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JP5588701B2 - 鞍乗り型車両のカバー構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両後方側部に収納ボックスを備える鞍乗り型車両のカバー構造に関する。
自動二輪車等の鞍乗り型車両では車両後方側部に樹脂材料等からなる収納ボックスを備えるものがある。例えば特許文献1には、車両外側に開閉自在な蓋を有する収納ボックスを車両後部の左右に備えた自動二輪車が開示されている。この車両では収納ボックスの前方に設けられるカバーが収納ボックスと一体的に形成されている。
特開2006−281948号公報
ところで上記特許文献1に係る車両では収納ボックスの周囲を覆うようにカバーが収納ボックスと一体的に形成されているが、これらを別体とすることも考えられる。しかし、このような態様では、カバーと収納ボックスとの間に隙間を確保し組付け時のばらつきを吸収させることが必要であり、隙間によってカバーの端部がばたついてしまう場合があり、また、カバーと収納ボックスとが接触しやすく質感が低下してしまう場合がある。そのばたつきをなくすために、カバーの構造が複雑になり、外観性が低下してしまうことも考えられる。
本発明は係る実情に鑑みてなされたものであり、鞍乗り型車両において収納ボックスの前方に配置されるカバーのばたつきをなくし、このカバーと収納ボックスとの接触を抑えて質感の低下を抑えることのできる鞍乗り型車両のカバー構造の提供を目的とする。また、ばたつきを抑えながら隣接する他部品の組付け時のばらつきも吸収させることのできる鞍乗り型車両のカバー構造の提供を目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載の発明は、車両(例えば実施形態における自動二輪車1)後方の車体フレーム(例えば実施形態における車体フレーム4)の側方に、車両外側に開口(例えば実施形態における開口29A)を向ける収納ボックス本体(例えば実施形態におけるトランク箱本体29)と前記開口を覆い開閉自在な蓋体(例えば実施形態におけるトランク開閉蓋30)とを備える収納ボックス(例えば実施形態における左トランク23)を設け、前記収納ボックスの前方に、車体側方を覆うサイドカバー(例えば実施形態における後部サイドカバー20L)を設け、前記サイドカバーの後端部(例えば実施形態における後端部31)を前記収納ボックス本体の最外側面(例えば実施形態における外側端部32)まで延ばし、該サイドカバーの後端部を前記最外側面に固定し、前記収納ボックス本体(29)の前記最外側面(32)に、車両前後方向を長手方向とした長穴のグロメット(35)が設けられ、前記サイドカバー(20L)の後端部(31)内側にボス部(33)が設けられ、前記ボス部(33)が前記グロメット(35)に係合されることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、前記サイドカバーの前記後端部と前記収納ボックス本体の前記最外側面との固定部位が、前記蓋体が全閉状態のときに該蓋体によって覆われることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、前記サイドカバーの前方に前サイドカバー(例えば実施形態における側面車体カバー3L)が設けられ、前記前サイドカバーの上方には乗員が着座するシート(例えば実施形態における運転者用座席18)が設けられることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、前記サイドカバーの前記ボス部は車幅方向外側から内側に向って前記グロメットに差し込まれるとともに、前記蓋体は車幅方向外側から前記サイドカバーの前記後端部を覆うことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、収納ボックスの前方に配置されるサイドカバーの後端部が収納ボックス本体の最外側面に固定されるので、サイドカバーの後端部のばたつきをなくすことができ、サイドカバーと収納ボックスとの接触を抑えて質感の低下を抑えることができる。
さらに、グロメットが車両前後に延びる長穴なので、隣接するサイドカバーと収納ボックスとの組付け時の前後のばらつきを吸収できる。
請求項に記載の発明によれば、サイドカバーの後端部の固定を蓋体を開いた状態で行うことができ、リッドを閉じれば固定部分が隠れるので、作業性及び外観性を向上できる。また、通常リッドを開いた状態では走行を開始しないので、サイドカバーが脱落する心配もない。
請求項に記載の発明によれば、前サイドカバー、収納ボックス、シートと三方を他部品に囲まれた場所であっても、他部品の組付け時のばらつきをサイドカバーで吸収することができる。
請求項に記載の発明によれば、ボス部は車幅方向外側から内側に向って差し込まれているので、蓋体に覆われない状態でも取付部が外観しない。
本発明の実施形態に係る自動二輪車の側面図である。 車両後部の側面図である。 トランク開閉蓋が開いた状態の車両後部の斜視図である。 トランク開閉蓋が閉じた状態の車両後部の斜視図である。 左トランク及び後部サイドカバー周辺の上面図である。 後部サイドカバーの側面図である。 後部サイドカバーの上面図である。 トランク箱本体の側面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を基に説明する。図1に本発明が適用された自動二輪車1が示されている。
自動二輪車1は、前,後車輪WF,WR間にエンジンEを備え、車体前部を前部車体カバー2で覆われ、車体左,右側面を側面車体カバー3L,3R(紙面手前側の3Lのみ示す)で覆われている。なお、図中で矢印FRは車両前方を示し、矢印UPは車両上方を示し、矢印LHは車両左方を示す。
自動二輪車1の車体の基本骨格を形成する車体フレーム4は、車体フレーム本体5と後部車体フレーム6とで構成され、車体フレーム本体5は、ヘッドパイプ7と、ヘッドパイプ7に連なって傾斜姿勢で車体後方へ延びる左右一対のメインフレーム8L,8Rと、ヘッドパイプ7から下方へ延びた後、車体後方へ延びる左右一対のダウンフレーム9L,9Rと、メインフレーム8L,8Rの後端部に連なって車体後方へ延びる左右一対のシートレール10L,10Rと、ダウンフレーム9L,9Rおよびシートレール10L,10Rに連なる左右一対の中央フレーム11L,11Rと、中央フレーム11L,11Rの下部から後上方に延びてシートレール10L,10Rの後端部に結合するサブフレーム12L,12Rとで構成されている。
後部車体フレーム6は、シートレール10L,10Rの後端部から後方へ延びる左右一対の上部パイプ13L,13Rと、サブフレーム12L,12Rの上下方向略中央領域から後上方に延び、その後端部で上部パイプ13L,13Rの後端部と結合する左右一対の傾斜パイプ14L,14Rと、サブフレーム12L,12Rの下部から後方に延びた後、上方に延びて傾斜パイプ14L,14Rと結合する下部パイプ15L,15Rと、傾斜パイプ14L,14Rと下部パイプ15L,15Rとの間に架設される縦パイプ16L,16Rとで構成されている。なお、図1には、車体フレーム本体5の紙面手前側のメインフレーム8L、ダウンフレーム9L、シートレール10L、中央フレーム11L、サブフレーム12Lのみを示し、後部車体フレーム6の紙面手前側の上部パイプ13L、傾斜パイプ14L、下部パイプ15L、縦パイプ16Lのみを示している。
車体フレーム本体5においてヘッドパイプ7には操舵系が回転自在に支持される。符合17は操舵系に含まれるハンドルバーを示している。また、メインフレーム8L、8Rの上方には燃料タンクTが載置されている。また、燃料タンクTの後方においてシートレール10L,10Rの上方には運転者用座席(前シート)18及び添乗者用座席(後シート)19が前後に連なって載置されている。
燃料タンクTの下方であって、メインフレーム8L,8Rとダウンフレーム9L,9Rとの間にエンジンEが搭載され、運転者用座席18とメインフレーム8L,8Rとの間に側面車体カバー3L,3Rが設けられている。側面車体カバー3L,3Rの各側部はメインフレーム8L,8Rの側部と略面一とされるとともに、運転者用座席18の側部とも略面一とされている。
図2に車両後部が拡大して示され、側面車体カバー3L,3Rの後方には後部サイドカバー20L,20R(紙面手前側の20Lのみ示す)が設けられている。後部サイドカバー20L,20Rは側面車体カバー3L,3Rの後部から滑らかに連なって後方に延びている。後部サイドカバー20L,20Rには車幅方向外側に開口する通風穴21L,21R(紙面手前側の21Lのみ示す)が形成されている。この通風穴21L,21Rは、導入した走行風を後輪WRのタイヤハウス内に導くべく、タイヤハウスに連通している。
添乗者用座席19の後方には中央トランク22が設けられ、中央トランク22の左右下方であって、後部サイドカバー20L,20Rの後方には左トランク23、右トランクがそれぞれ設けられている(図1の紙面手前側の左トランク23のみ示す)。後輪WRの左右側部は、左トランク23および右トランクによって覆われており、中央トランク22は、トランク箱本体25と、これを覆うトランク開閉蓋26とを主部材として構成されている。トランク開閉蓋26の前面には添乗者用座席19用の背当り27が設けられ、トランク箱本体25の下部は、後部センタカバー28で覆われており、後部センタカバー28は、後部サイドカバー20L,20Rの後部と連なるとともに、左トランク23および右トランク24の上部と連なるように前後に延在する。
左トランク23は、トランク箱本体29(破線)と、このトランク箱本体29を開閉可能とするトランク開閉蓋30とを主部材として構成されており、トランク箱本体29は、図1に示した後部車体フレーム6の下部パイプ15L,15Rにボルト締め等で取り付け固定されている。図3,図4を参照し、トランク箱本体29は車両外側に開口29Aを向けており、トランク開閉蓋30は下部をトランク箱本体29に回転自在に支持され、車両外側に向けて開き、開口29Aを開放し、車幅方向外側から開口29Aを覆う。なお、中央トランク22の右下方に配置される右トランクも同様の構成を備えている。
図3〜図5に注目し、トランク箱本体29の前方に配置される後部サイドカバー20Lの後部は、トランク箱本体29の前壁に沿うように車幅方向外側に延出しており、後部サイドカバー20Lにはトランク箱本体29の前壁に沿う延出部40Lが形成されている。延出部40Lは、図3に示すようにトランク箱本体29の開口29Aの前側縁部に位置する外側端部(最外側面)32まで延びている。延出部40Lの側端部には、トランク箱本体29の外側端部32に沿って前後方向に延びる後端部31が形成されている。図6、図7を参照し、後部サイドカバー20Lの後端部31の内面(車体側内面)には、当該内面から突出するボス部33,33が上下に並んで形成されている。
後部サイドカバー20Lのボス部33、33はトランク箱本体29に固定されており、図8を参照し、トランク箱本体29の外側端部32には、長穴34,34が上下並んで形成されている。後部サイドカバー20Lの後部は、ボス部33,33を車幅方向外側から内側に向って長穴34,34に係合することで固定される。ここで長穴34の内周には樹脂材料からなる長穴状のグロメット35,35が設けられており、これによりボス部33,33は弾性支持されている。
図3,図4を併せて参照し、後部サイドカバー20Lの後端部31とトランク箱本体29の外側端部32との固定部位は、トランク開閉蓋30が全閉状態のときには、このトランク開閉蓋30によって覆われる。また、図6、図7を参照すると、後部サイドカバー20Lの前側、中央側内面には、上記ボス部33,33と同様に取り付けのためのボス部36・・・が形成されている。これらボス部36・・・は、側面車体カバー3Lの下部に形成された係合孔等に係合される。これにより、後部サイドカバー20Lは側面車体カバー3Lと左トランク23に跨るように取付けられる。
以上に記載したように本実施形態に係る自動二輪車1では、車体フレーム4の後部側方に、車両外側に開口29Aを向けるトランク箱本体29と開口29Aを覆い開閉自在なトランク開閉蓋30とを備える左トランク23を設け、左トランク23の前方に、車体側方を覆う後部サイドカバー20Lを設け、後部サイドカバー20Lの後端部31をトランク箱本体29の外側端部32まで延ばし、後部サイドカバー20Lの後端部31をトランク箱本体29の外側端部32に固定する。したがって、後部サイドカバー20Lの後端部31のばたつきをなくすことができ、後部サイドカバー20Lと左トランク23との接触を抑えて質感の低下を抑えることができる。
また、トランク箱本体29外側端部32に、車両前後方向を長手方向とした長穴のグロメット35,35が設けられ、後部サイドカバー20Lの後端部31内側にボス部33,33が設けられ、ボス部33,33がグロメット35,35に係合されている。これによれば、グロメット35が車両前後に延びる長穴なので、後部サイドカバー20Lとトランク箱本体29との組付け時の前後のばらつきを吸収できる。また、本実施形態では、後部サイドカバー20Lの前方に側面車体カバー3Lが設けられ、側面車体カバー3Lの上方には乗員が着座する運転者用座席18が設けられるが、このような複数の部品に囲まれた場合であっても、後部サイドカバー20Lは他部品の組付け時のばらつきを吸収可能である。
また、後部サイドカバー20Lの後端部31とトランク箱本体29の外側端部32との固定部位は、トランク開閉蓋30が全閉状態のときに覆われる。このため、後部サイドカバー20Lの後端部31の固定をトランク開閉蓋30を開いた状態で行うことができ、トランク開閉蓋30を閉じれば固定部分が隠れるので、作業性及び外観性を向上できる。また、通常トランク開閉蓋30を開いた状態では走行を開始しないので、後部サイドカバー20Lが脱落する心配もない。
また、後部サイドカバー20Lのボス部33,33は車幅方向外側から内側に向ってグロメット35,35に差し込まれるとともに、トランク開閉蓋30は車幅方向外側から後部サイドカバー20Lの後端部31を覆っている。これによれば、ボス部33,33は車幅方向外側から内側に向って差し込まれているので、トランク開閉蓋30に覆われない状態でも取付部(グロメット35,35等)が外観しない。なお、車体の右側に取付けられる後部サイドカバー20Rについての説明は省略したが上述した後部サイドカバー20Lと同様の構成である。
上記実施形態における構成はこの発明の一例であり、部品構成や構造、形状、大きさ、数及び配置等を含め、当該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。例えば、本実施形態では本発明を自動二輪車に適用したが、三輪車両や四輪のバギー車等でも本発明は好適に適用できる。
1 自動二輪車(車両)
3L 側面車体カバー(前サイドカバー)
4 車体フレーム
18 運転者用座席(シート)
20L 後部サイドカバー(サイドカバー)
23 左トランク(収納ボックス)
29 トランク箱本体(収納ボックス本体)
29A 開口
30 トランク開閉蓋(蓋体)
31 後端部
32 外側端部(最外側面)
33 ボス部
35 グロメット

Claims (4)

  1. 車両(1)後方の車体フレーム(4)の側方に、車両外側に開口(29A)を向ける収納ボックス本体(29)と前記開口(29A)を覆い開閉自在な蓋体(30)とを備える収納ボックス(23)を設け、
    前記収納ボックス(23)の前方に、車体側方を覆うサイドカバー(20L)を設け、
    前記サイドカバー(20L)の後端部(31)を前記収納ボックス本体(29)の最外側面(32)まで延ばし、該サイドカバー(20L)の後端部(31)を前記最外側面(32)に固定し、
    前記収納ボックス本体(29)の前記最外側面(32)に、車両前後方向を長手方向とした長穴のグロメット(35)が設けられ、前記サイドカバー(20L)の後端部(31)内側にボス部(33)が設けられ、前記ボス部(33)が前記グロメット(35)に係合されることを特徴とする鞍乗り型車両のカバー構造。
  2. 前記サイドカバー(20L)の前記後端部(31)と前記収納ボックス本体(29)の前記最外側面(32)との固定部位が、前記蓋体(30)が全閉状態のときに該蓋体(30)によって覆われることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両のカバー構造。
  3. 前記サイドカバー(20L)の前方に前サイドカバー(3L)が設けられ、前記前サイドカバー(3L)の上方には乗員が着座するシート(18)が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型車両のカバー構造。
  4. 前記サイドカバー(20L)の前記ボス部(33)は車幅方向外側から内側に向って前記グロメット(35)に差し込まれるとともに、前記蓋体(30)は車幅方向外側から前記サイドカバー(20L)の前記後端部(31)を覆うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鞍乗り型車両のカバー構造。
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