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JP5580675B2 - パンツ型吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、使い捨ておむつ等のパンツ型吸収性物品に関する。
従来、着用者の腹側に配される腹側部、着用者の股間部に配される股下部及び着用者の背側に配される背側部に亘る砂時計状の外包材と、該外包材の内面側に固定された吸収性本体とを備え、腹側部における外包材の両側縁部と背側部における外包材の両側縁部とが接合されてウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型吸収性物品が知られている。
このようなパンツ型吸収性物品を連続生産する際には、外包材の帯状原反にレッグ開口部形成用の貫通孔や切り欠きを形成し、不要な部分をトリムとして除去するのが一般的である。
また、従来のパンツ型吸収性物品として、外包材が、着用者の腹側に配される腹側シート部材と、着用者の背側に配される背側シート部材とに分割されており、吸収性本体が、腹側シート部材及び背側シート部材に架け渡すように固定されていると共に、腹側シート部材の左右の両側縁部と背側シート部材の左右両側縁部とが接合されているパンツ型吸収性物品が知られている。例えば、特許文献1には、そのようなパンツ型吸収性物品として、前ベルト部分及び後ろベルト部分からなる環状弾性ベルトと吸収性本体とを備えると共に、後ろベルト部分(背側シート部材)の縦方向の長さを、前ベルト部分(腹側シート部材)の縦方向の長さよりも長くしたプルオン衣類が記載されている。
また、特許文献2には、腹側外装シートと背側外装シートとから形成された筒状の胴回り部と吸収性本体とを備え、背側外装シートが背側本体部とその下側に延出する背側延出部とを有し、該背側延出部の両側である臀部カバー部に設けられた第2弾性伸縮部材の伸張率を、背側本体部の中間部および下端部に設けられた第1弾性伸縮部材の伸張率よりも高くしたパンツ型紙おむつが記載されている。
特表2008−508082号公報 特開2008−178682号公報
外包材が、着用者の腹側に配される腹側シート部材と着用者の背側に配される背側シート部材とに分割されたパンツ型吸収性物品は、例えば、腹側シート部材の帯状原反と背側シート部材の帯状原反とを離間させて搬送しつつ、吸収性本体を、両者間に架け渡すように間欠的に固定し、次いで、腹側シート部材の帯状原反と背側シート部材の帯状原反とが重なるように二つ折りした後、サイドシール部形成用の接合を行い、その接合と同時又はその後に切断して個々の使い捨ておむつに分割することにより効率的に製造することができ、腹側に配される部分と背側に配される部分とが連続する幅広の外包材にレッグ開口部形成用の貫通孔や切り欠きを形成する場合に比して、外包材の原反からのトリムの除去を不要としたり、除去すべきトリムの小型化等を図ることができる。
しかし、特許文献1及び2に記載のプルオン衣類やパンツ型紙おむつは、背側シート部材の下端が曲線状に加工されているため、製造の際にトリムの除去が必要である。
他方、腹側シート部材と背側シートとを何れも矩形状あるいはそれに近い形状とした場合等には、腹側シート部材と背側シート部材との形態的な差が小さくなり、おむつの前後を視覚的に判別しづらくなる。
従って、本発明は、外包材が腹側シート部材と背側シート部材とに分割され、効率的に製造可能なパンツ型吸収性物品でありながら、腹側シート部材と背側シート部材を似たような形状としても、おむつの前後を容易に判別することのできるパンツ型吸収性物品に関する。
本発明は、着用者の腹側に配される腹側シート部材と、着用者の背側に配される背側シート部材と、腹側シート部材及び背側シート部材に架け渡して固定された吸収性本体とを具備し、腹側シート部材及び背側シート部材は、それぞれの側縁部に、腹側シート部材と背側シート部材との間が接合されている接合部と、該接合部の下方延長線上に位置し、腹側シート部材と背側シート部材との間が接合されていない非接合部とが形成されているパンツ型吸収性物品であって、腹側シート部材及び背側シート部材は、それぞれの前記接合部間に位置する本体部及びそれぞれの前記本体部の下方に延出する延出部を有し、前記本体部及び前記延出部に、それぞれ弾性部材が横方向に沿って伸長状態で配されており、腹側シート部材の本体部、背側シート部材の本体部及び背側シート部材の延出部に配された弾性部材は、相互に等しい伸長率で配されており、前記腹側シート部材の延出部に配された弾性部材は、背側シート部材の延出部に配された弾性部材より高い伸長率で配されている、パンツ型吸収性物品を提供するものである。
本発明のパンツ型吸収性物品は、外包材が腹側シート部材と背側シート部材とに分割され、効率的に製造可能なパンツ型吸収性物品でありながら、腹側シート部材と背側シート部材とを似たような形状としても、おむつの前後を容易に判別することができるものである。
図1は、本発明の一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつの使用状態(着用状態)を示す図であり、(a)は、腹側部側から見た図、(b)は、側方から見た図、(c)は、背側部側から見た図である。 図2は、図1に示すパンツ型使い捨ておむつの展開且つ伸長状態を示す一部破断平面図である。展開且つ伸長状態とは、おむつの両側部に存する接合部(サイドシール部)を引き剥がして、パンツ型吸収性物品を展開状態とし、その展開状態の吸収性物品を、各部の弾性部材を伸長させて、設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで拡げた状態をいう。 図3は、図1に示すパンツ型使い捨ておむつの腹側部側をおむつ外面側から見た伸長状態の一部破断拡大図である。 図4は、図1に示すパンツ型使い捨ておむつの背側部側をおむつ外面側から見た伸長状態の一部破断拡大図である。 図5は、図1に示すパンツ型使い捨ておむつの収縮状態(自然状態)の外観を示す模式図である。 図6は、吸収性本体と腹側シート部材及び背側シート部それぞれの延出部との接合態様を示す模式平面図である。 図7は、図1に示すパンツ型使い捨ておむつにおける各伸縮部のおむつ横方向に沿う断面を示す図であり、(a)は、弾性部材を伸長させて襞をなくした状態、(b)は弾性部材が収縮して襞が形成されている状態を示す図である。
以下、本発明のパンツ型吸収性物品を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつ1(以下、おむつ1ともいう)は、図1及び図2に示すように、着用者の腹側に配される腹側シート部材2Aと、着用者の背側に配される背側シート部材2Bと、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bに架け渡して固定された吸収性本体3とを具備し、腹側シート部材2Aの両側縁部2a,2aの上側部分と背側シート部材2Bの両側縁部2b,2bの上側部分とが接合されて形成された一対のサイドシール部4,4が形成されている。
サイドシール部4は、図2に示すように、腹側シート部材2Aの長さLa及び背側シート部材2Bの長さLbの何れよりも短く形成されており、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bには、サイドシール部4より下方(着用時における下方)に延出する延出部21a及び延出部21bが形成されている。
より詳細に説明すると、おむつ1は、図1及び図2に示すように、着用時に、着用者の腹側に配される腹側部Aと、着用者の背側に配される背側部Bと、腹側部Aと背側部Bとの間に位置し、着用者の股間部に配される股下部Cを有している。おむつ(吸収性物品)1の縦方向は、腹側部Aから股下部Cを経て背側部Bに亘る方向又はその逆方向(図2中X方向)であり、おむつ(吸収性物品)1の横方向は、着用者の胴回り方向に沿う方向であり、おむつ(吸収性物品)1の縦方向と交差する方向(図2中Y方向)である。
おむつ1の吸収性本体3は、図2に示すように、液透過性の表面シート31、液不透過性又は撥水性の裏面シート32、及び両シート31、32間に介在配置された液保持性の吸収体33を有しており、X方向に長い長方形状に形成されている。吸収体33は、パルプ繊維等の繊維の集合体(不織布であっても良い)からなる吸収性コア又はこれに吸水性ポリマーの粒子を保持させてなる吸収性コアと、該吸収性コアを被覆するコアラップシート(図示せず)からなる。吸収体33も、X方向に長い長方形状に形成されている。吸収体33は、長手方向の両側に、吸収性コアの形成材料が存在しないか又は該形成材料の坪量が他の部分より少ない低剛性部33dを有している。吸収体33が低剛性部33dで屈曲し易いことにより、おむつ着用時に、吸収体33又は吸収性本体3の両側部が着用者の肌側に向かって立ち上がり易くなっている。
吸収性本体3の長手方向の両側部には、液抵抗性ないし撥水性で且つ通気性の素材から構成された側方カフス34,34が形成されている。各側方カフス34の自由端の近傍には、側方カフス弾性部材35が伸長状態で配されている。おむつ1の着用中には、側方カフス弾性部材35が収縮することにより側方カフス34が起立し、吸収性本体3から幅方向外方への液の流出が阻止される。表面シート31、裏面シート32、及び吸収体33の吸収性コアやコアラップシートとしては、それぞれ、この種の吸収性物品に従来用いられているものと同様のものを用いることができる。吸収性本体3の外側には、裏面シート32に重ねて、不織布やフィルム等の外装シートを配することもできる。
腹側シート部材2Aは、おむつ1の展開且つ伸長状態(図2参照)において、横長の長方形状をなしており、おむつ縦方向(X方向)に沿う左右一対の側縁部2a,2aと、おむつ横方向(Y方向)に沿う上下一対の端縁部2c,2d(上側端縁部2c、下側端縁部2d)とを有している。背側シート部材2Bも、同様に、横長の長方形状をなしており、おむつ縦方向(X方向)に沿う左右一対の側縁部2b,2bと、おむつ横方向(Y方向)に沿う上下一対の端縁部2c,2dとを有している。腹側シート部材2Aと背側シート部材2Bは、図2に示すように、おむつ縦方向(X方向)の長さがおむつ横方向(Y方向)において均一である。
そして、腹側シート部材2Aは、前記側縁部2a,2aそれぞれに、腹側シート部材2Aと背側シート部材2Bとの間が接合されてサイドシール部4を形成している接合部2a’と、該接合部2a’の下方に延出し、腹側シート部材2Aと背側シート部材2Bとの間が接合されていない非接合部2a”とを有している。また、背側シート部材2Bも同様に、前記側縁部2b,2bそれぞれに、背側シート部材2Bと腹側シート部材2Aとの間が接合されてサイドシール部4を形成している接合部2b’と、該接合部2b’の下方に延出し、背側シート部材2Bと腹側シート部材2Aとの間が接合されていない非接合部2b”とを有している。そして、腹側シート部材2Aの側縁部2aの一部である接合部2a’と、背側シート部材2Bの側縁部2bの一部である接合部2b’とが接合されていることによって、おむつ1に、前述した一対のサイドシール部4,4が形成されている。この接合には、例えばヒートシール、高周波シール、超音波シール、接着剤等が用いられる。また、この接合によって、サイドシール部4,4と共に、ウエスト開口部5及び一対のレッグ開口部6,6が形成されている。
腹側シート部材2Aは、このように、前記接合部2a’,2a’間に位置する本体部20a(以下、腹側本体部20aという)及び該本体部20aの下方(股下部C側)に延出する矩形の延出部21a(以下、腹側延出部21aともいう)を有している。同様に、背側シート部材2Bも、前記接合部2b’,2b’間に位置する本体部20b(以下、背側本体部20bという)及び該本体部20aの下方(股下部C側)に延出する矩形の延出部21b(以下、背側延出部21bともいう)を有している。
腹側シート部材2Aの側縁部2aの前記接合部2a’及び前記非接合部2a”は、おむつの展開且つ伸長状態(図2参照)において、おむつ縦方向に連続して延びている。また、背側シート部材2Bの側縁部2bの前記接合部2b’及び前記非接合部2b”も、おむつの展開且つ伸長状態(図2参照)において、おむつ縦方向に連続して延びている。図1には、ウエスト開口部5に幼児の胴部7a、レッグ開口部6,6に幼児の脚部7b,7bが挿通された状態が示されている。
吸収性本体3は、長手方向の一端側(腹側シート部材2Aと重なっている部分)が、腹側シート部材2AのY方向の中央部に接着剤を介して固定され、長手方向の他端側(背側シート部材2Bと重なっている部分)が、背側シート部材2BのY方向の中央部に接着剤を介して固定されている。
おむつ1における腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bは何れも、図3及び図4に示すように、おむつの外面をなす外層シート22と、外層シート22の内面側に配された内層シート23と、両シート22,23間に配された複数本の糸状の弾性部材24とを備えており、腹側本体部20a及び背側本体部20bに、それぞれ、ウエスト伸縮部G1及び胴回り伸縮部G2が形成され、腹側延出部21a及び背側延出部21bに、延出部伸縮部G3が形成されている。
ウエスト伸縮部G1は、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bのそれぞれにおいて、おむつ1の縦方向(X方向)における、吸収性本体3の長手方向の端部3a,3bより外方に形成されている。胴回り伸縮部G2は、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bのそれぞれにおいて、おむつ1の縦方向(X方向)における、ウエスト伸縮部G1と腹側延出部21a又は背側延出部21bとの間に形成されている。延出部伸縮部G3は、腹側延出部21a又は背側延出部21bに形成されている。胴回り伸縮部G2及び延出部伸縮部G3は、それぞれ、おむつ1の横方向(Y方向)における、少なくとも、吸収性本体3の長手方向の両側縁それぞれより外方に位置する部分に形成されていることが好ましい。
図3及び図4に示すおむつ1においては、ウエスト伸縮部G1は、腹側シート部材2A又は背側シート部材2Bにおける端部固定部27,27間の全域に亘って伸縮性を発現するように形成されており、他方、胴回り伸縮部G2及び延出部伸縮部G3は、吸収性本体3の両側縁の外方においては伸縮性を発現し、吸収性本体3と重なる部分、特に吸収性本体3の幅方向中央部と重なる部分において伸縮性を発現しないように、おむつ1の左右に分割された状態に形成されている。
腹側シート部材2Aの本体部である腹側本体部20a、背側シート部材2Bの本体部である背側本体部20b、腹側シート部材2Aの延出部である腹側延出部21a、及び背側シート部材2Bの延出部である背側延出部21bには、それぞれ、複数本の弾性部材24が、それぞれおむつ横方向に沿って延びるように、且つおむつの縦方向に間隔を開けて伸長状態で配されている。
より具体的には、腹側シート部材2Aについては、図3に示すように、腹側本体部20aにおけるウエスト伸縮部G1に複数本の弾性部材24Aが配され、腹側本体部20aにおける胴回り伸縮部G2に複数本の弾性部材24Bが配され、腹側延出部21aにおける延出部伸縮部G3に複数本の弾性部材24Cが配されている。
他方、背側シート部材2Bについては、図4に示すように、背側本体部20bにおけるウエスト伸縮部G1に複数本の弾性部材24Dが配され、背側本体部20bにおける胴回り伸縮部G2に複数本の弾性部材24Eが配され、背側延出部21bにおける延出部伸縮部G3に複数本の弾性部材24Fが配されている。
そして、腹側シート部材2Aの腹側本体部20aに配された弾性部材24A,24Bと、背側シート部材2Bの背側本体部20に配された弾性部材24D,24Eと、背側延出部21bに配された弾性部材24Fとは、相互に等しい伸長率で配されている。
他方、腹側延出部21aの弾性部材24Cは、背側延出部21bの弾性部材24Fより高い伸長率で配されている。腹側延出部21aに、背側延出部21bの弾性部材24Fよりも高い伸長率で弾性部材24Cを配することによって、図5に示すように、腹側延出部21aが背側延出部21bよりもおむつ横方向に大きく収縮し、展開且つ伸長状態のおむつ1における、腹側シート部材2Aと背側シート部材2Bとの形状が似ていても、収縮した状態の形状の差によって、おむつ1の前後を視覚的に容易に判別できるようになる。
このような観点から、腹側延出部21aの弾性部材24Cの伸長率と、背側延出部21bの弾性部材24Fの伸長率との差は、弾性部材24Fの伸長率に対して、25〜80%であることが好ましく、40〜60%であることがより好ましい。
各伸縮部に配された弾性部材の伸長率は下記方法により測定することができる。
<伸長率の測定方法>
(1)未伸長状態のおむつ1について、各伸縮部に、幅方向に沿って長さ20mmの印を付す。
(2)この印の両端部において、シート部材と弾性部材を把持して、各伸縮部のシート部材における襞をなくした状態(伸展状態)まで各伸縮部を幅方向に伸長する。
(3)伸長後の印の長さ(両端部間の距離)Lpを測定する。
(4)(Lp/20)×100(%)を、各伸縮部に配された弾性部材の伸長率とする。
(5)未伸長状態のおむつ1について、各伸縮部に、幅方向に沿って長さ20mmの印を付すことができない場合は、可能な限り大きな間隔に印を付して測定する。
本実施形態のおむつ1におけるウエスト伸縮部G1、胴回り伸縮部G2、延出部伸縮部G3においては、外層シート22と内層シート23との間が、散点状に形成された多数の接合部26において接合されている。
より具体的には、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bの伸縮部G1〜G3の何れにおいても、おむつ1の横方向(Y方向)に接合部26が間欠的に直列配置されてなる接合部列が、おむつ1の縦方向(X方向)に複数列形成されている。また、それらの接合部列における各接合部のY方向の位置も全ての接合部列において一致している。また、おむつ1の縦方向(X方向)に接合部26が直列配置されてなる縦接合部列も形成されており、該縦接合部列は、おむつ1の横方向(Y方向)に間隔をおいて複数列形成されている。
そして、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bの伸縮部G1〜G3の何れにおいても、複数本の弾性部材24が、それぞれ、縦方向に隣接する接合部26間を通るように配されている。また、各弾性部材24は、後述する端部固定部27又は吸収性本体側固定部28においてシート22,23間に固定されている一方、それ以外の部位においては、シート22,23の何れにも固定されていない。
腹側シート部材2Aのウエスト伸縮部G1は、腹側シート部材2Aの両側縁部2a,2aに、外層シート22と内層シート23との間が接着剤を介して接合された一対の端部固定部27を有している(図3参照)。ウエスト伸縮部G1に配された弾性部材24Aは、一対の端部固定部27それぞれにおいてシート22,23間に固定されている一方、端部固定部27間においては、シート22,23の何れにも固定されていない。背側シート部材2Bのウエスト伸縮部G1についても同様である(図4参照)。
腹側シート部材2Aの胴回り伸縮部G2は、何れも、腹側シート部材2Aの一方の側縁部に、外層シート22と内層シート23との間が接着剤を介して接合された端部固定部27を有しており、また、端部固定部27よりおむつ横方向の中央側に、外層シート22と内層シート23との間が接着剤を介して接合された吸収性本体側固定部28を有している(図3参照)。胴回り伸縮部G2に配された弾性部材24Bは、端部固定部27と吸収性本体側固定部28のそれぞれにおいてシート22,23間に固定されている一方、端部固定部27と吸収性本体側固定部28との間においては、シート22,23の何れにも固定されていない。腹側シート部材2Aの延出部伸縮部G3、背側シート部材2Bの胴回り伸縮部G2及び延出部伸縮部G3についても同様である(図3,4参照)。
吸収性本体側固定部28は、図3及び図4に示すように、おむつ横方向外側の端が、吸収性本体3の側縁3cの位置よりおむつ横方向の内側(中央側)に位置するように形成されているが、これに代えて、吸収性本体3の側縁3cの内外に亘るように形成したり、吸収性本体3の側縁3cよりおむつ横方向の外方に形成することもできる。
また、本実施形態のおむつ1における吸収性本体3は、腹側延出部21aに対して図6に8Aで示す範囲において接合されており、背側延出部21bに対して図6に8Bで示す範囲において接合されている。そして、吸収性本体3は、腹側延出部21aに固定されている幅Waが、背側延出部21bに固定されている幅Wbよりも小さくなっている。
幅Wa>幅Wbとすることにより、腹側延出部21aが収縮する程度と、背側延出部21bが収縮する程度との間に差を付けることが一層容易となる。
腹側延出部21aの延出長さL5(おむつ縦方向の長さ,図2参照)は、腹側シート部材2Aの同方向の長さLa(図2参照)の5〜60%、特に20〜40%であることが好ましく、背側延出部21bの延出長さL6(おむつ縦方向の長さ,図2参照)は、背側シート部材2Bの同方向の長さLb(図2参照)の5〜60%、特に20〜40%であることが好ましい。また、幼児用のおむつの場合、腹側及び背側延出部21a,21bそれぞれの延出長さL5,L6は、10〜100mmであることが好ましく、より好ましくは20〜70mmである。成人用のおむつの場合、腹側及び背側延出部21a,21bそれぞれの延出長さL5,L6は、10〜150mmであることが好ましく、より好ましくは20〜100である。
また、背側延出部21bの延出長さL6は、腹側延出部21aの延出長さL5と同じ(L5=L6)か、それ以上(L6>L5)であることがその前後を視覚的に判断できるといった観点から好ましい。背側延出部21bを、腹側延出部21aより長くすることにより、おむつ1の前後が見た目に判別し易くなり、衣類に似た外観となる。また、腹側のレック開口部が見た目に細くスッキリした外観となる。
また、腹側延出部21aを備えることにより装着状態におけるおむつ1のズレ落ちを抑えることができる。また、背側延出部21bを備えることにより装着状態における着用者の臀部を覆うことができ、幼児用であれば親へ安心感を与えることができる。
また、腹側延出部21aと背側延出部21bの両方を備えると、装着状態におけるおむつ1のサイドシール部4をほぼ直線とすることができる。
背側延出部21bの延出長さL6に対する腹側延出部21aの延出長さL5の比(L5/L6)は、0.2〜0.8であることが好ましく、0.4〜0.6であることがより好ましい。
腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bそれぞれのウエスト伸縮部G1,胴回り伸縮部G2及び延出部伸縮部G3においては、弾性部材24が収縮することにより、隣接する縦接合部列間のシート22及び23が外方に膨らむように変形して、隣接する縦接合部列間にシート22又はシート23からなる襞29が生じると共に、両シート22,23間には、襞29と襞29とに周囲を囲まれた中空部30が形成される(図7参照)。襞29や中空部30が形成されることにより、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bの柔らかさが向上して肌触り等が向上する他、肌当接面側に形成される襞29間を空気が流通し易くムレ防止性にも優れている。特に、内層シート23を、不織布等の通気性シートで形成した場合等においては、おむつ1内の湿気を外部に一層逃がしやすくなる。
なお、上述した実施形態のおむつ1における、外層シート22及び内層シート23は、ウエスト開口部の開口周縁端をなす端縁部2cにおいて内層シート23側に折り返された延出折り返し部22a,23aを有しており、延出折り返し部22a,23aは、サイドシール部4において、外層シート22及び内層シート23の折り返されていない部分と接合されていると共に、吸収性本体3の長手方向と重なる部分が、接着剤により該吸収性本体3の表面シート31側の面に接合されている。
外層シート22及び内層シート23としては、この種の物品に従来使用されている各種のシート材を特に制限なく用いることができるが、不織布であることが好ましく、特に柔軟性等の観点から、エアースルー不織布、ヒートロール不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布等からなる単層の不織布又は2層以上の積層不織布であることが好ましい。また、これらの不織布とフィルムとを一体化したシートでもよい。弾性部材24の形成材料としては、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品に用いられる各種公知の弾性材料を特に制限なく用いることができる。弾性材料としては、例えば、スチレン−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ポリウレタン等を挙げることができる。弾性部材の形態としては、断面が矩形、正方形、円形、多角形状等の糸状(糸ゴム等)若しくは紐状(平ゴム等)のもの、又はマルチフィラメントタイプの糸状のもの等を好ましく用いることができる。
上述したおむつ1は、例えば、腹側シート部材2Aの帯状原反と背側シート部材2Bの帯状原反とを離間させて搬送しつつ、吸収性本体3を、両者間に架け渡すように間欠的に固定し、次いで、腹側シート部材2Aの帯状原反と背側シート部材2Bの帯状原反とが重なるように二つ折りした後、サイドシール部4を形成するための熱シール等(接合)を行い、その接合と同時又はその後に切断して個々の使い捨ておむつに分割することにより効率的に製造することができる。この方法によれば、レッグ開口部形成用の貫通孔や切り欠きを形成する場合に比して、外包材の原反からのトリムの除去を不要としたり、除去すべきトリムの小型化等を図ることができる。特に腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bの帯状原反を流れ方向と直交する直線で切断したものが、完成したおむつ1の腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bとなるようにすることがトリムの除去を不要とできるため好ましい。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されず適宜変更可能である。
例えば、上述した実施形態のおむつ1においては、弾性部材24A、弾性部材24B、弾性部材24D、弾性部材24Eは、何れも弾性部材24Fと等しい伸長率で配されているが、弾性部材24Bと弾性部材24Eの伸長率が弾性部材24Fと等しく、且つ弾性部材24Cが弾性部材24Fより高い伸長率で配されていることを条件として、弾性部材24Aと弾性部材24Bの伸長率が異なっていても良く、また、弾性部材24Dと弾性部材24Eの伸長率が異なっていても良い。例えば、弾性部材24Aが弾性部材24Bより低い伸長率でも良く、弾性部材24Dが弾性部材24Eより低い伸長率でも良い。
また、腹側シート部材2Aと背側シート部材2Bは、それぞれ、弾性部材24と重ならないように形成されたドット状の接合部26を有するものに代えて、おむつ外面をなす外層シート22とその内側に配された内層シート23とが全域において接着された構造を有するものであっても良い。また、ウエスト伸縮部G1、胴回り伸縮部G2、延出部伸縮部G3は、それぞれ、その全体又は一部が、おむつ外面をなす外層シート22とその内側に配された内層シート23とが全域において接着された構造を有するものであっても良い。
また、吸収性本体3は、腹側延出部21aに固定されている幅Waと背側延出部21bに固定されている幅Wbとが同一であっても良い。
また、胴回り伸縮部G2を、腹側シート部材2A及び/又は背側シート部材2Bの全幅に亘るように形成しても良く、延出部伸縮部G3も、腹側シート部材2A及び/又は背側シート部材2Bの全幅に亘るように形成しても良い。
また、サイドシール部4は、腹側及び背側シート部材の側縁部2a,2bを接合して形成されているが、サイドシール部4の外側に腹側シート部材2Aと背側シート部材2Bとが接合されていない細幅(例えば0mm超20mm以下)の非接合部分を有していてもよい。
また、パンツ型吸収性物品は、幼児又は成人用のパンツ型使い捨ておむつの他、パンツ型の生理用ナプキン等であっても良い。
上述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する要件は、それぞれ他の実施形態に適宜適用することができ、また、各実施形態における要件は、適宜、実施形態間で相互に置換可能である。
1 パンツ型使い捨ておむつ(パンツ型吸収性物品)
2A 腹側シート部材
2a,2a 側縁部
2a’,2a’ 接合部
2a”,2a” 非接合部
20a 腹側本体部
21a 腹側延出部
2B 背側シート部材
2b,2b 側縁部
2b’,2b’ 接合部
2b”,2b” 非接合部
20a 背側本体部
21b 背側延出部
22 外層シート
23 内層シート
24,24A〜24F 弾性部材
29 襞
3 吸収性本体
31 表面シート
32 裏面シート
33 吸収体
34 側方カフス
4 サイドシール部
5 ウエスト開口部
6 レッグ開口部
A 腹側部
B 背側部
C 股下部
G1 ウエスト伸縮部
G2 胴回り伸縮部
G3 延出部伸縮部

Claims (4)

  1. 着用者の腹側に配される腹側シート部材と、着用者の背側に配される背側シート部材と、腹側シート部材及び背側シート部材に架け渡して固定された吸収性本体とを具備し、
    腹側シート部材及び背側シート部材は、それぞれの側縁部に、腹側シート部材と背側シート部材との間が接合されている接合部と、該接合部の下方延長線上に位置し、腹側シート部材と背側シート部材との間が接合されていない非接合部とが形成されているパンツ型吸収性物品であって、
    腹側シート部材及び背側シート部材は、それぞれの前記接合部間に位置する本体部及びそれぞれの前記本体部の下方に延出する延出部を有し、前記本体部及び前記延出部に、それぞれ弾性部材が横方向に沿って伸長状態で配されており、
    腹側シート部材の本体部、背側シート部材の本体部及び背側シート部材の延出部に配された弾性部材は、相互に等しい伸長率で配されており、前記腹側シート部材の延出部に配された弾性部材は、背側シート部材の延出部に配された弾性部材より高い伸長率で配されており、
    前記吸収性本体は、腹側シート部材の延出部に固定されている幅が、背側シート部材の延出部に固定されている幅よりも小さい、パンツ型吸収性物品。
  2. 腹側シート部材の延出部の延出長さが、背側シート部材の延出部の延出長さよりも短い、請求項1記載のパンツ型吸収性物品。
  3. 腹側シート部材及び背側シート部材が何れも矩形状である、請求項1又は2記載のパンツ型吸収性物品。
  4. 腹側シート部材及び背側シート部材それぞれの本体部及び延出部に、前記複数本の弾性部材によって伸縮部が形成されており、該伸縮部においては、弾性部材を挟む2枚のシートが散点状に形成された多数の接合部で互いに接合され、複数本の弾性部材が、それぞれ吸収性物品の縦方向に隣り合う接合部間を通るように配されている、請求項1〜の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品。
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