JP5573033B2 - 熱可塑性エラストマー組成物の製造方法 - Google Patents
熱可塑性エラストマー組成物の製造方法 Download PDFInfo
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Description
(φd/φm)×(ηm/ηd)<1 ・・・・・(1)
(ただし、φdはゴムの体積分率、φmは樹脂の体積分率、ηdはゴムの粘度、ηmは樹脂の粘度である。)の関係に保つ必要がある(特許文献1)。また、ゴムの分散粒子径はゴムと樹脂の粘度比ηm/ηdが1に近いほど微分散することが知られている(非特許文献1)。すなわち、これらの関係により、ゴムの微分散とゴム高体積分率を両立することは容易ではなかった。
ゴムの微分散と高体積分率配合を両立するために、従来は、樹脂用可塑剤を用いてみかけ樹脂量を増やして混合していた(特許文献2)。
温度T1は、より好ましくは、樹脂(B)の融点Tmより30〜70℃低い。
好ましくは、2軸混練機の前半の混練ゾーンをT1に設定し、後半の混練ゾーンをT2に設定する。
好ましくは、2軸混練機の最初の混練ゾーンをT1、最後の混練ゾーンをT2に設定し、2軸混練機が最初の混練ゾーンと最後の混練ゾーンの間にT1よりも高くT2よりも低い温度に設定した混練ゾーンを1つ以上有する。
好ましくは、ゴム(A)と樹脂(B)を温度T1で混練した後にゴム(A)の架橋剤を添加し、温度T2で混練してゴム(A)を動的に架橋する。
好ましくは、ゴム(A)の少なくとも50質量%以上がハロゲン化ブチルゴムまたは臭素化イソブチレンパラメチルスチレン共重合ゴムである。
樹脂(B)は、好ましくは、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン6/12、ナイロン6/66、ナイロン6/66/12、および芳香族ナイロンからなる群から選択される少なくとも1種である。
図示した2軸混練機1では、混練ゾーンAと混練ゾーンBの間、混練ゾーンBと混練ゾーンCの間に、間隔が置かれているが、必ずしも間隔を置く必要はなく、混練ゾーンAと混練ゾーンB、混練ゾーンBと混練ゾーンCが間隔を置かずに連続していてもよい。間隔を置く場合は、その部分のスクリューを練りのスクリューから送りのスクリューに代えればよい。
混練時間は、分散の状態に応じて適宜選択することができるが、樹脂(B)の融点Tmより低い温度T1での混練の時間は、たとえば30秒〜10分、好ましくは30秒〜5分であり、樹脂(B)の融点Tmより高い温度T2での混練の時間は、たとえば30秒〜10分、好ましくは30秒〜5分である。
以下の実施例において用いた原材料は、次のとおりである。
ハロゲン化イソオレフィンパラアルキルスチレン共重合ゴム: エクソンモービル・ケミカル社(ExxonMobil Chemical Company)製臭素化イソブチレンパラメチルスチレン共重合ゴムExxpro(登録商標)MDX89−4(以下「Br−IPMS」と略す。)
ポリイソブテン: BASF社製Oppanol(登録商標)B200(以下「PIB」と略す。)
ナイロン6/66: 宇部興産株式会社製「UBEナイロン」5013B(融点195℃)
ナイロン6: 宇部興産株式会社製「UBEナイロン」1013B(融点225℃)
亜鉛華: 正同化学工業株式会社製亜鉛華3号
ステアリン酸: 日油株式会社製ビーズステアリン酸
N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン: フレキシス(Flexsys)社製サントフレックス(SANTOFLEX)6PPD(以下「6PPD」と略す。)
ゴム(A)はゴムペレタイザー(森山製作所製)にて90℃でペレット状に加工して使用した。ゴム(A)と樹脂(B)の混練には、図1の模式図に示されるような混練ゾーンを3箇所設定した2軸混練機(日本製鋼所製TEX−44)を用いた。表1に示す配合比率のゴム(A)と樹脂(B)を2軸混練機のゴム・樹脂投入口に投入した。混練時間は約3分であった。
実施例2においては、混練ゾーンBのスクリューを練りのスクリューから送りのスクリューに変更した。実施例4についてはBr−lPMSおよびPIBをバンバリーミキサー(神戸製鋼製)にて110℃、2分混練した後、ゴムペレタイザーにてペレット状に加工し、使用した。
架橋剤は設定温度T2の混練ゾーンCの手前で投入し、ゴムを動的に架橋した。
作製した熱可塑性エラストマー組成物は2軸混練機よりストランド状に押出し、ペレット状にカットしたものを融点および粘度測定に用い、ストランドを分散粒子径測定に用いた。
[融点]
メトラートレド社製DSCを用い、昇温速度10℃/分で測定した。
[粘度]
東洋精機製作所製キャピログラフを用い、それぞれの実施例、比較例における設定温度T2、剪断速度において、ゴム(A)の粘度ηdおよび樹脂(B)の粘度ηmを測定した。粘度比は、測定した粘度をηm/ηdの式に当てはめ、算出した。
[ゴム分散粒子径]
エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社の走査型プローブ顕微鏡(SPM)を用いてミクロ構造観察し、数平均粒子径を算出し、ゴム分散粒子径dnとした。−20℃以下の低温疲労耐久性の観点から、1.5μm以下で良好、1.0μm以下であることが望ましい。
測定結果を表1に示す。
2 混練ゾーンA(最初の混練ゾーン)
3 混練ゾーンB
4 混練ゾーンC(最後の混練ゾーン)
5 ゴム・樹脂投入口
6 架橋剤投入口
Claims (11)
- ゴム(A)が分散相、樹脂(B)が連続相である熱可塑性エラストマー組成物の製造方法であって、樹脂(B)がポリアミド系樹脂であり、ゴム(A)と樹脂(B)を、まず、樹脂(B)の融点Tmより低い温度T1で混練し、その後、ポリアミン系架橋剤および亜鉛華からなる群より選ばれる少なくとも1種の架橋剤を添加し、樹脂(B)の融点Tmより高い温度T2で混練してゴム(A)を動的に架橋することを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
- 温度T1が樹脂(B)の融点Tmより10〜100℃低いことを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
- 温度T1が樹脂(B)の融点Tmより30〜70℃低いことを特徴とする請求項2に記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
- ゴム(A)と樹脂(B)を2軸混練機で混練することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
- 2軸混練機の前半の混練ゾーンをT1に設定し、後半の混練ゾーンをT2に設定することを特徴とする請求項4に記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
- 2軸混練機の最初の混練ゾーンをT1、最後の混練ゾーンをT2に設定し、2軸混練機が最初の混練ゾーンと最後の混練ゾーンの間にT1よりも高くT2よりも低い温度に設定した混練ゾーンを1つ以上有することを特徴とする請求項4に記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
- 温度T2におけるゴム(A)の粘度ηdに対する樹脂(B)の粘度ηmの比(ηm/ηd)が0.01〜0.8であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
- ゴム(A)の体積分率が55〜85%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
- ゴム(A)の少なくとも50質量%以上がハロゲン化ブチルゴムまたは臭素化イソブチレンパラメチルスチレン共重合ゴムであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
- 樹脂(B)がナイロン11、ナイロン12、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン6/12、ナイロン6/66、ナイロン6/66/12、および芳香族ナイロンからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法で製造した熱可塑性エラストマー組成物を用いた空気入りタイヤ。
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