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JP5482406B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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JP5482406B2
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Description

本発明は、電気モータ及び電池と高圧ケーブルを介して接続されている電力変換装置に関する。
内燃機関と電気モータの両方を駆動源として有するハイブリッド車両や、電気モータを駆動源として備えた電気自動車等には、電池から供給される直流電力と電気モータへ出力する交流電力との間で双方向変換する電力変換装置が備えられている。
このような電力変換装置は、電気モータ及び電池と高圧ケーブルを介して接続されている(特許文献1参照)。
特開2007−290616号公報
ところで、自動車には、右ハンドル車と左ハンドル車が存在する。右ハンドル車と左ハンドル車とで電気モータや電池を含め車両の搭載部品の配置位置が異なる。そのため、電力変換装置を右ハンドル車と左ハンドル車に適用しようとする場合には、電力変換装置に対する高圧ケーブルの接続方向も異なる。
そのため、従来は、右ハンドル車と左ハンドル車に対応しようとする場合、高圧ケーブルの接続方向が異なる2種類の電力変換装置を用意する必要があるという問題があった。
そこで、本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、2種類の電力変換装置を用意することなく、1種類の電力変換装置でも左ハンドル車又は右ハンドル車に対し簡便に高圧ケーブルを接続することができる電力変換装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、電力変換回路の一部を構成する複数の半導体モジュールと、前記半導体モジュールに電気的に接続され、前記半導体モジュールを制御する制御回路部と、前記半導体モジュールに電気的に接続され、前記半導体モジュールに電力を入出させるバスバーと、前記バスバーと外部から電力を入出させる高圧ケーブルとが搭載され、前記バスバー及び前記高圧ケーブルが接続される端子台と、前記半導体モジュールと前記バスバーと前記端子台を収納する格納ケースとを有する電力変換装置であって、前記格納ケースは、前記高圧ケーブルを挿通可能な第1の挿通孔及び第2の挿通孔と、前記高圧ケーブルと前記端子台との結合作業を行うために前記端子台に対向して形成された作業孔と、前記第1の挿通孔及び前記第2の挿通孔のうち前記高圧ケーブルが挿通されていない孔を閉塞する挿通孔蓋と、前記作業孔を閉塞する作業孔蓋とを備え、前記第1の挿通孔と前記第2の挿通孔とは、前記端子台を挟んで互いに対向する位置に形成され、前記作業孔は、前記第1の挿通孔と前記第2の挿通孔とを結ぶ方向と直交する方向に形成されていることを特徴とする。
上記のように構成することによって、電力変換装置の格納ケースに端子台を挟んで互いに対向する位置に第1の挿通孔と第2の挿通孔を形成することができる。そのため、電力変換装置に対して180度異なる2方向いずれの方向からでも高圧ケーブルを接続することができる。よって、本発明によれば、右ハンドル車と左ハンドル車に対応するために高圧ケーブルの接続方向が異なる2種類の電力変換装置を用意する必要がなく、1種類の電力変換装置でも左ハンドル車又は右ハンドル車に対し簡便に高圧ケーブルを接続することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電力変換装置であって、前記端子台は、前記半導体モジュール及び前記制御回路部よりも前記作業孔側に位置するように配置されていることを特徴とする。
このように構成すれば、端子台は半導体モジュール及び制御回路部よりも作業孔側に配置される。よって、本発明によれば、格納ケース内において第1の挿通孔及び第2の挿通孔との間に高圧ケーブルの挿通用の空間を確保することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の電力変換装置であって、前記半導体モジュールを放熱するために、前記半導体モジュールと密接された冷却器を備え、前記端子台は、前記冷却器及び前記半導体モジュールよりも前記作業孔側に位置するように配置されていることを特徴とする。
このように構成すれば、端子台は電力変換装置を占める割合が大きい冷却器よりも作業孔側に配置される。よって、本発明によれば、格納ケース内において第1の挿通孔及び第2の挿通孔との間に高圧ケーブルの挿通用の空間を確保することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の電力変換装置であって、電力変換回路の一部を構成し前記半導体モジュールに電気的に接続されたコンデンサ部をさらに備え、前記端子台は、前記コンデンサ部よりも前記作業孔側に位置するように配置されていることを特徴とする。
このように構成すれば、端子台は電力変換装置を占める割合が大きいコンデンサ部よりも作業孔側に配置される。よって、本発明によれば、格納ケース内において第1の挿通孔及び第2の挿通孔との間に高圧ケーブルの挿通用の空間を確保することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の電力変換装置であって、前記半導体モジュールを放熱するために、前記半導体モジュールと密接された冷却器を備え、前記コンデンサ部は、前記制御回路部及び前記冷却器よりも前記作業孔側に設けられ、前記作業孔側からみて、前記端子台、前記コンデンサ部、前記冷却器、前記制御回路部の順で配置されていることを特徴とする。
このように構成すれば、作業孔側からみて、端子台、コンデンサ部、冷却器、制御回路部の順で配置される。そのため、端子台は電力変換装置を占める割合が大きいコンデンサ部及び冷却器よりも作業孔側に配置される。よって、本発明によれば、格納ケース内において第1の挿通孔及び第2の挿通孔との間に高圧ケーブルの挿通用の空間を確保することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の電力変換装置であって、 前記半導体モジュールを放熱するために、前記半導体モジュールと密接された冷却器を備え、前記第1の挿通孔と前記第2の挿通孔とを結ぶ方向において、前記格納ケースは、前記第1の挿通孔と前記第2の挿通孔が形成された部位が、前記冷却器が配置された部位よりも幅狭になるように形成されていることを特徴とする。

このように構成すれば、第1の挿通孔と第2の挿通孔とを結ぶ方向において、格納ケースは、第1の挿通孔と前記第2の挿通孔が形成された部位が、冷却器が配置された部位よりも幅狭になるように形成される。そのため、高圧ケーブルと第1の挿通孔又は第2の挿通孔との接合部位が、冷却器が配置された部位よりも格納ケースの内方に位置する。よって、接合部位にシールのためにかさ張る部材を用いても、当該部材を格納ケースの最外殻から外側にはみ出る量を抑えることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項4乃至6のうちいずれか1項に記載の電力変換装置であって、前記端子台は、前記コンデンサ部の前記作業孔側におけるコンデンサケースの外周部の一部として形成され、前記端子台を構成する前記コンデンサケースの外周部には、前記バスバー及び前記高圧ケーブルを共締めするための締結穴が設けられていることを特徴とする。
このように構成すれば、コンデンサケースにバスバー及び高圧ケーブルを接続するためのボルトを締結する締結穴を設けることができる。つまり、コンデンサケースと端子台とを一体化することができる。よって、本発明によれば、端子台として独立した部品を用意する必要が無く、部品点数を削減することができる。また、端子台とコンデンサ部が一体化することで格納ケースに対して端子台の組み付け位置の精度がより良くなる。よって、本発明によれば、高圧ケーブルとの相対寸法誤差を小さくすることができる。
請求項8に記載の発明は、請求項4に記載の電力変換装置であって、前記半導体モジュールを放熱するために、前記半導体モジュールと密接された冷却器を備え、前記コンデンサ部、前記冷却器、及び前記制御回路部は、前記作業孔側からみて横並びに配置され、前記端子台は、前記コンデンサ部、前記冷却器、及び前記制御回路部の並び方向とは直交する方向であって、前記コンデンサ部、前記冷却器、及び前記制御回路部よりも前記作業孔に近い位置に設けられていることを特徴とする。
このように構成すれば、作業孔側からみて、端子台、コンデンサ部、冷却器、制御回路部の順で配置される。そのため、端子台は電力変換装置を占める割合が大きいコンデンサ部及び冷却器よりも作業孔側に配置される。よって、本発明によれば、格納ケース内において第1の挿通孔及び第2の挿通孔との間に高圧ケーブルの挿通用の空間を確保することができる。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の電力変換装置であって、前記バスバーは、前記冷却器と前記コンデンサ部との間に配置され、少なくとも前記半導体モジュールと接続される端子接続部と、前記端子接続部から連続して形成され前記端子台に載置されて前記高圧ケーブルと接続されるケーブル接続部とを備え、前記端子接続部と前記ケーブル接続部は断面L字形状に形成されていることを特徴とする。
このように構成すれば、バスバーは全体としてL字形状となるように配置される。よって、本発明によれば、バスバーがコ字状に形成される場合と比較して、電力変換装置の製造時におけるバスバーの折曲工程を削減することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9に記載の電力変換装置であって、前記端子台は、前記高圧ケーブル、前記挿通孔蓋、作業孔蓋のいずれかが前記格納ケースから離間したときに、電力変換装置内の通電を遮断するインターロック部を有しており、前記高圧ケーブルと前記挿通孔蓋と前記作業孔蓋と前記インターロック部とは、それぞれ長尺状のインターロック端子部によって接続され、前記インターロック端子部は、前記高圧ケーブルと前記挿通孔蓋と前記作業孔蓋に固着され、前記インターロック部に着脱可能にされ、前記高圧ケーブルに接続された前記インターロック端子部と、前記挿通孔蓋に接続された前記インターロック端子部とは、前記端子台を挟んで対向配置され、同一仮想平面上に位置するように設けられていることを特徴とする。
このように構成すれば、作業孔蓋、高圧ケーブル、及び挿通孔蓋のいずれかが格納ケースから離間し、インターロック部とインターロック端子部との接続が1つでも抜脱した場合、電力変換装置に通電する回路が遮断される。よって、本発明によれば、電力変換装置の保守及び点検等における安全性を確保することができる。
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10に記載の電力変換装置であって、前記端子台は、前記バスバーと前記端子台とが接する面であって、前記第1の挿通孔と第2の挿通孔と対向する両端部に傾斜面を有していることを特徴とする。
このように構成すれば、端子台の両端部に傾斜面が設けられているため、端子台に対する高圧ケーブルの位置決めが傾斜面の傾斜角方向にずれても、傾斜面に接触し端子台上に摺動される。よって、本発明によれば、電力変換装置の製造時に傾斜面が高圧ケーブルを端子台上にガイドすることができる。
実施例における、電力変換装置を示す回路図。 実施例1における、電力変換装置を示す断面図。 図2における、A−A断面図。 実施例1における、端子台を示す斜視図。 実施例1におけるインターロック部を示す斜視図。 (a)は電力変換装置を右ハンドル車に適用した場合の配置図、(b)は電力変換装置を左ハンドル車に適用した場合の配置図。 実施例1において、図3とは異なる方向から高圧ケーブルを挿通した電力変換装置を示す断面図。 実施例2における、電力変換装置を示す断面図。 実施例3における、電力変換装置を示す断面図。
(実施例1)
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。なお、図1以降の説明において同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図1は、電力変換装置1の回路図を示す図である。図1に示す電力変換装置1は、昇圧コンバータ部(DC−DCコンバータ)10とインバータ部11とを有する自動車用インバータである。電力変換装置1は、電気自動車やハイブリッド自動車等の動力源である交流モータ12に通電する駆動電流の生成に用いられる。
昇圧コンバータ部10は外部電源13に接続され、昇圧コンバータ部10と外部電源13との間には、フィルタコンデンサ14が接続されている。フィルタコンデンサ14は、直流の外部電源13から昇圧コンバータ部10に入力される電源電流に含まれるリップル電流を吸収して、電源電流を安定化する。
昇圧コンバータ部10は、リアクトルコイル15とIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)素子161A(半導体素子)及びダイオード162Aを内蔵した2個の半導体モジュール16Aとを備え、入力電圧を昇圧する。リアクトルコイル15は、外部電源13側に接続されている。昇圧コンバータ部10のIGBT素子161Aはリアクトルコイル15の交流モータ12側に接続され、各IGBT素子161Aにダイオード162Aが一対として接続されている。IGBT素子161Aは、制御回路部25(図2参照)による制御によりスイッチング動作を行う。
また、昇圧コンバータ部10のIGBT素子161Aとインバータ部11との間には、平滑コンデンサ17が接続されている。平滑コンデンサ17は、断続電流となる昇圧コンバータ部10の出力電流を平滑化して、安定した直流電流をインバータ部11に入力させる。
インバータ部11は、IGBT素子161B(半導体素子)及びダイオード162Bを内蔵した6個の半導体モジュール16Bとスナバコンデンサ18とを備えている。インバータ部11のIGBT素子161Bは平滑コンデンサ17に接続され、各IGBT素子161Bにダイオード162Bが一対となって接続されている。IGBT素子161Bは制御部23(図2参照)による制御によりスイッチング動作を行う。スナバコンデンサ18は、IGBT素子161Bに接続され、IGBT素子161Bの動作時に発生する電圧サージを抑制して、過電圧によるIGBT素子161Bの破損を防止している。
また、インバータ部11には、三相の交流モータ12が接続されており、インバータ部11によって生成された駆動電流が交流モータ12に供給される。
図2は実施例1における電力変換装置1の断面図、図3は図2におけるA−A断面図、図4は実施例1における端子台24の斜視図、図5は実施例1におけるインターロック部34を示す斜視図である。
電力変換装置1は、図2に示すように、半導体モジュール16A、16B、冷却器20、リアクトル装置21、コンデンサ部22、バスバー23、端子台24、制御回路部25、及びインターロック部34が格納ケース26に収容されて構成されている。リアクトル装置21は、リアクトルコイル15を含み、コンデンサ部22はフィルタコンデンサ14、平滑コンデンサ17、及びスナバコンデンサ18を含んでいる。
なお、以下の説明では、高圧ケーブル30を電力変換装置1に組み付ける状態、つまり、後述する作業孔35が上を向いた状態を基準として、「上」及び「下」を述べるものとする。
半導体モジュール16A、16Bからは信号端子27と主電極端子28が突出して形成されており、信号端子27と主電極端子28とは180度反対側からそれぞれ突出している。
冷却器20は、半導体モジュール16A、16Bを冷却する。冷却器20は図2に示すように、半導体モジュール16A、16Bを両面から挟持するように配置される複数の冷却管201と冷媒導入管202、及び冷媒排出管(不図示)とを有し、偏平直方体状に形成されている。各冷却管201は、その内部に冷媒流路203を有しており、この冷媒流路203に冷却媒体が流通する。また、複数の冷却管201の両端がそれぞれ連結され、2箇所のヘッダ部(不図示)を形成している。そして、冷却管201の間には半導体モジュール16A、16Bが配置され、冷却管201と半導体モジュール16A、16Bとが交互に積層されている。これにより、全ての半導体モジュール16A、16Bは、その両面を冷却管201により挟持された状態となっている。
また、冷却器20の端部には冷媒導入管202と冷媒排出管(不図示)とがそれぞれ設けてある。冷媒導入管202と冷媒排出管(不図示)とは、冷却器20の積層方向の一端に配された冷却管201であって、2箇所のヘッダ部(不図示)の端部に接続されている。そして、冷媒導入管202から導入された冷却媒体(冷却水)を冷媒流路203に流通させ冷媒排出管(不図示)から排出することにより、半導体モジュール16を両面から冷却することができる。
図2に示すように、上記冷却器20の端部であって、冷却管201と冷媒導入管202と冷媒排出管(不図示)との間の空間にはリアクトル装置21が配置されている。
また、冷却器20の下方、つまり半導体モジュール16A、16Bの信号端子27側には、半導体モジュール16A、16BのIGBT素子161A、161Bを制御する制御回路部25が配置されている。制御回路部25は基板上に制御回路が設けられて構成されている。半導体モジュール16A、16Bの信号端子27は、制御回路部25に接続されている。
冷却器20の上方、つまり半導体モジュール16A、16Bの主電極端子28側には、半導体モジュール16A、16Bに対して電力を入出させるバスバー23が配置されている。半導体モジュール16A、16Bの主電極端子28はバスバー23に接続されている。バスバー23の上方、つまり、バスバー23を挟んで冷却器20及び半導体モジュール16A、16Bの反対側には、コンデンサ部22が配置されている。コンデンサ部22は直方体状に形成され、コンデンサケース221内にフィルタコンデンサ14、平滑コンデンサ17、及びスナバコンデンサ18を収容して構成されている。コンデンサ部22からは、フィルタコンデンサ14、平滑コンデンサ17、及びスナバコンデンサ18に適宜接続されたコンデンサ端子222が突出し、バスバー23に接続されている。
バスバー23は、端子接続部23Aと延設部23Bとケーブル接続部23Cとを備え、断面コ字状に屈曲形成されている。端子接続部23Aは冷却器20とコンデンサ部22との間に配置され、上下方向と直交する方向、つまり水平方向に延びるように形成されている。この端子接続部23Aと主電極端子28とコンデンサ端子222とが接続されている。延設部23Bは端子接続部23Aと連続して形成され、コンデンサ部22の側面に沿って上下方向に延びるように形成されている。延設部23Bはコンデンサ部22の上端部よりも上方に延設されている。ケーブル接続部23Cは延設部23Bと連続して形成され、上下方向と直交する方向、つまり水平方向に延びるように形成されている。バスバー23のうち延設部23Bとケーブル接続部23Cは、図4に示すように、三相の交流モータ12のU相、V相、W相並びに外部電源13の正極端子(P相)、負極端子(N相)に対応するように5つに分かれている。ケーブル接続部23Cの先端部には、円形又は長円形の接合孔が設けられている。
格納ケース26の側壁には第1の挿通孔29が形成され、この第1の挿通孔29に高圧ケーブル30が挿通されている。
高圧ケーブル30は、ケーブル接続部23Cの分岐数に対応して5本挿通されている。高圧ケーブル30は、高圧ケーブル端子部301と高圧ケーブルコネクタ部302と配線部303を備えている。配線部303は、導線を絶縁被膜で覆って構成されている。高圧ケーブルコネクタ部302は、配線部303の先端に設けられている。高圧ケーブルコネクタ部302はゴム等の弾性部材で形成され、第1の挿通孔29と接合しこの第1の挿通孔29を介した格納ケース26の外部から内部への異物(例えば、水)の侵入を防止している。なお、高圧ケーブル30に高圧ケーブルコネクタ部302を設けず、配線部303と第1の挿通孔29との間に周知のOリングを介在させてもよい。高圧ケーブル端子部301の端部には、円形又は長円形の接合孔が設けられている。
コンデンサ部22の上面には、端子台24が設けられている。端子台24は略直方体状であり、冷却管201と半導体モジュール16A、16Bとの積層方向が端子台24の長手方向となっている。また、端子台24の上面にはケーブル接続部23Cが配置され、ケーブル接続部23Cの上に高圧ケーブル端子部301が配置されている。
端子台24の上面にはケーブル接続部23Cと高圧ケーブル端子部301の締結用の締結穴が5箇所並設されている。端子台24の締結孔には、ボルト31がケーブル接続部23Cの接合孔と高圧ケーブル端子部301の接合孔を貫通して締結されている。その結果、高圧ケーブル30とバスバー23とが電気的に接続されている。
端子台24の上端部であって、端子台24の長手方向と直交する方向の両縁部には、端子台24の長手方向に沿って延びる傾斜面32がそれぞれ設けられている。傾斜面32は端子台24の上面から格納ケース26の側壁に向かって傾斜している。
図4に示すように、端子台24の上面には、高圧ケーブル30の挿通方向、換言するとケーブル接続部23Cの延設方向に沿って突条のガイド部33が形成されている。ガイド部33は、直方体状に形成され、所定間隔毎に複数(本実施例では4つ)設けられている。各ガイド部33は、端子台24の締結穴を挟んで配置されており、隣接するガイド部33間の空間が高圧ケーブル30の挿通方向と平行になるように形成されている。
図5に示すように、端子台24にはインターロック部34が設けられている。インターロック部34は、高圧ケーブル30、後述する作業孔蓋36及び挿通孔蓋39のいずれかが格納ケース26から離間した場合に、電力変換装置1の作動を停止させる機能を有する。インターロック部34は、端子台24内に設けられ、高圧ケーブル30、及び作業孔蓋36、及び挿通孔蓋39と後述するインターロック端子部342A〜342Cを介して接続されている。インターロック部34の具体的構成については後述する。
格納ケース26の上壁であって、端子台24の上面と対向する位置に作業孔35が形成されている。作業孔35は、ケーブル接続部23Cと高圧ケーブル端子部301と端子台24とを締結するための作業スペースを確保するために設けられている。また、作業孔35は作業孔蓋36によって閉塞されている。作業孔蓋36には複数のねじ孔が設けられている。また、格納ケース26には、作業孔35の周縁であって、作業孔蓋36に設けられた各ねじ孔と対向する位置に締結孔が複数設けられている。格納ケース26の各締結孔には、ボルト37が作業孔蓋36に設けられたねじ孔を貫通して締結されている。
次に、本実施形態の特徴的構成について詳しく説明する。
格納ケース26の側壁に形成された第1の挿通孔29は端子台24に対向して形成されている。そして、第1の挿通孔29が形成された格納ケース26の側壁と対向する側壁には第2の挿通孔38が形成されている。つまり、第1の挿通孔29と第2の挿通孔38とは、端子台24を挟んで互いに対向する位置の格納ケース26に形成されている。
第1の挿通孔29と第2の挿通孔38は、共に5本の高圧ケーブル30を挿入可能な1つの開口から構成されている。なお、第1の挿通孔29と第2の挿通孔38を高圧ケーブル30の本数に併せて5つ形成してもよいし、交流モータ12へ接続する高圧ケーブル30用と外部電源13へ接続する高圧ケーブル30用とに分けて2つ形成してもよい。図3においては、高圧ケーブル30は第1の挿通孔29から挿通されている。また、高圧ケーブル30が挿通されていない第2の挿通孔38は、挿通孔蓋39によって閉塞されている。挿通孔蓋39には複数のねじ孔が設けられている。また、格納ケース26には第2の挿通孔38の周縁であって挿通孔蓋39に設けられた各ねじ孔と対向する位置に締結孔が複数設けられている。格納ケース26の各締結孔には、ボルト40が挿通孔蓋39に設けられた各ねじ孔を貫通して締結されている。
第1の挿通孔29の周縁には締結孔が複数設けられている。この締結孔は、第2の挿通孔38を閉塞している挿通孔蓋39の各ねじ孔と対向し得る位置に形成されている。第1の挿通孔29には高圧ケーブル30が挿通されているため、第1の挿通孔29は挿通孔蓋39によって閉塞されず、格納ケース26の外部から内部への異物(例えば、水)の侵入防止のために、ボルト41が締結されている。なお、ボルト41で第1の挿通孔29の周縁に設けられた締結孔を封止するのではなく、高圧ケーブルコネクタ部302の外周縁であって格納ケース26の外側にフランジを延設し、このフランジに締結孔を封止する突起を設け、このフランジと突起によって封止する構成にしてもよい。
また、格納ケース26内では、第1の挿通孔29と端子台24との間であり、端子台24の上面と第1の挿通孔29の上端との間には高圧ケーブル30の挿通用の空間が確保され、電力変換装置1を構成する構成部品は配置されていない。さらに、第1の挿通孔29と端子台24との間のみならず、第2の挿通孔38と端子台24との間であり、端子台24の上面と第2の挿通孔38の上端との間には高圧ケーブル30の挿通用の空間が確保され、電力変換装置1を構成する構成部品は配置されていない。その結果、第1の挿通孔29又は第2の挿通孔38を介して高圧ケーブル30を180度異なる2方向いずれの方向からでも格納ケース26内に挿通することが可能となっている。
そして、作業孔35は、端子台24の上面と対向する位置であって、第1の挿通孔29と第2の挿通孔38とを結ぶ方向と直交する方向に形成されている。また、第1の挿通孔29と第2の挿通孔38とを結ぶ方向において、端子台24と第1の挿通孔29との距離及び端子台24と第2の挿通孔38との距離は同じにされている。
端子台24内に設けられたインターロック部34は、端子台24と一体形成されており、インターロックコネクタ部341A〜341Cを有している。つまり図5に示すように、インターロック部34は3方向にインターロックコネクタ部341A〜341Cを有する三又の凸形状である。そして、このインターロックコネクタ部341A〜341Cには、作業孔蓋36の内面、高圧ケーブルコネクタ部302の内面、及び挿通孔蓋39の内面に固着され、これらからそれぞれ延びている3個のインターロック端子部342A〜342Cが接続されている。
端子台24の上面に形成されたガイド部33のうち所定の1個には、インターロック端子部342Aの挿通を可能とする孔部42が形成されている。そして、作業孔35と対向するインターロックコネクタ部341Aは端子台24の上面と面一とされており、インターロックコネクタ部341Aは、孔部42の延長線上に位置している。
また、端子台24のうち第1の挿通孔29に対向する側面と、第2の挿通孔38に対向する側面には、インターロック端子部342B、342Cの挿通を可能とする開口が形成されており、第1の挿通孔29に対向するインターロックコネクタ部341B及び第2の挿通孔38に対向するインターロックコネクタ部341Cの先端とそれぞれ面一となっている。
また、高圧ケーブルコネクタ部302の内面、及び挿通孔蓋39の内面に固着されたインターロック端子部342B、342Cは、端子台24を挟んで対向配置され、同一仮想平面上に位置するように設けられている。その結果、第1の挿通孔29及び第2の挿通孔38に、挿通孔蓋39及び高圧ケーブルコネクタ部302のいずれが配置されてもインターロック端子部342B、342Cとインターロックコネクタ部341B、34Cの位置関係は変わらないようになっている。
この結果、インターロックコネクタ部341A〜341Cが端子台24からそれぞれ作業孔蓋36、高圧ケーブル30、及び挿通孔蓋39方向に対して露出している。そして、作業孔蓋36、高圧ケーブルコネクタ部302、及び挿通孔蓋39を、格納ケース26と接合させた際、インターロックコネクタ部341A〜341Cとインターロック端子部342A〜342Cの先端が接続し、電力変換装置1に通電する回路が形成される。つまり、作業孔蓋36、高圧ケーブル30、及び挿通孔蓋39のいずれかが格納ケース26から離間しインターロックコネクタ部341A〜341Cとインターロック端子部342A〜342Cとの接続が1つでも抜脱した場合、電力変換装置1に通電する回路が遮断されることになる。
次に、上記のように構成された電力変換装置1を右ハンドル車、左ハンドル車に適用する態様について説明する。
図6は電力変換装置1、エンジン、モータ、及びバッテリを右ハンドル車及び左ハンドル車に適用した場合の配置図を示している。エンジン、モータはハンドルから車両前方方向に配置されている。電力変換装置1はエンジン、モータの配置位置から車両の側面方向に配置されている。またバッテリは車両の後方に配置されている。
図6(a)に示すように電力変換装置1を右ハンドル車に適用した場合、エンジン、モータ、及びバッテリは紙面右方向から電力変換装置1に接続される。一方、図6(b)に示すように電力変換装置1を左ハンドル車に適用した場合、エンジン、モータ、及びバッテリは紙面左方向から電力変換装置1に接続される。
ここで、実施例1においては、電力変換装置1を右ハンドル車に適用する場合には、図3に示すように、第2の挿通孔38が挿通孔蓋39で閉塞され、第1の挿通孔29が開放される。そして、第1の挿通孔29の周囲に設けられた締結孔がボルト37で封止される。このとき、挿通孔蓋39に設けられたインターロック端子部342Cと端子台24に設けられたインターロックコネクタ部341Cとが接続される。
高圧ケーブル30の接続工程においては、作業孔蓋36が外され作業孔35が開放された状態で、作業者は、高圧ケーブル30を第1の挿通孔29に挿通し、高圧ケーブル端子部301をケーブル接続部23Cの先端に重ね合わせるとともに、高圧ケーブル端子部301の接合孔とケーブル接続部23Cの接合孔を重ね合わせる。このとき、高圧ケーブルコネクタ部302に設けられたインターロック端子部342Bと端子台24に設けられたインターロックコネクタ部341Bとが接続される。
その後、作業者は、ボルト31を工具とともに上方から作業孔35に挿入し、ボルト31を高圧ケーブル30の接合孔とケーブル接続部23Cの接合孔とを貫通させ、端子台24の締結孔241に締結する。その結果、高圧ケーブル端子部301とケーブル接続部23Cとが端子台24に共締めされる。その後、作業孔35を作業孔蓋36で閉塞する。
一方、電力変換装置1を左ハンドル車に適用する場合には、図7に示すように、第1の挿通孔29が挿通孔蓋39で閉塞され、第2の挿通孔38が開放される。そして、第2の挿通孔38の周囲に設けられた締結孔がボルト40で封止される。このとき、挿通蓋39に設けられたインターロック端子部342Cと端子台24に設けられたインターロックコネクタ部341Bとが接続される。
高圧ケーブル30の接続工程においては、作業孔36が開放された状態で、作業者は、高圧ケーブル30を第2の挿通孔38に挿通し、高圧ケーブル端子部301をケーブル接続部23Cの先端に重ね合わせるとともに、高圧ケーブル端子部301の接合孔とケーブル接続部23Cの接合孔を重ね合わせる。このとき、高圧ケーブルコネクタ部302に設けられたインターロック端子部342Bと端子台24に設けられたインターロックコネクタ部341Cとが接続される。
ここで、格納ケース26内では、第1の挿通孔29と端子台24との間並びに第2の挿通孔38と端子台24との間であって、端子台24の上面と第1の挿通孔29の上端との間には高圧ケーブル30の挿通用の空間が確保され、電力変換装置1を構成する構成部品は配置されていない。そのため、作業者は、第2の挿通孔38からでも、180度異なる方向に配置された第1の挿通孔29と同様に、高圧ケーブル30を挿入し、ケーブル接続部23Cの先端部に高圧ケーブル端子部301の先端部を接合させることができる。
また、左ハンドル車への適用時には、右ハンドル車への適用の時と、高圧ケーブル30及び挿通孔蓋39の配置が逆になるため、インターロック端子部342B、342Cが接続されるインターロックコネクタ部341B、34Cが異なることとなる。しかし、インターロック部34を三又の凸形状に形成し、高圧ケーブルコネクタ部302、及び挿通孔蓋39に固着されたインターロック端子部342B、342Cを同一仮想平面上に位置するように設けているため、インターロック部34は右ハンドル車と左ハンドル車との場合で共用される。
その後、作業者は、ボルト31を工具とともに上方から作業孔35に挿入し、ボルト31を高圧ケーブル30の接合孔とケーブル接続部23Cの接合孔とを貫通させ、端子台24の締結孔241に締結する。その結果、高圧ケーブル端子部301とケーブル接続部23Cとが端子台24に共締めされる。その後、作業孔35を作業蓋36で閉塞する。
次に、実施例1の作用効果について説明する。
実施例1においては、電力変換装置1の格納ケース26に端子台24を挟んで互いに対向する位置に第1の挿通孔29と第2の挿通孔38を形成することができる。そのため、電力変換装置1に対して180度異なる2方向いずれの方向からでも高圧ケーブル30を接続することができ、高圧ケーブル30の配線方向に自由度を持たせることができる。よって、右ハンドル車と左ハンドル車に対応するために高圧ケーブル30の接続方向が異なる2種類の電力変換装置1を用意する必要がなく、1種類の電力変換装置1でも左ハンドル車又は右ハンドル車に対し簡便に高圧ケーブル30を接続することができる。
また、端子台24は半導体モジュール16A、16B及び制御回路部25よりも作業孔35側に配置される。さらに、端子台24は電力変換装置1を占める割合が大きい冷却器20及びコンデンサ部22よりも作業孔35側に配置される。そして、作業孔35側からみて、端子台24、コンデンサ部22、冷却器20、制御回路部25の順で配置される。そのため、端子台24は電力変換装置1を占める割合が大きいコンデンサ部22及び冷却器20よりも作業孔35側に配置される。よって、格納ケース26内において第1の挿通孔29及び第2の挿通孔38との間に高圧ケーブル30の挿通用の空間を確保することができる。
また、作業孔蓋36、高圧ケーブル30、及び挿通孔蓋39のいずれかが格納ケース26から離間し、インターロック部34のインターロックコネクタ部341A〜341Cとインターロック端子部342A〜342Cとの接続が1つでも抜脱した場合、電力変換装置1に通電する回路が遮断される。よって、電力変換装置1の保守及び点検等における安全性を確保することができる。
また、端子台24の両端部に傾斜面32が設けられているため、端子台24に対する高圧ケーブル30の位置決めが傾斜面32の傾斜角方向にずれても、傾斜面32に接触し端子台24上に摺動される。よって、電力変換装置1の製造時に傾斜面32が高圧ケーブル30を端子台24上にガイドすることができる。
(実施例2)
図8は実施例2における電力変換装置1の断面図を示している。
実施例2は、端子台24がコンデンサ部22の作業孔35側におけるコンデンサケース221の外周部の一部として形成され、コンデンサケース221にバスバー23及び高圧ケーブル30と接続するための締結穴が設けられている点で実施例1と異なる。また、第1の挿通孔29と第2の挿通孔38とを結ぶ方向において、格納ケース26は、第1の挿通孔29と第2の挿通孔38が形成された部位が、冷却器20が配置された部位よりも幅狭になるように形成されている点で実施例1と異なる。
具体的に実施例2では、コンデンサ部22と別途で端子台24は設けられておらず、作業孔35と対向するコンデンサケース221に、バスバー22及び高圧ケーブル30と接続するための締結穴が設けられている。そして、ケーブル接続部23C及び高圧ケーブル端子部301はコンデンサケース221の上に配置されている。これらのケーブル接続部23C及び高圧ケーブル端子部301はコンデンサ部22におけるコンデンサケース221の各締結穴に、ボルト31が締結されることで共締めされている。この結果、コンデンサケース221と端子台24とを一体化することができる。よって、端子台24として独立した部品を用意する必要が無く、部品点数を削減することができる。また、端子台24とコンデンサ部22が一体化することで、格納ケース26に対して端子台24の組み付け位置の精度がより良くなる。よって、高圧ケーブル30との相対寸法誤差を小さくすることができる。
また、実施例2は、第1の挿通孔29と第2の挿通孔38とを結ぶ方向において、格納ケース26は、第1の挿通孔29と第2の挿通孔38が形成された部位が、冷却器20が配置された部位よりも幅狭になるように形成されている。具体的に格納ケース26には、作業孔35側からみてコンデンサ部22、冷却器20、制御回路部25という並び方向の中で、コンデンサ部22と冷却器20との間に段部43が形成されている。
言い換えて説明すると、図8に示すように、第1の挿通孔29と第2の挿通孔38との距離(図8、L1)が高圧ケーブル30の軸方向における格納ケース26の冷却器20が配置された部位における壁面間距離(図8、L2)より短くなっている。
そのため、格納ケース26が幅狭になった分だけ、段部43より上方であって、第1の挿通孔29又は第2の挿通孔38から外方に向かって格納ケース26における冷却器20が配置された部位の壁面まで破線に示すスペース44を確保することができる。そして、このスペース44には、第1の挿通孔29と接合する高圧ケーブルコネクタ部302が配置されている。そのため、高圧ケーブル30と第1の挿通孔29又は第2の挿通孔38との接合部位が、冷却器20が配置される部位よりも格納ケース26の内方に位置する。よって、接合部位にシールのためにかさ張る部材を用いても、当該部材を格納ケース26の最外殻から外側にはみ出る量を抑えることができる。
また、実施例2では、コンデンサ部22から突出するコンデンサ端子222は水平方向に突出しており、延設部23Bと略直交し接続されている。そのため、コンデンサ部22から延設部23Bまでの距離を短くし、主電極端子28や高圧ケーブル30との絶縁距離を確保することができる。
なお、上記以外の構成は実施例1と同様である。
(実施例3)
図9は実施例3における電力変換装置1の断面図を示している。
実施例3は、コンデンサ部22、冷却器20、及び制御回路部25が、作業孔35側からみて横並びに配置され、端子台24がコンデンサ部22、冷却器20、及び制御回路部25の並び方向とは直交する方向であって、コンデンサ部22、冷却器20、及び制御回路部25よりも作業孔35に近い位置に設けられている点で実施例1、実施例2と異なる。また、バスバー23は全体としてL字形状を有している点で実施例1、実施例2と異なる。
具体的に実施例3では、半導体モジュール16A、16Bが積層配置された冷却器20とコンデンサ部22とバスバー23と制御回路部25は、格納ケース26の底面(下面)に対して水平方向に積層配置されている。バスバー23は、端子台24と接続するために1箇所屈折部を有する断面L字形状に形成されている。具体的には、バスバー23は、端子接続部23Aとケーブル接続部23Cとを備えて構成されている。端子接続部23Aは冷却器20とコンデンサ部22との間に配置され、上下方向延びるように形成されている。そして、この端子接続部23Aはコンデンサ部22及び冷却器20の上端部よりも上方に延設されている。ケーブル接続部23Cは端子接続部23Aと連続して形成され、上下方向と直交する方向、つまり水平方向に延びるように形成されている。その他のケーブル接続部23Cの具体的構成は実施例1、実施例2と同じである。バスバー23は全体としてL字形状を有しているため、実施例1、実施例2においてバスバー23がコ字状に形成される場合と比較して屈折部が一つ少ない。従って、電力変換装置1の製造時におけるバスバー23の折曲工程を削減することができる。
端子台24は、冷却器20の鉛直上方、つまり半導体モジュール16A、16B及び冷却管201の積層方向と直交する方向に配置されている。なお、端子台24をコンデンサ部22の鉛直上方、又は制御回路部25の鉛直上方に配置してもよい。
また実施例3は、第1の挿通孔29と第2の挿通孔38とを結ぶ方向において、格納ケース26は、第1の挿通孔29と第2の挿通孔38が形成された部位が、冷却器20が配置された部位、つまり、コンデンサ部22、冷却器20及び制御回路部25が積層配置された部位よりも幅狭になるように形成されている。具体的には、上下方向において、格納ケース26には、端子台24と、コンデンサ部22、冷却器20及び制御回路部25との間に段部43が形成されている。そのため、第1の挿通孔29と第2の挿通孔38とを結ぶ方向において、格納ケース26における端子台24と対向する部位が幅狭に形成されている。第1の挿通孔29と第2の挿通孔38は端子台24と対向配置されているため、格納ケース26が幅狭になった分だけ、段部43より上方であって、第1の挿通孔29又は第2の挿通孔38から外方に向かって格納ケース26におけるコンデンサ部22、冷却器20及び制御回路部25が配置された部位の壁面まで破線に示すスペース44を確保することができる。このスペース44の効果は実施例2と同じであるため、省略する。
なお、上記以外の構成は実施例1と同様である。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されることはなく、本発明の技術的範囲に存在する限り、以下のように変形させてもよい。
・車両搭載時には作業孔35は上方を向いていなくても、車両の側方又は下方を向いて配置されるようにしてもよい。
・実施例3では、コンデンサ部22、冷却器20及び制御回路部25の積層方向と第1の挿通孔29と第2の挿通孔38とを結ぶ方向とは一致していたが、コンデンサ部22、冷却器20及び制御回路部25の積層方向と第1の挿通孔29と第2の挿通孔38とを結ぶ方向とが直交するように配置してもよい。
・実施例1〜3では冷却水を冷却媒体として使用する冷却器を用いたが、空気で冷却する冷却器20を用いてもよい。
・実施例1〜3では冷却管201と半導体モジュール16A、16Bとを積層して構成される冷却器20を用いて説明したが、冷却器20の上に半導体モジュール16A、16Bを平面配置する構成を採用してもよい。
・実施例1〜3では格納ケース26に冷却器20とコンデンサ部22を配置したが、コンデンサ部22を格納ケース26内に設けず別体で構成してもよい。また、半導体モジュール16A、16Bの冷却性能が確保できるのであれば、冷却器20を設けず、例えば格納ケース26の内面に半導体モジュール16A、16Bを密着させて放熱させる構成にしてもよい。
・実施例1〜3では、バスバー23を屈曲形成したが、直線状のバスバー23を溶接で組み合わせてもよい。
・実施例1〜3では、第1の挿通孔29から端子台24までの距離と第2の挿通孔38から端子台24までの距離とを等しくしたが、異ならせてもよい。
・実施例1〜3では、バスバー23の延設部23Bとケーブル接続部23Cのつなぎ部分をL字形状としているが、第1の挿通孔29又は第2の挿通孔38から挿通される高圧ケーブル30をガイドするためテーパ形状としてもよい。
1 電力変換装置
20 冷却器
21 リアクトル装置
22 コンデンサ部
221 コンデンサケース
23 バスバー
23A 端子接続部
23B 延設部
23C ケーブル接続部
24 端子台
25 制御回路部
26 格納ケース
29 第1の挿通孔
30 高圧ケーブル
301 高圧ケーブル端子部
302 高圧ケーブルコネクタ部
303 配線部
32 傾斜面
34 インターロック部
341A、341B、341C インターロックコネクタ部
342A〜342C インターロック端子部
35 作業孔
36 作業孔蓋
38 第2の挿通孔
39 挿通孔蓋
43 段部
44 スペース

Claims (11)

  1. 電力変換回路の一部を構成する複数の半導体モジュール(16A、16B)と、
    前記半導体モジュール(16A、16B)に電気的に接続され、前記半導体モジュール(16A、16B)を制御する制御回路部(25)と、
    前記半導体モジュール(16A、16B)に電気的に接続され、前記半導体モジュール(16A、16B)に電力を入出させるバスバー(23)と、
    前記バスバー(23)と外部から電力を入出させる高圧ケーブル(30)とが搭載され、前記バスバー(23)及び前記高圧ケーブル(30)が接続される端子台(24)と、
    前記半導体モジュール(16A、16B)と前記バスバー(23)と前記端子台(24)を収納する格納ケース(26)とを有する電力変換装置(1)であって、
    前記格納ケース(26)は、前記高圧ケーブル(30)を挿通可能な第1の挿通孔(29)及び第2の挿通孔(38)と、
    前記高圧ケーブル(30)と前記端子台(24)との結合作業を行うために前記端子台(24)に対向して形成された作業孔(35)と、
    前記第1の挿通孔(29)及び前記第2の挿通孔(38)のうち前記高圧ケーブル(30)が挿通されていない孔を閉塞する挿通孔蓋(39)と、
    前記作業孔を閉塞する作業孔蓋(36)とを備え、
    前記第1の挿通孔(29)と前記第2の挿通孔(38)とは、前記端子台(24)を挟んで互いに対向する位置に形成され、
    前記作業孔(35)は、前記第1の挿通孔(29)と前記第2の挿通孔(38)とを結ぶ方向と直交する方向に形成されていること、
    を特徴とする電力変換装置(1)。
  2. 前記端子台(24)は、前記半導体モジュール(16A、16B)及び前記制御回路部(25)よりも前記作業孔(35)側に位置するように配置されていること、
    を特徴とする請求項1に記載の電力変換装置(1)。
  3. 前記半導体モジュール(16A、16B)を放熱するために、前記半導体モジュール(16A、16B)と密接された冷却器(20)を備え、
    前記端子台(24)は、前記冷却器(20)及び前記半導体モジュール(16A、16B)よりも前記作業孔(35)側に位置するように配置されていること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載の電力変換装置(1)。
  4. 電力変換回路の一部を構成し前記半導体モジュール(16A、16B)に電気的に接続されたコンデンサ部(22)をさらに備え、
    前記端子台(24)は、前記コンデンサ部(22)よりも前記作業孔(35)側に位置するように配置されていること、
    を特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の電力変換装置(1)。
  5. 前記半導体モジュール(16A、16B)を放熱するために、前記半導体モジュール(16A、16B)と密接された冷却器(20)を備え、
    前記コンデンサ部(22)は、前記制御回路部(25)及び前記冷却器(20)よりも前記作業孔(35)側に設けられ、
    前記作業孔(35)側からみて、前記端子台(24)、前記コンデンサ部(22)、前記冷却器(20)、前記制御回路部(25)の順で配置されていること、
    を特徴とする請求項4に記載の電力変換装置(1)。
  6. 前記半導体モジュール(16A、16B)を放熱するために、前記半導体モジュール(16A、16B)と密接された冷却器(20)を備え、
    前記第1の挿通孔(29)と前記第2の挿通孔(38)とを結ぶ方向において、前記格納ケース(26)は、前記第1の挿通孔(29)と前記第2の挿通孔(38)が形成された部位が、前記冷却器(20)が配置された部位よりも幅狭になるように形成されていること、
    を特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の電力変換装置(1)
  7. 前記端子台(24)は、前記コンデンサ部(22)の前記作業孔(35)側におけるコンデンサケース(221)の外周部の一部として形成され、
    前記端子台(24)を構成する前記コンデンサケース(221)の外周部には、前記バスバー(23)及び前記高圧ケーブル(30)を共締めするための締結穴が設けられていること、
    を特徴とする請求項4乃至6のうちいずれか1項に記載の電力変換装置(1)。
  8. 前記半導体モジュール(16A、16B)を放熱するために、前記半導体モジュール(16A、16B)と密接された冷却器(20)を備え、
    前記コンデンサ部(22)、前記冷却器(20)、及び前記制御回路部(25)は、前記作業孔(35)側からみて横並びに配置され、
    前記端子台(24)は、前記コンデンサ部(22)、前記冷却器(20)、及び前記制御回路部(25)の並び方向とは直交する方向であって、前記コンデンサ部(22)、前記冷却器(20)、及び前記制御回路部(25)よりも前記作業孔(35)に近い位置に設けられていること、
    を特徴とする請求項4に記載の電力変換装置(1)。
  9. 前記バスバー(23)は、前記冷却器(20)と前記コンデンサ部(22)との間に配置され、
    少なくとも前記半導体モジュール(16A、16B)と接続される端子接続部(23A)と、
    前記端子接続部(23A)から連続して形成され前記端子台(24)に載置されて前記高圧ケーブル(30)と接続されるケーブル接続部(23C)とを備え、
    前記端子接続部(23A)と前記ケーブル接続部(23C)は断面L字形状に形成されていること、
    を特徴とする請求項8に記載の電力変換装置(1)。
  10. 前記端子台(24)は、前記高圧ケーブル(30)、前記挿通孔蓋(39)、作業孔蓋(36)のいずれかが前記格納ケース(26)から離間したときに、電力変換装置(1)内の通電を遮断するインターロック部(34)を有しており、
    前記高圧ケーブル(30)と前記挿通孔蓋(39)と前記作業孔蓋(36)と前記インターロック部(34)とは、それぞれ長尺状のインターロック端子部(342A〜342C)によって接続され、
    前記インターロック端子部(342A〜342C)は、前記高圧ケーブル(30)と前記挿通孔蓋(39)と前記作業孔蓋(36)に固着され、前記インターロック部(34)に着脱可能にされ、
    前記高圧ケーブル(30)に接続された前記インターロック端子部(342A〜342C)と、前記挿通孔蓋(39)に接続された前記インターロック端子部(342A〜342C)とは、前記端子台(24)を挟んで対向配置され、同一仮想平面上に位置するように設けられていること、
    を特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載の電力変換装置(1)。
  11. 前記端子台(24)は、前記バスバー(23)と前記端子台(24)とが接する面であって、前記第1の挿通孔(29)と第2の挿通孔(38)と対向する両端部に傾斜面(32)を有していること、
    を特徴とする請求項1乃至10のうちいずれか1項に記載の電力変換装置(1)。
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