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JP5128226B2 - サーマルプリンタ - Google Patents

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Description

本発明は、サーマルヘッドの発熱体を選択的に発熱させて印字を行うサーマルプリンタに関し、特にサーマルヘッドの断線を予測する機能を有するサーマルプリンタに関する。
サーマルヘッドに形成されている各発熱体の初期抵抗値を記憶しておき、各発熱体の抵抗値を検出して、検出した抵抗値が所定レベルを超えたときに、警告を発するように構成し、断線するおそれのある発熱体を事前に検出するサーマルプリンタが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、外来の原因による傷などを除けば、発熱体の電気的な劣化や、発熱体の保護膜の摩耗による発熱体の破壊が発熱体の断線の要因になっているが、従来技術では、
発熱体の電気的な劣化を検出することは可能であるが、発熱体の保護膜の摩耗については、何等考慮されておらず、断線するおそれのある発熱体を正確に検出することができない。従って、断線するおそれのある発熱体を事前に検出することができず、発熱体が切れてしまうと、替えのサーマルヘッドを用意するまで印字発行ができず、例えば、物流工程や製造工程等でラインを長時間に亘って止めることとなり、物流工程や製造工程等での作業効率を低下させるという問題点があった。
特開平11−291534号公報
本発明は斯かる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、被印字媒体の挟持搬送に伴う発熱体の保護膜の摩耗をも考慮して、発熱体の断線を正確に予知することができ、発熱体の断線に起因するラインの停止を防止することができるサーマルプリンタを提供する点にある。
本発明は上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
請求項1記載の発明の要旨は、前記サーマルヘッドには、前記被印字媒体の搬送経路内に配置され、印字に用いられる印字用発熱体と、前記被印字媒体の搬送経路外に配置され、印字に用いられないチェック用発熱体と、前記印字用発熱体および前記チェック用発熱体を保護する保護膜とが形成されており、前記被印字媒体の挟持搬送に伴って前記印字用発熱体の前記保護膜の摩耗が進行する速度に対して、略同等もしくは速く前記チェック用発熱体の前記保護膜を摩耗させる摩耗進行手段と、前記印字用発熱体に対して選択的に通電して印字を行うと共に、前記印字用発熱体の積算通電時間よりも前記チェック用発熱体の積算通電時間が長くなるように、前記チェック用発熱体に通電する印字制御手段と、前記チェック用発熱体の断線をチェックする断線検出手段と、該断線検出手段によって前記チェック用発熱体の断線が検出されると、前記印字用発熱体の断線を予知するニア断線通知を報知する報知手段とを具備することを特徴とするサーマルプリンタに存する。
また請求項2記載の発明の要旨は、前記摩耗進行手段は、交換可能であることを特徴とする請求項1記載のサーマルプリンタに存する。
また請求項3記載の発明の要旨は、前記サーマルヘッドには、複数個の前記チェック用発熱体が形成されており、前記印字制御手段は、少なくとも2段階に前記チェック用発熱体の積算通電時間に差をつけることを特徴とする請求項1又は2記載のサーマルプリンタに存する。
本発明のサーマルプリンタは、サーマルヘッドに、被印字媒体の搬送経路内に配置され、印字に用いられる印字用発熱体と、被印字媒体の搬送経路外に配置され、印字に用いられないチェック用発熱体と、印字用発熱体およびチェック用発熱体を保護する保護膜とを形成し、被印字媒体の挟持搬送に伴って印字用発熱体の保護膜の摩耗が進行する速度に対して、略同等もしくは速くチェック用発熱体の保護膜を摩耗させる摩耗進行手段と、印字用発熱体に対して選択的に通電して印字を行うと共に、印字用発熱体の積算通電時間よりもチェック用発熱体の積算通電時間が長くなるように、チェック用発熱体に通電する印字制御手段と、チェック用発熱体の断線をチェックする断線検出手段と、断線検出手段によってチェック用発熱体の断線が検出されると、印字用発熱体の断線を予知するニア断線通知を報知する報知手段とを設けることにより、被印字媒体の挟持搬送に伴う発熱体の保護膜の摩耗をも考慮して、チェック用発熱体を印字用発熱体よりも厳しい条件で用いて、チェック用発熱体を印字用発熱体より速く断線させることで、印字用発熱体の断線に先立って、チェック用発熱体の断線を検出することができるため、印字用発熱体の断線を正確に予知することができ、発熱体の断線に起因するラインの停止を防止することができるという効果を奏する。
さらに、本発明のサーマルプリンタは、摩耗進行手段を交換可能に構成することにより、被印字媒体やインクリボンの種類に応じて、摩耗進行手段の材質を変更できるため、摩擦係数が異なる材質の被印字媒体やインクリボンにも対応できると共に、サーマルヘッドと摩耗進行手段とを一緒に交換することで、サーマルヘッドの断線予告時期を適切(速過ぎず、遅過ぎず)に、報知することができるという効果を奏する。
さらに、本発明のサーマルプリンタは、サーマルヘッドに複数個のチェック用発熱体を形成し、少なくとも2段階にチェック用発熱体の積算通電時間に差をつけることにより、印字用発熱体の状態を段階的に認識できるため、サーマルヘッドの断線の危険度に応じて、使用者側がサーマルヘッドを交換する時期を選択することが可能になるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るサーマルプリンタの実施の形態の構成を示す概略側面図であり、図2は、図1に示すサーマルヘッドに設けられた印字用発熱体およびチェック用発熱体の配置を示す図であり、図3は、図2に示すチェック用発熱体部分の保護膜を擬似的に摩耗させる摩耗進行手段の構成を示す図であり、図4は、図3に示す摩耗進行手段の他の実施の形態の構成を示す図であり、図5は、図1に示す制御部の構成を示すブロック図であり、図6は、図5に示す印字制御部の構成を示すブロック図である。
本実施の形態のサーマルプリンタ1は、図1を参照すると、印字部として、搬送モータ10によって回転駆動されるプラテンローラ11と、複数の発熱体がプラテンローラ11に対向する面に形成されているサーマルヘッド12とを有し、複数枚のラベル2が帯状台紙3に仮着されているラベル連続体等の被印字媒体4とインクリボン5とを重ねてプラテンローラ11とサーマルヘッド12との間に挟持搬送し、サーマルヘッド12の発熱体を選択的に発熱させることにより、被印字媒体4(ラベル2)の印字面にインクリボン5からインクを転写させて印字を施すように構成されている。なお、インクリボン5を用いることなく、被印字媒体4(ラベル2)を感熱発色させて印字を施すようにしても良い。
被印字媒体4は、紙管等の筒状体6にロール状に巻き回された状態、すなわちロール紙として供給部13に回転自在に支持され、供給部13からプラテンローラ11とサーマルヘッド12との間に供給される。また、インクリボン5は、プラテンローラ11に連動して回転駆動されるリボン用紙供給軸14とリボン巻き取り軸15との間に架け渡され、リボン用紙供給軸14にロール状に巻き回された状態で支持されたインクリボン5は、プラテンローラ11とサーマルヘッド12との間に被印字媒体4と共に供給され、転写後のインクリボン5は、リボン巻き取り軸15によって巻き取られる。
供給部13と印字部との間の被印字媒体4の搬送経路には、被印字媒体4の帯状台紙3に設けられているタイミングマークを検出するラベル検出センサ16が設けられている。ラベル検出センサ16の出力は、制御部30に入力され、制御部30は、ラベル検出センサ16の出力に基づいて、ラベル2の先端位置を認識することで、プラテンローラ11を回転駆動する搬送モータ10を制御して、被印字媒体4をフィード方向に搬送させながらサーマルヘッド12の発熱体を選択的に発熱させてラベル2に印字を施す。なお、被印字媒体4の帯状台紙3に設けられているタイミングマークは、仮着されているラベル2の間隔で設けられており、帯状台紙3の裏面側に印刷されたアイマークと称される矩形状の黒色マーク等が用いられる。なお、タイミングマークの代わりとして帯状台紙3に仮着された隣り合うラベル2間の帯状台紙3部分を検出するようにしても良い。また、搬送モータ10としては、正逆回転可能で回転量を制御することができ、例えば、ステッピングモータ等を用いることができる。
サーマルヘッド12には、図2を参照すると、印字に用いられる印字用発熱体121と、印字に用いられないチェック用発熱体122とがプラテンローラ11に対向する面に連続して形成されている。図2は、サーマルヘッド12をプラテンローラ11側から見た図であり、印字用発熱体121は、被印字媒体4の搬送経路内に配置され、印字用発熱体121が形成されている範囲が印字領域となる。また、チェック用発熱体122は、被印字媒体4の搬送経路外に配置されている。
図3(a)は、プラテンローラ11とサーマルヘッド12とで被印字媒体4とインクリボン5とを重ねての挟持している状態を示しており、サーマルヘッド12のチェック用発熱体122が形成されている部分を擬似的に摩耗させる摩耗進行手段17が、図3(b)に示すように、被印字媒体4およびインクリボン5の厚さと略同等の厚さでプラテンローラ11の周面に設けられている。サーマルヘッド12の印字用発熱体121およびチェック用発熱体122が形成されている面には、印字用発熱体121およびチェック用発熱体122を保護する図示しない保護膜が形成されており、被印字媒体4の搬送経路内に位置する印字用発熱体121を保護する保護膜は、被印字媒体4とインクリボン5とを重ねての挟持搬送することによって経時的に摩耗されることになり、被印字媒体4の搬送経路外に位置するチェック用発熱体122を保護する保護膜は、摩耗進行手段17によって経時的に摩耗されることになる。なお、摩耗進行手段17は、被印字媒体4の搬送経路に位置する保護膜の摩耗が進行する速度に対して、略同等もしくは速く摩耗されるように、サーマルヘッド12との摩擦力が設定されている。また、摩耗進行手段17を構成する材料としては、プラテンローラ11とサーマルヘッド12との間隔が摩耗進行手段17の厚さによって拡がり過ぎないように弾性を有し、且つチェック用発熱体122の発熱に対して不燃性を有する、例えば不燃フェルトを用いることができる。さらに、被印字媒体4やインクリボン5の材質に応じて、被印字媒体4の搬送経路に位置する保護膜の摩耗が進行する速度が変化するため、摩耗進行手段17を交換可能に構成し、サーマルヘッド12との摩擦力を変更することができるようにすると好適である。
本実施の形態では、摩耗進行手段17をプラテンローラ11の周面に設けるように構成したが、図4(a)、(b)に示すように、プラテンローラ11とは別体で設けるようにしても良く、このように、摩耗進行手段17をプラテンローラ11とは別体で設けた場合には、摩耗進行手段17のサーマルヘッド12に対する押圧力を変更できるように構成すると、摩耗進行手段17を交換することなく、サーマルヘッド12との摩擦力を変更することができる。
制御部30には、パーソナルコンピュータ等のホストコンピュータ40が外部インタフェース(外部I/F)18を介して接続され、ホストコンピュータ40との間で各種データやコマンドの送受信を行うことができるようになっており、ホストコンピュータ40からラベル2に印字する印字データが送信される。
制御部30は、図5を参照すると、所定の制御プログラムとフォントデータとを記憶するROM(read only memory)31と、ROM31に記憶されている制御プログラムに従って動作し、各部を制御するCPU(central processing unit)32と、CPU32が動作する上で必要となる各種データを記憶するRAM(random access memory)33と、搬送モータ10にパルス信号等の駆動信号を供給し、搬送モータ10を回転させる搬送制御部34と、CPU32からの指示に基づいて、サーマルヘッド12に対して断線チェックを行うと共に、サーマルヘッド12に印字動作を行わせる印字制御部35と、CPU32の制御下、ラベル検出センサ16からタイミングマークの検出信号を受け取り、デジタルのデータに変換することでピッチ信号としてCPU32に供給するラベル検出部36とを備えている。
CPU32は、外部I/F18経由でホストコンピュータ40から印字データを受信すると、受信した印字データに含まれる文字コードに対応するフォントデータをROM31から読み出し、ホストコンピュータ40より送信されてきた印字データに対応するビットマップイメージデータをRAM33の描画領域に展開する。次に、CPU32は、印字制御部35に印字モードを通知することで、RAM33の描画領域に展開したビットマップイメージデータの印字を印字制御部35に指示すると共に、搬送制御部34に対して被印字媒体4を搬送方向に搬送するよう指示する。
印字制御部35は、CPU32からの指示に基づいて、RAM33の描画領域に展開されているビットマップイメージデータに対応して、サーマルヘッド12に対して制御信号を供給し、印字処理を行う。また、搬送制御部34は、CPU32からの指示に基づいて、搬送モータ10に対して所定の駆動信号を供給し、搬送モータ10を駆動させる。これにより、印字用プラテンローラ11とサーマルヘッド12とで挟持搬送されながら被印字媒体4(ラベル2)に印字データが印字される。
また、CPU32は、サーマルヘッド12に形成されている印字用発熱体121が隣接するラベル2間の帯状台紙3部分に接している期間や印字を開始する前等のサーマルヘッド12が印字処理を行っていない期間に、印字制御部35にチェックモードを通知することで、サーマルヘッド12に形成されている印字用発熱体121およびチェック用発熱体122の断線チェックを印字制御部35に指示する。印字制御部35は、チェック用発熱体122に順次通電することで断線チェックを行い、チェック結果をCPU32に通知する。
印字制御部35は、図6を参照すると、エミッタ接地され、印字用発熱体121の一方の端子と接続されたNPN形の印字制御用トランジスタ123をON/OFFすると共に、エミッタ接地され、チェック用発熱体122の一方の端子と接続されたNPN形のチェック用トランジスタ124をON/OFFする通電制御部351と、印字用発熱体121およびチェック用発熱体122の他方の端子に供給する電源を切り換えるスイッチ352と、CPU32からのモードの通知(印字モードもしくはチェックモード)に応じてスイッチ352を切り換えるモード切換部353と、印字用発熱体121の他方の端子の電圧によって印字用発熱体121およびチェック用発熱体122の断線を検出する断線検出部354とを備えている。
モード切換部353は、CPU32から印字モードが通知されると、サーマルヘッド駆動用電源+Vhが印字用発熱体121に供給されるようにスイッチ352を切り換えると共に、通電制御部351を印字モードに設定し、通電制御部351は、RAM33の描画領域に展開されているビットマップイメージデータに対応して、印字制御用トランジスタ123をON/OFF制御することで、サーマルヘッド駆動用電源+Vhを通電して印字用発熱体121を選択的に発熱させて印字を施す。また、通電制御部351は、サーマルヘッド駆動用電源+Vhの通電により、印字用発熱体121のいずれかが発熱される場合に、チェック用発熱体122をON制御することで、サーマルヘッド駆動用電源+Vhを通電してチェック用発熱体122を発熱させるように設定されており、印字用発熱体121への積算通電時間よりも、チェック用発熱体122への積算通電時間の方が長くなるようになっている。
また、モード切換部353は、CPU32からチェックモードが通知されると、サーマルヘッド駆動用電源+Vhよりも低い断線検出用電源Vlが分圧用抵抗raを介して印字用発熱体121およびチェック用発熱体122に供給されるようにスイッチ352を切り換えると共に、通電制御部351をチェックモードに設定し、通電制御部351は、印字制御用トランジスタ123およびチェック用トランジスタ124を順次ONして行くことで、印字用発熱体121およびチェック用発熱体122に断線検出用電源Vlを順次通電する。
断線検出部354は、断線検出用電源Vlが分圧用抵抗raを介して供給される、印字用発熱体121およびチェック用発熱体122の他方の端子における電圧、すなわち、分圧用抵抗raと印字用発熱体121およびチェック用発熱体122との分圧電圧を監視することで、印字用発熱体121の断線と、チェック用発熱体122の断線とをチェックし、チェック結果をCPU32に通知する。
CPU32は、チェック用発熱体122のいずれかが断線している場合には、液晶ディスプレイ等の表示手段やブザー等の音声出力手段である報知部19によって替えのサーマルヘッド12の準備を促すニア断線通知をユーザに報知する。すなわち、チェック用発熱体122を保護する保護膜は、摩耗進行手段17によって印字用発熱体121を保護する保護膜の摩耗進行速度に対して、略同等もしくは速く摩耗されるようになっていると共に、チェック用発熱体122への積算通電時間の方が印字用発熱体121への積算通電時間よりも長くなるように設定されているため、チェック用発熱体122は、印字に用いられる印字用発熱体121よりも速く断線する。従って、チェック用発熱体122の断線を検出した時点では、印字用発熱体121に断線が生じておらず、印字を継続することができ、チェック用発熱体122の断線は、印字用発熱体121の断線の予知として用いることができる。
CPU32は、印字用発熱体121のいずれかが断線している場合には、報知部19によってサーマルヘッド12の交換を促す断線通知をユーザに報知する。
また、本実施の形態では、図6を参照すると、複数のチェック用発熱体122を設けるように構成したが、チェック用発熱体122の数は任意であり、サーマルプリンタの仕様に応じて適宜設定される。さらに、複数のチェック用発熱体122を設けた場合には、例えば、印字用発熱体121のいずれかが発熱される場合に通電されるチェック用発熱体122と、印字用発熱体121のいずれもが発熱されない場合も含めて常時通電されるチェック用発熱体122とを設け、少なくとも2段階に複数のチェック用発熱体122の積算通電時間に差をつけることで、印字用発熱体121の断線の予知を複数段で行うことが可能になる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、サーマルヘッド12に、被印字媒体4の搬送経路内に配置され、印字に用いられる印字用発熱体121と、被印字媒体4の搬送経路外に配置され、印字に用いられないチェック用発熱体122と、印字用発熱体121およびチェック用発熱体122を保護する保護膜とを形成し、被印字媒体4の挟持搬送に伴って印字用発熱体121の保護膜の摩耗が進行する速度に対して、略同等もしくは速くチェック用発熱体122の保護膜を摩耗させる摩耗進行手段17と、印字用発熱体121に対して選択的に通電して印字を行うと共に、印字用発熱体121の積算通電時間よりもチェック用発熱体122の積算通電時間が長くなるように、チェック用発熱体122に通電する印字制御部35と、チェック用発熱体122の断線をチェックする断線検出部354と、断線検出部354によってチェック用発熱体122の断線が検出されると、印字用発熱体121の断線を予知するニア断線通知を報知する報知部19とを設けることにより、被印字媒体4の挟持搬送に伴う印字用発熱体121の保護膜の摩耗をも考慮して、チェック用発熱体122を印字用発熱体121よりも厳しい条件で用いて、チェック用発熱体122を印字用発熱体121より速く断線させることで、印字用発熱体121の断線に先立って、チェック用発熱体122の断線を検出することができるため、印字用発熱体121の断線を正確に予知することができ、印字用発熱体121の断線に起因するラインの停止を防止することができるという効果を奏する。
さらに、本実施の形態によれば、摩耗進行手段17を交換可能に構成することにより、被印字媒体4やインクリボン5の種類に応じて、摩耗進行手段17の材質を変更できるため、摩擦係数が異なる材質の被印字媒体4やインクリボン5にも対応できると共に、サーマルヘッド12と摩耗進行手段17とを一緒に交換することで、サーマルヘッド12の断線予告時期を適切(速過ぎず、遅過ぎず)に、報知することができるという効果を奏する。
さらに、本実施の形態によれば、サーマルヘッド12に複数個のチェック用発熱体122を形成し、少なくとも2段階にチェック用発熱体122の積算通電時間に差をつけることにより、印字用発熱体121の状態を段階的に認識できるため、サーマルヘッド12の断線の危険度に応じて、使用者側がサーマルヘッド12を交換する時期を選択することが可能になるという効果を奏する。
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。なお、各図において、同一構成要素には同一符号を付している。
本発明に係るサーマルプリンタの実施の形態の構成を示す概略側面図である。 図1に示すサーマルヘッドに設けられた印字用発熱体およびチェック用発熱体の配置を示す図である。 図2に示すチェック用発熱体部分の保護膜を擬似的に摩耗させる摩耗進行手段の構成を示す図である。 図3に示す摩耗進行手段の他の実施の形態の構成を示す図である。 図1に示す制御部の構成を示すブロック図である。 図2に示す印字制御部の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 プリンタ
2 ラベル
3 帯状台紙
4 被印字媒体
5 インクリボン
6 筒状体
10 搬送モータ
11 プラテンローラ
12 サーマルヘッド
13 供給部
14 リボン用紙供給軸
15 リボン巻き取り軸
16 ラベル検出センサ
17 摩耗進行手段
18 外部I/F
19 報知部
30 制御部
31 ROM
32 CPU
33 RAM
34 搬送制御部
35 印字制御部
36 ラベル検出部
40 ホストコンピュータ
121 印字用発熱体
122 チェック用発熱体
123 印字制御用トランジスタ
124 チェック用トランジスタ
351 通電制御部
352 スイッチ
353 モード切換部
354 断線検出部

Claims (3)

  1. サーマルヘッドとプラテンローラとで被印字媒体を挟持搬送しながら印字を行うサーマルプリンタであって、
    前記サーマルヘッドには、前記被印字媒体の搬送経路内に配置され、印字に用いられる印字用発熱体と、前記被印字媒体の搬送経路外に配置され、印字に用いられないチェック用発熱体と、前記印字用発熱体および前記チェック用発熱体を保護する保護膜とが形成されており、
    前記被印字媒体の挟持搬送に伴って前記印字用発熱体の前記保護膜の摩耗が進行する速度に対して、略同等もしくは速く前記チェック用発熱体の前記保護膜を摩耗させる摩耗進行手段と、
    前記印字用発熱体に対して選択的に通電して印字を行うと共に、前記印字用発熱体の積算通電時間よりも前記チェック用発熱体の積算通電時間が長くなるように、前記チェック用発熱体に通電する印字制御手段と、
    前記チェック用発熱体の断線をチェックする断線検出手段と、
    該断線検出手段によって前記チェック用発熱体の断線が検出されると、前記印字用発熱体の断線を予知するニア断線通知を報知する報知手段とを具備することを特徴とするサーマルプリンタ。
  2. 前記摩耗進行手段は、交換可能であることを特徴とする請求項1記載のサーマルプリンタ。
  3. 前記サーマルヘッドには、複数個の前記チェック用発熱体が形成されており、
    前記印字制御手段は、少なくとも2段階に前記チェック用発熱体の積算通電時間に差をつけることを特徴とする請求項1又は2記載のサーマルプリンタ。
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