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JP5410717B2 - 毛髪用洗浄剤組成物 - Google Patents

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JP5410717B2
JP5410717B2 JP2008242798A JP2008242798A JP5410717B2 JP 5410717 B2 JP5410717 B2 JP 5410717B2 JP 2008242798 A JP2008242798 A JP 2008242798A JP 2008242798 A JP2008242798 A JP 2008242798A JP 5410717 B2 JP5410717 B2 JP 5410717B2
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Description

本発明は、毛髪用洗浄剤組成物に関する。
毛髪洗浄剤用の主界面活性剤として、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、コハク酸系界面活性剤、アミノ酸系界面活性剤が使われている。また、洗髪・すすぎ時に毛髪の指通り性を向上させる方法として、カチオン性ポリマーを洗浄剤組成物に含有させることが知られている。
特許文献1には、(A1)分子中にカチオン性基と架橋構造とを有する共重合体であって、その0.5重量%ハイドロゲルの、25℃、シェアレート1sec-1の粘度η1 、シェアレート10sec-1の粘度η2 が、0.3≦η1 ≦20(Pa・sec)、0.01≦η2≦5(Pa・sec)、かつη1 >η2 である共重合体、及び(B1)アニオン性界面活性剤を含有する洗浄剤組成物が、塗布時の感触及び伸び性が良く、起泡性が良好で、かつ洗浄時及び乾燥後の感触に優れ、しかも洗浄後に高いコンディショニング効果を有することが開示されている。
また、特許文献2には、(A2)少なくとも1種のサルフェート又はスルホネート系アニオン界面活性剤、(B2)ポリオキシアルキレン化(C6〜C24)アルキルエーテルカルボン酸類、ポリオキシアルキレン化(C6〜C24)アルキルアリールエーテルカルボン酸類、及びそれらの塩類、ポリオキシアルキレン化(C6〜C24)アルキルアミドエーテルカルボン酸類及びそれらの塩類から選択される、(A2)で言及した前記界面活性剤以外の少なくとも1種のカルボン酸系アニオン界面活性剤、(C2)少なくとも1種の両性界面活性剤、並びに(D2)少なくとも1種の水に不溶性のカルボン酸エステルを含み、前記サルフェート又はスルホネート系アニオン界面活性剤/カルボン酸系アニオン界面活性剤(重量比)が、2〜12の範囲であることを特徴とする洗浄用化粧料組成物が開示されている。
特許文献3には、(A3)、(B3)および(C3):
(A3)一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸系界面活性剤、
(B3)炭素数4〜12のアルキル基またはアルケニル基を有するグリセリルエーテル、
(C3)カチオン性基含有共重合体を含有する洗浄剤組成物であって、皮膚等に対する刺激性が少なく、起泡力および泡質に優れ、かつ、洗浄時、すすぎ時、および乾燥後の感触が良好な洗浄剤組成が記載されている。
しかし、これらの従来技術を利用した毛髪洗浄剤組成物は、泡性能並びに洗髪時、すすぎ時および乾燥後の感触をすべて満たすには未だ不充分なものであった。
特開2000−144184号公報 特開2006−282662号公報 特開2005−336387号公報
本発明の目的は、すすぎ時の指とおり及び柔らかさ、乾燥後の感触に優れる洗浄剤組成物を提供することにある。
本発明者等は、下記成分(A)〜(F)を特定比率で含有する毛髪用洗浄剤組成物が、洗髪後、毛髪へのシリコーンの吸着量が飛躍的に向上することから、泡性能、洗浄時及び濯ぎ時の感触を満足しつつ、すすぎ時の指とおり及び柔らかさ、乾燥後の感触に優れることを見出し本発明を完成した。
すなわち本発明は、下記成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)を含有し、成分(A)と成分(B)との重量比[(A)/(B)]が0.1〜1.2であり、成分(B)と成分(C)との重量比[(B)/(C)]が0.5〜5である、毛髪用洗浄剤組成物を提供するものである。
(A)エーテルカルボン酸塩型界面活性剤
(B)エーテル硫酸塩型界面活性剤
(C)両性界面活性剤
(D)次の単量体(a1)、(a2)及び(a3)を含有するモノマー混合物を共重合することにより得られるカチオン性基含有共重合体 :
〔単量体(a1)〕一般式(I)又は(II)で表される親水性ノニオン性基含有ビニル単量体の少なくとも1種
Figure 0005410717
〔式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は水素原子、あるいは炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基又はアルケニル基示し、R3は炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基又はアルケニル基示す。〕
Figure 0005410717
〔式中、R1は前記の意味を示し、A1及びA2は同一又は異なって、式 −(CH2)n−(nは2〜6の整数を示す)で表される基を示し、Bは−O−又は−CH2−基を示す。〕
〔単量体(a2)〕一般式(III)及び(IV)で表されるカチオン性基含有ビニル単量体の少なくとも1種
Figure 0005410717
〔式中、R1は前記の意味を示し、R4及びR5は同一又は異なって、炭素数1〜4のアルキル基又はアルケニル基を示し、R6は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Y は −O−、−NH−、−CH2−又は−O−CH2CH(OH)−基を示し、Zは炭素数1〜4(ただしYが−CH2−のときは炭素数0〜3)の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示し、Xは酸の共役塩基を示す。〕
Figure 0005410717
〔式中、R7及びR8は同一又は異なって水素原子又はメチル基を示し、R9及びR10は同一又は異なって水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Xは前記の意味を示す。〕
〔単量体(a3)〕2個以上の反応性不飽和基を有する架橋性単量体
(E)ジメチルジアリルアンモニウム塩の単独又はその共重合体、及びカチオン化セルロース誘導体から選ばれる1種以上のカチオン性ポリマー
(F)ジアルキルポリシロキサン及びアミノ変性シリコーンから選ばれる1種以上のシリコーン
本発明の毛髪用洗浄剤組成物は、すすぎ時の指とおり及び柔らかさ、乾燥後の感触に優れるものである。
本発明の洗浄剤組成物が、すすぎ時の指とおり及び柔らかさ、乾燥後の感触に優れるのは、前記(D)成分及び(E)成分のポリマーを併用し、かつ前記(A)、(B)、(C)成分を含有する特定の界面活性剤組成物を特定の割合で用いることで、洗浄中の希釈過程、及び更にすすぎ時の希釈過程において、指通りや柔らかさを向上させる構造性複合体(単に、複合体ともいう)が析出し易くなり、この複合体に(F)成分のシリコーンが取り込まれ、前記複合体の性能を向上させると共に、シリコーンの毛髪への残留性を飛躍的に高めるためと推定される。
以下、本発明の構成について詳述する。
成分(A)のエーテルカルボン酸塩型界面活性剤は、主に(D)成分および(E)成分との相互作用により、指通りや柔らかさを向上させる構造性複合体の性能を形成するのに主要な成分と考えられる。成分(A)は、特に限定されないが、好ましいものとしては、下記一般式(4)、(5)で表されるものが挙げられる。
11−Z1−(A3O)n−Y1−COOX1 (4)
(式中、R11は炭素数5〜21の直鎖又は分岐鎖のヒドロキシル基を含んでもよいアルキル基又はアルケニル基を示し、Z1は−O−又は−CONH−を示し、A3は炭素数2又は3のアルキレン基を示し、X1は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを示し、Y1は炭素数1〜3のアルキレン基を示し、nは、平均付加モル数を意味し、2〜15の数を示す。)X1がアルカリ土類金属の場合は、界面活性剤に対して、1/2のモル比となる。以下同様である。
式(4)中、Z1が−O−の場合、R11は炭素数12〜16の基が好ましく、Z1が−CONH−の場合、R11は炭素数11〜15の基が好ましい。A3はエチレン基又はプロピレン基であり、エチレン基が好ましい。
nの平均付加モル数は、泡量又は洗浄時及び濯ぎ時の感触の観点から、好ましくは2〜11、更に好ましくは4〜10であるが、泡量の観点からは2〜6が好ましく、洗浄時及び濯ぎ時の指通り、柔らかさの観点からは、6〜11が好ましい。これらの平均付加モル数の相違するエーテルカルボン酸塩型界面活性剤の2種以上を併用することも好ましい。
またX1のアルカリ金属としてはリチウム、ナトリウム及びカリウム等が挙げられ、アルカリ土類金属としてはマグネシウム、カルシウム等が挙げられ、有機アンモニウムとしては、トリエタノールアンモニウム等の好ましくは炭素数2〜9のアルカノールアンモニウム;トリメチルアンモニウム等の好ましくは炭素数1〜9のアルキルアンモニウム;リジンカチオン、アルギニンカチオン等の塩基性アミノ酸カチオンが挙げられる。これらの中では、ナトリウム又はカリウム等のアルカリ金属が好ましい。
1としては炭素数1のメチレン基が好ましい。
一般式(5)
Figure 0005410717
(式中R12は炭素数4〜34の直鎖もしくは分岐鎖のアルキルまたはアルケニル基を示す。X2及びX3の少なくとも一方は−CH2COOM1を示し、他方は水素原子でもよい。M1は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを示す。)
式(5)中、R12は、好ましくは炭素数8〜25、更に好ましくは炭素数8〜18の基であり、X2及びX3は、両者とも−CH2COOM1であるか、いずれか一方は−CH2COOM1であり他方は水素原子である。M1は、前述のX1と好ましい例示は同じである。
成分(A)としては、具体的には、ポリオキシエチレン(平均付加モル数4〜10)デシルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレン(平均付加モル数4〜10)ラウリルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレン(平均付加モル数4〜10)ミリスチルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレン(平均付加モル数4〜10)セチルエーテル酢酸塩等が挙げられ、塩としてナトリウム、カリウム、アンモニウム、トリエタノールアンモニウム等が挙げられる。市販のエーテルカルボン酸塩型界面活性剤としては三洋化成工業(株)の「ビューライト」、花王(株)の「カオーアキポRLM」シリーズ、また、特開平6−316546号公報記載のエーテルカルボン酸等が例示できる。
成分(B)のエーテル硫酸塩型界面活性剤は、主に泡性能を向上させると共に、成分(C)とで構造性複合体を析出し易くすると考えられる。成分(B)は、特に限定されないが、好ましいものとしては、下記一般式(6)で表されるものが挙げられる。
13O(CH2CH2O)pSO32 (6)
(式中、R13は炭素数6 〜22のアルキル又はアルケニル基を示し、pはオキシエチレン基の平均付加モル数であり、0.5〜5の数を示し、M2は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを示す。)
式中、R13は、起泡性の観点から、炭素数10〜18の基が好ましい。pは起泡性の観点から好ましくは0.5〜3あり、M2は、前述のX1と好ましい例示は同じである。
成分(B)としては、具体的には、ポリオキシエチレン(平均付加モル数0.5〜3)デシルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン(平均付加モル数0.5〜3)ラウリルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン(平均付加モル数0.5〜3)ミリスチルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン(平均付加モル数0.5〜3)セチルエーテル硫酸塩等が挙げられ、塩としてナトリウム、カリウム、アンモニウム、トリエタノールアンモニウム等が挙げられる。市販のエーテル硫酸塩型界面活性剤としては花王(株)製「エマール」シリーズ等が例示できる。
成分(C)の両性界面活性剤は、主に増泡性能を有すると共に、成分(A)とで構造性複合体を析出し易くすると考えられる。
成分(C)は、カルボベタイン型、アミドカルボベタイン型、スルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、イミダゾリニウムベタイン型等が挙げられる。
具体的には、次の一般式(B−2a)、(B−2b)で表されるカルボベタイン、アミドカルボベタイン(以下、両者を併せて単にカルボベタインという)、次の一般式(B−2c)、(B−2d)で表わされるスルホベタイン、アミドスルホベタイン(以下、両者を併せて単にスルホベタインという)、一般式(B−2e)又は(B−2f)で表されるイミダゾリニウムベタインが挙げられる。
Figure 0005410717
〔各式中、R24は炭素数6〜22のアルキル基又はアルケニル基を示し、R25及びR26はそれぞれ炭素数1〜5のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示し、R27は炭素数1〜6のアルキレン基又はヒドロキシアルキレン基を示し、R28は単結合又は炭素数1〜5のアルキレン基を示し、R29は炭素数1〜5のアルキレン基又はヒドロキシアルキレン基を示す。〕
一般式(B−2a)〜(B−2f)で表される各種ベタインのうち、R24が炭素数8〜16のアルキル基、R25及びR26がメチル基、R27〜R29が炭素数1〜5のアルキレン基のものが好ましく、具体的にはアルキルジメチルアミノカルボベタイン、アルキルアミドアルキレンジメチルアミノカルボベタイン、アルキルジメチルアミノヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミドアルキレンジメチルアミノスルホベタイン、アルキルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルアミドヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられ、より具体的には、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルヒドロキシスルホベタインが好ましい。
これらの中でも、カルボベタイン及びスルホベタインからなる群から選ばれる一種以上が、泡性能と洗浄時及び濯ぎ時の感触の点から好ましく、両者を併用することが同観点から、更に好ましい。カルボベタインとスルホベタインの重量比(カルボベタイン/スルホベタイン)は、好ましくは1/5〜5/1、更に好ましくは1/3〜3/1で用いることが泡性能と洗浄時及び濯ぎ時の感触の点から好ましい。
本発明に用いる成分(D)は、上記単量体(a1)、(a2)及び(a3)を必須構成
単量体とし、重合することにより得られるカチオン性基含有共重合体である。
〔単量体(a1)〕
一般式(I)又は(II)で表される親水性ノニオン性基含有ビニル単量体の少なくとも1種である。
Figure 0005410717
〔式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は水素原子又は炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基又はアルケニル基示し、R3は炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基又はアルケニル基示す。〕
Figure 0005410717
〔式中、R1は前記の意味を示し、A1及びA2は同一又は異なって、式 −(CH2)n−(nは2〜6の整数を示す)で表される基を示し、Bは−O−又は−CH2−基を示す。〕
式(I)中、R2は炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基又はアルケニル基が、すすぎ時の指通り、柔らかさの観点から好ましい。R2、R3の好ましい基としては、同一又は異なって、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基が挙げられる。
前記一般式(I)で表される親水性ノニオン性基含有ビニル単量体としては、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N, N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられ、一般式(II)で表される親水性ノニオン性基含有ビニル単量体としては、N−(メタ)アクロイルモルホリンなどが挙げられるが、N,N−ジ置換アクリルアミドを用いた場合に使用感が好ましく、さらにはN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等がより好ましい。
〔単量体(a2)〕
一般式(III)及び(IV)で表されるカチオン性基含有ビニル単量体の少なくとも1種である。
Figure 0005410717
〔式中、R1は前記の意味を示し、R4及びR5は同一又は異なって、炭素数1〜4のアルキル基又はアルケニル基を示し、R6は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Y は −O−、−NH−、−CH2−又は−O−CH2CH(OH)−基を示し、Zは炭素数1〜4(ただしYが−CH2−のときは炭素数0〜3)の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示し、Xは酸の共役塩基を示す。〕
Figure 0005410717
〔式中、R7及びR8は同一又は異なって水素原子又はメチル基を示し、R9及びR10は同一又は異なって水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、X は前記の意味を示す。〕
4、R5、R6、R9及びR10の好ましい例として、同一又は異なって、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基が挙げられる。
Xは、ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルキルサルフェート基が好ましい。
式(III)及び(IV)の単量体の塩を得るために用いる好ましい酸としては、塩酸、硫酸、酢酸、クエン酸、コハク酸、アジピン酸、スルファミン酸などが挙げられ、4級アンモニウム塩を得るための好ましい4級化剤としては、塩化メチル、ヨウ化メチル等のハロゲン化アルキル、硫酸ジエチル、硫酸ジ−n−プロピル等が挙げられる。
単量体(a2)としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドを前記の4級化剤で4級化した4級アンモニウム塩、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
単量体(a3)は、2個以上の反応性不飽和基を有する架橋性単量体であり、具体的には、(1)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル化合物;(2)ジビニルベンゼン、ジビニルエーテル、ジビニルエチレン尿素等のジビニル化合物;(3)ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジアリルアミン、トリアリルアミン、トリアリルアンモニウム塩、ペンタエリスリトールのアリルエーテル化体、分子中に少なくとも2個のアリルエーテル単位を有するスクローゼのアリルエーテル化体等のポリアリル化合物等が挙げられる。好ましくは、(1)の多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル化合物であり、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上が特に好ましい。
単量体(a1)と単量体(a2)との好ましい配合比率は、起泡性、洗髪時の髪のからまりのなさ及びすすぎ性の観点から、(a1)/(a2)のモル比で、好ましくは2/98〜98/2であり、さらに好ましくは3/97〜30/70であり、より更に好ましくは5/95〜15/85である。
単量体(a3)の割合は、起泡性、洗髪時の髪のからまりなさ、頭皮のマッサージ性及
びすすぎ性の観点から単量体全量に対して0.002〜5重量%が好ましく、柔らかく、すべりの良いものとなるすすぎ時の感触の観点から、0.002〜0.08重量%がより好ましい。
成分(D)の共重合体を製造する方法は、特開平11−71435号公報段落0041〜0045及び実施例に記載されている。
成分(D)のカチオン電荷密度は、洗浄時及び濯ぎ時の指通り、柔らかさの観点から、0.3〜2.5meq/gが好ましく、0.3〜2meq/gがより好ましく、0.5〜1.5meq/gがより更に好ましい。
ここでカチオン電荷密度は、ポリマーの仕込みカチオンモノマー量より、下記式で求めることができる。
ポリマーのカチオン電荷密度(meq/g)=a2重量×1000/[(a1+a2+a3の合計重量)×a2の分子量]
成分(D)は、その0.5%ハイドロゲルの、25℃、シェアレート1sec-1の粘度η1、シェアレート10sec-1の粘度η2が、0.3≦η1≦20(Pa・sec)、0.01≦η2≦5(Pa・sec)、かつη1>η2であるものが好ましい。
粘度挙動がこの範囲内にあれば起泡性、洗髪時の髪のからまりなさ及びすすぎ性が良好な使用感を得ることができる。特に、成分(D)が0.4≦η1≦10(Pa・sec)、0.5≦η2≦3(Pa・sec)であるとき、一層好ましい使用感が得られる。
また、成分(D)の0.5%ハイドロゲルの、25℃、ひずみ周波数6.28rad/sec、ひずみ1%での複素弾性率ε1 、損失正接tan δ1、ひずみ500%での複素弾性率ε2、損失正接tan δ2が、1≦ε1≦300(N/m2)、tan δ1 ≦2、かつ、0.01≦ε2 ≦30(N/m2 )、tan δ2 ≧1であるとき、より好ましい感触の毛髪洗浄剤組成物を得ることができる。ここで、成分(D)の損失正接が、tan δ1 ≦1.5、更にはtan δ1 ≦1.0となるに従って、より好ましい感触の毛髪洗浄剤組成物を得ることができる。
η1〜η2の測定は、以下の方法による。
検体1:イオン交換水に粉末試料(平均粒径50μm以下)を加え、50℃、半日保持して調製した0.5%のハイドロゲル。
測定装置:HAAKE社製粘度計、Rotovisco RV-20、
測定条件:測定頭M10、共軸2重円筒型ローター、
測定温度25℃、試料量15ml、
シェアレート:2分間で0sec-1 から15sec-1 まで上昇、
測定点数:上記シェアレート範囲に亙り60点測定。
計算方法:上記測定値からRotation Version 2.8のプログラムにより算出。
δ1 、δ2 、ε1 、ε2 の測定は下記の方法による。
検体:上記検体1と同じ。
測定装置:Rheometrics 社製、Fluids Spectrometer RFS-II
測定条件:Dynamic Strain Sweep (動的ひずみ掃引) モード
コーンプレート:直径50mm、ギャップ0.05mm、アングル0.04rad、ひずみ周波数6.2rad/sec、ひずみ0.5〜500%。
測定温度:25℃。
成分(D)は粒子であり、その平均粒径(体積中位粒径)は、構造性複合体を析出する観点から、0.1〜10μmが好ましく、0.5〜5μmがより好ましい。通常、シャンプー後の希釈過程において、ポリマー粒子が析出しても、(F)成分のシリコーンを取り込む量は、多くならない。しかし、成分(E)のポリマーと共に、成分(A)〜(C)の界面活性剤を本発明の範囲で用いることで成分(D)のポリマー粒子を含む構造性複合体が形成され、(F)成文を多量に取り込めるようになると考えられる。
平均粒径の測定は、成分(D)の粉体をシクロヘキサン中、機器にて測定可能な任意の濃度(約10重量%前後)に分散させ、このポリマー分散液を数滴、測定溶媒(シクロヘキサン)に加え、1分間測定後の体積中位粒径(D50)を測定した。
測定装置:コールター(株)社製 レーザー解説散乱粒度分析装置LS230(スモールボリュームモジュール付き)
本発明に用いる成分(E)は、ジメチルジアリルアンモニウム塩の単独重合体又は共重合体及びカチオン化セルロース誘導体から選ばれる1種以上のカチオン性ポリマーである。
ジメチルジアリルアンモニウム塩の共重合体は、アクリルアミド−ジメチルジアリルアンモニウム塩が挙げられる。塩としては、クロライド等のハロゲンが挙げられる。アクリルアミド−ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体としてはNalco社マーコート550、マーコートS、マーコート2200等が挙げられる。
カチオン化セルロース誘導体は、具体的にはカチオン化ヒドロキシエチルセルロースやそのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
カチオン化ヒドロキシエチルセルロース市販のものとしては花王ポイズM−80、アマコール社ポリマーJR400などが挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物の成分(F)のジアルキルポリシロキサンとしては、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、ジメチルポリシロキサンがより好ましい。
アミノ変性シリコーンとしては、側鎖又は末端に、アルキル基を有していてもよい、アミノ基又はアンモニウム基を有するポリシロキサン鎖骨格を有するものであり、アミノ変性シリコーン1g当たり、アミン量は0.02〜3mmolであることが好ましい。アミン量はクロロホルム/メタノール(容積比1/1)溶液にて、塩酸による電位差滴定で求めることができる。 具体的には、アモジメチコンが挙げられ、たとえば 市販のものとしては、信越化学工業(株)、東レ・ダウコーニング(株)等シリコーン製造メーカーから発売され、「化粧品用シリコーン」、または「パーソナルケア用シリコーン」等のカタログに記載されているものが挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物中、上記成分(A)の含有量は、前記(D)及び(E)成分との相互作用による、洗浄時の柔らかさ及び濯ぎ時の指通り並びに毛髪への成分(F)の吸着量を向上させる観点から、好ましくは1〜10重量%、更に好ましくは1〜8重量%、より好ましくは1.8〜7重量%である(酸としての割合を示す。以下、同じ)。
本発明の洗浄剤組成物中、上記成分(B)の含有量は、主に泡性能と、前記(D)及び(E)成分との相互作用により、成分(A)、成分(C)と共に構造性複合体を析出し易くし、成分(F)を効率的に毛髪に残留させるという観点から、好ましくは1〜20重量%、更に好ましくは2〜15重量%、より好ましくは3.5〜13重量%である。
本発明の洗浄剤組成物中、上記成分(C)の含有量は、増泡性能と、(D)成分との相互作用により、成分(A)と共に構造性複合体を析出し易くし、洗浄時の柔らかさを向上させるとともに成分(F)の毛髪への吸着量を向上させる観点から、好ましくは0.5〜10重量%、更に好ましくは0.75〜8重量%、より好ましくは1〜7重量%である。
本発明の洗浄剤組成物の成分(D)と(E)の本発明の洗浄組成物中の合計含有量は、成分(A)〜(C)との相互作用による洗髪時及びすすぎ時の指通り、柔らかさ並びに成分(F)の毛髪への吸着量向上による乾燥後の感触の向上の観点から、0.01〜2重量%が好ましく、0.05〜1.5重量%が更に好ましく、0.1〜1重量%がより更に好ましい。少なすぎると洗髪時及びすすぎ時の指通り、柔らかさが低下し、多すぎるとポリマーの残留が多くなるために、乾燥後のごわつきが発生し、乾燥後の感触が低下する。
ここで、成分(D)と成分(E)との重量比[成分(D)/成分(E)]は、0.1〜10.0であり、0.2〜8.0が好ましく、0.3〜6.0が更に好ましい。この範囲では、前記成分(A)、(B)、(C)との相互作用による成分(F)の毛髪に残留させ、乾燥後の感触を向上させることができる。
上記成分(F)は、1種以上を用いることができ、本発明の洗浄剤組成物中の含有量は、乾燥後のまとまり、指通りの良さの観点から、好ましくは0.1〜5重量%、更に好ましくは0.5〜4重量%、より好ましくは0.8〜3重量%である。
本発明の洗浄剤組成物中、成分(A)と成分(B)と成分(C)との合計含有量は、充分な泡性能を有すると共に、洗浄時及び濯ぎ時の指通り、柔らかさの観点から、3〜30重量%が好ましく、5〜25重量%が更に好ましく、5〜20重量%が更に好ましい。
本発明の洗浄剤組成物中、成分(A)と成分(B)と成分(C)との合計含有量と、成分(D)と成分(E)との合計含有量との重量比[成分(D)+成分(E)]/[成分(A)+成分(B)+成分(C)]は、構造性複合体を形成し、成分(F)を取り込むことで、すすぎ時の指通り、柔らかさ、乾燥後の指通り、滑り、柔らかさの観点から、0.005〜0.1が好ましく、0.007〜0.07が更に好ましく、0.01〜0.06がより更に好ましい。
本発明の洗浄剤組成物中、成分(D)と成分(E)との合計含有量と、成分(F)の含有量との重量比 成分(F)/[成分(D)+成分(E)]は、成分(F)を取り込んだ構造性複合体が、すすぎ時の指通り、柔らかさ、乾燥後の指通り、滑り、柔らかさを発揮する観点から、0.5〜20が好ましく、1〜15が更に好ましく、2〜10より更に好ましい。
本発明の洗浄剤組成物中の成分(A)と成分(B)との重量比[成分(A)/成分(B)]は、0.1〜1.2であり、0.5〜1.2が好ましく、0.5を超え、1.2以下がより好ましく、0.6〜1.2が更に好ましい。0.1未満では、前記成分(D)、(E)との相互作用による複合体の形成量が減少することから、すすぎ時の指とおり及び柔らかさ、成分(F)の毛髪への残留量が減少することから乾燥後の感触の点で低下し、1.2を超えると泡性能が低下し、更には前記成分(D)、(E)との相互作用による複合体の形成量が減少することから、すすぎ時の指とおり及び柔らかさ、成分(F)の毛髪への残留量が減少することから乾燥後の感触の点で低下する。
本発明の洗浄剤組成物中の成分(B)と成分(C)との重量比[成分(B)/成分(C)]は、0.5〜5であり、1〜5が好ましく、1.2〜4.5が更に好ましく、1.2〜4がより更に好ましい。5を超えると前記成分(D)、(E)との相互作用による複合体の形成量が減少することから、洗浄時及び濯ぎ時の指通り、柔らかさ、成分(F)の毛髪への残留量が減少することから乾燥後の感触の点で低下し、更には、0.5未満では、泡性能が低下し、更には前記成分(D)、(E)との相互作用による複合体の形成量が減少することから、洗浄時及び濯ぎ時の指通り、柔らかさ、成分(F)の毛髪への残留量が減少し、乾燥後の感触が低下する。
本発明の洗浄剤組成物中の成分(A)と成分(C)との重量比[成分(A)/成分(C)]は、前記成分(D)、(E)との相互作用による複合体を形成する観点から、0.1〜5が好ましく、0.5〜4が更に好ましい。
本発明の洗浄剤組成物中、成分(C)と成分(D)との重量比[成分(D)/成分(C)]は、増泡性能と、成分(C)と成分(D)との相互作用により、成分(A)と共に構造性複合体を析出し易くし、洗浄時の柔らかさを向上させるとともに成分(F)の毛髪への吸着量を向上させる上記の観点から、0.02〜0.4が好ましく、0.03〜0.35が好ましく、0.03〜0.3が好ましい。
本発明の洗浄剤組成物中、成分(A)と成分(D)及び(E)との重量比[(成分(D)+成分(E))/成分(A)]は、構造性複合体の性能を決定するために重量比はある程度高くする必要があり、洗浄時の柔らかさ及び濯ぎ時の指通りの観点から、0.03〜0.4が好ましく、0.04〜0.35が好ましく、0.05〜0.3が好ましい。
本発明に用いる毛髪洗浄剤組成物では、前記必須成分のほか、目的に応じて、通常洗浄料に用いられる他の成分を本発明の効果を妨げない範囲で配合することが出来る。このような成分としては、例えば、次のものが挙げられる。
アルキル硫酸塩、コハク酸系界面活性剤、アミノ酸系界面活性剤等の上記成分(A)、(B)以外のアニオン性界面活性剤;ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキルグリセリルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルポリグルコシド等のノニオン性界面活性剤;塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム等のカチオン性界面活性剤;カチオン化多糖、カチオン化ポリペプチド、アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウムなどの成分(D)、(E)以外のカチオン性ポリマー;多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル、植物由来油脂、動物由来油脂、鉱物油などの油性成分;ステアリルアルコール、コレステロール、フィトステロールなどの高級アルコール;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸;成分(F)以外のエチレングリコールジステアリン酸エステル、マイカ等のパール化剤;ジメチコン、ジメチコノール、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、分岐(ポリ)グリセロール変性シリコーン、グリセリルエーテル変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン、アミドアルキル変性シリコーン、アミノグリコール変性シリコーン、オキサゾリン変性シリコーン、アクリル・アミノシリコーン共重合体、フェニル変性シリコーン、アミノフェニル変性シリコーン、ポリアミド変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、シリコーンエラストマー(パウダー)、変性シリコーン被覆架橋ポリマー(パウダー)等、 市販のものとしては、信越化学工業(株)、東レ・ダウコーニング(株)等シリコーン製造メーカーから発売され、「化粧品用シリコーン」、または「パーソナルケア用シリコーン」等のカタログに記載されているもの、他に特許公報 特開平4−108795や特開2004−339244記載のシリコーン等、化粧品用途に使われるシリコーン及びシリコーン誘導体;多価アルコール、ムコ多糖、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、キトサン、セラミド、コレステロールなどの保湿剤;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アラビアガム、ポリビニルアルコールなどの増粘剤;エタノール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ベンジルアルコールなどの溶媒;ブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、フィチン酸などの酸化防止剤;安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸エステル、ヘキサクロロフェンなどの抗菌防腐剤;グリシン、アラニンなどのアミノ酸又はこれらの塩。クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、ナフタレンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸などの有機酸又はこれらの塩;ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB2及びその誘導体、ビタミンC類及びその誘導体、ビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチンなどのビタミン類;ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、γ−オリザノール、アラントイン、グリチルリチン酸(塩)、グリチルレチン酸及びその誘導体、ジンクピリチオン、オクトビロックス、硝酸ミコナゾールなどの各種薬剤;センブリ、トウキ、ユーカリなどの有機溶剤、アルコール、多価アルコール、水、水性アルコールなどで抽出した天然エキス;その他、キレート剤、色素、香料、スクラブ剤、精製水。
本発明の毛髪洗浄剤組成物の剤型は液状、乳液状、クリーム状、ゲル状、泡状いずれの形態をとることもできる。本発明の毛髪洗浄剤組成物のpH(20℃)は、3〜7が好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、以下の製造例、実施例及び比較例において、「部」及び「%」は特記しない限り「重量部」及び「重量%」である。
製造例1(カチオン性基含有共重合体)
反応容器中に、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩(MOEDES:日東化学工業社製)23.85g、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAAm)71.37g、ポリエチレングリコールジメタクリレート(NK-9G:新中村化学社製)0.0429g、イオン交換水350gからなる予め窒素置換した単量体水溶液を入れ、20分間窒素を吹き込んだ後、更に、窒素雰囲気下で55℃まで昇温した。次いで、重合開始剤(2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩)を0.22g添加した。30分〜1時間後に重合し始め、全体が柔らかいゲル状となった。そのまま攪拌を続け、重合開始剤添加4時間後、重合を停止させた。餅状の内容物を取り出し、5リットルのエタノール中で10分攪拌洗浄し、乾燥させた。その後、コーヒーミル、ジェットミルで粉砕し、粉砕粒子をハイボルターで分級し、KGポリマー(0.8meq/g)を得た。前記測定法により、平均粒径値(体積中位粒径)は、2.7μmであった。
MOEDES:DMAAm:NK-9G=10:90:0.01(モル比)、η1:2.5、η2:0.5、ε1:2.4、ε2:1.3、 tan δ1:0.98、tan δ2:2.28
実施例1〜10、比較例1〜9
表3に示す組成の毛髪洗浄剤組成物を常法により製造し、pHを水酸化ナトリウムで6.0(20℃)に調整した。これらを使用したときのすすぎ時、乾燥後の毛髪を下記のように評価し、平均点数化した。
結果を表3に併せて示す。表中の数値は、純分の重量%である。
官能評価の詳細な手順を示す。
5人のパネラー: 25〜40歳の日本人女性。
使用温水: 38〜40℃の水道水(硬度3〜5°DH)。
手順
温水を頭髪にかけ十分に水分を含ませた後、本発明の毛髪洗浄剤組成物を適量(パネラーが自分の髪の長さに合せて使用するシャンプーと同量)手に取り、毛髪洗浄剤組成物を頭髪に十分行き渡させる様に手を動かしてシャンプーを行う。シャンプー時、すすぎ時、の状態を、下記表の評価基準により評価した。
評価基準
Figure 0005410717
Figure 0005410717
尚、シリコーンの析出量は、以下の方法で求めた。
(測定方法)
(1)アジア人毛髪を結って作った毛束1g(10cm)に対し、シャンプー8倍溶液1.6gで30秒間泡立てた。
(2)500mlの40℃温水で3回濯いだ。1回あたり、毛束を5回温水に浸漬と引き上げを繰り返すことで濯ぎを行った。
(3)毛束をドライヤーで乾燥した。
(4)試験管に処理した毛束を入れ、クロロホルム5mlを加え、30秒間振とうし、三角フラスコへ移した。(3回繰り返す)
(5)200ppmジニトロベンゼン内標(クロロホルム溶液)を5ml加えた。
(6)窒素ガスで乾固させた。
(7)クロロホルム1mlで三角フラスコを洗い、NMRチューブに入れて、1Hを測定した。
(8)測定結果より得られた内標とシリコーンのピーク強度(下記)から、シリコーン残留量をNMRより、定量した。
1H−NMRスペクトル
0.05-0.25ppm(Si-CH3)
表中で用いた界面活性剤及びポリマーは、下記のものである。表中の数値は、純分で記載しており、界面活性剤量の純分の合計量を12重量%にした。
*1: KAO AKYPO RLM45NV ; 花王(株)製
*2:ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸(エマール270J:平均付加モル数2; 花王(株)製)
*3:コカミドプロピルベタイン(アンヒトール55AB 花王(株)製)
*4:ヒドロキシスルホベタイン(アンヒトール20HD 花王(株)製)
*5:前記製造例1のポリマー粒子
*6:Poize M-80 INCI: Polyquaternium-10 ; 花王(株)製
*7:MQ550 ; INCI: Polyquaternium-7 ;Nalco社製
*8:ジメチコン; BY22-050A ; 東レ・ダウコーニング(株)製
*9:パール化剤; エチレングリコールジステアレート; 花王(株)製
*10:POE16ラウリルエーテル;商品名 エマルゲン116; 花王(株)製
Figure 0005410717
表3より、本願発明の洗浄剤は、泡質、泡量を満足しつつ、濯ぎ時の指通り、柔らかさ、乾燥後の指通り、滑り、柔らかさにおいて、比較例より優れていることがわかる。
これは、本願の洗浄剤の希釈過程において、本発明品のシリコーンの析出量が比較例より多いことから、析出する複合体及びシリコーンがこのような感触を与えるものと推定される。

Claims (7)

  1. 下記成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)を含有し、成分(A)と成分(B)との重量比[(A)/(B)]が0.6〜1.2であり、成分(B)と成分(C)との重量比[(B)/(C)]が0.5〜5であり、かつ成分(D)と成分(E)との合計含有量と成分(F)の含有量との重量比[(F)/[(D)+(E)]]が2〜10である、毛髪用洗浄剤組成物。
    (A)エーテルカルボン酸塩型界面活性剤
    (B)エーテル硫酸塩型界面活性剤
    (C)両性界面活性剤
    (D)次の単量体(a1)、(a2)及び(a3)を含有するモノマー混合物を共重合することにより得られるカチオン性基含有共重合体:
    〔単量体(a1)〕一般式(I)又は(II)で表される親水性ノニオン性基含有ビニル単量体の少なくとも1種
    Figure 0005410717
    〔式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は水素原子、あるいは炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基又はアルケニル基示し、R3は炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基又はアルケニル基示す。〕
    Figure 0005410717
    〔式中、R1は前記の意味を示し、A1及びA2は同一又は異なって、式−(CH2)n−(nは2〜6の整数を示す)で表される基を示し、Bは−O−又は−CH2−基を示す。〕
    〔単量体(a2)〕一般式(III)及び(IV)で表されるカチオン性基含有ビニル単量体の少なくとも1種
    Figure 0005410717
    〔式中、R1は前記の意味を示し、R4及びR5は同一又は異なって、炭素数1〜4のアルキル基又はアルケニル基を示し、R6は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Yは−O−、−NH−、−CH2−又は−O−CH2CH(OH)−基を示し、Zは炭素数1〜4(ただしYが−CH2−のときは炭素数0〜3)の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示し、Xは酸の共役塩基を示す。〕
    Figure 0005410717
    〔式中、R7及びR8は同一又は異なって水素原子又はメチル基を示し、R9及びR10は同一又は異なって水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Xは前記の意味を示す。〕
    〔単量体(a3)〕2個以上の反応性不飽和基を有する架橋性単量体
    (E)ジメチルジアリルアンモニウム塩の単独重合体又はその共重合体、及びカチオン化セルロース誘導体から選ばれる1種以上のカチオン性ポリマー
    (F)ジアルキルポリシロキサン及びアミノ変性シリコーンから選ばれる1種以上のシリコーン
  2. (C)両性界面活性剤がカルボベタインとスルホベタインとを含有する、請求項1記載の毛髪用洗浄剤組成物。
  3. 成分(D)の平均粒径(体積中位粒径)が、0.1〜10μmである、請求項1又は2記載の毛髪用洗浄剤組成物。
  4. 成分(D)と成分(E)の合計含有量が0.01〜2.0重量%であり、成分(D)の含有量と、成分(E)との重量比〔成分(D)/成分(E)〕が0.1〜10.0である、請求項1〜3のいずれか1項記載の毛髪用洗浄剤組成物。
  5. 成分(A)と成分(B)と成分(C)との合計含有量と、成分(D)と成分(E)との合計含有量との重量比[成分(D)+成分(E)]/[成分(A)+成分(B)+成分(C)]が、0.005〜0.1である、請求項1〜4のいずれか1項記載の毛髪用洗浄剤組成物。
  6. 成分(A)の含有量が1〜10重量%である請求項1〜5のいずれか1項記載の毛髪用洗浄剤組成物。
  7. 成分(B)の含有量が1〜20重量%である請求項1〜6のいずれか1項記載の毛髪用洗浄剤組成物。
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