JP5189620B2 - Dc/dc電力変換装置 - Google Patents
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Description
(例えば、特許文献1参照)
しかしながら、従来のDC/DC電力変換装置では、2つの半導体スイッチング素子が相補的にスイッチング動作を行うため、負荷量によらず、インダクタにある一定のリップル電流が流れ、その電流がエネルギ移行用コンデンサ、半導体スイッチング素子にも流れ、損失が生じる。そのため、低負荷時の電力変換効率が低い。
一方、インダクタのインダクタンス値を大きくすると、リップル電流が小さくなり、損失を小さくでき、低負荷時の電力変換効率を高くすることができる。しかし、インダクタンス値を大きくすると、インダクタの体積および重量が大きくなり、DC/DC電力変換装置の体積および重量も増加するという問題がある。
連続動作となり、インダクタンス値の小さな小型のインダクタを用いても、低負荷時のインダクタのリップル電流が小さくなり、エネルギ移行用コンデンサ、インダクタ、半導体スイッチング素子の損失を小さくすることができ、低負荷時の電力変換効率を高めることができる。
図1は、この発明の実施の形態1によるDC/DC電力変換装置10の主回路の構成を示す電気回路図である。
実施の形態1によるDC/DC電力変換装置10は、電圧端子VLと電圧端子VN間に入力された直流電圧V0を、昇圧された直流電圧V2に変換し、電圧端子VHと電圧端子VN間に出力する昇圧機能と、電圧端子VHと電圧端子VN間に入力された直流電圧V2を、降圧された直流電圧V0に変換し、電圧端子VLと電圧端子VN間に出力する降圧機能を有する双方向のDC/DC電力変換装置である。
る。半導体スイッチング素子S1a、S1bはスイッチングユニットSU1を構成し、半導体スイ
ッチング素子S2a、S2bはスイッチングユニットSU2を構成する。
各半導体スイッチング素子S1a、S1b、S2a、S2bのIGBTは、それぞれコレクタ端子と、エミッタ端子と、ゲート端子を有し、各半導体スイッチング素子S1a、S1b、S2a、S2bのダイオードは、各半導体スイッチング素子S1a、S1b、S2a、S2bのIGBTのコレクタ端子とエミッタ端子の間に、アノード端子がエミッタ端子に接続されるようにして、逆並列に接続されている。
半導体スイッチング素子S1bのIGBTのエミッタ端子は、電圧端子VMに接続され、そのコレ
クタ端子は、平滑コンデンサ(エネルギ移行用コンデンサ)C1の高電圧側端子に接続されている。半導体スイッチング素子S1aのIGBTのエミッタ端子は、平滑コンデンサ(エネル
ギ移行用コンデンサ)C1の低電圧側端子に接続され、そのコレクタ端子は、電圧端子VMに接続されている。半導体スイッチング素子S2bのIGBTのエミッタ端子は、平滑コンデンサ
(エネルギ移行用コンデンサ)C1の高電圧側端子に接続され、そのコレクタ端子は、平滑コンデンサC2の高電圧側端子に接続されている。半導体スイッチング素子S2aのIGBTのエ
ミッタ端子は、平滑コンデンサC2の低電圧側端子に、そのコレクタ端子は、平滑コンデンサ(エネルギ移行用コンデンサ)C1の低電圧側端子に接続されている。
接続されている。
子に接続され、このゲート駆動回路101bの入力端子には、ゲート信号G1bが入力され
る。半導体スイッチング素子S1aのIGBTのゲート端子は、ゲート駆動回路101aの出力
端子に接続され、このゲート駆動回路101aの入力端子には、ゲート信号G1aが入力さ
れる。半導体スイッチング素子S2bのIGBTのゲート端子は、ゲート駆動回路102bの出
力端子に接続され、このゲート駆動回路102bの入力端子には、ゲート信号G2bが入力
される。半導体スイッチング素子S2aのIGBTのゲート端子は、ゲート駆動回路102aの
出力端子に接続され、このゲート駆動回路102aの入力端子には、ゲート信号G2aが入
力される。
ーVsが接続され、電圧端子VH-VN間には三相インバータINVの直流端子が接続されている。三相インバータINVの交流端子には、電動発電機MGが接続されている。
電動発電機MGが力行動作のときには、DC/DC電力変換装置10は、電圧端子VL−VN間に入力された直流電圧V0を、昇圧された直流電圧V2に出力する昇圧動作を行い、電動発電機MGが回生動作のときには、DC/DC電力変換装置10は、電圧端子VH−VN間に入力された直流電圧V2を、降圧された直流電圧V0に出力する降圧動作を行う。
この制御部は、スイッチングモード出力部310、PWM波形出力部320、昇降圧判別部330、演算部340を含んでいる。
演算部340には、直流電圧V2の電圧指令値V2*と、直流電圧V2が入力され、インダクタ
平均電流指令値ILdc*を出力する。昇降圧判別部330にはインダクタ平均電流指令値ILdc*が入力され、昇降圧信号UDが出力される。スイッチングモード出力部310には、昇降圧信号UD、直流電圧V0、V2が入力され、スイッチングモード信号SMが出力される。PWM波形出力部320には、スイッチングモード信号SM、インダクタ平均電流指令値ILdc*が入力され、ゲート信号G1a、G1b、G2a、G2bが出力される。
ゲート信号G1a、G1b、G2a、G2bは、ゲート駆動回路を介して、各半導体スイッチング素子に接続されている。半導体スイッチング素子S1a、S1b、S2a、S2bは、それぞれゲート信号G1a、G1b、G2a、G2bがハイ信号のときにオンとなり、ゲート信号G1a、G1b、G2a、G2bがロウ信号のときにオフとなる。
、その結果をインダクタ平均電流指令値ILdc*として出力する。直流電圧V2が電圧指令値V2*に追従するように、インダクタ平均電流指令値ILdc*を出力し、直流電圧V2のフィード
バック制御を行っている。
昇降圧判別部330においては、インダクタ平均電流指令値ILdc*が正のときには昇圧
動作と判断し、昇降圧信号UD=昇圧信号とし、出力する。また、インダクタ平均電流指令値ILdc*が負のときには降圧動作と判断し、昇降圧信号UD=降圧信号とし、出力する
。
昇圧動作であり、電圧比V2/V0が2より大きい場合には、スイッチングモード[1]を選択
し、スイッチングモード信号SM=スイッチングモード[1]として出力する。昇圧動作であり、電圧比V2/V0が2より小さい場合には、スイッチングモード[2]を選択し、スイッ
チングモード信号SM=スイッチングモード[2]として出力する。
降圧動作であり、電圧比V2/V0が2より大きい場合には、スイッチングモード[3]を選
択し、スイッチングモード信号SM=スイッチングモード[3]として出力する。降圧動作であり、電圧比V2/V0が2より小さい場合には、スイッチングモード[4]を選択し、スイ
ッチングモード信号SM=スイッチングモード[4]として出力する。なお、電圧比V2/V0
は動作モードによらず1以上となる。
ILdc*の値をもとにして、ゲート信号G1a、G1b、G2a、G2bを出力する。
スイッチングモード[1]のときには、半導体スイッチング素子S1a、S2aのオンデューティー50%以上、半導体スイッチング素子S1b、S2bのオンデューティー0%となるゲート信号G1a、G1b、G2a、G2bを出力する。
スイッチングモード[2]のときには、半導体スイッチング素子Sa1、Sa2のオンデューティー50%以下、半導体スイッチング素子S1b、S2bのオンデューティー0%となるゲート信号G1a、G1b、G2a、G2bを出力する。
スイッチングモード[3]のときには、半導体スイッチング素子S1a、S2aのオンデューティー0%、半導体スイッチング素子S1b、S2bのオンデューティー50%以下となるゲート信号G1a、G1b、G2a、G2bを出力する。
スイッチングモード[4]のときには、半導体スイッチング素子S1a、S2aのオンデューティー0%、半導体スイッチング素子S1b、S2bのオンデューティー50%以上となるゲート信号G1a、G1b、G2a、G2bを出力する。
定常状態では、平滑コンデンサ(エネルギ移行用コンデンサ)C1の電圧Vc1の平均電圧
は、直流電圧V2の1/2、すなわちV2/2となる。平滑コンデンサC2には直流電圧V2が充電されているので、各半導体スイッチング素子S1a、S1b、S2a、S2bの印加電圧は、ほぼV2/2となる。また、前記非特許文献1に記載のように、インダクタLに印加されるリップル電
圧は小さくなり、またインダクタLに印加されるリップル電圧の周波数は、スイッチング
周波数の2倍となるため、小型のインダクタLを用いることができる。
また、ゲート信号G2a、G2bは、ゲート信号G1a、G1bに対して、位相が180°遅延する信号
である。
図4Aは、直流電圧V0から直流電圧V2に昇圧する電力が大きい場合(高負荷)における昇圧動作であり、インダクタ電流が常に流れている電流連続動作を示す。
また図4Bは、直流電圧V0から直流電圧V2に昇圧する電力が小さい場合(低負荷)における昇圧動作であり、インダクタ電流が流れていない期間が存在する電流不連続動作を示す。
図5Aは、直流電圧V0から直流電圧V2に昇圧する電力が大きい場合(高負荷)における昇圧動作であり、インダクタ電流が常に流れている電流連続動作を示す。
また図5Bは、直流電圧V0から直流電圧V2に昇圧する電力が小さい場合(低負荷)における昇圧動作であり、インダクタ電流が流れていない期間が存在する電流不連続動作を示す。
図6Aは、直流電圧V2から直流電圧V0に降圧する電力が大きい場合(高負荷)における降圧動作であり、インダクタ電流が常に流れている電流連続動作を示す。
また図6Bは、直流電圧V2から直流電圧V0に降圧する電力が小さい場合(低負荷)における降圧動作であり、インダクタ電流が流れていない期間が存在する電流不連続動作を示す。
図7Aは、直流電圧V2から直流電圧V0に降圧する電力が大きい場合(高負荷)における降圧動作であり、インダクタ電流が常に流れている電流連続動作を示す。
また図7Bは、直流電圧V2から直流電圧V0に降圧する電力が小さい場合(低負荷)における降圧動作であり、インダクタ電流が流れていない期間が存在する電流不連続動作を示す。
図4A、図4B、図5A、図5B、図6A、図6B、図7A、図7Bの(b)には、ゲート信号G1a、G1b、G2a、G2bとともに、時間軸に沿って、区間1〜9が表示される。
図4A、図4B、図5A、図5B、図6A、図6B、図7A、図7Bの(c)には、インダクタL
の電圧が実線で表示される。
図4A、図4B、図5A、図5B、図6A、図6B、図7A、図7Bの(d)には、インダクタL
の電流が実線で表示されるとともに、その平均電流Ildcが破線で表示される。
ー信号Sdbとが比較され、ゲート信号G1b、G2bが出力される。
三角波信号Sc1、Sc2は周期がTsであり、三角波信号Sc2の位相が、三角波信号Sc1に対し
て180°遅れている。また、三角波信号Sc1、Sc2は、振幅が1.0の三角波信号である。なお、三角波信号Sc1、Sc2は、その三角波の谷に相当する信号レベルの大きさが0.0であり、その三角波の山に相当する信号レベルの大きさが1.0である。
に、デューティー信号Sdaが三角波信号Sc1よりも小さいときに、ゲート信号G1aはロウ信
号になる。デューティー信号Sdaが三角波信号Sc2よりも大きいときに、ゲート信号G2aは
ハイ信号に、デューティー信号Sdaが三角波信号Sc2よりも小さいときに、ゲート信号G2a
はロウ信号になる。
また、デューティー信号Sdbとして、(1―Sdb)が三角波信号Sc1よりも小さいときに、ゲート信号G1bはハイ信号に、(1―Sdb)が三角波信号Sc1よりも大きいときに、ゲート信号G1bがロウ信号になる。(1―Sdb)が三角波信号Sc2よりも小さいときに、ゲート信号G2bはハイ信号に、(1―Sdb)が三角波信号Sc2よりも大きいときに、ゲート信号G2bがロウ信号になる。
T1a=Sda×Ts ・・・・・(式1)
T1b=Sdb×Ts ・・・・・(式2)
T2a=Sda×Ts ・・・・・(式3)
T2b=Sdb×Ts ・・・・・(式4)
ート信号G2bがロウ信号である区間を区間1として説明する。
また、G1aがハイ信号、G1bがロウ信号、G2aがロウ信号、G2bがハイ信号である区間を区間2とする。
G1aがロウ信号、G1bがハイ信号、G2aがハイ信号、G2bがロウ信号である区間を区間3とする。
G1aがロウ信号、G1bがハイ信号、G2aがロウ信号、G2bがハイ信号である区間を区間4とする。
G1aがハイ信号、G1bがロウ信号、G2aがロウ信号、G2bがロウ信号である区間を区間5とする。
G1aがロウ信号、G1bがロウ信号、G2aがハイ信号、G2bがロウ信号である区間を区間6とする。
G1aがロウ信号、G1bがハイ信号、G2aがロウ信号、G2bがロウ信号である区間を区間7とする。
G1aがロウ信号、G1bがロウ信号、G2aがロウ信号、G2bがハイ信号である区間を区間8とする。G1aがロウ信号、G1bがロウ信号、G2aがロウ信号、G2bがロウ信号である区間を区間9とする。
これらを纏めたものを表1に示す。
スイッチングモード[1]であり、直流電圧V0を2倍より大きな直流電圧V2に昇圧する(
電圧比V2/V0が2より大きく、電力の向きがV0→V2である)動作について、図4A、図4Bにより説明する。図4A、図4Bに示すように、スイッチングモード[1]のときには、半導体スイッチング素子S1a、S2aのオンデューティーが50%より大きく(Sda>50%)
、半導体スイッチング素子S1b、S2bのオンデューティーが0%(Sdb=0%)となり、区
間1、区間5、区間6により一周期が構成され、他の区間は存在しない。
れぞれ以下の式の通りとなる。なお、区間1は1周期の間に2回あるが、Ts1は1回あた
りの時間とする。
Ts5=(1−Sda)×Ts ・・・・・(式5)
Ts6=(1−Sda)×Ts ・・・・・(式6)
Ts1=(Ts−Ts5−Ts6)/2=(Sda−0.5)Ts ・・・・・(式7)
高負荷の場合には、インダクタには常に正方向の電流が流れている。
区間1においては、ゲート信号G1a、G2aがハイ信号となり、半導体スイッチング素子S1a、S2aがオンとなるため、以下に示す経路で電流が流れ、インダクタLには電圧V0が印加される。なお、説明の簡略化のため、半導体スイッチング素子、コンデンサなどの電圧降下は0としている。
コンデンサC0→インダクタL→半導体スイッチング素子S1aのIGBT→半導体スイッチング素子S2aのIGBT
が流れ、インダクタLには電圧(V0−V2/2)が印加される。
コンデンサC0→インダクタL→半導体スイッチング素子S1bのダイオード→コンデンサC1→半導体スイッチング素子S2aのIGBT
区間5においては、半導体スイッチング素子S1aがオンとなるため、以下の経路で電流が
流れ、インダクタLには電圧(V0−V2/2)が印加される。
コンデンサC0→インダクタL→半導体スイッチング素子S1aのIGBT→コンデンサC1→半導体スイッチング素子S2bのダイオード→コンデンサC2
定常状態において、インダクタLの両端間におけるスイッチング一周期の平均電圧は、抵
抗成分による電圧降下を無視すると0となり、以下の関係となり、整理すると式8となる。
0=((V0−V2/2)×(Ts5+Ts6)+V0×(2×Ts1))/Ts
V0=(1-Sda)×V2 ・・・・・(式8)
式8から明らかな通り、高負荷において、デューティー信号Sdaを制御することにより
、入出力直流電圧V0、V2の電圧比を制御することができる。
一周期の動作を、時系列にそって、区間1、区間6、区間1、区間5の順番で説明する。低負荷の場合には、インダクタLの電流が0を継続する期間が存在する。
区間1においては、ゲート信号G1a、G2aがハイ信号となり、半導体スイッチング素子S1a、S2aがオンとなるため、インダクタLに電圧が印加され、以下に示す経路で電流が流れ始める。
コンデンサC0→インダクタL→半導体スイッチング素子S1aのIGBT→半導体スイッチング素子S2aのIGBT
インダクタLには、直流電圧V0が印加され、電流が0から増加する。
で電流が流れる。
コンデンサC0→インダクタL→半導体スイッチング素子S1bのダイオード→コンデンサC1→半導体スイッチング素子S2aのIGBT
このとき、インダクタLの印加電圧は、負の電圧である(V0―V2/2)となり、インダクタ
電流が減少する。インダクタ電流が減少し、区間6の途中で電流が0となり、区間6の以後残りの期間は電流が0となる。
区間1においては、上記と同様に電流が流れる。
で電流が流れる。
コンデンサC0→インダクタL→半導体スイッチング素子S1aのIGBT→コンデンサC1→半導体スイッチング素子S2bのダイオード→コンデンサC2
このとき、インダクタLの印加電圧は、負の電圧である(V0―V2/2)となり、インダクタ
電流が減少する。インダクタ電流が減少し、区間5の途中で電流が0となり、区間5の以後残りの期間は電流が0となる。
を行い、インダクタL、半導体スイッチング素子S1a、S1b、S2a、S2b、コンデンサC1の損失が小さくなる。
まず、インダクタLの平均電流Ildcについて説明する。
区間1においては、インダクタにV0の電圧が印加されている。インダクタのインダクタンス値Lを用いると、インダクタ最大電流Ilmaxは以下の式9となる。
Ilmax=V0×Ts1/L=V0(Sda−0.5)Ts/L ・・・・・(式9)
区間61の時間をTs61とする。区間61においては、インダクタに(V0-V2/2)の電圧が印
加され、インダクタの電流が0になるので、Ts61は以下の式10となる。
Ts61=L×Ilmax/(V2/2-V0)
=(V0/(V2/2-V0))×(Sda−0.5)Ts ・・・・・(式10)
また、区間5において、インダクタに電流が流れている区間を区間51とする。区間51の時間をTs51とすると、同様に以下の式11となる。
Ts51=(V0/(V2/2-V0))×(Sda−0.5)Ts ・・・・・(式11)
次に、インダクタの1周期における平均電流であるインダクタ平均電流Ildcは以下の式12となる。
Ildc=0.5×Ilmax×((Ts1+Ts51)+(Ts1+Ts61)) /Ts
= 0.5×(V0×V2/(V2/2−V0))×(Sda−0.5)2 Ts/L ・・・・・(式12)
ことができ、半導体スイッチング素子S1a、S2aのオンデューティー(デューティー信号Sda)を調整することにより、電力Pを調整することができる。
P=V0×Ildc
= 0.5×(V02×V2/(V2/2−V0))×(Sda−0.5)2 Ts/L ・・・・・(式13)
電力より、昇圧される電力Pが小さい場合には、コンデンサC2が放電され、直流電圧V2が
低下する。低負荷の場合においても、半導体スイッチング素子S1a、S2aのオンデューティー(デューティー信号Sda)を調整することにより、電力Pを制御でき、直流電圧V0、V2の電圧比を制御することができる。
オンデューティーが50%より大きく(Sda>50%)、半導体スイッチング素子S1b、S2bのオンデューティーが0%(Sdb=0%)とするスイッチングモード[1]とすることにより、直流電圧V0、V2の電圧比を制御することができる。
また、インダクタンス値の小さなインダクタを用いても、低負荷時においては、インダクタ電流が0となる電流不連続動作となり、インダクタL、半導体スイッチング素子S1a、S1b、S2a、S2b、コンデンサC1の損失が小さくなる。
電圧比V2/V0が2より小さく、電力の向きがV0→V2である)動作について、図5A、図5B
により説明する。
図5A、図5Bに示すように、スイッチングモード[2]のときには、半導体スイッチング素子S1a、S2aのオンデューティーが50%より小さく(Sda<50%)、半導体スイッチ
ング素子S1b、S2bのオンデューティーが0%(Sdb=0%)となり、区間9、区間5、区
間6により一周期が構成され、他の区間は存在しない。
れぞれ以下の通りとなる。なお、区間9は1周期の間に2回あるが、Ts9は1回あたりの
時間とする。
Ts5=Sda×Ts ・・・・・(式14)
Ts6=Sda×Ts ・・・・・(式15)
Ts9=(Ts−Ts5−Ts6)/2=(0.5−Sda)Ts ・・・・・(式16)
区間5においては、ゲート信号G1aがハイ信号となり、半導体スイッチング素子S1aがオンとなるため、以下に示す経路で電流が流れ、インダクタLには電圧(V0−V2/2)が印加
される。
コンデンサC0→インダクタL→半導体スイッチング素子S1aのIGBT→コンデンサC1→半導体スイッチング素子S2bのダイオード→コンデンサC2
コンデンサC0→インダクタL→半導体スイッチング素子S1bのダイオード→半導体スイッチング素子S2bのダイオード→コンデンサC2
区間6においては、ゲート信号G2aがハイ信号となり、半導体スイッチング素子S2aがオンとなるため、インダクタLに電圧が印加され、以下に示す経路で電流が流れ、インダク
タLには電圧(V0−V2/2)が印加される。
コンデンサC0→インダクタL→半導体スイッチング素子S1bのダイオード→コンデンサC1→半導体スイッチング素子S2aのIGBT
定常状態において、インダクタLの両端間におけるスイッチング一周期の平均電圧は0となり、以下の式17となる。
0=((V0−V2/2)×(Ts5+Ts6)+(V0−V2)×(2×Ts9))/Ts
V0=(1-Sda)×V2 ・・・・・(式17)
このように、高負荷において、デューティー信号Sdaを制御することにより、入出力直
流電圧V0、V2の電圧比を制御することができる。
一周期の動作を、時系列にそって、区間5、区間9、区間6、区間9の順番で説明する。低負荷の場合には、インダクタLの電流が0を継続する期間が存在する。
区間5においては、ゲート信号G1aがハイ信号となり、半導体スイッチング素子S1aがオンとなるため、インダクタLに電圧が印加され、以下に示す経路で電流が流れ始める。
コンデンサC0→インダクタL→半導体スイッチング素子S1aのIGBT→コンデンサC1→半導体スイッチング素子S2bのダイオード→コンデンサC2
インダクタLには、電圧(V0−V2/2)が印加され、電流が0から増加する。
コンデンサC0→インダクタL→半導体スイッチング素子S1bのダイオード→半導体スイッチング素子S2bのダイオード→コンデンサC2
このとき、インダクタLの印加電圧は、負の電圧である(V0―V2)となり、インダクタ
電流が減少する。インダクタ電流が減少し、区間9の途中で電流が0となり、区間9の
以後残りの期間は電流が0となる。
子S2aがオンとなるため、インダクタLに電圧が印加され、以下に示す経路で電流が流れ始める。
コンデンサC0→インダクタL→半導体スイッチング素子S1bのダイオード→コンデンサC1→半導体スイッチング素子S2aのIGBT
インダクタLには、電圧(V0−V2/2)が印加され、電流が0から増加する。
区間9においては、先に区間9に説明したとおり、同様に電流が流れる。
ンダクタL、半導体スイッチング素子S1a、S1b、S2a、S2b、コンデンサC1の損失が、電流が0となる期間があるため小さくなる。
まず、インダクタLの平均電流Ildcについて説明する。
区間5、6においては、インダクタに(V0−V2/2)の電圧が印加されている。インダクタのインダクタンス値Lを用いると、インダクタ最大電流Ilmaxは以下の式18となる。
Ilmax=(V0−V2/2)×Ts5/L=(V0−V2/2)×Sda×Ts/L ・・・・・(式18)
区間91の時間をTs91とする。区間91においては、インダクタに(V0-V2)の電圧が印加
され、インダクタの電流が0になるので、Ts91は以下の式19となる。
Ts91=L×Ilmax/(V2-V0)
=((V0−V2/2)/(V2-V0))×Sda×Ts ・・・・・(式19)
Ildc=0.5×Ilmax×((Ts5+Ts91)+(Ts6+Ts91)) /Ts
=0.5×(V2(V0−V2/2)/(V2−V0))×Sda2×Ts/L ・・・・・(式20)
ことができ、半導体スイッチング素子S1a、S2aのオンデューティー(デューティー信号Sda)を調整することにより、電力Pを調整することができる。
P=V0×Ildc
= 0.5×(V0×V2(V0−V2/2)/(V2−V0))×Sda2×Ts/L ・・・・・(式21)
低負荷の場合においても、半導体スイッチング素子S1a、S2aのオンデューティー(デュー
ティー信号Sda)を調整することにより、電力Pを制御でき、直流電圧V0、V2の電圧比を制
御することができる。
オンデューティーが50%より小さく(Sda<50%)、半導体スイッチング素子S1b、S2bのオンデューティーが0%(Sdb=0%)とするスイッチングモード[2]とすることにより、直流電圧V0、V2の電圧比を制御することができる。
また、インダクタンス値の小さなインダクタを用いても、低負荷時においては、インダクタ電流が0となる電流不連続動作となり、インダクタL、半導体スイッチング素子S1a、S1b、S2a、S2b、コンデンサC1の損失が小さくなる。
、図6Bにより説明する。図6A、図6Bに示すように、スイッチングモード[3]のときには、半導体スイッチング素子S1b、S2bのオンデューティーが50%より小さく(Sdb<
50%)、半導体スイッチング素子S1a、S2aのオンデューティーが0%(Sda=0%)と
なり、区間8、区間9、区間7により一周期が構成され、他の区間は存在しない。
また、スイッチング一周期における区間8、区間9、区間7の時間Ts8、Ts9、Ts7はそ
れぞれ以下の通りとなる。なお、区間9は1周期の間に2回あるが、Ts9は1回あたりの
時間とする。
Ts8=Sdb×Ts ・・・・・(式22)
Ts7=Sdb×Ts ・・・・・(式23)
Ts9=(Ts−Ts7−Ts8)/2=(0.5−Sdb)Ts ・・・・・(式24)
区間8においては、ゲート信号G2bがハイ信号となり、半導体スイッチング素子S2bがオンとなるため、以下に示す経路で電流が流れ、インダクタLには電圧(V0−V2/2)が印加
される。
コンデンサC2→半導体スイッチング素子S2bのIGBT→コンデンサC1→半導体スイッチン
グ素子S1aのダイオード→インダクタL→コンデンサC0
半導体スイッチング素子S2aのダイオード→半導体スイッチング素子S1aのダイオード→インダクタL→コンデンサC0 区間7においては、ゲート信号G1bがハイ信号となり、半導体スイッチング素子S1bがオンとなるため、以下に示す経路で電流が流れ、インダクタLには電圧(V0−V2/2)が印加される。
半導体スイッチング素子S2aのダイオード→コンデンサC1→半導体スイッチング素子S1bのIGBT→インダクタL→コンデンサC0
定常状態において、インダクタLの両端間におけるスイッチング一周期の平均電圧は0と
なり、以下の関係となる。
0=((V0−V2/2)×(Ts8+Ts7)+V0×(2×Ts9))/Ts
V0=Sdb×V2 ・・・・・(式25)
流電圧V0、V2の電圧比を制御することができる。
一周期の動作を、時系列にそって、区間8、区間9、区間7、区間9の順番で説明する。低負荷の場合には、インダクタLの電流が0を継続する期間が存在する。
区間8においては、ゲート信号G2bがハイ信号となり、半導体スイッチング素子S2bがオンとなるため、インダクタLに電圧が印加され、以下に示す経路で電流が流れ始める。
コンデンサC2→半導体スイッチング素子S2bのIGBT→コンデンサC1→半導体スイッチン
グ素子S1aのダイオード→インダクタL→コンデンサC0
インダクタLには、負の電圧(V0−V2/2)が印加され、電流が負の方向に増加する。
半導体スイッチング素子S2aのダイオード→半導体スイッチング素子S1aのダイオード→インダクタL→コンデンサC0
このとき、インダクタLの印加電圧は、正の電圧であるV0となり、負の方向に流れている
インダクタ電流が減少する。
インダクタ電流が減少し、区間9の途中で電流が0となり、区間9の以後残りの期間は電流が0となる。
子S1bがオンとなるため、インダクタLに電圧が印加され、以下に示す経路で電流が流れ始める。
半導体スイッチング素子S2aのダイオード→コンデンサC1→半導体スイッチング素子S1bのIGBT→インダクタL→コンデンサC0
インダクタLには、電圧(V0−V2/2)が印加され、電流が負の方向に増加する。
区間9においては、上記と同様に電流が流れる。
インダクタL、半導体スイッチング素子S1a、S1b、S2a、S2b、コンデンサC1の損失が小さくなる。
まず、インダクタLの平均電流Ildcについて説明する。
区間8、7においては、インダクタに(V0−V2/2)の電圧が印加されている。インダクタのインダクタンス値Lを用いると、インダクタ最小電流Ilminは以下の式26となる。
Ilmin=(V0−V2/2)×Ts8/L=−(V2/2―V0)×Sdb×Ts/L ・・・・・(式26)
Ts91=−L×Ilmin/V0
=((V2/2−V0)/V0)×Sdb×Ts ・・・・・(式27)
次に、インダクタの1周期における平均電流であるインダクタ平均電流Ildcは以下の式28となる。
Ildc=0.5×Ilmin×((Ts8+Ts91)+(Ts7+Ts91)) /Ts
=−0.5×(V2(V2/2−V0)/V0)×Sdb2×Ts/L ・・・・・(式28)
ことができ、半導体スイッチング素子S1b、S2bのオンデューティー(デューティー信号Sdb)を調整することにより、電力Pを調整することができる。
なお、電力Pは降圧方向を正とする。
P=−V0×Ildc
=0.5×V2(V2/2−V0)×Sdb2×Ts/L ・・・・・(式29)
低負荷の場合においても、S1b、S2bのオンデューティー(デューティー信号Sdb)を調整す
ることにより、電力Pを制御でき、直流電圧V0、V2の電圧比を制御することができる。
また、インダクタンス値の小さなインダクタを用いても、低負荷時においては、インダクタ電流が0となる電流不連続動作となり、インダクタL、半導体スイッチング素子S1a、S1b、S2a、S2b、コンデンサC1の損失が小さくなる。
7Bにより説明する。図7A、図7Bに示すように、スイッチングモード[4]のときには、半導体スイッチング素子S1b、S2bのオンデューティーが50%より大きく(Sdb>50%)、半導体スイッチング素子S1a、S2aのオンデューティーが0%(Sda=0%)となり、区間8、区間7、区間4により一周期が構成され、他の区間は存在しない。
また、スイッチング一周期における区間8、区間7、区間4の時間Ts8、Ts7、Ts4はそ
れぞれ以下の通りとなる。なお、区間4は1周期の間に2回あるが、Ts4は1回あたりの
時間とする。
Ts8=(1−Sdb)×Ts ・・・・・(式30)
Ts7=(1−Sdb)×Ts ・・・・・(式31)
Ts4=(Ts−Ts8−Ts7)/2=(Sdb-0.5)Ts ・・・・・(式32)
高負荷の場合には、インダクタには常に負方向の電流が流れている。
区間4においては、ゲート信号G1b、G2bがハイ信号となり、半導体スイッチング素子S1b、S2bがオンとなるため、以下に示す経路で電流が流れ、インダクタLには電圧(V0-V2)が印加される。
コンデンサC2→半導体スイッチング素子S2bのIGBT→半導体スイッチング素子S1bのIGBT→インダクタL→コンデンサC0
る。
半導体スイッチング素子S2aのダイオード→コンデンサC1→半導体スイッチング素子S1bのIGBT→インダクタL→コンデンサC0
区間8においては、ゲート信号G2bがハイ信号となり、半導体スイッチング素子S2bがオンとなるため、以下の経路で電流が流れ、インダクタLには電圧(V0−V2/2)が印加され
る。
コンデンサC2→半導体スイッチング素子S2bのIGBT→コンデンサC1→半導体スイッチン
グ素子S1aのダイオード→インダクタL→コンデンサC0
定常状態において、インダクタLの両端間におけるスイッチング一周期の平均電圧は0と
なり、以下の関係となる。
0=((V0−V2/2)×(Ts8+Ts7)+(V0-V2)×(2×Ts4))/Ts
V0=Sdb×V2 ・・・・・(式33)
このように、高負荷において、デューティー信号Sdbを制御することにより、入出力直
流電圧V0、V2の電圧比を制御することができる。
一周期の動作を、時系列にそって、区間4、区間7、区間4、区間8の順番で説明する。低負荷の場合には、インダクタLの電流が0を継続する期間が存在する。
区間4においては、ゲート信号G1b、G2bがハイ信号となり、半導体スイッチング素子S1b、S2bがオンとなるため、インダクタLに電圧が印加され、以下に示す経路で電流が流れ始める。
コンデンサC2→半導体スイッチング素子S2bのIGBT→半導体スイッチング素子S1bのIGBT→インダクタL→コンデンサC0
インダクタLには、負の電圧(V0−V2)が印加され、電流が負の方向に増加する。
半導体スイッチング素子S2aのダイオード→コンデンサC1→半導体スイッチング素子S1bのIGBT→インダクタL→コンデンサC0
このとき、インダクタLの印加電圧は、正の電圧である(V0-V2/2)となり、負の方向に流れているインダクタ電流が減少する。インダクタ電流が減少し、区間7の途中で電流が0
となり、区間7の以後残りの期間は電流が0となる。
区間4においては、上記と同様に電流が流れる。
コンデンサC2→半導体スイッチング素子S2bのIGBT→コンデンサC1→半導体スイッチン
グ素子S1aのダイオード→インダクタL→コンデンサC0
このとき、インダクタLの印加電圧は、正の電圧である(V0−V2/2)となり、負の方向
に流れているインダクタ電流が減少する。インダクタ電流が減少し、区間8の途中で電流が0となり、区間8の以後残りの期間は電流が0となる。
を行い、インダクタL、半導体スイッチング素子S1a、S1b、S2a、S2b、コンデンサC1の損失が小さくなる。
まず、インダクタLの平均電流Ildcについて説明する。
区間4においては、インダクタLに(V0−V2)の電圧が印加され、インダクタ最小電流Ilminは以下の式34となる。
Ilmin=(V0−V2)×Ts4/L=−(V2―V0)×(Sdb-0.5)Ts/L ・・・・(式34)
区間71、区間81においては、インダクタに(V0-V2/2)の電圧が印加され、インダクタ
の電流が0になるので、Ts71、Ts81は以下の式35となる。
Ts71=Ts81=−L×Ilmin/(V0-V2/2)=((V2−V0)/(V0-V2/2))(Sdb-0.5)Ts
・・・・(式35)
次に、インダクタの1周期における平均電流であるインダクタ平均電流Ildcは、以下の式36となる。
Ildc=0.5×Ilmin×((Ts4+Ts71)+(Ts4+Ts81)) /Ts
=−0.5×(V2(V2−V0)/(V0-V2/2))×(Sdb-0.5)2×Ts/L ・・・・(式36)
ことができ、半導体スイッチング素子S1b、S2bのオンデューティー(デューティー信号Sdb)を調整することにより、電力Pを調整することができる。
なお、電力Pは降圧方向を正とする。
P=−V0×Ildc
=0.5×(V0×V2(V2−V0)/(V0-V2/2))×(Sdb-0.5)2×Ts/L ・・・・(式37)
低負荷の場合においても、半導体スイッチング素子S1b、S2bのオンデューティー(デュー
ティー信号Sdb)を調整することにより、電力Pを制御でき、直流電圧V0、V2の電圧比を制
御することができる。
また、インダクタンス値の小さなインダクタを用いても、低負荷時においては、インダクタ電流が0となる電流不連続動作となり、インダクタL、半導体スイッチング素子S1a、S1b、S2a、S2b、コンデンサC1の損失が小さくなる。
比較のために、従来の相補的にスイッチング動作を行う場合について、直流電圧V0を2倍より大きな直流電圧V2に昇圧する(電圧比V2/V0が2より大きく、電力の向きがV0→V2である)動作について、図8A、図8Bを参照して、以下に説明する。
図8Aは、直流電圧V0から直流電圧V2に昇圧する電力が大きい場合(高負荷)における昇圧動作で、図8Bは、直流電圧V0から直流電圧V2に昇圧する電力が小さい場合(低負荷)における昇圧動作である。
区間1においてはインダクタに電圧V0が印加され、区間2、区間3においてはインダクタに電圧(V0-V2/2)が印加され、インダクタ電流が常に流れる。
図8Aに示すように、高負荷における動作では、本実施の形態1のDC/DC電力変換装置と従来例では、インダクタLに流れる電流は同じである。
しかし、図8Bに示すように、従来装置では、低負荷における動作においても、インダクタLに一定のリップル電流が流れる。
換装置の電力変換効率(破線A)と、従来例による電力変換効率(実線B)を示すものである。図9に示すように、スイッチングモード[1]とすることにより、昇圧する電力が小さいときに、本実施の形態1によるDC/DC電力変換装置は、一部の期間でインダクタの電流が0となる電流不連続動作となり、電力変換効率が向上する。他のスイッチングモードにおいても同様となる。
ットを2つ以上有し、各スイッチングユニットにおける各半導体スイッチング素子がすべて直列に接続され、各スイッチングユニットにおける各半導体スイッチング素子のスイッチング動作により充放電を行なうエネルギ移行用コンデンサと、インダクタを有するDC/DC電力変換装置において、DC/DC電力変換装置の入出力電圧の比、およびDC/DC電力変換装置の電力の向きにより、前記スイッチングユニットの半導体スイッチング素子に、4種類のスイッチングモードによるスイッチング動作を行わせ、低負荷時においてはスイッチング動作中にインダクタに流れる電流が0となる電流不連続動作を行わせる制御部を備えたので、4種類のスイッチングモード(スイッチングモード[1]〜[4])による動作を行うことによって、容易に、直流電圧V0、V2の電圧比を制御することができ
る。また、インダクタンス値の小さな小型のインダクタを用いても、低負荷時のインダクタのリップル電流が小さくなり、エネルギ移行用コンデンサC1、インダクタL、半導体スイッチング素子S1a、S1b、S2a、S2bの損失を小さくすることができ、低負荷時の電力変換効率を高めることができる。
スイッチングモード[1]:
直流電圧V0を2倍より大きな直流電圧V2に昇圧するときに(電圧比V2/V0が2より大き
く、電力の向きがV0→V2であるときに)、スイッチングユニットの一方の半導体スイッチング素子Saのオンデューティーを50%以上とするスイッチングモード。
スイッチングモード[2]:
直流電圧V0を2倍より小さな直流電圧V2に昇圧するときに(電圧比V2/V0が2より小さ
く、電力の向きがV0→V2であるときに)、スイッチングユニットの一方の半導体スイッチング素子Saのオンデューティーを50%以下とするスイッチングモード。
スイッチングモード[3]:
直流電圧V2を1/2倍より小さな直流電圧V0に降圧するときに(電圧比V2/V0が2より大きく、電力の向きがV2→V0であるときに)、スイッチングユニットの他方の半導体スイッチング素子Sbのオンデューティーを50%以下とするスイッチングモード。
スイッチングモード[4]:
直流電圧V2を1/2倍より大きな直流電圧V0に降圧するときに(電圧比V2/V0が2より小さく、電力の向きがV2→V0であるときに)、スイッチングユニットの他方の半導体スイッチング素子Sbのオンデューティーを50%以上とするスイッチングモード。
力変換装置においても、インダクタLに印加される電圧が小さくなり、インダクタLのリップル電流が小さくなる。そのため、相補スイッチングとなるスイッチングモードをさらに1つ追加し、電圧比V2/V0が2付近の場合には、相補スイッチングとなるスイッチングモードとしてもよい。
MOSFETの場合には、電流がダイオードに流れている期間に、MOSFETをオンすれば、同期整流となり、さらに電力変換効率を高めることができる。
SiCやGaNなどのワイドギャップ半導体を用いることにより、半導体スイッチング素子の導通損失とスイッチング損失を低減でき、さらに電力変換効率の高いDC/DC電力変換装置を実現できる。
図10は、この発明の実施の形態2によるDC/DC電力変換装置の主回路の構成を示す電気回路図である。
この実施の形態2によるDC/DC電力変換装置40は、電圧端子VLと電圧端子VN間に入力された直流電圧V0を、昇圧された直流電圧V2に変換し、電圧端子VHと電圧端子VN2間に
出力する昇圧機能と、電圧端子VHと電圧端子VN2間に入力された直流電圧V2を、降圧され
た直流電圧V0に変換し、電圧端子VLと電圧端子VN間に出力する降圧機能を有する双方向のDC/DC電力変換装置である。
この実施の形態2によるDC/DC電力変換装置40は、図10に示すように、図1で示した実施の形態1によるDC/DC電力変換装置10とは主回路の接続構成が異なる。以下、この実施の形態2のDC/DC電力変換装置40の主回路の接続の詳細について説明する。
端子VNに接続され、そのコレクタ端子は、平滑コンデンサ(エネルギ移行用コンデンサ)C10の高電圧側端子に接続されている。半導体スイッチング素子S1bを構成するIGBTのエミッタ端子は、平滑コンデンサ(エネルギ移行用コンデンサ)C10の低電圧側端子VN2に接続され、そのコレクタ端子は、電圧端子VNに接続されている。
半導体スイッチング素子S2bを構成するIGBTのエミッタ端子は、電圧端子VMに接続され、
そのコレクタ端子は、平滑コンデンサ(エネルギ移行用コンデンサ)C11の高電圧側端子VHに接続されている。半導体スイッチング素子S2aを構成するIGBTのエミッタ端子は、平滑コンデンサ(エネルギ移行用コンデンサ)C10の高電圧側端子と平滑コンデンサ(エネルギ移行用コンデンサ)C11の低圧側端子に接続され、そのコレクタ端子は、電圧端子VMに接続されている。
また、半導体スイッチング素子S2a、S2bも、スイッチング動作を行ない、スイッチングユニットSU2を構成する。
平滑コンデンサC2の低電圧側端子は、平滑コンデンサ(エネルギ移行用コンデンサ)C10
の低電圧側端子に接続され、この平滑コンデンサC2の高電圧側端子は、平滑コンデンサ(エネルギ移行用コンデンサ)C11の高電圧側端子に接続されている。
平滑コンデンサ(エネルギ移行用コンデンサ)C10の高電圧側端子と、平滑コンデンサ(
エネルギ移行用コンデンサ)C11の低電圧側端子は、互いに接続されている。
インダクタLの一方の端子は、電圧端子VLに接続され、その他方の端子は電圧端子VMに接
続されている。なお、ここでは平滑コンデンサC2を用いたが、平滑コンデンサ(エネルギ移行用コンデンサ)C10、C11の直列体が、平滑コンデンサC2に並列に接続されているので、平滑コンデンサC2を除去してもよい。平滑コンデンサC10と平滑コンデンサC11は、電圧端子VH-VN2間の電圧V2を2分割していて、各コンデンサC10、C11の電圧はV2/2となる。
れ、このゲート駆動回路101bの入力端子には、ゲート信号G1bが入力される。半導体スイ
ッチング素子S1aのゲート端子は、ゲート駆動回路101aの出力端子に接続され、このゲー
ト駆動回路101aの入力端子には、ゲート信号G1aが入力される。半導体スイッチング素子S2bのゲート端子は、ゲート駆動回路102bの出力端子に接続され、このゲート駆動回路102bの入力端子には、ゲート信号G2bが入力される。半導体スイッチング素子S2aのゲート端子は、ゲート駆動回路102aの出力端子に接続され、このゲート駆動回路102aの入力端子には、ゲート信号G2aが入力される。
各スイッチングモード[1]〜[4]において、インダクタLの電圧は、実施の形態1によるDC/DC電力変換装置と同じとなり、インダクタLに流れる電流も同じとなる。
そのため、この実施の形態2のDC/DC電力変換装置においても、実施の形態1によるDC/DC電力変換装置と同様の効果が得られる。
SU1,SU2:スイッチングユニット、L:インダクタ、G1a,G1b,G2a,G2b:ゲート信号、
VH,VL,VN,VN2,VM:電圧端子、101a,101b,102a,102b:ゲート駆動回路、
310:スイッチングモード出力部、320:PWM波形出力部、
330:昇降圧判別部、340:演算部、
Sda,Sdb,Sd:デューティー信号。
Claims (7)
- 低電圧側端子間に入力された直流電圧V0を昇圧された直流電圧V2に変換し、高電圧側端子間に出力する昇圧機能と、前記高電圧側端子間に入力された直流電圧V2を降圧された直流電圧V0に変換し、前記低電圧側端子間に出力する降圧機能を有する双方向のDC/DC電力変換装置であって、スイッチング動作を行なう2つの半導体スイッチング素子Sa、Sbから構成されるスイッチングユニットを2つ以上有し、前記各スイッチングユニットにおける前記各半導体スイッチング素子がすべて直列に接続され、前記各スイッチングユニットにおける前記各半導体スイッチング素子のスイッチング動作により充放電を行なうエネルギ移行用コンデンサと、前記スイッチングユニットを構成する半導体スイッチング素子Sa、Sbの接続点と前記低電圧側端子の一端との間に設けられ、前記スイッチングユニットにおける半導体スイッチング素子を介して前記エネルギ移行用コンデンサと直列に接続されるインダクタを有し、
前記DC/DC電力変換装置の入出力電圧の比、およびDC/DC電力変換装置の電力の向きにより、前記スイッチングユニットの半導体スイッチング素子に、昇圧動作であり電圧比が所定値より大きい第1のスイッチングモードと、昇圧動作であり電圧比が前記所定値より小さい第2のスイッチングモードと、降圧動作であり電圧比が所定値より大きい第3のスイッチングモードと、降圧動作であり電圧比が前記降圧時の所定値より小さい第4のスイッチングモードの、4種類のスイッチングモードによるスイッチング動作を行わせ、低負荷時においてはスイッチング動作中に前記インダクタに流れる電流が0となる電流不連続動作を行わせる制御部を備えたことを特徴とするDC/DC電力変換装置。 - 前記制御部は、前記DC/DC電力変換装置の低電圧側直流電圧V0、高電圧側直流電圧V2の入出力電圧比V2/V0が2より大きく、電力の向きが低電圧側直流電圧V0から高電圧側直流電圧V2である昇圧動作のときに、前記スイッチングユニットの一方の半導体スイッチング素子Saのオンデューティーを50%以上とし、他方のスイッチング素子Sbのオンデューティーを0とすることを特徴とする請求項1に記載のDC/DC電力変換装置。
- 前記制御部は、前記DC/DC電力変換装置の入出力電圧比V2/V0が2より小さく、電力の向きが低電圧側直流電圧V0から高電圧側直流電圧V2である昇圧動作のときに、前記スイッチングユニットの一方の半導体スイッチング素子Saのオンデューティーを50%以下とし、他方のスイッチング素子Sbのオンデューティーを0とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のDC/DC電力変換装置。
- 前記制御部は、前記DC/DC電力変換装置の入出力電圧比V2/V0が2より大きく、電力の向きが高電圧側直流電圧V2から低電圧側直流電圧V0である降圧動作のときに、前記スイッチングユニットの一方の半導体スイッチング素子Sbのオンデューティーを50%以下とし、他方のスイッチング素子Saのオンデューティーを0とすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のDC/DC電力変換装置。
- 前記制御部は、前記DC/DC電力変換装置の入出力電圧比V2/V0が2より小さく、電力の向きが高電圧側直流電圧V2から低電圧側直流電圧V0である降圧動作のときに、前記スイッチングユニットの一方の半導体スイッチング素子Sbのオンデューティーを50%以上とし、他方のスイッチング素子Saのオンデューティーを0とすることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のDC/DC電力変換装置。
- 前記制御部は、前記DC/DC電力変換装置の入出力電圧比V2/V0が2のときに、前記スイッチングユニットの半導体スイッチング素子Sa,Sbが相補スイッチングを行うようにすることを特徴する請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載のDC/DC電力変換装置。
- 前記半導体スイッチング素子が、SiC、GaNを含むワイドギャップ半導体であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のDC/DC電力変換装置。
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