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JP5162898B2 - 流量計測装置とガス供給システム - Google Patents

流量計測装置とガス供給システム Download PDF

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Description

本発明は、各家庭でのガス供給管の入り口部分に設置され、ガス流量を計測するガスメータを応用して、ガス器具別料金等の使用器具やその使い方に合わせた新料金やサービスを提供するために使用中のガス器具を判別検知する技術に関するものである。
従来、この種の流量計測装置の事例としては、以下に示すような構成がある(例えば、特許文献1参照)。
一般的に各家庭にはガス供給ラインの入り口にガスの流量計測手段を内蔵したガスメータが取り付けられている。
従来のガスメータにおいて、器具別料金を実施する場合、ガスメータに接続された複数の積算装置を用い、特定の時間使用された場合の積算流量や特定の範囲の流量が使用されている場合の積算値を求め、すなわち時間区分別流量や流量区分別流量を求め、その積算値でもって料金体系を決めるものである。図9をもとに料金体系の1例について説明を加える。予め所定の割引流量区分、及び所定の割引時間帯を設定し、その割引流量区分かつ割引時間帯に該当する流量のガス料金を割引対象とする。すなわち図9で、斜線で区分された部分が対象となる。
しかしながら、この方法では、器具の特定判断が曖昧であり、特定器具に対して料金を課金する等のより消費者にわかりやすく利便性のある料金設定を行うことは困難である。そこで、特定の器具を判別するための方法として、以下に示すような提案がなされている(例えば、特許文献2参照)。
提案例の動作について説明する。図10には、あるガス器具の起動時のガス流量変化パターンとそのパターンをもとにパターンマッチングを行うための参照値(パターンテーブル)を示す。1つのガス器具についてこのパターンテーブルはガス器具の燃焼制御に伴って発生する一連のガスの流量変化パターン分用意する必要があり、また各家庭で使われているガス器具の総台数分必要になる。ガスメータの流量計測装置により計測された流量値の変化とこれらのパターンテーブルを常に比較しながらマッチングするものを抽出し、器具を特定するものである。
特開2002−71421号公報 特開2003−149027号公報
前記の構成において、何らかの原因により器具の判別に失敗した場合や、判定を誤ったままその部分は放置されてしまい、器具の判別精度が落ちることになり、器具判別の信頼性に不透明さが残ってしまうという課題を有している。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、流量変化があってそれに対する器具の判別を誤ったとしても、誤り訂正を行うことができ器具判別の精度が上がり、将来的な機器機能のメンテナンスも容易に行えることも可能とする技術を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の流量計測装置は流量を一定時間間隔で計測
する流量計測手段と、流量計測手段の流量値を記憶する流量情報記憶手段と、流量計測手段から出力される流量値の差分値を求める演算手段と、器具判定値が記録されている器具登録手段と、演算手段により算出された差分値と器具登録手段内に登録された器具判定値との大きさを比較し、流量計測手段の下流側に接続された器具の使用状態の変化を判定する器具判別手段と判別結果の訂正を行う誤り訂正手段を有する構成である。
本発明の流量計測装置は、器具判別手段が器具を判別しえなかった場合誤り訂正を行うことで器具判別の精度を高めることができる。またガス事業者が用意した新料金メニューなどを利用することができる。さらに器具判別機能の更新はガスメータの仕様を変えることなく行えるため、将来的な機器機能のメンテナンスも容易に行えることも可能とする。
第1の発明は、流量を一定時間間隔で計測する流量計測手段と、前記流量計測手段の流量値を記憶する流量情報記憶手段と、前記流量計測手段から出力される流量値の差分値を求める演算手段と、器具の状態変化時の差分値と、起動時の流量変化値が記録されている器具登録手段と、前記演算手段により算出された差分値と前記器具登録手段内に登録された器具の状態変化時の差分値との大きさを比較し、前記流量計測手段の下流側に接続された器具の使用状態の変化を判定する器具判別手段と、判別結果の訂正を行う訂正手段とを有し、前記訂正手段は、前記器具判別手段がどの器具の状態変化か判定できなかった場合、前記起動時の流量変化値を用いて器具の判別を行うことにより、器具判別できない器具が発生しても誤り訂正により失敗した部分の判別を別の推定を用いて判別をやり直すことができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の器具判別手段が器具判別手段の結果に基づいて器具ごとの流量を算出する構成により、器具別の使用流量を求めることができる。
第3の発明は、特に、第1の発明の前記訂正手段は、前記器具別流量算出手段の算出した器具別流量の合計と前記流量計測手段の計測値があわない場合判定不可と判断する構成であり、判定に誤りが無いのに訂正をやり直すことがなくなる。
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明の流量情報記憶手段が流量値を時間軸方向に情報圧縮して記憶する情報圧縮手段を備えた構成により、履歴データを長く残す場合でも実際に流量の変化があった部分だけ残せばよいので大幅に記憶機器の容量を削減できる。
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれか1つの発明の流量計測手段が瞬時流量計測手段としての超音波流量計を用いた構成により、一定時間毎の瞬時計測を容易に行うことができる。
第6の発明は、特に、第1〜5のいずれか1つの発明の流用計測装置において家庭用ガス供給管に接続された流量計測装置を用いたガス供給システムを構築することで、ガス事業者が用意した新料金メニューなどを利用することができ、ガス拡販やガス器具拡販を図ることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における流量計測装置の構成を示すものである。
図1において、1は流量計測装置であり、ガス供給管の途中に設けられ、その下流側の配管には各顧客宅内に設置された1台以上のガス器具が接続されている。
流量計測装置内部はガス管に接続されたガスの流路内に設けられたガス遮断弁2とガス流量計測手段3とガス流量計測手段3からの信号を演算処理して使用ガス流量を表示する表示部4、また地震などの振動を検出する感震器5、及び本発明に係わるガス器具判別を行うため、演算手段6、器具登録手段7、流量情報記憶手段8及び器具判別手段9と誤り訂正手段10これらの機能その他を統括制御処理する制御回路11及びそれらの動力源となる電池(図示せず)を内蔵している。
器具登録手段7には、流量変化が起こったかどうかの判定基準となる器具判定値と各ガス器具の一連の燃焼状態の変化点(起動時、制御時、停止時など)での変化点判定値が記録されている。記録されたデータを記憶保持する器具登録手段7は本発明では半導体メモリを使用しているが、記録の追加、書き換えができるものであれば、磁気記録媒体その他でも可能である。
なお、本発明の流量計測手段3に関しては、超音波方式の計測手段を使用しているが、計測方式としては、他の流量計測方式でもフルディック方式などの短時間に一定サイクルで連続計測可能であれば使用可能である。
以下、動作について説明する。
まず超音波方式の流速計測に関して図2をもとに説明する。計測流路12は矩形断面を持っており、計測流路12のガスの流れる方向と直角方向にある壁面には計測流路12を挟んで一対の超音波送受信器13、14が流路の上流側と下流側で角度φを有して斜めに対向して装着されている。超音波送受信器13、14間で交互に超音波を送受信させて流体の流れに対して順方向と逆方向の超音波の伝搬時間の差を一定間隔を置いて計り、伝搬時間差信号として出力する働きを持つ。この伝搬時間差信号を受けて計算手段(図示せず)により被計測流体の流速及び流量を算出するものである。演算式を下記に示す。
図2において、Lは測定距離であり、tを上流からの伝達時間、tを下流からの伝達時間、Cを音速とすると、流速Vは
式(1) V=(L/2cosφ)・((1/t)−(1/t))
計測の時間間隔は超音波の送受信が可能な範囲で設定できるが、本発明では2秒間隔の計測を行っている。更に時間間隔を小さくすることは測定原理上可能であり、ガス器具によっては2秒より短時間で起動する器具もあるため、測定時間間隔を小さくすることは器具判別を瞬時に行う点では有利となるが、計測間隔を短くすると電池の消耗が大きくなるなどの課題がある、また計測時間を従来のガスメータで使用している膜式方式と同等の計測間隔が2桁オーダーの秒数間隔になると、本発明のアルゴリズムの流量変化の差分を見て判断することが困難になり、コストや器具判別の性能面からバランスの良い時間として本発明では2秒間隔計測で行っている。
次に、ガス器具の動作状態の判別手順について説明する。
流量計測装置では上記した様に2秒間隔毎にガス流量を計測し、そのデータを演算手段に送り流量値を微分して2秒毎の流量の差分データとして出力している。
この差分データは逐次器具判別手段9に送られ、器具登録手段7に登録されている変化判定値との比較を行っている。差分値が比較判定値を超えた場合、ガス器具に状態変化があったと判断する。変化が検知されると、さらにどのガス器具がどのような状態なのか判断するため、器具判別手段9は流量情報記憶手段8に登録されている各ガス器具の状態別変化値と比較し、器具の判別とその器具の状態の判別を行う。
図3に実際のガス器具使用時のガス流量の変化と差分値の変化を示す。
図3のグラフにおいて実線が流量計測手段3により測定されたガスの流量値と破線がそのときの微分値、すなわち、2秒毎の差分値を示す。ガス器具の起動時には差分値はプラス側にピークを持って表現され、停止時にはマイナス側にピークをもって表現される。
なお、上記実施の形態では、まず差分値の変化がある所定の値(変化判定値)以上の場合、図3に示すように変化があったとして次のステップでその器具の特定と状態の変化の判定を行っているが、予め登録された限定器具についての判定の場合や処理速度が速く、演算手段6からの差分値データをそのまま、全ての各ガス器具の変化点判定値データとの比較を2秒以内に可能であれば、差分値から直接、変化したガス器具や状態の判別をすることも可能である。
なお、図4に3つの器具(A.B.C)を同時に使用した時の流量値と差分値をグラフに示すが、3つの器具の起動時と停止時の変化を読み取ることが確認できる。
また稀ではあるが何らかの原因により器具が登録通りの動きをしなかった場合、装置が器具の変化状態は認知してもその後の処理ができず、誤った器具と判別する可能性がある。図5に示すように器具判別が一致しなかった場合誤り訂正手段10は流量情報記憶手段8の中にある流量のデータ記録をもとにして、器具判別不一致となった部分の判別を前述した差分による器具判別のロジックではなく起動時の流量変化と登録値を比較しどの器具であったか推定判別し、その時点での起動器具を確定させることにより、一度判別に失敗しても訂正する機能を有することで判別精度を向上させることができる。
なお、誤り訂正において器具を判別する方法としては他の方法でも流量情報をもとに判別推定が可能であれば使用可能である。
なお、判別された情報としては流量情報記憶手段8内からの情報を制御回路11を介して表示部への表示または、外部の端末機(図示していない)へのデータ転送など確認できる手段であればいずれも使用可能である。
なお、図6示すように流量計測装置内に器具別流量積算手段15を有する構成とすることで、各ガス量の変化値を積分し機器・機能別の使用ガス変化を求めることができ機器別、機能別のガス使用量を算出することが可能である。そして図7に示すように器具判別によって各器具別の使用流量を求め、その各器具の流量の和とその間の瞬時計測流量の値が略々正しければ、判別は正しいと判断し、差異があれば判別を誤っていとして誤り訂正を行うトリガーとする。
また、更には機器・機能別の使用ガス流量に対して個別の料金が課金できるように個別流量に対する料金演算手段を設けることでガス事業者の設定により器具・機能別の任意の料金を算出することも可能である。
また提供しうるサービスの例として、一つに新たなガス料金体系として、暖房器具だけに割引制度を適用することが考えられ、消費者にとってはガス料金に割安感が持て、暖房機の長時間使用によりガス事業社のガス拡販及び更には機器の増販に繋げることもできる。
以上のように、本発明にかかる流量計測装置は、器具判別手段が器具を判別しえなかっ
た場合誤り訂正を行うことで器具判別の精度を高めることができるので、器具判別情報を用いた保安機能や各種料金サービスに利用することができる。
本発明の実施の形態1における流量計測装置の構成図 本発明の実施の形態1における流量計測部構成図 本発明の実施の形態1における流量及び演算値の特性図 本発明の実施の形態1における流量及び演算値の特性図 本発明の実施の形態1における判別動作の流れ図 本発明の実施の形態1における流量計測装置の構成図 本発明の実施の形態1における判別動作の流れ図 本発明の実施の形態1における判別動作の流れ図 従来の流量計測装置の判別方法概念図 従来の流量計測装置の判別方法データ構成図
符号の説明
1 流量計測装置
2 ガス遮断弁
3 流量計測手段
4 表示部
5 感震器
6 演算手段
7 器具登録手段
8 流量情報記憶手段
9 器具判別手段
10 誤り訂正手段
11 制御回路
12 計測流路
13,14 超音波送受信器
15 器具別流量積算手段

Claims (6)

  1. 流量を一定時間間隔で計測する流量計測手段と、
    前記流量計測手段の流量値を記憶する流量情報記憶手段と、
    前記流量計測手段から出力される流量値の差分値を求める演算手段と、
    器具の状態変化時の差分値と、起動時の流量変化値が記録されている器具登録手段と、
    前記演算手段により算出された差分値と前記器具登録手段内に登録された器具の状態変化時の差分値との大きさを比較し、前記流量計測手段の下流側に接続された器具の使用状態の変化を判定する器具判別手段と、
    判別結果の訂正を行う訂正手段とを有し、
    前記訂正手段は、前記器具判別手段がどの器具の状態変化か判定できなかった場合、前記起動時の流量変化値を用いて器具の判別を行う流量計測装置。
  2. 前記器具判別手段の結果に基づいて器具ごとの流量を算出する器具別流量算出手段を備えた請求項1記載の流量計測装置。
  3. 前記訂正手段は、前記器具別流量算出手段の算出した器具別流量の合計と前記流量計測手段の計測値があわない場合判定不可と判断する請求項2記載の流量計測装置。
  4. 前記流量情報記憶手段は、流量値を時間軸方向に情報圧縮して記憶する情報圧縮手段を備えた請求項1〜3のいずれか1項に記載の流量計測装置。
  5. 前記流量計測手段は、瞬時流量計測手段としての超音波流量計を用いた請求項1〜4のいずれか1項に記載の流量計測装置。
  6. 家庭用ガス供給管に接続された請求項1〜5のいずれか1項に記載の流量計測装置を用いたガス供給システム。
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