以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を附してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は、本発明の実施の形態に従う照明装置1の外観構成図である。
図1を参照して、本発明の実施の形態に従う照明装置1には、本体部を取り付けるためのシャーシ2と、シャーシ2とともに本体部全面を覆うカバー8,9とが設けられている場合が示されている。本例においては、一例として、照明装置1のシャーシ2が天井に取り付けられているものとする。
カバー8は、光源としての照明用のLEDモジュールが配置される領域に対応して設けられる。当該カバー8の領域から光が照射される。
カバー8の中央付近に設けられている別のカバー9は、LEDモジュールを制御する基板等の制御装置が配置される領域に対応して設けられる。当該カバー9に対応する領域には、LEDモジュールは設けられていないため光は照射されない。
また、当該照明装置1を操作するための携帯型のリモコン50が設けられている。リモコン50を操作することにより照明装置1に対して各種動作指示を与えることが可能となる。リモコン50の詳細については後述する。
図2は、本発明の実施の形態に従う照明装置1のハードウェアを説明する概略ブロック図である。
図2を参照して、本発明の実施の形態に従う照明装置1は、電源回路10と、照明制御部20と、照明部30と、インタフェース部40とを含む。
電源回路10は、交流電源入力(AC入力)(100V)を受けて直流電圧に変換して装置の各部に電圧を供給する。なお、本例においては、一例として制御電源供給回路21および照明部30のみに電圧が供給されているように示されているが、特にこれに限られず、他の部位に対しても必要な電圧が供給されるものとする。
照明制御部20は、電源回路10から供給される電圧をCPU22に供給するために調整する制御電源供給回路21と、照明装置1全体を制御するためのCPU(Central Processing Unit)22と、PWM(Pulse Width Modulation)制御回路23と、信号受信部25と、SW入力部26と、水晶発振子27と、照度センサ28と、メモリ29とを含む。一例としてCPU22とメモリ29とPWM制御回路23とはマイコン(マイクロコンピュータ)によって構成される。
CPU22は、各部と接続されるとともに、照明装置1全体を制御するために必要な動作を指示する。
PWM制御回路23は、CPU22からの指示に従ってLEDモジュール31,32を駆動するために必要なPWMパルスを生成する。
信号受信部25は、インタフェース部40に含まれる赤外線受光部41と接続されて、赤外線受光部41で受光された赤外線信号に応答した指示をCPU22に出力する。
SW入力部26は、操作SW(スイッチ)42と接続されて、操作SWの操作に応答した指示をCPU22に出力する。
水晶発振子27は、所定の周期で発振信号を生成してCPU22に出力する。CPU22は、水晶発振子27から発振される発振信号(クロック信号)の入力を受けて、当該クロック信号に同期した各種動作を実行する。なお、CPU22は、水晶発振子27から出力される発振信号に従って時刻を正確に計測することが可能であるものとする。
照度センサ28は、照明装置1周辺の照度を計測してCPU22に出力する。CPU22は、照度センサ28からの測定結果に基づいて調光率を制御することが可能である。
メモリ29は、照明装置1を制御するための各種プログラムおよび初期値等が格納されるとともに、CPU22のワーキングメモリとしても用いられる。
照明部30は、互いに色温度の異なるLEDモジュール31,32と、LEDモジュール31,32を駆動するために用いられるFET(Field Effect Transistor)スイッチ33,34とを含む。本例において、LEDモジュール31の色温度は、5600K程度、LEDモジュール32の色温度は、3000K程度とする。以下、LEDモジュール31を昼光色LED(単に昼光色)とも称する。また、LEDモジュール32を電球色LED(単に電球色)とも称する。なお、ここでは、LEDモジュール31,32は、それぞれ1つずつ1組として設けられている場合が示されているが、複数組が設けられる構成とすることも可能である。また、FETスイッチ33,34はPWM制御回路23にあってもよい。
インタフェース部40は、赤外線受光部41と、操作SW42とを含む。
赤外線受光部41は、上述したリモコン50からの赤外線信号を受光する。そして、赤外線信号を光電変換して信号受信部25に出力する。
操作SW42は、電源スイッチ等を含み、ユーザの電源スイッチ等のスイッチ操作に応答した指示がSW入力部26を介してCPU22に出力される。なお、電源スイッチがオンの場合には、照明装置1には必要な電源が供給され、電源スイッチがオフの場合には、照明装置1には電源が供給されないものとする。本例における各種動作については、電源スイッチがオンの場合とする。また、操作SW42には、後述するリモコン50の各種ボタンに対応するスイッチをそれぞれ設けるようにすることも可能である。
図3は、本発明の実施の形態に従うLEDモジュール31,32の構成を説明する図である。
図3を参照して、CPU22は、PWM制御回路23に指示してLEDモジュール31,32の少なくとも一方を駆動するためのPWMパルスS1,S2を生成して出力する。
LEDモジュール31,32は、電源回路10から必要な電圧の供給を受ける。LEDモジュール31,32と接地電圧GNDとの間には、FETスイッチ33,34とがそれぞれ設けられている。
そして、PWMパルスS1,S2に応答してFETスイッチ33,34が導通/非導通となることによりLEDモジュール31,32に電流が供給/遮断される。LEDモジュール31,32に電流が供給されることによりLEDモジュール31,32はそれぞれ発光する。なお、ここでは、LEDモジュール31,32を駆動する構成について説明したが、他のLEDモジュールがさらに複数個設けられている場合についても同様である。
図4は、LEDモジュール31,32が照明装置1に配置されている場合の一例を説明する図である。
図4を参照して、LEDモジュール31,32を互いに隣接して配置し、かつ、複数組円形状に配列して実装した場合が示されている。色温度の異なるLEDモジュール31,32を互いに隣接して実装することにより、それぞれのLEDモジュールから発光される光を混ざりやすくし、照射面での色のバラツキ、ムラを無くすことが可能となる。
図5は、本発明の実施の形態に従うリモコン50の外観構成図である。
図5を参照して、リモコン50は、液晶パネル52と、各種ボタンが設けられている。液晶パネル52は、液晶以外の他の表示装置を用いることも可能である。
また、ここでは、複数のボタンが設けられている。具体的には、「全点灯」ボタン54と、「光環境制御」ボタン58と、「消灯」ボタン53と、「常夜灯」ボタン51と、「エコ点灯」ボタン60と、「照度センサ」ボタン70と、調光率の上げ下げを指示するための「明るく」ボタン55および「暗く」ボタン56と、「電球色」から「昼光色」あるいは「昼光色」から「電球色」への調色を指示するための「寒色」ボタン61および「暖色」ボタン63と、「明るさプラス」ボタン64と、「お気に入り1」ボタン65と、「お気に入り2」ボタン72と、「おやすみ前」ボタン66と、「お気に入り登録1」ボタン71と、「お気に入り登録2」ボタン73と、「留守タイマ」ボタン67と、「切タイマ」ボタン74と、「入タイマ」ボタン75と、「我が家流」ボタン62と、数値等の上げ下げを指示するための「UP」ボタン57Aおよび「DOWN」ボタン57Bと、「環境登録」ボタン69と、「チャンネル切替」ボタン77と、「時刻設定」ボタン68と、「リセット」ボタン78とが設けられる。
ユーザが「全点灯」ボタン54を押下することにより全点灯制御指示がリモコン50から出力される。照明装置1のCPU22は、リモコン50からの全点灯制御指示の入力を受けて、PWM制御回路23に対して照明部30への全点灯制御を開始するように指示する。これにより、「全灯」ボタン54の押下すなわち、リモコン50からの全点灯制御指示の入力に従って、照明部30から調光率100%の光が照射される。
ユーザが「光環境制御」ボタン58を押下することにより、光環境制御モード指示がリモコン50から出力される。照明装置1のCPU22は、リモコン50からの光環境制御指示の入力を受けてPWM制御回路23に対して照明部30への光環境制御モードにおける点灯制御を開始するように指示する。光環境制御モードについては後述する。
点灯中にユーザが「消灯」ボタン53を押下することにより消灯制御指示がリモコン50から出力される。照明装置1のCPU22は、リモコン50からの消灯制御指示の入力を受けて、PWM制御回路23に対して照明部30を消灯するように指示する。これにより、「消灯」ボタン53の押下すなわち、リモコン50からの消灯制御指示の入力に従って、照明部30からの光の照射が終了する。
ユーザが「常夜灯」ボタン51を押下することにより常夜灯制御指示がリモコン50から出力される。照明装置1のCPU22は、リモコン50からの常夜灯制御指示の入力を受けて、PWM制御回路23に対して照明部30への常夜灯制御を開始するように指示する。これにより、「常夜灯」ボタン54の押下すなわち、リモコン50からの常夜灯点灯制御指示の入力に従って、照明部30のLEDモジュール32を構成する複数の「電球色」のLEDのうちの一部を常夜灯として点灯させる。なお、常夜灯としてのLEDの点灯時に当該LEDの調光率を約10%から100%の間の10段階で調光することが可能である。
また、ユーザが「エコ点灯」ボタン60を押下することにより、エコ点灯モード指示がリモコン50から出力される。照明装置1のCPU22は、リモコン50からのエコ点灯指示の入力を受けてPWM制御回路23に対して照明部30へのエコ点灯モードにおける点灯制御を開始するように指示する。エコ点灯モードについては後述する。
また、ユーザが「照度センサ」ボタン70を押下することにより、照度センサモード指示がリモコン50から出力される。照明装置1のCPU22は、リモコン50からの照度センサモード指示の入力を受けて、照明部30への照度センサモードにおける点灯制御を開始する。照度センサモードについては後述する。
照明部30から照射される光の調光率は、「明るく」ボタン55および「暗く」ボタン56の操作によって段階的に全灯(調光率100%)から微灯(調光率30%)まで調整される。具体的には、例えば、「全点灯」ボタン54が押下されて全灯(調光率100%)である状態で「暗く」ボタン56が押下されたときには半灯(調光率50%)となり、その状態で「暗く」ボタン56が押下されたときには微灯(調光率30%)となる。また、その状態で「明るく」ボタン55が押下されたときには半灯(調光率50%)となり、その状態で「明るく」ボタン55が押下されたときには全灯(調光率100%)となる。なお、現在の調光率はメモリ29に記憶されているものとする。なお、ここでは、3段階の調光率で変化する場合について一例として説明したが、特にこれに限られずさらに複数段階を設けて調光するようにすることも当然に可能である。また、ここでは、微灯(調光率30%)まで調整可能な場合について説明しているが、消灯状態となるまで、さらに、段階的に調光率を調整可能なようにすることも当然に可能である。
また、ユーザが「寒色」ボタン61および「暖色」ボタン63を押下することにより色調の切り替え指示がリモコン50から出力される。照明装置1のCPU22は、リモコン50からの色調の切り替え指示の入力を受けてPWM制御回路23に対して照明部30への点灯切り替えを指示する。ここで、「寒色」ボタン61および「暖色」ボタン63の押下すなわち、リモコン50からの色調の切り替え指示の入力に従って、照明部30から照射する光の色調を調整可能であるものとする。具体的には、「暖色」ボタン63が押下された場合には、調光率は維持しつつ昼光色から電球色に段階的に切り替わるように設定されるものとする。例えば、「昼光色」の全灯状態(調光率100%)で「暖色」ボタン63が押下されたときには、昼光色を調光率70%、電球色を調光率30%の「昼白色」に設定して、調光率は維持しつつ色味を昼光色から電球色側に変化させる。その状態でさらに「暖色」ボタン63が押下されたときには、昼光色を調光率30%、電球色を調光率70%の「温白色」に設定して、調光率は維持しつつ色味をさらに昼光色から電球色側に変化させる。その状態でさらに「暖色」ボタン63が押下されたときには、調光率100%の「電球色」に設定して、調光率は維持しつつ色味をさらに電球色側に変化させる。
また、「寒色」ボタン61が押下された場合には、調光率は維持しつつ電球色から昼光色に段階的に切り替わるように設定されるものとする。例えば、「電球色」の全灯状態(調光率100%)で「寒色」ボタン61が押下されたときには、電球色を調光率70%、昼光色を調光率30%の「温白色」に設定して、調光率は維持しつつ色味を電球色から昼光色側に変化させる。その状態でさらに「寒色」ボタン61が押下されたときには、電球色を調光率30%、昼光色を調光率70%の「昼白色」に設定して、調光率は維持しつつ色味をさらに電球色から昼光色側に変化させる。その状態でさらに「寒色」ボタン61が押下されたときには、調光率100%の「昼光色」に設定して、調光率は維持しつつ色味をさらに昼光色側に変化させる。なお、現在の色調はメモリ29に記憶されているものとする。なお、ここでは、4段階で色調が変化する場合について一例として説明したが、特にこれに限られずさらに複数段階を設けて調光するようにすることも当然に可能である。
当該操作に従って、ユーザが「明るく」ボタン55および「暗く」ボタン56あるいは「寒色」ボタン61および「暖色」ボタン63を操作することによりユーザの好みの調光率および色調に変化させて快適な光環境を実現することが可能である。
また、ユーザが「明るさプラス」ボタン64を押下することにより、明るさプラスモード指示がリモコン50から出力される。照明装置1のCPU22は、リモコン50からの明るさプラスモード指示の入力を受けてPWM制御回路23に対して照明部30への明るさプラスモードにおける点灯制御を開始するように指示する。明るさプラスモードについては後述する。
また、ユーザが「おやすみ前」ボタン66を押下することによりおやすみ前指示がリモコン50から出力される。照明装置1のCPU22は、リモコン50からのおやすみ前指示の入力を受けてPWM制御回路23に対して照明部30へのおやすみ前モードにおける点灯制御を開始するように指示する。おやすみ前モードについては後述する。
また、ユーザが「お気に入り登録1」ボタン71または「お気に入り登録2」ボタン73を押下することにより、お気に入り登録モード指示がリモコン50から出力される。照明装置1のCPU22は、リモコン50からのお気に入り登録モード指示の入力を受けてお気に入り登録モードの動作を開始する。お気に入り登録モードについては後述する。
また、ユーザが「お気に入り1」ボタン65または「お気に入り2」ボタン72を押下することにより、お気に入り登録モードで登録された調光率および色調に設定することが可能となり、ユーザの利便性に供する。
また、ユーザが「留守タイマ」ボタン67を押下することにより、留守タイマの留守タイマ制御指示がリモコン50から出力される。照明装置1のCPU22は、リモコン50からの留守タイマ制御指示の入力を受けて照明部30への留守タイマモードにおける点灯制御を開始するように指示する。一方、照明装置1のCPU22は、リモコン50からの再度の留守タイマ制御指示の入力を受けて、留守タイマモードが設定されているならば当該留守タイマモードにおける点灯制御を停止する。留守タイマモードについては後述する。
また、ユーザが「切タイマ」ボタン74を押下することにより、後述するが切タイマモードにおける切タイマ設定における動作を開始することが可能となる。そして、消灯時刻が設定された場合には、当該時刻となった場合に消灯制御を実行する。当該切タイマモードについては後述する。
また、ユーザが「入タイマ」ボタン75を押下することにより、後述するが入タイマモードにおける入タイマ設定における動作を開始することが可能となる。そして、点灯時刻が設定された場合には、当該時刻となった場合に点灯制御を実行する。当該入タイマモードについては後述する。
また、ユーザが「我が家流」設定ボタン62を押下することにより我が家流設定における動作を開始することが可能となる。我が家流の設定については後述する。
また、ユーザが「環境登録」ボタン69を押下することにより後述する照度センサモードで用いられる目標の照度の設定が行われる。この点については後述する。
また、ユーザが「チャンネル切替」ボタン77を押下することにより赤外線を投光する場合のコマンドの種類を変更することが可能となる。例えば、互いに異なるチャンネルに設定された複数台の照明装置1が設けられている場合に、それぞれの照明装置を個別に制御したい場合には、リモコン50の「チャンネル切替」ボタン77を押下して照明装置に対応するチャンネルに合わせることにより各照明装置の設定指示が可能となる。なお、本例においては、照明装置1のチャンネルとリモコン50のチャンネルとは同じに設定されているものとする。
また、ユーザが「時刻設定」ボタン68を押下することにより時刻設定における動作を開始することが可能となる。具体的には、当該「時刻設定」ボタン68を押下することにより時刻設定画面(図示せず)が液晶パネル52に表示される。そして、時刻設定画面において、ユーザは、「UP」ボタン57Aおよび「DOWN」ボタン57Bを用いて現在の時刻を設定することが可能である。そして、再度、「時刻設定」ボタン68を押下することにより現在の時刻情報がリモコン50から出力される。照明装置1のCPU22は、リモコン50からの時刻情報の入力を受けて、当該入力された時刻情報を基準に以降、水晶発振子27から発振される発振信号(クロック信号)に従って正確な時刻を計測することが可能であるものとする。なお、本例における光環境制御モード、タイマモード等は、時刻に応じた点灯制御が実行されるため照明装置1において時刻が設定されていない場合には、当該モードは実行されないものとする。
また、ユーザが「リセット」ボタン78を押下することにより照明装置1のCPU22は、リモコン50からのリセット指示の入力を受けてメモリ29に登録されている各種のデータを出荷時の状態に初期化する。例えば、後述するお気に入り登録モードで登録した調光率および色調がリセットされる。
図6は、本発明の実施の形態に従うリモコン50のハードウェアを説明する概略ブロック図である。
図6を参照して、本発明の実施の形態に従うリモコン50は、電源回路51と、リモコン制御部55と、インタフェース部57とを含む。
電源回路51は、2次電池等のバッテリからの電力の供給を受けて装置の各部に電圧を供給する。なお、本例においては、一例として制御電源供給回路81にのみ電圧が供給されているように示されているが、特にこれに限られず、他の部位に対しても必要な電圧が供給されるものとする。
リモコン制御部55は、電源回路51から供給される電圧をCPU86に供給するために調整する制御電源供給回路81と、リモコン50全体を制御するためのCPU(Central Processing Unit)86と、液晶パネル52を駆動する液晶駆動回路82と、信号送信部84と、SW入力部83と、水晶発振子85と、メモリ80とを含む。
CPU86は、各部と接続されるとともに、リモコン50全体を制御するために必要な動作を指示する。
液晶駆動回路82は、CPU86からの指示に従って所望の画面を表示する液晶パネル52を駆動する。
信号送信部84は、CPU86からの指示をインタフェース部57に含まれる赤外線投光部87に出力する。
SW入力部83は、操作SW(スイッチ)88と接続されて、操作SWの操作に応答した指示をCPU86に出力する。
水晶発振子85は、所定の周期で発振信号を生成してCPU86に出力する。CPU86は、水晶発振子85から発振される発振信号(クロック信号)の入力を受けて、当該クロック信号に同期した各種動作を実行する。なお、CPU86は、水晶発振子85から出力される発振信号に従って時刻を正確に計測することが可能であるものとする。
なお、リモコン50には必ずしも水晶発振子85が含まれなくてもよい。この場合、CPU86は、「時刻設定」ボタン68や「UP」ボタン57Aおよび「DOWN」ボタン57Bなどが押下されることによって時刻の入力を受け付けて、入力された時刻に基づいて以降の現在時刻を計測するようにしてもよい。
メモリ80は、リモコン50を制御するためのプログラムおよび初期値等が格納されるとともに、CPU86のワーキングメモリとしても用いられる。
インタフェース部57は、赤外線投光部87と、操作SW88と、液晶パネル52とを含む。
赤外線投光部87は、信号送信部84から出力された信号を赤外線信号に変換して照明装置1に投光する。
操作SW88は、上述したリモコン50に設けられた各種のボタンで構成されている。具体的には、「全点灯」ボタン54と、「光環境制御」ボタン58と、「消灯」ボタン53と、「常夜灯」ボタン51と、「エコ点灯」ボタン60と、「照度センサ」ボタン70と、調光率の上げ下げを指示するための「明るく」ボタン55および「暗く」ボタン56と、「電球色」から「昼光色」あるいは「昼光色」から「電球色」への調色を指示するための「寒色」ボタン61および「暖色」ボタン63と、「明るさプラス」ボタン64と、「お気に入り1」ボタン65と、「お気に入り2」ボタン72と、「おやすみ前」ボタン66と、「お気に入り登録1」ボタン71と、「お気に入り登録2」ボタン73と、「留守タイマ」ボタン67と、「切タイマ」ボタン74と、「入タイマ」ボタン75と、「我が家流」ボタン62と、数値等の上げ下げを指示するための「UP」ボタン57Aおよび「DOWN」ボタン57Bと、「環境登録」ボタン69と、「チャンネル切替」ボタン77と、「時刻設定」ボタン68と、「リセット」ボタン78とが設けられる。
リモコン50のCPU86は、SW入力部83を介して操作SW88における各ボタンの入力指示を受けて、信号送信部84に各ボタンに応じた送信信号の出力を指示する。信号送信部84は、CPU86からの指示に応答して、赤外線投光部87を介して各ボタンに応じた送信信号を赤外線信号として照明装置1に出力する。照明装置1の赤外線受光部41は、リモコン50の赤外線投光部87から投光された赤外線信号を受信する。そして、赤外線受光部41は、受光された赤外線信号を光電変換する。そして、信号受信部25は、光電変換により得られたリモコン50から指示された送信信号をCPU22に出力する。当該動作により、CPU22は、リモコン50からの入力指示に応じた動作を実行する。
具体的には、上述したようにユーザが「明るく」ボタン55または「暗く」ボタン56を押下することによりCPU22は、照明部30におけるLEDモジュール31,32の発光に従う調光率を調整する。
例えば、全灯(調光率100%)である状態で「暗く」ボタン56が押下されるに従って「全灯」→「半灯」→「微灯」と変化し、その状態(調光率30%)から「明るく」ボタン55が押下されるに従って「微灯」→「半灯」→「全灯」と変化する。
また、上述したようにユーザが「寒色」ボタン61または「暖色」ボタン63を押下することによりCPU22は、照明部30におけるLEDモジュール31,32の発光に従う色調を調整する。例えば、昼光色の全灯(調光率100%)である「昼光色」の状態で「暖色」ボタン63が押下されるに従って「昼光色」→「昼白色」→「温白色」→「電球色」と変化し、その状態(電球色)で「寒色」ボタン61が押下されるに従って「電球色」→「温白色」→「昼白色」→「昼光色」と変化する。
なお、本例においては、携帯型のリモコン50について説明したが、特にこれに限られず、壁面に設けられた固定式のリモコンとすることも可能である。また、当該リモコンを照明装置1のインタフェース部40の一部として設けるようにしても良い。その場合、赤外線信号により操作SWの信号を送信するのではなく、直接、信号線を用いて操作SWからの指示信号を送信する構成とすることも可能である。また、信号の送受信は、赤外線に限られず、無線等を用いるようにしても良い。
なお、本例においては、リモコン50を介したボタン操作による入力指示に従って照明装置1の各種モードを実行する方式について説明するが、入力方式はこれに限られず他の方式、例えば、音声入力により照明装置1に入力指示するようにしても良い。
図7は、本発明の実施の形態に従う照明装置1のメインフローを説明する図(その1)である。
当該メインフローは電源スイッチがオンされることで開始され、CPU22がメモリ29に格納されたプログラムを読み込むことにより実行されるものとする。
電源スイッチがオンされてフローが開始されると、図7を参照して、まず、CPU22は、PWM制御回路23に対して照明部39における点灯制御を指示する(ステップS1)。これにより部屋内に照明部30からの光が照射される。なお、ステップS1でCPU22は、後述する各モードの処理が行なわれた後の場合にはそのモードで設定された調光率、色調での点灯制御を指示する。そうでない場合、つまり、後述する各モードの処理が行なわれておらず、電源スイッチがオンされた直後や後述する光環境制御モードが終了した場合には通常の点灯制御として、予め設定されている、LEDモジュール31を用いた昼光色の光を100%の調光率で照射する点灯制御を指示するものとする。
次に、CPU22は、入力指示があったかどうかを判断する(ステップS2)。CPU22は、ステップS2において、入力指示があったと判断した場合(ステップS2においてYES)には、次に、点灯調整指示の入力があったかどうかを判断する(ステップS3)。具体的には、リモコン50に設けられた調光率を調整するための「明るく」ボタン55または「暗く」ボタン56の入力指示あるいは、色調を調整するための「寒色」ボタン61または「暖色」ボタン63の入力指示があったかどうかを判断する。
CPU22は、点灯調整指示の入力があったと判断した場合(ステップS3においてYES)には、点灯調整モードに移行する(ステップS4)。点灯調整モードの処理については後述する。
一方、CPU22は、点灯調整指示の入力がなかったと判断した場合(ステップS3においてNO)には、次に光環境制御の指示入力があったかどうかを判断する(ステップS5)。具体的には、CPU22は、リモコン50に設けられた「光環境制御」ボタン58の入力指示があったかどうかを判断する。
CPU22は、光環境制御の指示入力があったと判断した場合(ステップS5においてYES)には、光環境制御モードに移行する(ステップS6)。光環境制御モードの処理については後述する。
一方、CPU22は、光環境制御の指示入力が無かったと判断した場合(ステップS5においてNO)には、次に、我が家流設定の指示入力があったかどうかを判断する(ステップS7)。
具体的には、CPU22は、リモコン50に設けられた「我が家流」設定ボタン62の入力指示があったかどうかを判断する。
CPU22は、我が家流設定の指示入力があったと判断した場合(ステップS7においてYES)には、我が家流設定モードに移行する(ステップS8)。我が家流設定モードの処理については後述する。
一方、CPU22は、我が家流設定の指示入力が無かったと判断した場合(ステップS7においてNO)には、次に、エコ点灯の指示入力があったかどうかを判断する(ステップS9)。具体的には、CPU22は、リモコン50に設けられた「エコ点灯」ボタン60の入力指示があったかどうかを判断する。
CPU22は、エコ点灯の指示入力があったと判断した場合(ステップS9においてYES)には、エコ点灯モードに移行する(ステップS10)。エコ点灯モードの処理については後述する。
ステップS9において、エコ点灯の指示入力が無かったと判断した場合(ステップS9においてNO)には、「A」に進む。
図8は、本発明の実施の形態に従う照明装置1のメインフローを説明する図(その2)である。
図8を参照して、ステップS9においてエコ点灯の指示入力が無かったと判断した場合(ステップS9においてNO)には、次に、照度センサの指示入力があったかどうかを判断する(ステップS11)。具体的には、CPU22は、リモコン50に設けられた「照度センサ」ボタン70の入力指示があったかどうかを判断する。
CPU22は、照度センサの指示入力があったと判断した場合(ステップS11においてYES)には、照度センサモードに移行する(ステップS12)。照度センサモードの処理については後述する。
一方、CPU22は、照度センサの指示入力が無かったと判断した場合(ステップS11においてNO)には、次に、タイマの指示入力があったかどうかを判断する(ステップS13)。
具体的には、CPU22は、リモコン50に設けられたタイマに関する留守タイマ67、切タイマ74、入タイマ75の操作に従う情報の入力があったかどうかを判断する。
CPU22は、タイマの指示入力があったと判断した場合(ステップS13においてYES)には、タイマモードに移行する(ステップS14)。タイマモードの処理については後述する。
一方、CPU22は、タイマの指示入力が無かったと判断した場合(ステップS13においてNO)には、次に、明るさプラスモードの指示入力があったかどうかを判断する(ステップS15)。具体的には、CPU22は、リモコン50に設けられた「明るさプラス」ボタン64の入力指示があったかどうかを判断する。
CPU22は、明るさプラスモードの指示入力があったと判断した場合(ステップS15においてYES)には、明るさプラスモードに移行する(ステップS16)。明るさプラスモードの処理については後述する。
ステップS15において、明るさプラスモードの指示入力が無かったと判断した場合(ステップS15においてNO)には、次に、お気に入り登録の指示入力があったかどうかを判断する(ステップS17)。
具体的には、CPU22は、リモコン50に設けられた「お気に入り登録1」ボタン71あるいは「お気に入り登録2」ボタン73のいずれかの入力指示があったかどうかを判断する。
CPU22は、お気に入り登録の指示入力があったと判断した場合(ステップS17においてYES)には、お気に入り登録モードに移行する(ステップS16)。お気に入り登録モードの処理については後述する。
一方、CPU22は、お気に入り登録の指示入力が無かったと判断した場合(ステップS17においてNO)には、その他の処理を実行する(ステップS19)。そして、「B」に進む。すなわち、図7のステップS1に戻る。
<点灯調整モード>
点灯調整モードは、ユーザからのリモコン50の調光および/または調色の操作指示に対して、照明部30におけるLEDモジュール31,32の発光状態を制御して好みの調光および調色に調整するモードである。
図9は、本発明の実施の形態に従う点灯調整モードの処理を説明するフロー図である。
当該フローは、CPU22がメモリ29に格納されたプログラムを読み込むことにより実行されるものとする。
図9を参照して、まず、CPU22は、調光ボタンの入力指示であったかどうかを判断する(ステップS100)。調光ボタンとは、本例においては、一例として、「明るく」ボタン55および「暗く」ボタン56とする。「明るく」ボタン55または「暗く」ボタン56の調光ボタンの入力指示でなかったと判断した場合(ステップS100においてNO)には、ステップS110に進む。
一方、CPU22は、「明るく」ボタン55または「暗く」ボタン56の入力指示であったと判断した場合(ステップS100においてYES)には、次に、押下されたボタンが「明るく」ボタン55であるか「暗く」ボタン56であるかを特定する(ステップS102)。
押下されたボタンが「明るく」ボタン55である場合(ステップS102においてYES)には、CPU22は、現在の調光率を予め規定された調光率分増加させる(ステップS104)。押下されたボタンが「暗く」ボタン56である場合(ステップS102においてNO)には、CPU22は、現在の調光率を予め規定された調光率分減少させる(ステップS106)。そして、処理を終了する(リターン)。すなわち、再び、ステップS2に戻る。
具体的には、全点灯(調光率100%)の状態でユーザが「暗く」ボタン56を押下した場合には、半灯(調光率50%)に設定される。半灯(調光率50%)の状態で「暗く」ボタン56を押下した場合には、微灯(調光率30%)に設定される。また、微灯(調光率30%)の状態でユーザが「明るく」ボタン55を押下した場合には、半灯(調光率50%)に設定される。半灯(調光率50%)の状態で「明るく」ボタン55を押下した場合には、全点灯(調光率100%)に設定される。
ステップS110において、CPU22は、「明るく」ボタン55または「暗く」ボタン56の入力指示でなかったと判断した場合(ステップS100においてNO)には、調色ボタンの入力指示であるものと判断する。調色ボタンとは、本例においては、一例として、「暖色」ボタン63および「寒色」ボタン61とする。
CPU22は、調光ボタンの入力指示でなかったと判断した場合には、次に、押下されたボタンが「暖色」ボタン63であるか「寒色」ボタン61であるかを特定する(ステップS112)。押下されたボタンが「暖色」ボタン63である場合(ステップS112においてYES)には、CPU22は、調光率は維持しつつ現在の色調の電球側の調光率を予め規定された調光率分増加させ、昼光色側の調光率を予め規定された調光率分減少させる(ステップS114)。押下されたボタンが「寒色」ボタン61である場合(ステップS112においてNO)には、CPU22は、調光率は維持しつつ現在の色調の電球側の調光率を予め規定された調光率分減少させ、昼光色側の調光率を予め規定された調光率分増加させる(ステップS116)。そして、処理を終了する(リターン)。すなわち、再び、図7のステップS2に戻る。
具体的には、昼光色の全灯(調光率100%)である「昼光色」の状態でユーザが「暖色」ボタン63を押下した場合には、「昼白色」に設定される。「昼白色」の状態で「暖色」ボタン63を押下した場合には、「温白色」に設定される。「温白色」の状態で「暖色」ボタン63を押下した場合には、「電球色」に設定される。また、「電球色」の状態でユーザが「寒色」ボタン61を押下した場合には、「温白色」に設定される。「温白色」の状態で「寒色」ボタン61を押下した場合には、「昼白色」に設定される。「昼白色」の状態で「寒色」ボタン61を押下した場合には、「昼光色」に設定される。
上記においては、「暖色」ボタン63または「寒色」ボタン61の調色ボタンの入力指示に従って4段階で色調が変化する場合について説明したが、より複数段階にすることにより色調を細かく調整することが可能である。
一方で、色調の変化について、色温度の高低によって、光の色温度の変化に対する人間の目の感じ方には違いがある。具体的には、色温度が低くなるにしたがって、より鋭敏に変化を感じる傾向がある。したがって、「電球色」と「昼光色」との間で色調を変化させる場合、単に色温度を線形的に変化させてしまうと、人間の目の特性によって、特に「電球色」側での色調の変化の際に急峻な変化に感じる可能性がある。
図10は、本発明の実施の形態に従う色調の変化を説明する図である。
図10を参照して、ここでは、一例として、色温度の低い「電球色」から色温度の高い「昼光色」への移行として10段階の色調で変化させる場合が示されている。
具体的には、色温度差が色温度の低い電球色から色温度の高い昼光色に移行するに従い徐々に大きくなるように設定する。
本例においては、一例として、色温度2974Kの「電球色」と色温度5605Kの「昼光色」との間で10段階の色調が均等の割合で変化しているようにユーザに感じさせるために、10段階の段階間で均等の比率で色温度が段階的に調整されるように設定する。
「電球色」の色温度は2974Kであり、「昼光色」の色温度が5605Kであるとすると、色調を段階的に変化させる場合の比率rは以下の如く算出される。
そして、算出された各色温度に従って「昼光色」および「電球色」の調光率を調整する。
これにより、色温度の低い電球色から色温度の高い昼光色に段階的に移行するに従い色温度差が徐々に大きくなるように「昼光色」および「電球色」の調光率を設定することにより段階的に変化する色調の変化の割合が均等であるようにユーザに感じさせることが可能となり、色調の変化に違和感を与えることなくユーザは自分の好みの色調に調整することが可能となる。
なお、本例においては、10段階の段階間の各色温度が段階的に均等の比率(等比)で変化するように設定する場合について説明したが、特にこれに限られず、他の方法を用いることも可能である。例えば、色温度の逆数である逆色温度を使って設定するようにしても良い。具体的には、ケルビン(K)での値の逆数を100万倍したミレッドの値を「昼光色」および「電球色」でそれぞれ算出して、段階的に移行するにあたり、その間が等間隔となるように設定する。そして、再びケルビン(K)に戻して「昼光色」および「電球色」の調光率を設定するようにすることも可能である。なお、100万倍した値を用いる場合について説明したが、特にこれに限られず、100万倍しないで設定するようにしても良い。
なお、本例においては、「昼光色」および「電球色」の色温度が異なる2種類の色調を段階的に変化させる場合について説明したが、特に2種類に限られず、さらに複数種類の色温度が異なるLEDを用いて色調を段階的に変化させるようにしても良い。
また、ここでは、「暖色」ボタン63または「寒色」ボタン61の調色ボタンの入力指示に従って10段階の色調で変化させることが可能な場合について説明したが、特にこの段階の数に制限されるものではなく、任意に設定することが可能である。
また、他のモード、例えば後述する光環境制御モードの図14のグラフの代わりに上記方式を採用するようにしてもよい。
<光環境制御モード>
次に、本発明の実施の形態に従う光環境制御モードについて説明する。
光環境制御モードは、人の生活リズムに合わせた快適な光環境となるよう調光および調色を自動的に実行するモードである。
図11は、本発明の実施の形態に従う光環境制御モードの調光率を説明する図である。
図11を参照して、ここでは、24時間のヒトの生体リズムとの相関関係に基づいて昼光色と電球色との調光率を調整する場合が示されている。
具体的には、24時間を期間tA〜tfの6つの期間にそれぞれ分けて、各期間における昼光色と電球色との調光率を設定する。
具体的には、期間tAは、5時30分〜6時30分に設定されている。期間tBは、6時30分〜18時00分に設定されている。期間tCは、18時00分〜19時00分に設定されている。期間tDは、19時00分〜21時00分に設定されている。期間tEは、21時00分〜22時00分に設定されている。期間tFは、23時00分〜5時30分に設定されている。ここで、起床時刻6時30分、夕食時刻19時00分、就寝時刻23時00分は、デフォルトとして予め設定されているものとする。なお、後述するが、我が家流の設定において当該起床時刻6時30分、夕食時刻19時00分、就寝時刻23時00分を変更することも可能である。この点については後述する。
図12は、光環境制御モードの各期間における照明部30の動作を説明する動作テーブル図である。
図12を参照して、期間tA(時刻5時30分〜6時30分)である起床時刻1時間前からの1時間においては、早朝動作が実行される。具体的には、明るさとして、夜間調光率30%から調光率100%に変化させる。また、色調として電球色から昼光色に変化させる。なお、後述するが夜間調光率についても変更することが可能である。
期間tB(6時30分〜18時00分)である起床時刻から夕食時刻の1時間前までにおいては、日中動作が実行される。具体的には、明るさとして、調光率100%を維持する。また、色調として昼光色を維持する。
期間tC(18時00分〜19時00分)である夕食時刻1時間前からの1時間においては、日没動作が実行される。具体的には、明るさとして、調光率100%を維持する。また、色調として昼光色から電球色に変化させる。
期間tD(19時00分〜21時00分)である夕食時刻から就寝時刻2時間前までにおいては、夕食動作が実行される。具体的には、明るさとして、調光率100%を維持する。また、色調として電球色を維持する。
期間tE(21時00分〜22時00分)である就寝時刻2時間前からの2時間においては、就寝動作が実行される。具体的には、明るさとして、調光率100%から夜間調光率30%に変化させる。また、色調としては電球色を維持する。
期間tF(23時00分〜5時30分)である就寝時刻から起床時刻1時間前までにおいては、夜間動作が実行される。具体的には、明るさとして、夜間調光率30%を維持する。また、色調として電球色を維持する。
なお、上記動作テーブルは、一例であり、動作テーブルに設定されている時刻および期間は、それぞれ別の時刻および期間とすることも可能であるし、また、さらに、別の動作を設けるようにすることも可能である。例えば、季節に応じて動作テーブルを変更するようにしても良い。
再び、図11を参照して、期間tAの起床前においては、調光率を徐々に調整して明るくしてメラトニン分泌を抑制するとともに、色調を電球色から昼光色に変化させることにより起床時刻に合わせて徐々に眠りを浅くし、そして、起床時刻に調光率100%とすることにより昼間の自然光に近い昼光色でさわやかな目覚めを促進することが可能である。
そして、期間tBの日中は、自然光の色調と近い昼光色とすることによりヒトの活動期間において快適な作業を促進することが可能である。
そして、期間tCの夕食前においては、色調を昼光色から夕方の自然光の色調と近い電球色に徐々に変化させることによりリラックス効果を生み出し、落ち着いた暖かい雰囲気に自然に環境を変化させることが可能である。
そして、期間tDの夕食後においては、電球色を維持することによりヒトの沈静期間において落ち着いた暖かい雰囲気のもと、安らぎ感を得ることが可能である。
そして、期間tEの就寝前においては、調光率を徐々に調整して暗くすることにより、ヒトの覚醒度を下げ、ヒトの生体リズムと関係のあるメラトニン分泌の上昇を促してスムーズな入眠を促進することが可能である。
そして、期間tFの就寝中においては、調光率を低く維持することにより深い睡眠を促すとともに、ユーザが物を認識できる程度の調光率とすることにより夜間における動作も可能である。
したがって、上述した照明装置1の光環境制御モードにより、ヒトの生体リズムに合わせた明るさおよび色調に自動的に調整する光環境を実現することが可能である。そして、特に、本実施の形態に従う光環境制御モードにおいては、調光率および色調を変化させる各期間においてヒトに違和感あるいは不快感を生じさせないように自然に変化させる。
例えば、期間tAにおいて、調光率30%の電球色から調光率100%の昼光色に徐々に調整する。
図13は、期間tAにおける本発明の実施の形態に従う昼光色および電球色の調光率のグラフを説明する図である。
図13を参照して、ここでは、昼光色の調光率、電球色の調光率、全体の調光率の変化が示されている。
期間tAにおいて、初期状態においては、電球色の調光率は30%であり、昼光色の調光率は0%である。したがって、全体の調光率は30%に設定されている場合が示されている。
上記グラフにおける調光率を算出する式について説明する。
全体の調光率Rとして初期状態の調光率Aから期間Tの間に調光率Bまで線形に変化させる場合については、次式(1)で表される。なお、変数tは、時間である。
次に、昼光色および電球色の調光率P,Qの一般式を次式(2),(3)とする。
これにより、式(1)を式(2),(3)にそれぞれ代入すると、昼光色および電球色の調光率P,Qは次式(4),(5)で表される。
そして、式(4),(5)に期間T=60、調光率A=30、調光率B=100を代入した場合の昼光色および電球色の調光率P,Qは次式(6),(7)で表される。
当該式(6)および(7)に基づいて昼光色および電球色の調光率P,Qを設定することが可能となる。
例えば、初期状態から12分後、すなわち、t=12とした場合の昼光色Pおよび電球色Rは、次式の如く算出される。
当該式に基づいて、全体の調光率を線形に変化させるとともに、電球色から昼光色に自然に変化させることが可能となる。すなわち、電球色から昼光色に変化するにあたり、電球色と昼光色が混ざった中間色に変化して最終的に昼光色に変化するためヒトに違和感あるいは不快感を生じさせることなく調光率を変化させることが可能となり、快適かつ自然な光環境を実現することが可能となる。
また、本実施の形態に従う光環境制御モードにおいては、期間tCにおいて、調光率100%の昼光色から調光率100%の電球色に徐々に調整する。
図14は、期間tCにおける本発明の実施の形態に従う昼光色および電球色の調光率のグラフを説明する図である。
図14を参照して、ここでは、昼光色の調光率、電球色の調光率、全体の調光率の変化が示されている。
期間tCにおいて、初期状態においては、電球色の調光率は100%であり、昼光色の調光率は0%である。したがって、全体の調光率は100%に設定されている場合が示されている。
上述した方式と同様に昼光色および電球色の調光率の式を算出すると次式(8),(9)で表される。
当該式(8),(9)に基づいて昼光色および電球色の調光率P,Qを設定することが可能となる。
当該式に基づいて、全体の調光率を維持しつつ電球色から昼光色に自然に変化させることが可能となる。すなわち、昼光色から電球色に変化するにあたり、昼光色と電球色が混ざった中間色に連続的に変化して最終的に電球色に変化するためヒトに違和感あるいは不快感を生じさせることなく色調を変化させることが可能となり、快適かつ自然な光環境を実現することが可能となる。
本例においては、期間tCにおいて昼光色から電球色に変化するにあたり、時間の経過に従って一定の変化率で色温度が変化するように制御する例について説明したが、これに限らず、色温度の高い昼光色に近いほど色温度の変化を速くさせ、色温度の低い電球色に近づくほど色温度の変化を遅くするように連続的に色調を変化させることで、時間の経過に従って等間隔の割合で色調が変化しているようにユーザに感じさせることができる。例えば、昼光色から電球色に変化する場合、時間当たりの色温度の変化率を減少させるべく、時間の経過に従って等比間隔で色温度の変化率を減少させるとよい。
また、本実施の形態に従う光環境制御モードにおいては、期間tEにおいて、調光率100%の電球色を調光率30%の電球色に徐々に調整する。
図15は、期間tEにおける本発明の実施の形態に従う電球色の調光率のグラフを説明する図である。
図15を参照して、期間tEにおいて、初期状態においては、電球色の調光率は100%であり、全体の調光率は100%に設定されている。
上述した方式と同様に電球色の調光率の式を算出すると次式(10)で表される。
当該式(10)に基づいて電球色の調光率Qを設定することが可能となる。
当該式に基づいて、電球色の調光率Qを徐々に変化させてヒトに違和感あるいは不快感を生じさせることなく快適な光環境を実現することが可能となる。
なお、当該電球色の調光率の設定の方式は一例であり、例えば、次のような変化率で調整するようにすることも可能である。
図16は、期間tEにおける本発明の実施の形態に従う電球色の調光率の別のグラフを説明する図である。
図16(A)を参照して、本例においては、縦軸および横軸が対数である両対数グラフが示されている。縦軸の単位は、0.1%である。横軸の単位は分である。
当該両対数グラフにおいて、調光率と時間との関係が線形となるように設定される場合が示されている。具体的には、両対数グラフにおいて期間60分の間に調光率100%が調光率30%に調整される場合が示されている。
図16(B)を参照して、上記図16(A)の両対数グラフを通常のグラフとした場合が示されている。
当該方式により電球色の調光率Qを調整することにより、ヒトに違和感あるいは不快感をさらに生じさせることなく調光率を変化させることが可能となり、快適かつ自然な光環境を実現することが可能となる。
図17は、本発明の実施の形態に従う光環境制御モードのフローを説明する図である。
当該フローは、CPU22がメモリ29に格納されたプログラムを読み込むことにより実行されるものとする。
図17を参照して、CPU22は、我が家流設定が有るかどうか判断する(ステップS30)。
ステップS30において、CPU22は、我が家流設定が有ると判断した場合には、我が家流情報を取得する(ステップS32)。なお、我が家流情報については後述する。
ステップS30において、CPU22は、我が家流設定が無いと判断した場合には、デフォルト値を取得する(ステップS34)。
そして、次に、CPU22は、我が家流情報あるいはデフォルト値に基づいて光環境制御動作期間を設定する(ステップS36)。具体的には、上述した起床時刻、夕食時刻、就寝時刻に従って期間tA〜tFを設定する。
そして、CPU22は、現在時刻を確認する(ステップS38)。
そして、次に、CPU22は、現在時刻に従って、現在時刻が期間tA〜tFのいずれの期間内であるかどうかを判断する(ステップS40)。
ステップS40において、CPU22は、期間tA〜tFのいずれの期間内であるかを判断して、期間tB,tD,tFの期間内である場合には、ステップS42に進む。
一方、ステップS40において、CPU22は、期間tA〜tFのいずれの期間内であるかを判断して、期間tA,tC,tEの期間内である場合には、ステップS52に進む。
まず、CPU22は、現在時刻が期間tB,tD,tFの期間内であると判断した場合には、対応する期間の動作に従う調光率に設定する(ステップS42)。
そして、次に、CPU22は、対応する期間の残り時間が10分未満であるかどうかを判断する(ステップS44)。
ステップS44において、10分未満であると判断した場合には、対応する期間の動作に従う調光率に10分間設定する(ステップS48)。
そして、10分が経過したかどうかを判断する(ステップS50)。10分が経過した場合には、次のステップに進む。
すなわち、光環境制御モードを開始する現在時刻が、光環境制御動作期間の対応する期間の動作が終了する間際であるような場合、本例においては、10分未満であるような場合には、10分は、光環境制御動作期間の対応する期間の動作を継続する方式としている。当該方式により、光環境制御動作期間の対応する期間の次の期間の動作がすぐに実行されてユーザに違和感や不快感を生じさせないようにすることが可能である。なお、本例においては、一例として10分を基準に設定しているが、特にこれに限られず、ユーザの好みに合わせて調整するようにしても良い。
ステップS44において、CPU22は、対応する期間の残り時間が10分未満でないと判断した場合(ステップS44においてNO)には、期間が終了したかどうかを判断する(ステップS46)。
ステップS46において、期間が終了した場合には、次のステップに進む。
再び、ステップS40において、CPU22は、現在時刻が期間tA、tC,tFの期間内であると判断した場合には、期間tA,tC,tFの開示時刻から10分未満であるかどうかを判断する(ステップS52)。
そして、ステップS52において、10分未満であると判断した場合(ステップS52においてYES)には、前の期間の動作に従う調光率に10分間設定する(ステップS54)。
そして、次に10分が経過したかどうかを判断する(ステップS56)。
ステップS56において、10分が経過したと判断した場合には、対応する期間の動作に従う調光率に設定する(ステップS58)。
そして、期間が満了したかどうかを判断する(ステップS60)期間が満了した場合には、次のステップS52に進む。
すなわち、光環境制御モードを開始した現在時刻が、光環境制御動作期間において、調光率および/または色調を変化させる期間に対応する期間であるような場合(期間tA,tC,tEの期間)には、期間の開始時刻から10分未満であれば、ユーザに違和感や不快感を生じさせることなく当該動作を実行する。
具体的には、まず、前の期間の動作に従う調光率に10分間設定し、そして、10分後に、調光率および/または色調を変化させる対応する期間の動作を開始する。当該方式により、光環境制御動作期間において、調光率および/または色調を変化させる対応する期間の動作がすぐに実行されてユーザに違和感や不快感を生じさせないようにすることが可能である。なお、本例においては、一例として10分を基準に設定しているが、特にこれに限られず、ユーザの好みに合わせて調整するようにしても良い。
一方、ステップS52において、CPU22は、10分未満でないと判断した場合には、次のステップに進む。
すなわち、光環境制御モードを開始した現在時刻が、光環境制御動作期間において、調光率および/または色調を変化させる期間に対応する期間であるような場合(期間tA,tC,tEの期間)には、期間の開始時刻から10分以上であれば、次の期間の動作に従う調光率に設定する。当該動作により、調光率および/または色調を変化させる対応する期間の動作がすぐに実行されてユーザに違和感や不快感を生じさせることを回避することができる。
そして、ステップS62において、次の期間の動作に従う調光率に設定する(ステップS62)。
そして、期間が終了したかどうかを判断する(ステップS64)。期間が終了していると判断した場合(ステップS62においてYES)には、ステップS62に戻り、さらに次の期間の動作に従う調光率に設定する。
なお、当該処理を繰り返すことにより一例として、例えば、期間tA→tB→tC→tD→tE→tF→tAの動作が繰り返されて24時間のヒトの生活リズムに合わせた調光を実行することが可能となる。
なお、光環境制御モードを終了する場合には、ユーザがリモコン50の「光環境制御」ボタン58を再度押下することにより割込み処理により光環境制御モードが停止されて、図7のステップS1に戻り、通常の点灯が実行されるものとする。
また、ユーザが電源スイッチを操作して、電源スイッチをオフした場合には、電源の供給が停止するため光環境制御モードも終了する。なお、再度、ユーザが電源スイッチをオンした場合には、図7のステップS1に戻り、通常の点灯が実行されるものとする。
<我が家流設定>
次に、我が家流設定について説明する。
我が家流設定は、上述した光環境制御モードにおける起床時刻、夕食時刻、就寝時刻をユーザの個々の生活リズムに合わせた時刻に設定するモードである。
ユーザがリモコン50の「我が家流」設定ボタン62を押下することにより、我が家流設定モードに移行する。
図18は、本発明の実施の形態に従う我が家流設定における起床時刻、夕食時刻、就寝時刻の設定時刻について説明する図である。
図18を参照して、ここでは、起床時刻、夕食時刻、就寝時刻についてそれぞれ0時00分〜23時59分の間で自由に設定することが可能である場合が示されている。
なお、起床時刻については、就寝時刻から1時間59分以内の時刻設定は受け付けないように設定される。
また、夕食時刻については、起床時刻から59分後以内の時刻設定は受け付けないように設定される。なお、受け付けない場合には、初期のプリセットされた時刻に設定されるものとする。
以下、具体的に我が家流設定の流れについて説明する。
ユーザがリモコン50の「我が家流」設定ボタン62を押下すると、リモコン50側では設定画面が表示される。具体的には、CPU86がメモリ80に格納されたプログラムを読み出すことにより以下に従う設定画面が液晶パネル52に表示される。
図19は、本発明の実施の形態に従うリモコン50の液晶パネル52における我が家流設定の画面について説明する図である。
図19(A)を参照して、「我が家流」設定ボタン62を押下すると、まず、起床時刻の設定が可能な画面が液晶パネル52に表示される。ユーザは、「UP」ボタン57Aおよび/または「DOWN」ボタン57Bを操作することにより起床時刻を任意の値に設定することが可能である。なお、本例においては、一例として、液晶パネル52に「起床時刻を設定して下さい。」の表示とともに、「UP」ボタン57Aおよび/または「DOWN」ボタン57Bを操作することにより起床時刻のデフォルト値として設定された「6:30」から「7:00」に変更された場合が示されている。そして、「OKの場合には、「我が家流」設定ボタンを押して下さい。」との案内表示がなされている場合が示されている。リモコン50は、ユーザが「我が家流」設定ボタンを押下することに従って当該液晶パネル52に表示されている起床時刻情報(ここでは7:00)を照明装置1に出力する。そして、次に、夕食時刻の設定に移行する。
図19(B)を参照して、夕食時刻の設定が可能な画面が液晶パネル52に表示される。ユーザは、「UP」ボタン57Aおよび/または「DOWN」ボタン57Bを操作することにより夕食時刻を任意の値に設定することが可能である。なお、本例においては、一例として、液晶パネル52に「夕食時刻を設定して下さい。」の表示とともに、「UP」ボタン57Aおよび/または「DOWN」ボタン57Bを操作することにより夕食時刻のデフォルト値として設定された「19:00」から「19:30」に変更された場合が示されている。そして、「OKの場合には、「我が家流」設定ボタンを押して下さい。」との案内表示がなされている場合が示されている。リモコン50は、ユーザが「我が家流」設定ボタンを押下することに従って当該液晶パネル52に表示されている夕食時刻情報(ここでは19:30)を照明装置1に出力する。そして、次に、就寝時刻の設定に移行する。
図19(C)を参照して、就寝時刻の設定が可能な画面が液晶パネル52に表示される。ユーザは、「UP」ボタン57Aおよび/または「DOWN」ボタン57Bを操作することにより就寝時刻を任意の値に設定することが可能である。なお、本例においては、一例として、液晶パネル52に「就寝時刻を設定して下さい。」の表示とともに、「UP」ボタン57Aおよび/または「DOWN」ボタン57Bを操作することにより就寝時刻のデフォルト値として設定された「23:00」から「23:30」に変更された場合が示されている。そして、「OKの場合には、「我が家流」設定ボタンを押して下さい。」との案内表示がなされている場合が示されている。リモコン50は、ユーザが「我が家流」設定ボタンを押下することに従って当該液晶パネル52に表示されている就寝時刻情報(ここでは23:30)を照明装置1に出力する。そして、次に、夜間調光率の設定に移行する。本例においては、我が家流設定において、起床時刻、夕食時刻、就寝時刻とともに、夜間動作における夜間調光率も設定可能とされている。
図19(D)を参照して、夜間調光率の設定が可能な画面が液晶パネル52に表示される。ユーザは、「UP」ボタン57Aおよび/または「DOWN」ボタン57Bを操作することにより、夜間調光率の数値を任意の値に設定することが可能である。また、当該設定の際、照明装置1のCPU22は、PWM制御回路23に対して照明部30から発光される調光率が液晶パネル52に表示されている調光率となるように制御する。具体的には、まず、照明装置1の調光率は30%に設定される。そして、リモコン50からの「UP」ボタン57Aおよび/または「DOWN」ボタン57Bの入力に従って調光率の上昇/下降の指示が照明装置1に出力される。照明装置1のCPU22は、調光率の上昇/下降の指示に従ってPWM制御回路23に対して照明部30から発光される調光率を調整する。
なお、本例においては、一例として、液晶パネル52に「夜間調光率を設定して下さい。」の表示とともに、「UP」ボタン57Aおよび/または「DOWN」ボタン57Bを操作することにより夜間調光率のデフォルト値として設定された「30%」が示されている。そして、「OKの場合には、「我が家流」設定ボタンを押して下さい。」との案内表示がなされている場合が示されている。リモコン50は、ユーザが「我が家流」設定ボタン62を押下することに従って、当該液晶パネル52に最終的に表示されている夜間調光率情報(ここでは30%)を照明装置1に出力する。
図20は、本発明の実施の形態に従う我が家流設定のフローを説明する図である。
当該フローは、CPU22がメモリ29に格納されたプログラムを読み込むことにより実行されるものとする。
図20を参照して、我が家流設定モードに移行した場合に、CPU22は、起床時刻情報の入力があるかどうか判断する(ステップS120)。具体的には、図19で説明したリモコン50からの起床時刻情報を受信したかどうかに基づいて判断する。
ステップS120において、CPU22は、起床時刻情報の入力があると判断した場合(ステップS120においてYES)には、入力された内容に従って起床時刻を設定する(ステップS122)。そして、再び、ステップS120に戻る。
次に、ステップS120において、CPU22は、起床時刻情報の入力がなかったと判断した場合(ステップS120においてNO)には、次に夕食時刻情報の入力があるかどうかを判断する(ステップS124)。具体的には、図19で説明したリモコン50からの夕食時刻情報を受信したかどうかに基づいて判断する。
ステップS124において、CPU22は、夕食時刻情報の入力があると判断した場合(ステップS124においてYES)には、入力された内容に従って夕食時刻を設定する(ステップS126)。そして、再び、ステップS120に戻る。
次に、ステップS124において、CPU22は、時刻情報の入力がなかったと判断した場合(ステップS124においてNO)には、次に就寝時刻情報の入力があるかどうかを判断する(ステップS128)。具体的には、図19で説明したリモコン50からの就寝時刻情報を受信したかどうかに基づいて判断する。
ステップS128において、CPU22は、就寝時刻情報の入力があると判断した場合(ステップS128においてYES)には、入力された内容に従って就寝時刻を設定する(ステップS130)。
そして、CPU22は、調光率を30%に設定する(ステップS172)。具体的には、CPU22は、PWM制御回路23に対してLEDモジュール32の発光に従う調光率が30%となるように制御する。当該動作により、ユーザは、調光率30%の夜間調光率の明るさを認識することが可能となる。
そして、ステップS120に戻る。
次に、ステップS128において、CPU22は、就寝時刻情報の入力がないと判断した場合(ステップS128においてNO)には、「UP」ボタン57Aまたは「DOWN」ボタン57Bの入力指示が有るかどうかを判断する(ステップS134)。
ステップS134において、「UP」ボタン57Aまたは「DOWN」ボタン57Bの入力指示があると判断した場合(ステップS134においてYES)には、「UP」ボタン57Aまたは「DOWN」ボタン57Bの入力指示に従って調光率を調整する(ステップS136)。
そして、再びステップS120に戻る。当該動作により、ユーザは、「UP」ボタン57Aまたは「DOWN」ボタン57Bの入力指示に従って調光率の調整に従う夜間調光率の明るさを認識することが可能となる。
そして、ユーザが任意に「UP」ボタン57Aおよび/または「DOWN」ボタン57Bを操作することにより所望の明るさに従う夜間調光率に設定することが可能となる。
ステップS134において、「UP」ボタン57Aまたは「DOWN」ボタン57Bの入力指示が無いと判断した場合(ステップS134においてNO)には、夜間調光率情報の入力があるかどうかを判断する(ステップS138)。具体的には、図19で説明したリモコン50からの夜間調光率情報を受信したかどうかに基づいて判断する。
ステップS138において、夜間調光率情報の入力があると判断した場合(ステップS138においてYES)には、入力された内容に従って夜間調光率を設定する(ステップS140)。そして、処理を終了する(リターン)。すなわち、再び、図7のステップS1に戻る。
一方、ステップS138において、夜間調光率情報の入力がないと判断した場合(ステップS138においてNO)には、ステップS120に戻る。
当該動作により、光環境制御モードにおける我が家流情報である起床時刻情報、夕食時刻情報、就寝時刻情報および夜間調光率情報を設定することが可能となる。当該我が家流情報は、メモリ29に格納されるものとする。そして、我が家流情報がメモリ29に格納されることにより図17のステップS30において我が家流設定有りと判断される。
そして、光環境制御モードにおいて、図17で説明したステップS36において、メモリ29に格納された我が家流情報である、我が家流設定に関する起床時刻、夕食時刻、就寝時刻に基づいて光環境制御動作期間が設定されて、我が家流設定に従う光環境制御モードを実行することが可能となる。また、夜間調光率情報に従う夜間調光率に設定することが可能となる。
したがって、各ヒトの個々の生活リズムに合わせた調光および調色を実行して、快適な光環境を実現することが可能となる。
なお、上述した光環境制御モードが実行されている場合においても、ユーザがリモコン50の「我が家流」設定ボタン62を押下することにより、割込み処理により、我が家流設定モードに移行する。そして、我が家流設定モードが終了した場合には、再び、図17における光環境制御モードの処理が再度実行される。当該処理により、新たに設定された我が家流情報に基づいて、光環境制御モードが実行され、快適な光環境を実現することが可能となる。
なお、本例においては、我が家流設定モードにおいて、3つの時刻と、夜間調光率を設定する場合について説明したが、特にこれに限られず、図12に示されるそれぞれ期間および動作をユーザの好みに合わせて設定可能とするようにしても良い。その場合、例えば図12に示されるそれぞれの期間において、後述するお気に入り登録にて登録した点灯状態を利用して点灯するように設定できるようにしてもよい。
<エコ点灯モード>
次に、エコ点灯モードについて説明する。
エコ点灯モードでは、点灯開始から一定の時間で、点灯開始時の輝度(照明部30からの発光出力)に対して一定の割合で減光する。すなわち、点灯開始時には設定された輝度で点灯する。なお、「点灯開始時」にはユーザの操作で明るさ変更された場合も含まれる。
点灯開始時または調光率や色調の変更時から一定の時間としてたとえば10分間が設定され、一定の割合としてその時点の輝度である初期の調光値Xの20%が設定されていると、点灯開始時から10分間で調光値が初期の調光値Xの80%となるまで減光する。
図21は、本発明の実施の形態に従うエコ点灯モードにおける調光率のグラフを説明する図である。
図21(A)を参照して、本例においては、縦軸および横軸が対数である両対数グラフが示されている。縦軸の単位は、0.1%である。横軸の単位は秒である。
当該両対数グラフにおいて、調光率と時間との関係が線形となるように減光される場合が示されている。具体的には、両対数グラフにおいて期間10分(600秒)の間に調光率100%が調光率80%に調整される場合が示されている。
図21(B)を参照して、上記図21(A)の両対数グラフを通常のグラフとした場合が示されている。
当該方式により減光することによりヒトに違和感あるいは不快感をさらに生じさせることなく減光させることが可能となり快適かつ自然な光環境を実現しつつ省エネを図ることが可能となる。
図22は、本発明の実施の形態に従うエコ点灯モードの処理を説明するフロー図である。
当該フローは、CPU22がメモリ29に格納されたプログラムを読み込むことにより実行されるものとする。
CPU22は、図21に表わされた処理を所定間隔(たとえば1秒間隔)の割込み処理で実行する。
図22を参照して、まず、CPU22は、点灯を開始するか否かを判断する(ステップS160)。点灯の開始でなかったと判断した場合(ステップS160においてNO)には、ステップS166に進む。
一方、CPU22は、点灯開始と判断した場合(ステップS160においてYES)には、調光率を100%に設定する(ステップS162)。具体的には、CPU22は、PWM制御回路23に対してLEDモジュール31および/またはLEDモジュール32の発光に従う調光率が100%となるように制御する。当該制御により、点灯開始時にユーザは、調光率100%の明るさを認識することが可能となる。
次に、CPU22は、減光時間を計時するための減光タイマを所定時間(本例では600秒)にセットし、減光目標とする調光率(本例では80%)を決定して処理を終了する(リターン)。すなわち、再び、図7のステップS1に戻る。
一方、ステップS160において、点灯の開始でなかったと判断した場合(ステップS160においてNO)には、CPU22は減光タイマが0かどうかを判断する(ステップS166)。減光タイマが0であると判断した場合(ステップS166においてNO)には、処理を終了する(リターン)。
ステップS166において減光タイマが0でないと判断した場合(ステップS166においてYES)には、CPU22は減光処理(ステップS168)を実行する。
図23は、ステップS168の減光処理のサブルーチンを説明する図である。
図23を参照して、減光処理が開始すると、CPU22は、図21に表わされた調光率と時間との関係を示す関係式にその時点での減光タイマを変数として代入することによって、その時点で減光する値(調光率)をDOWN値として算出する(ステップS180)。
そして、CPU22は、現在の出力値(調光率)から算出したDOWN値を差し引いた値を調光率として設定する(ステップS182)。具体的には、CPU22は、PWM制御回路23に対してLEDモジュール31および/またはLEDモジュール32の発光に従う調光率が算出された値となるように制御する。
その後、CPU22は、減光タイマを1デクリメントして(ステップS184)、減光処理を終了する(リターン)。
上の例は点灯開始からの動作を表わすものであるが、調光率や色調の変更時でも同様の動作を行なうものとする。
当該動作により、エコ点灯モードでは、点灯開始から一定の時間で、点灯開始時または調光率や色調の変更時の輝度に対する所定割合の輝度まで、図21に表わされたように徐々に減光される。なお、本例では図21に表わされたように縦軸および横軸が対数である両対数グラフにおいて調光率が時間経過に対して線形に変化させているが、調光率を時間経過に対して線形に変化させてもよい。これにより、ヒトに違和感あるいは不快感を生じさせることなく調光率を変化させることが可能となり快適かつ自然な光環境を実現しつつ省エネを図ることが可能となる。
エコ点灯モードは、ユーザが「エコ点灯」ボタン60を押下することにより点灯制御指示がリモコン50から出力される。照明装置1のCPU22は、リモコン50からの点灯制御指示の入力を受けて、PWM制御回路23に対して照明部30への点灯制御を開始するように指示する。ここで、「エコ点灯」ボタン60の押下すなわち、リモコン50からの点灯制御指示の入力に従って、「エコ点灯モード」→「通常モード」→「エコ点灯モード」→・・・を繰り返すものとする。すなわち、エコ点灯モード中にリモコン50からの点灯制御指示が入力されると、照明装置1のCPU22はエコ点灯モードを解除する。このとき、CPU22は、PWM制御回路23に対して点灯開始時の輝度となるように制御する。
なお、エコ点灯モードは、光環境制御モードと組み合わせることができる。この場合、光環境制御モードの期間tA〜tfの6つの期間でのそれぞれの点灯制御において、CPU22は、当該期間開始から一定の時間で、開始時の輝度に対する所定割合の輝度まで徐々に減光する。また、本発明にかかる光源はLEDに限定されず、蛍光灯、EL(Electro-Luminescence)等の光源であってもよい。
<照度センサモード>
次に、照度センサモードについて説明する。
照度センサモードは、予め設定した照度となるように照度センサ28の取得結果に基づいて調光率を制御するモードである。
ユーザがリモコン50の「照度センサ」ボタン70を押下することにより、照度センサモードに移行する。
照度センサモードでは、CPU22は、所定間隔に規定回数(たとえば0.5ミリ秒ごとに8回、など)、照度センサ28での測定結果を取得する。そして、この平均値を算出する。この平均値を、測定値M1とする。CPU22は所定期間、測定値M1の算出を繰り返し、メモリ29の所定領域にする。そして、所定回数(たとえば10回)分の測定値M1のトリム平均を算出する。この平均値を、測定値M2とする。0.5ミリ秒ごとに8回照度センサ28での測定結果を取得して測定値M1を算出することで4ミリ秒ごと平均値が得られ、その測定値M1の10回分で測定値M2を算出することで2秒の平均値が得られることになる。
照度センサモードに先立って、目標の照度が設定される。目標の照度の設定は、ユーザがリモコン50の「環境登録」ボタン69を押下することにより行なわれる。すなわち、「環境登録」ボタン69が押下されたことによる信号を受信すると、CPU22は上述の測定値M2を算出し、算出された測定値M2をそのときの照度を表わす値として取得する。そして、メモリ29の所定領域に取得した値を「目標の照度」として書き込む。
目標の照度の設定は、照明装置1を設置した部屋に外光が入らない状態にした後、ユーザがリモコン50で所望の明るさとなるように調光率を調整した後「環境登録」ボタン69を押下することで正確に所望の照度を「目標の照度」として設定することが可能である。
なお、本例においては、「目標の照度」をユーザ自身がリモコン50で所望の明るさとなるように調光率を調整して設定する例について説明したが、メモリ29に予めデフォルト値としての異なる値の「目標の照度」を複数登録しておき、ユーザが当該複数の「目標の照度」から選択して「目標の照度」を設定できるようにしてもよい。
さらに、CPU22は、目標の照度に基づいて、ユーザによる目標の照度の変更を可能とするために多段階の照度レベルを設定する。また、各照度レベルについて、ハンチングを防ぐために、目標の照度範囲を規定するハイレベルとロウレベルとを設定する。ここでは、目標の照度を照度レベル1のハイレベルとし、それよりも照度の低い照度レベル1のロウレベル、照度レベル1よりも照度の高い照度レベル2、3のそれぞれのハイレベル、ロウレベルを設定する。
図24は、照度レベルの設定を説明するための図である。
図24を参照して、CPU22は、一例として、「照度レベル1のハイレベル」として目標の照度(図中のA値)を設定し、「照度レベル2のハイレベル」として照度レベル1のハイレベルの1.2倍の照度(図中のB値)を設定し、「照度レベル3のハイレベル」として照度レベル2のハイレベルの1.2倍の照度(図中のC値)を設定する。さらに、それぞれの照度レベルのロウレベルとして、ハイレベルとして設定された照度の0.9倍の照度を設定する。また、後述する、急に暗くなった事を検知するための「暗い判定」に用いる判定値として、目標の照度(図中のA値)の0.5倍の照度を設定する。
CPU22は、照度センサモードでの制御のために、予め明るさ(照度)ごとに「明るさレベル」をメモリ29に登録しておくものとする。なお、明るさの単位はルクス(lx)とする。
図25は、明るさレベルと登録された明るさとの対応の一例を示す図である。
図25の例では、明るさレベル28が全灯を表わし、明るさレベル1が微灯を表わしている。CPU22は上記対応にしたがって、照度センサモードにおいて明るさレベル28(全灯)〜1(微灯)の範囲で調光する。
照度センサモードでの制御は、スタート時の制御と通常制御との2種類の制御がある。照度センサモードが開始されるとスタート時の制御が行なわれ、その後、判定結果に応じて通常制御に移行する。
図26は、本発明の実施の形態に従う照度センサモードのフローを説明する図である。
当該フローは、CPU22がメモリ29に格納されたプログラムを読み込むことにより実行されるものとする。
図26を参照して、照度センサモードに移行した場合に、CPU22は照度測定を行なう(ステップS220)。ここでの照度測定は、上述のように照度センサ28からの測定結果から測定値M2を算出する処理を指す。
そして、1回分の測定値M2が得られると、つまり、上述の例では2秒間の測定結果の平均値である測定値M2が得られると(ステップS222でYES)、CPU22は、測定値M2と目標の照度である設定された照度レベル1とを比較する判定動作を行なう。
判定動作の結果、測定値M2が目標の照度である照度レベル1のハイレベルよりも高い照度を示している場合(ステップS224でYES)、CPU22は、現在の明るさレベルを1段階下げるように調光率を変更する(ステップS226)。
測定値M2が目標の照度である照度レベル1のロウレベルよりも低い照度を示している場合(ステップS224でNO、かつステップS228でYES)、CPU22は、現在の明るさレベルを1段階上げるように調光率を変更する(ステップS230)。
ステップS226またはステップS230で調光率を変更すると、CPU22はその後、ステップS220の動作へ戻る。そして、測定値M2が目標の照度である照度レベル1のロウレベルとハイレベルとの間の照度を示していると判定されるまで、上の動作を繰り返す。
測定値M2が目標の照度である照度レベル1のロウレベルとハイレベルとの間の照度を示している場合(ステップS224でNO、かつステップS228でNO)、現在の明るさレベルが目標の照度に合致しているものとして、CPU22は、明るさレベルを変更しない。そして、以上の、スタート時の制御を終了して、通常制御に移行する。
通常制御に移行すると、CPU22は照度測定を行なう(ステップS232)。ここでの照度測定は、ステップS220と同様に、上述のように照度センサ28からの測定結果から測定値M2を算出する処理を指す。
通常制御では、CPU22は、測定値M2と目標の照度である設定された照度レベル1とを比較する判定動作を2回行ない、2回とも同じ判定結果であった場合に、明るさレベルを変更する。なお、この際CPU22、明るさレベルを変更している最中の照度センサ28での測定結果を用いて得られた測定値M2は(ステップS234でYES)、判定動作には用いない。
すなわち、2回の判定動作の結果ともに、測定値M2が目標の照度である照度レベル1のハイレベルよりも高い照度を示している場合(ステップS236でYES)、CPU22は、現在の明るさレベルを1段階下げるように調光率を変更する(ステップS238)。
2回の判定動作の結果ともに、測定値M2が目標の照度である照度レベル1のロウレベルよりも低い照度を示している場合(ステップS236でNO、かつステップS240でYES)、CPU22は、現在の明るさレベルを1段階上げるように調光率を変更する(ステップS242)。
2回の判定動作の結果が異なる場合や、2回の判定動作の結果ともに測定値M2が目標の照度である照度レベル1のロウレベルとハイレベルとの間の照度を示している場合には(ステップS236でNO、かつステップS240でNO)、CPU22は、明るさレベルを変更しない。
CPU22は、照度センサモードの間中、以上の通常制御を繰り返す。
図27および図28は、それぞれ、スタート時の制御および通常制御を説明するための図である。
上述の例のように2秒ごとに測定値M2が算出されるものとすると、図27を参照して、スタート時の制御では、CPU22は、2秒ごとに測定値M2が目標の照度である照度レベル1と比較し、照度レベル1に近づけるように明るさレベルを変更する。図27の例では、判定動作において測定値M2が目標の照度よりも低いと判定されると、CPU22は、照度レベル1に近づけるように明るさレベルを1段階上げる。そして、測定値M2が目標の照度の範囲内に達すると、スタート時の制御を終了する。なお、スタート時の制御では、明るさレベルを変更しているときに得られた測定値M2も次の判定動作に用いる。
図28を参照して、通常制御では、CPU22は、2秒ごとに測定値M2が目標の照度である照度レベル1と比較するものの、2回連続して同じ判定結果であった場合に、照度レベル1に近づけるように明るさレベルを変更する。図28の例では、判定動作において2回連続して測定値M2が目標の照度よりも低いと判定されると、その2回目の判定時にCPU22は、照度レベル1に近づけるように明るさレベルを1段階上げる。そして、さらに、明るさレベルを変更しているときに得られた測定値M2は判定動作に用いない。明るさレベルの変更のための測定値M2の判定動作を少なくとも2回行うことで、1回の判定動作で明るさレベルの変更を行うスタート時の制御に比べて明るさレベル変更の時間間隔を遅らせることができる。また、明るさレベルを変更しているときに得られた測定値M2を判定動作に用いないことで、明るさレベル変更の時間間隔をより遅らせることができる。
図27および図28に示されるように、照度センサモードでは、目標の照度に達するまでのスタート時の制御において、通常制御よりも短い間隔で明るさレベルが変更されることになる。すなわち、照度センサモードに移行した当初は、急速に目標の照度に達するまで調光率が制御される。
たとえば、上述の例の場合、スタート時の制御において全灯から微灯まで27段階変更されるのに要する最短時間は、判定時間(2秒×27=54秒)+最後の調光変更時間(200ミリ秒)=54.2秒となる。
このような制御によって、たとえば目標の照度を低めに設定していた場合には、緩やかにその照度まで調光率を変化させるよりもより消費電力を抑えることができる。
反対に、いったん目標の照度に達した後の制御である通常制御では、スタート時の制御よりも長い間隔で明るさレベルが変更されることになる。すなわち、いったん目標の照度に達した後は、照度の変化に応じたて、スタート時の制御よりも長い間隔で、すなわち緩やかに調光率が制御される。
たとえば、上述の例の場合、通常制御において全灯から微灯まで27段階変更されるのに要する最短時間は、判定時間および途中の調光変更時間(スキップする判定時間)(6秒×26=156秒)+最後の判定時間(4秒)+最後の調光変更時間(200ミリ秒)=160.2秒となる。
このような制御によって、いったん目標の照度に達した後は細かい間隔での明るさレベルの変更によるチラツキを抑えることができ、不快感を抑えることができる。
なお、本例においては、通常制御の明るさレベルの変更のための判定動作の回数をスタート時の制御よりも多くする方法と、通常制御において明るさレベルを変更しているときに得られた測定値を判定動作に用いないようにする方法によってスタート時の制御に比べて通常制御の明るさレベル変更の時間間隔を遅らせる例について説明したが、いずれか一方の方法のみを用いることでスタート時の制御よりも通常制御の明るさレベル変更の時間間隔を遅らせるように制御してもよい。
なお、照度センサモードにおいてたとえばユーザがリモコン50の「照度センサ」ボタン70を押下することにより、目標の照度を変更することもできる。具体的には、CPU22は、目標の照度が照度レベル1であるときに「照度センサ」ボタン70の押下を受け付けると判定動作に用いる照度レベルを現在のレベルから照度レベル2に1段階上げる。さらに、目標の照度が照度レベル2であるときに「照度センサ」ボタン70の押下を受け付けると照度レベル3に1段階上げる。目標の照度が照度レベル3であるときに「照度センサ」ボタン70の押下を受け付けると、CPU22は照度センサモードを終了する。なお、本例においては照度レベルの変更を「照度センサ」ボタン70にて行う例について説明したが、「明るく」ボタン55や「暗く」ボタン56にて照度レベルの変更を行うようにしてもよい。
上述したように部屋に外光が入らない状態で所望の明るさレベルにして目標の照度を設定した場合、たとえ外光が入る状態にした後照度センサモードにて設定した目標の照度に調光したとしても、ユーザは部屋の内外の照度の差によって部屋の照度が足りず暗く感じるという場合がある。そのような場合であっても、「照度センサ」ボタン70を再度押下するだけで初めに設定した照度レベル1から照度レベル2に目標の照度を上げることができるのですぐにより明るい目標の照度に変更して調光することができる。従って、再度目標の照度を設定しなおす必要がないので、ユーザの利便性が向上する。
このとき、好ましくは、CPU22は、変更された方向に明るさレベルをヒトが明るさが変化したとわかる程度(たとえば6段階)いったん変化させた後に、上述のスタート時の制御を行なって調光率を新たに設定した目標の照度まで変化させる。
具体的には、照度センサモードにおいて「照度センサ」ボタン70の押下を受け付けると、CPU22は、判定動作に用いる照度レベルを現在のレベルから1段階上げると共に、調光率を現在の明るさレベルから6段階上がるように変更する。その後、CPU22はスタート時の制御を行なって、目標の照度範囲になるように調光率を急速に変更する。照度レベルを上げたときに一旦調光率を現在の明るさレベルから複数段階(本例では6段階)上げた後でスタート時の制御を開始することで、ユーザに明るさレベルが上がったことがより感じられやすくなる。
なお、CPU22は、好ましくは上述の通常制御において、たとえばカーテンを閉めたときの室内の照度変化のような、周囲の明るさが極端に暗くなったか否かを判定する「暗い判定」を行なう。ここでは、上述の「暗い判定」用の判定値を用いる。
すなわち、CPU22は、通常制御の上記判定動作において測定値M2が「暗い判定」用の判定値よりも低い照度を示している場合、周囲の明るさが極端に暗くなったと判定し、直ちに明るさレベルを全灯に該当する明るさレベル28となるように調光率を変更する。そしてその後、スタート時の制御に移行する。
このような動作を行なうことによって、たとえばカーテンを閉めた場合などの周囲の明るさが極端に暗くなったときにも、適切に目標の照度とすることができる。
なお、このような制御は、他の制御モードと組み合わせることもできる。たとえば、図7のステップS6の光環境制御モードに応用すると、各設定時刻の前の1時間、照度センサモードとすることができる。この場合、色は昼光色のみとし、照度センサモードの開始時の明るさレベルは全灯に該当する明るさレベル28とする。
また、後述する図7のステップS18のお気に入り登録モードで登録された色調で点灯する場合に照度センサモードに移行すると、お気に入りで設定された色調(色の割合)を保ったまま、明るさのみ照度センサモードで変更する。すなわち、CPU22は、お気に入り登録された明るさ(昼光色と電球色との合算した値)から明るさレベルを算出し、照度センサモードの開始時の明るさレベルをその明るさレベルとする。
また、図7のステップS10のエコ点灯モードと照度センサモードとを組み合わせる場合、CPU22は、明るさレベル26(80%)〜1(微灯)の範囲で調光する。ただし、エコ点灯モード中であっても照度センサモード開始時に明るさレベル26以上であった場合は、CPU22はその明るさレベルで照度センサモードを開始する。そして、いったん明るさレベルが26より下がったら、その後は明るさレベル26以上とならないように調光する。
なお、CPU22は照度センサモード開始に、その時の明るさレベルをメモリ29の所定領域に書き込む。そして、照度センサモードを解除する場合、CPU22照度センサモード開始時の明るさレベルに戻す。
<タイマモード>
次に、タイマモードについて説明する。
タイマモードは、ユーザが設定した時刻等に基づいて照明装置1の点消灯動作を自動的に実行するモードである。
本例においては、タイマモードについて、ユーザの操作指示に従って3つのタイマモードに設定することが可能である。具体的には、切タイマモードと、入タイマモードと、留守タイマモードについて説明する。
図29は、本発明の実施の形態に従うタイマモードのフローを説明する図である。
図29を参照して、まず、いずれのタイマモードの指示があったかを判断する。具体的には、まず、CPU22は、「留守タイマ」ボタン67の入力指示があったかどうかを判断する(ステップS20)。ステップS20において、CPU22は、リモコン50に設けられた「留守タイマ」ボタン67の押下に従って出力される留守タイマ制御指示が入力されたと判断した場合(ステップS20においてYES)には、留守タイマモードに移行する(ステップS21)。留守タイマモードの詳細については後述する。
一方、ステップS20において、CPU22は、「留守タイマ」ボタン67の入力指示が入力されていないと判断した場合(ステップS20においてNO)には、次に、CPU22は、入タイマ設定情報の入力が有ったかどうかを判断する(ステップS22)。
図30は、本発明の実施の形態に従う入タイマ設定画面および切タイマ設定画面を説明する図である。
ユーザが「入タイマ」ボタン75を押下することにより、入タイマモードにおける入タイマ設定における動作を開始することが可能となる。具体的には、当該「入タイマ」ボタン75を押下することにより図30(A)に示されるように入タイマ設定画面(図示せず)が液晶パネル52に表示される。そして、入タイマ設定画面において、ユーザは、「UP」ボタン57Aおよび「DOWN」ボタン57Bを用いて点灯時刻を設定することが可能である。そして、再度「入タイマ」ボタン75を押下することにより入タイマ設定情報がリモコン50から出力される。なお、入タイマ設定情報がリモコン50から出力された場合には、液晶パネル52に例えば「入タイマ」が表示されるものとする。すなわち、リモコン50のメモリ80には入タイマモードが開始されたことを示す情報が格納される。液晶パネル52に例えば「入タイマ」が表示された後、再度、リモコン50の「入タイマ」ボタン75を押下した場合には、リモコン50から入タイマ設定解除指示が出力される。CPU22は、リモコン50からの入タイマ設定解除指示の入力が有った場合には入タイマモードを解除する。なお、入タイマ設定解除指示がリモコン50から出力された場合には、液晶パネル52に表示されていた「入タイマ」は非表示となるものとする。なお、他のモードと組み合わせて用いるようにすることも可能である。また、入タイマモードによる点灯制御が一度開始された場合にはデータがリセットされるように制御しても良いし、あるいは、データが保持されて点灯制御が繰り返し実行されるように制御するようにしても良い。
また、同様に、ユーザが「切タイマ」ボタン74を押下することにより、切タイマモードにおける切タイマ設定における動作を開始することが可能となる。具体的には、当該「切タイマ」ボタン74を押下することにより図30(B)に示されるように切タイマ設定画面が液晶パネル52に表示される。そして、切タイマ設定画面において、ユーザは、「UP」ボタン57Aおよび「DOWN」ボタン57Bを用いて消灯時刻を設定することが可能である。そして、再度「切タイマ」ボタン74を押下することにより切タイマ設定情報がリモコン50から出力される。なお、切タイマ設定情報がリモコン50から出力された場合には、液晶パネル52に例えば「切タイマ」が表示されるものとする。すなわち、リモコン50のメモリ80には切タイマモードが開始されたことを示す情報が格納される。液晶パネル52に例えば「切タイマ」が表示された後、再度、リモコン50の「切タイマ」ボタン74を押下した場合には、リモコン50から切タイマ設定解除指示が出力される。CPU22は、リモコン50からの切タイマ設定解除指示の入力が有った場合には切タイマモードを解除する。なお、切タイマ設定解除指示がリモコン50から出力された場合には、液晶パネル52に表示されていた「切タイマ」は非表示となるものとする。なお、他のモードと組み合わせて用いるようにすることも可能であり、例えば、入タイマモードと組み合わせるようにすることも可能である。なお、入タイマモードと切タイマモードとを組み合わせた場合に設定時刻が重ならないようにすることも可能であるし、同じ時刻に設定することも可能である。同じ時刻に設定する場合にはいずれか一方のモードを優先させてもよいし、あるいは、両方のモードに従う処理を無効とするようにしても良い。また、切タイマモードによる消灯制御が一度開始された場合にはデータがリセットされるように制御しても良いし、あるいは、データが保持されて消灯制御が繰り返し実行されるように制御するようにしても良い。
再び図29を参照して、ステップS22において、CPU22は、リモコン50から入タイマ設定情報の入力が有ったと判断した場合(ステップS22においてYES)には入タイマモードにおける点灯時刻を設定する。当該処理により、CPU22は、入タイマモードにおける点灯時刻が設定された場合には、当該設定された時刻における照明部30への点灯制御を実行する。例えば、設定時刻において、昼光色での全灯(調光率100%)に設定する。ここで、設定時刻において既に点灯状態である場合であっても入タイマモードにおける点灯制御を実行することが可能である。
なお、本例においては、入タイマモードによる設定時刻において、昼光色での全灯で点灯制御が実行されるが、これに限らず入タイマモードにおける調光率および色調をユーザが設定できるようにしてもよい。また、その場合、後述するお気に入り登録モードにて登録した調光率および色調での点灯状態にて点灯するように設定できるようにしてもよい。
一方、ステップS22において、リモコン50から入タイマ設定情報の入力が無かったと判断した場合、すなわち、リモコンから切タイマ設定情報の入力が有った場合(ステップS22においてNO)には切タイマモードにおける消灯時刻を設定する。当該処理により、CPU22は、切タイマモードにおける消灯時刻が設定された場合には、当該設定された時刻における照明部30への消灯制御を実行する。ここで、設定時刻において既に消灯状態である場合には、特に動作は実行されない。
次に、本発明の実施の形態に従う留守タイマモードについて説明する。
図31は、本発明の実施の形態に従う留守タイマモードのフローを説明する図である。
図31を参照して、まず、CPU22は、留守タイマモードにおける点消灯動作を規定する留守タイマテーブルを設定する(ステップS90)。具体的には、CPU22は、一例としてメモリ29に予め格納されている留守タイマテーブルを参照する。
図32は、本発明の実施の形態に従う留守タイマターブルについて説明する図である。
図32を参照して、本発明の実施の形態に従う留守タイマテーブルは、設定された時間帯における照明部30の動作を規定するものである。ここでは、2つのパターンが示されており、1日目のパターンと、2日目のパターンが設けられている。
1日目のパターンは、留守タイマ制御開始時刻として時刻18:30に明るさとして、調光率50%、また色調として昼光色に設定する。なお、電球色の調光率は0%に設定する。また、切替時刻として時刻21:00に明るさとして、調光率50%、また色調として電球色に設定する。なお、昼光色の調光率は0%に設定する。さらに、消灯時刻として時刻23:30に消灯状態に設定する。具体的には、昼光色および電球色の調光率をともに0%に設定する。
2日目のパターンは、時刻18:00に明るさとして、調光率50%、また色調として昼光色に設定する。なお、電球色の調光率は0%に設定する。また、時刻20:30に明るさとして、調光率50%、また色調として電球色に設定する。なお、昼光色の調光率は0%に設定する。さらに、時刻23:00に消灯状態に設定する。具体的には、昼光色および電球色の調光率をともに0%に設定する。
なお、ここでは、2日間のパターンのみが一例として示されているが、さらに別のパターン(例えば3日目)を設けるようにすることも可能である。本例においては、例えば3日目の場合には、再び1日目のパターンを用いることとする。
なお、上記留守タイマテーブルは、一例であり、設定されている時刻は、別の時刻とすることも可能であるし、さらに、明るさ、色調についても異なる状態に設定可能なようにしても良い。
例えば、「留守タイマ」ボタン67の入力指示に従って上記で説明した入タイマ設定画面あるいは切タイマ設定画面のような留守タイマ設定画面を表示させて、留守タイマ制御開始時刻や切替時刻、消灯時刻、調光率等を設定可能とするようにしても良い。あるいは、本例においては、留守タイマモードにおいて、色調を変化させる場合について説明するが、調光率のみ経時的に変化させるように設定可能とするようにしても良い。なお、設定に際して、本例においては、「UP」ボタン57Aおよび「DOWN」ボタン57Bを用いて時刻を設定する場合について説明するが特に当該方式に限られず、例えば、当該ボタンが無い場合であっても例えば「留守タイマ」ボタン67の押下回数に従って表示時刻がインクリメントされて時刻を設定可能とするようにしても良い。他の場合においても同様である。
本例においては、1日目のパターンとして、単に昼光色を点灯して、消灯するのではなく、その後の所定時刻に別の色調である電球色に設定する。すなわち、複数の発光部である昼光色と電球色との調光率の比率を調整して色調を変化させる。それゆえ、単に点灯するのではなく、色調を変化させることにより、部屋の外部から見ても部屋の照明の変化がより認識し易くなる。例えば時間間隔を空けて照明装置1が設置された部屋の外部から観察を繰り返す犯罪者に対しても、色調の変化の瞬間を視認させなくとも部屋の明かりの色調が昼光色から電球色に変化したことを認識させられる。これにより、実際にユーザが照明の色調を変える操作をしているかのように装うことができ、ユーザが在宅しているようにさらに見せかけてより防犯性を高めることが可能である。
また、留守タイマテーブルとして、複数のパターンを設けることにより連続して同じパターンを用いるのではなく、動作が異なるパターンを用いることによりさらに防犯性を高めることが可能となる。
また、ペット等を飼っている家などでは、飼い主であるユーザが留守の場合であっても留守タイマテーブルに従って点灯制御が実行されるため暗闇の中でユーザの帰宅を待つ必要は無く、ペット等に与えるストレスを軽減することも可能である。
また、リモコン50に設けられた「留守タイマ」ボタン67を1タッチで押下することにより留守タイマモードに設定することが可能であるためタイマ設定の煩わしい操作が不要であり、ユーザビリティにも優れる。
再び、図31を参照して、次に、CPU22は、現在時刻を確認する(ステップS91)。
そして、次に、CPU22は、現在時刻は留守タイマ制御開始時刻であるかどうかを判断する(ステップS92)。具体的には、例えば、現在時刻が例えば1日目のパターンの留守タイマ制御開始時刻である時刻18:30となったかどうかを判断する。
ステップS92において、CPU22は、現在時刻が留守タイマ制御開始時刻であると判断した場合(ステップS92においてYES)には、留守タイマ制御を開始する(ステップS93)。例えば図31の留守タイマテーブルに基づいて、まず、色調を昼光色として調光率50%に設定し、そして、時刻21:00に明るさとして、調光率50%、また色調として電球色に設定する。さらに、時刻23:30に消灯状態に設定する。2日目については、2日目のパターンを用いて留守タイマ制御を実行する。
そして、次に、CPU22は、ステップS94において留守タイマ制御開始後、入力指示が有ったかどうかを判断する(ステップS94)。
ステップS94において、CPU22は、留守タイマ制御開始後、入力指示が有ったと判断した場合(ステップS94においてYES)には、留守タイマモードの設定を解除する(ステップS98)。そして、処理を終了する(リターン)。
一方、ステップS92において、現在時刻が留守タイマ制御開始時刻でないと判断した場合(ステップS92においてYES)には、CPU22は、入力指示が有ったかどうかを判断する(ステップS95)。
ステップS95において、CPU22は、入力指示が有ったと判断した場合(ステップS95においてYES)には、次に、留守タイマボタンの入力指示が有ったかどうかを判断する(ステップS96)。
ステップS96において、CPU22は、入力指示が留守タイマボタンの入力指示であったと判断した場合(ステップS96においてYES)には、留守タイマモードの設定を解除する(ステップS98)。
一方、ステップS96において、CPU22は、入力指示が留守タイマボタンの入力指示で無かったと判断した場合(ステップS96においてNO)、すなわち、それ以外の他のボタン操作に従う入力指示であると判断した場合には、他のボタン操作に従う通常処理を実行する(ステップS97)。通常処理とは、例えば、リモコン50の「全点灯」ボタン54を押下した場合には、CPU22は、全点灯制御指示の入力を受けて、PWM制御回路23に対して照明部30への全点灯制御を開始するように指示するものとする。他のボタン操作についても同様である。
そして、再び、ステップS91に戻る。また、ステップS95において、入力指示が無かったと判断した場合(ステップS95においてNO)には、ステップS91に戻り、同様の処理を繰り返す。
すなわち、本発明の実施の形態に従う留守タイマモードにおいては、現在時刻を確認し、現在時刻が留守タイマ制御開始時刻となった場合には、留守タイマテーブルに従う留守タイマ制御を開始することが可能となる。
一方で、CPU22は、留守タイマ制御が開始されてから何らかの入力指示が有ったと判断した場合には留守タイマモードの設定を解除する。例えば、留守タイマ制御が開始されてからリモコン50の「全点灯」ボタン54を押下した場合には、留守タイマモードの設定を解除する。なお、本例においては、留守タイマモードの設定の解除のみについて説明しているが、当該ボタン操作に従う処理を合わせて実行するようにしても良い。例えば、CPU22は、全点灯制御指示の入力を受けて、留守タイマモードの設定を解除するとともに、PWM制御回路23に対して照明部30への全点灯制御を開始するように指示するようにしても良い。他のボタン操作についても同様である。また、リモコン50のボタン操作に限られず、照明装置1の操作SW42の操作についても同様に適用可能である。
そして、留守タイマ制御開始時刻前に留守タイマ制御ボタンの入力指示が有った場合には留守タイマモードの設定を解除し、それ以外の他のボタン操作に従う入力指示がある場合には、留守タイマモードの設定を解除することなく、当該ボタン操作を優先した処理を実行する。
当該処理により、例えば、留守タイマ制御が開始された後、ユーザが帰宅してリモコン50を操作した場合には、帰宅したことが把握されるため留守タイマモードを終了して通常の処理を実行することが可能である。その際、留守タイマモードの設定/解除を指示するためのボタンである例えば、「留守タイマ」ボタン67を再度押下しなくても他のボタン操作により留守タイマモードの設定を解除することができるためユーザの利便性に供する。いいかえるならば留守タイマ制御が開始された後、ユーザが帰宅する場合に、「留守タイマ」ボタン67を再押下することでしか留守タイマモードの設定の解除ができないと、留守タイマモードの設定の解除(「留守タイマ」ボタン67の再押下)のし忘れにより不意に色調が変化したり、あるいは不意に消灯状態となる可能性が考えられるが、他のボタン操作でも留守タイマモードの設定が解除されるように解除条件を緩くすることによりユーザの利便性が向上する。
一方で、留守タイマ制御が開始される前に他のボタン操作でも留守タイマモードの設定が解除されるように解除条件を緩くするなら、ユーザの意図に反して留守タイマモードが解除される可能性が高くなり、ユーザの利便性が低下する。したがって、本発明の実施の形態に従う留守タイマモードにおける処理では、「留守タイマ」ボタン67が押下されて留守タイマモードが設定された後であっても、留守タイマ制御が開始される前には、他のボタン操作によって留守タイマモードの設定が解除されず他のボタン操作に従う処理を優先させることによりユーザの利便性を向上させる。
なお、本例においては、CPU22が留守タイマ制御が開始されてから何らかの入力指示があったと判断した場合に留守タイマモードの設定を解除しているが、留守タイマ制御開始後に、解除が有効な特定の操作を入力した場合にのみ留守タイマモードが解除されるようにしてもよい。具体的には、留守タイマ制御開始後に「全点灯」、「お気に入り登録1」等の照明装置1を点灯させる入力指示があった場合にのみ留守タイマ解除がされるようにしてもよい。つまり、「留守タイマ」ボタン67以外の全ての入力指示によって留守タイマモードの解除がされる必要はなく、留守タイマモードの解除ができない入力指示が存在していてもよい。
なお、留守タイマモードを設定した時刻が留守タイマ制御開始時刻よりも後であるような場合、例えば、ユーザが19:00に「留守タイマ」ボタン67を押下したような場合には、次の日の留守タイマ制御開始時刻から留守タイマ制御を開始するようにしても良いし、すぐに留守タイマテーブルに従って留守タイマ制御が実行されるようにしても良い。
なお、上記においてはリモコン50からの指示に従ってタイマモードの設定が解除される場合について説明したが、例えば、照明装置1の操作SW42に含まれる電源スイッチのスイッチをオフにした場合においてもタイマモードの設定が解除されるようにしても良い。なお、留守タイマモードと他のモード、例えば、エコ点灯モードと組み合わせるようにしても良い。
なお、本例においては、「留守タイマ」ボタン67が留守タイマモードの設定と解除の入力指示を兼ねている場合について説明したが、留守タイマモードの設定と解除の入力手段(例えばリモコンのボタン)を夫々別々に設け、留守タイマモード解除専用の入力手段にて留守タイマ制御開始前の解除を行うようにしてもよい。
なお、本例においては、メモリ29に予め格納された留守タイマテーブルを用いて留守タイマモードを実行する場合について説明したが、例えば、留守タイマテーブルを自動学習により作成するようにして、当該作成した留守タイマテーブルを用いるようにしても良い。例えば、1週間(7日)単位における照明装置1の点消灯制御のタイミング等を記憶しておき平均値を算出して、留守タイマ制御開始時刻、切替時刻、消灯時刻を自動で設定するようにしても良い。あるいは、1週間(7日)単位における平日および休日の照明装置1の点消灯制御のタイミング等を記憶しておき、それぞれの平均値を算出して、平日の留守タイマ制御開始時刻、切替時刻、消灯時刻および休日の留守タイマ制御開始時刻、切替時刻、消灯時刻を自動で設定するようにしても良い。
また、本例においては、留守タイマ制御の開始時刻はCPU22が水晶発振子27から発振される発振信号に従って計測した時刻に基いて設定されているが、留守タイマ制御開始時刻の設定方法はこれに限らず留守タイマ制御開始までの時間をユーザが設定可能なカウントタイマを有する構成であってもよい。具体的には、ユーザが例えば3時間後に留守タイマ制御を開始するように設定して入力し、ユーザの入力から3時間後に留守タイマ制御が開始するようにすることで留守タイマ制御の開始時刻を設定してもよい。
<明るさプラスモード>
次に、明るさプラスモードについて説明する。
明るさプラスモードは、調光率を100%以上に設定するモードである。明るさプラスモードでの点灯は、明るさプラスモードに移行する時点での色調で行われる。つまり、本例においては、色温度の低い「電球色」から色温度の高い「昼光色」の間の一例として10段階の色調の夫々で明るさプラスモードで点灯させることが可能である。
ユーザがリモコン50の「明るさプラス」ボタン64を押下することにより、明るさプラスモードに移行する。
具体的には、照明装置1がたとえば昼光色の色調で点灯しているときに、CPU22は、リモコン50に設けられた「明るさプラス」ボタン64の入力指示があった場合には、明るさプラスモードを開始して、PWM制御回路23に対してLEDモジュール31の調光率が100%以上となるようにPWMパルスS1を調整するように指示する。後述するが、調光率100%とする場合にLEDモジュール31に供給される電流は、LEDモジュール31の定格照度よりさらに高い照度で光を出力可能にするようにある程度のマージンが設けられ、たとえばデューティ比80%程度で設定される。したがって、マージンを無くしてLEDモジュール31をデューティ比100%で電流を供給することにより調光率100%以上の調光率に設定することが可能である。ここでは、たとえば125%の調光率に設定可能であるとする。
なお、明るさプラスモードにおけるLEDモジュール31の調光率を制御する方法は上記に限らず、LEDの駆動電流値を変化させる方法であってもよい。具体的には、調光率100%とする場合にLEDモジュール31の定格電流以下のたとえば80%程度の電流値に設定してマージンを設け、明るさプラスモードにおいてLEDモジュール31の定格電流に近い値の電流を供給することにより100%以上の調光率で点灯するように制御してもよい。また、点灯するLEDモジュールの個数を変更して調光率を制御してもよい。具体的には、調光率100%とする場合に複数のLED31のうち80%に相当する個数のLED31を定格電流で点灯させ、明るさプラスモードにおいて、全てのLED31を定格電流で点灯するように制御してもよい。
一方で、定格電流に近い電流は、LEDモジュール31に過負荷となる。そこで、CPU22は、明るさプラスモードにおいて、次のような動作を行なう。
図33は、本発明の実施の形態に従う明るさプラスモードのフローを説明する図である。
当該フローは、CPU22がメモリ29に格納されたプログラムを読み込むことにより実行されるものとする。
図33を参照して、明るさプラスモードに移行した場合、CPU22は、後述する設定によってタイマで設定時間の経過を計時中であるか否かを判断する。その結果、計時中でない場合、すなわち、先のタイマ設定から設定時間が経過した後である場合には(ステップS270でYES)、CPU22は、所定時間を計時するためのタイマを設定し、計時を開始する(ステップS272)。この所定時間は、LEDモジュール31に過負荷とならないための時間であり、たとえば60分などが該当する。この場合、CPU22は調光率を125%に設定し、時間T1(たとえば5分)点灯させる(ステップS274)。
一方、計時中であった場合、すなわち、先の明るさプラスモードの開始から設定時間(たとえば60分)がまだ経過していない場合には(ステップS270でNO)、CPU22は調光率を125%に設定し、時間T1よりも短い時間T2(たとえば1秒)点灯させる(ステップS276)。
そして、その後、CPU22は、調光率が104%となるまで減光する(ステップS278)。ここでの減光は、図15のグラフに表わされた調光率の変化で行なわれるものであってもよいし、図16のグラフに表わされた調光率の変化で行なわれるものであってもよい。
このような動作を行なうことにより一時的に昼光色の調光率を100%以上として最大限明るくすることにより目的に応じて視認性をさらに向上させて快適な光環境を実現することを可能とすると共に、LEDモジュール31への負荷を抑えることを可能とする。
なお、明るさプラスモードは、図7および図8におけるステップS10のエコ点灯モードやステップS12の照度センサモードに組み合わせてもよい。
<お気に入り登録モード>
次に、お気に入り登録モードについて説明する。
お気に入り登録モードは、調光率および色調を登録するモードである。
ユーザがリモコン50の「お気に入り登録1」ボタン71または「お気に入り登録2」ボタン73を押下することにより、お気に入り登録モードに移行する。
具体的には、メモリ29の所定領域には、現時点での調光率および色調が記憶されている。たとえば上述の点灯調整モードや光環境制御モードなどにおいて、図13〜図16のグラフ等に表わされたような調光率や色調が自動で連続的に変化する場合がある。この場合も、メモリ29の所定領域には、現時点での調光率および色調が記憶されている。
このように自動で連続的に調光率および色調が変化している状態において、CPU22がリモコン50の「お気に入り登録1」ボタン71または「お気に入り登録2」ボタン73の入力指示を受け付けると、その入力指示を受け付けた時点の調光率および色調を、メモリ29のお気に入りボタンに応じた記憶領域に書き込む。これにより、「お気に入り1」および「お気に入り2」のそれぞれについて、調光率および色調が登録される。
CPU22は、「お気に入り登録1」ボタン71または「お気に入り登録2」ボタン73の入力指示に応じて調光率および色調をメモリ29の所定領域に書き込むと、お気に入り登録モードの動作を終了する。
自動で調光率や色調等の点灯状態が連続的に変化している途中であってユーザが好みの点灯状態になったときに登録できない場合、再度ユーザがリモコン等で操作して当該点灯状態を再現する必要があり、特に調光率および色調の2種類の組み合わせによる点灯状態を登録したい場合には点灯状態を再現するための操作が煩わしく、またユーザが登録したい好みの点灯状態を思い出せずに正確に好みの点灯状態を再現できない可能性がある。本発明にあっては、好みの調光率または色調を再度ユーザがリモコン操作等で再現する必要がなく、自動で連続的に点灯状態が変化している途中で登録したい調光率や色調になったときに「お気に入り登録1」ボタン71または「お気に入り登録2」ボタン73を押下することにより押下した時点での点灯状態の情報を登録できるので、容易かつ確実に好みの点灯状態を登録できユーザの利便性に供する。
なお、入力指示を受け付けた時点ですでに該当する記憶領域に調光率および色調が書き込まれている場合には、この指示に応じて上書きしてもよい。また、デフォルト登録として、予め所定の調光率および色調(たとえば、お気に入り1:昼光色50%、電球色50%、お気に入り2:昼光色100%、など)が記憶されていてもよい。
好ましくは、CPU22は、所定の調光率および色調の場合にはかかる入力指示を受け付けても登録を行なわない。所定の調光率および色調としては、たとえば、常夜灯の調光率および色調や、明るさプラスモードでの全灯(100%)よりも明るい調光率、などが挙げられる。より好ましくは、このような点灯状態において「お気に入り登録1」ボタン71または「お気に入り登録2」ボタン73の入力指示を受け付けた場合には、CPU22は、1秒ON/0.5秒OFFを4回繰り返す、などの登録エラーを報知する点滅表示を行なわせる。
CPU22は、「お気に入り1」ボタン65または「お気に入り2」ボタン72の入力を受け付けると、それぞれ、「お気に入り1」または「お気に入り2」に対応したメモリ29の記憶領域に記憶されている調光率および色調を読み出して設定する。これにより、ユーザが、リモコン50の「お気に入り1」ボタン65または「お気に入り2」ボタン72を押下することにより、記憶された調光率および色調にワンタッチで設定することが可能となり、ユーザの利便性に供する。
また、上述したように、お気に入り登録モードにてメモリ29に登録した調光率や色調による点灯状態の情報は「お気に入り1」ボタン65または「お気に入り2」ボタン72によって点灯して再生する場合での利用に限らず、光環境制御モードの我が家流設定や入タイマモードにおいて点灯するときの点灯状態を設定する際に利用することも可能である。
なお、上の例では、「お気に入り1」または「お気に入り2」に登録する調光率および色調が照明装置1側のメモリ29に記憶されるものとしている。しかしながら、リモコン50のCPU86が上述のCPU22と同様に動作することで、リモコン50側のメモリ80に記憶されてもよい。
<その他処理>
なお、その他の処理としてリモコン50からの入力指示に従って各種機能を実行することが可能である。
例えば、ユーザは、リモコン50の「おやすみ前」ボタン66を押下することにより時間の経過とともに、現在の昼光色あるいは電球色の調光率を夜間調光率である30%に設定することが可能である。
具体的には、CPU22は、リモコン50に設けられた「おやすみ前」ボタン66の入力指示があった場合には、おやすみ前モードを開始して、PWM制御回路23に対してLEDモジュール31あるいはLEDモジュール32の調光率が夜間調光率である30%となるようにPWMパルスS1あるいはS2を徐々に調整するように指示する。たとえば、「おやすみ前」ボタン66が押下された時点を開始時点として、図15および図16で説明したのと同様に60分後に夜間調光率30%となるように設定する。
当該機能を用いることにより、ユーザの好みに合わせて就寝時刻を早めたいような場合に、調光率を徐々に調整して暗くすることにより、ヒトの覚醒度を下げ、ヒトの生体リズムと関係のあるメラトニン分泌の上昇を促してスムーズな入眠を促進することが可能である。
また、上述したように、ユーザは、リモコン50の「時刻設定」ボタン68を押下することにより照明装置1における現在時刻を設定することが可能となる。
なお、本例においては、リモコン50の機能の一例について説明したものであり、他の機能を実行するボタン等を配置して、対応する機能をCPU22に実現するように制御することも当然に可能である。
<LEDモジュールの点消灯制御>
次に、本発明の実施の形態に従うLEDモジュールの点消灯制御について説明する。
本発明の実施の形態に従うPWM制御回路23は、CPU22からの指示に従って、LEDモジュール31,32に出力するPWMパルスS1,S2を制御する。より、具体的には、PWMパルスS1のオン期間に従ってFETスイッチ33が導通してLEDモジュール31が点灯する。また、PWMパルスS1のオフ期間に従ってFETスイッチ33が非導通となってLEDモジュール31が消灯する。
LEDモジュール32についても同様に、PWM制御回路23からのPWMパルスS2に従ってFETスイッチ34が導通/非導通となって点灯および消灯する。
CPU22は、40MHz(1周期25ns)の発振信号を出力する水晶発振子27と接続されており、当該発振信号に同期したタイミングによる指示に従ってPWM制御回路23は、PWMパルスS1,S2を出力する。
図34は、本発明の実施の形態に従うPWM制御回路23から出力されるPWMパルスの生成を説明する図である。
図34を参照して、PWM制御回路23から出力されるPWMパルスS1,S2は、当該発振信号の最小単位である1周期25nsを最小単位としてその周期個数分(ここではZ個)に従って設定される。ここでは、点灯期間Tonおよび消灯期間Toffについて設定される場合が示されている。
調光率100%とする場合の点灯期間Tonは、LEDモジュール31,32等に供給される電流がLEDモジュール31,32等の定格電流を越えないようにある程度のマージンを設けて設定される。
そして、点灯期間Tonおよび消灯期間Toffを合わせた周期期間Tは、調光率100%とする場合の点灯期間よりも幾分長く設定される。したがって、例えば、調光率100%となる点灯期間よりも幾分長く点灯期間Tonを設定することが可能となり、LEDモジュール31,32等に定格電流に近い値の電流を供給することにより100%以上の調光率に設定することも可能である(明るさプラスモード)。
図35は、本発明の実施の形態に従うPWM制御回路23から出力されるPWMパルスS1,S2を調整する場合のタイミングチャート図である。
図35を参照して、PWM制御回路23は、LEDモジュール31,32を相補的に(すなわち、両者のオンデューティが合計で100%となるように)点消灯させる点灯期間Tonと、LEDモジュール31,32の両方を消灯させる消灯期間Toffとを有するように周期期間Tが設定されて、LEDモジュール31,32の周期的な点消灯制御を実行する。また、PWM制御回路23は、点灯期間Ton内におけるLEDモジュール31の点灯期間T1とLEDモジュール32の点灯期間T2との比率を可変制御する。
図35(A)〜(D)においては、光環境制御における早朝動作(期間tA)におけるPWMパルスS1,S2の調整が示されている。
図35(A)においては、初期状態において、PWMパルスS2の点灯期間Tonのみに従い調光率を30%に設定する場合が示されている。なお、この場合には、PWMパルスS1は常に「L」レベルに設定されている。すなわち、LEDモジュール31は消灯状態である。
そして、図35(B)〜(D)に示されるように周期期間Tにおける全体の点灯期間Ton(点灯期間T1+T2)のデューティ比を調整することにより調光率を線形に調整する場合が示されている。
また、全体の調光率に対する各LEDの調光率は、上述した式(6)および(7)に基づいて算出され、当該算出結果に従って、点灯期間Tonにおける各LEDモジュールの点灯期間T1,T2が調整される。
したがって、上述したように、当該PWMパルスの調整に従って全体の調光率を線形に変化させることによりヒトに違和感あるいは不快感を生じさせることなく調光率を調整することが可能である。
<LEDモジュールの出力特性のばらつき調整>
上記においては、周期期間Tにおける全体の点灯期間Tonのデューティ比を調整して、LEDモジュール31,32全体の調光率を線形に変化させる場合について説明したが、LEDモジュール31,32の出力特性のばらつきにより実際の全体の調光率と異なる場合がある。
図36は、本発明の実施の形態に従うPWMパルスの周期期間Tにおける点灯期間Tonのデューティ比を調整した場合におけるLEDモジュール31,32の調光率の変化を説明する図である。
図36を参照して、理想的には、PWMパルスの周期期間Tにおける点灯期間Tonのデューティ比を線形に変化させた場合に調光率は線形に変化することが望ましい。一般的には、PWMパルスのデューティ比は、PWMパルスのデューティ比を100%にした場合の調光率を100%とした線形の出力特性線(理想)に従って算出される。
しかしながら、実際のLEDモジュール31,32の調光率の出力特性線は、図示されるように理想的な出力特性線とは異なる。
したがって、調光率に応じたPWMパルスのデューティ比を算出するにあたり、理想的な出力特性線によりデューティ比を設定した場合には所望の調光率と異なる調光率に設定されている可能性がある。
図37は、本発明の実施の形態に従うLEDモジュール31(昼光色LED)に対して実際に計測した調光率とPWMパルス値との関係を説明する図である。
図37を参照して、ここでは、縦軸がPWMパルス値(周期個数)、横軸が調光率(%)とした場合の出力特性線が示されている。
本例においては、一例としてPWMパルス値が1670の場合に点灯期間Tonのデューティ比が100%に設定されるものとする。
図38は、本発明の実施の形態に従うLEDモジュール32(電球色LED)に対して実際に計測した調光率とPWMパルス値との関係を説明する図である。
図38を参照して、ここでは、縦軸がPWMパルス値(周期個数)、横軸が調光率(%)とした場合の出力特性線が示されている。
図39は、LEDモジュール31,32の出力特性線の近似式を説明する図である。
図39を参照して、図37のLEDモジュール31の出力特性線に従う昼光色LEDの近似式と、図38のLEDモジュール32の出力特性線に従う電球色LEDの近似式とが示されている。
ここでは、昼光色LEDの近似式に関して、図37で示される出力特性線に従う調光率を4つの領域に分割して、それぞれの領域における近似式を算出した場合が示されている。一例として、「調光率0〜60.0%」、「調光率60.1%〜91.0%」、「調光率91.1%〜98.0%」、「調光率98.1%〜100.0%」に分割した場合が示されている。そして、ここでは、さらに近似式をCPU22での処理を容易にするために演算式に変形した場合が示されている。CPU22は、当該演算式を用いて変数に所望の調光率を入力することにより実際のLEDモジュール31の出力特性線に従う所望のPWMパルス値を算出することが可能となる。
同様に、昼光色LEDの近似式に関して、図38で示される出力特性線に従う調光率を4つの領域に分割して、それぞれの領域における近似式を算出した場合が示されている。一例として、「調光率0〜82.5%」、「調光率82.6%〜97.0%」、「調光率97.1%〜99.9%」、「調光率100%」に分割した場合が示されている。そして、ここでは、さらに近似式をCPU22での処理を容易にするために演算式に変形した場合が示されている。CPU22は、当該演算式を用いて変数に所望の調光率を入力することにより実際のLEDモジュール32の出力特性線に従う所望のPWMパルス値を算出することが可能となる。なお、図37,38においては、当該演算式を用いた近似特性線が太線で示されている。
すなわち、当該演算式に基づいて調光率に応じたPWMパルス値すなわちPWMパルスのデューティ比を算出することにより、所望の調光率に設定することが可能となる。したがって、精度の高い調光が可能となり、LEDモジュールの出力特性のばらつきを考慮したより快適な光環境を実現することが可能となる。
なお、図38の出力特性線に示されているようにPWMパルス値を1670とする前、すなわち点灯期間Tonのデューティ比を100%とする前に調光率が100%となることが示されている。
したがって、図39の近似式においては、調光率99.9%までは調光率が100%を越えるまでの出力特性線に従って近似式を算出した場合が示されている。そして、調光率が100.0%の場合には、PWMパルス値を1670とする場合が示されている。すなわち、必要な出力特性線のみを用いて近似式を算出する。これにより、例えば、本例においては、不必要にPWMパルス値の値を高くする必要が無くデューティ比を抑えることにより消費電力を低減することも可能である。
図40は、本発明の実施の形態に従うLEDモジュール31の出力特性のばらつきを考慮したPWMパルスの出力を説明するフロー図である。
当該フローは、CPU22がメモリ29に格納されたプログラムを読み込むことにより実行されるものとする。
図40を参照して、CPU22は、調光率が0%〜60.0%の範囲内であるかどうかを判断する(ステップS70)。
次に、CPU22は、調光率が0%〜60.0%の範囲内であると判断した場合(ステップS70においてYES)には、演算式(11)に基づいてPWMパルス値を算出する。そして、算出されたPWMパルス値に基づいてPWMパルスが出力される。そして、再びステップS70に戻る。
また、CPU22は、調光率が0%〜60.0%の範囲内でないと判断した場合(ステップS70においてNO)には、次に、調光率が60.1%〜91.0%の範囲内であるかどうかを判断する(ステップS76)。ステップS76において、CPU22は、調光率が60.1%〜91.0%の範囲内であると判断した場合には、演算式(12)に基づいてPWMパルス値を算出する(ステップS78)。そして、算出されたPWMパルス値に基づいてPWMパルスが出力される。そして、再びステップS70に戻る。
また、CPU22は、調光率が0%〜60.0%の範囲内でないと判断した場合(ステップS70においてNO)には、次に、調光率が91.1%〜98.0%の範囲内であるかどうかを判断する(ステップS80)。ステップS80において、CPU22は、調光率が91.1%〜98.0%の範囲内であると判断した場合には、演算式(13)に基づいてPWMパルス値を算出する。そして、算出されたPWMパルス値に基づいてPWMパルスが出力される。そして、再びステップS70に戻る。
また、CPU22は、調光率が91.1%〜98.0%の範囲内でないと判断した場合(ステップS80においてNO)には、次に、調光率が98.1%〜100.0%の範囲内であるかどうかを判断する(ステップS84)。ステップS84において、CPU22は、調光率が98.1%〜100.0%の範囲内であると判断した場合には、演算式(14)に基づいてPWMパルス値を算出する。そして、算出されたPWMパルス値に基づいてPWMパルスが出力される。そして、再びステップS70に戻る。ステップS84において、CPU22は、調光率が98.1%〜100.0%の範囲内でないと判断した場合には、ステップS70に戻る。
なお、本例においては、LEDモジュール31の出力特性のばらつきを考慮したPWMパルスS1の出力について説明したがLEDモジュール32の出力特性のばらつきを考慮したPWMパルスS2の出力においても同様の方式を実行することが可能である。
当該処理により、上述したように当該演算式に基づいて調光率に応じたPWMパルス値すなわちPWMパルスのデューティ比を算出することが可能となり、所望の調光率に設定して、LEDモジュールの出力特性のばらつきを考慮した、より快適な光環境を実現することが可能となる。
なお、本例においては、近似式を算出して、LEDモジュールの出力特性のばらつきを考慮したPWMパルスの出力を算出する場合について説明したが、特にこれに限られず、例えば、上述の出力特性線に従って、PWMパルス値と調光率との1対1の対応関係が記憶された対応テーブルを用いるようにしても良い。
なお、以上の説明では、照明装置1が水晶発振子27を備えて、CPU22が水晶発振子27からの発振信号に従って時刻を正確に計測して光環境制御モード等における制御を行なうものとしている。しかしながら、水晶発振子27は電源回路10から電圧が供給されることで発振信号を出力するものであるため、操作SW42に含まれた図示しない電源スイッチの操作によって電圧の供給が遮断されるとCPU22での時刻の計測が不可となってしまう。その場合、次に電源スイッチの操作によって電圧の供給が開始されたときに時刻合わせをすることでCPU22での時刻の計測が再開されるものではあるが、リモコン50からコマンド送信処理によって照明装置1が現在時刻を得るようにしてもよい。以下に、リモコン50でのコマンド送信処理を説明する。
図41は、本発明の実施の形態に従うリモコン50でのコマンド送信処理を説明するフロー図である。
当該フローは、CPU86がメモリ80に格納されたプログラムを読み込むことにより実行されるものとする。
図41を参照して、リモコン50のCPU86は、「光環境制御」ボタン58が押されたことを示す操作信号の入力を受けると(ステップS200においてYES)、信号送信部84に光環境制御モード指示の送信信号(コマンド)を赤外線投光部87に出力させる。このとき、CPU86は、水晶発振子85からの発振信号に従って時刻を計測して、当該コマンドと共に現在時刻を示す信号も赤外線投光部87に出力する(ステップS202)。
一方、「光環境制御」ボタン58が押されていない場合(ステップS200においてNO)には、次に、タイマの指示入力が有ったかどうかを判断する(ステップS204)。
具体的には、「留守タイマ」ボタン67、「切タイマ」ボタン74、「入タイマ」ボタン75のいずれかの指示入力が有ったかどうかを判断する。
タイマの指示入力、すなわち、「留守タイマ」ボタン67、「切タイマ」ボタン74、「入タイマ」ボタン75のいずれかの操作信号の入力を受けると(ステップS200においてNO、かつステップS204においてYES)、信号送信部84にタイマ設定指示の送信信号(コマンド)を赤外線投光部87に出力させる。ここで示すタイマ設定指示とは、上述したように「留守タイマ」ボタン67の操作の場合には、留守タイマ制御指示であり、「切タイマ」ボタン74の操作の場合には、切タイマ設定情報である。また、「入タイマ」ボタン75の操作の場合には入タイマ設定情報である。なお、「切タイマ」ボタン74、「入タイマ」ボタン75の1回目の操作の際には、それぞれ切タイマ設定、入タイマ設定における動作が開始され、切タイマ設定画面、入タイマ設定画面が表示される。ここで言う、「切タイマ」ボタン74、「入タイマ」ボタン75に関するタイマの指示入力は、2回目の「切タイマ」ボタン74、「入タイマ」ボタン75の操作を指すものとする。
このとき、CPU86は、水晶発振子85からの発振信号に従って時刻を計測して、当該コマンドと共に現在時刻を示す信号も赤外線投光部87に出力する(ステップS206)。
入力された操作信号が「光環境制御」ボタン58の操作によるものでもタイマの指示入力でもない場合には(ステップS200においてNO、かつステップS204においてNO)、信号送信部84に操作信号に応じた送信信号(コマンド)を赤外線投光部87に出力させる(ステップS208)。このときには現在時刻を示す信号は出力しない。
その後、信号送信部84はCPU86からの指示に従う送信信号を赤外線投光部87に出力し、赤外線投光部87から赤外線信号が照明装置1に出力される(ステップS210)。
なお、本例は照明装置1での制御モードのうちの時刻に応じて照明状態が異なる制御モードが光環境制御モードとタイマモードとであるものとしているが、その他の制御モードが時刻に応じて照明状態が異なる制御モードに含まれる場合には、当該モードが選択された場合にも、制御用コマンドと共に現在時刻を示す信号を出力してもよい。
また、本例では、CPU86が水晶発振子85からの発振信号に基づいた現在時刻を示す信号を出力するものとしているが、リモコン50には水晶発振子85が含まれず、「時刻設定」ボタン68や「UP」ボタン57Aおよび/または「DOWN」ボタン57Bなどが押下されることによって受け付ける時刻の入力に基づいた現在時刻を示す信号を出力してもよい。
当該動作により、照明装置1の電源スイッチの操作によって電圧の供給が遮断されて照明装置1のCPU22での時刻の計測が不可となった場合であって、次に、時刻情報を必要とするモードの起動がリモコン50から指示された場合であっても、照明装置1に対して時刻合わせのための操作を行なうことなくリモコン50からの時刻情報によって当該モードが稼動することになる。
さらに、当該動作においては、時刻情報を必要とするモードの起動を指示する場合に時刻情報が送信され、そうでない指示の場合には時刻情報が送信されないようにするため、リモコン50から出力する情報量を抑えることができる。これにより、通信に必要なリモコン50での消費電力を抑えることができる。
なお、コンピュータを機能させて、上述のフローで説明したような制御を実行させるプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどの一時的でないコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
なお、プログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。