JP5253006B2 - トランジスタの製造方法 - Google Patents
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Description
本明細書で開示される製造方法によると、しきい値電圧を数V程度と低くすることができるとともに、p型窒化物半導体層内におけるホールの蓄積が抑制されたトランジスタを簡易に製造することができる。
さらに、上記の結晶成長工程は、p型不純物の供給を停止してから所定時間経過後に終了する。なお、「p型不純物の供給を停止する」とは、「p型不純物の供給量を0に変更する」と同義である。
結晶成長工程のうち、p型不純物を供給している間は、p型不純物の濃度が濃い高濃度領域が結晶成長する。p型不純物の供給を停止した後は、高濃度領域に含まれているp型不純物が拡散しながら、高濃度領域上にp型不純物の濃度が薄い窒化物半導体が結晶成長する。すなわち、p型不純物の濃度が深部よりも薄い領域を表層部に有するp型窒化物半導体層を結晶成長させることができる。p型不純物の濃度が表層部と深部で異なるp型窒化物半導体層を結晶成長させることができる。
この製造方法によると、p型窒化物半導体層の表層部に浅いトレンチを形成するだけで、高濃度領域と基準電極を接続することができる。また、この製造方法で得られるトランジスタは、基準電極、ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極が基板に対して同一面側に配置される。
マグネシウムは、窒化ガリウム内で拡散しやすい。そのため、高濃度領域上に不純物を含まない(i型の)窒化物半導体を結晶成長させると、i型であるはずの窒化物半導体が容易にp型の窒化物半導体になる。p型不純物の濃度が高濃度領域よりも薄い領域を表層部に有するp型窒化物半導体層を、確実に得ることができる。
ソース領域と基準電極とドレイン領域の位置関係を上記のようにすると、p型窒化物半導体層内で発生したホールを、p型窒化物半導体層外に効率よく排出することができる。
上記トランジスタは、p型窒化物半導体層の表層部が高濃度領域に含まれていたp型不純物の拡散を伴いながら形成されたことを反映している構造である。
図1に、横型のトランジスタ10の要部断面図を示す。トランジスタ10では、p型窒化物半導体層6の表面に、ソース電極20とドレイン電極14が設けられている。ソース電極20とドレイン電極14の間に、ゲート電極16が設けられている。後述するが、トランジスタ10では、ゲート電極16に印加する電圧を変化することにより、オン・オフを切換える。以下、トランジスタ10の形態を裏面側から詳細に説明する。
n+型のソース領域18とn+型のドレイン領域12の間にp−型の低濃度領域5が介在しているので、ゲート電極16に正の電圧が印加されていないときは、ソース領域18からドレイン領域12に向けて電子が移動することができない。そのため、ゲート電極16に正の電圧が印加されていないときは、トランジスタ10がオフしている。ゲート電極16に正の電圧が印加されると、ゲート電極16に対向している低濃度領域5がn型に反転し、電子のチャネルが形成される。ソース電極20から供給される電子は、ソース領域18、チャネル及びドレイン領域12を移動し、ドレイン電極14に至る。すなわちトランジスタ10は、ゲート電極16に正の電圧を印加することによりオンする。トランジスタ10は、ノーマリーオフ型のトランジスタである。
まず図2に示すように、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法を用いて、基板2上にp型窒化物半導体層6を結晶成長させる(結晶成長工程)。結晶成長工程では、高濃度領域4が形成された時にマグネシウム(不純物)の供給を停止し、マグネシウムの供給を停止した後も結晶成長を継続する。すなわち、高濃度領域4を形成した後に、連続して、高濃度領域4上にマグネシウムを含まない窒化物半導体を結晶成長させる。マグネシウムの供給を停止しても、高濃度領域4に含まれているマグネシウムが拡散するので、マグネシウムを含む窒化物半導体(低濃度領域5)が高濃度領域4上に形成される。不純物の供給を停止して所定時間経過後に結晶成長を終了すれば、高濃度領域4上に低濃度領域5が形成されているp型窒化物半導体層6を得ることができる。低濃度領域5の不純物濃度は、表層に向かうに従って連続的に低下する。そのため、低濃度領域5の厚みを調整することによって、p型窒化物半導体層6の表層の不純物濃度を調整することができる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
5:高濃度領域
6:p型窒化物半導体層
10:トランジスタ
12:ソース領域
16:ゲート電極
18:ドレイン領域
22:ボディ電極(基準電極)
24:トレンチ
Claims (5)
- p型窒化物半導体層の表層部にn型のソース領域とn型のドレイン領域が設けられているトランジスタの製造方法であって、
p型不純物の供給量を経時的に変更することによって、p型不純物の濃度が表層部よりも濃い高濃度領域を深部に有する前記p型窒化物半導体層を基板上に結晶成長させる結晶成長工程と、
基準電位に接続する基準電極を前記高濃度領域に接するように形成する電極形成工程と、を備えており、
前記結晶成長工程は、p型不純物の供給を停止してから所定時間経過後に終了することを特徴とするトランジスタの製造方法。 - 前記ソース領域と前記ドレイン領域の形成範囲以外の前記p型窒化物半導体層の一部を、表面から前記高濃度領域に達するまでエッチングするエッチング工程をさらに備えており、
前記電極形成工程では、エッチングして露出した前記高濃度領域の表面に基準電極を形成することを特徴とする請求項1に記載のトランジスタの製造方法。 - 前記結晶成長工程は、p型不純物の供給を停止するまで、p型不純物を一定の供給量で供給することを特徴とする請求項1又は2に記載のトランジスタ。
- 前記p型窒化物半導体層の材料は窒化ガリウムであり、
前記p型不純物はマグネシウムであることを特徴とする請求項3に記載のトランジスタの製造方法。 - 前記ソース領域は、前記基準電極と前記ドレイン領域の間に設けられていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載のトランジスタの製造方法。
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