状態における同長さが、90〜15%となることが好ましく、60〜20%となることがより好ましく、50〜25%となることが更に好ましくい。
上述した効果の一又は二以上が一層確実に奏されるようにする観点から、腹側外装体2A及び背側外装体2Bは、それぞれ、前記延出部分21a,21bの延出長さL5,L6が、該サイドシール部4の長さL4の5〜150%であることが好ましく、25〜70%であることがより好ましい。
また、同様の観点から、腹側外装体2Aの延出部分21aの延出長さL5は、腹側外装体2Aの長さLaの5〜60%、特に20〜40%であることが好ましく、背側外装体2Bの延出部分21bの延出長さL6は、背側外装体2Bの長さLbの5〜60%、特に20〜40%であることが好ましい。
なお、延出部分21a,21bそれぞれの延出長さL5,L6は、10mm以上であることが好ましく、20mm以上であることがより好ましい。
幼児用のおむつの場合、延出部分21a,21bそれぞれの延出長さL5,L6は、10〜100mmであることがより好ましく、更に好ましくは20〜70mmである。成人用のおむつの場合、延出部分21a,21bそれぞれの延出長さL5,L6は、10〜150mmであることがより好ましく、更に好ましくは20〜100である。
また、腹側外装体2Aと背側外装体2Bとは、着用者を前側から見たときに見える肌の露出部分を減らして漏れに対する不安感を低減する観点からは、前記延出部分21a,21bの延出長さL5,L6がほぼ等しいことが好ましい。延出部分21a,21bの延出長さL5,L6がほぼ等しいとは、腹側外装体2Aの延出部分21aの延出長さL5と、背側外装体2Bの延出部分21bの延出長さL6との差が、5mm以下の関係を有する場合をいう。
他方、腹側外装体2A及び背側外装体2Bの両者に延出部分21a,21bを形成すると共に背側外装体2Bの延出部分21bの延出長さL6を、腹側外装体2Aの延出部分21aの延出長さL5よりも長くすることも好ましい。このような形態のパンツ型吸収性物品によれば、臀部を被覆して過度の露出を防止しつつ、着用者の股部前側もある程度覆うことができるため、外観に優れたおむつとなる。このような観点から、前記延出長さL6は、前記延出長さL5の1.1〜2.5倍の長さとすることがより好ましい。
また、背側外装体2Bの延出部分21bを腹側外装体2Aの延出部分21aより長くした形態のパンツ型吸収性物品においては、背側外装体2Bの延出部分21bのみに伸縮性を持たせることも、着用者の後ろ側のフィット性と外観が向上の観点から好ましい。
なお、外層シート22及び内層シート23は、ウエスト開口部の開口周縁端をなす端縁部2dにおいて内層シート23側に折り返された延出折り返し部22a,23aを有しており、延出折り返し部22a,23aは、サイドシール部4において、外層シート22及び内層シート23の折り返されていない部分と接合されていると共に、吸収性本体3の長手方向と重なる部分が、接着剤により該吸収性本体3の表面シート側の面に接合されている。
外層シート22及び内層シート23としては、この種の物品に従来使用されている各種のシート材を特に制限なく用いることができるが、不織布であることが好ましく、特に柔軟性等の観点から、エアースルー不織布、ヒートロール不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布等からなる単層の不織布又は2層以上の積層不織布であることが好ましい。また、これらの不織布とフィルムとを一体化したシートでもよい。弾性部材24の形成材料としては、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品に用いられる各種公知の弾性材料を特に制限なく用いることができる。弾性材料としては、例えば、スチレン−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ポリウレタン等を挙げることができる。弾性部材の形態としては、断面が矩形、正方形、円形、多角形状等の糸状(糸ゴム等)若しくは紐状(平ゴム等)のもの、又はマルチフィラメントタイプの糸状のもの等を好ましく用いることができる。
次に、第1実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1の好ましい製造方法について図5を参照して説明する。本実施態様の製造方法は、おむつ1を連続的に製造する方法である。
本実施態様の製造方法においては、図5に示すように、外層シートの原反である幅広の帯状シート122と、内層シートの原反である幅広の帯状シート123とを、両者間に弾性部材24を伸長状態で介在させた状態に重ね合わせる。両帯状シート122,123を重ね合わせる前には、図示しない接着剤塗工機で、帯状シート122及び/又は帯状シート123に、端部固定部27及び吸収性本体側固定部28形成用の接着剤を間欠的に塗工しておき、ニップロール90による加圧により、弾性部材24が、両固定部27,28において帯状シート122,123間に固定されるようにする。
次いで、重ね合わせた両帯状シート122,123を、周面に接合部26形成用の凸部及び弾性部材24切断用の凸部が形成された加圧ロール91と、加圧ロール91と対向配置されたアンビルロール92との間に導入して部分的に加圧及び加熱することにより、上述した多数の接合部26を形成すると共に、吸収性本体3が配置される部位の弾性部材24を切断する。
次いで、弾性部材24が介在された状態で積層された両帯状シート122,123を、分割手段93により、2本の帯状シート102A,102Bに分割する。分割により生じた2本の帯状シート102A,102Bは、腹側外装体連続体102A及び背側外装体連続体102Bとして用いられる。腹側外装体連続体102Aは、概ね、複数個分のおむつ1の腹側外装体2Aが連続した構成を有し、背側外装体連続体102Bは、概ね、複数個分のおむつ1の背側外装体2Bが連続した構成を有している。
分割手段としては、シートを連続的に切断し得る各種公知の切断装置を用いることができ、例えば、シートの流れ方向の上流側にカッター刃を備えたものや、周面又は周縁部に環状の刃を有する円筒又は円盤状のカッター、レーザーカッター、高圧水流カッター等を用いることができる。分割手段により分割する方法は、加圧ロール91等の軸長方向の寸法を短くできる等の利点がある。
次いで、腹側外装体連続体102Aと背側外装体連続体102Bとを、両者間に所定の間隔を設けた状態て連続搬送しながら、腹側外装体連続体102Aと背側外装体連続体102Bとに、吸収性本体3を架け渡すように固定する。吸収性本体3の固定のために、吸収性本体3の裏面シート側の面及び/又は両連続体102A,102Bの対向面に接着剤を塗工しておく。また、本実施態様においては、腹側外装体連続体102Aと背側外装体連続体102Bそれぞれの流れ方向に沿う一方の側部102A’,102B’を、吸収性本体3の両端部を覆うように折り返し、折り返した部分を該両端部に固定している。
そして、このようにして得られたおむつ連続体101を2つ折りし、次いで、サイドシール部4,4を、ヒートシール、超音波シール、高周波シール、接着剤等、またはこれらの手段を組み合わせて形成する。サイドシール部4,4の形成には、一対のシールロールを備えたシール装置(図示せず)が好ましく用いられる。また、おむつ連続体101の2つ折りは、腹側外装体連続体102Aの側部102A’の折り返し及び背側外装体連続体102Bの側部102B’の折り返しにより生じた縁部101’どうしが重なるように行う。
そして、サイドシール部4,4の形成後に、おむつ連続体101を公知の切断手段(図示せず)により、個々のおむつ1の寸法に切断する。これにより、上述した構成のパンツ型使い捨ておむつ1が得られる。サイドシール部4,4は、腹側外装体連続体102A及び背側外装体連続体102Bそれぞれの全幅に亘らないように形成し、おむつ1の腹側外装体2A及び背側外装体2Bに上述した延出部分21a,21bが形成されるようにする。
本実施態様の製造方法に関し、特に説明しない点は、従来の、いわゆる横流れ方式のパンツ型使い捨ておむつの製造方法と同様にして製造することができる。例えば、腹側外装体連続体102A及び背側外装体連続体102B上に配置する吸収性本体3は、吸収性本体が長手方向に連続した構成の吸収性本体連続体103を公知の方法により製造した後、これをおむつ1個分の寸法に切断して得ることができる。また、得られた吸収性本体3は、それぞれ90度回転した上で、腹側外装体連続体102A及び背側外装体連続体102B上に間欠的に配置することができる。
また、第1実施形態のおむつ1は、このように、外装体形成用の帯状シート122,123から、レッグ開口部形成用のトリムを除去しないで製造することができるため、トリムの除去や再利用に必要な工程を不要として、効率的且つ経済的に製造することができる。また、トリムが生じないため環境にもやさしい。
次に、本発明の第2及び第3実施形態について説明する。
第2及び第3実施形態のパンツ型使い捨ておむつについては、第1実施形態との相違点について主として説明し、同様の点については説明を省略する。特に説明しない点は、第1実施形態と同様であり、第1実施形態についての説明を適宜適用可能である。以下の説明においては、第1実施形態のおむつの各構成要素等に付した符号と同一の符号を、第2及び第3実施形態における対応する構成要素等に付してある。
第2実施形態のパンツ型使い捨ておむつにおいては、腹側外装体2A及び背側外装体2Bそれぞれにおける、ウエスト伸縮部G1、胴回り伸縮部G2及び延出部分伸縮部G3が、それぞれ、おむつ外面をなす外層シート22とその内側に配された内層シート23とが全域において接着された構造を有しており、弾性部材24は、各伸縮部の全域において両シート22,23間に固定されている。弾性部材24は、おむつ製造時に伸長状態でシート22,23間に固定されたものである。
第2実施形態のおむつにおいても、ウエスト伸縮部G1、胴回り伸縮部G2及び延出部分伸縮部G3のそれぞれに、弾性部材24の収縮によって不規則な凹凸が形成されるが、第1実施形態のような中空構造は形成されない。
第2実施形態のパンツ型使い捨ておむつも、腹側外装体2A及び背側外装体2Bが、サイドシール部4より下方に延出した延出部分21a,21bを有しており、腹側外装体2Aの延出部分21aにおける吸収性本体3と重なっていない部分がおむつ横方向に伸縮性を有している。そのため、第1実施形態のパンツ型使い捨ておむつと同様の作用効果が奏される。
第2実施形態のパンツ型使い捨ておむつは、上述したおむつ1の製造方法において、外層シートの原反である幅広の帯状シート122と内層シートの原反である幅広の帯状シート123とを積層する前に、吸収性本体3を重ねる部分以外の全域に接着されるように、帯状シート122及び/又は帯状シート123に接着剤を塗工すると共に、加圧ロール91として、弾性部材24切断用の凸部のみが形成されたものを用い、吸収性本体3を重ねる部分の弾性部材を切断する以外は、上述したおむつ1の製造方法と同様にして製造することができる。
第3実施形態のパンツ型使い捨ておむつにおいては、腹側外装体2A及び背側外装体2Bそれぞれが、互いに交差せずに一方向に延びるように配列した多数の弾性フィラメントが、実質的に非伸長状態で、それらの全長にわたり、伸長可能な不織布に接合されている伸縮シートからなる。このような伸縮シートとしては、特開2008−179128号公報に記載のもの等を用いることができる。その伸縮シートは、弾性フィラメントが、同一の又は異なる2枚の不織布間に挟持されていることが好ましい。また、弾性フィラメントは、糸状の合成ゴム糸や天然ゴム、或いは乾式紡糸(溶融紡糸)や湿式紡糸によって得られたものであり得る。弾性フィラメントは、これを一旦巻き取ったり、蓄えたりすることなしに直接溶融紡糸によって得られたものが、不織布に固定されていることが好ましい。伸縮シートとして、弾性フィラメントが、長繊維状または短繊維状であってランダムに配向されているものを用いることもできる。
第3実施形態で用いる伸縮シートは、第1の不織布及び第2の不織布の計2枚の不織布と、両不織布間に挟持された多数の弾性フィラメントとから構成されているもの等が好ましい。第1の不織布と第2の不織布は、同種のものでもよく、或いは異種のものでもよい。ここで言う同種の不織布とは、不織布の製造プロセス、不織布の構成繊維の種類、構成繊維の繊維径や長さ、不織布の厚みや坪量等がすべて同じである不織布どうしを意味する。これらのうちの少なくとも一つが異なる場合には異種の不織布である。各不織布は何れも伸長可能なものである。伸長可能とは、(イ)不織布の構成繊維自体が伸長する場合と、(ロ)構成繊維自体は伸長しなくても、交点において結合していた繊維どうしが離れたり、繊維どうしの結合等により複数本の繊維で形成された立体構造が構造的に変化したり、構成繊維がちぎれたり、繊維のたるみが引き伸ばされたりして、不織布全体として伸長する場合とを包含する。また、各不織布は、弾性フィラメントと接合される前の原反の状態で既に伸長可能になっていてもよい。或いは、弾性フィラメントと接合される前の原反の状態では伸長可能ではないが、弾性フィラメントと接合された後に伸長可能となるように加工が施されて、伸長可能になるものであってもよい。不織布を伸長可能にするための具体的な方法としては、熱処理、ロール間延伸、歯溝やギアによるかみ込み延伸、テンターによる引張延伸などが挙げられる。弾性フィラメントを不織布に融着させるときの該不織布の搬送性が良好になる点から、不織布はその原反の状態では伸長可能でないことが好ましい。
第3実施形態のパンツ型使い捨ておむつも、腹側外装体2A及び背側外装体2Bが、サイドシール部4より下方に延出した延出部分21a,21bを有しており、腹側外装体2Aの延出部分21aにおける吸収性本体3と重なっていない部分がおむつ横方向に伸縮性を有している。そのため、第1実施形態のパンツ型使い捨ておむつと同様の作用効果が奏される。
第3実施形態のパンツ型使い捨ておむつは、例えば、図5に示す製造方法において、上述した構成の腹側外装体連続体102A及び背側外装体連続体102Bを、吸収性本体3の配置工程部に供給する代わりに、特開2008−179128号公報等に記載の伸縮シートからなる2本の帯状シートを、同配置固定部に供給することにより得られる。伸縮シートは、弾性フィラメントの配向方向を流れ方向と一致させることが好ましい。
次に本発明の第4〜第6実施形態について説明する。
第4〜第6実施形態のパンツ型使い捨ておむつについては、第1実施形態との相違点について主として説明し、同様の点については説明を省略する。特に説明しない点は、第1実施形態と同様であり、第1実施形態についての説明を適宜適用可能である。以下の説明においては、第1実施形態のおむつの各構成要素等に付した符号と同一の符号を、第4〜第6実施形態における対応する構成要素等に付してある。
第4実施形態のパンツ型使い捨ておむつの腹側外装体の延出部分21aにおいては、図6に示すように、腹側外装体2Aを構成する2枚のシート22,23間が、端部固定部27、吸収性本体側固定部28及び散点状に形成された多数の接合部26において接合されている。そして、延出部分伸縮部G3において、各弾性部材24は、端部固定部27及び吸収性本体側固定部28において両シート22,23間に固定されている一方、端部固定部27と吸収性本体側固定部28との間においては、シート22,23の何れにも固定されていない。
また、腹側外装体の延出部分21aにおける吸収性本体側固定部28は、図6に示すように、その全体が吸収性本体3と重なるように形成されており、延出部分伸縮部G3に伸長状態で配された弾性部材24が、吸収性本体3の側部と重なる部分においても腹側外装体2Aを構成するシート22,23を収縮させる。
また、各弾性部材24は、接合部26で分断されることなく、その長手方向の広範囲が一体的に伸縮可能である。また、各弾性部材24は、接合部26では固定されておらず、おむつ1の縦方向(X方向)に隣接する接合部26,26間でおむつ縦方向に移動可能となっている。そのため、おむつ1の装着後の排尿後に、尿の吸収により重量が増した吸収性本体が垂れ下がった場合に、弾性部材24がやや斜めに傾斜した状態となって、ウエスト方向への引き上げ力を発揮することができる。弾性部材24が、おむつ縦方向に隣り合う接合部26,26どうし間でおむつ縦方向に移動し易くする観点から、おむつ縦方向に隣り合う接合部どうし間の間隔は、その間に配された弾性部材24のおむつ縦方向の幅(弾性部材が断面円形の場合は弾性部材の直径と同じ)の2〜100倍であることが好ましく、5〜50倍であることがより好ましい。
吸収性本体3における、腹側外装体の延出部分21aと重なる部分は、吸収性本体3の幅方向中央部、より具体的には、左右の吸収性本体側固定部28間に、接着剤等により腹側外装体2Aに接合固定され中央固定領域3Mを有する一方、該中央固定領域3Mの両側縁より外方は、腹側外装体2Aに固定されておらず該腹側外装体2Aから離間可能な側部非固定領域3S,3Sとなっている。他方、吸収性本体3の長手方向の端部3a付近では、吸収性本体3はその幅全体が腹側外装体2Aと接合されている。詳細には、吸収性本体3の長手方向の端部3aが固定される付近の内層シート23には、吸収性本体3の幅よりも広い領域E8に接着剤が塗布される。そして、吸収性本体3の配置後に、ウエスト開口部の開口周縁端をなす端縁部2dにおいて、外層シート22及び内層シート23の折り返された延出折り返し部22a,23aにより吸収性本体3の長手方向の端部3aが被覆および接合される。図6中、E8及びM8は、吸収性本体3が、腹側外装体2Aに接合されている範囲を示す。
延出部分伸縮部G3が、吸収性本体3の両側部、特に前記側部非固定領域3Sと重なる部分においても収縮するため、外装体2Aの下側が吸収性本体3の幅方向中央側(吸収性コア側)に、より引きつけられ、おむつの外観が一層良好となる。
第4実施形態のパンツ型使い捨ておむつにおいては、腹側外装体2Aと背側外装体2Bとで吸収性本体3の接合態様が異なっており、腹側外装体の延出部分21aと吸収性本体3との接合幅が、背側外装体の延出部分21bと該吸収体本体の接合幅よりも小さくなっている。また、腹側外装体の延出部分21aと吸収性本体3との接合面積は、背側外装体の延出部分21bと該吸収体本体の接合面積よりも小さくなっている。より具体的には、吸収性本体3は、腹側外装体2Aの延出部分21aに対して、図6に示すように幅方向中央の幅W8で示す部分が固定されている一方、背側外装体2Bの延出部分21bに対しては、該吸収性本体3の幅方向のより広い部分、例えば、吸収性本体3の長手方向の側縁の位置と略同じ位置に設けた一対の吸収性本体側固定部(図3参照)28,28間の領域の全域、あるいは吸収性本体3の全幅が、背側外装体2Bの延出部分に接合されている。なお、吸収性本体3の長手方向の端部3a付近では、腹側と同様に吸収性本体3はその幅全体が背側外装体と接合されている。
第4実施形態のパンツ型使い捨ておむつは、腹側外装体の延出部分21aと吸収性本体3の接合幅が、背側外装体の前記延出部分21bと該吸収体本体3の接合幅と比べて小さいため、第1実施形態のおむつと同様の効果が奏され、更に、背側外装体の延出部分21bについては、延出部分21bのめくれや臀部の被覆性の低下を防止しながら、腹側外装体の延出部分21aについては、おむつ横方向(Y方向)にある程度大きく収縮させて、脚廻りに沿った形状に変形させることができ、フィット性が向上し、また体との隙間が減少する事でモレへの不安感を与えないといった効果が奏される。
第5実施形態のパンツ型使い捨ておむつにおける吸収性本体3は、図7及び図8に示すように、おむつ(吸収性物品)縦方向に沿う縁部に弾性部材136が配置されており、図8に示すように、腹側外装体及び背側外装体の延出部分21a,21bにおいて、該弾性部材136が配置されている吸収性本体の縁部と腹側外装体2A及び/又は背側外装体2Bとが接合されていない。
より具体的に説明すると、第5実施形態における吸収性本体3は、その長手方向の両側部に、吸収体33の長手方向の両側縁それぞれより外方に位置し、股下部Cに側部ギャザー134c,134cを形成する側部シート部134,134を有している。
側部シート部134は、吸収性本体3の全長に亘って存在し、図7及び図8に示すように、液抵抗性ないし撥水性のシート材135及び該シート材135に伸長状態で固定された弾性部材136,136を備えている。弾性部材136は、吸収性本体3の側縁部、より具体的には、側部シート部134の側端縁134aの近傍に、該側端縁134aに沿って複数本(図示例は2本)配されている。弾性部材136は、股下部C並びに腹側外装体2A及び背側外装体2Bの延出部分21a,21bに伸長状態で固定されており、股下部C及び前記延出部分21a,21bに側部ギャザー134cを形成している。側部ギャザー134cは、側部シート部134に配された弾性部材136が収縮することで、側部シート部134を構成するシート材135が襞寄せされたり波状の断面形状に変形して形成されるものである。側部ギャザー134cは、おむつの自然状態及び/又は着用状態で形成されれば良い。側部シート部134は、吸収性本体3の長手方向の端部3a,3b付近では、腹側外装体2A及び背側外装体2Bそれぞれにおけるサイドシール部4,4間に位置する腹側外装体本体及び背側外装体本体には、おむつ幅方向の外方に伏倒した状態で固定されている一方、腹側外装体及び背側外装体の延出部分21a,21bと重なる部分に形成された側部ギャザー134cは、図8に示すように、該延出部分21a,21bには固定されていない。図8中、8は接着剤である。
第5実施形態のパンツ型使い捨ておむつにおいては、弾性部材136が配された吸収性本体3の側縁部が、腹側外装体及び背側外装体の延出部分21a,21bに固定されていないことで、第1実施形態のおむつと同様の効果が奏され、更にフィット性が向上しズレ落ち防止効果が一層向上する。側部ギャザー134cは、おむつ1の着用時に、着用者の脚廻りにフィットする。
なお、第5実施形態の吸収性本体3は、その長手方向の両側部に、吸収性本体3の長手方向に沿って延びる一対の立体ギャザー形成部138を有している。立体ギャザー形成部138は、シート材135と、該シート材135に固定された立体ギャザー形成用の弾性部材139とを有してなる。立体ギャザー形成部138は、少なくとも股下部Cに立体ギャザー138cを形成する。立体ギャザー138cは、おむつ1の着用時に、着用者の肌側に向かって起立し、吸収性本体3から幅方向外方への液の流出を阻止する。立体ギャザー形成部138は、サイドシール部4,4間に位置する腹側外装体本体及び背側外装体本体には、おむつ幅方向の内方に伏倒した状態で固定されている。また、線状接合部130は、長方形状の吸収体4の両側縁部それぞれに沿って延びており、また、吸収体33及び吸収性本体3のX方向の全長に亘って延びている。線状接合部130は、連続直線状に形成されていることが好ましいが、点線状に形成されていても良い。また、線状接合部130を形成する際の接合方法としては、ヒートシール、超音波シール、高周波シール、接着剤の各種公知の接合方法が用いられる。第5実施形態における吸収体33は、パルプ繊維等からなる繊維集合体又はこれに高吸収性ポリマーを保持させてなる吸収性コア33a及び該吸収性コア33aを被覆するコアラップシート33b,33cとからなり、吸収性コア33a及びコアラップシート33b,33cの形成材料としては、それぞれ、この種の吸収性物品に従来用いられているものと同様のものを用いることができる。肌触りの向上等の観点から、股下部Cにおける裏面シート32の非肌当接面側に、外装不織布を重ねて設けることも好ましい。
第5実施形態のパンツ型使い捨ておむつにおける吸収性本体の構成及び該吸収性本体の腹側外装体及び背側外装体に対する接着態様は、本明細書に記載の他の実施形態のパンツ型使い捨ておむつに適用することもでき、その場合にも同様の作用効果が奏される。一対の側部シート部134それぞれに配する弾性部材136は、2本に代えて、1本又は3本以上であっても良い。また、側部ギャザーを形成する弾性部材13は、吸収体33の側縁より外方に延出させた表面シートと裏面シートとの間に固定されていても良い。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されるものではない。
例えば、腹側外装体2Aの延出部分21a及び背側外装体2Bの延出部分21bの何れか一方のみが、吸収性本体3の両側縁3c,3cそれぞれより外方に位置する部分に、吸収性物品の横方向に伸縮性を有していても良い。
また、図5に示すおむつ1の製造方法においては、外層シートの原反である幅広の帯状シート122と、内層シートの原反である幅広の帯状シート123とを重ね合わせた後、分割手段93により分割して、腹側外装体連続体102A及び背側外装体連続体102Bを得ていたが、それに代えて、図9に示すように、腹側外装体2A用の外層シート122A及び内層シート123Aと、背側外装体2B用の外層シート122B及び内層シート123Bとを、別々に合流部に供給して、腹側外装体連続体102A及び背側外装体連続体102Bを得ても良い。その場合の外層シート122A及び外層シート122Bは、別々のロールから繰り出されたものであっても良いし、図示しない上流側において、幅広シートをスリットして得たものであっても良い。内層シート123Aと内層シート123Bも、別々のロールから繰り出されたものであっても良いし、図示しない上流側において、幅広シートをスリットして得たものであっても良い。
また、第3実施形態のパンツ型使い捨ておむつに用いた伸縮シートを、外層シート及び/又は内層シートの何れか一方として用い、外層シート及び内層シートの積層構造体からなる腹側外装体2A及び背側外装体2Bを有するパンツ型吸収性物品とすることもできる。
また、腹側外装体連続体102A及び/又は背側外装体連続体102Bは、図5に示すように、流れ方向に沿う一方の側部102A’,102B’を折り返されるものであっても良いし、そのような折り返し工程を経ることなく切断されて、腹側外装体2A又は背側外装体2Bとなるものであっても良い。
また、サイドシール部4は、外装体の側縁部2a,2bに形成されるが、サイドシール部4の外側に非接合部分を有していてもよい。
また、パンツ型吸収性物品は、幼児又は成人用のパンツ型使い捨ておむつの他、パンツ型の生理用ナプキン等であっても良い。
上述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する要件は、それぞれ他の実施形態に適宜適用することができ、また、各実施形態における要件は、適宜、実施形態間で相互に置換可能である。
1 パンツ型使い捨ておむつ(パンツ型吸収性物品)
2A 腹側外装体
2a,2a 吸収性物品縦方向に沿う側縁部
21a 延出部分
2B 背側外装体
2b,2b 吸収性物品縦方向に沿う側縁部
21b 延出部分
22 外層シート
23 内層シート
3 吸収性本体
31 表面シート
32 裏面シート
33 吸収性コア
34 側方カフス
4 サイドシール部
5 ウエスト開口部
6 レッグ開口部
A 腹側部
B 背側部
C 股下部

Claims (7)

  1. 着用者の腹側に配される腹側外装体と、着用者の背側に配される背側外装体と、腹側外装体及び背側外装体に架け渡すように固定された吸収性本体とを具備し、腹側外装体と背側外装体の吸収性物品縦方向に沿う両側縁部に、腹側外装体と背側外装体とを接合して形成されたサイドシール部を有するパンツ型吸収性物品であって、
    腹側外装体及び背側外装体は、それぞれ、吸収性物品縦方向の長さが横方向において均一であり、且つ吸収性物品縦方向の長さが前記サイドシール部の長さより長く、それぞれ、該サイドシール部より下方に延出する延出部分を有しており、
    腹側外装体及び背側外装体の前記延出部分における、吸収性本体の両側縁それぞれより外方に位置する部分が、吸収性物品の横方向に伸縮性を有しており、
    吸収性物品を着用したときに、腹側外装体における、腹側外装体の前記延出部分に存する側縁部と、背側外装体における、背側外装体の前記延出部分に存する側縁部とが、着用者の腹側方向と着用者の背側方向に分かれて開き、着用者の脚部の脚回りに沿った、下方に向けて凹状の縁部を形成するようになされており、
    腹側外装体及び背側外装体は、それぞれ、外層シートと該外層シートの内面側に配された内層シートと、両シート間に配された複数本の弾性部材とを備えており、腹側外装体及び背側外装体の側縁部に、外層シートと内層シートとの間が接着剤を介して接合された端部固定部を有し、吸収性本体の側縁の位置の近傍に、外層シートと内層シートとの間が接着剤を介して接合された吸収性本体側固定部を有しており、
    腹側外装体及び背側外装体の前記延出部分における前記伸縮部は、外層シートと内層シートとの間が多数の接合部で接合され、該接合部によって、吸収性物品縦方向に間欠的に配置されてなる縦接合部列が複数列形成されており、前記伸縮部に配置された複数本の弾性部材が、それぞれ、縦方向に隣り合う接合部間を通るように配されており、
    前記伸縮部を形成する前記複数本の弾性部材は、端部固定部及び吸収性本体側固定部において、外層シートと内層シートとの間に固定されている一方、吸収性物品の横方向における端部固定部と吸収性本体側固定部との間においては、外層シート及び内層シートの何れにも固定されておらず、
    吸収性本体は、腹側外装体側の長手方向の端部付近では、吸収性本体の幅の全体が腹側外装体と接合され、腹側外装体の延出部分と重なる部分は、左右の吸収性本体側固定部間に、腹側外装体に接合固定された中央固定領域を有する一方、該中央固定領域の両側縁より外方は腹側外装体に固定されておらず、
    吸収性本体は、背側外装体側の長手方向の端部付近では、吸収性本体の幅の全体が背側外装体と接合されており、
    腹側外装体の前記延出部分と吸収性本体の接合幅が、背側外装体の前記延出部分と該吸収体本体の接合幅に比べて小さい、パンツ型吸収性物品。
  2. 腹側外装体及び背側外装体は、それぞれ、前記延出部分の延出長さが、該サイドシール部の長さの5〜150%である、請求項1記載のパンツ型吸収性物品。
  3. 背側外装体の前記延出部分の延出長さが、腹側外装体の前記延出部分の延出長さよりも長い、請求項1又は2記載のパンツ型吸収性物品。
  4. 腹側外装体と背側外装体とは、前記延出部分の延出長さがほぼ等しい、請求項1又は2記載のパンツ型吸収性物品。
  5. 腹側外装体及び背側外装体は、伸長状態でシートに配された弾性部材の収縮によりギャザーを形成するものであり、弾性部材を伸長させた状態において横長長方形状である、請求項1〜4の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品。
  6. 前記吸収性本体には、吸収性物品縦方向に沿う縁部に弾性部材が配置されており、前記延出部分において、該弾性部材が配置されている吸収性本体の縁部と腹側外装体及び/又は背側外装体とは接合されていない、請求項1〜5の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品。
  7. 請求項1記載のパンツ型吸収性物品の製造方法であって、
    腹側外装体連続体と背側外装体連続体とを、両者間に所定の間隔を設けた状態て連続搬送しながら、腹側外装体連続体と背側外装体連続体とに吸収性本体を架け渡すように固定し、おむつ連続体を得る工程と、おむつ連続体を2つ折りする工程と、2つ折りしたおむつ連続体に、腹側外装体連続体及び背側外装体連続体それぞれの全幅に亘らないようにサイドシール部を形成する工程と、サイドシール部形成後のおむつ連続体を個々のおむつに分断する工程とを備えたパンツ型吸収性物品の製造方法。
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