JP5415998B2 - ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents
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Description
前記フラックスは、ワイヤの全質量あたりTiO 2 :4.5乃至8.5質量、ZrO 2 :0.04乃至0.50質量%、SiO 2 :0.10乃至0.50質量%、Al 2 O 3 :0.02乃至0.80質量%、及びMg:0.20乃至0.70質量%を含有し、
ワイヤ中のTi、Mo、F及びAlの含有量を夫々[Ti]、[Mo]、[F]及び[Al]としたときに、F及びAlの含有量の総量に対するTi及びMoの含有量の総量の比([Ti]+[Mo])/([F]+[Al])が0.5乃至2.5であることを特徴とする。
ある程度の量のCは、セメンタイトの安定化により、靭性を安定化する作用がある。溶着金属中のCの含有量が0.04質量%未満であると、溶着金属の強度が不足しやすくなり、靭性の安定化効果が小さく、0.08質量%を超えると、耐高温割れ性が若干劣化する。よって、溶着金属中のCの含有量は0.04乃至0.08質量%であることが好ましい。
Siは脱酸剤として作用すると共に、ミクロ組織へも影響を及ぼす。Siの量が多くなると旧γ粒界から発生するフェライトサイドプレートが多くなり、靭性の低下をもたらしやすくなる。溶着金属中のSiの含有量が0.20質量%未満であると、脱酸不足によりブローホールが発生し易く、0.45質量%を超えると、上述の旧γ粒界におけるフェライトサイドプレートの発生を抑制しにくくなくなり、靭性が低下しやすくなるため、溶着金属中のSiの含有量は、0.25乃至0.45質量%であることが好ましい。
Mnは脱酸剤として作用すると共に、強度及び靭性へも影響を及ぼす。溶着金属中のMnの含有量が0.5質量%未満であると、溶着金属の強度が不足しやすくなり、靭性が若干劣化する。溶着金属中のMnの含有量が2.0質量%を超えると、強度が過多となり、焼入れ性過多により靭性が低下しやすくなる。よって、Mnの好ましい含有量は、0.5乃至2.0質量%である。
Tiは溶着金属中では酸化物又は固溶体として存在するが、酸化物による旧γ粒内でのアシキュラーフェライトの核として靭性向上に寄与する。即ち、旧γ粒内においては、Ti酸化物を核としてアシキュラーフェライトが生成する。アシキュラーフェライトは組織の微細化に寄与し、靭性を向上させる作用を有する。溶着金属中のTiの含有量が0.030質量%未満であると、十分な核生成が出来ないことによりフェライトが粗大化して靭性が低下しやすくなる。一方、Tiの含有量が0.080質量%を超えると、固溶Tiが過多となり、強度が過多となり、靭性が低下しやすくなる。よって、溶着金属中の好ましいTiの含有量は0.030乃至0.080質量%である。
Niは、脆性破壊の遷移温度をより低温側へ移行し靭性を向上する作用があるが、添加量が多すぎると、高温割れ(凝固割れ)が発生し易くなる。また、本発明においては、NACE規格に準拠し、溶着金属中のNiの含有量を1質量%以下となるように規制する。ただし、溶着金属中のNiの含有量が0.50質量%未満であると、Niの添加による靭性向上の効果が小さいため、0.50質量%以上とすることが好ましい。
Moは、強度を確保するために0.08質量%以上添加するが、Moの添加量が多すぎると、脆性破壊への遷移温度を高温側へ移行させ、靭性が低下しやすくなる。溶着金属中のMo含有量が0.15質量%以下であれば、この靭性低下への影響は殆ど無い。よって、溶着金属中の好ましいMoの含有量は、0.08乃至0.15質量%である。
Bは、旧γ粒界へ偏析し、粒界フェライトの発生を抑制することによって、靭性を向上させる作用がある。しかし、Bの添加量が多すぎると、高温割れ(凝固割れ)が発生し易くなる。溶着金属中のBが0.003質量%未満では、靭性を向上させる作用が小さく、0.006質量%を超えると、耐高温割れ性が劣化する。よって、溶着金属中のBの含有量は、0.003乃至0.006質量%であることが好ましい。
Alは溶着金属中では酸化物として存在し、旧γ粒界中におけるTi酸化物によるアシキュラーフェライトの核生成を妨げやすくなる。溶着金属中のAlの含有量が0.01質量%以下であれば、このアシキュラーフェライトの核生成の阻害が抑制される。
溶着金属中のOは、その殆どが酸化物で存在すると考えられるが、Oの増加により、衝撃試験における上部棚エネルギー(アッパシェルフエネルギー)は低下しやすくなる。従って、溶着金属においてより高靭性を得ようとすれば、Oを低く抑制することが好ましい。しかしながら、フラックス入りワイヤにおいてOを低く抑制すると、溶接作業性が著しく劣化(スパッタの増大及び全姿勢溶接性能の劣化など)するため、実用的ではない。即ち、溶着金属中のOの含有量が例えば0.040質量%未満であると、溶接作業性が劣化しやすくなる。一方、Oの含有量が例えば0.070質量%を超えると、アッパシェルフエネルギーが低下することにより靭性が低下する。よって溶着金属中のOの含有量は、0.040乃至0.070質量%であり、より好ましくは0.040乃至0.060質量%である。
Cの含有量が0.04乃至0.08質量%の溶着金属を得るために、フラックス入りワイヤ中のCの含有量をワイヤの全質量あたりC:0.03乃至0.07質量%とする。より好ましいCの含有量は、ワイヤの全質量あたり0.04乃至0.06質量%である。なお、C源としては、グラファイト、Fe−Mn,Fe−Si、及び鋼製外皮へのCの添加などが挙げられるが、フラックス又は鋼製外皮のいずれからCを添加してもよい。フラックス入りワイヤ中のCの含有量が0.03質量%未満であると、溶着金属の強度が不足しやすくなり、靱性を安定化する効果が小さく、0.07質量%を超えると、耐高温割れ性が劣化する。
Siの含有量が0.20乃至0.45質量%の溶着金属中を得るために、フラックス入りワイヤ中のSiの含有量をワイヤの全重量あたりSi:0.10乃至0.50質量%とする。Siのより好ましい含有量は、ワイヤの全重量あたり0.15乃至0.45質量%である。なお、Si源としては、Fe−Si,Si−Mn、鋼製外皮へのSiの添加などが挙げられるが、フラックス又は鋼製外皮のいずれから添加してもよい。フラックス入りワイヤ中のSiの含有量が0.10質量%未満であると、脱酸不足により溶着金属にブローホールが発生し易く、Siの含有量が0.50質量%を超えると、マトリックスフェライトを脆化させて、溶着金属の低温靱性が低下する。
Mnの含有量が0.5乃至2.0質量%の溶着金属を得るために、フラックス入りワイヤ中のMnの含有量をワイヤの全質量あたり1.0乃至4.0質量%とする。Mnのより好ましい含有量は、ワイヤの全質量あたり1.5乃至3.5質量%である。なお、Mn源としては、金属Mn,Fe−Mn,Si−Mn、鋼製外皮へのMnの添加などが挙げられるが、フラックス又は鋼製外皮のいずれから添加してもよい。フラックス入りワイヤ中のMnの含有量が1.0質量%未満であると、溶着金属の強度が不足し、靭性が低下する。一方、Mnの含有量が4.0質量%を超えると、溶着金属の強度が過多となり、焼入れ性過多により靭性が低下する。
従来では、Niは、溶着金属中に高い低温靱性を確保するために、フラックス入りワイヤ中には、1.0質量%を超えて多量に添加されていた。この場合において、溶着金属中のNi量が例えば1.0質量%を超えた場合に、耐硫化物応力腐食割れ性が低下する。本発明においては、この硫化物応力腐食割れを防止するために、上述の如く、溶着金属中のNi量をNACE規格に準拠した範囲である1.0質量%以下とする。本発明においては、Ni量が1.0質量%以下である溶着金属を得るために、フラックス入りワイヤ中のNi量を0.95質量%以下とする。ただし、溶着金属中のNiの含有量が0.50質量%未満であると、Niの添加による靭性向上の効果が小さいため、本発明においては、Niの含有量が0.50質量%以上の溶着金属を得るために、フラックス入りワイヤに0.50質量%以上のNiを含有させる。なお、Ni源としては、金属Ni、Ni−Mg、鋼製外皮へのNiの添加等が挙げられるが、フラックス又は鋼製外皮のいずれから添加してもよい。
溶着金属中のBの含有量を0.003乃至0.006質量%とするために、フラックス入りワイヤ中のBの含有量をワイヤ全質量あたり0.002乃至0.008質量%とする。より好ましいワイヤ中のB含有量はB:0.003乃至0.007質量%である。なお、B源としては、Fe−Si−B合金等があるフラックス入りワイヤ中のBの含有量が0.002質量%未満であると、溶着金属の靱性を向上させる作用が小さく、0.008質量%を超えると、耐高温割れ性が劣化する。
低合金鋼溶接用フラックス入りワイヤにおいては、合金成分の他に用途によってスラグ形成剤及びアーク安定剤などを添加する。全姿勢溶接用フラックス入りワイヤの場合、Feの含有量がワイヤ全重量あたり85質量%未満であると、スラグ発生量が過多となり、スラグ巻き込み等の溶接欠陥が発生しやすくなる。また、Feが93質量%を超えると、必須合金成分の添加ができなくなる。なお、Fe源としては、鋼製外皮以外にフラックスでは鉄粉及びFe系合金等がある。
溶着金属中のTiの含有量を0.030乃至0.080質量%とするために、フラックス入りワイヤ中のTiは、0.06乃至0.30質量%とする。なお、TiがTi酸化物及びTi合金である場合においては、Ti酸化物及びTi合金の含有量をTiに換算した量とする。Tiのより好ましい添加量は、0.10乃至0.25質量%である。なお、Ti源としては、ルチル、酸化チタン、Fe−Ti、鋼製外皮へのTiの添加などが挙げられるが、フラックス及び鋼製外皮のいずれから添加してもよい。フラックス入りワイヤ中のTiの含有量が0.06質量%未満であると、十分な核生成が出来ないことによりフェライトが粗大化して靭性が低下しやすくなり、Tiの含有量が0.30質量%を超えると、溶着金属中の固溶Tiの量が過多となり、強度が過多となり、靭性が低下しやすくなる。
溶着金属中のMoの含有量を0.08乃至0.15質量%とするために、フラックス入りワイヤ中のMoの含有量をワイヤの全質量あたりMo:0.01乃至0.30質量%とする。より好ましいMoの範囲はMo:0.05乃至0.20質量%である。なお、Mo源としては、金属Mo、Fe−Mo、鋼製外皮へのMoの添加などが挙げられるが、フラックス及び鋼製外皮のいずれから添加してもよい。フラックス入りワイヤ中のMoの含有量が0.01質量%未満であると、溶着金属が強度不足となり、Moの含有量が0.30質量%を超えると、脆性破壊への遷移温度を高温側へ移行させ、靭性が低下しやすくなる。
溶着金属中のAl含有量を0.01質量%以下に抑制するために、フラックス入りワイヤ中のAl含有量をフラックス全質量あたり0.05質量%以下に抑制する。フラックス入りワイヤ中のAlの含有量が0.05質量%を超えると、溶着金属中に酸化物として存在するAlの量が増えることにより、旧γ粒界中におけるTi酸化物によるアシキュラーフェライトの核生成を妨げやすくなる。また、フラックス入りワイヤ中のAlは、スパッタ発生の原因となり、含有量が0.05質量%を超えると、スパッタ発生量の増加により、溶接作業性が劣化する。
Fはフラックス中に例えば弗素化合物として添加する。本発明においては、フラックス入りワイヤには、弗素化合物を、F換算で0.05乃至0.40質量%添加する。フラックス入りワイヤ中のFの含有量がワイヤの全質量あたり0.05質量%未満であると、ワイヤの低水素化効果が低下し、溶接金属中の拡散性水素量が増加するため、溶接金属の低温割れが発生しやすくなる。一方、Fの含有量が0.40質量%を超えた場合においては、スパッタの発生量が増加して、溶接作業性が劣化する。
本発明においては、高い靱性を有する溶着金属を得るために、フラックス中にTiO2をワイヤの全質量あたり4.5乃至8.5質量%含有させる。フラックス中のTiO2の含有量がワイヤの全質量あたり4.5質量未満であると、靱性を高めるために有効なTi酸化物量を確保しにくくなると共に、粒界フェライトを生成するため、溶着金属の靱性を高めにくくなる。フラックス中のTiO2の含有量がワイヤの全質量あたり8.5質量%を超えると、溶着金属中の酸素量が増加し、靱性が低下しやすくなる。より好ましくは、フラックス中のTiO2の含有量は、5.0乃至8.0質量%である。なお、TiO2源としては、ルチル、酸化チタン等が挙げられる。
ZrO2は、フラックス中にワイヤの全質量あたり0.04乃至0.50質量%含有することが好ましい。フラックス中のZrO2が0.04質量%未満であると、下向及び水平すみ肉溶接におけるビードの平滑性が劣化しやすくなる。一方、ZrO2の含有量が0.50質量%を超えると、水平すみ肉溶接において、等脚性が劣化しやすくなり、また、立向姿勢でのビード形状が凸形状に近くなる。より好ましくは、フラックス中のZrO2の含有量は0.05乃至0.45質量%である。なお、ZrO2源としては、ジルコンサンド、ジルコニア等が挙げられる。
Al2O3は、フラックス中にワイヤの全質量あたり0.02乃至0.80質量%含有することが好ましい。フラックス中のAl2O3が0.02質量%未満であると、下向及び水平すみ肉溶接におけるビードの平滑性が劣化しやすくなる。一方、Al2O3の含有量が0.80質量%を超えると、下向及び水平すみ肉溶接におけるビードのなじみ性が劣化しやすくなる。また、スパッタ発生量が増大しやすくなる。より好ましくは、Al2O3の含有量は0.03乃至0.60質量%である。なお、Al2O3源としては、アルミナなどが挙げられる。
SiO2は、フラックス中にワイヤの全質量あたり0.10乃至0.50質量%含有することが好ましい。フラックス中のSiO2の含有量が0.10質量%未満であると、下向及び水平すみ肉溶接におけるビードの平滑性が劣化しやすくなる。一方、SiO2の含有量が0.50質量%を超えると、水平すみ肉溶接における耐気孔性が劣化しやすくなる。また、立向姿勢でのビード形状が凸形状に近くなる。より好ましくは、SiO2の含有量は0.15乃至0.45質量%である。なお、SiO2源としては、シリカ、カリガラス、ソーダガラスなどが挙げられる。
Mgは、フラックス中にワイヤの全質量あたり0.20乃至0.70質量%含有することが好ましい。フラックス中のMgの含有量が0.20質量%未満であると、十分な脱酸がなされず靭性が低下しやすくなる。Mgの含有量が0.70質量%を超えると、スパッタが増大し、溶接作業性が劣化しやすくなる。より好ましくは、Mgの含有量は0.25乃至0.65質量%である。なお、Mg源としては、金属Mg、Al−Mg、Ni−Mgなどが挙げられる。
本発明においては、フラックス入りワイヤが上記組成を有している状態で、F及びAlの含有量の総量に対するTi及びMoの含有量の総量の比([Ti]+[Mo])/([F]+[Al])が、0.5乃至2.5の範囲にあることが好ましい。比([Ti]+[Mo])/([F]+[Al])が0.5未満であると、スパッタの発生量が増えて溶接作業性が劣化しやすくなり、比([Ti]+[Mo])/([F]+[Al])が2.5を超えると、溶着金属の靱性が低下しやすくなる。このように、本発明においては、比([Ti]+[Mo])/([F]+[Al])を0.5乃至2.5の範囲とすることにより、溶着金属の靱性を高めるTi及びMoの含有量をAl及びFの含有量に対する比により最適化して、溶接作業性が良好な状態において、溶着金属の靱性を高めることができる。
下記表1に示すフラックス入りワイヤ及び下記表2に示す組成の鋼板を用い、下記表3に示す試験条件によって溶接した溶着金属の機械的性質、化学成分及びミクロ組織を下記表4に示す試験方法によって求めた。機械的性質においては、引張強さが640MPa以上及び吸収エネルギーが50J以上を合格とした。なお、表1のワイヤNo.1乃至6は、本発明の範囲を満足するフラックス入りワイヤであり、ワイヤNo.7乃至No.13は本発明の範囲を満足しないものである。なお、表1中の下線は本発明の範囲を満足していない組成を示す。
表1に示すフラックス入りワイヤ及び表2に示す組成の鋼板を使用し、下記表5に示す試験条件によって溶接した溶着金属の耐高温割れ性をC形ジグ拘束突合せ溶接割れ試験によって求めた。割れ率は、破断したビードのビード長に対する割れ長さの比率(質量%)とし、10質量%以下を合格(クレータ割れを含む)とした。
表1に示すフラックス入りワイヤ及び表2に示す組成の溶接構造用鋼板(無機ジンクプライマー塗布)を使用し、下記表6に示す試験条件によって溶接し、溶接作業性を試験した。
Claims (1)
- 鋼製外皮中にフラックスを充填してなるガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤであって、ワイヤ全体で、ワイヤの全質量あたりC:0.03乃至0.07質量%、Si:0.10乃至0.50質量%、Mn:1.0乃至4.0質量%、Ti:0.06乃至0.30質量%、Ni:0.50乃至0.95質量%、Mo:0.01乃至0.30質量%、B:0.002乃至0.008質量%、F:0.05乃至0.40質量%、及びFe:85乃至93質量%を含有し、Alの含有量を0.05質量%以下に規制した組成を有し、
前記フラックスは、ワイヤの全質量あたりTiO 2 :4.5乃至8.5質量、ZrO 2 :0.04乃至0.50質量%、SiO 2 :0.10乃至0.50質量%、Al 2 O 3 :0.02乃至0.80質量%、及びMg:0.20乃至0.70質量%を含有し、
ワイヤ中のTi、Mo、F及びAlの含有量を夫々[Ti]、[Mo]、[F]及び[Al]としたときに、F及びAlの含有量の総量に対するTi及びMoの含有量の総量の比([Ti]+[Mo])/([F]+[Al])が0.5乃至2.5であることを特徴とするガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
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