本発明に係る物品搬送装置を自動倉庫に適応した実施形態を図面に基づいて説明する。
この自動倉庫は、図1及び図2に示すように、クリーンルーム内に設置されており、物品収納部1を縦横に並べて複数備えた物品収納棚2と、物品収納棚2の前方の移動空間3を移動して物品収納部1に支持された物品4を取り出す又は物品収納部1に物品4を卸す作業を行う物品搬送装置としてのスタッカークレーン5とが設けられている。そして、図示は省略するが、クリーンルームでは、天井部から複数の孔部が形成された床部に向けて浄化空気を通風して浮遊する塵埃を床部の下方に排出するように構成されている。前記物品4は、例えば、複数のガラス基板を収納した収納カセットにて構成されている。
前記物品収納棚2は、前方側を互いに向かい合わせてその間に移動空間3を形成する状態で一対設けられている。各物品収納棚2は、棚横幅方向に間隔を隔てて立設された前後一対の支柱6と、前後一対の支柱6に亘る状態で支持されて棚上下方向に間隔を隔てて設けられた載置支持部7とから構成されている。そして、各物品収納部1は、左右一対の載置支持部7により物品4の棚横幅方向の両端部を載置支持する状態で物品4を収納するように構成されている。
前記物品収納部1は、物品として、図4に示すように、ガラス基板等の板状物品を保持可能な物品保持体4を収納自在に構成されている。前記物品保持体4は、格子状に形成された上枠体4a及び下枠体4bと、上枠体4aと下枠体4bとを連結する複数の連結体4cと、連結体4cに上下方向に間隔を隔てて設置されて水平方向に対向する連結体4c同士を連結するワイヤ状の支持部4dとから構成されている。そして、各支持部4dにて載置支持する状態で板状物品を上下方向に間隔を隔てて並べて保持しており、物品保持体4の上部、下部、及び、側部の全てにおいて空気流動可能に構成されている。なお、以下では、物品保持体4を単に物品4として説明する。
外部から物品収納棚2へ物品4を搬入する又は物品収納棚2から外部に物品4を搬出するための物品搬出入部8が、棚横幅方向において物品収納棚2に隣接する箇所に設置されている。物品搬出入部8は、例えば、物品4を載置搬送する搬送コンベヤにて構成されている。
また、物品搬出入部8の他に、物品4に対して所定の処理を行う物品処理設備9との間で物品4の搬出入を行うための物品搬出入用の物品載置部10が設けられている。この物品載置部10は、図1に示すように、物品収納棚2における一番下段に相当する物品収納部1に代えて備えられている。そして、物品処理設備9が、物品収納棚2の前後幅方向において物品収納棚2に隣接する箇所に設けられ、物品載置部10が、物品収納棚2の前後幅方向において物品処理設備9に隣接する箇所に設けられている。
前記物品載置部10では、スタッカークレーン5にて物品4が卸されると、図外の位置規制装置にて物品4を授受用適正位置に位置規制する。そして、物品4である収納カセットに収納されたガラス基板に対して物品処理設備9にて所定の処理を行うときには、物品処理設備9に備えた移載装置が、物品4である収納カセットからガラス基板を1枚ずつ取り出す。また、物品処理設備9における所定の処理が終了したガラス基板を物品4である収納カセットに収納するときには、物品処理設備9に備えた移載装置が位置規制装置にて授受用適正位置に位置規制された物品4である収納カセットに1枚ずつ収納する。
前記移動空間3には、物品収納棚2の棚横幅方向の全範囲及び物品搬出入部8に亘る移動経路としての走行レール11が床部に左右一対設置されている。そして、スタッカークレーン5が走行レール11上を水平移動するように設けられている。前記スタッカークレーン5は、図3に示すように、走行レール11に沿って走行自在な移動体としての走行台車12、その走行台車12に立設された昇降マスト13に沿って昇降自在な昇降台14、その昇降台14に装着された物品移載装置15を備えて構成されている。
前記スタッカークレーン5は、走行台車12の走行作動、昇降台14の昇降作動、及び、物品移載装置15の移載作動により、物品収納部1、物品搬出入部8、及び、物品載置部10に支持された物品4を取り出す又は物品収納部1、物品搬出入部8、及び、物品載置部10に物品4を卸すように構成されている。
そして、物品支持部41が、物品収納部1、物品搬出入部8、及び、物品載置部10を含めて構成されている。
前記スタッカークレーン5において、昇降マスト13は、走行台車12の前端部と後端部の夫々に1つずつ前後一対設けられている。そして、昇降マスト13の上端部には、前後一対の昇降マスト13の上端部同士を連結する上部フレーム16が設けられている。
前記昇降台14は、走行台車12に立設した前後一対の昇降マスト13にて昇降自在に案内支持されており、その左右両側に連結した一対の昇降用ワイヤ17にて吊下げ支持されている。前記昇降用ワイヤ17の夫々は、昇降マスト13の上部に設けられた案内プーリ18に巻き掛けられて、走行台車12の端部に装備した巻き取りドラム20に巻回されている。
前記巻き取りドラム20の夫々には、インバータ式の昇降用電動モータ21が設けられている。そして、2つの昇降用電動モータ21が同期して正逆に回転駆動することにより、一対の昇降用ワイヤ17の繰り出し操作や巻き取り操作を行い、昇降台14を昇降作動させるように構成されている。
前記走行台車12には、昇降台14の下面に設置された反射板22に向けて昇降台14の昇降方向に沿って測距用のビーム光を投射して、昇降台14の昇降方向における昇降台14の昇降位置を検出する昇降用レーザ測距計23が設けられている。昇降用レーザ測距計23は、反射板22にて反射される光を受光することにより、昇降台14の昇降方向における昇降台14までの距離を検出して、昇降台14の昇降位置を検出するように構成されている。
前記スタッカークレーン5において、走行台車12の横幅方向の両端部の夫々には、走行レール11の長手方向に間隔を隔てて一対の走行車輪24が配置されている。一対の走行車輪24のうち、一方の走行車輪は駆動車輪24aとして構成され、他方の走行車輪は遊転自在な従動車輪24bとして構成されている。走行台車12の横幅方向の両端部に配置された駆動車輪24aの夫々には、インバータ式の走行用電動モータ25(図1参照)が設けられている。そして、2つの走行用電動モータ25が同期して正逆に回転駆動することにより、走行台車12を走行レール11に沿って走行させるように構成されている。
前記走行台車12には、走行レール11の一端部に設置された反射板26に向けて走行レール11の長手方向に沿って測距用のビーム光を投射して、走行台車12の走行方向における走行台車12の走行位置を検出する走行用レーザ測距計27が設けられている。走行用レーザ測距計27は、反射板26にて反射される光を受光することにより、走行台車12の走行方向における走行台車12までの距離を検出して、走行台車12の走行位置を検出するように構成されている。
前記物品移載装置15は、図1、図2及び図3並びに図6〜図9に示すように、昇降台14に対して旋回用上下軸心P0周りに旋回操作自在に支持された旋回台28、及び、物品4を載置支持する載置体29を旋回台28に対して出退自在に支持するリンク機構30を一対備えている。旋回台28は、旋回台28の下方側に設置された旋回用電動モータ31の作動により旋回用上下軸心P0周りで旋回作動されるように構成されている。
前記リンク機構30は、旋回台28に対して基端部が第1上下軸心P1周りで回動自在に連結された操作アームとしての第1アーム32、及び、その第1アーム32の先端部に対して第2上下軸心P2周りで回動自在に連結され且つ載置体29に対して第3上下軸心P3周りで回動自在に連結された揺動アームとしての第2アーム33を備えた屈伸式の2連リンクアームにて構成されたいわゆるスカラアームを用いている。
図5に示すように、前記載置体29を突出作動又は引退作動させるために、第1アーム32の基端部に相当する箇所で旋回台28の下方側に出退用電動モータ34及び減速機が設けられている。前記出退用電動モータ34は、その回転駆動軸が各モータ別に設けられた減速機の入力軸に連動連結され、減速機の出力軸が第1アーム32に連動連結された状態で、一対の第1アーム32の夫々に対応して一対設けられている。一対の出退用電動モータ34が同期して作動することにより、各出退用電動モータに各別に備えられた減速機に対してモータ出力回転軸の回転作動が入力され、所定の減速比(本実施形態では、1/119としている。)にて減速された減速機の出力軸の回転作動により、一対の第1アーム32を同期して第1上下軸心P1周りで揺動させる。そして、図6では図示は省略するが、第1アーム32の動きと第2アーム33との動きを連係させるために、第1上下軸心P1における軸部及び第2上下軸心P2における軸部にチェーンが掛け渡されている。また、第1上下軸心及び第2上下軸心の距離と第2上下軸心及び第3上下軸心の距離(図11参照。)とは同じ距離C[mm]となっている。
これにより、一対のリンク機構30は、第1アーム32の揺動方向及び揺動量が第2アーム33の揺動方向及び揺動量と逆方向で同量となる状態で、出退用電動モータ34によって、第1アーム32を連動させてそれぞれの第1上下軸心P1周りで揺動操作し、揺動する第1アーム32によって一対の第2アーム33を介して載置体29の基端側を押し操作したり引き操作したりすることにより、載置体29を旋回台28に対して載置体29の前後方向に出退操作する。
このようにして、一対の出退用電動モータ34が同期して作動することにより、リンク機構30の第1アーム32及び第2アーム33は、図8及び図9に示す如く載置体29の先端側が物品収納部1に届くように旋回台28から収納棚2の方に長く突出した物品収納や物品取り出しのための突出姿勢と、図6及び図7に示す如く載置体29の全体が突出位置よりも旋回台28の方に引退した物品搬送のための引退姿勢とに切り換え操作される。第1アーム32及び第2アーム33が引退姿勢であるときに載置体29の位置が引退位置であり、第1アーム32及び第2アーム33が突出姿勢であるときの載置体29の位置が突出位置である。そして、一対の出退用電動モータ34によるリンク機構30における第1アーム32及び第2アーム33の揺動作動に連動して、載置体29が、移動体12上に位置する引退位置と走行台車12の外方に位置する突出位置との間で、出退方向に沿って直線移動するように構成されている。つまり、リンク機構30を構成する第1アーム32及び第2アーム33は、載置体29を引退位置に位置させる引退姿勢から載置体29を突出位置に位置させる突出姿勢に姿勢変更自在に構成されており、一対の出退用電動モータ34にて本願発明の駆動手段が構成されている。
前記旋回台28の旋回位置が第1基準旋回位置又は第2基準旋回位置であることを検出する基準旋回位置検出センサー35が設けられている。前記第1基準旋回位置は、物品保管棚2の前後幅方向において走行レール11に対して一方側に位置する物品支持部41に対して物品4を移載するときの基準旋回位置である。前記第2基準旋回位置は、物品保管棚2の前後幅方向において走行レール11に対して他方側に位置する物品支持部41に対して物品4を移載するときの基準旋回位置であり、第1基準旋回位置から180度旋回した位置である。
前記基準旋回位置検出センサー35については、投受光式のセンサーにて構成されている。そして、基準旋回位置検出センサー35は、旋回台28に設置された被検出板にて投光した光が遮光されることにより、旋回台28の旋回位置が第1基準旋回位置又は第2基準旋回位置であることを検出するように構成されている。また、旋回用電動モータ31には、基準旋回位置検出センサー35にて第1基準旋回位置又は第2基準旋回位置を検出してからの旋回台28の旋回量を検出することにより旋回台28の旋回位置を検出する旋回用ロータリエンコーダ38が設けられている。
前記載置体29がその出退範囲の突出側限度付近に設定された先端パルスレート検出ゾーンZの引退側位置に位置していることを検出する先端ゾーン検出センサー36、及び、前記載置体29がその出退範囲の引退側限度に引退され引退位置に位置していることを検出する引退位置検出センサー37が設けられている。先端ゾーン検出センサー36及び引退位置検出センサー37は、基準旋回位置検出センサー35と同様に、投受光式のセンサーにて構成されている。
先端ゾーン検出センサー36は、載置体29の先端部が、物品支持部41に支持されている物品4の下枠体4bにおける、出退方向の突出側で最奥側に位置する底部最奥横フレーム4tよりも出退方向で引退側に位置するときに、第1アーム32の基端部に設置された被検出板にて投光した光が遮光されることにより、載置体29が先端パルスレート検出ゾーンZの引退側端部に位置していることを検出する。これにより、載置体29を突出作動させた場合に、載置体29が先端パルスレート検出ゾーンZに入ったことを検出できるようになっている。なお、先端ゾーン検出センサー36用の被検出板は、第1アーム32の基端部において位置変更自在に設けられており、物品保持体4における底部最奥横フレーム4tの位置等の設備の仕様に応じて、第1アーム32の基端部における位置が調整されている。
引退位置検出センサー37は、リンク機構30が引退姿勢であるときの第1アーム32の基端部に設置された被検出板にて投光した光が遮光されることにより、載置体29が引退位置(ホームポジションHP)に位置していることを検出する。
出退用電動モータ34には、出退用電動モータ34の出力軸の回転駆動量を検出する駆動量検出手段としての出退用ロータリエンコーダ39が設けられている。本実施形態においては、出退用ロータリエンコーダ39として、分解能が17bitのアブソリュート式のロータリエンコーダを用いており、また、減速機の減速比が1/119であるので、出退用ロータリエンコーダ39は217×119カウントで出退用電動モータ34における減速機出力軸の1回転(360°)を検出する。つまり、出退用ロータリエンコーダ39が1カウント出力すれば、減速機の出力軸が、360°/(217×119)だけ回転駆動したことになる。そして、第1アーム32の揺動操作量は、減速機の出力軸の回転駆動量に一致するので、出退用ロータリエンコーダ39の出力が1カウント変化すれば、360°/(217×119)だけ第1アーム32が揺動操作されたことになる。
この出退用ロータリエンコーダ39の1カウント当たりの第1アーム32の揺動操作角度は、後述する運転制御装置40の記憶部に予め登録される装置仕様データとしての減速機の減速比データD5及びエンコーダ分解能データD6(図14(b)参照)に基づいて、運転制御装置40に備えられた算出用プログラムにより装置立ち上げ時に算出され、算出された値は、後述する基準パルスレートデータD1、重複姿勢パルスカウントデータD2、ホームポジション角度データD3といった各種パラメータデータ(図14(a)参照)と共に、1パルス当たり揺動角度データD4として運転制御装置40の記憶部に記憶される。
図10に示すように、スタッカークレーン5の運転を制御する運転制御手段としての運転制御装置40が設けられている。この運転制御装置40は、物品支持部41に対する物品移載用停止位置に物品移載装置15を移動させるべく、走行台車12の走行作動及び昇降台14の昇降作動を制御し、且つ、物品移載装置15を物品移載用停止位置に停止させた状態において物品支持部41に支持された物品4を取り出す又は物品支持部41に物品4を卸すべく、物品移載装置15の移載作動を制御するように構成されている。
前記運転制御装置40は、走行用レーザ測距計27の検出情報に基づいて、走行台車12の走行方向における物品移載用停止位置に物品移載装置15を移動させるべく、走行台車12の走行作動を制御する走行制御部40a、昇降用レーザ測距計23の検出情報に基づいて、昇降台14の昇降方向における物品移載用停止位置に物品移載装置15を移動させるべく、昇降台14の昇降作動を制御する昇降制御部40b、物品支持部41に支持された物品4を取り出す又は物品支持部41に物品4を卸すべく、物品移載装置15の移載作動を制御する移載制御部40cから構成されている。
前記走行制御部40aは、走行用電動モータ25を作動させて走行台車12を走行作動させ、走行用レーザ測距計27にて検出される走行台車12の走行位置が走行台車12の走行方向における物品移載用停止位置になると、走行用電動モータ25を作動停止させて走行台車12の走行方向における物品移載用停止位置に物品移載装置15を位置させる。
前記昇降制御部40bは、昇降用電動モータ21を作動させて昇降台14を昇降作動させ、昇降用レーザ測距計23にて検出される昇降台14の昇降位置が昇降台14の昇降方向における物品移載用停止位置になると、昇降用電動モータ21を作動停止させて昇降台14の昇降方向における物品移載用停止位置に物品移載装置15を位置させる。ちなみに、物品支持部41に物品4を卸すときには、物品支持部41に支持された物品4を取り出すときよりも、昇降台14の昇降方向における物品移載用停止位置が設定距離だけ上方側に設定されている。
前記物品支持部41に支持された物品4を取り出すときには、移載制御部40cが、旋回用ロータリエンコーダ38の検出情報に基づいて旋回用電動モータ34の作動を制御して載置体29の出退方向を調整した後、出退用ロータリエンコーダ39の検出情報に基づいて出退用電動モータ34の作動を制御して載置体29を突出作動させる。そして、移載制御部40cは、載置体29を突出作動させた後、昇降制御部40bにて設定距離だけ昇降台14を上昇させることにより、物品支持部41に支持された物品4を載置体29に載置支持させる。その後、移載制御部40cは、出退用ロータリエンコーダ39の検出情報に基づいて出退用電動モータ34の作動を制御して載置体29を引退作動させる。このとき、引退位置検出センサー37にて載置体29が引退位置であることを検出すると、載置体29の引退作動を停止させる。
なお、載置体29が引退位置であるときの出退用ロータリエンコーダ39のカウント値について出退作動の繰り返しによって誤差が蓄積され、突出作動開始時における出退用ロータリエンコーダ39の初期値が変化することを防止するため、移載制御部40cでは、引退位置検出センサー37にて載置体29が引退位置であることを検出したときに、出退用ロータリエンコーダ39のカウント値をリセットしている。これにより、載置体29が引退位置に位置しているときの出退用ロータリエンコーダ39のカウント値は必ず「0」となる。
前記物品支持部41に物品4を卸すときには、載置体29を突出作動させた後において、昇降制御部40bにて設定距離だけ昇降台14を下降させる動作だけが異なり、その他の動作については、物品支持部41に支持された物品4を取り出すときと同様の動作である。
このようにして、運転制御装置40が、スタッカークレーン5の運転を制御することにより、物品搬出入部8に支持された物品4を取り出してその取り出した物品4を物品収納部1に卸す作業や、物品収納部1に支持された物品4を取り出してその取り出した物品4を物品載置部10に卸す作業等を行い、物品搬出入部8と物品収納部1と物品載置部10との間で物品4を搬送するように構成されている。
前記物品支持部41に支持された物品4を適正に取り出す為には、突出作動させた載置体29に対して、物品支持部41に支持された物品4の姿勢及び位置が適正な姿勢及び位置にあることが必要となる。つまり、物品支持部41に支持されている物品4について、平面視における基準姿勢(例えば、走行レール11の長手方向に平行又は略平行な姿勢)であり、走行レール11の長手方向における基準位置(例えば、走行レール11の長手方向において突出された載置体29の中心と物品支持部41に支持された物品4の中心とが上下に重複する位置)に位置し、且つ、載置体29の出退方向における基準位置(例えば、載置体29の出退方向において突出された載置体29の中心と物品支持部41に支持された物品4の中心とが上下に重複する位置)に位置することが必要である。
そこで、物品支持部41に支持された物品4に対して突出作動された載置体29の姿勢及び位置が物品4に対して適正な姿勢及び位置になるように、走行台車12についての基準停止位置、載置体29についての基準出退方向及び載置体29についての基準突出量が予め定められており、運転制御装置40が、各物品支持部41の夫々について、走行台車12をその基準停止位置に停止させるための原点位置からの基準距離、旋回台28を基準出退方向に向けるために第1基準旋回位置又は第2基準旋回位置から旋回させる基準旋回駆動量DP、及び、載置体29を引退位置から基準突出量だけ突出させるための基準出退駆動量DQを記憶部に記憶している。なお、これらの基準値は、実際の距離や角度としては記憶されておらず、各駆動量に対応する制御パラメータに換算した値にて記憶されている。例えば、基準出退駆動量DQであれば、載置体29を引退位置から基準突出量だけ突出させるのに必要な駆動量だけ駆動させたときの出退用ロータリエンコーダ39の出力パルスについてのカウント値CNT(TOP)が記憶されている。
しかしながら、物品支持部41の据付誤差や物品4を物品支持部41に卸す際の移載誤差等により、物品支持部41に支持されている物品4が基準姿勢から傾いた姿勢で基準位置からずれた位置に位置することがあるので、物品支持部41に支持された物品4についての、平面視における基準姿勢からの傾き、走行レール11の長手方向における基準位置からのズレ量、及び、載置体29の出退方向における基準位置からのズレ量を求めるようにしている。
図6〜図9に示すように、物品支持部41に支持された物品4についての、平面視における基準姿勢からの傾き、走行レール11の長手方向における基準位置からのズレ量、及び、載置体29の出退方向における基準位置からのズレ量を検出するとともに、載置体29が先端パルスレート検出位置まで突出したことを検出するための物品状態検出センサー44が、載置体29の先端部の上面部に設けられている。前記物品状態検出センサー44は、走行レール11の長手方向に並ぶ一対の検出部として第1先端センサー46a及び第2先端センサー46bを備えて構成されている。
第1先端センサー46a及び第2先端センサー46bの夫々は、例えば、フォトインタラプタ型センサーであり、上向きに投光した光が、物品4における下枠体4bの出退方向で突出側に位置するフレーム部分である被検出体としての底部最奥横フレーム4tにて反射されて、その反射された光を受光することにより底部最奥横フレーム4tの端部を検出するように構成されている。また、物品4を取り出すために載置体29が物品4に対して突出されるときの物品4の下枠体4bと載置体29との上下方向の距離に基づいてこれらのセンサーの検出感度が調整されている。
このように、物品状態検出センサー44は、載置体29を引退位置から基準突出量だけ突出させる(出退用ロータリエンコーダ39の出力パルスについてのカウント値が、基準突出量に対応した基準出退駆動量DQを示すカウント値CNT(TOP)になるように出退用電動モータ34を作動させる。)ときに、物品4における底部最奥横フレーム4tを検出作用するように設けられている。これにより、載置体29が、先端パルスレート検出ゾーンZに入ったことを先端ゾーン検出センサー36にて検出した後、載置体29の先端部が出退方向で物品4における底部最奥横フレーム4tに達する位置である先端パルスレート検出位置まで突出したことを検出することができるようになっている。
そして、第1先端センサー46a及び第2先端センサー46bと底部最奥横フレーム4tとの位置関係については、走行台車12が基準停止位置に停止した状態で、載置体29を基準出退方向に基準突出量だけ突出させたときに、物品支持部41に支持された物品4が、平面視における基準姿勢であり、走行レール11の長手方向における基準位置に位置し、且つ、載置体29の出退方向における基準位置に位置していれば、図13(b)で示すように、第1先端センサー46a及び第2先端センサー46bの夫々が底部最奥横フレーム4tにおける第1標準点Ga及び第2標準点Gbの直下に位置するように設定されている。
前記運転制御装置40は、物品支持部41に対する基準停止位置に物品移載装置15を位置させた状態において載置体29を基準出退方向に突出作動させて、載置体29が先端パルスレート検出ゾーンZに入ってからの物品状態検出センサー44にて検出される情報に基づいて、物品支持部41に支持された物品4についての、平面視における基準姿勢からの傾き、走行レール11の長手方向における基準位置からのズレ量、及び、載置体29の出退方向における基準位置からのズレ量を求めるように構成されている。
まず、物品支持部41に支持された物品4についての平面視における基準姿勢からの傾きの求め方について説明する。
図12に示すように、物品支持部41に支持された物品4が平面視における基準姿勢から角度θ1だけ傾いている場合を考える。物品支持部41に基準姿勢からの傾いた状態で支持された物品4を載置体29に対して適正な姿勢とするためには、旋回台28を角度θ1だけ旋回作動させることになる。そこで、物品支持部41に支持された物品4についての平面視における基準姿勢からの傾きを、載置体29に対する物品4の姿勢を平面視における適正な補正用姿勢とするために旋回台28を旋回作動させる旋回補正量P(角度)として求める。図12において、Mは旋回台28を旋回作動させるときの旋回中心を示している。
物品4が基準姿勢から傾いている角度θ1は、三角形S1の内角θ2と等しくなる。そして、三角形S1は直角三角形であるので、下記の(式1)の関係式が成り立つ。
θ1=θ2=arctan(L1/L2) ・・・・・(式1)
ただし、L1は、載置体29を基準出退方向から角度θ1だけ傾いた方向に突出作動させるときに、物品状態検出センサー44のうちの図12中左側に位置する第2先端センサー46bが、底部最奥横フレーム4tの出退方向で引退側の端部4teを検出するときの突出量と物品状態検出センサー44のうちの図12中右側に位置する第1先端センサー46aが底部最奥横フレーム4tの端部4teを検出するときの突出量との差に相当する出退方向についての距離である。L2は、走行レール11の長手方向における第1先端センサー46a及び第2先端センサー46bの設置間隔である。
前記載置体29を突出作動させたときに、一対の物品状態検出センサー44のうちの一方が底部最奥横フレーム4tの端部4teを検出する状態となったときの出退用ロータリエンコーダ39の出力パルスについてのカウント値である1次センサー検出タイミング値CNT(ON1)と、双方が底部最奥横フレーム4tの端部4teを検出する状態となったときの出退用ロータリエンコーダ39の出力パルスについてのカウント値である2次センサー検出タイミング値CNT(ON2)との差から、出退用電動モータ34の単位駆動量当たりの載置体29の出退方向での単位出退量(例えば、出退用ロータリエンコーダ39の1カウント分の出退量)を用いて、距離L1を求めることができる。そして、L2が既定値であるので、(式1)にて角度θ1を求めることができる。
そして、物品Aの平面視における基準姿勢からの傾きである角度θ1が求まれば、旋回用ロータリエンコーダ38の1パルス当たりの旋回角度は記憶部に予め記憶されているので、旋回台28を角度θ1だけ旋回作動させるために必要な補正旋回駆動量DPadjを求めることができ、旋回台28を基準旋回位置検出センサー35にて検出される第1基準旋回位置又は第2基準旋回位置から旋回させる基準旋回量(角度)に対応する旋回用電動モータ31についての基準旋回駆動量DPを、補正旋回駆動量DPadjにて補正して、旋回用電動モータ31の適応旋回駆動量DP´を求めることができる。
このようにして、運転制御装置40は、載置体29を基準突出量だけ突出作動させるときに、一対の物品状態検出センサー44及び出退用ロータリエンコーダの検出情報に基づいて、物品支持部41に支持された物品4についての載置体29の平面視における基準姿勢からの傾きを、変換用単位出退量としての先端パルスレートR(ON)を基準として求めるように構成され、かつ、物品支持部41に支持された物品4についての、平面視における基準姿勢からの傾きを示す角度θ1に基づいて、載置体29の出退方向を補正するように構成されている。
次に、物品支持部41に支持された物品4についての載置体29の出退方向における基準位置からのズレ量の求め方について説明する。
前記物品支持部41に基準位置からずれた状態で支持された物品4を載置体29の出退方向における適正な位置とするためには、載置体29の突出量を補正することになる。そこで、物品支持部41に支持された物品4についての載置体29の出退方向における基準位置からのズレ量を、載置体29に対する物品4の位置を載置体29の出退方向における適正な補正位置とするために載置体29を出退作動させる出退補正量Q(距離)として求める。
図13(b)に示すように、載置体29を引退位置から基準突出量だけ突出させる場合に、一対の物品状態検出センサー44の双方がオンとなってから突出作動する距離をL4とすると、基準位置に位置する物品4に対して、載置体29を標準状態で位置させる場合、すなわち、走行台車12を基準停止位置に停止させ、基準出退方向に沿って、引退位置から基準突出量だけ出退方向に突出させる場合は、距離L4は、底部最奥横フレーム4tの端部4teから第1標準点Ga及び第2標準点Gbまでの出退方向における距離L7と一致するため、一対の物品状態検出センサー44の双方が同時にオンとなってから距離L4だけ突出することで引退位置からの突出量が基準突出量に達する。
載置体29の出退方向が基準出退方向でない状態で載置体29を引退位置から出退方向に突出させると、図13(a)に示すように、引退位置からの突出量が基準突出量に達するまでに、先ず、一対の物品状態検出センサー44の一方(図13(a)で例示するものでは、第2先端センサー46b)がオンとなり、その後、載置体29が出退方向に距離L1だけ突出作動した後に他方のもの(図13(a)で例示するものでは、第1先端センサー46a)がオンとなる。その後、一対の物品状態検出センサー44の双方が同時にオンとなった状態で距離L4だけ突出することで載置体29の引退位置からの突出量が基準突出量に達する。したがって、一対の物品状態検出センサー44の一方がオンとなってから距離L1+L4だけ突出作動し、他方がオンとなってから距離L4だけ突出作動したときに載置体29の引退位置からの突出量が基準突出量に達する。
つまり、このような姿勢及び位置に位置する物品4は、物品4が基準姿勢であるとしたときに載置体29を基準突出量だけ突出させると、第1先端センサー46aがオン後の突出量(L4)と、第2先端センサー46bがオン後の突出量(L1+L4)との平均L4´(L4+L1/2)だけ、第1先端センサー46a及び第2先端センサー46bの双方が同時にオンとなってから突出作動するような出退方向の位置に位置していることになる。
そして、物品4が基準姿勢で出退方向の基準位置に位置していれば、載置体29を基準突出量だけ突出させたときには、第1先端センサー46a及び第2先端センサー46bの双方が同時にオンとなってから上記L7だけ突出作動するので、一対の物品状態検出センサー44の検出情報に基づいて求められる物品4の出退方向における出退補正量Qは、下記の(式2)で与えられる。
Q=L7−L4´=L7−(L4+L1/2) ・・・・・(式2)
物品4が基準位置から出退方向で突出側にずれていると、載置体29を引退位置から基準突出量だけ突出させるときに、一対の物品状態検出センサー44の双方が底部最奥横フレーム4tの端部4teを検出する状態となるタイミング(本件のセンサー検出タイミングに相当)が遅れるので、一対の物品状態検出センサー44の双方が底部最奥横フレーム4tの端部4teを検出する状態となってからの載置体29の出退方向で突出側への移動距離L4´は小さくなる。そのため、物品4が基準位置から出退方向で突出側にずれていると、距離L4´が距離L7よりも小さくなり、出退補正量Qとして正の値が得られ、この場合は、載置体29の出退方向の位置を物品4に対して適正な補正用位置とするために、出退方向で基準突出量が増加側(突出側)に補正される。
逆に、物品4が基準位置から出退方向で引退側にずれていると、距離L4´が距離L7よりも大きくなり、出退補正量Qとして負の値が得られ、この場合は、載置体29の出退方向の位置を物品4に対して適正な位置とするために、出退方向で基準突出量が減少側(突出側)に補正される。
上記距離L1は、前述の通り、載置体29を突出作動させたときに、1次センサー検出タイミング値CNT(ON1)と2次センサー検出タイミング値CNT(ON2)との差から、出退用電動モータ34の単位駆動量当たりの載置体29の出退方向での単位出退量を用いて求めることができる。
また、上記距離L4は、載置体29を突出作動させたときに、2次センサー検出タイミング値CNT(ON2)と、載置体29を引退位置から基準突出量だけ突出作動させるための、出退用ロータリエンコーダ39の出力パルスについての目標カウント値CNT(TOP)との差から、出退用電動モータ34の単位駆動量当たりの載置体29の出退方向での単位出退量を用いて求めることができる。
そして、物品4の出退方向におけるズレ量が出退補正量Qとして求まれば、出退用電動モータ34の単位駆動量当たりの載置体29の出退方向での単位出退量を用いて、載置体29を出退補正量Qだけ出退作動させるために必要な補正出退駆動量DQadjを求めることができ、載置体29を引退位置から突出させる基準突出量に対応する出退用電動モータ34についての基準出退駆動量DQを補正出退駆動量DQadjにて補正して、出退用電動モータ34の適応出退駆動量DQ´を求めることができる。
このようにして、運転制御装置40は、載置体29を基準突出量だけ突出作動させるときに、一対の物品状態検出センサー44及び出退用ロータリエンコーダ39の検出情報に基づいて、物品支持部41に支持された物品4についての載置体29の出退方向における基準位置からのズレ量を、出退用電動モータ34の単位駆動量当たりの載置体29の出退方向での単位出退量を用いて求めるように構成され、かつ、物品支持部41に支持された物品4についての、出退方向における基準位置からのズレ量に基づいて、載置体29の突出量を補正するように構成されている。
また、詳述はしないが、運転制御装置40は、載置体29を引退位置から移動補正量検出用の所定出退量だけ突出させた状態において、走行台車12を走行レール11の長手方向に移動させたときに、載置体29の出退方向に直交する方向に分散して載置体29に一対設けられた図外の側端部材検出部のうちの少なくとも一方が、物品4の側端部を検出するまでに走行台車12についての移動量に基づいて、物品支持部41に支持された物品4についての、走行レール11の長手方向における基準位置からのズレ量を移動補正量として求めるように構成されている。そして、物品支持部41に支持された物品4についての、走行レール11の長手方向における基準位置からのズレ量に基づいて、走行台車12の走行停止位置を補正するように構成されている。
上記の通り、運転制御装置40は、載置体29を引退位置から基準突出量だけ突出作動させる際に、物品支持部41に支持された物品4についての、平面視における基準姿勢からの傾きを旋回補正量Pとして求め、載置体29の出退方向における基準位置からのズレ量を出退補正量Qとして求め、走行レール11の長手方向における基準位置からのズレ量を移動補正量として求める。そして、旋回補正量P、出退補正量Q、及び、移動補正量に相当する各駆動手段についての補正駆動量を求め、それらの補正駆動量にて基準駆動量を補正した適応駆動量に基づいて作動させることで、載置体29を物品4に対して適正な姿勢及び位置とすることで、物品4を適正に掬い取ることができるようになっている。
そして、運転制御装置40は、旋回補正量Pとしての角度θ1や出退補正量Qとしての上述の距離L7−L4´を算出するために必要な距離L1や距離L4を取得する場合や、取得した出退補正量Qとしての距離「L7−L4´」から補正出退駆動量DQadjを求める場合において、出退用電動モータ34を駆動させたときの駆動量とその駆動による載置体29の出退方向の位置の変化量との関係として、物品状態検出センサー44が物品4の底部最奥横フレーム4tの出退方向で引退側の端部4teを検出する状態となるセンサー検出タイミングにおける載置体29の出退方向での位置についての、出退用電動モータ34の単位駆動量当たりの載置体29の出退方向での単位出退量である先端パルスレートR(ON)を算出している。
出退用電動モータ34の単位駆動量当たりの載置体29の出退方向での単位出退量について図11に基づいて説明する。
載置体29が引退位置に位置していると一対のリンク機構30の第1アーム32及び第2アーム33(図11では一方のリンク機構30のみ示している。)は引退姿勢である。この状態から載置体29を基準突出量だけ突出させるべく、出退用電動モータ34を作動させると、一対のリンク機構30の第1アーム32及び第2アーム33は、引退姿勢から、第1アーム32及び第2アーム33の揺動作動を伴って、第1アーム32と第2アーム33とが上下方向視で重複する重複姿勢を経て姿勢変化する。
一対のリンク機構30の第1アーム32及び第2アーム33の夫々は、第1上下軸心P1及び第2上下軸心P2の距離と第2上下軸心P2及び第3上下軸心P3の距離が共に距離C[mm]であるから、出退用電動モータ34の単位駆動量を出退用ロータリエンコーダ39の「1カウント」とした場合、1カウント当たりの第1アーム32の第2上下軸心P2の、その揺動軌跡(円弧)に沿った変位(以下、円弧長パルスレートRともいう。)は、(2πC/360°)×[1パルス当たり揺動角度θc]となる。1パルスあたり揺動角度θc[°/pulse]は、前述の通り、運転制御装置40の記憶部に1パルスあたり揺動角度データD4として演算結果が記憶されており、距離C[mm]については、運転制御装置40の記憶部にアーム長データD7として登録されている。
出退用ロータリエンコーダ39の1カウント当たりの第2上下軸心P2の揺動軌跡に沿った変位は微小であるから、この変位は、第2上下軸心P2の揺動軌跡における位置についての接線方向の変位と見做せる。そして、第1アーム32及び第2アーム33が重複姿勢となっているときの第1アーム32の揺動位相であると当該接線方向の変位は全てが載置体29の出退方向に寄与することになる。したがって、円弧長パルスレートRは、第1アーム32及び第2アーム33が重複姿勢となっているときの第1アーム32の第2上下軸心P2の出退方向の変位を示している。
本実施形態では、運転制御装置40は、重複姿勢のリンク機構30における第1アーム32の位相を基準とした第1アーム32の角度θに基づいて円弧長パルスレートRを変換して先端パルスレートR(ON)を求めるため、円弧長パルスレートRは、先端パルスレートR(ON)を算出するための基準パルスレートRとして管理されている。この基準パルスレートRは、運転制御装置40に備えられた算出用プログラムにより装置立ち上げ時に算出され、一旦算出されると、運転制御装置40の記憶部に基準パルスレートデータD1として記憶されている。
第1アーム32及び第2アーム33が姿勢変化するときの第1アーム32の揺動方向は、第2アーム33の揺動方向と逆方向であるから、第1アーム32の揺動作動により、第2アーム33の第3上下軸心P3側に枢支連結された載置体29は、第1アーム32の揺動作動により発生する第1上下軸心P1周りの第2上下軸心P2の変位のうち出退方向に寄与する成分と、第2アーム33の揺動作動により発生する第2上下軸心P2周りの第3上下軸心P3周りの変位のうち出退方向に寄与する成分との和だけ、出退方向に変位することになる。
また、重複姿勢から第1アーム32及び第2アーム33が姿勢変化して、第1アーム32が重複姿勢である時の位相(以下、重複位相ともいう。)から角度θだけ揺動した位相まで揺動しているとすると、このときの出退用電動モータ34の単位駆動量当たりの第1アーム32の第2上下軸心P2の変位のうち出退方向に寄与する成分はcosθ倍され、同様に、第2アーム33の第3上下軸心P3の変位のうち出退方向に寄与する成分もcosθ倍されることになる。
したがって、第1アーム32及び第2アーム33が重複姿勢から姿勢変化して、第1アーム32が、第2アーム33と重複する重複位相から角度θだけ揺動した状態での1パルス当たりの出退方向の変位である単位出退量R(θ)は、下記の(式3)で与えられる。
R(θ)=R×2cosθ ・・・・・(式3)
このように、単位出退量R(θ)は、基準パルスレートRと第1アーム32の重複位相からの角度θにより求めることができる。そして、第1アーム32の重複位相からの揺動角度θは、第1アーム32の重複位相における出退用ロータリエンコーダ39の出力パルスについてのカウント値CNT(SP)と第1アーム32が重複位相から揺動角度θだけ揺動したときの出退用ロータリエンコーダ39の出力パルスについてのカウント値との差、及び、記憶部に1パルスあたり揺動角度データD4として記憶されている1パルスあたり揺動角度θc[°/pulse]から求めることができる。また、第1アーム32の重複位相における出退用ロータリエンコーダ39の出力パルスについてのカウント値CNT(SP)は、本件の基準検出情報に相当するものであり、後述する重複姿勢ティーチング作業により運転制御装置40の記憶部に重複姿勢パルスカウントデータD2として記憶されている。
先端パルスレートR(ON)は、センサー検出タイミングにおける載置体29の出退方向での位置についての単位出退量R(θ)であるから、図11に示すように、センサー検出タイミングにおける第1アーム32の揺動角度θ(SP-ON)に基づいて基準パルスレートRを(式3)にて変換することで先端パルスレートR(ON)を求めることができる。
センサー検出タイミングは、本実施形態では、一対の物品状態検出センサー44の双方が底部最奥横フレーム4tの端部4teを検出する状態となるタイミングであるので、載置体29を引退位置から基準突出量だけ突出作動させる場合に一対の物品状態検出センサー44の双方がオン状態になったときの出退用ロータリエンコーダ39の出力パルスについてのカウント値CNT(ON2)にてセンサー検出タイミングが与えられる。
物品支持部41に支持されている物品4が、例えば、図12や図13(a)に示すように基準姿勢から傾いていると、載置体29を引退位置から基準突出量だけ突出させるときの第1先端センサー46a及び第2先端センサー46bがオン状態になるタイミングは異なるが、この場合、センサー検出タイミングを示す出退用ロータリエンコーダ39の出力パルスについてのカウント値CNT(ON2)としては、第1先端センサー46a及び第2先端センサー46bがオン状態となるタイミングのうち遅いほうのタイミングでのカウント値となる。
センサー検出タイミングにおける第1アーム32の揺動角度θ(SP-ON)を求めるために必要となる重複姿勢パルスカウントCNT(SP)の登録作業について、図17に示す作業フローに基づいて説明する。
作業者は、運転制御装置40を図外のキースイッチにてマニュアルモードに切り換え操作する(#B1)。その後、作業者は、インチング指令を指令自在な手動操作式の指令手段にてインチング動作を指令することで、出退用電動モータ34をインチング動作させて、図18(a)に示すように、第1アーム32と第2アーム33とが上下方向視で重複する重複姿勢に第1アーム32及び第2アーム33を姿勢変化させる(#B2)。このときの載置体29の出退方向の位置は引退位置より突出側の教示位置となっている。
そして、図18(b)に示すように、位置決め用部材としてのアーム芯出し冶具45を、上側に位置する第2アーム33のアーム芯出し穴47に貫通させ、下側に位置する第1アーム32のアーム芯出し穴48に挿入させるように上方側から両アーム芯出し穴47・48に挿通する(#B3)。両アーム芯出し穴47・48は、第1アーム32及び第2アーム33の夫々に対して、第1アーム32及び第2アーム33が重複姿勢であると平面視で軸心が一致する位置に設けられている。したがって、アーム芯出し冶具45をアーム芯出し穴47・48の双方に嵌合させることで、インチング指令では調整しきれない重複姿勢からのズレを極力小さくして、第1アームの揺動基端側の第1上下軸心P1と第2アームの揺動端部側の第3軸心P3とが一致する状態で、第1アーム32及び第2アーム33を位置決めすることができる。
そして、作業者は、ティーチング指令を指令自在な手動操作式の指令手段にてティーチング指令を指令する(#B4)。これにより、運転制御装置40は、この時点の出退用ロータリエンコーダ39の出力パルスについてのカウント値CNT(SP)を取得し、重複姿勢パルスカウントデータD2として記憶部に格納する。
なお、このとき、運転制御装置40は、載置体29が引退位置(ホームポジションHP)に位置するとき(リンク機構30が引退姿勢となるとき)の第1アーム32の揺動角度θ(HP-SP)を、1パルス当たり揺動角度データD4に格納された1パルスあたり揺動角度θc[°/pulse]基づいて算出し、ホームポジション角度データD3として記憶部に格納する。重複姿勢パルスカウントCNT(SP)の登録が完了すると、作業者は、アーム芯出し冶具45を抜き取って、運転制御装置40を図外のキースイッチにて通常運転モードに切り換え操作して、ティーチング作業を終了する。
次に、通常運転モードで実行される物品4の掬い動作を行う常時移載動作における運転制御手段40の制御内容を、図15のフローチャートに基づいて説明する。なお、以下の説明では、図15の各ステップを示す場合、「ステップ」という文言は省略して単にステップ番号にて示すことにする。
まず、運転制御装置40は、物品4が支持された物品支持部41に対する物品移載用停止位置に物品移載装置15を移動させるべく、走行制御部40aにて走行台車12の走行作動を制御し且つ昇降制御部40bにて昇降台14の昇降作動を制御し、物品移載装置15を物品移載用停止位置に停止させる(#M1)。
そして、運転制御装置40は、移載制御部40cにて物品移載装置15の移載作動を制御して載置体29の突出作動を開始する(#M2)。この突出作動では、載置体29が引退位置から基準突出量だけ突出するように、出退用ロータリエンコーダ39の出力パルスのカウント値(以下、単に出退用ロータリエンコーダ39のカウント値ともいう)に基づいて出退用電動モータ34の作動が制御される。運転制御装置40の記憶部には基準突出量に対応する出退用電動モータ34の駆動量である基準出退駆動量DQを示すカウント値としてCNT(TOP)が予め設定されている。
突出作動を開始すると、運転制御装置40は、先端ゾーン検出センサー36の検出情報に基づいて、載置体29の出退方向の位置が、図9に示す先端パルスレート検出ゾーンZに達したか否かを監視する(#M3)。そして、載置体29の出退方向の位置が先端パルスレート検出ゾーンZに達した後、一対の物品状態検出センサー44がオン状態になったか否かを監視する(#M4)。このように、一対の物品状態検出センサー44のオン状態の監視を、載置体29が先端パルスレート検出ゾーンZに達した後に行うことで、一対の物品状態検出センサー44が物品4の底部に備えられた横フレームのうち底部最奥横フレーム4t以外のものに検出作用してオン状態となっても、その検出情報を無視することができ、一対の物品状態検出センサー44による底部最奥横フレーム4tの端部4teの検出を確実なものとすることができる。
一対の物品状態検出センサー44がオン状態になるまでに、載置体29の引退位置からの突出量が基準突出量に達した場合、すなわち、出退用ロータリエンコーダ39のカウント値がCNT(TOP)に達した場合は、物品支持部41に支持されている物品4が基準位置から許容範囲以上に出退方向で突出側又は引退側にずれた位置に位置しているか、何らかの制御異常が発生しているとして、異常停止させるようにしている(#M5・#M6)。
運転制御装置40は、#M4において、一対の物品状態検出センサー44の第1先端センサー46a及び第2先端センサー46bの夫々がオン状態になったときに、出退用ロータリエンコーダ39のカウント値を、1次センサー検出タイミング値CNT(ON1)及び2次センサー検出タイミング値CNT(ON2)として取得する。
一対の物品状態検出センサー44の双方がオン状態となると、#M7へ移行し、先端パルスレート算出処理が実行される。詳しくは後述するが、この処理では、基準パルスレートRを、センサー検出タイミングにおける第1アーム32の重複姿勢からの揺動角度θ(SP-ON)に基づいて(式3)にて変換して先端パルスレートR(ON)を求める。
#M8では、1次センサー検出タイミング値CNT(ON1)と2次センサー検出タイミング値CNT(ON2)との差を先端パルスレートR(ON)にて距離L1に換算して、(式1)により旋回補正量P(角度)を求める。
#M9では、1次センサー検出タイミング値CNT(ON1)と2次センサー検出タイミング値CNT(ON2)との差を先端パルスレートR(ON)にて距離L1に換算し、同様に、基準突出量に対応した基準出退駆動量DQを示すカウント値CNT(TOP)と2次センサー検出タイミング値CNT(ON2)との差を先端パルスレートR(ON)にて距離L4に換算して、(式2)により出退補正量Q(距離)を求める。
#M10では、旋回台28を基準旋回位置検出センサー35にて検出される第1基準旋回位置又は第2基準旋回位置から旋回させる基準旋回量(角度)に対応する旋回用電動モータ31についての基準旋回駆動量DPを示す旋回用ロータリエンコーダ38のカウント値を、旋回補正量P(角度)分の補正旋回駆動量DPadjを示すカウント値に1パルス当たりの旋回角度を用いて補正して、旋回用電動モータ31の適応旋回駆動量DP´を示すカウント値を求める。
#M11では、載置体29を引退位置から突出させる基準突出量(距離)に対応する出退用電動モータ34についての基準出退駆動量DQを示す出退用ロータリエンコーダ39のカウント値を、出退補正量Q(距離)分の補正出退駆動量DQadjを示すカウント値に先端パルスレートR(ON)を用いて補正して、出退用電動モータ34の適応出退駆動量DQ´を示すカウント値を求める。
#M12では、旋回用ロータリエンコーダ38のカウント値が、適応旋回駆動量DP´を示すカウント値(#M10で求めたカウント値)となるように、旋回用電動モータ31の作動を制御して、旋回台28を旋回作動させる。
#M13では、出退用ロータリエンコーダ39のカウント値が、適応出退駆動量DQ´を示すカウント値(#M11で求めたカウント値)となるように、出退用電動モータ34の作動を制御して、載置体29を出退作動させる。
その後、運転制御装置40は、#M14で、適応旋回駆動量DP´を示すカウント値を今回の掬い動作の移載対象箇所である物品支持部41についての新たな基準旋回駆動量DPとして更新記録し、#M15で、適応出退駆動量DQ´を示すカウント値を今回の掬い動作の移載対象箇所である物品支持部41についての新たな基準出退駆動量DQとして更新記録する。
ここで、図15のフローでは省略しているが、#M7〜#M15の処理が完了するまでのいずれかの時期に、物品支持部41に支持された物品4についての走行レール11の長手方向における基準位置からのズレ量を移動補正量として求める移動補正量算出処理、及び、走行制御部40aを機能させて、求めた移動補正量に基づいて、走行台車12の走行停止位置を補正する停止位置補正用移動処理を実行する。これにより、物品支持部41に支持された物品4が、走行レール11の長手方向における基準位置からずれていても、物品4に対する載置体29の走行方向での位置を適正な位置とすることができる。
そして、運転制御装置40は、#M16で、昇降制御部40bを機能させて、昇降台14を設定昇降ストロークだけ昇降させる。このとき、物品4が基準姿勢から傾いた姿勢で基準位置からずれた位置にて物品支持部41に支持されても、載置体29は掬い対象のこの物品4に対して適正な姿勢及び位置で下方側に位置する状態となっているので、物品4は、載置体29に対して適正な姿勢及び位置となる状態で載置体29にて載置支持される。
こうして物品4を掬い上げた後、運転制御装置40は、#M17で、再び移載制御部40cを機能させて、出退用ロータリエンコーダ39のカウント値に基づいて引退速度を制御しながら、物品4を支持した状態の載置体29を引退作動させ、引退位置検出センサー37にて載置体29が引退位置に位置することが検出されると、載置体29の引退作動を停止させる。そして、出退用ロータリエンコーダ39のカウント値を「0」にリセットして、移載作動を完了する。
このように、運転制御装置40は、物品4の基準姿勢からの傾き、走行レール11の長手方向における基準位置からのズレ量、出退方向における基準位置からのズレ量を実際の移載対象の物品4に対して検出作用する物品状態検出センサー44の検出情報を用いて求めて、これら傾きやズレ量を解消するように走行台車12及び物品移載装置15の作動を制御することで、物品4に対して載置体29が適正な姿勢及び位置なる状態で物品4を救い上げることができる。
次に、図15の常時掬い移載作動の制御フローにおける#M7の先端パルスレート算出処理について、図16に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、#A1で、センサー検出タイミングにおける出退用ロータリエンコーダ39のカウント値CNT(ON)を取得する。本実施形態では、センサー検出タイミングとして、一対の物品状態検出センサー44の双方が底部最奥横フレーム4tの端部4teを検出する状態となるタイミングであるので、載置体29を引退位置から基準突出量だけ突出作動させる場合に一対の物品状態検出センサー44の双方がオン状態になったときの出退用ロータリエンコーダ39の出力パルスについてのカウント値CNT(ON2)がカウント値CNT(ON)として取得される。
#A2で、記憶部に重複姿勢パルスカウントデータD2として記憶されている第1アーム32の重複位相における出退用ロータリエンコーダ39の出力パルスについてのカウント値CNT(SP)と、センサー検出タイミングにおける出退用ロータリエンコーダ39のカウント値CNT(ON)との差を算出する。このカウント値の差は、リンク機構30が重複姿勢からセンサー検出タイミング時の姿勢となるまでの出退用ロータリエンコーダ39の変化量であるから、リンク機構30が重複姿勢からセンサー検出タイミング時の姿勢となるまでの出退用電動モータ34の駆動量を示しており、センサー検出タイミングにおける第1アーム32の重複位相からの揺動角度θ(SP-ON)を示している。
#A3で、記憶部に1パルスあたり揺動角度データD4として記憶されている1パルスあたり揺動角度θc[°/pulse]に基づいて、#A2で算出した、カウント値[pulse]の差から、センサー検出タイミングにおける第1アーム32の重複位相からの揺動角度θ(SP-ON)を算出する。
#A2及び#A3により運転制御装置40は、載置体29を基準突出量だけ突出せるときに、センサー検出タイミングにおける出退用ロータリエンコーダ39の検出情報と基準検出情報としての重複姿勢パルスカウント値CNT(SP)とに基づいて、センサー検出タイミングにおける第1アーム32についての重複姿勢からの揺動角度θ(SP-ON)を検出している。したがって、運転制御装置40に組み込まれた制御プログラム(さらに、具体的には、#A2及び#A3の処理)により揺動角度検出手段が構成されている。
#A4で、先端パルスレートR(ON)を算出する。先端パルスレートR(ON)は、第1アーム32の重複位相からの揺動角度θが上記揺動角度θ(SP-ON)であるときの単位出退量R(θ)であるから、先端パルスレートR(ON)は、(式3)においてθ=θ(SP-ON)とすることで算出できる。
#A4により運転制御装置40は、第1アーム32及び第2アーム33が重複姿勢であるときの載置体29の出退方向での位置についての単位出退量R(θ)を、揺動角度検出手段の検出情報(#A2及び#A3の処理結果)に基づいて変換することで、センサー検出タイミングにおける載置体29の出退方向での位置についての単位出退量すなわち先端パルスレートR(ON)を取得している。したがって、運転制御装置40に組み込まれた制御プログラム(さらに、具体的には、#A4の処理)により変換用単位出退量取得手段が構成されている。
本実施形態では、旋回補正量Pや出退補正量Qを算出する際の出退用ロータリエンコーダ39のカウント値の変化に基づいて距離L1や距離L4を計測する場合、及び、出退補正量Q(距離)に相当する出退用ロータリエンコーダ39のカウント値を算出する場合に、先端パルスレートR(ON)を用いることにより、距離L1や距離L4を精度よく計測でき、また、出退補正量Q(距離)に相当する出退用ロータリエンコーダ39のカウント値を精度良く算出することができる。したがって、基準姿勢から傾いた姿勢で基準位置からずれた位置に位置している移載対象の物品4のズレ量を精度良く求めることができる。しかも、その傾きやズレ量に応じて載置体29の出退方向や出退量を補正する場合には、補正駆動量を移載対象の物品4に対して適切な姿勢及び位置に精度良く合わせることができるような駆動量とすることができる。
〔別実施形態〕
以下、本発明の別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態では、センサー検出タイミングとして、一対の物品状態検出センサー44の双方がオン状態になるときを採用しているが、一対の物品状態検出センサー44の一方がオン状態になるときや、一方がオン状態になってから所定時間又は所定出退駆動量だけ突出作動させたときや、双方がオン状態になってから所定時間又は所定出退駆動量だけ突出作動させたときなど、センサー検出タイミングは上記実施形態に記載のものに限られるものではない。
(2)上記実施形態では、物品状態検出センサーが載置体の出退方向で突出側の端部箇所に設けられ、被検出体が物品の出退方向で突出側の端部箇所に位置するものを例示したが、これに限らず、例えば、物品状態検出センサーが載置体の出退方向で引退側の端部箇所に設けられ、被検出体が物品の出退方向で引退側の端部箇所に位置するものや、物品状態検出センサーが載置体の出退方向で中間箇所に設けられ、被検出体が物品の出退方向で中間箇所に位置するもの等であってもよく、物品状態検出センサーの載置体における位置及び被検出体の物品における位置は適宜変更可能である。
なお、上記実施形態では、被検出体が、物品の構成枠体である底部最奥横フレーム4tにて構成されたものを例示したが、被検出体としては、例えば、物品4の底面に取り付けられる反射板等、物品に付加されるものであってもよい。
(3)上記実施形態では、物品状態検出センサーが一対のセンサーにて構成されたものを例示したが、物品状態検出センサーが一つ又は3つ以上のセンサーで構成されたものであってもよい。
(4)上記実施形態では、物品状態検出センサーがフォトインタラプタ型センサーであるものを例示したが、近接センサー等、他の方式のセンサーにて代用できる。
(5)上記実施形態では、上下の収納部に亘って昇降移動する昇降台14の昇降作動を利用して、卸しや掬いの移載動作において載置体29が昇降移動するスタッカークレーンを例示したが、これに限らず、例えば、掬い動作のための昇降作動を行う昇降テーブルを移動体に備えたものや、移動体を移動経路に沿って案内する移動案内レールが昇降自在に設けられたもの、つまりは移動体自体が昇降するもの等であってもよい。
(6)上記実施形態では、リンク機構30の第1アーム32及び第2アーム33をアーム芯出し冶具45により重複姿勢で位置決めするものを例示したが、リンク機構30の第1アーム32及び第2アーム33の一方又は双方に重複姿勢確認用のマーキングを付しておいて、インチング指令を指令操作する作業者がマーキングを目視することで重複姿勢であることを確認できるようにしてもよい。また、アーム芯出し冶具45が嵌合される係合孔47は、第1アーム32及び第2アーム33の側部に取り付けたブラケット等に形成してもよい。
(7)上記実施形態では、駆動量検出手段が、駆動手段としての出退用電動モータ36の出力回転軸の回転数を検出するものを例示したが、これに限らず、例えば、駆動量検出手段としては、第1アーム32の揺動操作量を直接検出するもの等であってもよい。
(8)上記実施形態では、載置体29がパルスレート検出ゾーンZに達したことを、先端ゾーン検出センサー36にて検出するものを例示したが、これに代えて、出退用ロータリエンコーダ39のカウント値に基づいて、載置体29がパルスレート検出ゾーンZに達したことを検出するものであってもよい。
(9)上記実施形態では、載置体を引退位置から基準突出量だけ突出作動させる最中に、基準突出量に対応する駆動手段の基準駆動量を補正駆動量だけ補正した適応駆動量に補正して、載置体を引退位置から突出作動させ始めてからの駆動手段の駆動量がこの適応駆動量になるように、駆動手段の作動を制御するものを例示したが、これに限らず、載置体を引退位置から基準突出量だけ突出作動させて一旦突出作動を停止した後に出退作動を再開して、載置体の出退作動を停止した後の駆動手段の駆動量が補正駆動量となるように、駆動手段の作動を制御するものであってもよい。
(10)上記実施形態では、実際に物品支持部41に移載対象の物品4を支持させることにより、その物品支持部41に支持される物品4についての、平面視における基準姿勢からの傾き、載置体29の出退方向における基準位置からのズレ量、及び、走行レール11の長手方向における基準位置からのズレ量を求めているが、平面視における基準姿勢からの傾き、載置体29の出退方向における基準位置からのズレ量、及び、走行レール11の長手方向における基準位置からのズレ量を求めるためのダミー物品を物品支持部41に支持させて、その物品支持部41に支持されるダミー物品についての、平面視における基準姿勢からの傾き、載置体29の出退方向における基準位置からのズレ量、及び、走行レール11の長手方向における基準位置からのズレ量を求めることができる。この場合、求めたズレ量は変換用単位出退量に基づいて駆動量に変換された値にて学習駆動量として各物品支持部に対応させて記憶しておけばよい。そして、物品の搬送作業時において物品支持部に支持されている物品を取り出す際には、運転制御手段が、駆動手段の駆動量が当該物品支持部に対応して記憶されている学習駆動量となるように駆動手段の作動を制御すればよい。
(11)上記実施形態では、揺動体が移動体側に揺動自在に支持される操作アームと、操作アームの先端側に揺動自在に連結される揺動アームとからなる屈伸式の2連リンクアームを備えて構成されたものを例示したが、揺動体の具体的構成はこれに限られず、例えば、移動体側に揺動自在に支持される単一のアームを備えて構成されたものであってもよい。