JP5191026B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗浄剤組成物に関し、更に詳しくは、N−アシルアミノ酸塩を高濃度で含有し、適度な粘度を有する為、使用性及び使用感に優れ、更に外観上優れた透明洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
洗浄剤組成物において、その使用性及び使用感の向上を目的として、種々の増粘技術により、洗浄剤組成物に適度な粘度を付与している。従来の主な増粘技術としては、塩化ナトリウム等の無機塩を洗浄剤組成物に配合して、洗浄剤組成物のミセルを凝集させる方法、アニオン性界面活性剤と、脂肪酸アルカノールアミド類及び/又は両性界面活性剤と配合し、界面活性剤の分子間の電気的な相互作用を利用する方法、又は水溶性高分子等の増粘剤を配合する方法等が知られている。
【0003】
一方、N−アシルアミノ酸塩は、皮膚や毛髪に対する作用が温和で、安全性が高く、生分解性に優れ、地球環境にも優しい為、種々の洗浄剤組成物に広く用いられている。
【0004】
しかしながら、N−アシルアミノ酸塩を高濃度に含有した洗浄剤組成物は、増粘剤を配合しても、適度な粘度を得ることが困難であり、更に外観的差別化を図る為に、透明な製剤を得ようとした場合、N−アシルアミノ酸塩の配合量に比例して、短期経日で濁りや粘度低下が生じる等の問題があった。
【0005】
したがって、長期経日で透明度及び粘度が安定であり、使用性及び使用感に優れたN−アシルアミノ酸塩を含有する洗浄剤組成物の開発が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記事情に鑑み、鋭意研究した結果、(A)N−アシルアミノ酸塩を含有する洗浄剤組成物において、(B)セルロース系天然高分子誘導体と、(C)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群より選択される非イオン性界面活性剤の1種又は2種以上とを配合することにより、増粘させることが困難であったN−アシルアミノ酸塩を含有する洗浄剤組成物の粘度を任意に調整でき、使用性及び使用感に優れ、更に長期経日で透明度及び粘度が安定である洗浄剤組成物が得られることを見出し本発明を完成した。
【0007】
すなわち本発明は、(A)N−アシルアミノ酸アルカノールアミン塩、(B)セルロース系天然高分子誘導体、(C)モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油からなる群より選択される非イオン性界面活性剤の1種又は2種以上、及び(D)多価アルコール3〜15質量%を含有することを特徴とする透明洗浄剤組成物である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳述する。
【0010】
本発明で用いられる(A)N−アシルアミノ酸塩は、通常化粧料に用いられるものであれば特に限定されないが、例えば下記一般式(1)
【化1】
(式中R1は、炭素数7〜21のアルキル基又はアルケニル基であり、M1、M2は水素原子、又はカリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、アンモニウム若しくはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン等のアルカノールアミンから誘導されるカチオンである。但し、M1とM2が同時に水素であることはない。)で表わされるN−アシルグルタミン酸塩、及び下記一般式(2)
【化2】
(式中R2は、炭素数7〜21のアルキル基又はアルケニル基であり、M3、M4は水素原子、又はカリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、アンモニウム若しくはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン等のアルカノールアミンから誘導されるカチオンである。但し、M3とM4が同時に水素であることはない。)で表わされるN−アシルアスパラギン酸塩等が挙げられる。
【0011】
本発明で用いられる(A)N−アシルアミノ酸塩は、アルカノールアミン塩が好ましい。特に好ましくはトリエタノールアミン塩であり、外観の透明安定性に特に優れる。
【0012】
本発明で用いられる(A)N−アシルアミノ酸塩は1種単独又は2種以上を組合わせて用いることができ、その配合量は、洗浄剤組成物の総量を基準として1〜85質量%(以下、単に%で示す)が好ましく、特に好ましくは5〜80%である。配合量が1%未満では洗浄性、起泡性が不十分の場合があり、85%を超えて配合しても、それに見合った効果の増大が得られない場合があり、また使用感が悪くなる場合がある。
【0013】
本発明で用いられる(B)セルロース系天然高分子誘導体は、通常化粧料において増粘を目的として配合されるものであれば特に制限されず、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等を挙げることができる。その中でヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースは、少量で粘度を容易に調整でき、外観の透明安定性、使用感にも優れ特に好ましい。
【0014】
本発明で用いられる(B)セルロース系天然高分子誘導体は、1種単独又は2種以上を組合わせて用いることができ、その配合量は、洗浄剤組成物の総量を基準として0.01〜3%が好ましく、特に好ましくは0.05〜2%である。配合量が0.01%未満では十分な粘度が得られない場合があり、3%を超えて配合した場合、流動性を失い、使用性や使用感が著しく悪くなる場合がある。
【0015】
本発明で用いられる(C)非オン性界面活性剤は、エチレンオキサイドの付加モル数が10〜30(好ましくは20)のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、エチレンオキサイドの付加モル数が30〜60(好ましくは40)のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、エチレンオキサイドの付加モル数が10〜60(好ましくは25)のポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステル、エチレンオキサイドの付加モル数が20〜60(好ましくは40)のポリオキシエチレンヒマシ油、エチレンオキサイドの付加モル数が20〜100(好ましくは60)のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、エチレンオキサイドの付加モル数が20〜40(好ましくは30)のポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセリンの重合度が6〜10であるポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群より選択される1種又は2種以上である。これらの非イオン性界面活性剤(エチレンオキサイドの付加モル数が6〜10のポリオキシエチレンアルキルエーテルを除く)における脂肪酸部分の炭素数は12〜18であり、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でも良く、また直鎖脂肪酸でも分枝脂肪酸でも良い。またエチレンオキサイドの付加モル数が6〜10のポリオキシエチレンアルキルエーテルの炭化水素基は、炭素数12〜18、飽和でも不飽和でも良く、直鎖でも分岐鎖でも良い。これらの非イオン性界面活性剤の中で、モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油は、外観の透明安定性に特に優れる。
【0016】
本発明で用いられる(C)非オン性界面活性剤は、1種単独又は2種以上を組合わせて用いることができ、その配合量は、洗浄剤組成物の総量を基準として0.05〜5%が好ましく、特に好ましくは0.1〜3%である。配合量が0.05〜5%の範囲外である時、外観の透明安定性が悪くなる場合がある。
【0017】
本発明で用いられる(D)多価アルコールは、セルロース系天然高分子誘導体の溶解性、使用感、及び防腐性等の向上を目的として配合されるものであり、通常化粧料に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、イソプレングリコール、ソルビトール、ヘキシレングリコール、ポリオキシエチレン(10)メチルグルコシド、ポリオキシエチレン(20)メチルグルコシド等が挙げられる。
【0018】
本発明で用いられる(D)多価アルコールは、1種単独又は2種以上を組合わせて用いることができ、その配合量は、洗浄剤組成物の総量を基準として3〜15%であり、特に好ましくは5〜10%である。配合量が3%未満では防腐性の向上が不十分な場合があり、15%超えて配合した場合、泡質や使用感が悪くなる場合がある。
【0019】
本発明の洗浄剤組成物は、粘度を任意に調整することができるが、好ましくは100〜10000mPa・sであり、特に好ましくは500〜8000mPa・sに調整する。
【0020】
本発明の洗浄剤組成物には、上述の必須成分以外に、通常の化粧料、医薬部外品、医薬品等に用いられる各種任意成分を、本発明の目的を達成する範囲内で適宜配合することができる。例えば、一般洗浄剤、pH調整剤、殺菌剤、防腐剤、消炎剤、色素、香料等が挙げられる。
【0021】
本発明の洗浄剤組成物は、その剤型について特に制限なく、例えば、シャンプー等の毛髪用洗浄剤組成物、ハンドソープ、ボディシャンプー、洗顔料、メイク落とし用洗顔料等の身体用洗浄剤組成物に適用される。
【0022】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
【0023】
実施例1及び比較例1、2
表1の組成の洗顔料を下記の製造方法により調製した。
[製造方法]
(1)▲7▼純水の槽にブロペラ攪拌機をセットし、攪拌を伴いながら▲1▼エデト酸二ナトリウムを溶解する。以降、攪拌は製造終了まで継続する。
(2)▲3▼ジプロピレングリコールに▲2▼メチルパラベンを加え50℃以下で溶解し、その後30℃まで冷却する。この溶液に▲4▼増粘剤を添加し、速やかにダマの無くなるまで均一に分散させる。
(3)攪拌中の純水槽に、(2)の溶液を速やかに投入する。
(4)[30分間]溶解攪拌を行う。
(5)次に▲5▼N−アシルアミノ酸塩、及び▲6▼ノニオン性界面活性剤を順次投入する。
(6)[30分間]溶解攪拌を行い製造終了とする。
【0024】
【表1】
【0025】
<透明安定性試験>
実施例1及び比較例1〜2の洗顔料を、各々50mLのガラス瓶にとり、温度45℃の恒温槽に4週間放置後、目視にて観察し、以下の評価基準で評価した。
【0026】
<使用性・使用感評価試験>
パネラー20名に実施例1及び比較例1〜2の洗顔料を1週間連続使用させた後、使い易さ(取り扱い易さ)、泡立ち、すすぎ易さ(洗顔後のヌルツキ感のなさ)、さっぱり感(洗顔後のべたつき感のなさ)の良否を判断してアンケートに答え、その評価を以下のように判定した。
【0027】
【0028】
以下、評価結果を示す。
【0029】
上記結果より明らかなように、本発明の洗顔料は、外観の透明安定性に優れている。使用性についても、使用部位に塗布し易く、泡立ちはクリーミィであり、すすぎも容易である。洗顔後の感触は、つっぱらず、べたつき感はなく、程良くしっとりしていて使用感にも優れている。
【0030】
実施例2
次の組成の洗顔料を上記製造方法により調製した。
【0031】
【0032】
参考例3
次の組成のハンドソープを上記製造方法により調製した。
【0033】
【0034】
実施例4
次の組成のボディシャンプーを上記製造方法により調製した。
【0035】
【0036】
実施例5
次の組成のシャンプーを上記製造方法により調製した。
【0037】
【0038】
実施例2,4,5の洗浄剤組成物はいずれも優れた透明安定性、使用感及び使用性を有していた。
【0039】
尚、いずれの実施例の洗浄剤組成物を使用した場合にも、皮膚に炎症、その他副作用と考えられる症状は発現せず、本発明に係る洗浄剤組成物は安全性にも優れることが明らかであった。
【0040】
【発明の効果】
以上記載のごとく、本発明の洗浄剤組成物は、透明安定性、使用性及び使用感に優れていることは明らかである。
Claims (1)
- (A)N−アシルアミノ酸アルカノールアミン塩、(B)セルロース系天然高分子誘導体、(C)モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油からなる群より選択される非イオン性界面活性剤の1種又は2種以上、及び(D)多価アルコール3〜15質量%を含有することを特徴とする透明洗浄剤組成物。
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