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JP5598565B2 - 熱交換器 - Google Patents

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JP5598565B2 JP2013088520A JP2013088520A JP5598565B2 JP 5598565 B2 JP5598565 B2 JP 5598565B2 JP 2013088520 A JP2013088520 A JP 2013088520A JP 2013088520 A JP2013088520 A JP 2013088520A JP 5598565 B2 JP5598565 B2 JP 5598565B2
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Description

本発明は、複数の熱交換器部が一体となった熱交換器に関するものである。
従来、特許文献1に、流体が流通する複数本のチューブと、チューブの長手方向端部に配設されてチューブと連通するヘッダタンクとを備える熱交換器において、ヘッダタンク内を仕切壁(セパレータ)で仕切ることにより、複数の熱交換器部を一体化したものが開示されている。
ここで、特許文献1の熱交換器では、ヘッダタンクを、チューブが挿入接合されるチューブ挿入穴を有するコアプレートと、コアプレートとともにタンク内空間を形成するタンク本体とから構成している。そして、コアプレートにおける隣接するチューブ挿入穴間の部位にパッキンを配置し、仕切壁がパッキンを圧縮することにより、仕切壁とコアプレートとの間をシールしている。
また、特許文献2に、仕切壁におけるコアプレート側の端部に、この仕切壁の端部の全長に亘って2枚の板状部材を形成することにより、パッキンを設けることなく、仕切壁とコアプレートとの間をシールした熱交換器が開示されている。
特開2002−115991号公報 特開2003−336994号公報
ところで、特許文献1の熱交換器では、シール面となるコアプレートの隣接するチューブ挿入穴間の部位は、チューブを挿入するためにバーリング形状に加工されているので、湾曲形状となっている。本来、仕切壁とコアプレートとの間のシール性を確保するためには、パッキンに対して垂直な圧縮力を均一に与える必要がある。しかしながら、シール面が湾曲形状となっているため、シール面の全体にわたって均一な圧縮力を確保することが難しく、シール性を十分に確保することが困難である。
また、特許文献2の熱交換器では、パッキンを廃止しているので、シール性を十分に確保できないという問題がある。
本発明は上記点に鑑みて、ヘッダタンクの仕切部分のシール性を向上させることができる熱交換器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、ヘッダタンク(5)には、少なくとも第1空間(501)と第2空間(502)とがヘッダタンク(5)の長手方向に並ぶようにタンク空間を分割する仕切手段(520a、520b、7)が設けられており、仕切手段(520a、520b、7)を境に、コア部(4)を第1空間(501)および第2空間(502)の配置方向に分割することにより、複数の熱交換器部(100、200)が構成されており、コアプレート(51)は、チューブ(2)が接合されるチューブ接合面(511)を有しており、チューブ接合面(511)の周囲には、コアプレート(51)、およびタンク本体(52)におけるコアプレート(51)側の端部の間をシールするシール部材(53)が配置される環状の外周シール面(514)が全周に亘って形成されており、チューブ接合面(511)における仕切手段(520a、520b、7)と対応する部位には、シール部材(53)が配置される仕切シール面(517)が設けられ、仕切シール面(517)は、外周シール面(514)と同一平面に位置しており、シール部材(53)は、コアプレート(51)とタンク本体(52)とに挟まれる部分の肉厚が均一であり、
仕切手段(520a、520b、7)の端部には、コアプレート(51)の仕切シール面(517)に対向する対向壁シール面(522a、522b)が形成され、
さらに、シール部材(53)は、
コアプレート(51)の外周シール面(514)、およびタンク本体(52)のコアプレート(51)側の端部の間をシールする環状に形成された環状部(531)と、
コアプレート(51)の仕切シール面(517)および仕切手段(520a、520b、7)の間をシールする仕切シール部(532)とを有しており、
環状部(531)と仕切シール部(532)とが一体に構成されており、
仕切シール部(532)は、仕切シール面(517)に対向した一面(531c)と、一面(531c)の反対側の他面(532c)と、一面(531c)の一部が他面(532c)側に凹んだ凹部(533c)とを有しており、
仕切シール部(532)の一面(531c)のうち凹部(533c)が形成されていない部位が仕切シール面(517)に接触する接触面となっており、
仕切手段(520a、520b、7)の対向壁シール面(522a、522b)は、仕切シール部(532)の他面(532c)のうち一面(531c)の前記接触面に対向する部位に接触するようになっており、
仕切手段(520a、520b、7)の対向壁シール面(522a、522b)とコアプレート(51)の仕切シール面(517)とにより仕切シール部(532)を挟持することによって、コアプレート(51)と仕切手段(520a、520b、7)との間がシールされ
凹部(533c)はヘッダタンク(5)の外部に連通していることを特徴としている。
これによれば、仕切手段(520a、520b、7)によって、仕切シール面(517)に配置されるシール部材(53)の全面に亘って均一な圧縮力を与えることができるので、仕切手段(520a、520b、7)とコアプレート(51)の仕切シール面(517)との間を確実にシールすることができる。その結果、ヘッダタンク(5)の仕切部分のシール性を向上できる。
また、第1空間(501)と第2空間(502)とがヘッダタンク(5)の長手方向に並ぶようにタンク空間を分割することで、仕切手段(520a、520b、7)はヘッダタンク(5)の短手方向に延びるように形成されるので、第1空間(501)と第2空間(502)とがヘッダタンク(5)の短手方向に並ぶようにヘッダタンク(5)を分割した熱交換器に比べて、ヘッダタンク(5)の仕切部分の長さを短くできる。このため、ヘッダタンク(5)に内圧が加わった際に、仕切手段(520a、520b、7)がシール部材(53)の圧縮力が小さくなる方向に浮き上がることを抑制できる。その結果、ヘッダタンク(5)の仕切部分のシール性を向上できる。
さらに、請求項1に記載の発明では、シール部材(53)の仕切シール部(532)は、仕切シール面(517)に対向した一面(531c)と、一面(531c)の反対側の他面(532c)と、一面(531c)の一部が他面(532c)側に凹んだ凹部(533c)とを有し、この凹部(533c)がヘッダタンク(5)の外部に連通しているから、熱交換器の製造後の品質検査において、仕切手段(520a、520b、7)とコアプレート(51)との間のシールが不良である場合に、第1空間(501)内のチェック用ガス、および第2空間(502)内のチェック用ガスが、コアプレート(51)の仕切シール面(517)とシール部材(53)との間を通って、シール部材(53)の凹部(533c)内に移動し、その後ヘッダタンク(5)の外部に漏れる。すなわち、請求項1に記載の発明によれば、品質検査時に、複数の熱交換器部(100、200)間で互いの流体が行き来する、いわゆる内部リークが発生している場合でも、チェック用ガスが必ず熱交換器の外部に漏れるように構成されているので、内部リークの発生を早期に検出できる。
請求項2に記載の発明のように、請求項1に記載の熱交換器において、凹部(533c)は、具体的には、仕切シール部(532)の一面(531c)におけるコア部(4)空気流れ方向の全域に亘って形成すればよい。
また、請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の熱交換器において、コア部(4)における仕切手段(520a、520b、7)と対応する部位には、流体が流通しないダミーチューブ(23)が配設されており、ダミーチューブ(23)は、コアプレート(51)に対して非挿入状態であることを特徴としている。
従来、コアプレート(51)とダミーチューブ(23)との接合部において、ろう付けの残渣物がチューブ(2)を伝わり、コアプレート(51)の仕切シール面(517)を荒らし、コアプレート(51)と仕切手段(520a、520b)との間のシール性を低下させる虞があった。
これに対し、請求項3に記載の発明では、ダミーチューブ(23)をコアプレート(51)に挿入していないので、ろう付けの残渣物がチューブ(2)を伝わって仕切シール面(517)に付着することが妨げられる。このため、コアプレート(51)と仕切手段(520a、520b)との間のシール性を向上させることができる。
さらに、ダミーチューブ(23)をコアプレート(51)に挿入しないことで、仕切シール面(517)近傍におけるチューブ(2)の熱膨張・熱収縮に対する拘束力を低減できる。その結果、仕切手段(520a、520b)に隣接するチューブ(2)とコアプレート(51)との接合部に発生する熱応力を低減できる。
また、請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の熱交換器において、タンク本体(52)は、少なくとも第1本体部(52a)と第2本体部(52b)とを有しており、
仕切手段(520a、520b)は、第1本体部(52a)の内部空間が第1空間(501)となり、第2本体部(52b)の内部空間が第2空間(502)となるようにヘッダタンク(5)を分割するものであり、
さらに、仕切手段(520a、520b)は、第1空間(501)に面する第1仕切面(501a)と、第2空間(502)に面する第2仕切面(502a)とを有しており、
仕切手段は、第1仕切面(501a)を有する第1仕切部(520a)と、第1仕切部(520a)と離隔して配置され、第2仕切面(502a)を有する第2仕切部(520b)と、第1仕切部(520a)および第2仕切部(520b)の間に配置され、第1仕切部(520a)のコアプレート(51)側の端部と、第2仕切部(520b)のコアプレート(51)側の端部とを接続する接続部(520c)とを備えており、
第1仕切部(520a)における第1仕切面(501a)と反対側の面、および第2仕切部(520b)における第2仕切面(502a)と反対側の面は、ヘッダタンク(5)の外部に面しており、接続部(520c)は、コアプレート(51)の仕切シール面(517)と対応する部位に配置されており、
接続部(520c)に対向壁シール面(522a、522b)が形成され、対向壁シール面(522a、522b)と仕切シール面(517)とにより仕切シール部(532)を挟持することによって、コアプレート(51)と接続部(520c)との間がシールされていることを特徴としている。
これによれば、タンク内空間に仕切壁(セパレータ)を配設することによりヘッダタンク(5)を仕切る構成と比較して、ヘッダタンク(5)の仕切部分の剛性を高くできる。したがって、ヘッダタンク(5)の内圧が高くなった場合でも、仕切手段(520a、520b)が変形してコアプレート(51)と仕切手段(520a、520b)との間に隙間が発生することを抑制できる。その結果、ヘッダタンク(5)の仕切部分のシール性を確実に確保することができる。
また、請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の熱交換器において、第1本体部(52a)と第2本体部(52b)との間には、コア部(4)の空気流れ方向に対して直交する板状に形成されたリブ(52c)が少なくとも1つ配設されていることを特徴としている。
このように、第1本体部(52a)と第2本体部(52b)との間にリブ(52c)を設けることで、第1本体部(52a)と第2本体部(52b)との間を送風空気が通過して、熱交換性能が低下することを抑制できる。さらに、リブ(52c)を設けることで、タンク本体(52)の成形時における反りを防止できるとともに、タンク本体(52)の剛性を高くすることができるので、ヘッダタンク(5)の組み付け性作業性を向上できる。
また、請求項6に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の熱交換器において、仕切手段は、ヘッダタンク(5)の内部に板状に形成され、タンク空間を少なくとも第1空間(501)と第2空間(502)とに分割する仕切壁(7)により構成されていることを特徴としている。
これによれば、板状の仕切壁(7)によって、仕切シール面(517)に配置されるシール部材(53)の全面に亘って均一な圧縮力を与えることができるので、仕切壁(7)とコアプレート(51)の仕切シール面(517)との間を確実にシールすることができる。その結果、ヘッダタンク(5)の仕切部分のシール性を向上できる。
また、請求項7に記載の発明のように、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の熱交換器において、コアプレート(51)の外側端部には複数の突起片(516)が形成されており、複数の突起片(516)をタンク本体(52)に押し付けて塑性変形させることによりタンク本体(52)をコアプレート(51)にカシメ固定するようにしてもよい。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
第1実施形態の熱交換器1を示す斜視図である。 図1のA−A断面図である。 図2のB部拡大図である。 第1実施形態の熱交換器1のヘッダタンク5を示す拡大斜視図である。 図4のC−C断面図である。 第1比較例の熱交換器の要部を示す斜視図である。 第2比較例の熱交換器のヘッダタンク5を示す断面図である。 第1実施形態の熱交換器1のヘッダタンク5を示す拡大正面図である。 図8のE−E断面図である。 第2実施形態の熱交換器1のダミーチューブ23近傍を示す拡大断面図である。 第3実施形態の熱交換器1を示す斜視図である。 図11のF−F断面図である。 第3実施形態の熱交換器1のヘッダタンク5を示す分解斜視図である。 図13の要部を示す分解斜視図である。 第4実施形態の熱交換器1のヘッダタンク5を示す拡大斜視図である。 第5実施形態の熱交換器1のヘッダタンク5を示す拡大斜視図である。 図16のG矢視図である。 第6実施形態の熱交換器1のコアプレート51およびパッキン53を示す拡大斜視図である。 第6実施形態のヘッダタンク5の要部を示す拡大断面図である。 第3比較例のヘッダタンク5の要部を示す拡大断面図である。 第7実施形態の熱交換器1のコアプレート51を示す拡大斜視図である。 第7実施形態の熱交換器1のコアプレート51およびパッキン53を示す拡大平面図である。 第8実施形態の熱交換器1が搭載されるクーリングモジュールを示す模式的な断面図である。 他の実施形態の熱交換器1のコアプレート51およびパッキン53を示す拡大斜視図である。 他の実施形態の熱交換器1のコアプレート51を示す拡大斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1〜図9に基づいて説明する。本実施形態では、本発明に係る熱交換器を、エンジンおよび走行用電動モータから走行用駆動力を得る、いわゆるハイブリッド自動車の熱交換器に適用した場合を例として説明する。
図1は、本第1実施形態の熱交換器1を示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態の熱交換器1は、複数のチューブ2およびフィン3からなるコア部4と、コア部4の両端部に組み付け配置される一対のヘッダタンク5とを有している。
チューブ2は流体が流れる管であり、このチューブ2は、空気流れ方向が長径方向と一致するように扁平状に形成されているとともに、その長手方向が垂直方向に一致するように水平方向に複数本平行に配置されている。フィン3は、波状に成形されるとともに、チューブ2の両側の扁平面に接合されており、このフィン3により空気との伝熱面積を増大させてチューブ2内を流通する流体と空気との熱交換を促進している。
ヘッダタンク5は、チューブ2の長手方向(以下、チューブ長手方向という)の両端部にてチューブ長手方向と直交する方向に延びて複数のチューブ2と連通するものである。本実施形態では、ヘッダタンク5は、チューブ2の上下端に配置されており、水平方向に延びて複数のチューブ2と連通している。このヘッダタンク5は、チューブ2が挿入接合されるコアプレート51と、コアプレート51とともにタンク空間を構成するタンク本体52とを有して構成されている。
また、コア部4おけるチューブ2の積層方向の両端部には、コア部4を補強するサイドプレート6が設けられている。サイドプレート6は、チューブ長手方向と平行に延びてその両端部がヘッダタンク5に接続されている。
コア部4は、後述するヘッダタンク5の仕切手段520a、520bを境に2つに分割されている。本実施形態では、コア部4は、図示しないエンジン内を循環してエンジンを冷却するエンジン冷却水と空気とを熱交換してエンジン冷却水を冷却する第1ラジエータ部100と、図示しない電動モータおよびインバータ回路等の電動モータを制御する電気制御回路内を循環して電動モータおよび電気制御回路を冷却する電気系冷却水を冷却する第2ラジエータ部200とを構成している。
ここで、複数のチューブ2のうち、第1ラジエータ部100を構成し、エンジン冷却水が流通するチューブを第1チューブ21といい、第2ラジエータ部200を構成し、電気系冷却水が流通するチューブを第2チューブ22という。なお、第1ラジエータ部100および第2ラジエータ部200が、本発明の複数の熱交換器部に相当している。
ヘッダタンク5において、第1ラジエータ部100と第2ラジエータ部200との境界部、すなわち第1チューブ21と第2チューブ22との間には、エンジン冷却水や電気系冷却水が流通しないダミーチューブ23が配設されている。本実施形態では、ダミーチューブ23を1本設けているが、もちろん2本以上設けてもよい。
次に、ヘッダタンク5の詳細な構成について説明する。図2は図1のA−A断面図、図3は図2のB部拡大図、図4は本第1実施形態に係るヘッダタンク5の要部を示す拡大斜視図、図5は図4のC−C断面図である。
図2〜図5に示すように、ヘッダタンク5は、チューブ2およびサイドプレート6が挿入接合されるコアプレート51、コアプレート51と共にヘッダタンク5内の空間であるタンク内空間を構成するタンク本体52、およびコアプレート51とタンク本体52との間をシールするシール部材としてのパッキン53を有している。
そして、本実施形態では、コアプレート51をアルミニウム合金製とし、タンク本体52をガラス繊維で強化されたガラス強化ポリアミド等の樹脂製として、ゴム製のパッキン53をコアプレート51とタンク本体52との間に挟んだ状態で、コアプレート51の後述する突起片516をタンク本体52に押し付けるように塑性変形させてタンク本体52をコアプレート51にカシメ固定している。
コアプレート51は、チューブ2が接合されるチューブ接合面511を有している。チューブ接合面511には、チューブ2が挿入されてろう付けされるチューブ挿入穴511aがチューブ積層方向に沿って多数形成されている。さらに、チューブ接合面511には、サイドプレート6が挿入されてろう付けされるサイドプレート挿入穴(図示せず)が、チューブ接合面511におけるチューブ積層方向の両端側に1つずつ形成されるとともに、ダミーチューブ23が挿入されてろう付けされるダミーチューブ挿入穴511cが形成されている。
チューブ接合面511の周囲には、タンク本体52のコアプレート51側の端部に形成される外周突起部521およびパッキン53が挿入される環状の溝部512が全周に亘って形成されている。この溝部512は3つの面で形成されている。すなわち、チューブ接合面511の外周部から略垂直に折り曲げられてチューブ長手方向に延びる内側壁部513の壁面と、内側壁部513から略垂直に折り曲げられてチューブ長手方向に垂直な方向に延びる外周シール面514と、外周シール面514から略垂直に折り曲げられてチューブ長手方向に延びる外側壁部515の壁面とによって、溝部512が形成されている。また、外側壁部515の端部には、突起片516が多数形成されている。
ここで、パッキン53は、コアプレート51の溝部512に対応するように環状に形成された環状部531と、コアプレート51と後述する仕切手段との間をシールする仕切シール部532とを有して構成されている。この仕切シール部532の詳細な構成については後述する。
タンク本体52の外周突起部521には、タンク側シール面522が形成されている。タンク側シール面522は、タンク内空間を囲むように環状に形成されている。また、タンク側シール面522は、パッキン53の環状部531に接触して、コアプレート51の外周シール面514とともにパッキン53を挟持するようになっている。
タンク側シール面522には、パッキン53の環状部531に向けて突出する突出部523が形成されている。突出部523は、パッキン53を押し付けて弾性変形により圧縮させることにより位置を安定化し、また、適正な圧縮率を確保する。
コアプレート51には、コアプレート51と後述する仕切手段520a、520bとの間をシールする仕切シール面517が形成されている。仕切シール面517には、パッキン53の仕切シール部532が配置されている。また、仕切シール面517は、外周シール面514、すなわち溝部512の底面と同一平面に位置している。このため、仕切シール面517は、外周シール面514と連続して形成されている。
ところで、ヘッダタンク5のタンク空間は、後述する仕切手段520a、520bにより、第1空間501と第2空間502とがタンク長手方向に並ぶように2つに分割されている。具体的には、本実施形態のタンク本体52は、コアプレート51とともに第1空間501を形成する第1本体部52a、およびコアプレート51とともに第2空間502を形成する第2本体部52bに分割されている。この第1本体部52aおよび第2本体部52bは、タンク長手方向に並んでいる。
ここで、第1本体部52aにおける第2本体部52bと対向する壁面を第1対向壁520aといい、第2本体部52bにおける第1本体部52aに対向する壁面を第2対向壁520bという。また、第1対向壁520aのコアプレート51側の端部を第1対向壁端部521aといい、第2対向壁520bのコアプレート51側の端部を第2対向壁端部521bという。
第1対向壁520aは、第1空間501に面する第1仕切面501aを有している。第2対向壁520bは、第2空間502に面する第2仕切面502aを有している。そして、第1対向壁520aにおける第1仕切面501aと反対側の面、および第2対向壁520bにおける第2仕切面502aと反対側の面は、ヘッダタンク5の外部に面している。すなわち、第1対向壁520aは第1本体部52aの外壁面の一部を構成しており、第2対向壁520bは第2本体部52bの外壁面の一部を構成している。
ここで、本実施形態の熱交換器1は、第1対向壁520aおよび第2対向壁520bにより、1つのヘッダタンク5の本体部52が第1本体部52aと第2本体部52bとに仕切られているとも言える。したがって、第1対向壁520aおよび第2対向壁520bが本発明の仕切手段を構成している。また、第1対向壁520aが本発明の第1仕切部に相当しており、第2対向壁520bが本発明の第2仕切部に相当している。
第1対向壁端部521aおよび第2対向壁端部521bは、タンク本体52の外周突起部521と同様な形状に形成されている。すなわち、第1対向壁端部521aおよび第2対向壁端部521bには、コアプレート51の仕切シール面517に対向する対向壁シール面522a、522bがそれぞれ形成されている。また、対向壁シール面522a、522bは、パッキン53の仕切シール部532に接触して、コアプレート51の仕切シール面517とともにパッキン53を挟持するようになっている。また、対向壁シール面522a、522bには、パッキン53の仕切シール部532に向けて突出する突出部523a、523bがそれぞれ形成されている。
本実施形態では、第1対向壁520aおよび第2対向壁520bは、互いに離間して配置されているが、コアプレート51側の端部において互いに接続されている。換言すると、第1対向壁520aおよび第2対向壁520bのコアプレート51側の端部により、第1対向壁520aおよび第2対向壁520bを接続する接続部520cが形成されている。この接続部520cは、パッキン53の仕切シール部532に接触して、コアプレート51の仕切シール面517とともにパッキン53を挟持するようになっている。
本実施形態のパッキン53の仕切シール部532は、第1対向壁520aとコアプレート51との間をシールする第1シール部532aと、第2対向壁520bとコアプレート51との間をシールする第2シール部532bとを有しており、第1シール部532aおよび第2シール部532bを一体として構成している。すなわち、パッキン53は、第1対向壁520aとコアプレート51との間をシールするとともに、第2対向壁520bとコアプレート51との間をシールする1つの仕切シール部532を有している。
また、本実施形態のパッキン53は、コアプレート51に組み付ける前の状態、すなわちパッキン53単体としてみたときに、コアプレート51とタンク本体52とに挟まれる部位の肉厚が均一になっている。ここで、「コアプレート51とタンク本体52とに挟まれる部位」とは、カシメ時に圧縮力がかかる部位のことをいい、図5中のD部のように、カシメ時に圧縮力のかからない部位は含まれない。
図1に戻り、一対のヘッダタンク5のうち、上側に配置されるものを上側ヘッダタンク5Aといい、下側に配置されるものを下側ヘッダタンク5Bという。上側ヘッダタンク5Aには、第1空間501と連通し、第1空間501内にエンジン冷却水を流入させるエンジン冷却水流入口81と、第2空間502と連通し、第2空間502から電気系冷却水を流入させる電気系冷却水流入口82とが設けられている。下側ヘッダタンク5Bには、第1空間501と連通し、第1空間501からエンジン冷却水を流出させるエンジン冷却水流出口83と、第2空間502と連通し、第2空間502からに電気系冷却水を流出させる電気系冷却水流出口84とが設けられている。
本実施形態の熱交換器1は、以上の如く構成されているので、タンク本体52をコアプレート51にカシメ固定した際に、仕切手段520a、520bのコアプレート51側の端部に形成された対向壁シール面522a、522bがパッキン53の仕切シール部532を圧縮することにより、仕切手段520a、520bとコアプレート51の仕切シール面517との間をシールすることができる。
このとき、コアプレート51の仕切シール面517を外周シール面514と同一平面に位置させているので、仕切手段520a、520bによってパッキン53の仕切シール部532の全面に亘って均一な圧縮力を与えることができる。これにより、仕切手段520a、520bとコアプレート51の仕切シール面517との間を確実にシールすることができる。その結果、ヘッダタンク5の仕切部分のシール性を向上できる。
ところで、第1比較例として、ヘッダタンク5を短手方向に仕切った、すなわち第1空間501と第2空間502とがヘッダタンク5の短手方向に並ぶようにヘッダタンク5を分割した熱交換器を図6に示す。
この第1比較例の熱交換器では、ヘッダタンク5の外周部には、タンク本体52をコアプレート51にカシメ固定するためのカシメ手段である突起片516が設定されているが、仕切部70には、カシメ手段等のヘッダタンク5に内圧が加わった際にヘッダタンク5がコアプレート51から浮き上がることを抑制する手段が設定されていない。さらに、第1比較例の熱交換器では、ヘッダタンク5を短手方向に仕切っている、すなわち仕切部70がヘッダタンク5の長手方向に延びているので、仕切部70におけるヘッダタンク5の長手方向の中央部は、図6中の矢印Xに示すように、パッキン(図示せず)の圧縮力が小さくなる方向に浮き上がり、変形してしまう。これにより、ヘッダタンク5の仕切部分のシール性が低下してしまうという問題があった。
これに対し、本実施形態の熱交換器では、ヘッダタンク5を長手方向に仕切っている、すなわち第1空間501と第2空間502とがヘッダタンク5の長手方向に並ぶようにヘッダタンク5を分割しているので、仕切手段520a、520bはヘッダタンク5の短手方向に延びている。したがって、ヘッダタンク5の仕切部分の長さを第1比較例に比べて短くできるので、ヘッダタンク5に内圧が加わった際に、仕切手段520a、520bがパッキン53の圧縮力が小さくなる方向に浮き上がることを抑制できる。その結果、ヘッダタンク5の仕切部分のシール性を向上できる。
ところで、第2比較例として、コアプレート51の仕切シール面517を湾曲形状とし、ヘッダタンク5の内部にヘッダタンク5の長手方向に直交する板状の仕切壁7を設け、タンク本体52のコアプレート51側の端部に形成される外周突起部521をパッキン(図示せず)を介してコアプレート51にカシメ固定した熱交換器を図7に示す。
この第2比較例の熱交換器では、タンク本体52の外周突起部521が、コアプレート51の溝部512に挿入された状態で突起片516を塑性変形させることによりカシメ固定されているので、ヘッダタンク5に内圧が負荷された場合に、外周突起部521は、図7中の矢印Yに示すように、ヘッダタンク5の内側方向に変形する。それに伴い、仕切壁7が、図7中の矢印Zに示すように、パッキン(図示せず)の圧縮力が小さくなる方向に変形するので、ヘッダタンク5の仕切部分のシール性が低下してしまうという問題があった。
これに対し、本実施形態の熱交換器では、図8、9に示すように、ヘッダタンク5の仕切部分(本実施形態における仕切手段520a、520bの接続部520c)が、タンク本体52の外周突起部521同士を接続するようにヘッダタンク5の短手方向に延びており、かつ、タンク本体52の開口部側(コアプレート51に対向する側)に設定されている。このため、ヘッダタンク5に内圧が負荷された場合に、タンク本体52の外周突起部521にヘッダタンク5の内側へ向かう力が加わったとしても、ヘッダタンク5の仕切部分により外周突起部521同士が接続されているので、外周突起部521がヘッダタンク5の内側へ変形することを抑制できる。これにより、ヘッダタンク5の仕切部分がパッキン(図示せず)の圧縮力が小さくなる方向に浮き上がることを抑制できる。その結果、ヘッダタンク5の仕切部分のシール性を向上できる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図10に基づいて説明する。図10は、本第2実施形態の熱交換器1のダミーチューブ23近傍を示す拡大断面図である。
図10に示すように、コアプレート51の仕切シール面517には、ダミーチューブ23を挿入接合するための穴が形成されていない。このため、ダミーチューブ23は、コアプレート51に非挿入状態となっており、ダミーチューブ23の長手方向の端部とコアプレート51との間には隙間が形成されている。なお、本実施形態では、ダミーチューブ23を2本設けているが、もちろん1本でもよいし、3本以上設けてもよい。
ところで、従来、コアプレート51とダミーチューブ23との接合部において、ろう付けの残渣物がコアプレート51の仕切シール面517を荒らし、コアプレート51と仕切壁7との間のシール性を低下させる虞があった。
これに対し、本実施形態の熱交換器1では、ダミーチューブ23をコアプレート51に挿入していないので、仕切シール面517にろう付けの残渣物がチューブ2を伝わって付着することを妨げるため、コアプレート51と仕切壁7との間のシール性を向上させることができる。
さらに、本実施形態の熱交換器1では、ダミーチューブ23をコアプレート51に挿入していないので、仕切シール面517近傍におけるチューブ2の熱膨張・熱収縮に対する拘束力を低減できる。その結果、仕切手段520a、520bに隣接するチューブ21、22とコアプレート51との根付部に発生する熱応力を低減できる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図11〜図14に基づいて説明する。図11は本第3実施形態の熱交換器1を示す斜視図、図12は図11のF−F断面図、図13は本第3実施形態の熱交換器1のヘッダタンク5を示す分解斜視図、図14は図13の要部を示す分解斜視図である。
図11〜図14に示すように、本実施形態の熱交換器1は、ヘッダタンク5の内部において、第1ラジエータ部100と第2ラジエータ部200との境界部、すなわち第1チューブ21と第2チューブ22との間に、タンク内空間をチューブ長手方向に分割する2枚の仕切壁7が配置されている。2枚の仕切壁7は、所定間隔離して設けられている。これにより、ヘッダタンク5内部のタンク内空間は、2枚の仕切壁7を境としてヘッダタンク5の長手方向に3つに分割されている。
ここで、2枚の仕切壁7により3つに分割されたタンク内空間のうち、第1チューブ21と連通するものを第1空間501といい、第2チューブ22と連通するものを第2空間502といい、第1空間501と第2空間502との間に配置され、第1、第2チューブ21、22いずれにも連通していないもの第3空間503という。第3空間503は、第1、第2チューブ21、22いずれにも連通していないので、断熱用の空間として作用する。また、2枚の仕切壁7のうち、一方の仕切壁7は第1空間501に面する第1仕切面501aを有しており、他方の仕切壁7は第2空間502に面する第2仕切面502aを有している。
本実施形態では、パッキン53の仕切シール部532は、その長手方向が空気流れ方向、すなわちダミーチューブ挿入穴511cの長手方向と平行に延びている。本実施形態では、仕切シール部532は2つ設けられており、2つの仕切シール部532は、ダミーチューブ挿入穴511cを挟むように離間して配置されている。本例では、2つの仕切シール部532は、環状部531と一体に形成されている。
本実施形態の熱交換器1は、以上の如く構成されているので、タンク本体52をコアプレート51にカシメ固定した際に、仕切壁7のコアプレート51側の端部がパッキン53の仕切シール部532を圧縮することにより、仕切壁7とコアプレート51の仕切シール面517との間をシールすることができる。
このとき、コアプレート51の仕切シール面517を外周シール面514と同一平面に位置させているので、仕切壁7によってパッキン53の仕切シール部532の全面に亘って均一な圧縮力を与えることができる。これにより、仕切壁7とコアプレート51の仕切シール面517との間を確実にシールすることができる。その結果、ヘッダタンク5の仕切部分のシール性を向上できる。
ところで、第1チューブ21および第2チューブ22には、互いに温度の異なる流体が流通している。このため、仕切壁7に隣接するチューブ21、22間の温度差に起因する熱膨張量の違いにより、仕切壁7に隣接するチューブ21、22とコアプレート51との根付部(接合部)に熱歪みに伴う熱応力が発生する可能性がある。
これに対し、本実施形態の熱交換器1では、コアプレート51の仕切シール面517を外周シール面514と同一平面に位置させているので、仕切シール面517がチューブ長手方向に直交する平面状に形成されている。このため、仕切シール面517の剛性を低下できるので、仕切シール面517近傍におけるチューブ2の熱膨張・熱収縮に対する拘束力を低減できる。その結果、仕切壁7に隣接するチューブ21、22間の熱膨張差を、コアプレート51の仕切シール面517近傍が変形することにより吸収できるので、仕切壁7に隣接するチューブ21、22とコアプレート51との根付部に発生する熱応力を低減できる。
さらに、本実施形態の熱交換器1では、仕切壁7を2枚設け、ヘッダタンク5のタンク内空間を、第1チューブ21と連通するもの第1空間501、第2チューブ22と連通するものを第2空間502、第1空間501と第2空間502との間に配置され、第1、第2チューブ21、22いずれにも連通しない第3空間503に分割しているので、万一、仕切壁7とコアプレート51との間がシール不良となっても、第1空間501(もしくは第2空間502)から漏れた冷却水が第3空間503内に溜まり、ヘッダタンク5の外部には流出しないので、ヘッダタンク5から冷却水が外部に漏れることを防止できる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図15に基づいて説明する。図15は本第4実施形態の熱交換器1のヘッダタンク5を示す拡大斜視図である。
図15に示すように、本実施形態のヘッダタンク5は、第1本体部52aと第2本体部52bとの間に配置され、第1本体部52aと第2本体部52bとを接続するリブ52cを有している。リブ52cは、空気流れ方向に対して直交する板状に形成されており、第1本体部52aと第2本体部52bにおけるコアプレート51から遠い側の端部から、第1本体部52aと第2本体部52bにおけるコアプレート51に近い側の端部まで延びている。このリブ52cは、第1本体部52aおよび第2本体部52bと一体に形成されている。本実施形態では、空気流れ方向に並列に3枚のリブ52cを設けているが、もちろん1枚としてもよいし、2枚または4枚以上としてもよい。
本実施形態の熱交換器1では、第1本体部52aと第2本体部52bとの間にリブ52cを設けているので、第1本体部52aと第2本体部52bとの間を送風空気が通過して熱交換性能が低下することを抑制できる。さらに、第1本体部52aと第2本体部52bとの間にリブ52cを設けることで、タンク本体52、すなわち第1本体部52aおよび第2本体部52bの成形時における反りを防止できるとともに、タンク本体52の剛性を高くできるので、ヘッダタンク5の組み付け作業性を向上できる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について図16および図17に基づいて説明する。図16は本第5実施形態の熱交換器1のヘッダタンク5を示す拡大斜視図、図17は図16のG矢視図である。
図16および図17に示すように、本実施形態の第1本体部52aと第2本体部52bは、別体として構成されている。第1本体部52aおよび第2本体部52bは、互いに離間して配置されている。第1本体部52aと第2本体部52bとの間には、板状のカシメプレート91が配設されている。
カシメプレート91は、コアプレート51の仕切シール面517に形成されたプレート挿入穴(図示せず)に挿入されている。なお、このプレート挿入穴としては、コアプレート51にダミーチューブ挿入穴511c(図4参照)が形成されている場合は、ダミーチューブ挿入穴511cを用いてもよい。すなわち、ダミーチューブ挿入穴511cに、カシメプレート91を挿入するように構成してもよい。
カシメプレート91は、チューブ積層方向、すなわちヘッダタンク5の長手方向に略直交する平面を有して構成されている。カシメプレート91における仕切シール面517から遠い側の端部は、チューブ積層方向から見たときに、空気流れ方向の上流側と下流側とに突出する2つの突出部91a、91bを有する略T字状に形成されている。2つの突出部91a、91bは、チューブ長手方向から見たときに、空気流れ方向に対して傾斜するように折り曲げられている。2つの突出部91a、91bのうち、一方の突出部91aにおけるコアプレート51側の面は、第1本体部52aの第1対向壁端部521aと接触しており、他方の突起部91bにおけるコアプレート51側の面は、第2本体部52bの第2対向壁端部521bと接触している。
続いて、本実施形態の熱交換器1におけるヘッダタンク5の製造方法について説明する。まず、コアプレート51のプレート挿入穴(図示せず)にカシメプレート91を挿入する。このとき、カシメプレート91の2つの突出部91a、91bは、折り曲げられておらず、同一平面に位置している。
次に、コアプレート51に第1本体部52aおよび第2本体部52bを組み付けた後、カシメプレート91の2つの突出部91a、91bを互いに反対方向に捻る。これにより、第1本体部52aの第1対向壁端部521aおよび第2本体部52bの第2対向壁端部521bを、コアプレート51にカシメ固定することができる。
本実施形態の熱交換器1では、第1本体部52aの第1対向壁端部521aおよび第2本体部52bの第2対向壁端部521bをカシメ固定するカシメプレート91が設けられているので、第1対向壁端部521aおよび第2対向壁端部521bによって、パッキン53の仕切シール部532により高い圧縮力を与えることができる。これにより、第1対向壁端部521aおよび第2対向壁端部521bと、コアプレート51の仕切シール面517との間、すなわちヘッダタンク5を仕切る仕切手段とコアプレート51の仕切シール面517との間をより確実にシールすることができる。その結果、ヘッダタンク5の仕切部分のシール性を確実に向上できる。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について図18〜図20に基づいて説明する。図18は本第6実施形態の熱交換器1のコアプレート51およびパッキン53を示す拡大斜視図、図19は本第6実施形態のヘッダタンク5の要部を示す拡大断面図である。
図18および図19に示すように、本実施形態のパッキン53は、第1本体部52aとコアプレート51との間をシールする第1パッキン部53aと、第2本体部52bとコアプレート51との間をシールする第2パッキン部53bと、第1パッキン部53aおよび第2パッキン部53bとを接続する接続パッキン部53cとを有している。第1パッキン部53a、第2パッキン部53bおよび接続パッキン部53cは、一体に形成されている。
そして、第1パッキン部53aにおけるコアプレート51の仕切シール面517に配置される部位、第2パッキン部53bにおける仕切シール面517に配置される部位、および接続パッキン部53cによって、仕切シール部532が構成されている。
本実施形態では、第1パッキン部53aおよび第2パッキン部53bの角部は、それぞれ所定半径を有する円弧形状(いわゆるR形状)となっている。また、接続パッキン部53cは、第1パッキン部53aと第2パッキン部53bとを空気流れ方向のほぼ全域に亘って接続するように構成されている。
接続パッキン部53cは、コアプレート51の仕切シール面517に対向した一面531cと、一面531cの反対側の他面532cとを有している。接続パッキン部53cの一面531cには、その一部が他面532c側に凹んだ第1凹部533cが設けられている。また、接続パッキン部53cの他面532cには、その一部が一面531c側に凹んだ第2凹部534cが設けられている。これらの凹部533c、534cは、接続パッキン部53cの空気流れ方向の全域に亘って形成されている。
ところで、通常、複数の熱交換器部が一体化された熱交換器では、熱交換器の製造後、複数の熱交換器部間で互いの流体が行き来する、いわゆる内部リーク、および熱交換器外部へ流体が漏れる、いわゆる外部リークの発生を検出する品質検査を行う。この品質検査では、熱交換器に実際にチェック用のガス(以下、チェックガスという)を流通させることにより、内部リークおよび外部リークを検出している。
本実施形態の熱交換器1では、上述の品質検査工程において、仕切壁7とコアプレート51との間のシールが不良である場合、図19の矢印に示すように、第1空間501内のチェック用ガス、および第2空間502内のチェック用ガスが、コアプレート51の仕切シール面517とパッキン53との間を通って、パッキン53に形成された第1凹部533c内に移動し、その後ヘッダタンク5の外部に漏れる。すなわち、本実施形態の熱交換器1では、品質検査時に、熱交換器1に内部リークが発生している場合でも、チェック用ガスが必ず熱交換器1の外部に漏れるように構成されているので、内部リークの発生を早期に検出できる。
ここで、図20は第3比較例を示している。パッキン53の接続パッキン部53cに凹部が形成されていない熱交換器では、上述の品質検査工程において、仕切壁7とコアプレート51との間のシールが不良である場合でも、図20の矢印に示すように、第1空間501内のチェック用ガスが第2空間502に移動するとともに、第2空間502内のチェック用ガスが第1空間501に移動する。すなわち、品質検査時に、熱交換器1に内部リークが発生している場合、これを外部リークとして検出できない。このため、内部リークを検出するためには、各熱交換器部ごとに個別にチェック用ガスを流通させる必要がある。
これに対し、本実施形態の熱交換器1では、品質検査時に内部リークが発生していても、チェック用ガスが必ず熱交換器1の外部に漏れるように構成されているので、例えば、エンジン冷却水流出口83と電気系冷却水流入口82とをパイプでつなぐとともに、エンジン冷却水流入口81からチェック用ガスを導入することで、外部リークと内部リークとを一度の検査で検出することができる。その結果、簡易な方法で品質検査を実現できるので、生産性を向上できる。
なお、前述した第1実施形態では、本第6実施形態の第1、第2凹部533c、534cに関する説明を省略しているが、第1実施形態においても図5に図示するようにパッキン53に第6実施形態の第1、第2凹部533c、534cに相当する第1、第2凹部533c、534cが形成されている。
本第6実施形態の熱交換器1における仕切壁7は図19に図示するようにタンク本体52に一体に形成されている。前述した第3実施形態の熱交換器1における仕切壁7も図12に図示するようにタンク本体52に一体に形成されている。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態について図21および図22に基づいて説明する。図21は本第7実施形態の熱交換器1のコアプレート51を示す拡大斜視図、図22は本第7実施形態の熱交換器1のコアプレート51およびパッキン53を示す拡大平面図である。
図21および図22に示すように、本実施形態のコアプレート51における仕切シール面517には、仕切シール面517からコア部4と反対側、すなわちヘッダタンク5側に突出する突起部518が形成されている。突起部518は、仕切シール面517における空気流れ方向の両端部に1つずつ設けられている。
突起部518は、第1パッキン部53aの角部および第2パッキン部53bの角部に共に接触するような形状に形成されている。本実施形態では、突起部518は、略三角形状に形成されており、この三角形状の角部は、所定半径を有する円弧形状(いわゆるR形状)になっている。また、突起部518の突起高さは、カシメ高さ寸法下限値付近に下目に設定している。
本実施形態の熱交換器1では、コアプレート51における仕切シール面517に突起部518を形成しているので、仕切壁7のコアプレート51側の端部がパッキン53の仕切シール部532を圧縮した際に、パッキン53がずれてしまうことを抑制できる。また、ヘッダタンク5の内圧が上昇した場合に、パッキン53の位置ズレを抑制できる。これにより、仕切壁7とコアプレート51の仕切シール面517との間をより確実にシールすることができる。その結果、ヘッダタンク5の仕切部分のシール性を確実に向上できる。
また、パッキン53をコアプレート51に配置する際に、突起部518がパッキン53をガイドする役割を果たすので、パッキン53の組み付け性を向上できる。さらに、突起部518はカシメ高さ寸法下限付近に設定されているので、過カシメが発生した場合に、ヘッダタンク5のカシメ部の割れ防止を図ることができる。
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態について図23に基づいて説明する。図23は本第8実施形態の熱交換器1が搭載されるクーリングモジュールを示す模式的な断面図である。
図23に示すように、本実施形態の熱交換器1は、熱交換器1に空気を供給する送風機101、および送風機101を保持し、熱交換器1を通過する空気流をガイドするシュラウド102と共にクーリングモジュールを構成している。
シュラウド102における熱交換器1の車両後方側の部位には、車両前方側に向かって突出するシュラウド突起部103が形成されている。このシュラウド突起部103は、熱交換器1のコア部4におけるヘッダタンク5近傍の部位と対向するように配置されている。本実施形態では、シュラウド突起部103は、シュラウド102と一体に形成されている。
これによれば、ダミーチューブ23にろう付けされているフィン3が腐食、脱落した場合、コアプレート51に挿入されていないダミーチューブ23が、車両走行風によって生じる圧力(ラム圧)等により車両後方側に飛び出した場合に、シュラウド突起部103がダミーチューブ23を押さえる働きをするので、送風機101とダミーチューブ23が干渉して送風機101のモータのロック等の二次的不具合を防止することができる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の第6実施形態では、パッキン53の第1パッキン部53aおよび第2パッキン部53bの角部をそれぞれR形状とするとともに、接続パッキン部53cを、第1パッキン部53aと第2パッキン部53bとを空気流れ方向のほぼ全域に亘って接続するように構成した例を説明しているが、これに限定されるものではない。
例えば、図24に示すように、第1パッキン部53aおよび第2パッキン部53bの角部をそれぞれ直角としてもよい。さらに、接続パッキン部53cを、第1パッキン部53aと第2パッキン部53bとを空気流れ方向の両端部のみで接続するように構成してもよい。
(2)上述の各実施形態では、チューブ2を1列に並べて配置した、すなわちコアプレート51のチューブ接合面511にチューブ挿入穴511aを1列に並んで形成した例を説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、図25に示すように、コアプレート51のチューブ接合面511にチューブ挿入穴511aを2列形成し、チューブ2を2列に配置してもよい。
(3)上述の第3実施形態では、仕切壁7を2枚設けた例を説明しているが、これに限定されることなく、仕切壁7を1枚としてもよい。この場合、仕切壁7の一側の面が第1仕切面を構成しており、仕切壁の他側の面が第2仕切面を構成している。
(4)上述の各実施形態では、本発明の熱交換器1を、エンジン冷却水を冷却する第1ラジエータ部100と電気系冷却水を冷却する第2ラジエータ部200とを有する熱交換器に適用したが、これに限定されることなく、本発明は複数の熱交換器部を有する熱交換器一般に広く適用可能であることはもちろんである。
(5)上述の各実施形態では、第1チューブ21と第2チューブ22との間にダミーチューブ23を配設した例を説明しているが、これに限らず、ダミーチューブ23を配設しなくてもよい。
(6)上述の第1実施形態では、1つのパッキン53が、第1本体部52aとコアプレート51との間をシールする部分と、第2本体部52bとコアプレート51との間をシールする部分とを有している、すなわち第1本体部52aとコアプレート51との間をシールするパッキンと、第2本体部52bとコアプレート51との間をシールするパッキンとを一体に形成した例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第1本体部52aとコアプレート51との間をシールするパッキンと、第2本体部52bとコアプレート51との間をシールするパッキンとを別体に構成してもよい。
(7)上述した各実施形態は、可能な範囲で適宜組み合わせてもよい。
5 ヘッダタンク
7 仕切壁(仕切手段)
51 コアプレート
52 タンク本体
52a 第1本体部
52b 第2本体部
53 パッキン(シール部材)
501 第1空間
502 第2空間
514 外周シール面
517 仕切シール面
520a 仕切手段
520b 仕切手段

Claims (7)

  1. 流体が流通する複数本のチューブ(2)を有するコア部(4)と、前記複数本のチューブ(2)の長手方向端部側に位置し、前記チューブ(2)の長手方向と直交する方向に延びて前記複数本のチューブ(2)と連通する一対のヘッダタンク(5)を備え、前記ヘッダタンク(5)が、前記チューブ(2)が接合されるコアプレート(51)と、前記コアプレート(51)とともにタンク空間を構成するタンク本体(52)とを有している熱交換器であって、
    前記ヘッダタンク(5)には、少なくとも第1空間(501)と第2空間(502)とが前記ヘッダタンク(5)の長手方向に並ぶように前記タンク空間を分割する仕切手段(520a、520b、7)が設けられており、
    前記仕切手段(520a、520b、7)を境に、前記コア部(4)を前記第1空間(501)および前記第2空間(502)の配置方向に分割することにより、複数の熱交換器部(100、200)が構成されており、
    前記コアプレート(51)は、前記チューブ(2)が接合されるチューブ接合面(511)を有しており、
    前記チューブ接合面(511)の周囲には、前記コアプレート(51)、および前記タンク本体(52)における前記コアプレート(51)側の端部の間をシールするシール部材(53)が配置される環状の外周シール面(514)が全周に亘って形成されており、
    前記チューブ接合面(511)における前記仕切手段(520a、520b、7)と対応する部位には、前記シール部材(53)が配置される仕切シール面(517)が設けられ、
    前記仕切シール面(517)は、前記外周シール面(514)と同一平面に位置しており、
    前記シール部材(53)は、前記コアプレート(51)と前記タンク本体(52)とに挟まれる部分の肉厚が均一であり、
    前記仕切手段(520a、520b、7)の端部には、前記コアプレート(51)の前記仕切シール面(517)に対向する対向壁シール面(522a、522b)が形成され、
    さらに、前記シール部材(53)は、
    前記コアプレート(51)の前記外周シール面(514)、および前記タンク本体(52)の前記コアプレート(51)側の端部の間をシールする環状に形成された環状部(531)と、
    前記コアプレート(51)の前記仕切シール面(517)および前記仕切手段(520a、520b、7)の間をシールする仕切シール部(532)とを有しており、
    前記環状部(531)と前記仕切シール部(532)とが一体に構成されており、
    前記仕切シール部(532)は、前記仕切シール面(517)に対向した一面(531c)と、前記一面(531c)の反対側の他面(532c)と、前記一面(531c)の一部が前記他面(532c)側に凹んだ凹部(533c)とを有しており、
    前記仕切シール部(532)の前記一面(531c)のうち前記凹部(533c)が形成されていない部位が前記仕切シール面(517)に接触する接触面となっており、
    前記仕切シール部(532)の前記他面(532c)のうち前記一面(531c)の前記接触面に対向する部位に、前記仕切手段(520a、520b、7)の前記対向壁シール面(522a、522b)が接触するようになっており、
    前記仕切手段(520a、520b、7)の前記対向壁シール面(522a、522b)と前記コアプレート(51)の前記仕切シール面(517)とにより前記仕切シール部(532)を挟持することによって、前記コアプレート(51)と前記仕切手段(520a、520b、7)との間がシールされ
    前記凹部(533c)は前記ヘッダタンク(5)の外部に連通していることを特徴とする熱交換器。
  2. 前記凹部(533c)は、前記仕切シール部(532)の前記一面(531c)における前記コア部(4)の空気流れ方向の全域に亘って形成されていることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記コア部(4)における前記仕切手段(520a、520b、7)と対応する部位には、前記流体が流通しないダミーチューブ(23)が配設されており、
    前記ダミーチューブ(23)は、前記コアプレート(51)に対して非挿入状態であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱交換器。
  4. 前記タンク本体(52)は、少なくとも第1本体部(52a)と第2本体部(52b)とを有しており、
    前記仕切手段(520a、520b)は、前記第1本体部(52a)の内部空間が前記第1空間(501)となり、前記第2本体部(52b)の内部空間が前記第2空間(502)となるように前記ヘッダタンク(5)を分割するものであり、
    さらに、前記仕切手段(520a、520b)は、前記第1空間(501)に面する第1仕切面(501a)と、前記第2空間(502)に面する第2仕切面(502a)とを有しており、
    前記仕切手段は、
    前記第1仕切面(501a)を有する第1仕切部(520a)と、
    前記第1仕切部(520a)と離隔して配置され、前記第2仕切面(502a)を有する第2仕切部(520b)と、
    前記第1仕切部(520a)および前記第2仕切部(520b)の間に配置され、前記第1仕切部(520a)の前記コアプレート(51)側の端部と、前記第2仕切部(520b)の前記コアプレート(51)側の端部とを接続する接続部(520c)とを備えており、
    前記第1仕切部(520a)における前記第1仕切面(501a)と反対側の面、および前記第2仕切部(520b)における前記第2仕切面(502a)と反対側の面は、前記ヘッダタンク(5)の外部に面しており、
    前記接続部(520c)は、前記コアプレート(51)の前記仕切シール面(517)と対応する部位に配置されており、
    前記接続部(520c)に前記対向壁シール面(522a、522b)が形成され、前記対向壁シール面(522a、522b)と前記仕切シール面(517)とにより前記仕切シール部(532)を挟持することによって、前記コアプレート(51)と前記接続部(520c)との間がシールされていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の熱交換器。
  5. 前記第1本体部(52a)と前記第2本体部(52b)との間には、前記コア部(4)の空気流れ方向に対して直交する板状に形成されたリブ(52c)が少なくとも1つ配設されていることを特徴とする請求項4に記載の熱交換器。
  6. 前記仕切手段は、前記ヘッダタンク(5)の内部に板状に形成され、前記タンク空間を少なくとも前記第1空間(501)と前記第2空間(502)とに分割する仕切壁(7)により構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の熱交換器。
  7. 前記コアプレート(51)の外側端部には複数の突起片(516)が形成されており、
    前記複数の突起片(516)を前記タンク本体(52)に押し付けて塑性変形させることにより前記タンク本体(52)を前記コアプレート(51)にカシメ固定するようにしたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の熱交換器。
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